JP3833792B2 - 多彩色模様塗装を施す塗装装置及び塗装方法 - Google Patents

多彩色模様塗装を施す塗装装置及び塗装方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被塗物に多彩色模様塗装を施すための塗装装置及び塗装方法に関するものであって、とくに多彩色模様塗装の膜質ないしは品質を長時間にわたって安定化させることができる塗装装置及び塗装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、被塗物に多彩色模様塗装、例えば天然石(大理石等)のような外観を呈する模様塗装を施す手法としては、従来より複数色の塗料を順次ハケ塗り、スプレー塗り等により塗り重ねてゆくといった単純な手法が広く用いられている。しかしながら、このような従来の手法では、塗装する塗料の色数だけ塗装作業を繰り返さなければならないので塗装作業に手間がかかるといった問題がある。また、下層の塗装面が乾いてから上層の塗装を行わなければならないので、作業能率が極めて悪く、施工コストも高くつくといった問題がある。
【0003】
そこで、このような問題を解決すべく、例えば特開昭50−4137号公報では、基材となるエポキシ樹脂と、これと非相溶性の樹脂を有機溶剤に溶解して着色したカラーベースと、硬化剤とが混合されてなる塗料を用いて1回の塗装で多彩色模様塗装を施すようにした塗装手法が提案されている。この塗装手法においては、塗装時に、溶剤が気化する一方、反応による発熱によってカラーベースの析出が起こるとともに対流が起こり、上記析出物の流動によって多彩色模様が形成される。
【0004】
また、特開昭53−61633号公報では、容易に混じり合わないように高粘度に調整された合成樹脂エマルジョンからなる複数色の塗料を用い、塗装ガンの内部を仕切り板で仕切って塗料同士が互いに混合しないようにして、各塗料を塗装ガンから同時に噴射することにより、複数色の塗料を互いに混合することなく塗り分けて多彩色模様を形成するといった塗装手法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭50−4137号公報に開示されている従来の塗装手法では、エポキシ樹脂と、該エポキシ樹脂とは非相溶性の樹脂との組み合わせしか用いることができないので、使用可能な樹脂材料が極めて狭い範囲に限定され、汎用性に欠けるといった問題がある。また、溶剤の蒸発特性や反応による発熱特性によってカラーベースの析出物の流動状態が変わるので、環境温度や湿度等の条件によって模様の形態が大きく変わり、所望の模様を得るための条件の設定ないしは調整が非常にむずかしく、均一な塗膜を形成するのが困難であるといった問題がある。
【0006】
また、特開昭53−61633号公報に開示されている従来の塗装手法では、複数色の塗料を互いに混じり合わないようにするために塗料を高粘度に設定しなければならないが、このように塗料を高粘度にすると、細かい模様を形成したり被塗装面を平滑に仕上げたりするのが極めてむずかしくなるといった問題がある。また、高粘度の塗料では、塗装ムラが生じやすく、被塗装面全体にわたって均一な模様を形成するのがむずかしいといった問題がある。
【0007】
さらに、特開平1−293163号公報では、内側ノズルと、該内側ノズルを取り囲むようにして同心状に配置された外側ノズルとを備えた2液同心型塗装ガンを用いて、霧化エアを用いて内側ノズルと外側ノズルとからそれぞれ色の異なる塗料を同時に被塗物に噴射し、1回の塗装で被塗物に多彩色模様塗装を施すようにした塗装手法が提案されている。しかしながら、この塗装手法においては、2液同心型塗装ガンに供給される各塗料の供給圧の変動ないしは脈動により、各塗料の噴射特性が変動し、長時間にわたって安定した膜質ないしは色調の多彩色模様塗装を施すことができないといった問題がある。また、該2液同心型塗装ガンを備えた塗装装置の具体的な構成ないしは操作条件等が必ずしも適切とはいえず、これによっても多彩色模様塗装の膜質ないしは色調の低下を招いているといった問題がある。
【0008】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、簡素な塗装工程で、被塗物に、良好な膜質ないしは色調の多彩色模様塗装を長時間にわたって安定して施すことができる手段を提供することを解決すべき課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる多彩色模様塗装を施す塗装装置は、(a)第1の塗料を吐出する内側ノズルと、該内側ノズルを取り囲むようにして同心状に配置され第2の塗料を吐出する外側ノズルとを有し、霧化エアにより第1及び第2の塗料を同時に噴射して、所定の方向に所定の速度(コンベアスピード)で移動する被塗物に多彩色模様塗装を施す2液同心型塗装ガンを備えた塗装機と、(b)第1塗料貯槽内に貯留された第1の塗料を、第1ポンプにより2液同心型塗装ガンの内側ノズルに供給する第1塗料供給系統(塗料供給経路)と、(p)第1ポンプから吐出された第1の塗料の吐出圧の脈動を抑制する第1脈動緩衝用容積部と、(c)第1ポンプと2液同心型塗装ガンとの間の第1塗料供給系統に介設され、該第1塗料供給系統内の第1の塗料の一部を第1塗料貯槽に還流させるとともに内側ノズルへの第1の塗料の供給圧を一定化する第1塗料循環装置と、(d)第2塗料貯槽内に貯留された第2の塗料を、第2ポンプにより2液同心型塗装ガンの外側ノズルに供給する第2塗料供給系統(塗料供給経路)と、(q)第2ポンプから吐出された第2の塗料の吐出圧の脈動を抑制する第2脈動緩衝用容積部と、(e)第2ポンプと2液同心型塗装ガンとの間の第2塗料供給系統に介設され、該第2塗料供給系統内の第2の塗料の一部を第2塗料貯槽に還流させるとともに外側ノズルへの第2の塗料の供給圧を一定化する第2塗料循環装置とが設けられていて、(f)2液同心型塗装ガンのノズル先端部と被塗物との間の距離(ガン距離)が250〜350mmの範囲内の所定値に設定され、(g)各2液同心型塗装ガンの塗料吐出量が両ノズル合計で250〜450cc/分の範囲内の所定値に設定され、(h)内側ノズルの塗料吐出量と外側ノズルの塗料吐出量の比率が4:6〜6:4の範囲内の所定値に設定され、(i)2液同心型塗装ガンの霧化圧が0.30〜0.40kg/cmの範囲内の所定値に設定され、(r)2液同心型塗装ガンの塗料加圧圧力が0.5〜2.0kg/cm の範囲内に設定され、(j)第1及び第2の塗料がそれぞれ、顔料濃度が6〜10重量%の範囲内の所定値に設定され、4号フォードカップ(あるいは、岩田カップ)による粘度が23〜27秒の範囲内の所定値に設定され、かつ撹拌速度が6rpm及び60rpmである場合におけるチクソインデクス値(Ti値)が4.5〜5.5の範囲内の所定値に設定された塗料であることを特徴とするものである。
【0010】
この塗装装置においては、第1の塗料と第2の塗料とが、それぞれ霧化エアを用いて2液同心型塗装ガンの内側ノズルと外側ノズルとから同時に被塗物に向かって噴射される。その際、両塗料の一部同士が霧化状態で互いに混合されて被塗物の被塗装面に付着し中間色ないしは混合色の塗膜を形成する。また、第1の塗料の一部と第2の塗料の一部とは、それぞれ、他方の塗料とはほとんど混合せずに被塗物の被塗装面に付着しそれぞれの固有の色の塗膜を形成する。すなわち、被塗物の被塗装面には、それぞれの色の塗料による単独色の部分に加えて、両塗料が混合されてなる中間色ないしは混合色の部分が形成され、供給された塗料の色数以上の色部分に塗り分けられた多彩色模様が形成される。つまり、1回の塗装工程で、各塗料の単独色部分及び両塗料の混合色部分からなる多彩色模様を得ることができる。
