JPH08291607A - 建築物用壁装材及び建築物の吹き付け塗装方法 - Google Patents

建築物用壁装材及び建築物の吹き付け塗装方法

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JPH08291607A
JPH08291607A JP7098715A JP9871595A JPH08291607A JP H08291607 A JPH08291607 A JP H08291607A JP 7098715 A JP7098715 A JP 7098715A JP 9871595 A JP9871595 A JP 9871595A JP H08291607 A JPH08291607 A JP H08291607A
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Kiyomi Hamanaka
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗装した建築物を遠方から見た場合でも、そ
の表面に施された模様(凸模様)の変化を明瞭に識別さ
せるようにする。 【構成】 上面が平面形状に成形された凸模様部分22
と、凹部23とからなる吹き付け面18と、凹部23の
表面上に形成された膜厚700μmのアンダーコート
(第1のコーティング層)19と、少なくとも凸模様部
分22の上面に形成され、アンダーコート(第1のコー
ティング層)19よりも薄い膜厚100μmのトップコ
ート(第2のコーティング層)21とにより構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物用壁装材及び建
築物の吹き付け塗装方法に関する。さらに詳細には、遠
方から見た場合でも、その表面に施された模様(凸模
様)の変化を明瞭に識別させることのできる建築物用壁
装材及び建築物の吹き付け塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の壁面等の表面は、美観や本体保
護上等の観点から、天然石や金属の薄い板を張り付けた
り、疑似天然石模様を付けたり、吹き付け塗装を行う等
によって施工されている。ここで、「建築物」には、構
築された物だけでなく、ブロック、パネル、ボード等の
建築物に使用する建材も含まれる。
【0003】従来、建築物の壁面等の表面に模様等を付
する方法としては、例えば、リシン系(骨材が含まれる
配合)及び塗料系の材料をコテ塗り法、ローラー塗装
法、吹き付け塗装法等によって塗布する方法がある。コ
テ塗り法は、コテを用いて材料を建築物の表面に移して
延ばす方法である。ローラー塗装法は、ローラーやコテ
を用いて材料を建築物の表面に移し、ローラーによって
延ばす方法である。これらは手作業によって行われるた
め、大きな模様を付することはできるが、厚塗りや大面
積の塗装には適していない。一方、吹き付け塗装法は、
圧縮空気の力を利用し、スプレーガン等から吹き付け材
を噴出させることによって塗装する方法である。この場
合、吹き付け材として、合成樹脂エマルジョン、無機質
の固体からなる主骨材、セメント、水、粒状発泡体等を
含む材料を用いれば、厚塗りが可能になると共に、再現
性に乏しい(すなわち、独創性あるいは斬新性を有す
る)大きな模様を付することも可能になる。
【0004】以下、従来の吹き付け塗装法について、図
5を参照しながら説明する。まず、スプレーガン等を用
いて、吹き付け材17を壁面16に吹き付け、3日間乾
燥させる。これにより、厚さ数mm〜30mmの吹き付
け面18が得られる(図5(a))。次いで、プレート
サンダーを用いて、吹き付け面18を厚さ15mmまで
研磨し、平面形状に成形する(図5(b))。平面形状
部分20の相当径は、その大部分が20mm〜110m
m程度である。次いで、アクリル系塗料を用いて、吹き
付け面18の全体に500μmの膜厚でアンダーコート
19を施す(図5(c))。次いで、アクリル−シリコ
ン系塗料を用いて、アンダーコート19の上に100μ
mの膜厚で程度のトップコート21を施す(図5
(d))。以上の工程により、壁面16に、凸模様部分
22と凹部23とが形成され、吹き付け塗装が完了す
る。尚、ここで、アンダーコート19等を施しているの
は、耐久性に優れた模様を形成するためであり、必要不
可欠な工程である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の吹
き付け塗装法においては、吹き付け材17の吹き付け面
