JP3374084B2 - 光スポット走査制御装置 - Google Patents

光スポット走査制御装置

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JP3374084B2 JP23966998A JP23966998A JP3374084B2 JP 3374084 B2 JP3374084 B2 JP 3374084B2 JP 23966998 A JP23966998 A JP 23966998A JP 23966998 A JP23966998 A JP 23966998A JP 3374084 B2 JP3374084 B2 JP 3374084B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光カード装置、
光テープ装置、プリンタ装置、工作機械等、回転とスラ
イドが必要な機構で、特に、媒体上に集光される光スポ
ットを高速で走査することにより情報の記録・再生等を
行う光スポット走査制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図41ないし図46は、例えば、特開平
7−141686に示された従来の光スポット走査制御
装置とその動作を説明する図である。図において、10
1は光磁気記録媒体が塗布された光テープ、102は図
示されていない光源から出射されたレーザ光、103は
円盤状の保持板、104は保持板103に連結され保持
板103の回転中心をなす支軸、105は支軸104と
数μmのギャップを隔てて支軸104を保持し、かつ、
低摩擦で摺動回動自在にされた軸受、106は保持板1
03に固定され、かつ、支軸104を囲むようにしても
うけられたラジアル着磁された円筒状可動磁石、107
は円筒状可動磁石106と対向するように固定側に設け
られた円筒状コイル、108は円筒状可動磁石106と
同心となるよう環状に配置され、円筒状可動磁石106
との間に磁気回路を構成する磁性材からなるヨーク、1
09はヨーク108の環状部の略中央部に全周に渡って
形成された突出部である。110はヨーク108の底面
に固定されたコイル群であって、図44に示されるよう
に、支軸4と直交する方向に巻回された複数のコイルか
ら構成されている。111a〜111dは図42に示さ
れるように、保持板103の表面に固定配置された対物
レンズ、112はコイル群110と対向して設けられ、
支軸104に結合された多極磁石であり、図43に示さ
れるように、支軸104の軸線方向に着磁されている。
117は対物レンズ111a〜111dによってレーザ
光102が集光された光スポットである。なお、レーザ
光102は、図45に破線で示すよう対物レンズ111
a〜111dよりも大きいビーム形状となっている。
【0003】次に、動作について説明する。コイル群1
10に通電することによって多極磁石112との電磁作
用により力が発生し、支軸104を介して保持板103
が矢印R方向に回転する。また、円筒状コイル107に
通電することによって円筒状可動磁石106との電磁作
用により矢印F方向の力が発生し、保持板103が矢印
F方向に変位する。この構成において、光スポット11
7を走査するためにアキシャルタイプのモータの構成を
採用しているので、多極磁石112とヨーク108のコ
イル群110が取付けられている面108aとの間に、
図41に示す矢印方向の吸引力Tsが多極磁石112に
作用するとともに、焦点制御動作によって多極磁石11
2が矢印F方向に変位するので、多極磁石112と面1
08aとの間隔Wgが変化するため、これによって、更
に上記吸引力Tsが変化し、焦点制御を行う際の大きな
外乱となる。
【0004】このように動作する光スポット走査制御装
置の対物レンズ111a〜111dにレーザ光102を
入射させ、対物レンズ111a〜111dを回転させる
ことによって光スポット117が光テープ101上を走
査し、光スポット117の焦点ずれに応じた制御電流を
通電することにより光スポット117の焦点制御するこ
とができ、図46に示すような記録トラック116の記
録・再生が行える。
【0005】光スポット制御に関する他の例として、回
転するものではないが、光スポットを揺動させてトラッ
クに追従し、かつ、トラック上に焦点を結ばせるために
スライド移動もさせるレーザ駆動装置が知られている。
これは、CDの再生用に用いられており、回転でなく、
部分的な揺動でよいために簡単な機構となっている。即
ち、円筒状可動磁石1つで揺動とスライドを兼ねること
ができる。また、トラック追従用のコイルの設置範囲が
円周方向に狭い角度範囲でよくて制約が少ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の光スポット走査
制御等のスライド移動・回転制御装置は、以上のように
構成されていたので、図に示すように、力のバランスす
る中点もずれ、光スポット117の焦点制御が困難であ
るという課題がある。また、円筒状可動磁石106の磁
極面と対向するようにヨーク108に設けた突出部10
9を設けることによって、突出部109と円筒状可動磁
石106によって磁気的なバネ(以下磁気バネと略す)
を構成し、円筒状可動磁石106が上記焦点制御方向に
変位した際に円筒状可動磁石106に復元力が作用する
ようにして、対物レンズ111a〜111dの焦点制御
方向の中立点保持(図41の状態)をしているが、上記
吸引力Tsに打ち勝って中立点を維持する必要があるた
め、高い磁気的バネの剛性が必要となり、焦点制御を行
う際に大きな駆動力が必要となり、結果的に焦点制御の
効率が悪化するという課題がある。
【0007】更に、ヨーク108内に突出部109を設
けているので、ヨーク108を焼結やメタルインジェク
ションモールド等の成型法で製作する場合に、突起部1
09によってアンダーカット部ができてしまうため金型
が複雑なものとなり、ヨーク108の価格が高くなると
いう課題があった。
【0008】この発明は、上記の課題を解決するために
なされたもので、光スポットの焦点制御を容易に行える
光スポット走査制御用等のスライド移動・回転制御装置
を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る光スポッ
ト走査制御装置は、軸線を中心に回転するターンテーブ
ルの中心部からの光を所定の周辺位置から光スポットと
して出射する光学部材と、このターンテーブルに装着さ