【0011】
そして、この塗装装置においては、第1脈動緩衝用容積部及び第2脈動緩衝用容積部によって、それぞれ、第1及び第2の塗料の吐出圧の脈動が抑制されるとともに、第1塗料循環装置及び第2塗料循環装置によって、それぞれ、2液同心型塗装ガンに供給される第1及び第2の塗料の供給圧が一定化されるので、被塗物に形成される多彩色模様の色調ないしは品質が長時間にわたって安定化される。すなわち、長時間にわたって多彩色模様塗装を施しても、塗料供給圧の脈動に起因する多彩色模様の色調の変動が生じない。
【0012】
なお、この塗装装置においては、第1及び第2の塗料は、特殊な塗料でなく、汎用の塗料を用いることができる。すなわち、第1及び第2の塗料としては、互いに混合可能なものでありさえすればよく、通常の塗装に用いられている汎用の塗料を使用することができ、豊富な色数を有する汎用の塗料を用いて、多様な色の組み合わせを実現することができる。この塗装装置においては、混合色部分が形成されるので、使用する塗料の色数よりも多くの色部分に塗り分けることができる。とくに、混合色部分がベースコート色となるようにすれば、従来の塗装手法のような、予めベースコート色を塗装した後その上に別工程で模様部分の塗装を行うといった手間が不要となり、塗装作業が大幅に能率化される。
【0013】
この塗装装置ないしは塗装手法によれば、基本的には、通常の塗装手法と同様の装置条件で塗装を行うことができるので、塗装作業は簡単であり、塗装コストも安価なものとなる。また、多彩色模様の仕上がりは、塗料の吐出量等の塗装条件を変えるだけで調整することができ、容易に所望の仕上がり状態を得ることができる。つまり、塗装作業自体は通常の塗装手法と同様に行うことができ、環境条件等によって左右されないので、塗装作業にはとくには熟練を要さず、塗装能率が極めて高くなる。とくに、この塗装装置は、建築物の内外装面等の大量塗装に好適である。
【0014】
上記塗装装置においては、第1塗料循環装置を、第1塗料供給系統から分岐して第1塗料貯槽につながり第1の塗料を重力で自然流下させる還流通路とし、かつ第2塗料循環装置を、第2塗料供給系統から分岐して第2塗料貯槽につながり第2の塗料を重力で自然流下させる還流通路とするのが好ましい。このようにすれば、極めて簡素な構造で、2液同心型塗装ガンに供給される第1及び第2の塗料の供給圧を確実に一定化することができる。
【0015】
また、本発明にかかる多彩色模様塗装を施す塗装方法は、(a)第1の塗料を吐出する内側ノズルと、該内側ノズルを取り囲むようにして同心状に配置され第2の塗料を吐出する外側ノズルとを有する2液同心型塗装ガンを備えた塗装機を用いて、霧化エアにより第1及び第2の塗料を同時に噴射して、所定の方向に所定の速度で移動する被塗物に多彩色模様塗装を施す塗装方法であって、(b)塗料貯槽内に貯留された第1の塗料をポンプにより2液同心型塗装ガンの内側ノズルに供給する一方、該ポンプから吐出された第1の塗料の吐出圧の脈動を脈動緩衝用容積部により抑制し、(s)上記ポンプと上記2液同心型塗装ガンとの間の塗料供給系統内の第1の塗料の一部を塗料循環装置により塗料貯槽に還流させるとともに内側ノズルへの第1の塗料の供給圧を一定化し、(c)塗料貯槽内に貯留された第2の塗料をポンプにより2液同心型塗装ガンの外側ノズルに供給する一方、該ポンプから吐出された第2の塗料の吐出圧の脈動を脈動緩衝用容積部により抑制し、(t)上記ポンプと上記2液同心型塗装ガンとの間の塗料供給系統内の第2の塗料の一部を塗料循環装置により塗料貯槽に還流させるとともに外側ノズルへの第2の塗料の供給圧を一定化し、(d)2液同心型塗装ガンを、そのノズル先端部と被塗物との間の距離が250〜350mmの範囲内にあるように配置し、(e)2液同心型塗装ガンの塗料吐出量を両ノズル合計で250〜450cc/分の範囲内に設定するとともに、内側ノズルの塗料吐出量と外側ノズルの塗料吐出量の比率を4:6〜6:4の範囲内に設定し、(f)2液同心型塗装ガンの霧化圧を0.30〜0.40kg/cmの範囲内に設定し、(u)2液同心型塗装ガンの塗料加圧圧力を0.5〜2.0kg/cm の範囲内に設定し、(g)第1及び第2の塗料としてそれぞれ、顔料濃度が6〜10重量%の範囲内にあり、4号フォードカップによる粘度が23〜27秒の範囲内にあり、かつ撹拌速度が6rpm及び60rpmである場合におけるチクソインデクス値が4.5〜5.5の範囲内にある塗料を用いることを特徴とするものである。
この塗装方法においては、第1の塗料を、該塗料の供給系統から分岐する通路内を重力で自然流下させることにより塗料貯槽に還流させ、第2の塗料を、該塗料の供給系統から分岐する通路内を重力で自然流下させることにより塗料貯槽に還流させるのが好ましい。
この塗装方法においても、前記の本発明にかかる塗装装置の場合と同様に、被塗物に形成される多彩色模様の色調ないしは品質を長時間にわたって安定化することができる。すなわち、長時間にわたって多彩色模様塗装を施しても、塗料供給圧の脈動に起因する多彩色模様の色調の変動が生じない。
【0016】
上記塗装装置又は塗装方法においては、塗装機に複数(例えば、4丁)の2液同心型塗装ガンを設け、該複数の2液同心型塗装ガンを被塗物の移動方向に所定の間隔(ガンピッチ)で配列し、かつ塗装機を被塗物の移動方向とは垂直な方向に所定の速度(レシプロスピード)で往復移動させるのが好ましい。
この場合、(a)塗装機における複数の2液同心型塗装ガンの配列間隔(ガンピッチ)を130〜170mmの範囲内の所定値に設定し、(b)各2液同心型塗装ガンのパターン幅(被塗装面での塗料噴霧の広がり幅)を250〜350mmの範囲内の所定値に設定し、(c)被塗物の移動速度(コンベアスピード)を4.9〜5.9m/分の範囲内の所定値に設定し、(d)塗装機の往復移動速度(レシプロスピード)を58〜68m/分の範囲内の所定値に設定するのが好ましい。このようにすれば、被塗物に対して、一層良好な膜質ないしは色調の多彩色模様塗装を施すことができる。
【0017】
なお、上記塗装機においては、被塗物移動方向にみて2液同心型塗装ガンより上流側に、第1の塗料と第2の塗料とが混合されてなる中間色ないしは混合色の塗料を被塗物に先行塗装するエアレス型の塗装ガンを設けてもよい。このようにすれば、被塗物表面に比較的深い凹凸が存在する場合でも、全被塗装面に確実にかつ満遍なく中間色ないしは混合色の塗膜を形成することができる。
【0018】
上記塗装装置又は塗装方法においては、被塗物の塗膜の膜厚は、170〜180g/m2の範囲内に設定するのが好ましい。なお、両塗料の色調については、第1の塗料を濃色(例えば、ペールグレー、ベージュ等)とし、第2の塗料を淡色(例えば、グレー、ホワイト等)とするのが好ましい。このようにすれば、被塗物に対して、なお一層良好な膜質ないしは色調の多彩色模様塗装を施すことができる。
【0019】
なお、上記塗装装置又は塗装方法においては、第1の塗料の供給系統と第2の塗料の供給系統とを、洗浄装置等を設け、適宜洗浄水で洗浄してエアパージを施すのが好ましい。このようにすれば、塗料の種類を取り替える場合等において、塗料供給系統を極めて容易に清浄化することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
