JP2000233143A - 単頭スプレーガン及びこれを利用した塗装システム - Google Patents

単頭スプレーガン及びこれを利用した塗装システム

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JP2000233143A
JP2000233143A JP11034354A JP3435499A JP2000233143A JP 2000233143 A JP2000233143 A JP 2000233143A JP 11034354 A JP11034354 A JP 11034354A JP 3435499 A JP3435499 A JP 3435499A JP 2000233143 A JP2000233143 A JP 2000233143A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然石模様に近い塗装面を得る。 【解決手段】 単頭スプレーガン10は、中空で略円錐
台状のハウジング11と、ハウジング11に螺合された
非中空で略円柱状の塗料分配器21とを備えている。塗
料吐出口24a〜c、25a〜c、26a〜cは、エア
吹出し口31を中心とする同一円周上にほぼ等間隔に配
置され、エア吹出し口31よりも10〜50mmの範囲
で選定された所定高さだけ高い位置にて下向きに開口さ
れている。単頭スプレーガン10によれば、塗料が横向
きに吐出される場合に比べて、噴霧される前に混ざり合
うおそれが少ない。また、各塗料吐出口から吐出された
塗料は、比較的短い距離だけ落下したのちエア吹出し口
31からのエアにのって噴霧されるため、エアにのるま
での間に塗料同士が混ざり合うおそれが少ない。従って
各種塗料が独立した状態で噴霧され、天然石模様に近い
塗装面が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被塗装材に複数の
種類の塗料をスプレーするのに適した単頭スプレーガ
ン、及びこれを利用した塗装システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、予め合成樹脂と骨材からなる塗料
を所望の基材上に吹き付けることにより天然石模様を有
する建築物表面仕上げ用シートを製造しておき、建築現
場でこの建築物表面仕上げ用シートを建築物の所望部分
に貼り合わせることにより、建築物の表面仕上げを行う
方法が知られている。
【0003】例えば、特公平6−85909号公報に
は、図10(a)に示す連続吹付け用の単頭スプレーガ
ン90を用いて二種類の塗料A、Bを被塗装基材に吹き
付けることにより、天然石模様を有する建築物表面仕上
げ用シートを製造する方法が開示されている。この単頭
スプレーガン90は、側面に設けられた塗料吐出口91
a、92aに先端が二股に分かれた塗料供給チューブ9
3が接続され、同じく側面に設けられた塗料吐出口91
b、92bに先端が二股に分かれた塗料供給チューブ9
4が接続されている。各塗料供給チューブ93、94は
それぞれ異なる種類の塗料A、Bを単頭スプレーガン9
0に送り込むように構成されている。そして、各塗料吐
出口91a、91b、92a、92bから吐出された塗
料A、Bはエア吹出し口95から吹き出されるエアにの
って噴霧口96から噴霧される。
【0004】この単頭スプレーガン90の噴霧口96か
ら噴霧される塗料の集合体を模式的に表すと、図10
(b)のようになる。即ち、第1の塗料Aが第1象限と
第3象限の位置から、第2の塗料Bが第2象限と第4象
限の位置から噴出される。この結果、二種類の塗料A、
Bはあまり混合することなく、しかも近接して飛んで複
雑に入り組んだ状態で被塗装面に付着するため、天然石
模様とそっくりの模様を簡単に被塗装面に表出すること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の単頭スプレーガン90では、各塗料吐出口91
a、91b、92a、92bが側面に設けられているた
め、各塗料A、Bは単頭スプレーガン90の内部に横向
きに吐出されることになり、噴霧口96に至る前に各塗
料A、Bが混ざり合ってしまうことがあった。また、各
塗料吐出口91a、91b、92a、92bはエア吹出
し口95よりもかなり上方に設けられているため、各塗