18を平面形状に成形した後に、アンダーコート19を
施しているので、平面形状部分20のエッジが丸みを帯
びてしまう(図5(c)、(d)参照)。このため、塗
装した建築物を遠方から見た場合に、平面形状部分20
と凹部23との境目、すなわち凸模様部分22の輪郭が
ぼやけてしまい、せっかく付した斬新で大きな模様の変
化を明瞭に識別させることができないといった問題点が
ある。
【0006】本発明は、従来技術における前記課題を解
決するため、塗装した建築物を遠方から見た場合でも、
その表面に施された模様の変化を明瞭に識別させること
のできる建築物用壁装材及び建築物の吹き付け塗装方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る建築物用壁装材の構成は、上面が平面
形状に成形された凸模様部分と、凹部とからなる吹き付
け面と、前記凹部の表面上に形成された第1のコーティ
ング層と、少なくとも前記凸模様部分の上面に形成さ
れ、前記第1のコーティング層よりも薄い第2のコーテ
ィング層とを備えたものである。
【0008】また、前記本発明の建築物用壁装材の構成
においては、凸模様部分が多数散在し、前記凸模様部分
の間に凹部が形成されているのが好ましい。また、前記
本発明の建築物用壁装材の構成においては、第1のコー
ティング層が膜厚500〜5000μmのアクリル系塗
料からなり、第2のコーティング層が膜厚50〜450
μmのアクリル−シリコン系塗料からなるのが好まし
い。
【0009】また、本発明に係る建築物の吹き付け塗装
方法は、合成樹脂エマルジョンと、無機質の固体からな
る主骨材と、セメント成分と、水と、粒状発泡材とから
なる吹き付け材を所定の割合に混合し、前記混合した吹
き付け材を圧縮空気によってノズルから噴射させて、建
築物の表面に凹凸状の吹き付け面を形成し、前記吹き付
け面に第1のコーティング層を塗布し、前記第1のコー
ティング層を塗布した吹き付け面の凸部分を研磨して平
面形状部分を形成し、少なくとも前記平面形状部分の表
面に前記第1のコーティング層よりも薄い第2のコーテ
ィング層を塗布するという構成を備えたものである。
【0010】また、前記本発明の建築物の吹き付け塗装
方法の構成においては、第1のコーティング層が膜厚5
00〜5000μmのアクリル系塗料からなり、第2の
コーティング層が膜厚50〜450μmのアクリル−シ
リコン系塗料からなるのが好ましい。
【0011】また、前記本発明の建築物の吹き付け塗装
方法の構成においては、圧縮空気の圧力が2〜10kg
/cm2 であるのが好ましい。また、前記本発明の建築
物の吹き付け塗装方法の構成においては、吹き付け材の
噴射量が3〜25kg/m2 であるのが好ましい。
【0012】また、前記本発明の建築物の吹き付け塗装
方法の構成においては、吹き付け材が、合成樹脂エマル
ジョン10〜65重量部と、無機質の固体からなる主骨
材30〜75重量部と、セメント成分1〜15重量部
と、水5〜30重量部とからなる主材と、前記主材10
0kg当たり5〜50リットルの粒状発泡材とを含むの
が好ましい。また、この場合には、粒状発泡材が、主材
100kg当たり軽量骨材0〜50リットルと、粒状発
泡プラスチック0〜50リットルとからなるのが好まし
い。この場合には、さらに、合成樹脂エマルジョンがア
クリル樹脂エマルジョンであり、軽量骨材がシラスバル
ーンを含むのが好ましい。また、この場合には、吹き付
け材が、主材100重量部に対してさらに消泡剤、防腐
剤、防かび剤等の添加剤を0.1〜10重量部含むのが
好ましい。
【0013】また、前記本発明の建築物の吹き付け塗装
方法の構成においては、主骨材がタルクを含むのが好ま
しい。また、前記本発明の建築物の吹き付け塗装方法の
構成においては、合成樹脂エマルジョンがアクリル樹脂
エマルジョンであるのが好ましい。
【0014】
【作用】前記本発明の建築物用壁装材の構成によれば、
上面が平面形状に成形された凸模様部分と、凹部とから
なる吹き付け面と、前記凹部の表面上に形成された第1
のコーティング層と、少なくとも前記凸模様部分の上面
に形成され、前記第1のコーティング層よりも薄い第2
のコーティング層とを備えていることにより、次のよう
な作用を奏することができる。すなわち、第2のコーテ
ィング層よりも厚い膜厚を有する第1のコーティング層
が凹部の表面のみに形成され、凸模様部分の表面(平面
形状部分)には形成されていないので、平面形状部分の
エッジが鋭利となり、平面形状部分と凹部との境目(凸
模様部分の輪郭)が明瞭となる。その結果、塗装した建