図1は本発明にかかる塗装装置のシステム構成図である。図1に示すように、この塗装装置PSにおいては、被塗物1がコンベア2によって一定の方向に一定の速度(コンベアスピード)で搬送されるようになっている(図2参照)。そして、この被塗物1の上側表面(被塗装面)に、塗装機Pにより多彩色模様の塗装が施されるようになっている。この塗装機Pには、4丁の2液同心型塗装ガン3(図3〜図6参照)と、2丁のエアレス型のエアコンビ塗装ガン4とが設けられている(図2参照)。
【0021】
ここで、2液同心型塗装ガン3は、後で詳しく説明するように、内側塗料供給路5に導入された濃色塗料と外側塗料供給路6に導入された淡色塗料とを、それぞれ、霧化エアを用いて内側ノズル70(図6参照)と外側ノズル71(図6参照)とから被塗物1に向かって吹き付け、該被塗物1に多彩色模様の塗装を施すようになっている。他方、エアコンビ塗装ガン4は、濃色塗料と淡色塗料とが所定の割合で混合されてなる中間色塗料を、加圧エアを用いることなくその供給液圧でもって被塗物1に向かって噴射し、該被塗物1に一様な中間色の塗装を施すようになっている。
【0022】
以下、2液同心型塗装ガン3への塗料供給系を具体的に説明する。
まず、淡色塗料供給系を説明する。この淡色塗料供給系においては、基本的には淡色塗料貯槽7に貯留された淡色塗料8(例えば、グレー、ホワイト等)が、淡色塗料供給通路9(9a〜9c)を介して、2液同心型塗装ガン3の外側塗料供給路6に供給されるようになっている。そして、淡色塗料の基本的な流れ方向にみて、淡色塗料貯槽7よりやや下流側において淡色塗料供給通路9aには、淡色塗料貯槽7内の淡色塗料8をポンプアップ(ポンプ輸送)する淡色塗料用ポンプ10が設けられている。さらに、淡色塗料用ポンプ10のやや下流側において淡色塗料供給通路9aには、淡色塗料用ポンプ10から吐出された淡色塗料の吐出圧の脈動を抑制する脈動緩衝用容積部11が設けられている。
【0023】
このように、脈動緩衝用容積部11が設けられ、さらに後で説明するように2液同心型塗装ガン3への淡色塗料供給圧を一定化する淡色塗料循環機13が設けられているので、淡色塗料用ポンプ10としては、種々の種類のポンプを用いることができる。すなわち、吐出圧の脈動が比較的小さいスネークポンプ等のほかに、吐出圧の脈動が比較的大きいポンプ、例えばダイヤフラムポンプ等も支障なく用いることができる。また、ギヤポンプも用いることができる。
【0024】
そして、脈動緩衝用容積部11より下流側において淡色塗料供給通路9には、上流側から順に、淡色塗料供給通路9から2液同心型塗装ガン3の外側塗料供給路6(外側ノズル71)までの淡色塗料供給経路を適宜洗浄するための第1洗浄装置12(メイン洗浄装置)と、2液同心型塗装ガン3に供給される淡色塗料の供給圧を一定化する淡色塗料循環機13と、主として2液同心型塗装ガン3の外側塗料供給路6ないし外側ノズル71(図6参照)を適宜洗浄するための第2洗浄装置15(サブ洗浄装置)とが介設されている。なお、第1洗浄装置12及び第2洗浄装置15は、後で説明するように、淡色塗料供給経路だけでなく、濃色塗料供給経路をも適宜洗浄するようになっている。
【0025】
淡色塗料循環機13は、第1洗浄装置12と第2洗浄装置15との間の淡色塗料供給通路9bに介設され、該淡色塗料供給通路9b内を流れる淡色塗料の一部(塗料噴射時)又は全部(塗料噴射停止時)を淡色塗料還流通路14を介して淡色塗料貯槽7に自然流下により還流させるようになっている。これにより、2液同心型塗装ガン3への淡色塗料の供給圧が一定化される。
【0026】
第1洗浄装置12には、淡色塗料供給経路を洗浄する際、該淡色塗料供給経路にパージ用のエアを導入するためのオン・オフ式のエア導入バルブ12aと、洗浄水を導入するためのオン・オフ式の洗浄水導入バルブ12bとが設けられている。さらに、第1洗浄装置12には、塗装時に淡色塗料を下流側に流すためのオン・オフ式の淡色塗料バルブ12cが設けられている。ここで、塗装時には、淡色塗料バルブ12cが開かれる一方、エア導入バルブ12a及び洗浄水導入バルブ12bが閉じられ、このとき第1洗浄装置12より上流側の淡色塗料供給通路9a内の淡色塗料は、該第1洗浄装置12より下流側の淡色塗料供給通路9bに流入する。
【0027】
他方、淡色塗料供給経路洗浄時には、まず洗浄水導入バルブ12bが開かれる一方、エア導入バルブ12a及び淡色塗料バルブ12cが閉じられ、このとき第1洗浄装置12より下流側の淡色塗料供給経路(淡色塗料供給通路9b〜2液同心型塗装ガン3の外側塗料供給路6ないし外側ノズル71)は、洗浄水によって洗浄される。この後、エア導入バルブ12aが開かれる一方、洗浄水導入バルブ12b及び淡色塗料バルブ12cが閉じられ、このとき第1洗浄装置12より下流側の淡色塗料供給経路がエアパージされ、該経路内に残留している洗浄水が排出される。かくして、第1洗浄装置12より下流側の淡色塗料供給経路が清浄化される。
【0028】
第2洗浄装置15には、2液同心型塗装ガン3(外側塗料供給路6ないし外側ノズル71)を洗浄する際、淡色塗料供給経路にパージ用のエアを導入するためのオン・オフ式のエア導入バルブ15aと、洗浄水を導入するためのオン・オフ式の洗浄水導入バルブ15bとが設けられている。さらに、第2洗浄装置15には、塗装時に淡色塗料を下流側に流すためのオン・オフ式の淡色塗料バルブ15cが設けられている。ここで、塗装時には、淡色塗料バルブ15cが開かれる一方、エア導入バルブ15a及び洗浄水導入バルブ15bが閉じられ、このとき第2洗浄装置15より上流側の淡色塗料供給通路9b内の淡色塗料は、該第2洗浄装置15より下流側の淡色塗料供給通路9cに流入する。
【0029】
他方、2液同心型塗装ガン洗浄時には、まず洗浄水導入バルブ15bが開かれる一方、エア導入バルブ15a及び淡色塗料バルブ15cが閉じられ、このとき第2洗浄装置15より下流側の淡色塗料供給経路(淡色塗料供給通路9c〜2液同心型塗装ガン3の外側塗料供給路6ないし外側ノズル71)は、洗浄水によって洗浄される。この後、エア導入バルブ15aが開かれる一方、洗浄水導入バルブ15b及び淡色塗料バルブ15cが閉じられ、このとき第2洗浄装置15より下流側の淡色塗料供給経路がエアパージされ、該経路内に残留している洗浄水が排出される。かくして、第2洗浄装置15より下流側の淡色塗料供給経路が清浄化される。
【0030】
次に、濃色塗料供給系を説明する。この濃色塗料供給系においては、第1濃色塗料(例えば、ペールグレー)及び第2濃色塗料(例えば、ベージュ)の2種類の濃色塗料を任意に切り替えて2液同心型塗装ガン3に供給することができるようになっている。なお、3種類以上の濃色塗料を切り替えて用いるようにしてもよいのはもちろんである。
【0031】
この濃色塗料供給系において、第1濃色塗料が選択されたときには、第1濃色塗料貯槽16に貯留された第1濃色塗料17が、第1濃色塗料供給通路18(18a〜18c)を介して2液同心型塗装ガン3の内側塗料供給路5に供給されるようになっている。そして、第1濃色塗料の基本的な流れ方向にみて、第1濃色塗料貯槽16よりやや下流側において第1濃色塗料供給通路18aには、第1濃色塗料貯槽16内の第1濃色塗料17をポンプアップする第1濃色塗料用ポンプ19が設けられている。さらに、第1濃色塗料用ポンプ19のやや下流側において第1濃色塗料供給通路18aには、淡色塗料供給系の場合と同様に、脈動緩衝用容積部20が設けられている。
