JPH0644544A - 回転磁気ヘッド変位装置 - Google Patents

回転磁気ヘッド変位装置

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JPH0644544A
JPH0644544A JP4310352A JP31035292A JPH0644544A JP H0644544 A JPH0644544 A JP H0644544A JP 4310352 A JP4310352 A JP 4310352A JP 31035292 A JP31035292 A JP 31035292A JP H0644544 A JPH0644544 A JP H0644544A
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rotary
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drum
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信幸 梶田
Kosei Uejima
孝正 上島
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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/48Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
    • G11B5/58Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
    • G11B5/584Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following for track following on tapes
    • G11B5/588Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following for track following on tapes by controlling the position of the rotating heads

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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 磁気ヘッド840を軸821に沿って変位さ
せる制御磁界を発生する巻線834、定常磁界を発生す
るマグネット833、定常磁界を閉ループにするための
継鉄部(上側ヨーク832、下側ヨークドラム852)
が、軸821の周囲に環状に配されている。下側ヨーク
ドラム852は、固定ドラムを兼ねている。ヘッド支持
部材836は、外縁部にスパイラルグルーブが形成さ
れ、上側ドラム831の外周壁底面に固定されている。
上側ドラム831およびロータ側ロータリートランス8
61は、回転シリンダ824に取り付けられ、モータ部
およびヘッド支持部材836と共に同体回転する。 【効果】 装置の小型化を実現しながら、ヘッド変位機
構部の良好な応答特性、磁気テープの摺動抵抗低減、低
消費電力等の優れた性能を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転磁気ヘッドによっ
て磁気テープに記録再生を行う磁気記録再生装置ないし
回転ドラムに配設された複数個の磁気ヘッド同士のなす
角より回転ドラムに対する磁気テープの有効巻付け角を
小さくした磁気記録再生装置に備えられ、再生時に、機
械的な振動等に伴うトラック曲がりに回転磁気ヘッドを
追従させる回転磁気ヘッド変位装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】回転磁気ヘッドを使用するヘリカルスキ
ャン方式の磁気記録再生装置では、信号の記録時に、磁
気テープの長手方向に対して、所定の角度で傾斜した記
録トラックが形成される。中でも、ディジタル処理され
た信号を複数の磁気ヘッドで記録/再生する磁気記録再
生装置においては、隣合う磁気ヘッド同士のなす角より
回転ドラムに対する磁気テープの有効巻付け角を小さく
し、ディジタル処理された信号を時間的に不連続に記録
することができる。
【0003】図22に磁気ヘッドの個数が2個の場合、
図23に3個の場合の配設例を示す。なお、図22およ
び図23において、回転ドラム31の回転方向を矢印
X、磁気テープ32の走行方向を矢印Yで示す。
【0004】磁気ヘッドが2個の場合を示す図22にお
いては、磁気ヘッド20aと磁気ヘッド20bのなす角
D1は180度、磁気テープ32の回転ドラム31に対
する有効巻付け角は、D1よりD3だけ小さいD2とな
る。
【0005】磁気ヘッドが3個の場合を示す図23にお
いては、3個の磁気ヘッド21a、磁気ヘッド21b、
磁気ヘッド21cの隣合う磁気ヘッド同士がなす角D1
は120度、磁気テープ32の回転ドラム31に対する
有効巻付け角は、上記と同様にD1よりD3だけ小さい
D2となる。
【0006】さらに、図24に、2個の磁気ヘッドを1
組として、回転ドラムに2組取り付けたマルチチャンネ
ルの場合を示す。
【0007】図24において、1組の磁気ヘッド22
a、22bと磁気ヘッド23a、23bとのなす角D1
は180度、磁気テープ32の回転ドラム31に対する
有効巻付け角は、D1よりD3だけ小さいD2となる。
【0008】ところで、回転磁気ヘッドを備えた磁気記
録再生装置では、一般に、磁気テープの走行に伴うテン
ションむらや、機械的な振動等の影響で、実際に形成さ
れる記録トラックの中心が、本来の直線状のトラック中
心から外れるトラック曲がりが発生する。
【0009】このため、通常再生時に、回転磁気ヘッド
をトラック曲がりに対しても正確に追従させ、再生信号
品質を向上させるトラッキング制御が必要になる。ま
た、磁気テープの走行速度を記録時と異ならせるスロー
モーション再生・スチル再生のような変速再生の場合で
も、回転磁気ヘッドを記録トラックに正確に追従させれ
ば、例えば、画振れやガードバンドノイズの少ない再生
信号が得られる。
【0010】上記のトラッキング制御を行う一手段とし
て、制御信号によって、回転磁気ヘッドを記録トラック
の幅方向に変位させるヘッドムービング機構が知られて
いる。なお、上記制御信号には、記録トラックの再生と
同時に、記録トラックと回転磁気ヘッドとの相対位置を
検出した信号が用いられる。また、一定のピッチで記録
トラックを形成するために、記録時の回転磁気ヘッドは
所定高さに保持されるようになっている。
【0011】上記のようなヘッドムービング機構の一例
を図25および図26に示す。
【0012】図25は従来のヘッドムービング機構を有
する回転磁気ヘッド変位装置の平面図、図26は図25
のXI−XI線に沿う縦断面図である。
【0013】回転磁気ヘッド変位装置40は、ヘッドム
ービング機構部50、回転ドラム31、固定ドラム3
3、モータ部51、軸一体型ベアリング部52、および
トランス部53から構成されている。
【0014】まず、固定ドラム33の上面中央には、軸
挿入孔33aが形成されている。この軸挿入孔33aに
は、軸一体型ベアリング部52が挿入されている。
【0015】軸一体型ベアリング部52は、軸52a、
上下一対の外輪52b、上下一対の球52c、カラー5
2d、および予圧バネ52eから構成されている。この
筒状のカラー52dが、上記軸挿入孔33aの内壁表面
に接触するようにはめられている。
【0016】このカラー52dの上側と下側には、上下
一対の外輪52bのそれぞれが支持されている。これら
の外輪52bの間には、予圧バネ52eが嵌め込まれて
いる。各外輪52bの内壁には、複数個の球52cが配
されている。この球52cによって、軸52aが支持さ
れている。この軸52aは、自らの中心線を回転軸とし
て滑らかに回転可能である。固定ドラム33の下側に
は、モータ部51が設けられている。
【0017】モータ部51は、モータステータ51a、
モータロータ51b、およびカラー51cから構成され
ている。円筒形状をなすモータステータ51aは、固定
ドラム33の下側に固定されている。カラー51cは、
固定ドラム33の下面から突き出た軸52aの下端付近
に固定されている。モータロータ51bはカラー51c
の下面に連結されながら、モータステータ51aに対面
するように配設されている。
【0018】固定ドラム33の上側には、円筒形状の回
転ドラム31が配設されている。この回転ドラム31
は、固定ドラム33の上面から突き出た軸52aに固定
されている。回転ドラム31には、回転ドラム31の下
面に開口する複数の円筒中空部が、例えば回転ドラム3
1の回転軸に対して対称的に形成されている(円筒中空
部の形成位置は、図25に破線で示されている)。ま
た、回転ドラム31の上面には、上記各円筒中空部に対
して貫通する開口31aが形成されている。
【0019】この開口31aを介して、上記各円筒中空
部内に設けられたヘッドムービング機構50の一部が露
出している。また、開口31aの上方には、所定の距離
を置いて位置センサ34が設置されている。さらに、回
転ドラム31の上面には、スリップリング35が取り付
けられ固定されている。
【0020】トランス部53は、環状をなすロータ側回
転トランス53aとステータ側回転トランス53bとか
ら構成されている。ステータ側回転トランス53bは、
固定ドラム33の上面に形成された環状の溝に取り付け
られている。ロータ側回転トランス53aは、回転ドラ
ム31の下面に取り付けられている。これらロータ側回
転トランス53aとステータ側回転トランス53bと
は、僅少な隙間を介して対向している。
【0021】上記のように、回転磁気ヘッド変位装置4
0は構成されている。この回転磁気ヘッド変位装置40
のスリップリング35に、支持部材36aによって支持
されたブラシ36bが接している。すなわち、ブラシ3
6bとスリップリング35とは電気的に接続されてい
る。
【0022】次に、上記のヘッドムービング機構50の
構成について、図26に示されたヘッドムービング機構
50を拡大した図27を参照して説明する。
【0023】図27において、ヘッドムービング機構5
0は、継鉄部、ヘッド可動部、および永久磁石から構成
されている。
【0024】継鉄部は、天面環状継鉄54a、底面環状
継鉄54b、および回転ドラム31に形成された上記の
円筒中空部に嵌挿される筒型継鉄54cから構成されて
いる。筒型継鉄54cの上面には、円板状の天面環状継
鉄54aが、筒型継鉄54cの底面には、円板状の底面
環状継鉄54bがそれぞれ取り付けられている。筒型継
鉄54cの側面下方には、切り欠き窓が形成されてい
る。また、天面環状継鉄54aには、回転ドラム31に
形成された上記開口31aに対応して、貫通孔が形成さ
れている。
【0025】このように、継鉄部は内部が中空で、その
一部に上記切り欠き窓を有する円柱形状をなしている。
この継鉄部内の中空部には、永久磁石55とヘッド可動
部とが設けられている。永久磁石55は円柱形状をな
し、天面環状継鉄54aおよび底面環状継鉄54bのそ
れぞれに、互いに所定の間隔を介して対向するように取
り付けられている。なお、この継鉄部は磁束を通す材料
から成っているため、ヘッドムービング機構50で生じ
る磁束は、継鉄部で閉ループを形成している。
【0026】一方、上記ヘッド可動部は、絶縁部材50
a、巻線50b、上側支持バネ50c、下側支持バネ5
0d、および磁気ヘッド20から構成されている。
【0027】まず、上側支持バネ50cと下側支持バネ
50dとが、筒型継鉄54cの上部および下部にそれぞ
れ取り付けられている。上側支持バネ50cおよび下側
支持バネ50dは、図27に示す矢印Pに沿う方向に変
位可能である。
【0028】磁気ヘッド20は、下側支持バネ50dに
取り付けられ、筒型継鉄54cおよび回転ドラム31に
設けられた上記切り欠き窓を介して、回転ドラム31の
外周に沿って露出している。巻線50bを巻き付けた筒
状の絶縁部材50aは、その上端面が上側支持バネ50
cに、下端面が下側支持バネ50dに取り付けられてい
る。この絶縁部材50a内に、対向する2つの永久磁石
55が挿入された状態となっている。
【0029】上記のように構成されたヘッドムービング
機構50が、回転ドラム31に対し複数個取り付けられ
ている。すなわち、図22および図24の場合は2個の
ヘッドムービング機構50を、図23の場合には3個の
ヘッドムービング機構50を回転ドラム31に配設する
ことになる。
【0030】次に、上記のヘッドムービング機構50を
