JPH0623788Y2 - トルク変動吸収装置 - Google Patents

トルク変動吸収装置

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JPH0623788Y2
JPH0623788Y2 JP1987038683U JP3868387U JPH0623788Y2 JP H0623788 Y2 JPH0623788 Y2 JP H0623788Y2 JP 1987038683 U JP1987038683 U JP 1987038683U JP 3868387 U JP3868387 U JP 3868387U JP H0623788 Y2 JPH0623788 Y2 JP H0623788Y2
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plate
flywheel
torque
drive plate
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重太郎 八幡
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、エンジンのトルク変動吸収装置に関し、特に
その減衰・トルクリミット機構の改良を図ったトルク変
動吸収装置に関する。
〔従来の技術〕
自動車や船舶等のエンジンの動力伝達装置には、エンジ
ンからの入力側に生じるねじり振動やトルク変動がその
ままあるいは増幅されて出力側に伝えられると出力側機
器の損傷を招くので、トルク変動吸収装置が介装されて
いる。
従来トルク変動吸収装置としては、例えば実開昭61-235
47号公報に示されたものがある。
つまり、第4,5図に示すように、駆動軸としてのエンジ
ンクランクシャフト1には、ドライブプレート2が同シ
ャフト1と一体回転するようにボルトにより連結されて
いる。このドライブプレート2は、リング状のドライブ
プレート本体2a,2bを鋼板の側板2c,2dで両側から挟みこ
れらをリベット3,ねじ4で一体に結合したものであ
る。
ドライブプレート2の一部を構成する側板2c,2dのうち
フライホイール6側の側板2dは、その外周部をフライホ
イール6の外周を覆うようにほぼL字状断面となるよう
に折り曲げられた折り曲げ部2d′が形成され、同折り曲
げ部2d′がドライブプレート2とフライホイール6との
間に半径方向に延びるよう形成された隙間11の外周開
口を覆っている。なお、ドライブプレート本体2aの外周
には、スタータ用のリングギヤ5が圧入,焼ばめ等によ
り装着されている。
フライホイール6は、ドライブプレート2に対向してか
つドライブプレート2と同軸上の位置において、ドライ
ブプレート2と相対回動可能となるようにベアリング7
を介してドライブプレート2に支持されている。
なお、符号8は図示しないクラッチを位置合わせするた
めのピン、9は図示しないクラッチカバーを取り付ける
ためのねじ穴である。
フライホイール6は、後述する減衰・トルクリミット機
構15を収納するための環状凹所6c(第6図参照)を形
成すべく、フライホイール本体6aとドリブンプレート6b
との2分割の構成となっており、フライホイール本体6a
とドリブンプレート6bとはボルト10によって互いに一
体的に結合されている。
これらのドライブプレート2とフライホイール6との間
には、ばね機構12が設けられている。このばね機構1
2は、コイルスプリング13と、同コイルスプリング1
3の両端に設けられるスプリングシート14,14と、
同スプリングシート14,14の各内端に固着されスプ
リング13より大きなばね定数をもって変形し得る弾性
体14a,14aとから構成される。このスプリングシート1
4,14は、互いに同型状のものとして、コイルスプリ
ング13の両端に設けられて、弾性体14a,14aは互いに
面接触しうるようになっている。
このうち、一方のスプリングシート14はドライブプレ
ート2のリング状の本体2aの半径方向突出部の一側に当
接し、他方のスプリングシート14は後述する減衰・ト
ルクリミット機構15の各ドリブンディスク16の半径
方向外方延設部16bに当接しうるような構造となってい
る。これらのスプリングシート14は、クランクシャフ
ト1にトルクがかからない状態においては、同スプリン
グシート14の当接しうる部材との間には間隙が存在す
るようになっている。
減衰・トルクリミット機構15は、第6図に示すよう
に、フライホイール6の環状凹所6cを形成するフライホ
イール本体6aの内壁面6dとドリブンプレート6bの内壁面
6eとの間に保持されており、一対のドリブンディスク1
6と、両ドリブンディスク16,16間に介装され各ド