料A、Bがエアの流れにのるまでの間に混ざり合ってし
まうこともあった。このため、天然石模様に近い塗装面
を得ることが難しかった。
【0006】また、噴霧口96はその周囲に塗料ミスト
が溜まりやすく塗料がたれ落ちることがあり、その改善
が望まれていた。更に、被塗装材に形成される仕上げ被
覆層をより一層天然石模様に近づけたいという要望もあ
った。更にまた、複数種類の塗料をスプレーした後に、
いずれかの塗料が他の塗料を埋もれさせてしまうような
ことにならないよう各塗料が均一に被塗装材に吹き付け
られるように配慮する必要もあった。
【0007】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、その目的は天然石模様に近い塗装面を得ることので
きる単頭スプレーガンを提供することにある。これに加
えて、別の目的は、塗料のたれ落ちを防止できたり、あ
るいは、より一層天然石模様に近い塗装を可能とした
り、あるいは、各種塗料をできるだけ均一に被塗装材に
吹き付けることを可能にしたりすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
を解決するため、本発明の単頭スプレーガンは、略逆円
錐台状で中空のハウジングと、前記ハウジングの下端即
ち略逆円錐台の小径側に設けられた塗料吹出し用の噴霧
口と、前記噴霧口に向かってエアを吹き出すエア吹出し
口と、前記エア吹出し口を中心とする同一円周上にほぼ
等間隔となるように配設された複数の塗料吐出口とを備
え、前記複数の塗料吐出口は、前記エア吹出し口よりも
10〜50mmの範囲で選定された所定高さだけ高い位
置にて下向きに開口されていることを特徴とする。
【0009】かかる単頭スプレーガンでは、複数の塗料
吐出口が下向きに開口されているため、各塗料はそれぞ
れ独立して下向きに吐出される。また、塗料吐出口はエ
ア吹出し口よりも所定高さだけ高い位置に設けられてい
るが、その所定高さは10〜50mmの範囲で適宜選定
されているため、塗料吐出口から吐出された塗料は比較
的短い距離だけ落下したのち、エア吹出し口から吹き出
されるエアにのって噴霧口から噴霧される。
【0010】かかる単頭スプレーガンによれば、各塗料
はそれぞれ独立して下向きに吐出されるため、塗料が横
向きに吐出される場合に比べて、噴霧される前に混ざり
合うおそれが少ない。また、各塗料吐出口から吐出され
た塗料は、比較的短い距離だけ落下したのちエア吹出し
口から吹き出されるエアにのって噴霧されるため、エア
にのるまでの間に塗料同士が混ざり合うおそれが少な
い。したがって、各種塗料が独立した状態で噴霧され、
天然石模様に近い塗装面が得られる。
【0011】前出の所定高さにつき、50mmを越える
と各塗料吐出口から吐出された塗料同士がエアにのるま
での間に混ざり合うおそれがあるので好ましくなく、1
0mmを下回るとエアによるミスト化が充分行われない
ので好ましくない。なお、10mmを下回った条件でミ
スト化を十分可能とするためには、ハウジングの塗料吐
出口をエア吹出し口に近づけたハウジング形状にするこ
とが考えられるが、そうすると塗料の流れの方向が急激
に変化するため、塗料同士が混ざり合ってしまうおそれ
があり、好ましくない。また、本発明の効果を顕著に得
るためには前出の所定高さは10〜30mmの範囲で選
定することが好ましい。
【0012】本発明において、前記エア吹出し口の周囲
は、前記ハウジングの略逆円錐台の側面と略平行に形成
されていることが好ましい。この場合、各塗料吐出口か
ら吐出される塗料は、エア吹出し口の周囲とハウジング
の略逆円錐台の側面とによって囲まれた空間を通るた
め、ハウジングの略逆円錐台の側面に沿って進み、エア
吹出し口から吹き出されるエアにのる。このように、各
塗料は、ハウジングの略逆円錐台の側面に沿って進むた
め、エアにのるまでの間に塗料同士が混ざり合うおそれ
が一層少なくなる。
【0013】また、本発明において、前記噴霧口の先端
周縁は、該先端周縁以外の部分よりも薄肉に形成されて
いることが好ましい。この場合、噴霧口の先端周縁に塗
料のミストが貯まりにくく、塗料のたれ落ちを効果的に
防止できる。更に、本発明において、前記複数の塗料吐
出口は、使用する塗料の種類の少なくとも3倍の数だけ
設けられ、且つ、前記円周の一方向に沿ってみたとき第