【0032】
そして、脈動緩衝用容積部20より下流側において第1濃色塗料供給通路18aは、前記の第1洗浄装置12の第1濃色塗料バルブ12fに接続されている。さらに、第1洗浄装置12より下流側の第1濃色塗料供給通路18bは、前記の第2洗浄装置15の第1濃色塗料バルブ15fに接続されている。そして、第2洗浄装置15より下流側の第1濃色塗料供給通路18cは、2液同心型塗料ガン3の内側塗料供給路5に接続されている。
【0033】
濃色塗料供給系において第2濃色塗料が選択されたときには、第2濃色塗料貯槽23に貯留された第2濃色塗料24が、第2濃色塗料供給通路25と、前記の第1濃色塗料供給通路18b、18cとを介して、2液同心型塗装ガン3の内側塗料供給路5に供給されるようになっている。そして、第2濃色塗料の基本的な流れ方向にみて、第2濃色塗料貯槽23よりやや下流側において第2濃色塗料供給通路25には、第2濃色塗料貯槽23内の第2濃色塗料24をポンプアップする第2濃色塗料用ポンプ26が設けられている。さらに、第2濃色塗料用ポンプ26のやや下流側において第2濃色塗料供給通路25には、淡色塗料供給系の場合と同様に、脈動緩衝用容積部27が設けられている。
【0034】
脈動緩衝用容積部27より下流側において、第2濃色塗料供給通路25は、前記の第1洗浄装置12の第2濃色塗料バルブ12gに接続されている。そして、第2濃色塗料供給通路25は第2濃色塗料バルブ12gの直下流で前記の第1濃色塗料供給通路18bに集合(接続)されている。つまり、第1洗浄装置12より下流側では、第1濃色塗料供給通路18b、18cは、第1濃色塗料及び第2濃色塗料に共通の塗料供給経路として用いられる。
【0035】
そして、第1洗浄装置12のやや下流側において第1濃色塗料供給通路18bには濃色塗料循環機21が介設されている。この濃色塗料循環機21は、該第1濃色塗料供給通路18b内を流れる第1濃色塗料もしくは第2濃色塗料の一部(塗料噴射時)又は全部(塗料噴射停止時)を、それぞれ、第1濃色塗料還流通路22又は第2濃色塗料還流通路28を介して、第1濃色塗料貯槽16又は第2濃色塗料貯槽23に自然流下により還流させるようになっている。これにより、2液同心型塗装ガン3への第1濃色塗料又は第2濃色塗料の供給圧が確実に一定化される。
【0036】
このように、濃色塗料供給経路には脈動緩衝用容積部20、27が設けられ、さらに2液同心型塗装ガン3への濃色塗料の供給圧を一定化する濃色塗料循環機21が設けられているので、第1濃色塗料用ポンプ19又は第2濃色塗料用ポンプ26としては、淡色塗料供給系の場合と同様に、種々の種類のポンプを用いることができる。
【0037】
そして、第1洗浄装置12には、濃色塗料供給経路を洗浄する際、該濃色塗料供給経路にパージ用のエアを導入するためのオン・オフ式のエア導入バルブ12dと、洗浄水を導入するためのオン・オフ式の洗浄水導入バルブ12eとが設けられている。さらに第1洗浄装置12には、塗装時に、それぞれ第1濃色塗料及び第2濃色塗料塗料を導入するためのオン・オフ式の第1濃色塗料バルブ12f及び第2濃色塗料バルブ12gが設けられている。ここで、塗装時には、選択された濃色塗料の種類に応じて両濃色塗料バルブ12f、12gのいずれか一方が開かれる一方、他方の濃色塗料バルブ12f(12g)とエア導入バルブ12dと洗浄水導入バルブ12eとが閉じられ、このとき第1洗浄装置12より上流側の第1濃色塗料供給通路18a又は第2濃色塗料供給通路25内の濃色塗料は、該第1洗浄装置12より下流側の第1濃色塗料供給通路18bに流入する。
他方、濃色塗料供給経路洗浄時には、淡色塗料供給経路を洗浄する場合と同様に、濃色塗料供給経路が洗浄水によって洗浄された後、エアパージされる。
【0038】
また、第2洗浄装置15には、2液同心型塗装ガン3(内側塗料供給路5ないし内側ノズル70)を洗浄する際、濃色塗料供給経路にパージ用のエアを導入するためのオン・オフ式のエア導入バルブ15dと、洗浄水を導入するためのオン・オフ式の洗浄水導入バルブ15eとが設けられている。さらに、第2洗浄装置15には、塗装時に濃色塗料を下流側に流すためのオン・オフ式の濃色塗料バルブ15fが設けられている。ここで、塗装時には濃色塗料バルブ15fが開かれる一方、エア導入バルブ15d及び洗浄水導入バルブ15eが閉じられ、このとき第2洗浄装置15より上流側の第1濃色塗料供給通路18b内の濃色塗料は、該第2洗浄装置15より下流側の第1濃色塗料供給通路18cに流入する。
他方、2液同心型塗装ガン洗浄時には、淡色塗料供給経路を洗浄する場合と同様に、第2洗浄装置15より下流側の濃色塗料供給経路が洗浄水によって洗浄された後、エアパージされる。
【0039】
前記のとおり、2液同心型塗装ガン3への塗料供給系においては、2液同心型塗装ガン3に供給される淡色塗料及び濃色塗料の供給圧が一定化されるので、被塗物1に形成される多彩色模様の色調ないしは品質が長時間にわたって安定化される。すなわち、長時間にわたって塗装を施しても、塗料供給圧の脈動に起因する多彩色模様の色調の変動が生じない。
【0040】
以下、エアコンビ塗装ガン4に中間色塗料を供給する中間色塗料供給系を具体的に説明する。
この中間色塗料供給系においては、淡色塗料タンク29に貯留された淡色塗料30(例えば、グレー)と、濃色塗料タンク34に貯槽された濃色塗料35(例えば、ベージュ)とが塗料供給経路内で混合されて中間色塗料がつくられ、この中間色塗料がエアコンビ塗装ガン4に比較的高圧で供給され、この後該中間色塗料自体の液圧で被塗物1に向けて噴射される。
【0041】
具体的には、淡色塗料タンク29内の淡色塗料30が、淡色塗料ポンプ31によって淡色塗料通路32を介して塗料混合・洗浄装置33に供給される一方、濃色塗料タンク34内の濃色塗料35が、濃色塗料ポンプ36によって濃色塗料通路37を介して塗料混合・洗浄装置33に供給される。ここで、淡色塗料ポンプ31あるいは濃色塗料ポンプ36としては、高い吐出圧が必要とされるので、通常、プランジャポンプが用いられる。
【0042】
塗料混合・洗浄装置33には、中間色塗料供給経路を洗浄する際、該中間色塗料供給経路にパージ用のエアを導入するためのオン・オフ式のエア導入バルブ33aと、洗浄水を導入するためのオン・オフ式の洗浄水導入バルブ33bとが設けられている。さらに、塗料混合・洗浄装置33には、塗装時に、それぞれ淡色塗料及び濃色塗料を導入するためのオン・オフ式の淡色塗料バルブ33c及び濃色塗料バルブ33dが設けられている。ここで、塗装時には、淡色塗料バルブ33c及び濃色塗料バルブ33dが開かれる一方、エア導入バルブ33a及び洗浄水導入バルブ33bが閉じられる。このとき、淡色塗料通路32内の淡色塗料と濃色塗料通路37内の濃色塗料とは、塗料混合・洗浄装置33内に導入されて混合され、中間色塗料となって中間色塗料供給通路38に流入し、この後エアコンビ塗装ガン4に供給される。
【0043】
他方、中間色塗料供給経路洗浄時には、まず洗浄水導入バルブ33bが開かれる一方、エア導入バルブ33aと両塗料バルブ33c、33dとが閉じられ、中間色塗料供給経路(中間色塗料供給通路38〜エアコンビ塗装ガン4)が、洗浄水によって洗浄される。この後、エア導入バルブ33aが開かれる一方、洗浄水導入バルブ33bと両塗料バルブ33c、33dとが閉じられ、中間色塗料供給経路がエアパージされ、該経路内に残留している洗浄水が排出される。このようにして、中間色塗料供給経路が清浄化される。