リブンディスク16をフライホイール本体6aの内壁面6d
あるいはドリブンプレート6bの内壁面6eに付勢する弾性
部材としてのコーンスプリング17と、各ドリブンディ
スク16における内壁面6dあるいは6eに接する側の表面
にそなえられた摩擦材からなるライニング16aとから構
成されている。
ライニング16aは、フライホイール本体6aあるいはドリ
ブンプレート6bとの摺動摩擦損失によりトルク変動の振
動に減衰作用を与えうるようになっている。なお、コー
ンスプリング17によってドリブンディスク16のフラ
イホイール本体6a,ドリブンプレート6bへの押しつけ力
がきまるが、コーンスプリング17はこの押しつけ力が
適当な大きさになるようなばね定数を有している。
ヒステリシス機構18は、ドライブプレート2とフライ
ホイール6との間に介装されており、第7図に示すよう
に、ドライブプレート2と一体回転しうるプレート19
と、同プレート19に張り付けられフライホイール6に
係合する摩擦材19aと、ドライブプレート2とプレート
19との間に介装され摩擦材19aをフライホイール6へ
付勢する皿ばね20とから構成されている。
なお、プレート19の一部には屈曲部が形成されてい
て、この屈曲部をドライブプレート2の側板2cに形成さ
れた穴22に係合させることにより、プレート19はド
ライブプレート2に周方向へ固定される。また、摩擦材
19aはポリイミド樹脂を主成分とする材料からなる。
上述の構成により、エンジンのクランクシャフト1の回
転トルクは、クランクシャフト1と一体回転するドライ
ブプレート2に伝えられ、ばね機構12,減衰・トルク
リミット機構15,ヒステリシス機構18を介してフラ
イホイール6に伝達される。
このときクランクシャフト1の回転トルクの微少変動や
エンジン振動は、ばね機構12のばね系および減衰・ト
ルクリミット機構15やヒステリシス機構18の減衰系
によって吸収される。
第8図は、これらのばね系・減衰系を介したトルク伝達
特性図であるが、特性A′は、スプリングシート14と
同スプリングシート14の当接しうる部材との間に存在
する間隙による遊びを示している。
そして、特性B′は、スプリングシート14がその当接
しうる部材(例えばドリブンディスク16の半径方向外
方延設部16b)に当接してスプリング13がたわむこと
(圧縮変形)によって生じるもので、特性C′は、スプ
リング13の圧縮によってスプリングシート14,14
の弾性体14a,14aが互いに当接して、同スプリングシー
ト14,14が弾性変形することによって生じるもので
ある。
また、特性D′は、クランクシャフト1からの捩れトル
クがリミットトルクに達した時に、減衰・トルクリミッ
ト機構15のフライホイール6とドリブンディスク16
との間に発生する滑りによって生じるものである。
なお、これらの特性A′,B′,C′は、ヒステリシス
機構18の作用によって、ヒステリシスループを描く。
したがって、クランクシャフト1からのトルクが低トル
クのときは、まずスプリングシート14とドリブンディ
スク16との間の遊びと、ヒステリシス機構18の低摩
擦力とが有効に働いて特性A′を得て、それ以上のトル
クが作用すると、スプリングシート14とドリブンディ
スク16の延設部16bとが接触して、スプリング13が
撓んで特性B′を得て、さらに、トルクが大になってス
プリング13の撓みが増加しスプリングシート14,1
4の弾性体14a,14aが互いに当接して、それ以上のトル
クが加わるとスプリングシート14の弾性体14a自体が
撓んで特性C′を得る。そして、さらにトルクが増加し
て必要以上のトルクとなると、減衰・トルクリミット機
構15において、ドリブンディスク16側のライニング
16aとフライホイール6との間で滑りを生じ続ける動摩
擦状態となって、必要以上のトルクがカットされる特性
D′を得る。
このとき、ヒステリシス機構18の摩擦材19aも、フラ
イホイール6との間で滑りを生じ続けて特性D′の成形
に寄与している。
このようにして効果的にトルク変動が吸収され、パワー
トレインへと伝達される。
〔考案が解決しようとする問題点〕
ところで、上述の従来のトルク変動吸収装置では、クラ
ンクシャフト1から伝達される回転トルクのトルク変動
が次第に増加していくと、ドリブンディスク16側のラ
イニング16aとフライホイール6との間および摩擦材19a
とフライホイール6との間で滑りを生じ続けることにな
る(第8図中の特性D′)。
しかしながら、上記ライニング16aとフライホイール6
側および摩擦材19aとフライホイール6側との間での滑
りの発生頻度が高くなると、これらの間で発熱し、ライ
ニング16aおよび摩擦材19aの摩擦係数が不安定になり、