れる周側面に多極の磁極を持つリング状のロータ・マグ
ネットと、ロータ・マグネットの上記周側多磁極と対向
設置されてターンテーブルを回転駆動するステータコア
とステータコイルと、ロータ・マグネットと略同一軸線
中心を持ち、かつロータ・マグネットが形成する回転磁
界とは独立のラジアル磁界を形成して、ターンテーブル
に装着されるリング状のスライド・マグネットと、この
スライド・マグネットと周方向で対向設置されてターン
テーブルを軸方向にスライド駆動するヨークとスライド
コイルとを備えた。
【0010】また更に、回転駆動用のロータ・マグネッ
トと、軸方向駆動用のスライド・マグネットとを軸方向
で離れた位置に設けた。
【0011】また更に、スライド・マグネット外径と、
ロータ・マグネット外径とを軸中心から概略同じ半径と
した。
【0012】また更に、軸方向でロータ・マグネットと
スライド・マグネットとの間に光学部材を配置した。
【0013】また更に、スライド・マグネットとロータ
・マグネットとを軸方向に概略同一点に、かつ半径方向
に径を違えて同心状に設けた。
【0014】また更に、スライド・マグネットをロータ
・マグネットの内側に設けた。
【0015】また更に、スライド・マグネットとロータ
・マグネットの中間に、同心状のヨークを設けてラジア
ル磁界を形成した。
【0016】また更に、回転駆動用のロータ・マグネッ
トは、軸方向の中心で磁力が最大となるよう着磁した。
【0017】また更に、回転駆動用のステータコアとス
テータコイルは、軸方向の中心で磁力が最大となるコア
形状とした。
【0018】また更に、スライドコイル側からロータ・
マグネット側に円筒状に伸び、かつ軸方向にロータ・マ
グネットの軸方向幅以上の磁路を形成するヨークを設け
た。
【0019】また更に、磁路を形成するヨークには、磁
束を制限する磁路制限手段を設けた。
【0020】また更に、磁路制限手段は、ヨークに設け
た孔または切り欠きとした。
【0021】また更に、磁路制限手段は、周回方向には
概略周期的に磁路制限手段を配置した。
【0022】また更に、磁路制限手段は、磁路形成部分
とはテーパ形状で接続する構造とした。
【0023】また更に、スライドコイル側からスライド
・マグネットを空隙中間位置に挟むように、かつ軸方向
にスライド・マグネットの軸方向幅以上の磁路を形成す
るスライド用ヨークを設けた。
【0024】また更に、ロータ・マグネットがスライド
移動する軸方向最大範囲にステータコイルからのステー
タコア幅を設定するか、またはロータ・マグネットがス
ライド移動する軸方向最大範囲内にステータコアを含む
ようにロータ・マグネット幅を設定した。
【0025】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の
形態における光スポット走査制御装置の構成と動作を説
明する。図1は、装置の断面図であり、図において、1
は光カードで、例えば、有機色素媒体が塗布されてい
る。2は光ビームで、図示されていない光源から出射さ
れる。3は反射ミラーで、光ビーム2を反射し方向を変
える。4は光学部材で、入射する光ビーム2を伝搬し、
光カード1上に光スポット5を形成する機能を有する。
6はターンテーブルで、光学部材4を搭載保持してい
る。7は円筒状の支軸で、ターンテーブル6に設けられ
て、ターンテーブル6の回転軸をなすとともに光ビーム
2を通す孔8を有する。9はリング状のマグネット保持
部で、ターンテーブル6の光学部材4が搭載されている
側とは反対側に設けられ、支軸7と同軸になるように配
されている。10は例えば、24極に多極着磁されたロ
ータ・マグネットで、マグネット保持部9に支軸7と同
軸になるように設けられ、図2に示すように、外周側面
が磁極面11を形成する。12はステータコアで、磁性
材を積層して形成され、かつ、図3及び図4に示すよう
に、ロータ・マグネット10の磁極面11と対向するコ
ア先端部14を有する、例えば、18本のティース13
が設けられている。15はティース13に巻回されてい
るアマチュアコイルである。
【0026】16はターンテーブルを上下にスライド移
動させるスライド・マグネットで、マグネット保持部9
にロータ・マグネット10と支軸7の軸線方向に所定距
離、離して、かつ、支軸7と同軸に設けられ、図5に示
すように、例えば、外周がN極内周がS極になるように
ラジアル着磁されている。17はヨークで、図6に示す
ように、スライド・マグネット16の内外周の磁極面と
対向する内輪部18と、外輪部19と、内輪部18と外
輪部19を接続する底面部20とからなる略コの字状の
断面を持っている。21はスライドコイルでスライド・
マグネット16とヨーク17とで形成される空隙中に配
置され、ヨーク17に固定されていて、図7に示すよう
な周方向に巻回されたリング状の形状をしている。22
は支軸7を摺動及び回転自在に嵌合支持する軸受で、ヨ
ーク17の内輪部18に設けられている。23はステー
タコア12及びヨーク17を支持する固定部を成す基台
である。なお、本実施の形態では、支軸7の軸線方向に
光学部材4、ロータ・マグネット10、スライド・マグ
ネット16の順でターンテーブル6に設けられており、
ヨーク17の内輪部18は、ロータ・マグネット10の
周側面と対向するように設けられている。また、ロータ
・マグネット10とスライド・マグネット16の外径が
ほぼ同径になるように設けられている。更に、図8に示
すように、ステータコア12のコア先端部14の高さを
Hc、ロータ・マグネット10の高さをHrとすると、
Hr>Hcと設定されている。
【0027】次に、動作について説明する。アマチュア
コイル15に所望の電流を通電することによってロータ
・マグネット10との電磁作用により、図1の矢印R方
向の力が発生し、ターンテーブル6が矢印R方向に回転
する。また、スライドコイル21に通電することによっ
てスライド・マグネット16との電磁作用によって図1
の矢印F方向の力が発生し、ターンテーブル6を矢印F
方向に変位させる。
【0028】ここで、ターンテーブル6の矢印F方向の
中立点保持機構について説明する。ターンテーブル6
は、矢印F方向に摺動自在に支軸7を介して軸受22に
軸支され、ターンテーブル6に設けられたロータ・マグ
ネット10の磁極面11とステータコア12のコア先端
部14が対向可能なように設けられているので、コア先
端部14とロータ・マグネット10間に吸引力が作用
し、これが図10に示すような復元力となってロータ・
マグネット10は、図1に示すように、ほぼコア先端部