築物を遠方から見た場合でも、その表面に施された模様
(凸模様)の変化を明瞭に識別することができる。
【0015】また、前記本発明の建築物用壁装材の構成
において、第1のコーティング層が膜厚500〜500
0μmのアクリル系塗料からなり、第2のコーティング
層が膜厚50〜450μmのアクリル−シリコン系塗料
からなるという好ましい例によれば、平面形状部分のエ
ッジを容易に鋭利な状態に保つことができると共に、耐
久性を有する凸模様を形成することができる。
【0016】また、前記本発明の建築物の吹き付け塗装
方法の構成によれば、合成樹脂エマルジョンと、無機質
の固体からなる主骨材と、セメント成分と、水と、粒状
発泡材とからなる吹き付け材を所定の割合に混合し、前
記混合した吹き付け材を圧縮空気によってノズルから噴
射させて、建築物の表面に凹凸状の吹き付け面を形成
し、前記吹き付け面に第1のコーティング層を塗布し、
前記第1のコーティング層を塗布した吹き付け面の凸部
分を研磨して平面形状部分を形成し、少なくとも前記平
面形状部分の表面に前記第1のコーティング層よりも薄
い第2のコーティング層を塗布するようにしたことによ
り、次のような作用を奏することができる。すなわち、
建築物の表面に凹凸状の吹き付け面を形成し、前記吹き
付け面に第1のコーティング層を塗布した後に、前記第
1のコーティング層を塗布した吹き付け面の凸部分を研
磨して平面形状部分を形成するようにしたので、第2の
コーティング層よりも厚い膜厚を有する第1のコーティ
ング層が凹部の表面のみに形成され、凸模様部分の表面
(平面形状部分)には形成されない状態を容易に実現す
ることができる。その結果、平面形状部分のエッジを鋭
利にして、平面形状部分と凹部との境目(凸模様部分の
輪郭)を明瞭にすることができるので、塗装した建築物
を遠方から見た場合でも、その表面に施された模様(凸
模様)の変化を明瞭に識別することができるようにな
る。
【0017】また、前記本発明の建築物の吹き付け塗装
方法の構成において、圧縮空気の圧力が2〜10kg/
cm2 であるという好ましい例によれば、確実に大量の
吹き付け材を噴射することができ、遠方からでも目につ
く大きな凸模様部分を形成することができる。
【0018】また、前記本発明の建築物の吹き付け塗装
方法の構成において、吹き付け材の噴射量が3〜25k
g/m2 であるという好ましい例によれば、遠方からで
も目につく大きな凸模様部分を容易に形成することがで
きると共に、厚塗りも可能となる。
【0019】また、前記本発明の建築物の吹き付け塗装
方法の構成において、吹き付け材が、合成樹脂エマルジ
ョン10〜65重量部と、無機質の固体からなる主骨材
30〜75重量部と、セメント成分1〜15重量部と、
水5〜30重量部とからなる主材と、前記主材100k
g当たり5〜50リットルの粒状発泡材とを含むという
好ましい例によれば、粒状発泡材により適宜調整して比
重を小さくすることができるので、吹き付け塗装におい
て厚塗りが可能になると共に、大きな模様を形成するこ
とも可能となる。また、この場合、粒状発泡材が、主材
100kg当たり軽量骨材0〜50リットルと、粒状発
泡プラスチック0〜50リットルとからなるという好ま
しい例によれば、耐熱性を高めるか又は耐熱性をある程
度犠牲にして軽量化を図ることができる。この場合、さ
らに、合成樹脂エマルジョンがアクリル樹脂エマルジョ
ンであり、軽量骨材がシラスバルーンを含むという好ま
しい例によれば、耐熱性に優れ、しかも装飾性の高い模
様を形成することができる。また、この場合、吹き付け
材が、主材100重量部に対してさらに消泡剤、防腐
剤、防かび剤等の添加剤を0.1〜10重量部含むのと
いう好ましい例によれば、作業性及び耐久性が向上し、
より現実に対応した吹き付け塗装が可能となる。
【0020】また、前記本発明の建築物の吹き付け塗装
方法の構成において、主骨材がタルクを含むという好ま
しい例によれば、より装飾性の高い模様を容易に形成す
ることができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。本実施例においては、再現性に乏しい(す
なわち、独創性あるいは斬新性を有する)大きな模様を
付するために、吹き付け材として、次の成分に調合した
ものを用いた。すなわち、 主材: アクリル樹脂エマルジョン ; 35重量部 無機質の固体からなる主骨材 ; 50重量部 セメント ; 1重量部 水 ; 10重量部 消泡剤、防腐剤、防かび剤等; 1重量部 軽量化剤: 粒状発泡材 ; 30リットル/主材100kg ここで、主骨材としてはタルクとガラス繊維とを混合し
