JPH06440A - 複数色塗装方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】複数色の塗料を被塗装物に塗装する場合におい
て、色と色（異なる色）の境界が人工的な仕上がりにな
らず、自然な感じのするように仕上げることを可能なよ
うにした複数色塗装方法を提供することにある。 【構成】複数の供給塗料の１つを選択、或いは選択混合
して塗装ガンに供給し、この塗装ガンから被塗装物に吹
き付けられる塗料に、空気ノズルからの空気を当て、被
塗装物に対する塗料の当たり状態を制御するようにした
構成である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば瓦等の屋根材に
複数色の塗装を施すのに使用できる複数色塗装方法に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、複数の塗料を被塗装物に塗布する
場合の一例としては、図６に示すような塗装装置１（実
開平３ー75862 号公報参照) を用いて行われている。す
なわち、この装置１は、塗料を吹き付けるための塗料ガ
ン２と、各色の塗料を塗料ガン２側へ供給するポンプ３
および複数の塗料の吹き付け時間を制御する制御装置４
等からなる。そして制御装置４によって塗料の吹き付け
時間を制御しながら、往復運動をする塗装ガン２から所
定の色の塗料を吹き付けて被塗装物Ａに複数の色の塗装
を施していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ような装置による塗装の方法では、被塗装物に塗装した
色と色（異なる色）との境界部分は、明確に区別できる
ように塗装されてしまうため、何か人工的で、自然感の
あるような仕上がりにすることは困難であった。

【０００４】本発明は上記のような点に鑑みて開発され
たものであり、その目的とする処は、複数色の塗料を被
塗装物に塗装する場合において、色と色（異なる色）の
境界が人工的な仕上がりにならず、自然な感じのするよ
うに仕上げることを可能なようにした複数色塗装方法を
提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記目
的を有効に達するために、次のような構成にしてある。
すなわち、複数の供給される塗料の１つを選択、或いは
選択混合して塗装ガンに送り、この塗装ガンから被塗装
物に吹き付けられる塗料に、空気ノズルからの空気を当
て、被塗装物に対する塗料の当たり状態を制御するよう
にした構成である。

【０００６】

【作用】上記のような構成の複数色塗装方法により、複
数色に塗装される被塗装物の色と色との境界部分は、塗
装ガンからの塗料に空気ノズルからの空気を当てて、塗
料の当たり状態を制御することによって、自然な境界部
分に仕上げることができる。また、１色、または多色を
混合した塗料を選択的に塗装ガンからの吹き付けし、こ
の塗料に空気ノズルからの空気を当てて、塗料の当たり
状態を制御することによって、被塗装物に対し複雑な色
の変化を付けた塗装を施すことができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の複数色塗装方法の一実施例を
図１および図６に基づいて説明する。尚、使用される塗
装装置の基本的な構成部分については、前記従来の装置
（実開平３ー75862 号公報参照) と同一であるので、そ
れらの部分の詳細な説明は省略する。また、符号は共通
する部分については同一符号とする。

【０００８】図示の実施例では被塗装物Ａとして瓦ａが
使用され、この瓦ａに複数の色の塗料を吹き付けて塗装
を行う。すなわち、往復運動する塗装ガン２の下方で噴
射された塗料の周辺に、空気を噴射するための空気ノズ
ル５が複数配設されている。また、この下方には瓦ａが
例えばコンベア等で水平方向Ｘ（図２参照，塗装ガン２
の往復運動方向Ｙと直交する方向）に移動可能なように
設けてある。この水平移動（矢印Ｘ方向）する瓦ａに対
し直交方向からその瓦ａの上方を塗装ガン２が矢印Ｙ方
向に往復運動して、瓦ａに複数色（瓦ａに所定の幅の各
々色）の塗装を施す。

【０００９】そして、複数の供給される塗料の１つを選
択、或いは混合選択して塗装ガン２に送り、この塗装ガ
ン２から被塗装物Ａに吹き付けられる塗料に、複数配設
した空気ノズル５（図１参照）から風速および風量を制
御してある空気を当て、被塗装物Ａに対する塗料の吹き
付け幅を制御し、そのことにより、色と色（異なる色）
との境界部分も複雑に色が絡まって曖昧で、自然に富ん
だ仕上がりにすることができる。