14と対向する位置で安定する。この復元力によってタ
ーンテーブル6の中立点が保持される。
【0029】次に、ロータ・マグネット10の上記矢印
F方向の変位と上記ターンテーブル6をR方向に回転さ
せる力(以下トルクと略す)関係について説明する。本
実施の形態においては、ターンテーブル6の上記中立点
からの変位量を±δとすると、ロータ・マグネット10
の高さHrをHc+2δとしているので、ターンテーブ
ル6が矢印F方向に変位してもロータ・マグネット10
の磁極面11とコア先端部14は対向し、磁極面11と
コア先端部14間の空隙の磁束密度は大きく変化するこ
とがなく、ターンテーブル6の矢印F方向の変位によっ
て上記トルクが大きく変化することのない構造となって
いる。
【0030】上述したように、ロータ・マグネット10
の高さHrとコア先端部14の高さHcを設定するの
で、ロータ・マグネット10が変位した際に、空隙の磁
束密度分布の変化(磁気勾配)が小さくなり、中立点付
近での復元力が所定値得られなくなる可能性がある。こ
のような場合には、ロータ・マグネット10の高さ方向
の磁束密度分布を図11に示すように、中央部で大きく
上下端部で小さくなるように着磁し、ロータ・マグネッ
ト10が変位した場合に生じる磁気勾配が大きくなるよ
うにすることによって解決できる。具体的には、マグネ
ット形状、着磁分布を変更する。
【0031】上記例では、Hr>Hcとなるようにした
が、図12に示すように、Hr<HcとなるようにHc
をHr+2δとしても、同様の効果が得られる。ロータ
・マグネット10の磁束分布を中央集中形にするのと同
様に、この場合に上記復元力を得やすくするためには、
図13に示すように、コア先端部14の形状を中央部が
凸状になるように形成するのが望ましい。
【0032】上述の光スポット走査制御装置の光学部材
4に光ビーム2を入射し、ターンテーブルの周辺部から
光スポット5を形成する。この状態で、ターンテーブル
6を回転させると、光カード1上を光スポット5が走査
し、図示はしていないが、光スポット5の焦点ずれを検
出して、対応して制御電流をスライドコイル21に通電
して光スポット5の焦点制御を行う。この結果、図9に
示すような記録トラック54の記録再生が行える。
【0033】以上のように、支軸7を介して軸受22に
摺動及び回動自在に支持したターンテーブル6にロータ
・マグネット10を設け、磁極面11とステータコア1
2のコア先端部14が対向するように設け、しかも図の
中央から上下方向への磁束分布を対称に設定できるの
で、復元力によってターンテーブル6の焦点制御方向の
中点保持が可能となる。また、この復元力は、図10に
示すように、形状の対称設定によって線形に作用させる
ことができるので、焦点制御を行う際の外乱となること
はなく、良好な焦点制御を行うことが可能となる。
【0034】更に、ロータ・マグネット10とスライド
・マグネット16の外径をほぼ同径になるように設けて
いるので、ロータ・マグネット10とステータコア12
で形成される回転系磁気回路、スライド・マグネット1
6とヨーク17によって形成されるスライド移動磁気回
路の各々の磁気回路にロータ・マグネット10及びスラ
イド・マグネット16からの焦点制御方向に向かう磁束
が回り込み(例えば、図14に示すように、ロータ・マ
グネット10の外径がスライド・マグネット16の外径
よりも大きかった場合には、図中φで示すようなロータ
・マグネット10からヨーク17への磁束の漏れが生じ
る)がなくなり、焦点制御動作に対して外乱となる磁束
の回り込みによる吸引力をなくすことができる。
【0035】更に、ロータ・マグネット10の高さHr
とステータコア12のコア先端部14の高さHcを焦点
制御方向の変位量を考慮して、Hr>Hc+2δまたは
Hr+2δ<Hcとなるようにしたので、ロータ・マグ
ネット10が焦点制御動作にともなって変位しても、タ
ーンテーブル6に作用するトルクが大きく変化すること
がない。
【0036】更に、ロータ・マグネット10の高さHr
とステータコア12のコア先端部14の高さHcの関係
がHr>Hcの場合には、図11に示すように、ロータ
・マグネット10の高さ方向の磁束密度分布を中央部で
は大きく両端部では小さくなるように着磁し、Hr<H
cの場合には、図13に示すように、ステータコア12
のコア先端部14の中央部が凸状になるように設けてい
るので、ターンテーブル6の中立点を保持するするため
の復元力を最適化できる。
【0037】更に、ヨーク17の内輪部18はロータ・
マグネット10の内周面と対向するように設けているの
で、内輪部18は、ロータ・マグネット10のバックヨ
ークとしても作用し、コア先端部14とロータ・マグネ
ット10間の空隙の磁束密度を高くすることができるの
で、トルクを大きくできる。
【0038】実施の形態2.実施の形態1では、ロータ
・マグネット10、スライド・マグネット16を分離し
た構成としていたが、次に、ロータ・マグネット10と
スライド・マグネット16を一体にした場合の実施の形
態を説明する。図15は、本実施の形態における光スポ
ット走査制御装置の断面図である。図において、図1と
同一もしくは相当要素については同一符号で示して、そ
の説明を省略する。図において、24はマグネットを一
体化した駆動マグネットで、マグネット保持部9に支軸
7と同軸になるように設けられ、ステータコア12のコ
ア先端部14と対向する周側面が、例えば、24極に多
極着磁された図16に示すように、リング状のロータ・
マグネット部25と、ヨーク17の外輪部19の内周側
に設けられているスライドコイル21と対向するように
設けられ、例えば、外周がN極内周がS極になるように
ラジアル着磁されたスライド・マグネット部26と、ロ
ータ・マグネット部25とスライド・マグネット部26
とを連結する着磁されていないニュートラル部27の3
つの部分で構成されている。
【0039】次に、動作について説明するが、上述のマ
グネット構成から明らかなように、基本的には実施の形
態1の動作と全く同様である。即ち、アマチュアコイル
15に所望の電流を通電することで、ロータ・マグネッ
ト部25との電磁作用により矢印R方向の力が発生し、
ターンテーブル6を矢印R方向に回転させる。従って、
光スポットによる光カード1への走査が行える。また、
スライドコイル21に通電して、スライド・マグネット
部26との電磁作用によって矢印F方向の力が発生し、
ターンテーブル6を矢印F方向に変位させて、焦点ずれ