1の種類の塗料、第2の種類の塗料、…という順列で繰
り返されるように配置されていることが好ましい。この
場合、噴霧口から噴霧する塗料の集合体は各種類の塗料
が細かく分割されて集合された状態となるため、より天
然石模様に近くなる。
【0014】この単頭スプレーガン(請求項3記載のも
の)を利用した塗装システムとしては、使用する塗料の
種類が3種類である単頭スプレーガンと、前記単頭スプ
レーガンに対して被塗装材を所定の移動方向に移動させ
る被塗装材移動手段と、前記単頭スプレーガンを前記被
塗装材の移動方向と直交する方向へ往復動させる単頭ス
プレーガン往復動手段とを備え、前記単頭スプレーガン
は、ある塗料吐出口を基準吐出口としたとき、この基準
吐出口が前記移動方向の下流側に配置され、且つ、前記
基準吐出口の中心と前記エア吹出し口の中心を結んだ直
線が前記被塗装材の移動方向と略一致とするように配置
されていることが好ましい。なお、被塗装材としては例
えば布、合成樹脂シート、合成樹脂フィルム、木板、金
属板、石膏板などが挙げられる。
【0015】この場合、単頭スプレーガンは単頭スプレ
ーガン往復動手段によって往復動されつつその噴霧口か
ら3種類の塗料の集合体であるミストを噴霧し、一方、
被塗装材は被塗装材移動手段によって所定の移動方向に
移動されるため、単頭スプレーガンのうち移動方向の下
流側に位置する塗料吐出口から噴霧される塗料が塗装面
の最表面を形成することになる。ここで、基準吐出口が
移動方向の下流側(つまり被塗装材が移動していく側)
に配置され、その中心とエア吹出し口の中心を結んだ直
線が被塗装材の移動方向と略一致するように配置されて
いるため、基準吐出口及びこれと隣合う2つの吐出口の
合計3つの吐出口は単頭スプレーガンの往復方向に沿っ
て概ね一直線上に並ぶことになる。また、この3つの吐
出口からはそれぞれ別個の塗料が吐出される。このた
め、塗装の最表面は3種類の塗料がほぼ均一化されて噴
霧されて形成されることになり、出来上がった状態では
3つの塗料がほぼ均一に見える。
【0016】なお、本発明において、塗料の組成は特に
限定されないが、例えば建築物壁面用の吹付け材として
一般に使用されているもの、具体的には合成樹脂と骨材
を主成分とするものを用いることができる。合成樹脂と
しては、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル
系樹脂、塩化ビニル系樹脂などが例示され、水に分散さ
れた水性エマルジョンあるいは有機溶剤に溶解された樹
脂溶液の形態で用いられる。通常これらの合成樹脂エマ
ルジョンないし樹脂溶液は、合成樹脂固形分濃度が40
〜60重量%程度のものがよく用いられる。この合成樹
脂は、結合剤としての役割を果たすことが多い。骨材と
しては、砂、天然石、人工セラミックスの粉砕物などが
例示され、平均粒子径0.01〜2.0mm程度のもの
がよく用いられる。この骨材は必要に応じて種々に着色
して用いてもよい。これら種々の色調のものを組み合わ
せて各塗料吐出口から吐出させることにより、吹付け後
の外観を天然石に近いものを表現したり、あるいは天然
石にはない外観を表現したりすることが可能となる。合
成樹脂成分と骨材との混合割合は、特に限定されない
が、例えば重量割合で骨材100に対し、合成樹脂(固
形分重量)で約3〜20程度の範囲から適宜選択するこ
とが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態の単頭ス
プレーガンを分解したときの斜視図、図2は単頭スプレ
ーガンの正面図(破断面図)、図3は単頭スプレーガン
の塗料分配器の展開図である。
【0018】本実施形態の単頭スプレーガン10は、主
として、中空で略円錐台状のハウジング11と、このハ
ウジング11の大径側に螺合された非中空で略円柱状の
塗料分配器21とを備えている。ハウジング11は、そ
の下端即ち略円錐台の小径側に塗料ノズル12が差し込
まれている。この塗料ノズル12は耐磨耗性に優れるセ
ラミック製であり、その周囲に鍔部13を有している。
そして、塗料ノズル12は、ハウジング11の下端外周
に設けられたネジ溝に螺合された支持キャップ14によ
って、その鍔部13がハウジング11の下端面に押圧さ
れることにより、ハウジング11と一体化されている。