たものを用い、セメントとしては白色セメントを用い、
粒状発泡材としては粒径0.4mmの粒状発泡スチレン
を用いた。
【0022】以下に、この吹付け材を建築物の壁面に吹
き付けて塗装する方法について説明する。図3は本発明
に係る建築物用壁装材の製造方法の一実施例を示す工程
図、図4はその塗装方法に使用する装置の概略構成図で
ある。
【0023】図4において、1はスプレーガンであり、
スプレーガン1には吹き付け材供給装置2からホッパー
3で調合された吹き付け材が導管7を介して圧送され
る。吹き付け材は、エアーコンプレッサー(図示せず)
によって発生させた圧力4kg/cm2 の圧縮空気によ
り12kg/m2 の噴射量で吹き付けられ、建築物の壁
面に塗装される。
【0024】スプレーガン1は、塗料ノズル11の口径
が20mmに形成されており、エアーノズル(図示せ
ず)の前進又は後退によって塗料ノズル11が開閉する
ようにされている(いわゆる、ニードル弁方式)。すな
わち、ピストン(図示せず)に2重構造のエアーノズル
が取り付けられており、切換弁4を切換えることによっ
てピストンが前進又は後退し、圧縮空気及び吹き付け材
が噴射又は遮断される。尚、吹き付け材の噴射は、適宜
のサイクルで間欠的に行われる。
【0025】フロースイッチ(図示せず)によって切換
弁4を作動させて、圧縮空気を流路12に流すと、スプ
レーガン1内のピストンが図4の右方向に後退し、ピス
トンに取り付けられたエアーノズルが連動して後退す
る。これにより、塗料ノズル11が開口する。塗料ノズ
ル11が開口すると同時に、流路12を流れていた圧縮
空気が流路15を流れ、この圧縮空気が遮断弁5の作動
部に供給されて遮断弁5が開く。これにより、圧縮空気
供給路6とエアーノズルへの圧縮空気供給路14とが導
通し、圧縮空気が圧縮空気供給路14からエアーノズル
を経て塗料ノズル11から噴出する。このとき、塗料ノ
ズル11は開口しているので、吹き付け材が塗料ノズル
11へ供給され、この吹き付け材はエアーノズルから供
給される圧縮空気によって塗料ノズル11から噴射され
る。
【0026】この場合、塗料ノズル11はその口径が2
0mmと大きく形成されているので、塗料ノズル11か
ら噴射されて飛び出す吹き付け材17の相当径は、その
大部分が3mm〜50mmとなる。そして、壁面16に
衝突して吹き付けられた吹き付け材17の相当径は、そ
の大部分が20mm〜百数十mmという大きなものとな
る。このようにして吹き付け材17を壁面16に吹き付
け、3日間乾燥させた。これにより、厚さ数mm〜30
mmの吹き付け面18が得られた(以上、図3
(a))。
【0027】次いで、アクリル系塗料を用いて、吹き付
け面18に700μmの膜厚でアンダーコート19を施
した(図3(b))。このようにアンダーコート19を
施すことにより、吹き付け面18の耐久性が向上する。
尚、アンダーコート19の施工にはエアースプレーを使
用した。
【0028】次いで、プレートサンダーを用いて、アン
ダーコート19が施された吹き付け面18を厚さ15m
mまで研磨し、平面形状に成形した(図3(c))。平
面形状部分20の相当径は、その大部分が20mm〜1
10mm程度であり、50mm程度のものが多かった。
【0029】次いで、アクリル−シリコン系塗料を用い
て、全体に100μmの膜厚でトップコート21を施し
た(図3(d))。このようにトップコート21を施す
ことにより、平面形状部分20の耐久性が向上すると共
に、アンダーコート19を施した吹き付け面18の耐久
性がさらに向上する。尚、トップコート21の施工には
エアースプレーを使用した。
【0030】最後に、全体に100μmの膜厚でアクリ
ル系樹脂(図示せず)を塗布し、艶出しを行った。以上
の工程により、壁面16に、凸模様部分22と凹部23
とが形成され、吹き付け塗装が完了した。
【0031】以上のようにして塗装した壁面の外観の一
部を図1に示し、図1のII−II断面を図2に示す。
本実施例では、吹き付け面18にアンダーコート19を
施した後に、吹き付け面18を研磨して、平面形状部分
20を形成しているので、図1、図2、図3(c)、
(d)に示すように、アンダーコート19が凹部23の
表面のみに形成され、平面形状部分20には形成されな
い状態を実現することができる。このため、平面形状部
分20のエッジを鋭利にして、平面形状部分20と凹部
23との境目(凸模様部分22の輪郭)を明瞭にするこ
とができるので、塗装した建築物を遠方から見た場合で