に応じた制御電流をスライドコイル21に通電して光ス
ポット5の焦点制御が行える。
【0040】以上のように、ロータ・マグネットとスラ
イド・マグネットとを一体化して駆動マグネット24と
したので、部品点数を削減でき組み立て性を向上させる
ことができる。なお、上述の説明では、ニュートラル部
27の外周側面をロータ・マグネット部25やスライド
・マグネット部26の外周側面よりも小径になるように
したが、図17に示すように、ロータ・マグネット部2
5、スライド・マグネット部26及びニュートラル部2
7の外周側面を同径としても同様の動作及び効果が得ら
れる。
【0041】実施の形態3.実施の形態1では、光学部
材4、ロータ・マグネット10、スライド・マグネット
16の順でターンテーブル6に組み込むようにしたが、
本実施の形態では、光学部材4をロータ・マグネット1
0、スライド・マグネット16で挟み込むようにした構
成を説明する。図18は、本実施の形態における光スポ
ット走査制御装置の断面図である。図において、図1と
同一もしくは相当要素については同一符号で示して、そ
の説明を一部省略する。図において、28は円筒状の軸
受で、ターンテーブル6に設けられ、ターンテーブル6
の回転軸となっている。29は切り欠き部で、軸受28
に設けられて光学部材4の一部を軸受28の内部に保持
するための空間である。30はロータ・マグネット保持
部で、ターンテーブル6の光学部材4の上側に設けら
れ、軸受28と同軸構成となっていてロータ・マグネッ
ト10を保持する。31はスライド・マグネット保持部
で、ターンテーブル6の光学部材4の下側に設けられ、
軸受28と同軸構成となっていて、スライド・マグネッ
ト16を保持する。32はステータホルダで、ステータ
コア12を保持する。17はヨークで、スライド・マグ
ネット16の内外周の磁極面と対向する内輪部18と、
外輪部19と、内輪部18と外輪部19を接続する底面
部20とからなり、スライド・マグネット16の外周側
面と対向するように配置されたスライドコイル21を保
持する略コの字状の断面を持っている。33,34は軸
受28の上端部と下端部とに嵌合し、軸受28を摺動及
び回転自在に支持する支軸である。支軸33は、ステー
タホルダに固定されており、支軸34は、ヨーク17の
底面部に固定されている。なお、支軸34には、光ビー
ム2を光学部材4に通すための円筒孔35が設けられて
いる。また、支軸33と支軸34の間には、光学部材4
が矢印F方向に所定量変位(±δ)するための空間36
が設けられている。
【0042】次に、動作について説明するが、上述の挟
み込み構成から明らかなように、基本的には実施の形態
1の動作と全く同様である。即ち、アマチュアコイル1
5に所望の電流を通電することで、ロータ・マグネット
10との電磁作用により矢印R方向の力が発生し、ター
ンテーブル6を矢印R方向に回転させる。従って、光ス
ポット5による光カード1への走査が行える。また、ス
ライドコイル21に通電してスライド・マグネット16
との電磁作用によって矢印F方向の力が発生し、ターン
テーブル6を矢印F方向に変位させて、焦点ずれに応じ
た制御電流をスライドコイル21に通電して光スポット
5の焦点制御が行える。
【0043】以上のように、ターンテーブル6にロータ
・マグネット10、光学部材4、スライド・マグネット
16の順で設けたので、図18に示すワーキングディス
タンスWdが、例えば、ロータ・マグネット10の高さ
Hrに上記実施の形態1等で記述したターンテーブル6
の変位量±δを加算した値Hw(=Hr+2δ)よりも
大きい場合(Wd>Hw)には、実施の形態1、実施の
形態2のように、ターンテーブル6に光学部材4、ロー
タ・マグネット10、スライド・マグネット16の順で
構成した場合と比べて、装置をおおよそWd−δ分だけ
薄型化することができる。なお、実施の形態1でもそう
であるが、ロータ・マグネットとステータコイルのペア
と、スライド・マグネットとスライドコイルのペアの位
置を図の上下逆の配置をしても、もちろん構わない。
【0044】実施の形態4.更に、ターンテーブル搭載
部分の厚みを薄くした構成を説明する。即ち、上述の各
実施の形態では、ターンテーブル6にロータ・マグネッ
ト10、スライド・マグネット16をターンテーブル6
の軸線方向に並列に設けるようにしていたが、本実施の
形態では、ロータ・マグネット10、スライド・マグネ
ット16をターンテーブル6に同心円上に配置する。図
19は、本実施の形態における光スポット走査制御装置
の断面図である。図において、図1と同一もしくは相当
要素については同一符号で示して、その説明を一部省略
する。図において、37は円筒状の軸受で、ターンテー
ブル6に設けられ、ターンテーブル6の回転軸を形成し
ている。38はリング状のロータ・マグネット保持部
で、ターンテーブル6の光学部材搭載側とは反対側にあ
って、軸受37と同軸になるように配置され、図20に
示すように、外周側面が磁極面11になるように、例え
ば、24極に多極着磁されたロータ・マグネット10を
保持している。39はリング状のスライド・マグネット
保持部で、ターンテーブル6の光学部材搭載側とは反対
側に、かつ、ロータ・マグネット保持部38の内周側に
あって、軸受37と同軸になるように配置され、図21
に示すように、例えば、外周がN極内周がS極になるよ
うにラジアル着磁されたスライド・マグネット16を保
持している。40は円筒状の支軸で、軸受37を摺動及
び回転自在に嵌合支持するヨーク17の底面部20中央
に設けられていて、光ビーム2を光学部材4へ通すため
の円筒孔41を持っている。42はステータコア12及
びヨーク17を支持する固定部を成す基台である。1は
光カード、2は光ビーム、3は反射ミラー、4は光学部
材、5は光スポット、6はターンテーブル、12は磁性
材を積層して形成されたステータコア、15はアマチュ
アコイル、17は内輪部18と外輪部19と底面部20
とからなるヨーク、21は周方向に巻回されたリング状
のスライドコイルである。
【0045】なお、本実施の形態では、支軸40の軸線
を中心として、ヨーク17の内輪部18と外輪部19、
ターンテーブル6に一体的に設けられたロータ・マグネ
ット保持部38とスライド・マグネット保持部39が各
々所定の間隔をもって、外周側からロータ・マグネット
保持部38、外輪部19、スライド・マグネット保持部
39、内輪部18の順で同心円状に配置されている。ま
た、ヨーク17の外輪部19は、ロータ・マグネット1