具備する従来の回転磁気ヘッド変位装置の動作について
図26および図27を用いて説明する。
【0031】まず、モータ部51が動作する。すなわ
ち、モータステータ51aに対してモータロータ51b
が回転する。モータロータ51bの回転駆動力は、軸5
2aを介して回転ドラム31に伝えられる。これによっ
て、回転ドラム31が回転する。この回転ドラム31の
回転により、位置センサ34の下方を回転ドラム31の
開口31aが通過する。この通過時に、上側支持バネ5
0cの矢印Pに沿う位置が、位置センサ34により検出
される。
【0032】この検出により、制御電流がブラシ36
b、スリップリング35を介して巻線50bに供給され
る。巻線50bに流れる電流と永久磁石55の磁束とに
より、巻線50bが巻かれた絶縁部材50aは、矢印P
に沿ってどちらか一方の方向に力を受ける。絶縁部材5
0aを支持している上側支持バネ50cおよび下側支持
バネ50dは、矢印Pに沿う方向に変位可能であるた
め、絶縁部材50aは力を受ける方向に移動する。この
絶縁部材50aの移動により、下側支持バネ50dに取
り付け固定された磁気ヘッド20も矢印P方向に移動す
る。このようにして、磁気ヘッド20は所望の位置へ移
動可能となる。
【0033】磁気ヘッド20からの再生信号は、ロータ
側回転トランス53aおよびステータ側回転トランス5
3bを介して外部に引き出される。また、磁気ヘッド2
0への記録信号は、ステータ側回転トランス53bおよ
びロータ側回転トランス53aを介して外部から供給さ
れる。
【0034】次に、ヘッドムービング機構の他の例とし
て、特公昭61−55173号公報に開示された回転磁
気ヘッド装置について、図28に従って説明する。
【0035】磁気ヘッド4は、上側の回転ドラム1と下
側の固定ドラム13との間隙に位置している。回転ドラ
ム1および磁気ヘッド4は、回転軸15に取り付けられ
た回転支持機構によって同体的に回転する。上記の回転
支持機構は、回転軸15に近い方から、底部支持部材
9、センタポール12、永久磁石8、継鉄7、バネ取付
け部材6、板バネ部材5、ボビン10、および磁気ヘッ
ド支持基板3から構成されている。
【0036】上記磁気ヘッド支持基板3は、円板状また
は棒状であり、ボビン10の小円筒部の上端に取り付け
られている。複数の板バネ部材5の各両端は、小円筒部
側面とバネ取付け部材6とに固定され、底部支持部材9
に対して磁気ヘッド4を所定の高さに保持している。ボ
ビン10の大円筒部側面には、コイル11が巻回されて
いる。なお、ボビン10には絶縁部材が用いられてい
る。
【0037】一方、上記の永久磁石8、継鉄7、空隙1
6、およびセンタポール12によって磁気回路が形成さ
れており、上記コイル11は空隙16に配されているの
で、上記コイル11に上記制御信号を供給すると、電流
と磁界との相互作用により、ボビン10を回転軸15の
軸方向に変位させる駆動力が発生する。これにより、磁
気ヘッド4は、板バネ部材5の弾性力と上記駆動力とが
釣り合う位置まで変位する。
【0038】なお、上記制御信号は、外部に固定したブ
ラシ(図示せず)からスリップリング14を通じてコイ
ル11に供給される。また、センタポール12の中心に
立設された軸部には、ディスク2を介して回転ドラム1
が取り付けられている。
【0039】ところで、回転磁気ヘッドを搭載した磁気
記録再生装置が、高湿度雰囲気中または急激な温度変化
を伴う環境条件下で使用される場合、磁気テープと下側
ドラムとの間にミクロな水滴が結露し、薄い水膜が形成
される。この水膜の存在により生ずる水の粘性抵抗力に
より、磁気テープと下側ドラムが完全に付着したり、あ
るいは間歇的な付着現象により、磁気テープに一種の自
励振動が発生することもある。
【0040】一方、上記のような磁気記録再生装置の小
型軽量化を図るために、磁気テープには磁気記録密度の
向上が要求される。このため、磁気テープとして、樹脂
ベース上にニッケルコバルト合金を蒸着または塗布した
金属テープを用いるという動向が現れている。しかしな
がら、この場合、金属テープと下側ドラムという金属同
士が摺接することになるので、相対的な摩擦係数がより
高くなる結果、磁気テープの走行を安定化することが困
難となる。
【0041】そこで、これらの問題に対処するために、
例えば特公昭60−19061号公報に開示された磁気
記録再生装置は、図29(a)(b)に示すようなスパ
イラルグルーブ60を上側ドラム62の底面外縁部に設
けている。隣合うスパイラルグルーブ60の間をランド
61とすれば、ランド61と下側ドラムの天面とは、微
小間隙を介して対面している。したがって、上側ドラム
62が下側ドラムに対して図29(a)中に矢印Rで示
す回転方向の相対速度を持つことにより、スパイラルグ
ルーブ60は、回転中心Oから上側ドラム62の外周に
向かう動圧を発生させる。
【0042】上記の動圧は、スパイラルグルーブ60を
設けた底面外縁部の幅Hに応じて増減する。すなわち、
回転中心Oから上側ドラム62の外周までの距離と回転
中心Oから上記底面外縁部の内周までの距離との差を大
きくして幅Hを広げれば、より大きな動圧が発生する。
この動圧によって、磁気テープは下側ドラムの外周面か
ら僅かに浮上するので、テープ走行時の負荷が減少す
る。
【0043】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
回転磁気ヘッド変位装置は、以下に説明する様々な問題
点を抱えている。
【0044】例えば、回転磁気ヘッド変位装置40で
は、磁気記録再生装置の小型軽量化を考えて回転磁気ヘ
ッド変位装置40の外径および高さを縮小する場合、そ
れに伴ってヘッドムービング機構50の外径と高さも小
さくする必要がある。この場合、永久磁石55を縮小す
ることによる磁気特性の低下、筒型継鉄54cの内壁と
永久磁石55の外周面との対向面積低下による磁気抵抗
の上昇により、巻線50bへの供給電流に対する磁気ヘ
ッド20の変位量、いわゆる電流感度が低下する。この
低下を補正するには、上側支持バネ50cおよび下側支
持バネ50dのバネ定数を、所定変位量が得られるよう
に低下させる方法と、上記供給電流を増加させる方法と
がある。
【0045】しかし、上側支持バネ50cおよび下側支
持バネ50dの剛性を低下させる前者の補正方法の場
合、回転磁気ヘッド変位装置40の共振周波数が低下し
て応答特性が劣化する。この結果、磁気ヘッド20を介
して下側支持バネ50dが受けるテープテンションによ
る外乱により、記録トラックの曲がりが大きくなるとい
う問題や、再生時に記録トラックに追従できなくなる
(トラッキング外れ)という問題が生ずる。
【0046】また、後者の補正方法の場合、回転磁気ヘ
ッド変位装置40の消費電力が増大する問題や、巻線5
0bの発熱によりヘッドムービング機構50の温度が上
昇して熱変形することによる上記と同様の問題が発生す
る。トラックピッチの縮小により記録密度を向上させる
ことができるように、磁気記録再生装置の小型軽量化を
考えた場合、上記の問題は一層深刻となる。
【0047】一方、特公昭61−55173号公報に開
示されたような従来の回転磁気ヘッド装置には、さら
に、回転軸15を回転させるモータ部と、磁気ヘッド4
への記録信号および磁気ヘッド4からの再生信号を非接
触で伝達するためのロータリートランス部とが加わるた
め、回転磁気ヘッド装置全体が大きくならざるを得な
い。この結果、回転磁気ヘッド装置を搭載する磁気記録
再生装置の小型軽量化が困難になるので、磁気記録再生
装置により小型のテープカセットを用いて、より高密度
記録を行わせるという技術的発展に対応できないという
問題点が有る。
【0048】さらに、特公昭60−19061号公報に
開示されたようなスパイラルグルーブ60を、小型軽量
化を図って底面外縁部の肉厚(幅H)を薄くした上側ド
ラムに設けても、テープ走行時の負荷を低減させる効果
が充分得られない。これは、底面外縁部の幅Hを小さく
すると、発生する動圧も小さくなるため、下側ドラムの
外周面に対する磁気テープの浮上量が低下するからにほ
かならない。
【0049】また、上側ドラムを小型化したまま上記底
面外縁部の肉厚を厚くすれば、所望の動圧は得られるも
のの、上側ドラム内に収納されるヘッドムービング機構
をさらに小型化せざるを得ない。その結果、上記回転磁
気ヘッド変位装置40における問題と同様、永久磁石の
体積縮小による磁気特性の低下、回転磁気ヘッド変位装
置の消費電力増大、ヘッドムービング機構の応答特性劣
化等の問題が生ずる。
【0050】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る回
転磁気ヘッド変位装置は、上記の課題を解決するため
に、磁気テープに形成された記録トラックと磁気ヘッド
との相対的な位置を検出した検出信号に基づいて、磁気
ヘッドを記録トラックに追従させる回転磁気ヘッド変位
装置において、(1) 回転駆動力を発生する回転手段(例
えば、モータ部)と、(2) 上記回転手段の回転軸周囲の
円周に沿って配され、定常的な第1磁束を発生する磁界
発生手段(例えば、永久磁石)と、(3) 上記第1磁束が
閉ループを形成するように、上記磁界発生手段の周囲に
環状に配され、上記回転手段に連結された継鉄手段(例
えば、環状継鉄、筒型継鉄、上側ヨーク、または下側ヨ
ーク)と、(4) 上記継鉄手段に固定された固定部と、上
記磁界発生手段と継鉄手段との間に形成される間隙に嵌
挿されて上記検出信号に基づく第2磁束を発生し、上記
第1磁束と第2磁束との相互作用により上記回転軸に沿
って変位する変位部(例えば、巻線が施された絶縁筒ま
たはボビン)と、上記変位部に連結された連結部と、磁
気ヘッドを取り付けたヘッド支持部(例えば、支持バネ
またはヘッド支持部材)とを有する磁気ヘッド変位手段
(例えば、ヘッド変位機構部)とを備えていることを特
徴としている。
【0051】請求項2の発明に係る回転磁気ヘッド変位
装置は、上記の課題を解決するために、磁気テープに形
成された記録トラックと磁気ヘッドとの相対的な位置を
検出した検出信号に基づいて、磁気ヘッドを記録トラッ
クに追従させる回転磁気ヘッド変位装置において、(1)
回転駆動力を発生する回転手段(例えば、モータ部)
と、(2) 上記回転手段の回転軸周囲の円周に沿って配さ
れ、定常的な第1磁束を発生する磁界発生手段(例え
ば、永久磁石)と、(3) 上記第1磁束が閉ループを形成
するように、上記磁界発生手段の周囲に環状に配された
継鉄手段(例えば、環状継鉄、筒型継鉄、上側ヨーク、
または下側ヨーク)と、(4) 上記回転手段に連結して固
定された固定部と、上記磁界発生手段と継鉄手段との間
に形成される間隙に嵌挿されて上記検出信号に基づく第
2磁束を発生し、上記第1磁束と第2磁束との相互作用
により上記回転軸に沿って変位する変位部(例えば、巻
線が施された絶縁筒またはボビン)と、上記変位部に連
結された連結部と、磁気ヘッドを取り付けたヘッド支持
部(例えば、支持バネまたはヘッド支持部材)とを有す
る磁気ヘッド変位手段(例えば、ヘッド変位機構部)と
を備えていることを特徴としている。
【0052】請求項3の発明に係る回転磁気ヘッド変位
装置は、上記の課題を解決するために、請求項1または
2に記載の構成に加えて、上記継鉄手段に、磁気テープ
が摺動する摺動面を形成したことを特徴としている。
【0053】請求項4の発明に係る回転磁気ヘッド変位
装置は、上記の課題を解決するために、請求項1または
2に記載の構成に加えて、上記磁気テープに摺接する固
定ドラム(例えば、下側ドラムまたは下側ヨークドラ
ム)を備え、上記固定部を上記固定ドラムの外周近傍に
設けると共に、上記磁気ヘッドの回転面に沿って、磁気
ヘッドの回転中心から螺旋方向に突出する複数の突片を
上記固定部に形成したことを特徴としている。
【0054】請求項5の発明に係る回転磁気ヘッド変位
装置は、上記の課題を解決するために、磁気テープに形
成された記録トラックと磁気ヘッドとの相対位置を検出
した信号に基づいて、磁気ヘッドを記録トラックに追従
させる回転磁気ヘッド変位装置において、(1) 磁気テー
プに摺接する固定ドラム(例えば、下側ドラム)と、
(2) 固定ドラムの中央に、固定ドラムの中心軸に沿って
固定された固定軸と、(3) 上記固定軸に回転可能に取り
付けられた回転シリンダと、(4) 上記磁気テープに摺接
して回転する回転ドラム(例えば、上側ドラム)と、
(5) 上記固定軸に連結して固定された電機子部(例え
ば、駆動コイル)、および電機子部によって回転駆動さ
れる界磁石部とを有する回転駆動手段(例えば、モー
タ)と、(6) 上記磁気ヘッドを取り付けるヘッド支持体
(例えば、上側支持バネまたは下側支持バネ)と、上記
ヘッド支持体を上記固定軸に沿う方向に変位させる駆動