塗料ノズル12の厚みはハウジング11よりも薄く、特
に塗料吹き出し用の噴霧口15の先端周縁はその内周面
が面取りされて尖った形状に形成されている。つまり噴
霧口15の先端周縁はその他の部分よりも薄肉に形成さ
れている。
【0019】塗料分配器21は、防錆に優れるステンレ
ス製であり、軸中心に沿って上面から下面を貫くエア通
路22を有している。塗料分配器21の上面には、図示
しないエアポンプからエア通路22にエアを供給するた
めのジョイント部材23が設けられている。また、塗料
分配器21の下面には、このエア通路22に連通するエ
ア吹出し口31を有するエアノズル30が取り付けられ
ている。
【0020】エアノズル30は、エア吹出し口31の周
囲つまり先端部32がハウジング11の側面(略円錐台
の側面)と略平行に形成されている。また、エアノズル
30には、中心軸に沿ってエア吹出し口31の近傍に細
径のオリフィス33が形成されているが、このオリフィ
ス33より上流部分には広径のエア導入部34が形成さ
れ、このエア導入部34がエア通路22に連通するよう
に構成されている。
【0021】塗料分配器21は、その側面に9つの塗料
注入口24a〜c、25a〜c、26a〜cを備えてい
る。本実施形態では、上段、中段、下段の塗料注入口2
4a、24b、24cを1組として塗料分配器21の側
面に斜め方向に並んで設けられ、このような組が合計3
組設けられている。そして、上段に位置する3つの塗料
注入口24a、25a、26aは第1の種類の塗料Aを
注入するためのものであり、中段に位置する3つの塗料
注入口24b、25b、26bは第2の種類の塗料Bを
注入するためのものであり、下段に位置する3つの塗料
注入口24c、25c、26cは第3の種類の塗料Cを
注入するためのものである。各塗料A〜Cは合成樹脂と
骨材とを主成分とするものであり、本実施形態では第1
の種類の塗料Aは黒色、第2の種類の塗料Bは茶色、第
3の種類の塗料Cは白色である。各塗料注入口24a〜
c、25a〜c、26a〜cは塗料分配器21の内部に
て横向きから下向きに方向転換する塗料通路を経て下面
に設けられた塗料吐出口27a〜c、28a〜c、29
a〜cに連通している。
【0022】9個の塗料吐出口27a〜c、28a〜
c、29a〜cは、使用する塗料の種類(ここでは3種
類)の3倍の数だけ設けられ、エアノズル30のエア吹
出し口31を中心とする同一円周上にほぼ等間隔に配置
されている。そして、円周の一方向に沿ってみたとき、
各種類の塗料が所定の順列(ここでは第1の種類の塗料
A、第2の種類の塗料B、第3の種類の塗料Cという順
列)で繰り返されるように構成されている。これら9個
の塗料吐出口27a〜c、28a〜c、29a〜cは、
エアノズル30のエア吹出し口31よりも10〜50m
m、好ましくは10〜30mmの範囲で適宜選定された
所定高さ(ここでは18mm)だけ高い位置にて下向き
に開口されている。
【0023】なお、便宜上、塗料注入口24aから塗料
吐出口27aへ抜けるものを塗料A1、塗料注入口25
aから塗料吐出口28aへ抜けるものを塗料A2、塗料
注入口26aから塗料吐出口29aへ抜けるものを塗料
A3として説明するが、これらはいずれも同種の塗料A
である。また、塗料注入口24bから塗料吐出口27b
へ抜けるものを塗料B1、塗料注入口25bから塗料吐
出口28bへ抜けるものを塗料B2、塗料注入口26b
から塗料吐出口29bへ抜けるものを塗料B3として説
明するが、これらはいずれも同種の塗料Bである。更
に、塗料注入口24cから塗料吐出口27cへ抜けるも
のを塗料C1、塗料注入口25cから塗料吐出口28c
へ抜けるものを塗料C2、塗料注入口26cから塗料吐
出口29cへ抜けるものを塗料C3として説明するが、
これらはいずれも同種の塗料Cである。
【0024】次に、この単頭スプレーガン10の作用に
つき、この単頭スプレーガン10を利用した塗装システ
ム50により塗装を行う場合を例に挙げて説明する。図
4に示す塗装システム50において、軸芯51に巻回さ
れている不織布等の被塗装材52は、引き延ばされてロ
ーラ53により支持されると共に、図示しない搬送装置
(本発明の被塗装材移動手段)により所定の張力で引っ
張られている。この実施形態では、被塗装材52の移動
速度は0.5〜5m/分の範囲の所定速度に設定されて