0の周側面と対向するように設けられている。更に、実
施の形態1での構成と同様に、ステータコア12のコア
先端部14の高さをHc、ロータ・マグネット10の高
さをHrとすると、図23に示すように、Hr>Hcと
なるように設けられている。
【0046】なお、上述したように、ロータ・マグネッ
ト10の内径をDri、スライド・マグネット16の外
径をDfoとすると、Dri>Dfoの関係となるよう
に、かつ、支軸40の軸線を中心として同心円状にター
ンテーブル6に設けられており、ターンテーブル6がこ
の軸線方向に摺動可能で、かつ、回転可能に構成されて
いる。
【0047】次に、動作について説明する。ターンテー
ブル6は、矢印F方向に摺動自在に軸受37を介して支
軸40に軸支されていて、実施の形態1での構成と同様
に、コア先端部14とロータ・マグネット10間に吸引
力が働く。これが図10に示すような復元力となってロ
ータ・マグネット10は、ほぼコア先端部14と対向す
る位置で安定する。この復元力によってターンテーブル
6の中立点が保持され、アマチュアコイル15に所望の
電流を通電してロータ・マグネット10との電磁作用に
より矢印R方向の力を発生させて、ターンテーブル6を
矢印R方向に回転させる。従って、実施の形態1同様
に、光スポット5の光カード1への走査が行える。ま
た、スライドコイル21に通電してスライド・マグネッ
ト16との電磁力によって矢印F方向の力が発生し、タ
ーンテーブル6を矢印F方向に変位させる。こうして、
焦点ずれに応じた制御電流をスライドコイル21に通電
して、光スポット5の焦点制御が行える。
【0048】以上のように、軸受37と支軸40とでス
ライド移動・回転可能なターンテーブル6にロータ・マ
グネット10を設け、磁極面11とステータコア12の
コア先端部14が対向するよう配置したので、復元力に
よってターンテーブル6の焦点制御方向の中点保持が可
能となる。また、この復元力は、図10に示すように、
線形作用させることができるので、焦点制御を行う際の
外乱となることはないく、良好な焦点制御を行うことが
可能となる。
【0049】また、ロータ・マグネット10の高さHr
とステータコア12のコア先端部14の高さHcを焦点
制御方向の変位量を考慮して、Hr>Hcとなるように
したので、ロータ・マグネット10が焦点制御動作にと
もなって変位しても、ターンテーブル6に作用するトル
クが大きく変化することがない。このHrとHcは、実
施の形態1と同様に、逆転させても効果は同じである。
【0050】更に、ヨーク17の外輪部18はロータ・
マグネット10の内周面と対向するように配置されてい
るので、内輪部18はロータ・マグネット10のバック
ヨークとしても作用し、コア先端部14とロータ・マグ
ネット10間の空隙の磁束密度を高くすることができる
ので、トルクを大きくできる。また、ロータ・マグネッ
ト10、ステータコア12、アマチュアコイル15から
なる回転系と、スライド・マグネット16、ヨーク1
7、スライドコイル21からなるスライド移動の磁気回
路を分離する機能も持っているので、磁気干渉を低減で
きる。
【0051】更に、ロータ・マグネット10とスライド
・マグネット16とを同心円状に配置したので、上述し
た各実施の形態のように、軸方向にずらせて並列に配し
た場合と比べて装置を薄型化できる。また、ロータ・マ
グネット10の内径をDri、スライド・マグネット1
6の外径をDfoとすると、Dri>Dfoの関係とな
るようにし、スライド移動の磁気回路を回転系の磁気回
路の内周側に設けたので装置を小型化できる。
【0052】なお、以上の実施の形態では、スライドコ
イル21をスライド・マグネット16の外周側に配置し
たが、図24に示すように、ヨーク17の内輪部18の
外周面に取り付けても、同様の効果が得られることはい
うまでもない。
【0053】実施の形態5.この実施の形態では、本発
明の光スポット走査制御装置を光カード装置以外のもの
に適用した場合について説明する。図25は、光スポッ
ト走査制御装置を光テープ装置に適用した場合の断面図
である。図において、50はリール51,52に巻かれ
て、矢印FW方向に移動する光テープである。上述した
各実施の形態と同様に、光学部材4に光ビーム2を入射
し、光テープ50上に光スポット5を形成させてターン
テーブル6を回転させる。こうして、光テープ50上を
光スポット5が走査し、光スポット5の焦点ずれに対応
した制御電流をスライドコイル21に通電して光スポッ
ト5の焦点制御を行って、図26に示すような記録トラ
ック53の記録再生が行える。
【0054】また、光スポット走査制御装置は、半導体
レーザを光源とする熱転写プリンタ装置にも適用するこ
とができる。図27は、本発明の装置を光スポット走査
制御装置として熱転写プリンタ装置に適用した場合の断
面図である。図において、60はプリンタ用紙、70は
リール71,72に巻かれたインクシートである。プリ
ンタ用紙60及びインクシート70は、所定の速度で矢
印FW方向に搬送される。インクシート70上に光スポ
ット5を結像すると、インクシート70が加熱されてイ
ンクが溶融しプリンタ用紙60に転写される。従って、
上述の各実施の形態と同様に、光スポット5を回転走査
しつつ、画像データに応じて光スポットを変調すること
によって、プリンタ用紙60上に画像等を印画すること
ができる。
【0055】実施の形態6.実施の形態4において、詳
細には説明しなかったが、実は、図19,図24におい
て、ヨーク17により底面部20を経由する磁路が形成
され、一方、光カード1側、つまり、図の上側には磁路
が形成されない。このことにより、実は、図10に示す
力からはシフトした図28に示される関係となり、下方
向(光カード1の配置されているのと反対方向)の作用
力が働き、ターンテーブル6中立位置が下方向にずれて
しまう。この下方向への作用力は、焦点制御を行う際の
外乱となる。スライド・マグネット16に下方向の作用
力が働く原因は、ヨーク17の上側は解放されており、
一方、下側は底面部20による磁路が形成されて、スラ
イド・マグネット16の表面の磁束密度分布が中立点を
中心として対称にならないことによる。
【0056】図29は、本実施の形態における改良され
た光スポット走査制御装置の断面である。また、図30
は、そのヨーク17bの斜視図、図31は、ヨーク17
bの平面図である。その他の同一符号の要素は、先の実
施の形態における対応する要素と同じである。図30,