コイル(例えば、巻線)および磁気回路(例えば、環状
継鉄)とを有する磁気ヘッド変位手段(例えば、ヘッド
変位機構部)と、(7) 上記固定軸に連結して固定された
固定トランスコア部(例えば、ステータトランスコア)
と、固定トランスコア部に対面して設けられた回転トラ
ンスコア部(例えば、ロータトランスコア)とを有する
ロータリートランスとを備え、上記回転ドラム、界磁石
部、磁気ヘッド変位手段、および回転トランスコア部
が、それぞれ上記回転シリンダに連結されて同体回転す
ると共に、上記回転トランスコア部および回転シリンダ
が、上記磁気回路の一部を構成していることを特徴とし
ている。
【0055】
【作用】請求項1の構成によれば、磁界発生手段が、回
転手段の回転軸周囲の円周に沿って、すなわち上記回転
軸と同軸に配されると共に、継鉄手段が磁界発生手段の
周囲に環状に配されているので、回転磁気ヘッド変位装
置の小型軽量化を図っても、磁界発生手段の設置スペー
スを充分確保することができるのみならず、磁界発生手
段と継鉄手段との対向面積をも充分に確保することがで
きる。したがって、充分な強さの第1磁束を発生し、磁
気特性が良好な磁界発生手段を設けることができると共
に、磁気抵抗の増加を来すこともない。
【0056】この結果、ヘッド支持部のバネ定数を低下
させたり、変位部に供給する電流を大きくしなくても磁
気ヘッド変位手段の電流感度が良好となるので、記録時
のテープテンションによる外乱や磁気ヘッド変位手段の
熱変形によって、記録トラックが曲がったり、再生時の
トラック外れが発生するといった問題が生じない。
【0057】なお、請求項1の構成では、継鉄手段が回
転手段に連結されているため、継鉄手段、磁界発生手
段、および磁気ヘッド変位手段が同体回転するようにな
っている。
【0058】これに対し、請求項2の構成によれば、磁
気ヘッド変位手段の固定部が回転手段に連結されている
ため、継鉄手段および磁界発生手段は固定して設けなが
ら、磁気ヘッド変位手段を回転させることが可能にな
る。これにより、請求項1の作用効果に加えて、回転手
段の負担を低減することができる。このことは、回転手
段による消費電力の低減をもたらす。
【0059】さらに、請求項3の構成によれば、上記継
鉄手段に、磁気テープが摺動する摺動面を形成するの
で、請求項1の構成の場合には、上記継鉄手段にいわゆ
る回転ドラムの機能を兼ね備えさせることができ、請求
項2の構成の場合には、上記継鉄手段にいわゆる固定ド
ラムの機能を兼ね備えさせることができる。これによ
り、継鉄手段と回転ドラムまたは固定ドラムとを別体に
設ける必要が無くなるので、回転磁気ヘッド変位装置の
小型軽量化に大いに寄与する。
【0060】さらに、請求項4の構成によれば、磁気ヘ
ッド変位手段の固定部を固定ドラムの外周近傍に設ける
と共に、固定部に複数の突片を形成したことにより、上
記固定部の固定ドラムに対する回転運動によって、上記
突片に沿って空気流が流出しようとするため、上記磁気
テープに固定ドラムに対する浮上圧を与えることができ
る。したがって、磁気テープの固定ドラムに対する摺動
抵抗を低減させることができるため、磁気テープを安定
して滑らかに走行させることができる。
【0061】請求項5の構成によれば、回転ドラム、界
磁石部、磁気ヘッド変位手段、および回転トランスコア
部で構成される可動部は、いずれも回転シリンダに連結
されている。しかも、回転トランスコア部は、ロータリ
ートランスと磁気ヘッド変位手段の磁気回路の一部との
双方を構成し、回転シリンダもまた磁気回路の一部を構
成している。これによって、上記可動部を回転シリンダ
の周囲に機能的に集約して小型化を図りながら、固定ド
ラムに支持された固定軸を中心に同体回転させることが
できる。
【0062】この結果、上記回転駆動手段、磁気ヘッド
変位手段、およびロータリートランスを、回転ドラムお
よび固定ドラムをフレームとする空間内に収納すること
が可能となるので、回転磁気ヘッド変位装置の小型化を
実現すると共に、高密度記録を行う磁気記録再生装置に
取り付け可能な回転磁気ヘッド変位装置を提供すること
ができる。
【0063】
【実施例】
〔第1実施例〕本発明の一実施例について図1ないし図
7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0064】図1に、本発明に係るヘッドムービング機
構を備えた回転磁気ヘッド変位装置の構成例を概略的に
示す。
【0065】回転磁気ヘッド変位装置70は、ヘッドム
ービング機構71、回転ドラム73、固定ドラム75、
モータ部77、軸一体型ベアリング部78、およびトラ
ンス部79からなる。
【0066】まず、固定ドラム75は円筒形状をなす。
この固定ドラム75の上面中央には、軸挿入孔75aが
形成されている。また、固定ドラム75の上面であり、
軸挿入孔75aと離れた位置には、凹部が形成されてい
る。この凹部には、位置センサ63が取り付けられてい
る。軸挿入孔75aには、軸一体型ベアリング部78が
挿入されている。
【0067】軸一体型ベアリング部78は、軸78a、
上下一対の外輪78b、上下一対の球78c、カラー7
8d、および予圧バネ78eから構成されている。この
構成は、従来例と同様のため、その説明は省略する。
【0068】固定ドラム75の下側には、モータ部77
が設置されている。モータ部77は、モータステータ7
7a、モータロータ77b、およびカラー77cからな
っている。この構成は、従来例と同様のため、その説明
は省略する。
【0069】固定ドラム75の上側には、円筒形状の回
転ドラム73が設置されている。この回転ドラム73
は、固定ドラム75の上面から突き出た軸78aに固定
されている。回転ドラム73には、回転ドラム73の下
面に開口する環状の溝が形成されている。この溝は軸7
8aの周囲に環状に形成されているので、溝の外周円ま
たは内周円の中心は、回転ドラム73の底面の中心と一
致している。ヘッドムービング機構71は、上記溝内に
環状に取り付けられている。回転ドラム73の上面に
は、トランス部79が配置されている。
【0070】トランス部79は、環状をなすロータ側回
転トランス79aとステータ側回転トランス79bとか
ら構成されている。ロータ側回転トランス79aは、回
転ドラム73の上面に取り付け固定されている。このロ
ータ側回転トランス79aと僅少な隙間を介して、ステ
ータ側回転トランス79bがロータ側回転トランス79
aと対向している。このステータ側回転トランス79b
は、支持アーム76に固定されている。この環状のロー
タ側回転トランス79aとステータ側回転トランス79
bとに、スリップリング64が挿入され、回転ドラム7
3の上面に取り付け固定されている。
【0071】上記のように、回転磁気ヘッド変位装置7
0は構成されている。この回転磁気ヘッド変位装置70
のスリップリング64には、支持部材65aによって支
持されたブラシ65bが接触している。すなわち、スリ
ップリング64とブラシ65bとは電気的に接続されて
いる。
【0072】次に、上記のヘッドムービング機構71に
ついて図2に基づいて説明する。
【0073】図2は、本発明の第1の実施例によるヘッ
ドムービング機構71の概略構成を示す断面図である。
【0074】ヘッドムービング機構71は、回転ドラム
73の下面に開口するように形成された上記環状の溝内
に設置されている。このヘッドムービング機構71は、
継鉄部、永久磁石、およびヘッド可動部から構成されて
いる。
【0075】まず、継鉄部は、天面環状継鉄72a、上
側環状継鉄72b、下側環状継鉄72c、内側底面環状
継鉄72d、外側底面環状継鉄72e、内側筒型継鉄7
2f、および外側筒型継鉄72gから構成されている。
また、上記溝の外周側内壁に沿って管状をなす外側底面
環状継鉄72eの上端部には、外側底面環状継鉄72e
とほぼ同径で環状をなす上側環状継鉄72bが固定され
ている。
【0076】そして、外側筒型継鉄72gの下端部に
は、一部切り欠き領域を有し、外側底面環状継鉄72e
とほぼ同径で環状をなす下側環状継鉄72cが固定され
ている。この外側筒型継鉄72gの内側には、外側筒型
継鉄72gより径が小さく、上記溝の内周側内壁に沿っ
て管状をなす内側筒型継鉄72fが配置されている。こ
の外側筒型継鉄72gおよび内側筒型継鉄72fの上端
部には、中央に穴を有する円板形状の天面環状継鉄72
aが固定されている。この穴の径は、溝の内径に等し
い。また、天面環状継鉄72aの外径は、溝の外径に等
しい。
【0077】また、内側筒型継鉄72fの下端部には、
内側筒型継鉄72fとほぼ同径の内側底面環状継鉄72
dが固定されている。外側筒型継鉄72gの下端部には
外側底面環状継鉄72eが固定されている。内側底面環
状継鉄72dと外側底面環状継鉄72eとの間には、環
状スリット72hが設けられている。このように、継鉄
部は、内部に環状の中空室を形成するように溝内に取り
付けられている。この中空室には、永久磁石74とヘッ
ド可動部が設置されている。なお、下側環状継鉄72c
に一部切り欠き領域が形成されていることによって、継
鉄部には磁気ヘッド71eを露頭させるための窓が設け
られている。
【0078】上記永久磁石74は、外側筒型継鉄72g
の内壁に沿って環状をなすと共に、外側筒型継鉄72g
の内壁中央部に固定されている。この永久磁石74は、
回転ドラム73の半径方向に着磁されている。この継鉄
部は磁束を通す材料から成っているため、ヘッドムービ
ング機構71で生じる磁束は、継鉄部で閉ループを形成
している。
【0079】一方、上記ヘッド可動部は、絶縁部材71
a、巻線71b、上側支持バネ71c、下側支持バネ7
1d、および磁気ヘッド71eから構成されている。平
面形状をなす上側支持バネ71cは、上側環状継鉄72
bと内側筒型継鉄72fとにより、その端部が支持され
ている。巻線71bが巻き付けられた管状の絶縁部材7
1aは、上端部が上側支持バネ71cに、下端部が下側
支持バネ71dにそれぞれ固定されている。
【0080】下側支持バネ71dには、複数の磁気ヘッ
ド71eが互いに所定の角度をなすように、精密に取り
付け固定されている。磁気ヘッド71eは、継鉄部と回
転ドラム73とに設けられた上記切り欠き領域を介し
て、回転ドラム73の外周に沿って露出している。
【0081】上記のように、ヘッドムービング機構71
は構成されている。
【0082】次に、上記ヘッドムービング機構71を位
置センサ63側から見た構成について、図3および図4
に基づいて説明する。
【0083】図3はヘッドムービング機構71の一部拡
大断面図、図4は図3の矢印N方向から見た底面図であ
る。なお、図3および図4には、ヘッドムービング機構
に磁気ヘッドが2個搭載された場合を示す。
【0084】図3および図4において、内側底面環状継
鉄72dと外側底面環状継鉄72eとの間には、環状ス
リット72hが設けられている。この環状スリット72
hの下方には、図示しない位置センサ63が配置されて
いる。位置センサ63は、矢印Mに沿って、下側支持バ
ネ71dのL方向に沿う位置を検出する。下側支持バネ
71dの位置は、各磁気ヘッド71e(71e1 、71
2 )の位置に対応している。
【0085】このように、スリット72hを環状にした
ので、磁気ヘッド71eが矢印P方向へ回転しても、位
置センサ63の上方には常に環状スリット72hがあ
る。このため、磁気ヘッド71eの位置が、位置センサ
63により、常時検出可能である。この環状スリット7
2hの幅は、漏洩磁束を少なくするため、極力小さい方
がよい。
【0086】次に、上記のヘッドムービング機構71
と、このヘッドムービング機構71を備えた回転磁気ヘ
ッド変位装置70の組立について以下に説明する。
【0087】図5は、ヘッドムービング機構71の組立
を概略的に示す斜視図である。なお、図5には、ヘッド
ムービング機構に磁気ヘッドを2個搭載する場合を示
す。
【0088】図5において、2個の磁気ヘッド71eを
精密に180度対向となるよう取り付けた下側支持バネ
71dは、巻線71bが施された筒型の絶縁部材71a
の下端部に固定される。一方、外側筒型継鉄72gの内
壁中央部に、永久磁石74が固定される。この外側筒型
継鉄72gに、磁気ヘッド71eなどを取り付けた絶縁
部材71aがZ軸(−)方向より挿入される。
【0089】この際、下側支持バネ71dの外周端部が
外側筒型継鉄72gの下端部に固定される。また、絶縁
部材71aの内側に、内側筒型継鉄72fが挿入され
る。さらに、Z軸(−)方向より、下側環状継鉄72c
が、外側筒型継鉄72gの下端部と下側支持バネ71d
の外周端部に固定される。上側支持バネ71cがZ軸
(+)方向より、絶縁部材71aの上端部と外側筒型継
鉄72gの上端部とに固定される。また、上側環状継鉄