いる。使用される3種類の塗料の混合物54が収容され
ているナイフコータ55は、ローラ53の上方位置に支
持され、被塗装材52の幅全体に対して前記塗料の混合
物54を所定の厚みで均一に塗布する。
【0025】レシプロケータ56(本発明の単頭スプレ
ーガン往復動手段)は、ナイフコータ55を通過したあ
との被塗装材52の上方位置に配置されている。摺動子
57は、一対のギヤ58、59間に掛け渡されたチェー
ン60に取り付けられ、被塗装材52の移動方向と直交
する方向に往復動するように構成されている。この実施
形態では、摺動子57は30〜100m/分の範囲の所
定速度で往復動される。
【0026】単頭スプレーガン10は、摺動子57に取
り付けられ、摺動子57と共に往復動するように構成さ
れている。単頭スプレーガン10の塗料注入口24a、
25a、26aはそれぞれ塗料供給用チューブを介して
第1の種類の塗料Aを蓄えた第1タンク61に接続さ
れ、第1タンク61から各塗料注入口24a、25a、
26aへの単位時間あたりの供給量はほぼ同じに設定さ
れている。また、塗料注入口24b、25b、26bは
それぞれ塗料供給用チューブを介して第2の種類の塗料
Bを蓄えた第2タンク62に接続され、第2タンク62
から各塗料注入口24b、25b、26bへの単位時間
あたりの供給量はほぼ同じに設定されている。更に、塗
料注入口24c、25c、26cはそれぞれ塗料供給用
チューブを介して第3の種類の塗料Cを蓄えた第3タン
ク63に接続され、第3タンク63から各塗料注入口2
4c、25c、26cへの時間あたりの供給量はほぼ同
じに設定されている。更にまた、塗料分配器21の上面
に設けられたジョイント部材23は、エア供給用チュー
ブを介して図示しないエアポンプ(エア圧1kg/cm
2)に接続されている。
【0027】単頭スプレーガン10は、図5(この図は
塗料分配器21の下端側を輪切りに切断して上から見た
もの)に示すように、特定の塗料吐出口ここでは塗料吐
出口27bを基準吐出口としたとき、この基準吐出口2
7bが被塗装材52の移動方向の下流側に配置され、且
つ、この基準吐出口27bの中心とエアノズル30のエ
ア吹出し口31の中心を結んだ直線Lが被塗装材の移動
方向と略一致するように配置されている。このとき、図
5にて2点鎖線で囲まれた塗料吐出口27a〜cは、被
塗装材52の移動方向の下流側にて単頭スプレーガン1
0の往復動方向に沿って略一直線上に並んでいる。
【0028】さて、この塗装システム50による塗装が
開始されると、図示しない搬送装置により所定速度で移
動方向に移動される被塗装材52は、まずナイフコータ
55によって薄い下地被覆層64が形成される。その
後、被塗装材52は、レシプロケータ56により所定速
度で移動方向と直交する方向に往復動される単頭スプレ
ーガン10によって、その下地被覆層64上に仕上げ被
覆層65が形成される。具体的には、各塗料A、B、C
は、各塗料吐出口27a〜c、28a〜c、29a〜c
からそれぞれ独立して下向きに吐出され、比較的短い距
離だけ落下したのちエア吹出し口31から吹き出される
エアにのって噴霧口15から噴霧され、仕上げ被覆層6
5を形成する。
【0029】単頭スプレーガン10は、図6に示すよう
に、レシプロケータ56によりスプレー領域SAが被塗
装材52の側縁よりも側方へ外れる位置まで移動され
る。このとき、被塗装材52の両側縁よりも側方へ噴霧
された余分な塗料は回収容器66により回収され、その
後ポンプ67を介してナイフコータ55に塗料混合物5
4として供給される。
【0030】この単頭スプレーガン10では、各塗料
A、B、Cはそれぞれ独立して下向きに吐出されるた
め、塗料が横向きに吐出される場合に比べて、噴霧され
る前に混ざり合うおそれが少ない。また、各塗料吐出口
27a〜c、28a〜c、29a〜cから吐出された塗
料は、比較的短い距離だけ落下したのちエア吹出し口3
1から吹き出されるエアにのって噴霧されるため、エア
にのるまでの間に塗料同士が混ざり合うおそれが少な
い。したがって、この単頭スプレーガン10によって形
成される仕上げ被覆層65は各種塗料がほぼ独立した集
合体として積層されたものであり、天然石模様に近い塗
装面が得られる。
【0031】また、各塗料吐出口27a〜c、28a〜