31において、80はヨーク17bの外輪部19の底面
部側に均等間隔に、かつ、軸受37の軸線にほぼ直交す
るように設けられた磁束制限孔である。図32に示すよ
うに、磁束制限孔80は、ターンテーブル6が中立点に
ある場合に、スライド・マグネット16の下端部側と磁
束制限孔80の一部が対向するように設けられている。
また、スライド・マグネット16の下端面から磁束制限
孔の下端面までの距離aは、ターンテーブル6の変位量
δよりも大きくなるように設定されている。
【0057】次に、動作について説明するが、スライド
移動方向の磁束分布以外は実施の形態4と同じであり、
基本的には先の各実施の形態における動作と同様にな
る。即ち、図29において、ヨーク17bに磁束制限孔
80を設けているので、スライド・マグネット16の磁
気勾配(表面磁束密度分布)を等価的に上下方向で対称
にできる。こうして、スライド・マグネット16には、
図28のような不要な力が作用しないので、ステータコ
ア12とロータ・マグネット10間に作用する図33に
示す線形の復元力によって、ロータ・マグネット10
は、ほぼコア先端部14と対向する位置で安定する。よ
って、アマチュアコイル15に所望の電流を通電するこ
とでロータ・マグネット10との電磁作用により矢印R
方向の力が発生し、ターンテーブル6を矢印R方向に回
転させる。従って、光スポット5による光カード1への
走査が行える。また、スライドコイル21に通電して、
スライド・マグネット16との電磁作用によって矢印F
方向の力が発生し、ターンテーブル6を矢印F方向に変
位させて焦点ずれに応じた制御電流をスライドコイル2
1に通電して、光スポット5の焦点制御が行える。
【0058】以上のように、ヨーク17bに磁束制限孔
80を設けているので、スライド・マグネット16とヨ
ーク17bによって形成されるスライド磁気回路によっ
て生じる下方向(光カード1の配置されているのと反対
方向)への作用力が低減され、焦点制御の外乱となるこ
とはなく、良好な焦点制御を行うことができる。
【0059】上記実施の形態で、スライド・マグネット
16の下端部と磁束制限孔80が中立点で対向するよう
に設けているのは、磁束制限孔80の効果を有効に利用
するためである。設けている磁束制限孔80の数、大き
さ、形状によって効果は異なる。例えば、スライド・マ
グネット16の外径が12mm、高さが3mmで、磁束
制限孔80の幅を1.5mm、高さ1.8mmの長円状
の孔を12個設けた場合には、図32に示す対向部の長
さbは、0.8mmであった。孔の数を増やすと対向部
長さbは小さくなるが、ヨーク17bの磁束飽和等が生
じて駆動力が低下する恐れがあり、上述したように対向
部を設け、磁束制限孔80の数を少なくした方がよい。
【0060】また、磁束制限手段としての磁束制限孔8
0を均等間隔で設けているのは、磁束制限孔80によっ
てスライド・マグネット16に不平衡磁気吸引力が作用
し、これによって軸受37と支軸40間に不要な力が作
用し、ターンテーブル6上下方向の動作に影響を与えな
いようにするためである。この点から、磁束制限孔80
は、軸受37の軸心を中心として点対称に設けられてい
るのが望ましい。なお、磁束密度分布を対称にするため
に、図40に示すように、ヨーク17のロータ・マグネ
ット10の上下の寸法HlとHhをロータ・マグネット
10の高さHrに対して十分確保する方法が考えられる
が、この場合、光スポット走査制御装置が厚くなってし
まう。
【0061】実施の形態7.実施の形態6では、磁束制
限手段として磁束制限孔80を設けたが、次に、切り欠
きを用いた場合の実施の形態を示す。図34は、切り欠
きを設けたヨーク17cの斜視図、図35は、ヨーク1
7cの平面図、図36は、ヨーク17cの要部断面図で
ある。これらの図において、実施の形態6と同一もしく
は相当要素については同一符号で示して、その説明を省
略する。図において、81は磁束制限切り欠きで、ヨー
ク17cの外輪部19の外周面の底面部側に均等間隔に
設けられている。図36に示すように、磁束制限切り欠
き81は、ターンテーブル6が中立点にある場合に、ス
ライド・マグネット16の下端部側と磁束制限切り欠き
81の一部が対向するように設けられている。また、ヨ
ーク17cを焼結やメタルインジェクションモールド等
の成型手段によって製作し易いように、磁束制限切り欠
き81をヨーク17cの底面部20まで達するようにし
ている。
【0062】ヨーク17cに磁束制限切り欠き81を設
けているので、実施の形態6の装置と同様に、スライド
・マグネット16の磁気勾配(表面磁束密度分布)を等
価的に上下方向で対称にすることができ、スライド・マ
グネット16には、不要な力が作用しないので、良好な
焦点制御を行うことができる。本実施の形態では、外輪
部19の外周面に設けた磁束制限切り欠き81を磁束制
限手段としているので、磁束制限手段として孔を用いた
場合に比べ、ヨーク17cを成型等の手段で製作が容易
になる効果がある。
【0063】磁束制限孔80、磁束制限切り欠き81等
の磁束制限手段を設けることによって、スライド・マグ
ネット16が上下方向にスライド移動しても、マグネッ
トの軸方向中点に戻るリニアな復元力が作用する。な
お、磁束制限手段の設定にもよるが、これらの磁束制限
手段が復元力に及ぼす影響は、ロータ・マグネット10
とステータコア12によって生じる復元力に比べて微小
である。しかし、磁束制限手段が復元力に及ぼす影響が
問題となる場合には、図37に示すように、磁束制限切
り欠き82に、外輪部19の外周面83と連続的に接続
するテーパ部84を設けることによって、スライド・マ
グネット16の変位による磁気勾配の変化を小さくする
ことができ、磁束制限切り欠き82による影響を低減で
きる。
【0064】更に、ヨーク17b,17cに磁束制限手
段を設けることによって焦点制御性を改善するようにし
たが、スライド・マグネット16とヨーク17のラジア
ル方向の位置関係を最適化することによっても同様の効
果が得られる。図38は、その場合の要部断面図であ
る。図において、スライド・マグネット16とヨーク1
7の内輪部18までの距離cと外輪部19までの距離d
をほぼ同じ(c≒d)にする。このように、cとdをほ
ぼ同じ値に設定することで、スライド・マグネット16
の内外周面のスライド・マグネット16の変位による磁
気勾配の変化が緩和される。例えば、スライド・マグネ
ット16の外径が12mm、高さが3mmの場合で、
(1)c=0.9mm、d=0.3mmの時と(2)c