減衰・トルクリミット機構15およびヒステリシス機構
18に対する信頼性が低下するという問題点がある。
本考案は、上述のような問題点の解決をはかろうとする
もので、ライニングおよび摩擦材とフライホイールとの
摩擦を最小限に押さえて、減衰・トルクリミット機構1
5およびヒステリシス機構18に対する信頼性の低下を
確実に防止できる、トルク変動吸収装置を提供すること
を目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
このため、本考案のトルク変動吸収装置は、駆動軸に連
結されるドライブプレートと、同ドライブプレートと同
軸上に同ドライブプレートに対して相対回転可能にそな
えられたドリブンプレートと、上記ドライブプレートと
同軸上に同ドライブプレートに対して相対回転可能にそ
なえられたフライホイールと、上記ドライブプレートと
上記ドリブンプレートとの間に介装されたばね機構と、
上記ドリブンプレートと上記フライホイールとの間に介
装された減衰・トルクリミット機構とを有し、上記駆動
軸の回転を上記ドライブプレート、上記ばね機構、ドリ
ブンプレートおよび上記減衰・トルクリミット機構を介
して上記フライホイールに伝達させるトルク変動吸収装
置において、上記減衰・トルクリミット機構が、上記ド
ライブプレート側に係止されかつ上記フライホイール側
に摩擦係合されたドリブンディスクをそなえるととも
に、同ドリブンディスクに、同ドリブンディスクの回転
方向へ延在するように形成された係合孔が設けられ、同
係合孔に、一端を上記ドリブンプレートに固定されると
ともに他端を上記フライホイール側に固定されたストッ
パピンが嵌挿係合され、上記係合孔の回転方向両端部と
上記ストッパピンとの間にスプリングがそれぞれ介装さ
れ、同各スプリングのばね定数が、上記ばね機構のばね
定数よりも大きく設定されていることを特徴としてい
る。
〔作用〕
上述の本考案のトルク変動吸収装置では、駆動軸からの
回転トルクが、ドライブプレート側から減衰・トルクリ
ミット機構へ伝達され、同減衰・トルクリミット機構に
より、変動を吸収されてフライホイール側に伝達され
る。
駆動軸からの回転トルクのトルク変動が増加していく
と、ばね機構のばねが撓んで、伝達トルクが捩れ角に比
例するトルク伝達特性が得られ、さらにトルク変動が増
加していくと、ドライブプレートとフライホイールとの
間で相対回転が生じてストッパピンがスプリングを押し
縮めながらトルク変動を吸収し、許容範囲以上のトルク
変動が減衰されるトルク伝達特性が得られる。
そして、ストッパピンが係合孔のドリブンディスク回転
方向端部に当接すると、この時点でドライブプレートと
フライホイールとが一体回転する。
〔実施例〕
以下、図面により本考案の一実施例としてのトルク変動
吸収装置について説明すると、第1図はその減衰・トル
クリミット機構の要部を示す縦断面図(第4図のI部相
当箇所拡大図)、第2図はその減衰・トルクリミット機
構の要部を示す平面図(第1図のA−A矢視断面図)、
第3図はそのトルク伝達特性を示すグラフである。
本実施例のトルク変動吸収装置も、第4,5図に示す従来
例のものとほぼ同様に構成される。
つまり、第4,5図に示すように、駆動軸としてのエンジ
ンクランクシャフト1には、ドライブプレート2が同シ
ャフト1と一体回転するようにボルトにより連結されて
いる。このドライブプレート2は、リング状のドライブ
プレート本体2a,2bを鋼板の側板2c,2dで両側から挟みこ
れらをリベット3,ねじ4で一体に結合したものであ
る。
ドライブプレート2の一部を構成する側板2c,2dのうち
フライホイール6側の側板2dは、その外周部をフライホ
イール6の外周を覆うようにほぼL字状断面となるよう
に折り曲げられた折り曲げ部2d′が形成され、同折り曲
げ部2d′がドライブプレート2とフライホイール6との
間に半径方向に延びるよう形成された隙間11の外周開
口を覆っている。なお、ドライブプレート本体2aの外周
には、スタータ用のリングギヤ5が圧入,焼ばめ等によ
り装着されている。
フライホイール6は、ドライブプレート2に対向してか
つドライブプレート2と同軸上の位置において、ドライ
ブプレート2と相対回動可能となるようにベアリング7
を介してドライブプレート2に支持されている。
なお、符号8は図示しないクラッチを位置合わせするた
めのピン、9は図示しないクラッチカバーを取り付ける
ためのねじ穴である。
フライホイール6は、後述する減衰・トルクリミット機
構15を収納するための環状凹所6cを形成すべく、フラ
イホイール本体6aとドリブンプレート6bとで構成されて
おり、フライホイール本体6aとドリブンプレート6bとは