72bがZ軸(+)方向より、外側筒型継鉄72gの上
端部と上側支持バネ71cの外周端部に固定される。
【0090】なお、下側環状継鉄72cと外側筒型継鉄
72gの一部には、切り欠きが設けられており、磁気ヘ
ッド71eのZ軸方向の移動が妨げられないようになっ
ている。次に、天面環状継鉄72aが、Z軸(+)方向
より、上側環状継鉄72bに固定される。内側底面環状
継鉄72dが、Z軸(−)方向より、内側筒型継鉄72
fの下端部に固定される。外側底面環状継鉄72eは、
Z軸(−)方向より、下側環状継鉄72cに固定され
る。
【0091】上記のように、ヘッドムービング機構71
が組み立てられる。
【0092】図6は、上記ヘッドムービング機構71を
有する回転磁気ヘッド変位装置70の組立を概略的に示
す一部断面分解図である。
【0093】図6において、回転ドラム73に、軸一体
型ベアリング部78が焼きばめされる。回転ドラム73
の上面に、ロータ側回転トランス79aとスリップリン
グ64とが取り付け固定される。図5に示すように組み
立てられたヘッドムービング機構71が、回転ドラム7
3の下面に開口して設けられた環状の溝内に組み込まれ
る。この際、回転ドラム73とヘッドムービング機構7
1の巻線端末の線処理が施される。
【0094】続いて、位置センサ63が、固定ドラム7
5の上面に設けられた凹部に取り付けられる。この固定
ドラム75に軸一体型ベアリング部78が挿入される。
固定ドラム75の下面に形成された凸部に、モータステ
ータ77aが取り付け固定される。固定ドラム75の下
面から突き出た軸一体型ベアリング部78の軸78aの
下端部に、カラー77cが取り付けられる。カラー77
cが取り付けられた後、モータロータ77bがモータス
テータ77aと対向するように、カラー77cに取り付
け固定される。
【0095】上記のように、ヘッドムービング機構71
を有する回転磁気ヘッド変位装置70が組み立てられ
る。
【0096】次に、ヘッドムービング機構71を有する
回転磁気ヘッド変位装置70の動作について、図1およ
び図2を参照して以下に説明する。
【0097】まず、モータ部77のモータロータ77b
が回転する。このモータロータ77bの回転の駆動力
は、滑らかに軸78aを回転させる軸一体型ベアリング
部78によって、回転ドラム73に伝えられる。これに
より、回転ドラム73が回転する。回転ドラム73が回
転している間、常時、下側支持バネ71dの位置が環状
スリット72hを介して、位置センサ63によって検出
される。この検出により、制御電流が、ブラシ65bお
よびスリップリング64を介して、巻線71bに供給さ
れる。
【0098】巻線71bに制御電流が供給されると、永
久磁石74の磁束の影響で、絶縁部材71aは原点より
矢印Lに沿う方向に移動する。ここで、永久磁石74は
継鉄部内の中空室に環状に取り付けられ、しかも、継鉄
部によって環状に覆われているため、磁束は閉ループを
形成している。したがって、回転磁気ヘッド変位装置7
0の外径および高さの縮小に伴って、ヘッドムービング
機構71が縮小されたとしても、永久磁石74の磁気特
性は低下しない。さらに、内側筒型継鉄72fと永久磁
石74との対向面積も低下しないので、磁気抵抗が上昇
することもない。これにより、ヘッドムービング機構7
1の電流感度は良好となる。
【0099】絶縁部材71aが、上記のように原点より
矢印Lに沿う方向に移動すると、上側支持バネ71cと
下側支持バネ71dが同方向に変位する。この絶縁部材
71aの移動により、磁気ヘッド71eが原点より矢印
Lに沿う方向に移動する。このようにして、磁気ヘッド
71eは、所望の位置へ移動可能となる。
【0100】磁気ヘッド71eからの再生信号は、ロー
タ側回転トランス79a、ステータ側回転トランス79
bを介して外部へ引き出される。また、磁気ヘッド71
eへの記録信号は、ステータ側回転トランス79b、ロ
ータ側回転トランス79aを介して外部から磁気ヘッド
71eへ供給される。
【0101】なお、再生する場合など、再生を完了した
第1の磁気ヘッド71e1 の最終的な位置が原点より大
きく移動した場合、同じ下側支持バネ71dに取り付け
固定された第2の磁気ヘッド71e2 が再生を開始する
ときの所望位置に対して大きくずれる場合があるが、こ
のようなときでも図22ないし図24に示すように、磁
気ヘッド同士のなす角に対し有効巻付け角度が小さい磁
気記録再生装置においては、図22ないし図24に示す
角度D3の期間に制御電流を解除すれば、下側支持バネ
71d上に取り付けられた第2の磁気ヘッド71e
2 は、再生を開始するまでに原点に戻ることができる。
【0102】次に、位置センサ63によって光学的に検
出されたヘッドムービング機構71の上下方向の位置を
示す信号の処理過程を図7を用いて説明する。
【0103】まず、位置センサ63によって検出された
信号は、センサ出力として、アンプ601への信号線を
介して送られる。このアンプ601によって、検出信号
は増幅され、比較器602に入力される。比較器602
では、この入力信号を基準信号発生器603で発生され
る基準信号と比較し、誤差電圧をヘッドムービング機構
制御回路604に出力する。
【0104】ここで、基準信号発生器603で発生され
る基準信号とは、磁気ヘッド71eの所定高さに対応す
るように調節された信号のことである。上記ヘッドムー
ビング機構制御回路604は、入力された誤差電圧に応
じて、ヘッドムービング機構71に供給する制御電流量
を調節する。
【0105】このようにして調節された制御電流は、ヘ
ッドムービング機構71に供給される。ヘッドムービン
グ機構71に制御電流が供給されることにより、前述し
たように磁気ヘッド71eは移動する。
【0106】上記のように、回転磁気ヘッド変位装置7
0の信号処理が施される。
【0107】〔第2実施例〕本発明の他の実施例につい
て図8および図9に基づいて説明すれば、以下のとおり
である。
【0108】図8は、本発明の他の実施例によるヘッド
ムービング機構を有する回転磁気ヘッド変位装置の平面
図であり、図9は、図8のX−X線に沿う断面図であ
る。
【0109】図8および図9において、回転磁気ヘッド
変位装置80は、ヘッドムービング機構81、回転ドラ
ム83、固定ドラム85、モータ部87、軸一体型ベア
リング部88、およびトランス部89からなる。この回
転磁気ヘッド変位装置80においては、トランス部89
が固定ドラム85の上面に形成された環状の溝部に配置
されている。また、ヘッドムービング機構81は、回転
ドラム83の上面に開口するように形成された環状の溝
内に設置されている。
【0110】ヘッドムービング機構81は、上記のよう
に回転ドラム83の上面に取り付けられているため、磁
気ヘッド81eを所定の位置に調整するため、下側支持
バネ81dと磁気ヘッド81eとの間に、取り付け部材
84が設けられている。また、環状スリット82hは、
ヘッドムービング機構81の天面環状継鉄82aに形成
されている。この環状スリット82hの上方には、位置
センサ86が配設されている。この他の構成について
は、上記第1実施例とほぼ同じなのでその説明を省略す
る。
【0111】上記のように、回転磁気ヘッド変位装置8
0においては、位置センサ86を回転ドラム83の上方
に設けることにより、磁気ヘッド81eの位置を上方か
ら測定するような構成となっている。
【0112】〔第3実施例〕本発明のさらに他の実施例
について図10、図12、図14ないし図17に基づい
て説明すれば、以下のとおりである。
【0113】図10に示す回転磁気ヘッド変位装置20
0は、図17(a)ないし(e)に示すように、主とし
て、モータ部110、上側ドラム部100、ベアリング
部120、ヘッド変位機構部130、および下側ドラム
部150から成っている。以下、上記各部の細部を詳述
する。
【0114】まず、下側ドラム部150は、回転磁気ヘ
ッド変位装置200の支持基体の役割を果たす固定部で
あり、図10に示すように、下側ドラム152、ステー
タトランスコア151a、およびセンサ153を備えて
いる。下側ドラム152には、軸121が中心部に直立
して嵌挿された中央円筒部152aと、磁気テープとの
摺接面を有する外円筒部152bとが形成されている。
【0115】上記センサ153は、発光部および受光部
を有するセンサ面が露出するように、下側ドラム152
の底面に埋設されている。ステータトランスコア151
aは、中空円筒形状をなし、上記中央円筒部152aの
外側面に嵌挿されている。ステータトランスコア151
aには、増幅器に接続されたステータコイルが取り付け
られ、後述のロータトランスコア151bと共に、ロー
タリートランスを構成している。
【0116】ここで、図12に、回転磁気ヘッド変位装
置200の可動部を実線にて示す。この可動部は、上側
ドラム部100、モータ部110の後述する磁界発生部
110b、ベアリング部120、ヘッド変位機構部13
0、および後述するロータトランスコア151bから成
っている。
【0117】まず、上記可動部の内、上記軸121の中
心線を回転軸として可動部を回転自在に支持するベアリ
ング部120の構成を図10に基づいて詳述する。軸1
21の中央付近および上部のそれぞれには、複数個の球
122と外輪123とが取り付けられている。各球12
2は、軸121の外壁表面と外輪123の内壁表面との
間に回転自在に配されている。上下1対の外輪123の
外壁には、磁性体から成る回転シリンダ124が取り付
けられている。回転シリンダ124は、外径が小・中・
大と3段階に順次変化する裾広がりの形状を有し、その
高さは、下記の上側ドラム101の高さと同程度であ
る。
【0118】次に、上側ドラム部100は、上記上側ド
ラム101から成っている。上側ドラム101の内壁に
は、上記回転シリンダ124の中径部に合わせてつば部
101aが形成されている。このつば部101aの内側
壁および底壁は、回転シリンダ124に密着して固定さ
れている。上側ドラム101の底部における磁気ヘッド
140の配設部位は、磁気ヘッド140の上下動に備え
て、U字状に切り欠かれている。
【0119】続いて、モータ部110は、上記つば部1
01aの上部に設けられ、軸121に対して固定された
電機子部110aと、回転する磁界発生部110bとか
ら成っている。電機子部110aでは、フランジ形の支
持部材112が軸121の上端に嵌合され、さらに、支
持部材112上にステータディスク111が嵌合されて
いる。ステータディスク111の底面における半径途上
には、その円周に沿って複数の駆動コイル115が垂設
されている。
【0120】一方、磁界発生部110bは、界磁石11
3および支持部材114から成っている。支持部材11
4は、軸121と平行に直立する外周壁を有し、この外
周壁の内側に、複数の界磁石113が駆動コイル115
に対応して取り付けられている。なお、支持部材114
の底部は、つば部101aの上面に固定されているの
で、駆動コイル115に駆動電流が流れると、磁界発生
部110bは、回転シリンダ124および上側ドラム1
01と同体回転する。
【0121】構成の説明の最後に、ヘッド変位機構部1
30について詳述する。ヘッド変位機構部130の役割
は、再生中の磁気ヘッド140を磁気テープにおけるト
ラック曲がりに追随させるために、磁気ヘッド140の
回転面に垂直な方向、すなわち、軸121の延伸方向に
沿って磁気ヘッド140を変位させることにある。
【0122】ヘッド変位機構部130の中枢は、下側ド
ラム152における中央円筒部152aと外円筒部15
2bとの間に位置し、磁気ヘッド140は、上側ドラム
101の底縁と外円筒部152bの上縁との間に形成さ
れる間隙に位置している。本実施例では、1基の磁気ヘ
ッド140が図示されているが、2基の磁気ヘッドを軸
対称に取り付けたり、複数の磁気ヘッドを取り付けたり
することも可能である。なお、ヘッド変位機構部130
は、回転シリンダ124の下部に取り付けられ、回転シ
リンダ124と同体回転する。
【0123】図16に基づいて、ヘッド変位機構部13
0の具体的な構造および組立てについて説明する。ヘッ
ド変位機構部130の基部をなす下側環状継鉄138に
は、複数個の貫通孔141が、内周寄り位置に等間隔か
つ環状に整列して形成されている。貫通孔141の中心
と軸121の中心との距離は、上記センサ153の中心
と軸121の中心との距離に一致している。
【0124】下側環状継鉄138上には、環状の下側支
持バネ133が取り付けられ固定されている。下側支持
バネ133の内周部133a上には、巻線136を設け
た絶縁筒137が固定されている。さらに、中央環状継
鉄134が、下側環状継鉄138と共に、下側支持バネ
133の外周部133bを挟持するように取り付けられ