【００１０】また、各空気ノズル５からの空気の風速お
よび風量を制御するだけでなく、空気を噴射する空気ノ
ズル５を任意に選択したりすることにより、被塗装物Ａ
に対して、従来では施すことのできなかった複雑で変化
に富んだ色彩の塗装を施すことができる。

【００１１】尚、本発明は図示の実施例に限定されるこ
となく、空気ノズル５の設置数、設置方向等を自由に変
更してよい。また、被塗装物Ａが所定箇所で静止して、
塗装ガン２や空気ノズル５が移動するようにしてもよ
い。

【００１２】図２は、本発明の他の実施例を示す簡略説
明図であり、図２に示す塗装ガン２においては、塗装ガ
ン２の側方に空気ノズル５が設けられている。尚、２１
は空気導入管、２２は塗料導入管であり、空気導入管２
１からの空気圧により塗料導入管２２からの塗料を塗装
ガン２から噴出させるようになっている。このように塗
装ガン２の側方に空気ノズル５が設けることにより図１
に示した実施例のように空気ノズルを複数配設する必要
もなくなり、装置が簡単である。

【００１３】図３は、本発明の更に他の実施例を示す簡
略説明図であり、図３に示す塗装ガン２においては、図
４に拡大して示すように、塗装ガン２の塗料噴出ノズル
２３に空気ノズル５が設けられている。又、空気導入管
２１から分岐してレギュレーター２１１を介して空気導
入路２１２が塗装ガン２の内部に設けられ、空気導入路
２１２は塗料噴出ノズル２３に開口する空気ノズル５に
連通され、空気導入管２１からの空気が一部は塗料噴出
に使用され、他の一部は空気ノズル５から噴出されるよ
うになっている。レギュレーター２１１により塗料噴出
に使用される空気圧と空気ノズル５から噴出する空気圧
とのバランスが調整されるようになっている。

【００１４】図５は、被塗装物として瓦ａにＡ色、Ｂ
色、Ｃ色、Ｄ色の４色塗装を施す態様を模式的に示す斜
視図であり、瓦ａをコンベア等によりＸ方向に移動させ
ながら、塗装ガンをＹ方向に移動させて、瓦ａの表面を
点線で区分けして示すようにＡ色、Ｂ色、Ｃ色、Ｄ色の
４色に塗装を行った。空気ノズル５からの空気流の風速
を０．５ｍ／秒とし、この空気流の塗料に当てる時間を
０．２〜０．３秒とした。尚、図６において、Ａ＋Ｂの
領域は、Ａ色とＢ色の２色混合塗装領域であり、Ｂ＋Ｃ
の領域は、Ｂ色とＣ色の２色混合塗装領域であり、Ｃ＋
Ｄの領域はＣ色とＤ色の２色混合塗装領域である。

【発明の効果】このように本発明の複数色塗装方法によ
れば、塗装ガンから吹き出された塗料を、空気ノズルか
らの空気の制御によって、色の吹き付け幅に変化をもた
らすことができると共に、２次元的な複雑な色の変化を
つけることができる。また、隣接する色同士の境目をぼ
かすことができ、自然感のある仕上げにすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の簡略説明図。

【図２】本発明の他の一実施例の簡略説明図。

【図３】本発明の更に他の一実施例の簡略説明図、

【図４】図３において、IV−IV線における要部拡大底面
図。

【図５】本発明方法による塗装の一態様を示す説明図。

【図６】従来の塗装方法の一例を示す説明図。

【符号の説明】

Ａ・・・被塗装物（瓦） ２・・・塗装ガン ５・・・空気ノズル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の供給される塗料の１つを選択、或
   いは選択混合して塗装ガンに送り、この塗装ガンから被
   塗装物に吹き付けられる塗料に、空気ノズルからの空気
   を当て、被塗装物に対する塗料の当たり状態を制御する
   ようにしたことを特徴とする複数色塗装方法。