ボルト10によって互いに一体的に結合されている。
これらのドライブプレート2とフライホイール6との間
には、ばね機構12が設けられている。このばね機構1
2は、コイルスプリング13と、同コイルスプリング1
3の両端に設けられスプリングシート14,14と、同
スプリングシート14,14の各内端に固着されスプリ
ング13より大きなばね定数をもって変形し得る弾性体
14a,14aとから構成される。このスプリングシート1
4,14は、互いに同型状のものとして、コイルスプリ
ング13の両端に設けられて、弾性体14a,14aは互いに
面接触しうるようになっている。
このうち、一方のスプリングシート14はドライブプレ
ート2のリング状の本体2aの半径方向突出部の一側に当
接し、他方のスプリングシート14は後述する減衰・ト
ルクリミット機構15のドリブンディスク16の半径方
向外方延設部16bに当接しうるような構造となってい
る。これらの各スプリングシート14は、駆動軸1にト
ルクがかからない状態においては、同スプリングシート
14の当接しうる部材との間には間隙が存在するように
なっている。
減衰・トルクリミット機構15は、フライホイール6の
環状凹所6cを形成するフライホイール本体6a側の内壁面
(ピンホルダプレート23の内壁面)6dとドリブンプレ
ート6bの内壁面6eとの間に保持されている。
ヒステリシス機構18は、ドライブプレート2とフライ
ホイール6との間に介装されており、第7図に示すよう
に、ドライブプレート2と一体回転しうるプレート19
と、同プレート19に張り付けられフライホイール6に
係合する摩擦材19aと、ドライブプレート2とプレート
19との間に介装され摩擦材19aをフライホイール6へ
付勢する皿ばね20とから構成されている。
なお、プレート19の一部には屈曲部が形成されてい
て、この屈曲部をドライブプレート2の側板2cに形成さ
れた穴22に係合させることにより、プレート19はド
ライブプレート2に周方向に固定される。また、摩擦材
19aはポリイミド樹脂を主成分とする材料からなる。
そして、本実施例のトルク変動吸収装置では、その減衰
・トルクリミット機構15が、第1,2図に示すよう
に、肉厚に成形されたドリブンディスク16と、同ドリ
ブンディスク16とドリブンプレート6bとの間に介装さ
れドリブンディスク16側に取り付けられた摩擦材から
なるライニング16aと、ドリブンディスク6とフライホ
イール本体6a側との間に介装されドリブンディスク16
をドリブンプレート6bの内壁面6eに付勢するコーンスプ
リング17とから構成されており、ライニング16aは、
ドリブンプレート6bとの摺動摩擦損失によりトルク変動
の振動に減衰作用を与えうるようになっている。なお、
コーンスプリング17によってドリブンディスク16の
ドリブンプレート6bへの押しつけ力がきまるが、コーン
スプリング17はその押しつけ力が適当な大きさになる
ようなばね定数を有している。
ドリブンディスク16には、このドリブンディスク16
の回転方向へ延在するように形成された係合孔16cが設
けられており、この係合孔16cに嵌挿係合されてストッ
パピン21が設けられている。
なお上記係合孔16cのドリブンディスク16回転方向両
端部16d,16eには、突起部16f,16gが形成されている。ス
トッパピン21は、その一端をドリブンプレート6bに、
他端を、フライホイール本体6aとドリブンプレート6bと
の間に介装して固定されたピンホルダプレート23にそ
れぞれ固定して設けられている。ストッパピン21のド
リブンディスク16回転方向端部21a,21bには突起部21
c,21dが形成されている。
そして、係合孔16c内におけるストッパピン21の両側
には、それぞれの一端を係合孔16cの突起部16f,16gに係
止され、それぞれの他端をストッパピン21の突起部21
c,21dに係止されたスプリング24,25が設けられて
いる。このスプリング24,25のバネ定数は、ばね機
構12のスプリング13のバネ定数よりも大きく設定さ
れている。また、スプリング24,25のうちストッパ
ピン21側端部24a,25aとストッパピン21の各端部21
a,21bとの間にはあそびを持たせるために所定の隙間2
6を有している。
なお、符号θL,θL′は、上記スプリング24,25の
ストッパピン21側端部24a,25aと、上記係合孔16cの各
端部16d,16eの各突起部16f,16gとの間の角度(ドリブン
ディスク16の回転中心からの角度であり、ストッパピ
ン21の端部21a,21bがスプリング24,25に当接し
てから移動できる範囲)を示している。
本考案の一実施例としてのトルク変動吸収装置は上述の