固定されている。なお、中央環状継鉄134の内壁にお
ける中程の高さには、縦断面の中心線片側が略正方形を
なす環状の永久磁石135が固定されている。
【0125】次に、環状の上側支持バネ132の内周部
132aが、絶縁筒137の上端に固定されている。た
だし、各内周部132a・133aは、絶縁筒137を
介して連動しながら、自由に上下動することができる。
また、上側環状継鉄131は、中央環状継鉄134と共
に、上側支持バネ132の外周部132bを挟持するよ
うに取り付けられ固定されている。上側環状継鉄131
の内壁上部は、回転シリンダ124の底部外周に固定さ
れている。これにより、下側環状継鉄138、中央環状
継鉄134、上側環状継鉄131、回転シリンダ124
の底部、および前述のロータトランスコア151bによ
って、ヘッド変位機構部130の閉ループ磁気回路が形
成されている。
【0126】なお、組立ての便宜上、上側支持バネ13
2の取り付け前に、上記ロータトランスコア151bを
下側環状継鉄138の中央部に取り付けておくとよい。
ロータトランスコア151bの上端は、回転シリンダ1
24の底面にも固定されている。また、ロータトランス
コア151bには、磁気ヘッド140に接続されたロー
タコイルが取り付けられ、上記ステータコイルとロータ
コイルとは、僅かな間隙を介して対面している。ただ
し、上記ステータコイルおよびロータコイルにおいて、
記録再生信号伝達用のコイルと、後述する磁気ヘッド1
40を変位させるための制御信号伝達用のコイルとは、
独立に設けられている。
【0127】ここで、上側支持バネ132の外周におい
て、磁気ヘッド140が貼り付けられた部位をヘッド部
132cとすれば、ヘッド部132cと外周部132b
との間には、内周部132aに達する深い切込みが形成
されている。これにより、磁気ヘッド140は、その回
転面に平行を保持して上下動しやすくなる。また、下側
支持バネ133にも、同様の理由で、上記ヘッド部13
2cに対応して中空部133cが形成されている。さら
に、中央環状継鉄134の上端および上側環状継鉄13
1の下端には、ヘッド部132cに対応して窓部をなす
U字状の切り欠き部がそれぞれ形成されている。
【0128】上記の構成において、回転磁気ヘッド変位
装置200の動作を以下に説明する。駆動コイル115
に駆動電流が流れると、界磁石113の磁界との相互作
用によって、磁界発生部110bは、上側ドラム101
と同体回転する。この結果、上側ドラム101に連結さ
れた回転シリンダ124は、球122の自在な回転によ
って、軸121の中心を回転軸として滑らかに回転す
る。さらに、回転シリンダ124の回転に伴って、ヘッ
ド変位機構部130も同体回転する。
【0129】ヘッド変位機構部130が回転すると、セ
ンサ153の上を上記複数の貫通孔141が通過する。
センサ153は、貫通孔141が頭上を通過するとき
に、下側環状継鉄138より反射率の高い下側支持バネ
133からの反射光を検出し、パルスを出力する。この
パルスの直流電圧値は、下側支持バネ133とセンサ1
53との距離に応じて変化する。したがって、この直流
電圧値に基づいて、基準面A(図10に示す)に対する
下側支持バネ133の高さを検出することができる。こ
の検出値と、磁気ヘッド140が検出する磁気テープ上
の記録トラックとの相対位置の情報とに基づいて、ヘッ
ド変位機構部130に供給する制御電流が生成される。
【0130】上記制御電流は、ステータトランスコア1
51aのステータコイルからロータトランスコア151
bのロータコイルに伝達された後、巻線136に供給さ
れる。そこで、巻線136を流れる制御電流と永久磁石
135の磁束との相互作用により、巻線136を保持す
る絶縁筒137は、軸121の延伸方向のいずれか一方
に沿って力を受ける。上側支持バネ132および下側支
持バネ133は、絶縁筒137が受けた力の方向に弾性
変形するので、絶縁筒137および磁気ヘッド140
は、絶縁筒137が受けた力と上側支持バネ132およ
び下側支持バネ133の弾性力とが釣り合う位置まで、
軸121の延伸方向に沿って変位する。
【0131】このようにして、磁気ヘッド140は、所
望の変位量を得ることができ、磁気テープ上の記録トラ
ックの変動に追随し、忠実なトラッキングを行うことが
できる。
【0132】磁気ヘッド140が出力する再生信号は、
ロータトランスコア151bのロータコイルからステー
タトランスコア151aのステータコイルへ伝達され、
増幅器等に導かれる。一方、記録信号は、再生時とは逆
に、ステータコイルからロータコイルを経て、磁気ヘッ
ド140に供給される。
【0133】なお、上記第3実施例に開示された筒型の
ロータリートランスの代わりに、図14(a)に示すよ
うに、平板型のロータリートランスを取り付けてもよ
い。そのためには、下側ドラム部に対するヘッド変位機
構部330の取り付けに若干の変更が必要となる。
【0134】すなわち、下側ドラム352の内側底面上
において、センサ353の埋設位置より外周側に円環状
の平板型ステータトランスコア351を配設し、平板型
ステータトランスコア351上にステータコイルを取り
付ける。このステータコイルに僅かな間隙を介して対面
するように、ロータコイルを平板型ロータトランスコア
338の底面に取り付ける。平板型ロータトランスコア
338は、縦断面の中心線片側がL字型をなし、磁性体
よりなるシリンダ339を介して、回転シリンダ124
の底部に連結されている。
【0135】これにより、回転シリンダ124および平
板型ロータトランスコア338は、ヘッド変位機構部3
30の継鉄として作用する。
【0136】なお、平板型ロータトランスコア338の
上面外周には、下側支持バネ133の固定のための堤部
が、僅かな高さで形成されている。シリンダ339の下
端に形成された鍔部には、上記複数の貫通孔141に対
応する貫通孔341が形成されている。
【0137】さらに、図14(b)に示すように、第3
実施例のステータトランスコア151aおよびロータト
ランスコア151bで構成された筒型ロータリートラン
スと、平板型ロータトランスコア438および平板型ス
テータトランスコア451で構成された平板型ロータリ
ートランスとを組み合わせてもよい。なお、平板型ロー
タトランスコア438および平板型ステータトランスコ
ア451は、それぞれ上記のロータトランスコア338
およびステータトランスコア351に対応している。
【0138】この場合、ロータトランスコア151b、
平板型ロータトランスコア438、および回転シリンダ
124は、上記ヘッド変位機構部130に対応するヘッ
ド変位機構部430の継鉄として作用する。なお、上記
のように、筒型ロータリートランスと平板型ロータリー
トランスとを設ける場合、一方を記録再生信号伝達用と
し、他方を制御信号伝達用としてもよいし、各ロータリ
ートランスの中で、記録再生信号伝達用コイルと制御信
号伝達用コイルとをそれぞれ独立に取り付けてもよい。
【0139】さらに、図15(a)に示すように、ステ
ータトランスコア551を下側ドラム152の中央円筒
部152aに嵌合するのではなく、外円筒部152bの
内面に固設してもよい。この場合、第3実施例の中央環
状継鉄134は、ステータトランスコア551に対面す
るロータトランスコア534で置き換えられる。
【0140】ここで、第3実施例のロータトランスコア
151bおよび下側環状継鉄138の代わりに、下端に
鍔部が形成され磁性体よりなるシリンダ539が、回転
シリンダ124の底部に固設されている。シリンダ53
9の鍔部には、下側支持バネ133の挟持のための堤部
と、上記複数の貫通孔141に対応する貫通孔541と
が形成されている。
【0141】この場合、回転シリンダ124およびロー
タトランスコア534は、上記ヘッド変位機構部130
に対応するヘッド変位機構部530の継鉄として作用す
る。
【0142】さらに、図15(b)に示すように、図1
4(a)に示す平板型ロータリートランスの構成と図1
5(a)に示す筒型ロータリートランスの構成とを組み
合わせてもよい。ここで、下側ドラム152の内側底面
および内側壁に固設されるステータトランスコア651
は、上記平板型ステータトランスコア351と上記ステ
ータトランスコア551とを一体化した構成でもよい
し、分離して連結した構成でもよい。
【0143】この場合、回転シリンダ124、上記ロー
タトランスコア534に対応するロータトランスコア6
34、上記平板型ロータトランスコア338に対応する
平板型ロータトランスコア638、上記シリンダ339
に対応するシリンダ639は、上記ヘッド変位機構部1
30に対応するヘッド変位機構部630の継鉄として作
用する。
【0144】このように、ヘッド変位機構部130、上
側ドラム101、およびロータトランスコア151b
が、回転シリンダ124に取り付けられ、モータ部11
0の磁界発生部110bは、上側ドラム101を介して
回転シリンダ124に連結されている。さらに、ロータ
トランスコア151bが、ロータリートランスとヘッド
変位機構部130の磁気回路の一部との双方を兼ね、か
つ、回転シリンダ124もまた上記磁気回路の一部を兼
ねるように、集約的に構成されている。この結果、モー
タ部110、ヘッド変位機構部130、およびロータリ
ートランスを、上側ドラム部101および下側ドラム部
152内に完全に収納することを可能とし、回転磁気ヘ
ッド変位装置200の小型化を実現している。
【0145】〔第4実施例〕次に、図11および図13
に基づいて、本発明に係るさらに他の実施例を説明すれ
ば、以下のとおりである。
【0146】図11に示す回転磁気ヘッド変位装置30
0は、図13に示すように、主として、モータ部21
0、ベアリング部220、ヘッド変位機構部230、下
側ドラム部250、ロータリートランス部260、およ
び上側ドラム部270から成っている。なお、図13の
実線は、後述の軸221の中心線を回転軸とする可動部
を示している。
【0147】上記第3実施例における回転磁気ヘッド変
位装置200では、ベアリング部120の回転シリンダ
124に対して、モータ部110を上側に、ヘッド変位
機構部130を下側に取り付けたが、本実施例における
回転磁気ヘッド変位装置300では、これとは逆に、ベ
アリング部220の回転シリンダ224に対して、モー
タ部210を下側に、ヘッド変位機構部230を上側に
配置した構成となっている。
【0148】まず、下側ドラム部250は、回転磁気ヘ
ッド変位装置300の支持基体の役割を果たす固定部で
あり、図11に示すように、下側ドラム252、センサ
253および環状のセンサ支持板251を備えている。
下側ドラム252には、軸221が中心部に直立して嵌
挿された中央円筒部252aと、磁気テープとの摺接面
を有する外円筒部252bとが形成されている。ヘッド
変位機構部230が上側ドラム部270内に収納されて
いるので、基準面Bに対する下側支持バネ233の絶対
高さを検出するセンサ253は、上記外円筒部252b
の上部に外周部を固定されたセンサ支持板251の内穴
近傍に取り付けられている。
【0149】次に、ベアリング部220の構成を説明す
る。軸221に複数個の球222および外輪223を取
り付けた構成については、第3実施例と同様である。上
下1対の外輪223の外壁には、下端に鍔部が形成され
た回転シリンダ224が取り付けられている。回転シリ
ンダ224の高さは、下記の上側ドラム271の高さと
同程度である。
【0150】次に、上側ドラム部270は、磁気テープ
が摺接する上側ドラム271から成っており、上記ヘッ
ド変位機構部230のほかに、ロータリートランス部2
60をも完全に収納している。また、上側ドラム271
の底部における磁気ヘッド240の配設部位は、磁気ヘ
ッド240の上下動に備えて、U字状に切り欠かれてい
る。
【0151】続いて、モータ部210は、下側ドラム2
52内に配設され、下側ドラム252に対して固定され
た電機子部210aと、回転する磁界発生部210bと
から成っている。電機子部210aでは、フランジ形の
ステータ211が上記中央円筒部252aの下部周囲に
嵌合され、さらに、ステータ211の円筒部周囲に、複
数の駆動コイル215が固設されている。
【0152】一方、磁界発生部210bは、界磁石21
3および支持シリンダ214から成っている。支持シリ
ンダ214は中段に肩部を有し、上端が回転シリンダ2
24の底部外周に取り付けられている。これにより、支
持シリンダ214の内壁下部に固設された界磁石213
は、上記センサ支持板251の内穴を通して下側ドラム
252内に垂設され、上記駆動コイル215に対面して
いる。なお、駆動コイル215に駆動電流が流れると、
磁界発生部210bは、回転シリンダ224および上側