も、その表面に施された模様(凸模様)の変化を明瞭に
識別することができるようになる。また、アンダーコー
ト19を施す前、及びトップコート21を施す前に、そ
れぞれピンク、淡いピンク等の別々の色彩を付せば、色
調の濃淡によって凸模様部分22をさらに浮き立たせる
ことができる。
【0032】尚、本実施例においては、全体にトップコ
ート21を施しているが、必ずしもこの構成に限定され
るものではなく、凸模様部分22の平面形状部分20の
みにトップコート21を施してもよい。この場合、トッ
プコート21の施工にはローラーが使用される。
【0033】また、本実施例においては、圧縮空気の圧
力を4kg/cm2 としているが、必ずしもこの圧力に
限定されるものではない。圧力2〜10kg/cm2
圧縮空気であれば、確実に大量の吹き付け材を噴射する
ことができ、遠方からでも目につく大きな凸模様部分を
形成することができる。
【0034】また、本実施例においては、吹き付け材の
噴射量を12kg/m2 としているが、必ずしもこの噴
射量に限定されるものではない。吹き付け材の噴射量が
3〜25kg/m2 であれば、遠方からでも目につく大
きな凸模様部分を容易に形成することができると共に、
厚塗りも可能となる。
【0035】また、本実施例においては、吹き付け材と
して、合成樹脂エマルジョン35重量部と、無機質の固
体からなる主骨材50重量部と、セメント成分1重量部
と、水10重量部とからなる主材と、前記主材100k
g当たり30リットルの粒状発泡材とを含むものを用い
ているが、必ずしもこのように調合されたものに限定さ
れるものではない。合成樹脂エマルジョン10〜65重
量部と、無機質の固体からなる主骨材30〜75重量部
と、セメント成分1〜15重量部と、水5〜30重量部
とからなる主材と、前記主材100kg当たり5〜50
リットルの粒状発泡材とを含む吹き付け材を用いれば、
粒状発泡材により適宜調整して比重を小さくすることが
できるので、吹き付け塗装において厚塗りが可能になる
と共に、大きな模様を形成することも可能となる。
【0036】また、本実施例においては、吹き付け材
に、消泡剤、防腐剤、防かび剤等の添加剤を含ませてい
るが、必ずしも消泡剤、防腐剤、防かび剤等の添加剤を
含ませる必要はない。消泡剤、防腐剤・防かび剤等の添
加剤を含ませれば、作業性及び耐久性が向上し、より現
実に対応した吹き付け塗装が可能となる。そして、この
場合、消泡剤、防腐剤、防かび剤等の添加量は、本実施
例のように主材96重量部に対して1重量部に限定され
るものではなく、主材100重量部に対し0.1〜10
重量部の範囲で含ませればよい。
【0037】また、本実施例においては、第1のコーテ
ィング層(アンダーコート19)の膜厚を700μm、
第2のコーティング層(トップコート21)の膜厚を1
00μmとしているが、第1及び第2のコーティング層
は必ずしもこの厚みに限定されるものではない。第1の
コーティング層の厚みが500〜5000μm、第2の
コーティング層の厚みが50〜450μmであれば、平
面形状部分20のエッジを鋭利な状態に保つことができ
る。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る建築
物用壁装材によれば、第2のコーティング層よりも厚い
膜厚を有する第1のコーティング層が凹部の表面のみに
形成され、凸模様部分の表面(平面形状部分)には形成
されていないので、平面形状部分のエッジが鋭利とな
り、平面形状部分と凹部との境目(凸模様部分の輪郭)
が明瞭となる。その結果、塗装した建築物を遠方から見
た場合でも、その表面に施された模様(凸模様)の変化
を明瞭に識別することができる。
【0039】また、本発明に係る建築物の吹き付け塗装
方法によれば、建築物の表面に凹凸状の吹き付け面を形
成し、前記吹き付け面に第1のコーティング層を塗布し
た後に、前記第1のコーティング層を塗布した吹き付け
面の凸部分を研磨して平面形状部分を形成するようにし
たので、第2のコーティング層よりも厚い膜厚を有する
第1のコーティング層が凹部の表面のみに形成され、凸
模様部分の表面(平面形状部分)には形成されない状態
を容易に実現することができる。その結果、平面形状部
分のエッジを鋭利にして、平面形状部分と凹部との境目
(凸模様部分の輪郭)を明瞭にすることができるので、
塗装した建築物を遠方から見た場合でも、その表面に施
された模様(凸模様)の変化を明瞭に識別することがで
きるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建築物用壁装材の一実施例を示す
