JPH0644141Y2 - 基板接続装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、基板接続装置に関し、特にプリント回路基板
の半田被覆された導電パターンを的確にシャーシに接続
できるようにするための装置に関する。

［従来の技術］ 一般に、プリント回路基板はシャーシに取り付けられて
電子機器内に実装されるが、プリント回路基板に搭載さ
れた電子回路に対するノイズ対策等のため、プリント回
路基板のアースパターンを電気的にシャーシに接続する
ことが多い。

第４図は、プリント回路基板のアース導電パターンをシ
ャーシに確実に接続するために従来から行なわれている
第１の方法を示す。即ち、従来は、プリント回路基板１
とシャーシの基板固定部３との間に歯付座金５を介挿
し、取り付けネジ（ビス）７によって基板１を基板固定
部３にネジ止めするものである。この方法によれば、取
り付けネジ７を締め付けることによって歯付座金５の歯
がプリント回路基板１のアースパターンの半田被覆ある
いは半田盛りされた部分即ち半田面９に食い込みアース
パターンを基板固定部３に確実に電気的に接続すること
ができる。

また、従来第２の方法として、第５図に示すように、基
板11の部品取り付け側即ち導電パターン側と反対側の面
から折り曲げ部13を有するアース端子15をプリント回路
基板11のアースパターン17を含む部分に設けられた開口
19を通して挿入し、アース端子15の折り曲げ部13をアー
スパターン17と半田付けするとともに、取り付けネジ７
によってアース端子15の止め孔21およびプリント回路基
板11の取り付け孔23を通りシャーシの基板固定部３のネ
ジ孔25にネジ止めする。これにより、基板11のアースパ
ターン17は、該パターン17に半田接続されたアース端子
15から取り付けネジ７を介してシャーシの基板固定部３
に電気的に接続される。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、上述の第１の方法にあっては、プリント回路
基板１をシャーシに取り付ける際に、歯付座金５を介し
てネジ止めする必要があるため、作業性が悪くかつ余分
の部品を必要とするという不都合があった。

また、上述の第２の方法にあっては、アース端子15を基
板11に取り付けかつ半田付けした後基板11をネジ止めす
る必要があるため、やはり作業性が極めて悪くかつアー
ス端子を必要とするという不都合があった。

本考案の目的は、前述の従来例の装置における問題点に
鑑み、基板接続装置において、余分の部品を必要とする
ことなくかつ作業性を低下させることなくプリント回路
基板の半田被覆された導電パターンを的確にシャーシに
接続できるようにすることにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案に係わる基板接続装置は、プリント回路基板の半
田被覆された導電パターンを電気的にシャーシに接続す
るものであって、前記シャーシの基板固定部のネジ孔の
周囲の少なくとも前記基板の半田被覆面に対応する部分
に複数の溝を形成することにより構成される。

［作用］ このような構成により、プリント回路基板を止めネジ等
によってシャーシの基板固定部に押圧固定した時、前記
基板の半田被覆面の半田が前記シャーシの基板固定部の
溝に入り込み半田被覆部分と基板固定部とが電気的に強
固に接続される。この方法によれば、基板の半田被覆面
をシャーシに接続するために特別の部品を必要とせず、
かつプリント回路基板をシャーシの基板固定部にネジ止
めする通常の基板取り付け作業のみによって接続が行な
われ作業性の低下は生じない。

［実施例］ 以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。第１
図は、本考案の１実施例に係わる基板接続装置を含むプ
リント回路基板およびその取り付けをシャーシ等を示
す。同図に示されるように、プリント回路基板27は、そ
の４隅で取り付けネジ29によってシャーシ31にネジ止め
されるが、シャーシ31の基板固定部33、プリント回路基
板27の半田盛りされた導電パターン35に対向する部分に
は複数の溝37が設けられている。このため、基板27を取
り付けネジ29によって基板固定部33に固定した場合に、
導電パターンの半田盛り部分35の半田が溝37に入り込み
半田盛り部分35と基板固定部33との間の電気的接続が確
実に行なわれる。

第２図は、第１図に示された基板接続装置の詳細を示
す。即ち、プリント回路基板27の取り付け孔39の回りの
基板固定部33に対向する面（導電パターン面）に半田盛
りあるいは半田被覆された部分35が設けられている。こ
の半田被覆部35はプリント回路基板27の図示しない例え
ばアースパターンに半田被覆することによって形成され
る。また、シャーシ側の基板固定部33のネジ孔41の回り
には前記プリント回路基板27の半田被覆部35に対向して
複数の溝37が形成されている。これによって、止めネジ
29によってプリント回路基板27を基板固定部33にネジ止
めした時、半田被覆部35の半田が溝37に食い込み両者間
で確実に電気的接続が行なわれる。

第３図（ａ）および第３図（ｂ）は、それぞれ基板固定
部33に設けられる溝37の形状例を示す。このように、溝
37の形状は任意のものでよく、また溝の代りに突起を設
けることも可能である。さらに、溝37は、ネジ孔41の回
りに直線状に設ける他、例えば放射状あるいは同心円状
その他任意の形状に配置することができる。さらに、プ
リント回路基板27の半田被覆部35の形状も任意のもので
よいことは明らかである。

［考案の効果］ 以上のように、本考案によれば、極めて簡単な構成によ
り、余分の部品を必要とすることなくプリント回路基板
上の導電パターンとシャーシとを確実に接続することが
できる。また、両者の接続のために余分の作業を必要と
せず、通常の基板取り付け作業のみで基板の導電パター
ンとシャーシとを的確に接続することができる。すなわ
ち、基板の導電パターンの接地等のために作業性が低下
することがなくなる。このため、プリント回路基板およ
びシャーシの間の接続を必要とする電子機器の生産性を
向上させコストを低下させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の１実施例に係わる基板接続装置の概
略の構成を示す斜視図、 第２図は、本考案に係わる基板接続装置の詳細な構造を
示す部分的斜視図、 第３図（ａ）および第３図（ｂ）は、それぞれ、シャー
シの基板固定部に設けられる溝の形状例を示す部分的断
面図、そして 第４図および第５図は、それぞれ従来の基板接続装置を
示す部分的斜視図である。 27:プリント回路基板、 29:取り付けネジ、 31:シャーシ、33:基板固定部、 35:半田被覆部、37:溝、 39:取り付け孔、41:ネジ孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プリント回路基板の取付け孔の周囲の半田
   被覆された導電パターンをシャーシに接続するための基
   板接続装置であって、 前記プリント回路基板の前記取付け孔に挿通して前記シ
   ャーシのネジ孔に螺合するネジを含み前記プリント回路
   基板を前記シャーシに押圧固定する手段と、前記シャー
   シの基板固定部の前記ネジ孔の周囲に形成され前記プリ
   ント回路基板と前記シャーシをネジ締めにより押圧固定
   する際に前記半田被覆部の半田面に食い込み電気的に接
   続する溝部とを具備することを特徴とする基板接続装
   置。