ドラム271と同体回転する。
【0153】ロータリートランス部260は、軸221
の上端に設けられ、平板型ロータリートランスとして構
成されている。フランジ型の固定板261が軸221の
上端に嵌合され、さらに、固定板261には、ステータ
トランスコア262が嵌合されている。ステータトラン
スコア262は、僅かな間隙を介して、後述のロータト
ランスコア231に対面している。
【0154】構成の説明の最後に、ヘッド変位機構部2
30について詳述する。ヘッド変位機構部230の役割
は、再生中の磁気ヘッド240を磁気テープにおけるト
ラック曲がりに追随させるために、磁気ヘッド240の
回転面に垂直な方向、すなわち、軸221の延伸方向に
沿って磁気ヘッド240を変位させることにある。ヘッ
ド変位機構部230は、磁気ヘッド240が、上側ドラ
ム271の底縁と外円筒部252bの上縁との間に形成
される間隙に位置するように、回転シリンダ224と上
側ドラム271との間に一体的に保持されている。これ
により、ヘッド変位機構部230は、モータ部210の
回転駆動により、回転シリンダ224および上側ドラム
271と同体回転する。
【0155】以下に、ヘッド変位機構部230の具体的
な構造および組立てについて説明する。ヘッド変位機構
部230の基部をなすフランジ状継鉄238は、回転シ
リンダ224の鍔部上に固定されている。フランジ状継
鉄238の縦断面の中心線片側は略L字形状をなし、そ
の底部には、複数個の貫通孔241が、等間隔かつ環状
に整列して形成されている。貫通孔241の中心と軸2
21の中心との距離は、上記センサ253の中心と軸2
21の中心との距離に一致している。
【0156】フランジ状継鉄238の底部外周には、環
状の下側支持バネ233を取り付けるための堤部が僅か
な高さで形成されている。この堤部上に、下側支持バネ
233を挟持するように、中央環状継鉄234が取り付
けられている。下側支持バネ233の内周部上には、巻
線236を設けた絶縁筒237が固定されている。な
お、中央環状継鉄234の内壁における中程の高さに
は、縦断面の中心線片側が略正方形をなす環状の永久磁
石235が固定されている。
【0157】次に、環状の上側支持バネ232の内周部
が、絶縁筒237の上端に固定され、さらに、上記ロー
タトランスコア231が、中央環状継鉄234と共に、
上側支持バネ232の外周部を挟持するように取り付け
られ固定されている。なお、ロータトランスコア231
は、回転シリンダ224の上部外壁およびフランジ状継
鉄238の筒部上端にも固定されている。
【0158】ここで、下側支持バネ233の外周には、
ヘッド支持具239が垂設され、磁気ヘッド240はヘ
ッド支持具239の下端に取り付けられている。下側支
持バネ233の細部の構成は、前述の上側支持バネ13
2の細部の構成と同等であり、上側支持バネ232の細
部の構成は、前述の下側支持バネ133の細部の構成と
同等である。これにより、磁気ヘッド240は、その回
転面に平行を保持して上下動する。なお、中央環状継鉄
234の下端およびフランジ状継鉄238の堤部には、
ヘッド支持具239の取り付け位置に対応する切り欠き
部がそれぞれ形成されている。
【0159】上記の構成において、第3実施例と同様
に、センサ253の出力に基づいて、下側支持バネ23
3の基準面Bに対する絶対高さが検出される。この検出
値と、磁気ヘッド240が検出する磁気テープ上の記録
トラックとの相対位置の情報とに基づいて、ヘッド変位
機構部230に供給する制御電流が生成される。この制
御電流は、ステータトランスコア262のステータコイ
ルからロータトランスコア231のロータコイルに伝達
された後、巻線236に供給される。絶縁筒237およ
び磁気ヘッド240が、軸221の延伸方向に沿って変
位する動作については、前述のとおりである。
【0160】このように、ヘッド変位機構部230およ
びモータ部210の磁界発生部210bが、回転シリン
ダ224に取り付けられ、上側ドラム271は、ヘッド
変位機構部230を介して回転シリンダ224に連結さ
れている。さらに、ロータトランスコア231が、ロー
タリートランスとヘッド変位機構部230の磁気回路の
一部との双方を兼ねるように、集約的に構成されてい
る。この結果、モータ部210、ヘッド変位機構部23
0、およびロータリートランス部260を、上側ドラム
271および下側ドラム252内に完全に収納すること
を可能とし、回転磁気ヘッド変位装置300の小型化を
実現している。
【0161】〔第5実施例〕本発明のさらに他の実施例
について図18ないし図20に基づいて説明すれば、以
下のとおりである。
【0162】図18に示す回転磁気ヘッド変位装置70
0は、主として、モータ部、ベアリング部、ヘッド変位
機構部、下側ドラム部、およびロータリートランス部か
ら成っている。以下、上記各部の細部を詳述する。
【0163】まず、下側ドラム部は、回転磁気ヘッド変
位装置700の支持基体の役割を果たす固定部であり、
下側ドラム752、センサ753、および環状のセンサ
支持板751を備えている。下側ドラム752には、軸
721が中心部に直立して嵌挿された中央円筒部752
aと、磁気テープとの摺接面を有する外円筒部752b
とが、その底部に対して立設されている。基準面Cに対
するヘッド支持部材736(後述)の絶対高さを検出す
るセンサ753は、上記外円筒部752bの上部に外周
部を固定されたセンサ支持板751の内穴近傍に取り付
けられている。
【0164】次に、ベアリング部の構成について説明す
る。ベアリング部は、上記軸721の中心線を回転軸と
して、ヘッド変位機構部および上側ドラム部等から成る
可動部を回転自在に支持している。軸721の中央付近
および上部のそれぞれには、複数個の球722と外輪7
23とが取り付けられている。各球722は、軸721
の外壁表面と外輪723の内壁表面との間に回転自在に
配されている。上下1対の外輪723の外壁には、回転
シリンダ724が嵌合されている。
【0165】モータ部は、下側ドラム752内に配設さ
れ、下側ドラム752に対して固定された電機子710
と、回転する磁界発生部とから成っている。磁界発生部
は、界磁石713と支持シリンダ714とから成ってい
る。支持シリンダ714の上端部は、上記回転シリンダ
724の底部外周に取り付けられている。これにより、
支持シリンダ714の下方フランジ部に固設された界磁
石713は、上記センサ支持板751の内穴を通して下
側ドラム752内に垂設され、上記電機子710に対面
している。なお、電機子710に駆動電流が流れると、
上記磁界発生部は、回転シリンダ724およびベアリン
グ部を介して、ヘッド変位機構部および上側ドラム部と
同体回転する。
【0166】ロータリートランス部は、下側ドラム75
2の上記中央円筒部752aの周囲に配設され、円筒型
ロータリートランスとして構成されている。ロータ側ロ
ータリートランス761は、上記支持シリンダ714の
内壁面に取り付けられている。一方、ステータ側トラン
ス762は、上記中央円筒部752aの外周面に取り付
けられており、僅かな間隙を介して、上記ロータ側ロー
タリートランス761に対面している。
【0167】次に、ヘッド変位機構部について詳述す
る。ヘッド変位機構部の役割は、再生中の磁気ヘッド7
40を磁気テープにおけるトラック曲がりに追随させる
ために、磁気ヘッド740の回転面に垂直な方向、すな
わち、軸721の延伸方向に沿って磁気ヘッド740を
変位させることにある。
【0168】上記ヘッド変位機構部は、マグネット73
3、上側ヨーク731および下側ヨーク732、筒状の
ボビン735、ボビン735の外周に巻かれた巻線73
4、および上記ヘッド支持部材736とを備えている。
【0169】上記上側ヨーク731および下側ヨーク7
32は、マグネット733が発生する磁束が閉ループを
形成するように配された磁性体から成っている。上側ヨ
ーク731は、いわゆる回転ドラムに相当し、下向きに
開口する凹部が環状に形成されている。すなわち、この
凹部は、上側ヨーク731の天壁、内周壁731a、お
よび外周壁731bによって囲まれている。
【0170】上記マグネット733は、上記外周壁73
1bの内面に固設され、磁気ヘッド740の回転半径方
向に平行に着磁されている。マグネット733と上記内
周壁731aとの間には、上記巻線734およびボビン
735が嵌挿されている。上記下側ヨーク732は、内
穴を有する略円盤状に形成され、ボビン735の下部周
囲において、マグネット733の底面および外周壁73
1bの内面下部に取り付けられている。
【0171】上記上側ヨーク731の外周面は、テープ
摺動面を兼ねているため、走行する磁気テープにダメー
ジを与えることがないように、滑らかに仕上げられた
後、耐摩耗性に優れる材料によってコーティングされて
いる。また、上側ヨーク731および下側ヨーク732
における磁気ヘッド740の配設部位は、磁気ヘッド7
40の上下動に備えたU字状の切り欠き部になってい
る。
【0172】次に、上記ヘッド支持部材736の一実施
例を図19に基づいて説明する。上記ヘッド支持部材7
36は、内環状部736a、内環状部736aから半径
方向外向きに突き出したヘッド取付け部736b、ヘッ
ド取付け部736bの近傍を除く部分円として形成され
た外環状部736c、および外環状部736aと内環状
部736bとを部分的に繋げる複数の架橋部736dか
ら成っている。さらに、外環状部736cには、複数の
突片736eが、ヘッド支持部材736の中心から螺旋
方向に沿って外向きに突設されている。
【0173】上記内環状部736aは、上記ボビン73
5の下端に取り付けられ、ボビン735を搭載する連結
部となる。また、上記複数の突片736eは、上側ヨー
ク731の外周壁731bの底面に固定されると共に、
下側ドラム752の上記外円筒部752bの上面と微小
な間隙を介して対面する。磁気ヘッド740は、ヘッド
取付け部736bの自由端に配設される。これにより、
磁気ヘッド740は、上側ヨーク731の外周壁731
bと下側ドラム752の外円筒部752bとの間隙に位
置し、上側ヨーク731の上記切り欠き部から僅かに突
出する。
【0174】次に、図20を参照して、以上の構成を有
する回転磁気ヘッド変位装置700の組立てについて順
を追って説明する。 (1) 支持シリンダ714に界磁石713とロータ側ロー
タリートランス761を取り付ける。 (2) 回転シリンダ724の下部を支持シリンダ714の
上部に嵌合させる。 (3) 下側ドラム752内に電機子710を取り付け、下
側ドラム752の中央円筒部752aにステータ側トラ
ンス762を取り付ける。 (4) 軸721を中央円筒部752aに挿入し固定する。
このときの挿入量および挿入角度は、界磁石713と電
機子710との間に、所定量の間隙が形成されるよう
に、さらに、ロータ側ロータリートランス761とステ
ータ側トランス762との間隙および高さの関係が最適
になるように、精密に管理されている。 (5) センサ753が取り付けられたセンサ支持板751
を、下側ドラム752の所定位置に固定する。 (6) マグネット733を取り付けて固定した下側ヨーク
732を、上側ヨーク731に取り付けて固定する。 (7) 巻線734が施されたボビン735と、磁気ヘッド
740とをヘッド支持部材736に精密に取り付けて固
定する。 (8) ヘッド支持部材736の外縁部を上側ヨーク731
の外周壁731bの底面に取り付けて固定する。この取
り付けは、上側ヨーク731の回転中心とヘッド支持部
材736の回転中心とが一致するように、精密に管理さ
れている。 (9) 最後に、上側ヨーク731の内周壁731a内に回
転シリンダ724を嵌合させると、回転磁気ヘッド変位
装置700の組立てが完了する。
【0175】上記の構成において、ヘッド変位機構部の
動作を説明する。電機子710に駆動電流が供給される
と、モータ部が回転する。そして、モータ部の回転によ
って、回転シリンダ724、上側ヨーク731および下
側ヨーク732、並びにヘッド変位機構部が同体回転す
る。
【0176】磁気ヘッド740を記録トラックに追従さ
せるために、ロータリートランス部を介して巻線734
に制御電流を供給すると、制御電流の向きおよび大きさ
に応じて向きおよび強さの変化する制御磁界が発生す
る。この制御磁界とマグネット733が発生する定常磁
界との相互作用による電磁力によって、ボビン735
は、軸721の延伸方向に沿って上方もしくは下方に変
位する。
【0177】なお、上記巻線734への制御電流は、ロ
ータリートランス部を介して供給されるが、スリップリ
ングとブラシとによって制御電流を供給する構成を採用
してもよい。
【0178】ここで、回転ドラムとヘッド変位機構部を