【0044】
以下、塗装機Pの具体的な構造を説明する。
図2に示すように、塗装機Pにおいては、細長い塗装ガン支持部材40が、矢印Yで示すような、コンベア2の搬送方向すなわち被塗物1の流れ方向ないしは移動方向に長手となるように配置されている。そして、塗装ガン支持部材40には、被塗物1の流れ方向にみて上流側から下流側に向かって順に、2丁のエアコンビ塗装ガン4と、4丁の2液同心型塗装ガン3とが、それぞれ、ノズル先端が被塗物方向すなわち下方を向くようにして、所定の間隔(ガンピッチ)で配置されている。
【0045】
そして、この塗装機Pにおいては、塗装ガン支持部材40が、矢印X1、X2で示すような、被塗物1の流れ方向ないしは移動方向とは垂直な方向、すなわち被塗物1の幅方向に、所定の速度(レシプロスピード)で往復移動するようになっている。ここで、塗装ガン支持部材40は、おおむね被塗物1の幅方向の一端と他端との間で往復移動するようになっている。
【0046】
したがって、被塗物1がY方向に一定の速度(コンベアスピード)で移動すると、該被塗物1は、まずエアコンビ塗装ガン4によって中間色塗料による塗装(先塗り塗装)が施され、この上に2液同心型塗装ガン3によって多彩色模様の塗装が施されることになる。なお、2液同心型塗装ガン3によって多彩色模様の塗膜が形成されるメカニズムと、該塗装機Pの具体的な寸法あるいは運転条件等の詳細事項とは後で説明する。このように、2丁のエアコンビ塗装ガン4によって中間色の先塗り塗装が施されるので、被塗物1の被塗装面に比較的深い凹凸が存在する場合でも、被塗装面全面に確実にかつ満遍なく中間色の塗装(ベースコート)が施される。
【0047】
以下、2液同心型塗装ガン3の具体的な構造を説明する。
図3及び図4に示すように、2液同心型塗装ガン3には、塗料を霧化させるための霧化エアを噴射する空気キャップセット45と、塗料を吐出する塗料ノズルセット46と、空気キャップセット45及び塗料ノズルセット46を支持ないしは保持する先端ボディセット47と、塗料ノズルセット46を開閉させる先端ニードル弁セット48とが設けられている。なお、先端ボディセット47と先端ニードル弁セット48とのクリアランス部は、所定の位置でパッキンケース押し49とパッキンケースセット50とによってシールされている。なお、先端ボディセット47には、円盤ばね51が設けられている。
【0048】
先端ボディセット47は、本体セット53に取り付けられている。そして、本体セット53内には、霧化エアの噴射特性を変えることにより多彩色模様のパタンを調節するためのパタン調節装置52と、空気シートセット54とが設けられている。また本体セット53には、先端ニードル弁セット48を動作させるために、ピストンセット55と、ニードルセット56と、ピストン押しばね57と、ニードルばね58とが設けられている。さらに、本体セット53の後端部には、塗料調節つまみ59を回すことによって塗料の吐出量を調節する塗料調節装置60が設けられている。
【0049】
また、本体セット53には、霧化エア供給通路41(図1参照)から該2液同心型塗装ガン3に霧化エアを導入するための第1エアニップル68と、シリンダエア供給通路42(図1参照)から該2液同心型塗装ガン3に、ピストンセット55及びニードルセット56ひいては先端ニードル弁セット48を駆動する(すなわち、塗料ノズルセット46を開閉する)シリンダエアを導入するための第2エアニップル69とが設けられている。そのほか、この本体セット53には、該本体セット53を塗装ガン支持部材に固定するための2つのボルトセット61、62と、先端ニードル弁セット48とニードルセット56を接続する接続棒63と、ニードル弁パッキンセット64と、防護カバー65とが設けられている。
【0050】
そして、この2液同心型塗装ガン3には、第1濃色塗料供給通路18c(図1参照)から内側塗料供給路5に濃色塗料を導入するための第1塗料ニップル66と、淡色塗料供給通路9c(図1参照)から外側塗料供給路6に淡色塗料を導入するための第2塗料ニップル67とが設けられている。ここで、第2エアニップル69を介してシリンダエア供給通路41(図1参照)から2液同心型塗装ガン3にシリンダエア(先端ニードル弁セット駆動エア)が導入されたときには、先端ニードル弁セット48が後退させられ、塗料ノズルセット46が開かれる。このとき、まず内側塗料供給路5と連通する内側ノズル70が開かれ、続いて外側塗料供給路6と連通する外側ノズル71が開かれる(図6参照)。かくして、内側塗料供給路5内の濃色塗料が内側ノズル70から外部に吐出され、外側塗料供給路6内の淡色塗料が外側ノズル71から外部に吐出される(図6参照)。
【0051】
また、このように塗料ノズルセット46が開かれて、内側ノズル70と外側ノズル71とからそれぞれ濃色塗料と淡色塗料とが吐出されるときには、第1エアニップルを介して、霧化エア供給通路41(図1参照)から2液同心型塗装ガン3内の霧化エア供給路74に霧化エアが導入され、この霧化エアは、噴霧エア供給ノズル72及び補助エア供給ノズル73から外部に噴射される。かくして、内側ノズル70及び外側ノズル71からそれぞれ吐出された濃色塗料及び淡色塗料は、噴霧エア供給ノズル72及び補助エア供給ノズル73から噴射された霧化エアによって霧化され、この後被塗物1に吹き付けられる。これにより、後で説明するように、被塗物1に多彩色模様の塗装が施される。
【0052】
なお、本発明にかかる塗装装置に用いられる2液同心型塗装ガン3の典型的な仕様を次に例示する。
(2液同心型塗装ガンの仕様)
内側ノズル口径:1.0mmφ
外側ノズル口径:2.0mmφ
最高使用圧力:7kgf/cm2
標準吹付圧力:3kgf/cm2
使用空気量:360ml/min
塗料加圧圧力:0.5〜2.0kgf/cm2
パターン開き:250mm
接液部材料:ステンレススチール及びアルミニウム
接液シール部:耐溶剤性パッキン
ホース接続部:G1/4B
重量:850g
寸法:211×95×42 [mm]
【0053】
以下、2液同心型塗装ガン3のさらに詳細な構造と、該2液同心型塗装ガン3によって多彩色模様の塗膜が形成されるメカニズムとを説明する。
図5〜図7は、図3及び図4に示す、多彩色模様の塗装を施すことができる2液同心型塗装ガン3の先端部付近(ノズル近傍)の構造を模式的に示している。この2液同心型塗装ガン3の基本的な構造は、通常のエアスプレーガン等と同様であるが、前記のとおり、濃色塗料と淡色塗料とが同時に吐出されるようになっている。
【0054】
具体的には図5〜図7に示すように、濃色塗料を吐出する内側ノズル70と、該内側ノズル70を取り巻くように形成され淡色塗料を吐出する外側ノズル71とが、同心円状に隣接して配置されている。そして、内側ノズル70と外側ノズル71とは、それぞれ、互いに隔離された各別の内側塗料供給路5と外側塗料供給路6とに連通している。前記のとおり、内側塗料供給路5と外側塗料供給路6とへは、第1濃色塗料供給通路18と淡色塗料供給通路9とを介して、濃色塗料と淡色塗料とが供給される。なお、2液同心型塗装ガン3への濃色塗料供給経路及び淡色塗料供給経路には、それぞれ濃色塗料及び淡色塗料の供給量すなわち吐出量を測定することができる吐出量測定器(図示せず)が取り付けられている。
