JPH0643802Y2 - 写真感光材料シート包装体 - Google Patents

写真感光材料シート包装体

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JPH0643802Y2
JPH0643802Y2 JP1988097372U JP9737288U JPH0643802Y2 JP H0643802 Y2 JPH0643802 Y2 JP H0643802Y2 JP 1988097372 U JP1988097372 U JP 1988097372U JP 9737288 U JP9737288 U JP 9737288U JP H0643802 Y2 JPH0643802 Y2 JP H0643802Y2
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light
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、写真感光材料シートの積重体のうち、比較的
重量があり、コーナーカットがされていない写真感光材
料シートに適した包装体に関するものである。
〔従来の技術〕
光に感光するシート状写真感光材料(以後、写真感光材
料シートと表示)、例えばX線写真フィルム、ルスフィ
ルム、印画紙、平版印刷用感光材料(PS版と一般に呼
称)、感光性樹脂フィルム等のシート状の写真感光材料
を複数枚積重したものは、コーナーが鋭く、比較的重量
があるので、遮光袋で密封遮光した後板網等を用いた紙
箱等に収納して包装されていた。
また、写真感光材料シートフィルムでは、積重体をコの
字型等の保護当て紙で包み、遮光性包装袋に収納密封し
た後、更に板紙等を用いたケースに収納して包装されて
いた。
従来、写真感光材料シート用包装袋に用いられる積層フ
ィルムは、第13図及び第14図に示すようなものであっ
た。
第13図の積層フィルムは、金属層7の両側に、接着剤層
3、3を介して晒クラフト紙のフレキシブルシート5と
ポリエチレン樹脂系遮光性フィルム24aとを積層した層
構成である。
第14図の積層フィルムは、ポリエチレン樹脂系遮光性フ
ィルム24aに、金属薄膜9と二軸延伸熱可塑性樹脂フィ
ルム4からなる金属薄膜加工二軸延伸熱可塑性樹脂フィ
ルム10を接着剤層3を介して積層した構成である。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記の包装体では、保護当て紙、遮光性
包装袋、紙箱など全てのものから塵が発生して写真感光
材料シートの感光層に付着し、現像障害を生ずるため、
精密印刷用フィルム、精密設計図焼付け用フィルム、X
線フィルム、記念写真用フィルム(カットフィルム)等
では修正を多くする必要があり問題であった。
すなわち、遮光性包装袋は破袋やピンホールが発生し易
く、白灯下で表面塵の除去を行うと光カブリを発生する
ため、遮光性包装袋に入って写真感光材料シートを遮光
性の黒紙を内貼りした遮光性紙箱に入れたまま暗室に持
込み、目視検査ができない暗所で防湿性を有する完全遮
光袋を取り出さなければならなかった。従って、塵の除
去は充分に行えず写真感光材料シートの表面に塵が付着
し現像阻害を起こした。
また、破袋やピンホールによって光カブリの他に高温、
高湿、有害ガス等の条件下に保管されると写真感光材料
シートの感光度低下やガスカブリ、濃度低下等の写真性
能不良が発生して商品価値を大巾に低下させていた。
さらに、包装袋内の湿度が大気に連動して変化し、フィ
ルムの寸法変化を生ずるため精密設計図焼付け用フィル
ムやIC基板焼付け用原図フィルムとして用いることが出
来なかった。
本考案は、上記の問題の解決を計るものであって、防湿
性を有する完全遮光包装袋に用いる積層フィルムを、発
塵が少なく、破袋やピンホールの発生しないようにし、
防湿性を有する完全遮光包装袋表面の白灯下における除