覆う継鉄とを別体に設けた場合、回転磁気ヘッド変位装
置の小型軽量化を図ると、ヘッド変位機構部の設置スペ
ースを充分とることができなかった。これに対し、本発
明によれば、上側ヨーク731は、いわゆる回転ドラム
と継鉄とを兼ねているので、ヘッド変位機構部の設置ス
ペースを確保でき、充分な強さの定常磁界を発生するマ
グネット733を設けることができる。この結果、巻線
734に供給する制御電流を大きくすることなく、つま
り、回転磁気ヘッド変位装置の消費電力を増大させるこ
となく、ヘッド変位機構の応答特性を良好にすることが
できる。
【0179】次に、ボビン735はヘッド支持部材73
6に取り付けられているので、上記電磁力とヘッド支持
部材736の弾性変形に対する抗力とがつりあう位置ま
で変位する。なお、ヘッド支持部材736には、主とし
て複数の架橋部736dによって所望の弾性が付与され
ている。しかも、このバネとして機能する複数の架橋部
736dは対称的、かつ放射状に配置されているので、
磁気ヘッド740を軸721の延伸方向に沿ってねじれ
ることなく変位させることができる。
【0180】また、上側ヨーク731が下側ドラム75
2に対して相対速度を持つことにより、ヘッド支持部材
736は、上側ヨーク731または下側ドラム752の
摺接面から磁気テープを僅かに浮上させる動圧を発生す
るスパイラルグルーブとしても機能する。すなわち、ヘ
ッド支持部材736に突設された複数の突片736eを
上側ヨーク731の外周壁731bの底面に取り付ける
ことによって、突片736eはランドとなり、隣合う突
片736e間の間隙部736fはグルーブとなってい
る。しかも、突片736eは、ヘッド支持部材736の
中心から螺旋方向に沿って外向きに突設されているた
め、上側ヨーク731の回転によって、空気が突片73
6eに沿って間隙部736fから流出しようとする。こ
れにより、磁気テープに下側ドラム752の摺接面に対
する浮上圧がかかる。
【0181】その上、突片736eの長さを、外周壁7
31bの底面の幅より長く設定することができるから、
スパイラルグルーブの長さを充分にとることができる。
したがって、回転磁気ヘッド変位装置700の小型軽量
化に伴って、上側ヨーク731の肉厚、すなわち外周壁
731bの肉厚を薄くしても、スパイラルグルーブとし
て機能が低下せず、充分な動圧を得ることができる。
【0182】この結果、結露による磁気テープと下側ド
ラム752の摺接面との付着現象や、間歇的な付着現象
による磁気テープの自励振動の発生を防止することがで
きる。また、磁気テープとして金属テープを用いても、
金属テープと下側ドラム間の摩擦係数を低減させること
ができるので、磁気テープを安定して走行させることが
できる。
【0183】〔第6実施例〕本発明のさらに他の実施例
について図21に基づいて説明すれば、以下のとおりで
ある。
【0184】回転磁気ヘッド変位装置800は、主とし
て、モータ部、ベアリング部、ヘッド変位機構部、下側
ドラム部、ロータリートランス部、および上側ドラム部
から成っている。以下、上記各部の細部を詳述する。
【0185】まず、下側ドラム部は、磁性体から成る下
側ヨークドラム852、センサ853、およびセンサ支
持板851を備え、回転磁気ヘッド変位装置800の支
持基体の役割を果たす固定部として、かつヘッド変位機
構部の磁気回路の一部として機能する。下側ヨークドラ
ム852には、軸821が中心部に直立して嵌挿された
中央円筒部852aと、磁気テープとの摺接面を有する
外円筒部852bとが、その底部に対して立設されてい
る。基準面Dに対するヘッド支持部材836(後述)の
絶対高さを検出するセンサ853は、上記外円筒部85
2bの上部に外周部を固定されたセンサ支持板851の
内穴近傍に取り付けられている。
【0186】また、上記下側ヨークドラム852の外周
面には、テープ摺動面852cが設けられ、走行する磁
気テープにダメージを与えることがないように、テープ
摺動面852cは滑らかに仕上げられた後、耐摩耗性に
優れる材料によってコーティングされている。
【0187】次に、ベアリング部の構成について説明す
る。ベアリング部は、上記軸821の中心線を回転軸と
して、モータ部、上側ドラム部、およびヘッド変位機構
部の一部等から成る可動部を回転自在に支持している。
軸821の中央付近および上部のそれぞれには、複数個
の球822と外輪823とが取り付けられている。各球
822は、軸821の外壁表面と外輪823の内壁表面
との間に回転自在に配されている。上下1対の外輪82
3の外壁には、回転シリンダ824が取り付けられてい
る。
【0188】モータ部は、軸821の上端部から上側ド
ラム831内に垂設された電機子810と、上側ドラム
831の内壁に配設された回転する磁界発生部とから成
っている。磁界発生部は、界磁石813と、界磁石81
3を取り付ける支持部材814とから成っている。な
お、電機子810は、界磁石813と僅かな間隙を介し
て対面するように、軸821の上端部に取り付けられた
環状部材812により、位置決めされ固定されている。
【0189】これにより、上記電機子810に駆動電流
が供給されると、上記磁界発生部は、上側ドラム83
1、回転シリンダ824、およびヘッド変位機構部と同
体回転する。
【0190】上側ドラム部は、上記上側ドラム831か
ら成り、磁気ヘッド840の配設部位は、磁気ヘッド8
40の上下動に備えてU字状に切り欠かれている。
【0191】ロータリートランス部は、下側ヨークドラ
ム852の上記中央円筒部852aの周囲に配設され、
円筒型ロータリートランスとして構成されている。ロー
タ側ロータリートランス861は、上記回転シリンダ8
24の下部に形成されたフランジ部に取り付けられてい
る。一方、ステータ側トランス862は、上記中央円筒
部852aの外周面に取り付けられており、僅かな間隙
を介して、上記ロータ側ロータリートランス861に対
面している。
【0192】次に、ヘッド変位機構部について詳述す
る。ヘッド変位機構部の役割は、再生中の磁気ヘッド8
40を磁気テープにおけるトラック曲がりに追随させる
ために、磁気ヘッド840の回転面に垂直な方向、すな
わち、軸821の延伸方向に沿って磁気ヘッド840を
変位させることにある。
【0193】上記ヘッド変位機構部は、マグネット83
3、略環状の上側ヨーク832、筒状のボビン835、
ボビン835の外周に巻かれた巻線834、および上記
ヘッド支持部材836とを備えている。
【0194】上記上側ヨーク832は、下側ヨークドラ
ム852およびロータ側ロータリートランス861と共
に、マグネット833が発生する磁束が閉ループを形成
するように配された磁性体から成っている。上記マグネ
ット833は、上記外円筒部852bの内面に固設さ
れ、磁気ヘッド840の回転半径方向に平行に着磁され
ている。上記巻線834およびボビン835は、マグネ
ット833と上記ロータ側ロータリートランス861と
の間に形成された間隙に嵌挿されている。
【0195】上記ヘッド支持部材836の構造は、第5
実施例で開示したヘッド支持部材736の構造と同じで
よい。
【0196】本実施例の回転磁気ヘッド変位装置800
の作用効果は、第5実施例の回転磁気ヘッド変位装置7
00の作用効果と基本的には同様である。ただし、回転
磁気ヘッド変位装置800では、下側ヨークドラム85
2が、いわゆる固定ドラムと継鉄部とを兼ねており、し
かも、マグネット833も下側ヨークドラム852に固
設されている。これにより、重量のあるマグネットおよ
び継鉄部を回転させる必要が無いので、回転磁気ヘッド
変位装置700に比べて、モータ部およびベアリング部
の負担が大幅に低減される。さらに、モータ部に供給す
る駆動電流を小さくすることができるので、消費電力を
小さくすることもできる。
【0197】以上のように、回転磁気ヘッド変位装置7
00および800は、回転ドラムと固定ドラムとをフレ
ームとする内部スペースに、モータ部、ベアリング部、
ヘッド変位機構部、およびロータリートランス部を集約
的に配置することによって、回転磁気ヘッド変位装置の
小型軽量化を実現している。また、磁気ヘッドの搭載機
能、制御磁界を発生するコイルを巻き付けたボビンの搭
載機能、安定した弾性変形機能、およびスパイラルグル
ーブの機能が集約されるように、ヘッド支持部材736
および836を構成したので、磁気テープをより安定に
走行させながら、記録トラックに磁気ヘッドを正確に追
従させることができる。特に、スパイラルグルーブを回
転ドラムと別体に設けたことは、回転磁気ヘッド変位装
置の小型軽量化に大いに貢献する。
【0198】このように、本発明に係る回転磁気ヘッド
変位装置は、高密度記録を必要とする磁気記録再生装置
に搭載されることによって、特に大きな効果をもたらす
ものである。
【0199】
【発明の効果】請求項1の発明に係る回転磁気ヘッド変
位装置は、以上のように、回転駆動力を発生する回転手
段と、上記回転手段の回転軸周囲の円周に沿って配さ
れ、定常的な第1磁束を発生する磁界発生手段と、上記
第1磁束が閉ループを形成するように、上記磁界発生手
段の周囲に環状に配され、上記回転手段に連結された継
鉄手段と、上記継鉄手段に固定された固定部と、上記磁
界発生手段と継鉄手段との間に形成される間隙に嵌挿さ
れて検出信号に基づく第2磁束を発生し、上記第1磁束
と第2磁束との相互作用により上記回転軸に沿って変位
する変位部と、上記変位部に連結された連結部と、磁気
ヘッドを取り付けたヘッド支持部とを有する磁気ヘッド
変位手段とを備えている構成である。
【0200】それゆえ、回転磁気ヘッド変位装置の小型
軽量化を図っても、磁界発生手段の設置スペースを充分
確保することができるのみならず、磁界発生手段と継鉄
手段との対向面積をも充分に確保することができるの
で、磁気特性が良好な磁界発生手段を設けることができ
ると共に、磁気抵抗を低減させることができる。この結
果、ヘッド支持部のバネ定数を低下させたり、変位部に
供給する電流を大きくしなくても磁気ヘッド変位手段の
電流感度が良好となるので、記録時のテープテンション
による外乱や磁気ヘッド変位手段の熱変形に起因したト
ラック曲がりや、再生時のトラック外れの発生を防止す
ることができるという効果を奏する。
【0201】請求項2の発明に係る回転磁気ヘッド変位
装置は、以上のように、回転駆動力を発生する回転手段
と、上記回転手段の回転軸周囲の円周に沿って配され、
定常的な第1磁束を発生する磁界発生手段と、上記第1
磁束が閉ループを形成するように、上記磁界発生手段の
周囲に環状に配された継鉄手段と、上記回転手段に連結
して固定された固定部と、上記磁界発生手段と継鉄手段
との間に形成される間隙に嵌挿されて検出信号に基づく
第2磁束を発生し、上記第1磁束と第2磁束との相互作
用により上記回転軸に沿って変位する変位部と、上記変
位部に連結された連結部と、磁気ヘッドを取り付けたヘ
ッド支持部とを有する磁気ヘッド変位手段とを備えてい
る構成である。
【0202】それゆえ、磁気ヘッド変位手段の固定部が
回転手段に連結されているため、継鉄手段および磁界発
生手段は固定して設けながら、磁気ヘッド変位手段を回
転させることが可能になる。これにより、請求項1の構
成による効果に加えて、回転手段の負担を低減させるこ
とができると共に、回転手段の消費電力を低減させるこ
とができるので、回転磁気ヘッド変位装置の消費電力を
低減させることができるという効果を奏する。
【0203】請求項3の発明に係る回転磁気ヘッド変位
装置は、以上のように、請求項1または2に記載の構成
に加えて、上記継鉄手段に、磁気テープが摺動する摺動
面を形成した構成である。
【0204】それゆえ、請求項1の構成の場合には、上
記継鉄手段にいわゆる回転ドラムの機能を兼ね備えさせ
ることができ、請求項2の構成の場合には、上記継鉄手
段にいわゆる固定ドラムの機能を兼ね備えさせることが
できる。これにより、継鉄手段と回転ドラムまたは固定
ドラムとを別体に設ける必要が無くなるので、請求項1
または2の構成による効果に加えて、回転磁気ヘッド変
位装置の小型軽量化に大いに寄与することができるとい
う効果を奏する。
【0205】請求項4の発明に係る回転磁気ヘッド変位
装置は、以上のように、請求項1または2に記載の構成
に加えて、上記磁気テープに摺接する固定ドラムを備
え、上記固定部を上記固定ドラムの外周近傍に設けると
共に、上記磁気ヘッドの回転面に沿って、磁気ヘッドの
回転中心から螺旋方向に突出する複数の突片を上記固定
部に形成した構成である。
【0206】それゆえ、上記固定部の固定ドラムに対す
る回転運動によって、上記突片に沿って空気流が流出し
ようとするため、上記磁気テープに固定ドラムに対する
浮上圧を与えることができる。したがって、請求項1ま