【0055】
内側ノズル70及び外側ノズル71の外側には、これらを取り巻くようにして同心円状の噴霧エア供給ノズル72が配置されている。そして、噴霧エア供給ノズル72からやや離れた位置に、1対の補助エア供給ノズル73が設けられている。これらの補助エア供給ノズル73は、噴霧エア供給ノズル72のエア噴射方向と交差する方向にエアを噴射するようになっている。これにより、噴霧エア供給ノズル72のみでは円形になる塗料の噴射パターンが、細長い楕円状の噴射パターンとなる。前記のとおり、噴霧エア供給ノズル72及び補助エア供給ノズル73へは、第1エアニップル68(図3参照)と霧化エア霧化エア供給路74とを介して、エアーコンプレッサ等の圧力空気供給源(図示せず)から霧化エアが供給される。
【0056】
このように、2液同心型塗装ガン3においては、内側ノズル70と外側ノズル71とが同心円状に配置され、これにより濃色塗料と淡色塗料とが同時にかつ均等に噴霧される。そして、かかる該噴霧状態においては、両塗料の一部が互いに良好かつ確実に混合されるので、この構造は、均一な多彩色模様を形成する上で非常に好ましいものである。
【0057】
以下、2液同心型塗装ガン3による塗装方法と、該塗装において多彩色模様の塗膜、例えば自然石調の模様が形成されるメカニズムとを説明する。
図7に模式的に示すように、かかる塗装においては、2液同心型塗装ガン3の内側ノズル70から濃色塗料が噴射されて該濃色塗料は微細な濃色塗料粒子75a(図8参照)となる。これと同時に、外側ノズル71から淡色塗料が噴射されて該淡色塗料は微細な淡色塗料粒子75b(図8参照)となる。
そして、図8に示すように、多数の微細な濃色塗料粒子75aと、多数の微細な淡色塗料粒子75bとは、それぞれ、被塗物1(図1参照)の表面にランダムに積み重なって付着し、塗膜75を形成する。この塗膜75において、濃色塗料粒子75aが集中的に積み重なっている部分は、ほぼ濃色塗料と同一の色調となる。また、淡色塗料粒子75bが集中的に積み重なっている部分は、ほぼ淡色塗料と同一の色調となる。
【0058】
しかしながら、塗膜75においては、濃色塗料粒子75aと淡色塗料粒子75bとが適度に混在して積み重なっている部分が大半を占め、この部分は濃色塗料と淡色塗料の中間色の色調となる。そして、このような中間色の部分では、両塗料粒子75a、75bの混合形態に応じて明度が異なる模様調の色調となる。
例えば、図9に示すように、塗膜75上において、濃色塗料粒子75aからなる塗料層の上側又は下側に、3個の淡色塗料粒子75bが部分的に重なり合いながら付着しているとする。この場合、淡色塗料粒子75bが重なり合っていない領域R1〜R3すなわち1個の淡色塗料粒子75bのみが濃色塗料層に付着している領域は、明度の低い色調となる。そして、2個の淡色塗料粒子75bが重なり合っている領域R4〜R5は、領域R1〜R3よりは明度の高い中間的な明度の色調となる。また、3個の淡色塗料粒子75bが重なり合っている領域R7は、さらに明度が高い色調となる。つまり、この場合、塗膜75上には、明度の低い色調の領域R1〜R3と、中間的な明度の色調の領域R4〜R6と、明度の高い色調の領域R7とがランダムに散らばった模様が形成される。なお、このような中間色を基調とする模様の中に、実質的に濃色塗料のみで構成された濃色部分と、実質的に淡色塗料のみで構成された淡色部分とが少量存在する。
ここで、濃色塗料粒子75aと淡色塗料粒子75bの混じり具合を好ましく調整することにより、種々の模様を形成することができ、例えば黒っぽい模様部分と中間調の模様部分と白っぽい模様部分とが入り交じった自然石調の模様を表現することができる。
【0059】
以下、かかる2液同心型塗装ガン3による塗装において各種塗装条件を設定する際に留意すべき事項について説明する。
塗装条件のうち、霧化エアの圧力(霧化圧ないしは噴霧空気圧)を変えることにより、濃色塗料と淡色塗料の混合割合、すなわち被塗物1の被塗装面に形成される単独色部分と混合色部分との比率を変えることができる。この場合、霧化圧が高くなり過ぎると、両塗料が過度に混合され、単独色部分の形成が充分に行われず、多彩色模様が形成されにくい。逆に、霧化圧が低過ぎると、両塗料がほとんど混合されないので、混合色部分すなわちベースコート色部分が充分には形成されない。このような点を考慮し、要求される多彩色模様の仕上がり状態に応じて、霧化圧が適正値に設定される。なお、好ましい霧化圧は、後記のとおりである。
【0060】
濃色塗料及び淡色塗料の粘度(塗装粘度)によっても、被塗物1の被塗装面に形成される単独色部分と混合色部分との比率が変わり、粘度が低過ぎると両塗料が混合され過ぎて、多彩色模様が形成されにくくなる。他方、粘度が高くなり過ぎると両塗料の混合が不充分となり、混合色部分が形成されにくい。かくして、両塗料の粘度は、このような事情を考慮して適正値に設定される。なお、濃色塗料及び淡色塗料の好ましい粘度は、後記のとおりである。
【0061】
濃色塗料及び淡色塗料の吐出量は、塗膜の仕上がりに影響し、吐出量が多過ぎると、噴霧される塗料の微粒子化が損なわれやすく、被塗装面の平滑性が低下するなどして仕上がり外観が悪くなる傾向がある。他方、吐出量が少な過ぎると、塗装能率が悪くなり生産性が低下する。かくして、濃色塗料及び淡色塗料の吐出量は、これらの事情を考慮して適正値に設定される。なお、濃色塗料及び淡色塗料の好ましい粘度は、後記のとおりである。
【0062】
吐出量全体、すなわち内側ノズル70及び外側ノズルの総吐出量に対する各塗料の吐出量の比率(以下、これを単に「吐出量比率]という)によっても、多彩色模様の仕上がりが影響を受ける。例えば、混合色からなるベースコート色に、それぞれの単独色部分が部分的に模様として形成されるといった多彩色模様塗装を施す場合、両塗料の吐出量の差が大きいときほど、ベースコート色が吐出量の多い方の塗料の色に近くなり、各単独色部分による模様とのコントラストが弱くなる。とくに、吐出量の差が大き過ぎると吐出量の調整制御がむずかしくなり、仕上がりが単色による塗装あまり変わらなくなり、多彩色模様が形成されにくい。逆に、吐出量の差が小さいと、ベースコート色は両着色塗料の中間程度の色調色になり、両方の色とのコントラストが強くなる。したがって、同じ塗料の組み合わせでも、吐出量比率によって、多彩色模様の仕上がりが大きく変化する。吐出量比率の調整は、吐出量測定器で各塗料の吐出量を測定することによって、所望の吐出量比率に正確に設定することができる。なお、好ましい吐出量比率は、後記のとおりである。
【0063】
以下、かかる2液同心型塗装ガン3による塗装に用いられる塗料の性状を選定する際に留意すべき事項について説明する。
この塗装装置PSで使用される濃色塗料及び淡色塗料としては、互いに混合可能なものでありさえすればよく、適当な分散媒体(溶媒)に必要な色の着色顔料が分散された普通の着色塗料を使用することができる。ただし、該塗料は、基本的には、塗料同士が互いに混合可能なように比較的粘度の低い液状のものであるのが望ましい。
【0064】
具体的な着色顔料としては、酸化チタン、カーボンブラック、カドミウム赤、ベンガラ、モリブデン赤、酸化鉄、カドミウム黄、黄鉛、群青、紺青等の無機系顔料、あるいは、アゾ顔料、ニトロ顔料、レーキ顔料、フタロシアニン顔料等の有機系顔料を使用することができる。