=0.6mm、d=0.6mmの時では、スライド・マ
グネット16への作用力が(2)の方が(1)の場合の
約1/2になる。また、図39に示すように、ヨークに
磁束制限手段(磁束制限切り欠き81)を設けた場合に
は、d≦cと設定するのが効果的である。以上のよう
に、スライド・マグネット16の内外周の空隙をほぼ同
じにすることによって、スライド・マグネット16、ひ
いては、回転駆動用のロータ・マグネット10、ターン
テーブル6への不必要な作用力を低減できる。
【0065】
【発明の効果】以上のように、この構成によれば、ター
ンテーブルの中心部よりくる光を周辺部から光スポット
として出射する光学部材と、多極リング状のロータ・マ
グネットと、対向リング状設置のステータコイルと、こ
の回転磁界とは独立のラジアル磁界用のスライド・マグ
ネットと、対向設置のスライドコイルを備えたので、互
いの磁界は相互には影響がなく、ロータ・マグネットの
軸方向中点に復元力が線形に作用し、軸方向のスライド
が中点を中心にスムースに制御を行える効果がある。
【0066】また更に、各マグネットは、軸方向に離れ
て並列設置し、また、各外径を略等しくしたので、互い
の磁界は全く独立となり、漏れ磁束の影響がなくなっ
て、良好な光スポットの制御が得られる効果がある。
【0067】また更に、ロータ・マグネットとスライド
・マグネットで光学部材を挟み込むようにし、装置を薄
型化できる効果がある。
【0068】また更に、スライド・マグネットとロータ
・マグネットを軸方向は同じで同心状に設置したので、
薄型の構造とできる効果がある。
【0069】また更に、ロータ・マグネットの内側にス
ライド・マグネットを設置したので、装置を小型化でき
る効果がある。
【0070】また、スライド方向の復元力を得るロータ
またはステータの構造もシンプルにでき、製造が容易に
なる効果もある。
【0071】また更に、円筒状の外輪部と、内輪部と、
両者を接続する底面部から形成されるヨークを設け、ロ
ータ・マグネット及びスライド・マグネットの各々の磁
極面と対向する構造としたので、内輪部もしくは外輪部
がロータ・マグネットのバックヨークとしても作用し、
トルクを向上させる効果がある。
【0072】また更に、磁路を形成するヨークには、種
々の形式の磁路制御手段を設けたので、小型、薄型の部
品による簡易な構成で、より良好な光スポット制御が行
える効果がある。
【0073】また更に、ロータ・マグネットとステータ
の位置関係を軸線方向で限定したので、光スポットの制
御に伴ってスライド移動しても、安定な回転トルクが得
られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における光スポット
走査制御装置の断面図である。
【図2】 実施の形態1におけるロータ・マグネットの
平面図である。
【図3】 実施の形態1におけるティース部を示す部分
平面図である。
【図4】 実施の形態1におけるの回転系の磁気回路部
を示す平面図である。
【図5】 実施の形態1におけるスライド・マグネット
の平面図である。
【図6】 実施の形態1におけるヨークの斜視図であ
る。
【図7】 実施の形態1におけるスライドコイルの斜視
図である。
【図8】 実施の形態1における回転系の磁気回路部の
部分断面図である。
【図9】 実施の形態1における光スポットの走査状態
及びトラック形状を示す図である。
【図10】 この発明におけるターンテーブルの中立点
への復元力を説明する図である。
【図11】 実施の形態1におけるロータ・マグネット
の軸線方向の着磁例を示す図である。
【図12】 実施の形態1におけるステータコア高さと
ロータ・マグネット高さの関係例を示す部分断面図であ
る。
【図13】 実施の形態1におけるステータコアのコア
先端部形状例を示す部分断面図である。
【図14】 実施の形態1の構成による効果の例を説明
する断面図である。
【図15】 この発明の実施の形態2における光スポッ
ト走査制御装置の構成を示す装置断面図である。
【図16】 実施の形態2における駆動マグネットを示
す斜視図である。
【図17】 実施の形態2における他の駆動マグネット
を示す斜視図である。
【図18】 この発明の実施の形態3における光スポッ
ト走査制御装置の構成を示す装置断面図である。
【図19】 この発明の実施の形態4における光スポッ
ト走査制御装置の構成を示す装置断面図である。
【図20】 実施の形態4における回転系の磁気回路部
を示す平面図である。
【図21】 実施の形態4におけるスライド移動用磁気
回路部を示す平面図である。
【図22】 実施の形態4におけるスライド移動用磁気
回路部を示す断面図である。
【図23】 実施の形態4における回転系の磁気回路部
の部分断面図である。
【図24】 実施の形態4における他の回転系の磁気回
路部の部分断面図である。
【図25】 この発明の実施の形態5における装置断面
図である。
【図26】 実施の形態5における光スポットの走査状
態及びトラック形状を示す図である。
【図27】 実施の形態5における他の装置の断面図で
ある。
【図28】 実施の形態6で比較のため引用されたスラ
イド・マグネット位置と作用力の関係を示す図である。
【図29】 この発明の実施の形態6における光スポッ
ト走査制御装置の構成を示す装置断面図である。
【図30】 実施の形態6におけるヨークの斜視図であ
る。
【図31】 実施の形態6におけるヨークの平面図であ
る。
【図32】 実施の形態6におけるスライド移動用磁気
回路部の部分断面図である。
【図33】 実施の形態6における復元力を説明する図
である。
【図34】 この発明の実施の形態7におけるヨークの
斜視図である。
【図35】 実施の形態7におけるヨークの平面図であ
る。
【図36】 実施の形態7におけるスライド移動用磁気
回路部の部分断面図である。
【図37】 実施の形態7における他のスライド移動用
磁気回路部の部分断面図である。
【図38】 実施の形態7における他のスライド移動用
磁気回路部の部分断面図である。
【図39】 実施の形態7における他のスライド移動用
磁気回路部の部分断面図である。
【図40】 実施の形態6で比較のため引用されたスラ
イド用ヨークの断面図である。
【図41】 従来の光スポット走査制御装置の装置断面
図である。
【図42】 従来の光スポット走査制御装置の保持板の
平面図である。
【図43】 従来の光スポット走査制御装置の多極磁石
部の平面図である。
【図44】 従来の光スポット走査制御装置のコイル群