たは2の構成による効果に加えて、磁気テープの固定ド
ラムに対する摺動抵抗を低減させることができるため、
磁気テープをより安定して滑らかに走行させることがで
きるという効果を奏する。
【0207】請求項5の発明に係る回転磁気ヘッド変位
装置の構成上の特徴は、以上のように、磁気テープに摺
接する固定ドラムと、固定ドラムの中央に、固定ドラム
の中心軸に沿って固定された固定軸と、上記固定軸に回
転可能に取り付けられた回転シリンダと、上記磁気テー
プに摺接して回転する回転ドラムと、上記固定軸に連結
して固定された電機子部、および電機子部によって回転
駆動される界磁石部とを有する回転駆動手段と、上記磁
気ヘッドを取り付けるヘッド支持体と、上記ヘッド支持
体を上記固定軸に沿う方向に変位させる駆動コイルおよ
び磁気回路とを有する磁気ヘッド変位手段と、上記固定
軸に連結して固定された固定トランスコア部と、固定ト
ランスコア部に対面して設けられた回転トランスコア部
とを有するロータリートランスとを備え、上記回転ドラ
ム、界磁石部、磁気ヘッド変位手段、および回転トラン
スコア部が、それぞれ上記回転シリンダに連結されて同
体回転すると共に、上記回転トランスコア部および回転
シリンダが、上記磁気回路の一部を構成していることに
ある。
【0208】それゆえ、回転ドラム、界磁石部、磁気ヘ
ッド変位手段、および回転トランスコア部で構成される
可動部を回転シリンダの周囲に機能的に集約することに
よって、回転駆動手段、磁気ヘッド変位手段、およびロ
ータリートランスを、回転ドラムおよび固定ドラムをフ
レームとする空間内に小型化を図りながら収納すること
が可能となるので、回転磁気ヘッド変位装置の小型化を
実現すると共に、高密度記録を行う磁気記録再生装置に
取り付け可能な回転磁気ヘッド変位装置を提供すること
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転磁気ヘッド変位装置の一構成
例を概略的に示す要部縦断面図である。
【図2】図1の回転磁気ヘッド変位装置が具備するヘッ
ドムービング機構の構成を概略的に示す要部縦断面図で
ある。
【図3】図2のヘッドムービング機構の構成を拡大して
示す部分縦断面図である。
【図4】図3のヘッドムービング機構を矢印N方向から
見た底面図である。
【図5】図2のヘッドムービング機構の組立て状態を説
明する分解斜視図である。
【図6】図1の回転磁気ヘッド変位装置の組立てを概略
的に示す分解要部縦断面図である。
【図7】図2のヘッドムービング機構に供給される制御
電流の生成過程を機能的に示す説明図である。
【図8】本発明に係る回転磁気ヘッド変位装置の他の構
成例を示す平面図である。
【図9】図8のX−X線に沿う要部縦断面図である。
【図10】本発明に係る回転磁気ヘッド変位装置のさら
に他の構成例を示す縦断面図である。
【図11】本発明に係る回転磁気ヘッド変位装置のさら
に他の構成例を示す縦断面図である。
【図12】図10の回転磁気ヘッド変位装置の可動部を
示す縦断面図である。
【図13】図11の回転磁気ヘッド変位装置の可動部を
示す縦断面図である。
【図14】図10の回転磁気ヘッド変位装置が具備する
ロータリートランスの変形例を対称軸の右側部分で示す
縦断面図である。
【図15】図10の回転磁気ヘッド変位装置が具備する
ロータリートランスのさらに他の変形例を対称軸の右側
部分で示す縦断面図である。
【図16】図10の回転磁気ヘッド変位装置が具備する
ヘッド変位機構部の組立て状態を説明する分解斜視図で
ある。
【図17】図10に示す回転磁気ヘッド変位装置の主要
な構成部を分けて示す縦断面図である。
【図18】本発明に係る回転磁気ヘッド変位装置のさら
に他の構成例を示す縦断面図である。
【図19】図18の回転磁気ヘッド変位装置が具備する
ヘッド支持部材の構成を示す平面図である。
【図20】図18の回転磁気ヘッド変位装置の組立て状
態を概略的に示す分解縦断面図である。
【図21】本発明に係る回転磁気ヘッド変位装置のさら
に他の構成例を示す縦断面図である。
【図22】2個の磁気ヘッドが180度間隔で配設され
た場合の磁気ヘッドの配置と磁気テープの巻付け角度と
の関係を示す説明図である。
【図23】3個の磁気ヘッドが120度間隔で配設され
た場合の磁気ヘッドの配置と磁気テープの巻付け角度と
の関係を示す説明図である。
【図24】2個で1組の磁気ヘッドが180度間隔で2
組配設された場合の磁気ヘッドの配置と磁気テープの巻
付け角度との関係を示す説明図である。
【図25】従来のヘッドムービング機構を有する回転磁
気ヘッド変位装置を示す平面図である。
【図26】図25のXI−XI線に沿う要部縦断面図で
ある。
【図27】図26の回転磁気ヘッド変位装置が具備する
ヘッドムービング機構を拡大して示す部分断面図であ
る。
【図28】従来の回転磁気ヘッド変位装置の一構成例を
示す縦断面図である。
【図29】(a)は従来のスパイラルグルーブが形成さ
れた回転ドラムを示す平面図、(b)は同斜視図であ
る。
【符号の説明】
70 回転磁気ヘッド変位装置 71 ヘッドムービング機構(磁気ヘッド変位手段) 71a絶縁部材(変位部) 71b巻線(変位部) 71c上側支持バネ(ヘッド支持部) 71d下側支持バネ(ヘッド支持部) 71e磁気ヘッド 72a天面環状継鉄(継鉄部) 72b上側環状継鉄(継鉄部) 72c下側環状継鉄(継鉄部) 72d内側底面環状継鉄(継鉄部) 72e外側底面環状継鉄(継鉄部) 72f内側筒型継鉄(継鉄部) 72g外側筒型継鉄(継鉄部) 74 永久磁石(磁界発生手段) 77 モータ部(回転手段) 80 回転磁気ヘッド変位装置 81 ヘッドムービング機構(磁気ヘッド変位手段) 81d下側支持バネ(ヘッド支持部) 81e磁気ヘッド 82a天面環状継鉄(継鉄部) 87 モータ部(回転手段) 101 上側ドラム(回転ドラム) 110 モータ部(回転駆動手段) 111 ステータディスク(電機子部) 113 界磁石(界磁石部) 115 駆動コイル(電機子部) 121 軸(固定軸) 124 回転シリンダ 130 ヘッド変位機構部(磁気ヘッド変位手段) 131 上側環状継鉄(磁気回路) 132 上側支持バネ(ヘッド支持体) 133 下側支持バネ(ヘッド支持体) 134 中央環状継鉄(磁気回路) 136 巻線(駆動コイル) 138 下側環状継鉄(磁気回路) 140 磁気ヘッド 151aステータトランスコア(固定トランスコア部) 151bロータトランスコア(回転トランスコア部) 152 下側ドラム(固定ドラム) 200 回転磁気ヘッド変位装置 211 ステータ(電機子部) 213 界磁石(界磁石部) 215 駆動コイル(電機子部) 221 軸(固定軸) 224 回転シリンダ 231 ロータトランスコア(回転トランスコア部およ
び磁気回路) 233 下側支持バネ(ヘッド支持体) 234 中央環状継鉄(磁気回路) 236 巻線(駆動コイル) 238 下側環状継鉄(磁気回路) 240 磁気ヘッド 252 下側ドラム(固定ドラム) 262 ステータトランスコア(固定トランスコア部) 271 上側ドラム(回転ドラム) 300 回転磁気ヘッド変位装置 700 回転磁気ヘッド変位装置 710 電機子 713 界磁石(界磁石部) 714 支持シリンダ(電機子部) 721 軸(固定軸) 724 回転シリンダ 731 上側ヨーク(回転ドラム、継鉄部、または磁気
回路) 732 下側ヨーク(継鉄部または磁気回路) 733 マグネット(磁界発生手段) 734 巻線(駆動コイルまたは変位部) 735 ボビン(変位部) 736 ヘッド支持部材(ヘッド支持部) 736a内環状部(連結部) 736bヘッド取付け部(ヘッド支持部) 736e突片(固定部) 740 磁気ヘッド 752 下側ドラム(固定ドラム) 761 ロータ側ロータリートランス(回転トランスコ
ア部) 762 ステータ側トランス(固定トランスコア部) 800 回転磁気ヘッド変位装置 810 電機子 813 界磁石(界磁石部) 821 軸(固定軸) 824 回転シリンダ 831 上側ドラム(回転ドラム) 832 上側ヨーク(継鉄部または磁気回路) 833 マグネット(磁界発生手段) 834 巻線(駆動コイルまたは変位部) 835 ボビン(変位部) 836 ヘッド支持部材(ヘッド支持部) 840 磁気ヘッド 852 下側ヨークドラム(固定ドラム、継鉄部、また
は磁気回路) 852cテープ摺動面 861 ロータ側ロータリートランス(回転トランスコ
ア部) 862 ステータ側トランス(固定トランスコア部)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気テープに形成された記録トラックと磁
    気ヘッドとの相対的な位置を検出した検出信号に基づい
    て、磁気ヘッドを記録トラックに追従させる回転磁気ヘ
    ッド変位装置において、 回転駆動力を発生する回転手段と、 上記回転手段の回転軸周囲の円周に沿って配され、定常
    的な第1磁束を発生する磁界発生手段と、 上記第1磁束が閉ループを形成するように、上記磁界発
    生手段の周囲に環状に配され、上記回転手段に連結され
    た継鉄手段と、 上記継鉄手段に固定された固定部と、上記磁界発生手段
    と継鉄手段との間に形成される間隙に嵌挿されて上記検
    出信号に基づく第2磁束を発生し、上記第1磁束と第2
    磁束との相互作用により上記回転軸に沿って変位する変
    位部と、上記変位部に連結された連結部と、磁気ヘッド
    を取り付けたヘッド支持部とを有する磁気ヘッド変位手
    段とを備えていることを特徴とする回転磁気ヘッド変位
    装置。
  2. 【請求項2】磁気テープに形成された記録トラックと磁
    気ヘッドとの相対的な位置を検出した検出信号に基づい
    て、磁気ヘッドを記録トラックに追従させる回転磁気ヘ
    ッド変位装置において、 回転駆動力を発生する回転手段と、 上記回転手段の回転軸周囲の円周に沿って配され、定常
    的な第1磁束を発生する磁界発生手段と、 上記第1磁束が閉ループを形成するように、上記磁界発
    生手段の周囲に環状に配された継鉄手段と、 上記回転手段に連結して固定された固定部と、上記磁界
    発生手段と継鉄手段との間に形成される間隙に嵌挿され
    て上記検出信号に基づく第2磁束を発生し、上記第1磁
    束と第2磁束との相互作用により上記回転軸に沿って変
    位する変位部と、上記変位部に連結された連結部と、磁
    気ヘッドを取り付けたヘッド支持部とを有する磁気ヘッ
    ド変位手段とを備えていることを特徴とする回転磁気ヘ
    ッド変位装置。
  3. 【請求項3】上記継鉄手段に、磁気テープが摺動する摺
    動面を形成したことを特徴とする請求項1または2に記
    載の回転磁気ヘッド変位装置。
  4. 【請求項4】さらに、上記磁気テープに摺接する固定ド
    ラムを備え、 上記固定部を上記固定ドラムの外周近傍に設けると共
    に、上記磁気ヘッドの回転面に沿って、磁気ヘッドの回
    転中心から螺旋方向に突出する複数の突片を上記固定部
    に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の
    回転磁気ヘッド変位装置。
  5. 【請求項5】磁気テープに形成された記録トラックと磁
    気ヘッドとの相対位置を検出した信号に基づいて、磁気
    ヘッドを記録トラックに追従させる回転磁気ヘッド変位
    装置において、 磁気テープに摺接する固定ドラムと、 固定ドラムの中央に、固定ドラムの中心軸に沿って固定
    された固定軸と、 上記固定軸に回転可能に取り付けられた回転シリンダ
    と、 上記磁気テープに摺接して回転する回転ドラムと、 上記固定軸に連結して固定された電機子部、および電機
    子部によって回転駆動される界磁石部とを有する回転駆
    動手段と、 上記磁気ヘッドを取り付けるヘッド支持体と、上記ヘッ
    ド支持体を上記固定軸に沿う方向に変位させる駆動コイ
    ルおよび磁気回路とを有する磁気ヘッド変位手段と、 上記固定軸に連結して固定された固定トランスコア部
    と、固定トランスコア部に対面して設けられた回転トラ
    ンスコア部とを有するロータリートランスとを備え、 上記回転ドラム、界磁石部、磁気ヘッド変位手段、およ
    び回転トランスコア部が、それぞれ上記回転シリンダに
    連結されて同体回転すると共に、上記回転トランスコア
    部および回転シリンダが、上記磁気回路の一部を構成し
    ていることを特徴とする回転磁気ヘッド変位装置。
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