【0065】
上記のような着色塗料のうちから色の異なるものを複数色選んでこれらを組み合わせて用いることになる。着色塗料の組み合わせ手法としては、色差の大小による組み合わせ、色相の違いによる組み合わせ、明度の違いによる組み合わせ等のうちの何れかひとつの属性、あるいは異なる複数の属性による差に基づく組み合わせのいずれをも用いることができる。
【0066】
例えば、色差の大小としては白と黒の組み合わせが考えられ、色差が大きくなるほど、仕上がりに、強いコントラストが生じる。明度が等しく色相が異なる組み合わせとしては、ピンクとスカイブルーの組み合わせ等が考えられ、この場合は、色相差による強いコントラストが生じる。色相が等しく明度が異なる組み合わせとしては、ピンクと赤の組み合わせ等が考えられ、この場合は、明度差によるコントラストであるので、仕上がった多彩色模様塗装は遠目には単色に見え、近寄って見ると模様が判るといった独特の外観を呈するものとなる。
【0067】
以下、前記の考察等に基づいて得られた、塗装装置PSないしは塗装機Pの好ましい仕様及び操作条件等を具体的に説明する。
塗装機Pの好ましい仕様ないしは操作条件は次のとおりである。
(塗装機の好ましい仕様等)
1.ガン距離h 250〜350mm
2.レシプロスピード 58〜68m/分
3.コンベアスピード 4.9〜5.9m/分
4.パターン幅w 250〜350mm
5.全吐出量(1ガン)250〜450cc/分
6.吐出量比率 4:6〜6:4
7.ガンピッチp 130〜170mm
8.霧化圧 0.30〜0.40kg/cm2
【0068】
なお、図10には、上記仕様におけるガン距離hとパターン幅wとガンピッチpとが模式的に示されている。なお、図10において、隣り合う2つの2液同心型塗装ガン3から被塗物1に噴射される塗料噴霧76は、dで示す範囲ではオーバーラップしている。これは、塗料噴霧76は、そのパターン中心部(ノズル直下)で塗料密度が最も高く、周辺部にゆくほど程塗料密度が低くなるので、隣り合う塗料噴霧76をある程度オーバーラップさせて、被塗物1への塗料付着量を均一化するためである。
【0069】
濃色塗料及び淡色塗料の好ましい仕様は次のとおりである。
(塗料の好ましい仕様)
1.粘度 23〜27秒:4号フォードカップ
2.顔料濃度 6〜10重量%
3.Ti値 4.5〜5.5
4.膜厚 170〜180g/m2
【0070】
図11は、塗料粘度を種々変えて塗膜の色差(ΔL及びΔE)を測定した結果を示すグラフであり、図12は霧化圧を種々変えて塗膜の色差(ΔL及びΔE)を測定した結果を示すグラフである。
かかる多彩色模様塗装においては、一般に色差ΔEがおおむね1.5以下にあるのが美観上好ましいものとされる。
そして、前記のとおり、この塗装装置PSでは、塗料粘度を23〜27秒に設定しているが、この範囲の塗料粘度においては、図11によれば色差ΔEは1.5ないしはこれより若干高い値にとどまっており、したがって塗料粘度をこのように設定することは、多彩色模様塗装の美観上好ましいことがわかる。
【0071】
また、前記のとおり、この塗装装置PSでは、霧化圧を0.30〜0.40kg/cm2に設定しているが、この範囲の霧化圧においては、図12によれば色差ΔEは1.0以下であり、したがって霧化圧をこのように設定することは、多彩色模様塗装の美観上好ましいことがわかる。
【0072】
以上、本発明にかかる塗装装置PSによれば、簡素な塗装工程で被塗物1に、良好な膜質ないしは色調の多彩色模様塗装を長時間にわたって安定して施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる塗装装置のシステム構成図である。
【図2】 図1に示す塗装装置に用いられる塗装機を模式的に示す斜視図である。
【図3】 2液同心型塗装ガンの一部断面正面図である。
【図4】 図3に示す2液同心型塗装ガンの平面図である。
【図5】 図3に示す2液同心型塗装ガンの先端部を模式的に示す下面図である。
【図6】 図5に示す2液同心型塗装ガンのA−A線断面図である
【図7】 図3に示す2液同心型塗装ガンのノズル部における塗料及びエアの流れを模式的に示す図である。
【図8】 被塗物表面に形成された、濃色塗料粒子と淡色塗料粒子とを含む塗膜を模式的にあらわした斜視図である。
【図9】 図8に示す塗膜の円Aで囲まれた部分における、濃色塗料と淡色塗料の混合形態を模式的に示す図である。
【図10】 塗装機の2液同心型塗装ガンの配置形態を模式的に示す図である。
【図11】 多彩色模様塗膜の色差の塗料粘度に対する依存性を示すグラフである。
【図12】 多彩色模様塗膜の色差の霧化圧に対する依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
PS…塗装装置、P…塗装機、1…被塗物、2…コンベア、3…2液同心型塗装ガン、4…エアコンビ塗装ガン、5…内側塗料供給路、6…外側塗料供給路、7…淡色塗料貯槽、8…淡色塗料、9(9a〜9c)…淡色塗料供給通路、10…淡色塗料用ポンプ、11…脈動緩衝用容積部、12…第1洗浄装置、13…淡色塗料循環機、14…淡色塗料還流通路、15…第2洗浄装置、16…第1濃色塗料貯槽、17…第1濃色塗料、18(18a〜18c)…第1濃色塗料供給通路、19…第1濃色塗料用ポンプ、20…脈動緩衝用容積部、21…濃色塗料循環機、22…第1濃色塗料還流通路、23…第2濃色塗料貯槽、24…第2濃色塗料、25…第2濃色塗料供給通路、26…第2濃色塗料用ポンプ、27…脈動緩衝用容積部、28…第2濃色塗料還流通路、29…淡色塗料タンク、30…淡色塗料、31…淡色塗料ポンプ、32…淡色塗料通路、33…塗料混合・洗浄装置、34…濃色塗料タンク、35…濃色塗料、36…濃色塗料ポンプ、37…濃色塗料通路、38…中間色塗料供給通路、40…塗装ガン支持部材、41…霧化エア供給通路、42…シリンダエア供給通路、70…内側ノズル、71…外側ノズル、72…噴霧エア供給ノズル、73…補助エア供給ノズル、74…霧化エア供給路、75…塗膜、75a…濃色塗料粒子、75b…淡色塗膜粒子、76…塗料噴霧。

Claims (16)

  1. 第1の塗料を吐出する内側ノズルと、該内側ノズルを取り囲むようにして同心状に配置され第2の塗料を吐出する外側ノズルとを有し、霧化エアにより第1及び第2の塗料を同時に噴射して、所定の方向に所定の速度で移動する被塗物に多彩色模様塗装を施す2液同心型塗装ガンを備えた塗装機と、
    第1塗料貯槽内に貯留された第1の塗料を、第1ポンプにより2液同心型塗装ガンの内側ノズルに供給する第1塗料供給系統と、
    上記第1ポンプから吐出された第1の塗料の吐出圧の脈動を抑制する第1脈動緩衝用容積部と、
    上記第1ポンプと上記2液同心型塗装ガンとの間の第1塗料供給系統に介設され、該第1塗料供給系統内の第1の塗料の一部を第1塗料貯槽に還流させるとともに内側ノズルへの第1の塗料の供給圧を一定化する第1塗料循環装置と、
    第2塗料貯槽内に貯留された第2の塗料を、第2ポンプにより2液同心型塗装ガンの外側ノズルに供給する第2塗料供給系統と、
    上記第2ポンプから吐出された第2の塗料の吐出圧の脈動を抑制する第2脈動緩衝用容積部と、
    上記第2ポンプと上記2液同心型塗装ガンとの間の第2塗料供給系統に介設され、該第2塗料供給系統内の第2の塗料の一部を第2塗料貯槽に還流させるとともに外側ノズルへの第2の塗料の供給圧を一定化する第2塗料循環装置とが設けられていて、