c、29a〜cから吐出される塗料は、エア吹出し口3
1の先端部32とハウジング11の略逆円錐台の側面と
によって囲まれた空間を通るため、ハウジング11の略
逆円錐台の側面に沿って進み、エア吹出し口31から吹
き出されるエアにのる。このように、各塗料A、B、C
は、ハウジング11の略逆円錐台の側面に沿って進むた
め、エアにのるまでの間に塗料同士が混ざり合うおそれ
が一層少なくなる。
【0032】更に、単頭スプレーガン10の噴霧口15
の先端周縁は、他の部分よりも薄肉に形成されているた
め、噴霧口15の先端周縁に塗料のミストが貯まりにく
く、塗料のたれ落ちを効果的に防止できる。更にまた、
単頭スプレーガン10のエアノズル30は広径のエア導
入部34を有しているため、塗料ミストが逆流してエア
吹出し口31が目詰まりするおそれが少ない。
【0033】そして、塗料吐出口27a〜c、28a〜
c、29a〜cは使用する塗料の種類の3倍の数だけ設
けられ、これらを円周の一方向に沿ってみたとき塗料
A、B、Cがこの順列で繰り返されるように配置されて
いる。このため、噴霧口15から噴霧する塗料の集合体
は各種類の塗料が細かく分割されて集合された状態、即
ち図7(a)に示すように各塗料吐出口27a〜c、2
8a〜c、29a〜cから吐出された塗料A、B、Cが
エア吹出し口31の中心から放射状に広がった状態にな
り、この塗料集合体によって形成される仕上げ被覆層6
5はより天然石模様に近くなる。
【0034】そしてまた、塗装システム50において
は、単頭スプレーガン10はレシプロケータ56によっ
て往復動されながらその噴霧口15から3種類の塗料の
集合体であるミストを噴霧し、一方、被塗装材52は図
示しない搬送装置によって所定の移動方向に移動される
ため、単頭スプレーガン10のうち移動方向の下流側に
位置する塗料吐出口27a〜cから噴霧される塗料A
1、B1、C1が塗装の最表面を形成することになる
(図7(b)参照)。ここで、図5に示すように、基準
吐出口27bとこの隣に位置する2つの吐出口27a、
27cの合計3つの吐出口は単頭スプレーガン10の往
復方向に沿ってほぼ一直線上に並んでおり、これら3つ
の吐出口からはそれぞれ別種類の塗料が吐出される。こ
のため、塗装の最表面は3種類の塗料A、B、Cがほぼ
均一化されて噴霧されて形成され、出来上がった状態で
は3つの塗料がほぼ均一化されて見える。
【0035】尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態
に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に
属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもな
い。例えば、上記実施形態では下地被覆層64を形成す
るためにナイフコータ55を用いたが、この代わりに周
知のロールコータやフローコータやブラシコータを用い
てもよい。あるいは下地被覆層64を形成する工程を省
略してもよい。
【0036】また、上記実施形態では基準吐出口27b
が移動方向の下流側に配置され、その中心とエア吹出し
口31の中心を結んだ直線Lが被塗装材52の移動方向
と一致するようにしたが、これに代えて、図8に示すよ
うに、基準吐出口27b(塗料B)とその隣の塗料吐出
口27a(塗料A)との中心同士を結ぶ線分の2等分線
L’が被塗装材52の移動方向と一致するようにしても
よい。この場合、塗料吐出口27a、27bがスプレー
ガン往復動方向に沿って一直線上に並ぶため、塗装の最
表面は第1及び第2の種類の塗料A、Bによって形成さ
れる。このため、第3の種類の塗料Cの分布が少ない模
様が得られる。
【0037】更に、上記実施形態では9個の塗料吐出口
27a〜c、28a〜c、29a〜cを一方向に沿って
みたとき塗料A、B、Cという順列で繰り返されるよう
に配置したが、これに代えて、隣合う塗料吐出口同士の
吐出する塗料の種類が異なる配置、例えば塗料A、B、
C、B、C、A、C、A、Bという配置にしてもよい。
この場合も、仕上げ被覆層65において各塗料は概ね均
一化される。但し、上記実施形態のように配置した方が
各塗料は一層均一化される。
【0038】更にまた、上記実施形態では3種類の塗料
A、B、Cを使用して各塗料ごとに3個の塗料吐出口を