外観斜視図である。
【図2】図1のII−II断面である。
【図3】本発明に係る建築物の吹き付け塗装方法の一実
施例を示す工程図である。
【図4】本発明に係る建築物の吹き付け塗装方法の一実
施例に使用した装置の概略構成図である。
【図5】従来技術における建築物の吹き付け塗装方法を
示す工程図である。
【符号の説明】
1 スプレーガン 2 吹き付け材供給装置 3 ホッパー 4 切換弁 5 遮断弁 6、14 圧縮空気供給路 7 導管 11 塗料ノズル 12、15 流路 16 壁面 17 吹き付け材 18 吹き付け面 19 アンダーコート(第1のコーティング層) 20 平面形状部分 21 トップコート(第2のコーティング層) 22 凸模様部分 23 凹部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面が平面形状に成形された凸模様部分
    と、凹部とからなる吹き付け面と、前記凹部の表面上に
    形成された第1のコーティング層と、少なくとも前記凸
    模様部分の上面に形成され、前記第1のコーティング層
    よりも薄い第2のコーティング層とを備えた建築物用壁
    装材。
  2. 【請求項2】 凸模様部分が多数散在し、前記凸模様部
    分の間に凹部が形成されている請求項1に記載の建築物
    用壁装材。
  3. 【請求項3】 合成樹脂エマルジョンと、無機質の固体
    からなる主骨材と、セメント成分と、水と、粒状発泡材
    とからなる吹き付け材を所定の割合に混合し、前記混合
    した吹き付け材を圧縮空気によってノズルから噴射させ
    て、建築物の表面に凹凸状の吹き付け面を形成し、前記
    吹き付け面に第1のコーティング層を塗布し、前記第1
    のコーティング層を塗布した吹き付け面の凸部分を研磨
    して平面形状部分を形成し、少なくとも前記平面形状部
    分の表面に前記第1のコーティング層よりも薄い第2の
    コーティング層を塗布する建築物の吹き付け塗装方法。
  4. 【請求項4】 第1のコーティング層が膜厚500〜5
    000μmのアクリル系塗料からなり、第2のコーティ
    ング層が膜厚50〜450μmのアクリル−シリコン系
    塗料からなる請求項1に記載の建築物用壁装材又は請求
    項3に記載の建築物の吹き付け塗装方法。
  5. 【請求項5】 圧縮空気の圧力が2〜10kg/cm2
    である請求項3に記載の建築物の吹き付け塗装方法。
  6. 【請求項6】 吹き付け材の噴射量が3〜25kg/m
    2 である請求項3に記載の建築物の吹き付け塗装方法。
  7. 【請求項7】 吹き付け材が、合成樹脂エマルジョン1
    0〜65重量部と、無機質の固体からなる主骨材30〜
    75重量部と、セメント成分1〜15重量部と、水5〜
    30重量部とからなる主材と、前記主材100kg当た
    り5〜50リットルの粒状発泡材とを含む請求項3に記
    載の建築物の吹き付け塗装方法。
  8. 【請求項8】 粒状発泡材が、主材100kg当たり軽
    量骨材0〜50リットルと、粒状発泡プラスチック0〜
    50リットルとからなる請求項7に記載の建築物の吹き
    付け塗装方法。
  9. 【請求項9】 合成樹脂エマルジョンがアクリル樹脂エ
    マルジョンであり、軽量骨材がシラスバルーンを含む請
    求項8に記載の建築物の吹き付け塗装方法。
  10. 【請求項10】 吹き付け材が、主材100重量部に対
    してさらに消泡剤、防腐剤、防かび剤等の添加剤を0.
    1〜10重量部含む請求項7に記載の建築物の吹き付け
    塗装方法。
  11. 【請求項11】 主骨材がタルクを含む請求項3に記載
    の建築物の吹き付け塗装方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001328227A (ja) * 2000-05-19 2001-11-27 Dainippon Printing Co Ltd 化粧材及びそれを用いたドア
JP2011246993A (ja) * 2010-05-27 2011-12-08 Hamacast Co Ltd 目地を備えた塗装壁及びその製造方法
CN114423620A (zh) * 2019-09-27 2022-04-29 大日本印刷株式会社 装饰材料

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