    上記2液同心型塗装ガンが、ノズル先端部と被塗物との間の距離が250〜350mmの範囲内にあるように配置され、
    上記2液同心型塗装ガンの塗料吐出量が両ノズル合計で250〜450cc/分の範囲内に設定されるとともに、内側ノズルの塗料吐出量と外側ノズルの塗料吐出量の比率が4:6〜6:4の範囲内に設定され、
    上記2液同心型塗装ガンの霧化圧が0.30〜0.40kg/cmの範囲内に設定され、
    上記2液同心型塗装ガンの塗料加圧圧力が0.5〜2.0kg/cm の範囲内に設定され、
    かつ、上記第1及び第2の塗料がそれぞれ、顔料濃度が6〜10重量%の範囲内にあり、4号フォードカップによる粘度が23〜27秒の範囲内にあり、かつ撹拌速度が6rpm及び60rpmである場合におけるチクソインデクス値が4.5〜5.5の範囲内にある塗料であることを特徴とする、多彩色模様塗装を施す塗装装置。
  2. 上記第1塗料循環装置が、第1塗料供給系統から分岐して第1塗料貯槽につながり、第1の塗料を重力で自然流下させる還流通路であり、
    上記第2塗料循環装置が、第2塗料供給系統から分岐して第2塗料貯槽につながり、第2の塗料を重力で自然流下させる還流通路であることを特徴とする、請求項1に記載された多彩色模様塗装を施す塗装装置。
  3. 上記塗装機に複数の2液同心型塗装ガンが備えられていて、該複数の2液同心型塗装ガンが、被塗物の移動方向に所定の間隔で配列され、
    かつ、上記塗装機が、被塗物の移動方向とは垂直な方向に所定の速度で往復移動するようになっていることを特徴とする、請求項1又は2に記載された多彩色模様塗装を施す塗装装置。
  4. 上記塗装機における複数の2液同心型塗装ガンの配列間隔が130〜170mmの範囲内にあり、かつ各2液同心型塗装ガンのパターン幅が250〜350mmの範囲内にあり、
    上記被塗物の移動速度が4.9〜5.9m/分の範囲内にあり、かつ上記塗装機の往復移動速度が58〜68m/分の範囲内にあることを特徴とする、請求項3に記載された多彩色模様塗装を施す塗装装置。
  5. 上記塗装機に、被塗物移動方向にみて2液同心型塗装ガンより上流側に、第1の塗料と第2の塗料とが混合されてなる混合色塗料を被塗物に先行塗装するエアレス型の塗装ガンが設けられていることを特徴とする、請求項3又は4に記載された多彩色模様塗装を施す塗装装置。
  6. 上記第1の塗料が濃色塗料であり、上記第2の塗料が淡色塗料であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載された多彩色模様塗装を施す塗装装置。
  7. 被塗物の塗膜の膜厚が170〜180g/mの範囲内に設定されることを特徴とする、請求項6に記載された多彩色模様塗装を施す塗装装置。
  8. 上記第1塗料供給系統及び第2塗料供給系統を、洗浄水で洗浄してエアパージを施す洗浄装置が設けられていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1つに記載された多彩色模様塗装を施す塗装装置。
  9. 第1の塗料を吐出する内側ノズルと、該内側ノズルを取り囲むようにして同心状に配置され第2の塗料を吐出する外側ノズルとを有する2液同心型塗装ガンを備えた塗装機を用いて、霧化エアにより第1及び第2の塗料を同時に噴射して、所定の方向に所定の速度で移動する被塗物に多彩色模様塗装を施す塗装方法であって、
    塗料貯槽内に貯留された第1の塗料をポンプにより2液同心型塗装ガンの内側ノズルに供給する一方、上記ポンプから吐出された第1の塗料の吐出圧の脈動を脈動緩衝用容積部により抑制し、
    上記ポンプと上記2液同心型塗装ガンとの間の塗料供給系統内の第1の塗料の一部を塗料循環装置により上記塗料貯槽に還流させるとともに内側ノズルへの第1の塗料の供給圧を一定化し
    塗料貯槽内に貯留された第2の塗料をポンプにより2液同心型塗装ガンの外側ノズルに供給する一方、上記ポンプから吐出された第2の塗料の吐出圧の脈動を脈動緩衝用容積部により抑制し、
    上記ポンプと上記2液同心型塗装ガンとの間の塗料供給系統内の第2の塗料の一部を塗料循環装置により上記塗料貯槽に還流させるとともに外側ノズルへの第2の塗料の供給圧を一定化し
    上記2液同心型塗装ガンを、そのノズル先端部と被塗物との間の距離が250〜350mmの範囲内にあるように配置し、
    上記2液同心型塗装ガンの塗料吐出量を両ノズル合計で250〜450cc/分の範囲内に設定するとともに、内側ノズルの塗料吐出量と外側ノズルの塗料吐出量の比率を4:6〜6:4の範囲内に設定し、
    上記2液同心型塗装ガンの霧化圧を0.30〜0.40kg/cmの範囲内に設定し、
    上記2液同心型塗装ガンの塗料加圧圧力を0.5〜2.0kg/cm の範囲内に設定し、
    かつ、上記第1及び第2の塗料としてそれぞれ、顔料濃度が6〜10重量%の範囲内にあり、4号フォードカップによる粘度が23〜27秒の範囲内にあり、かつ撹拌速度が6rpm及び60rpmである場合におけるチクソインデクス値が4.5〜5.5の範囲内にある塗料を用いることを特徴とする、多彩色模様塗装を施す塗装方法。
  10. 上記第1の塗料を、該塗料の供給系統から分岐する通路内を重力で自然流下させることにより塗料貯槽に還流させ、
    上記第2の塗料を、該塗料の供給系統から分岐する通路内を重力で自然流下させることにより塗料貯槽に還流させることを特徴とする、請求項9に記載された多彩色模様塗装を施す塗装方法。
  11. 上記塗装機に複数の2液同心型塗装ガンを設ける一方、該複数の2液同心型塗装ガンを、被塗物の移動方向に所定の間隔で配列し、
    かつ、上記塗装機を、被塗物の移動方向とは垂直な方向に所定の速度で往復移動させることを特徴とする、請求項9又は10に記載された多彩色模様塗装を施す塗装方法。
  12. 上記塗装機における複数の2液同心型塗装ガンの配列間隔を130〜170mmの範囲内に設定し、かつ各2液同心型塗装ガンのパターン幅を250〜350mmの範囲内に設定し、
    上記被塗物の移動速度を4.9〜5.9m/分の範囲内に設定し、かつ上記塗装機の往復移動速度を58〜68m/分の範囲内に設定することを特徴とする、請求項11に記載された多彩色模様塗装を施す塗装方法。
  13. 被塗物移動方向にみて2液同心型塗装ガンより上流側において上記塗装機にエアレス型の塗装ガンが設け、該塗装ガンにより、第1の塗料と第2の塗料とが混合されてなる混合色塗料を被塗物に先行塗装することを特徴とする、請求項11又は12に記載された多彩色模様塗装を施す塗装方法。
  14. 上記第1の塗料として濃色塗料を用い、上記第2の塗料として淡色塗料を用いることを特徴とする、請求項9〜13のいずれか1つに記載された多彩色模様塗装を施す塗装方法。
  15. 被塗物の塗膜の膜厚を170〜180g/mの範囲内に設定することを特徴とする、請求項14に記載された多彩色模様塗装を施す塗装方法。
  16. 上記第1の塗料の供給系統と上記第2の塗料の供給系統とを、適宜洗浄水で洗浄してエアパージを施すことを特徴とする、請求項9〜15のいずれか1つに記載された多彩色模様塗装を施す塗装方法。
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