設けたが、2種類の塗料A、Bを使用して各塗料ごとに
3個以上の塗料吐出口を設けて、複数の塗料吐出口を一
方向に沿ってみたときに塗料A、Bという順列で表れる
ように構成してもよい。この場合、2種類の塗料A、B
がほぼ均一化した仕上げ被覆層を得るためには、図9に
示すように、ある隣合う2つの塗料吐出口の中心同士を
結ぶ線分の2等分線L”が被塗装材の移動方向と一致す
るように構成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の単頭スプレーガンの分解斜視図
である。
【図2】 本実施形態の単頭スプレーガンの正面図(破
断面図)である。
【図3】 本実施形態の単頭スプレーガンの塗料分配器
の展開図である。
【図4】 本実施形態の塗装システムの斜視図である。
【図5】 本実施形態の単頭スプレーガンの塗料分配器
を輪切りにして上から見たときの断面図である。
【図6】 本実施形態の塗装システムにおける単頭スプ
レーガンの往復動の様子を表す説明図である。
【図7】 塗装状態の説明図であり、(a)は各塗料の
集合体の様子を表す説明図、(b)は塗装システムによ
り仕上げ被覆層が形成される様子を示す説明図である。
【図8】 他の実施形態の塗料分配器を輪切りにして上
から見たときの断面図である。
【図9】 他の実施形態の塗料分配器を輪切りにして上
から見たときの断面図である。
【図10】 従来技術の説明図である。
【符号の説明】
10・・・単頭スプレーガン、11・・・ハウジング、
12・・・塗料ノズル、15・・・噴霧口、21・・・
塗料分配器、24a〜c、25a〜c、26a〜c・・
・塗料注入口、27a〜c、28a〜c、29a〜c・
・・各塗料吐出口、30・・・エアノズル、31・・・
エア吹出し口、50・・・塗装システム、52・・・被
塗装材、55・・・ナイフコータ、56・・・レシプロ
ケータ、57・・・摺動子、64・・・下地被覆層、6
5・・・仕上げ被覆層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F033 AA01 QA01 QB03X QB12Y QB18 QD04 QD15 QE08 QE11 4F035 AA03 CB13 CD03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略逆円錐台状で中空のハウジングと、 前記ハウジングの下端即ち略逆円錐台の小径側に設けら
    れた塗料吹出し用の噴霧口と、 前記噴霧口に向かってエアを吹き出すエア吹出し口と、 前記エア吹出し口を中心とする同一円周上にほぼ等間隔
    となるように配設された複数の塗料吐出口とを備え、 前記複数の塗料吐出口は、前記エア吹出し口よりも10
    〜50mmの範囲で選定された所定高さだけ高い位置に
    て下向きに開口されていることを特徴とする単頭スプレ
    ーガン。
  2. 【請求項2】 前記エア吹出し口の周囲は、前記ハウジ
    ングの略逆円錐台の側面と略平行に形成されていること
    を特徴とする請求項1記載の単頭スプレーガン。
  3. 【請求項3】 前記複数の塗料吐出口は、使用する塗料
    の種類の少なくとも3倍の数だけ設けられ、且つ、前記
    円周の一方向に沿ってみたとき各種類の塗料が第1の種
    類の塗料、第2の種類の塗料、……という順列で繰り返
    されるように配置されていることを特徴とする請求項1
    又は2記載の単頭スプレーガン。
  4. 【請求項4】 使用する塗料の種類が3種類である請求
    項3記載の単頭スプレーガンと、 前記単頭スプレーガンに対して被塗装材を所定の移動方
    向に移動させる被塗装材移動手段と、 前記単頭スプレーガンを前記被塗装材の移動方向と直交
    する方向へ往復動させる単頭スプレーガン往復動手段と
    を備え、 前記単頭スプレーガンは、ある塗料吐出口を基準吐出口
    としたとき、この基準吐出口が前記移動方向の下流側に
    配置され、且つ、前記基準吐出口の中心と前記エア吹出
    し口の中心を結んだ直線が前記被塗装材の移動方向と略
    一致とするように配置されていることを特徴とする塗装
    システム。
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