ごとく構成されるので、従来と同様に、エンジンクラン
クシャフト1の回転トルクは、クランクシャフト1と一
体回転するドライブプレート2に伝えられ、ばね機構1
2,減衰・トルクリミット機構15,ヒステリシス機構
18を介してフライホイール6に伝達される。
このときクランクシャフト1の回転トルクの微少変動や
エンジン振動は、ばね機構12のばね系および減衰・ト
ルクリミット機構15やヒステリシス機構18の減衰系
によって吸収される。
そして、クランクシャフト1からの回転トルクのトルク
変動が増加してくると、減衰・トルクリミット機構15
およびヒステリシス機構18を介して、ドライブプレー
ト2とフライホイール6とが相対回転を生じはじめる。
このとき、ストッパピン21は、係合孔16c内を、ドリ
ブンディスク16のフライホイール6に対する相対回転
により移動してスプリング24あるいは25の各端部24
aあるいは25aに当接する。ついで、ストッパピン21は
スプリング24あるいは25を押し縮め、ピン21の突
起部21c,21dの一方が係合孔16cの突起部16f,16gの一方
に当接する。この時点で、ドライブプレート2とフライ
ホイール6とは一体的に係止されて、クランクシャフト
1からの回転トルクは、減衰・トルクリミット機構15
およびヒステリシス機構18で減衰されずにほぼ100
%パワートレインへ伝達される。
これを第3図のグラフに基づいて説明すると、クランク
シャフト1からの回転トルクのトルク変動が小さいとき
は、まずスプリングシート14とドリブンディスク16
の半径方向外方延設部16bとの間の遊びと、ヒステリシ
ス機構18の低摩擦力とが有効に働いて特性Aを得て、
それ以上のトルク変動が作用すると、スプリングシート
14とドリブンディスク16とが接触して、スプリング
13が撓んで特性Bを得て、さらに、トルク変動が大に
なってスプリング13の撓みが増加しスプリングシート
14,14の弾性体14a,14aが互いに当接して、それ以
上のトルク変動が加わるとスプリングシート14の弾性
体14a自体が撓んで特性Cを得る。そして、さらにトル
ク変動が増加して許容範囲以上の大きさのトルク変動
(急激に伝達するには大きすぎてパワートレイン側を破
損する程度のトルク変動)となると、減衰・トルクリミ
ット機構15において、ドリブンディスク16側のライ
ニング16aとフライホイール6側とが互いに滑り始めて
急激なトルク変動を吸収する特性Dを得る。ライニング
16aとフライホイール6との間が僅かに滑ると、ストッ
パピン21がスプリング24あるいは25に当接しこれ
を押し縮めながらθLあるいはθL′だけドライブプレー
ト2側とフライホイール6側とが相対回転してこのドラ
イブプレート2側とフライホイール6側との間のトルク
差を許容範囲内まで縮め、許容範囲以上のトルク変動が
減衰される特性Eを得る。次いで、ストッパピン21の
突起部21cあるいは21dが係合孔16cの突起部16fあるいは
16gに当接し、クランクシャフト1からの回転トルク
は、減衰・トルクリミット機構15およびヒステリシス
機構18で損失されることはなく、ほぼ100%伝達さ
れる特性Fを得る。
このようにしてクランクシャフト1からの回転トルク
は、効果的にトルク変動が吸収され、かつトルクの伝達
損失を低く押さえられて、パワートレインへと伝達され
る。
以上のように、許容範囲以上の大きさのトルク変動を、
減衰・トルクリミット機構15,ヒステリシス機構18
およびスプリング24あるいは25によって角度θL
るいはθL′の範囲で上記許容範囲内まで縮めて、係合
孔16cおよびストッパピン21でドライブプレート2と
フライホイール6とを一体的に回転させるので、減衰・
トルクリミット機構15およびヒステリシス機構18で
の必要以上の滑りがなくなり、ライニング16aおよび摩
擦材19aの劣化を最少限に押さえることができる。これ
により、減衰・トルクリミット機構15およびヒステリ
シス機構18に対する安定性が向上する。
なお、角度θL,θL′は、クランクシャフト1から急激
に許容範囲以上の大きさのトルク変動がパワートレイン
側に伝達しようとするのを、この角度θL,θL′の範囲
で、許容範囲内の大きさのトルク変動までそのトルク差
を縮めるのに必要な角である。このため、角度θL
θL′は、エンジンの大きさ(トルク変動の大きさ)や
ミッションの大きさ等諸条件により設定される。あるい
は、角度θL,θL′は一定にして、減衰・トルクリミッ
ト機構15およびヒステリシス機構18の各摩擦係数を
上記諸条件により設定する。
〔考案の効果〕
以上詳述したように、本考案のトルク変動吸収装置によ
れば、駆動軸からの回転トルクのトルク変動が増加して