の平面図である。
【図45】 従来の光スポット走査制御装置の対物レン
ズとレーザ光の関係を示す平面図である。
【図46】 従来の光スポット走査制御装置の光テープ
状に形成された記録トラックを示す図である。
【符号の説明】
1 光カード、2 光ビーム、3 反射ミラー、4 光
学部材、5 光スポット、6 ターンテーブル、7,3
3,34,40 支軸、8,35,41 孔、9 マグ
ネット保持部、10 ロータ・マグネット、11 磁極
面、12 ステータコア、13 ティース、14 コア
先端部、15 アマチュアコイル、16スライド・マグ
ネット、17,17b,17c ヨーク、18 内輪
部、19外輪部、20 底面部、21 スライドコイ
ル、22,28,37 軸受、23,42 基台、24
駆動マグネット、25 ロータ・マグネット部、26
スライド・マグネット部、27 ニュートラル部、29
切り欠き部、30,38 ロータ・マグネット保持
部、31,39 スライド・マグネット保持部、32
ステータホルダ、36 空間、50 光テープ、51,
52,71,72リール、60 プリンタ用紙、70
インクシート、80 磁束制限孔、81,82 磁束制
限切り欠き、83 外周面、84 テーパ部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野田 篤夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 竹田 岳 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−215388(JP,A) 特開 平3−93043(JP,A) 特開 平4−114325(JP,A) 特開 昭63−191325(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/09 - 7/22

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線を中心に回転するターンテーブルの
    中心部からの光を所定の周辺位置から光スポットとして
    出射する光学部材と、 上記ターンテーブルに装着される周側面に多極の磁極を
    持つリング状のロータ・マグネットと、 上記ロータ・マグネットの上記周側多磁極と対向設置さ
    れ、上記ターンテーブルを回転駆動するステータコアと
    ステータコイルと、 上記ロータ・マグネットと略同一軸線中心を持ち、かつ
    上記ロータ・マグネットが形成する回転磁界とは独立の
    ラジアル磁界を形成して、上記ターンテーブルに装着さ
    れるリング状のスライド・マグネットと、 上記スライド・マグネットと周方向で対向設置され、上
    記ターンテーブルを軸方向にスライド駆動するヨークと
    スライドコイルとを備えた光スポット走査制御装置。
  2. 【請求項2】 回転駆動用のロータ・マグネットと、軸
    方向駆動用のスライド・マグネットとを軸方向で離れた
    位置に設けたことを特徴とする請求項1記載の光スポッ
    ト走査制御装置。
  3. 【請求項3】 スライド・マグネット外径と、ロータ・
    マグネット外径とを軸中心から概略同じ半径としたこと
    を特徴とする請求項2記載の光スポット走査制御装置。
  4. 【請求項4】 軸方向でロータ・マグネットとスライド
    ・マグネットとの間に光学部材を配置したことを特徴と
    する請求項2記載の光スポット走査制御装置。
  5. 【請求項5】 スライド・マグネットとロータ・マグネ
    ットとを軸方向に概略同一点に、かつ半径方向に径を違
    えて同心状に設けたことを特徴とする請求項1記載の光
    スポット走査制御装置。
  6. 【請求項6】 スライド・マグネットをロータ・マグネ
    ットの内側に設けたことを特徴とする請求項5記載の光
    スポット走査制御装置。
  7. 【請求項7】 スライド・マグネットとロータ・マグネ
    ットの中間に、同心状のヨークを設けてラジアル磁界を
    形成したことを特徴とする請求項5記載の光スポット走
    査制御装置。
  8. 【請求項8】 回転駆動用のロータ・マグネットは、軸
    方向の中心で磁力が最大となるよう着磁したことを特徴
    とする請求項1記載の光スポット走査制御装置。
  9. 【請求項9】 回転駆動用のステータコアとステータコ
    イルは、軸方向の中心で磁力が最大となるコア形状とし
    たことを特徴とする請求項1記載の光スポット走査制御
    装置。
  10. 【請求項10】 スライドコイル側からロータ・マグネ
    ット側に(円筒状に)伸び、かつ軸方向に上記ロータ・
    マグネットの軸方向幅以上の磁路を形成するヨークを設
    けたことを特徴とする請求項1記載の光スポット走査制
    御装置。
  11. 【請求項11】 磁路を形成するヨークには、磁束を制
    限する磁路制限手段を設けたことを特徴とする請求項1
    0記載の光スポット走査制御装置。
  12. 【請求項12】 磁路制限手段は、孔または切り欠きで
    あることを特徴とする請求項11記載の光スポット走査
    制御装置。
  13. 【請求項13】 磁路制限手段は、周回方向には概略周
    期的に該磁路制限手段を配置したことを特徴とする請求
    項11記載の光スポット走査制御装置。
  14. 【請求項14】 磁路制限手段は、磁路形成部分とはテ
    ーパ形状で接続する構造としたことを特徴とする請求項
    11記載の光スポット走査制御装置。
  15. 【請求項15】 スライドコイル側からスライド・マグ
    ネットを空隙中間位置に挟むように、かつ軸方向に上記
    スライド・マグネットの軸方向幅以上の磁路を形成する
    スライド用ヨークを設けたことを特徴とする請求項1記
    載の光スポット走査制御装置。
  16. 【請求項16】 ロータ・マグネットがスライド移動す
    る軸方向最大範囲にステータコイルからのステータコア
    幅を設定するか、またはロータ・マグネットがスライド
    移動する軸方向最大範囲内に上記ステータコアを含むよ
    うにロータ・マグネット幅を設定したことを特徴とする
    請求項1記載の光スポット走査制御装置。
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