いくとき、最初にばね機構が作用してトルク変動が減衰
され、トルク変動がさらに大きくなると減衰・トルクリ
ミット機構のスプリングが作用して大きな減衰作用が発
揮されるため、駆動軸からの回転トルクがパワートレイ
ンへ伝達される際に、駆動軸からの回転トルク変動を極
めて効果的に吸収することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は本考案の一実施例としてのトルク変動吸収
装置について示すもので、第1図はその減衰・トルクリ
ミット機構の要部を示す縦断面図(第4図のI部相当箇
所拡大図)、第2図はその減衰・トルクリミット機構の
要部を示す平面図(第1図のA−A矢視断面図)、第3
図はそのトルク伝達特性を示すグラフであり、第4〜8
図は従来のトルク変動吸収装置を示すもので、第4図は
その縦断面図(第5図のIV−IV矢視断面図)、第5図は
第4図のV−V矢視図、第6図は第4図のVI部拡大図、
第7図は第4図のVII部拡大図、第8図はそのトルク伝
達特性を示すグラフである。 1……駆動軸としてのエンジンクランクシャフト、2…
…ドライブプレート、2a,2b……ドライブプレート本
体、2c,2d……側板、2d′……折り曲げ部、3……リベ
ット、4……ねじ、5……スタータ用リングギヤ、6…
…フライホイール、6a……フライホイール本体、6b……
ドリブンプレート、6c……環状凹所、6d,6e……内壁
面、7……ベアリング、8……ピン、9……ねじ穴、1
0……ボルト、11……隙間、12……ばね機構、13
……コイルスプリング、14……スプリングシート、14
a……弾性体、15……減衰・トルクリミット機構、1
6……ドリブンディスク、16a……摩擦材からなるライ
ニング、16b……半径方向外方延設部、16c……係合孔、
16d,16e……係合孔16cの端部、16f,16g……各端部16d,1
6eの突起部、17……コーンスプリング、18……ヒス
テリシス機構、19……プレート、19a……摩擦材、2
0……皿ばね、21……ストッパピン、21a,21b……ス
トッパピン21の端部、21c,21d……端部21a,21bの突起
部、22……側板2cの穴、23……ピンホルダプレー
ト、24,25……スプリング、24a,25a……スプリン
グ24,25のストッパピン21側端部。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動軸に連結されるドライブプレートと、 同ドライブプレートと同軸上に同ドライブプレートに対
    して相対回転可能にそなえられたドリブンプレートと、 上記ドライブプレートと同軸上に同ドライブプレートに
    対して相対回転可能にそなえられたフライホイールと、 上記ドライブプレートと上記ドリブンプレートとの間に
    介装されたばね機構と、 上記ドリブンプレートと上記フライホイールとの間に介
    装された減衰・トルクリミット機構とを有し、 上記駆動軸の回転を上記ドライブプレート、上記ばね機
    構、ドリブンプレートおよび上記減衰・トルクリミット
    機構を介して上記フライホイールに伝達させるトルク変
    動吸収装置において、 上記減衰・トルクリミット機構が、 上記ドライブプレート側に係止されかつ上記フライホイ
    ール側に摩擦係合されたドリブンディスクをそなえると
    ともに、 同ドリブンディスクに、同ドリブンディスクの回転方向
    へ延在するように形成された係合孔が設けられ、 同係合孔に、一端を上記ドリブンプレートに固定される
    とともに他端を上記フライホイール側に固定されたスト
    ッパピンが嵌挿係合され、 上記係合孔の回転方向両端部と上記ストッパピンとの間
    にスプリングがそれぞれ介装され、 同各スプリングのばね定数が、上記ばね機構のばね定数
    よりも大きく設定されている ことを特徴とする、トルク変動吸収装置。
JP1987038683U 1987-03-17 1987-03-17 トルク変動吸収装置 Expired - Lifetime JPH0623788Y2 (ja)

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JPS6038577B2 (ja) * 1979-03-30 1985-09-02 トヨタ自動車株式会社 車輛用内燃機関の回転振動吸収装置

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JPS63146251U (ja) 1988-09-27

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