塵を可能とすることにより、写真感光材料シートフィル
ム等の修正作業を減ずると共に光カブリを防止して商品
品質の低下を防ぎ、更に、精密設計図焼付け用フィル
ム、IC基板焼付け原図フィルム等の使用を可能とするこ
とを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は、上記記載の目的を達成するためになされたも
のであって、主としてブロッキングさせた多層共押出し
遮光インフレーションフィルムを用いた積層フィルムか
らなる防湿性を有する完全遮光袋を用い、更にこの防湿
性を有する完全遮光袋を、四隅の緩衝部材を介して直接
接触しない状態でケースに収納することにより解決した
ものである。
すなわち、本考案の写真感光材料シート包装体は、多数
枚の写真感光材料シートの積重体を、ブロッキング防止
性熱可塑性樹脂フィルムと、複数のブロッキング性熱可
塑性樹脂フィルムとを有し、このブロッキング性熱可塑
性樹脂フィルム同志が、接着剤層を介さずに直接ブロッ
キングにより積層した積層フィルムからなる、防湿性を
有する完全遮光袋に収納密封し、更にこの防湿性を有す
る完全遮光袋を四隅の緩衝部材を介して直接接触しない
状態でケースに収納したことを特徴として構成されてい
る。
上記ケース、写真感光材料シートを収めた防湿性を有す
る完全遮光袋を保護収納するためのものである。例えば
全体が薄い直方体とし、内箱(身)と蓋とで構成され
る。
ケースの材質は特に限定されるものではなく、写真感光
材料シート積重体のサイズと重量とによって使用に耐え
うるものであれば紙箱でもプラスチックケースでも良
い。発塵防止の点からすればプラスチックケースが好ま
しく、ケースを紙箱とした場合、箱の内側は表面強度の
大きい長繊維のパルプを用いた紙を内貼りするか、プラ
スチックフィルムや無塵紙等、低発塵性のフレキシブル
シートを内貼りして用いるのが好ましい。また、さらに
ケースにカーボンブラックや導電性物質を含有させる
と、塵の吸着防止やスタチック防止の点で好ましい。
ケースの内部には防湿性を有する完全遮光袋が収納され
ている。この時、緩衝部材を用いてケース内の包装袋の
動きを押え、破袋や写真感光材料シートのスリ傷、摩擦
カブリ故障、塵の発生防止を計ることも良い。緩衝部材
の充填は、ケース内での包装袋の縦、横方向の動きを小
さくできるように配置するのであれば、どのように充填
しても良く、包装袋の側面の全面にそって配置する必要
はなく、側面の一部、または隅部に充填して隅部または
側面に空間を設けると包装袋と取出しが容易となる。
緩衝部材は従来公知のもので良いが低発塵性のものが好
ましい。
本考案で使用される防湿性を有する完全遮光袋は、ブロ
ッキング防止性熱可塑性樹脂フィルムと複数のブロッキ
ング性熱可塑性樹脂フィルムとを有しブロッキング性熱
可塑性樹脂フィルム同志が接着剤層を介さずに直接ブロ
ッキングにより積層した積層フィルムからなる。
ブロッキング性熱可塑性樹脂フィルムは、押圧等により
容易にブロッキングするフィルムで、例えば、代表的な
フィルムとしては、密度0.925g/cm3以下の直鎖状低密度
ポリエチレン樹脂フィルムやメチルアクリレート及び/
又はエチルアクリレート含量が7重量%以上のエチレン
アクリル酸エステル樹脂フィルムや酢酸ビニル含量が5
重量%以上のエチレンビニル共重合体樹脂フィルムやエ
チレンアクリル酸共重合体樹脂やエラストマーフィルム
及びこれらの樹脂の2種類以上の混合樹脂フィルムや他
の樹脂との混合樹脂フィルム等が好ましい。
ブロッキング防止性熱可塑性樹脂フィルムは、ブロッキ
ングしにくいか又はブロッキングしないフィルムで、例
えば、密度が0.926g/cm3以上のポリエチレン樹脂フィル
ムや各種ブロッキング防止剤を含むポリオレフィン樹脂
フィルムや密度が0.940g/cm3以上の高密度ポリエチレン
樹脂フィルムを1.0重量%以上含む密度が0.925g/cm3
下の低密度ポリエチレン樹脂(含むL-LDPE樹脂)フィル
ム等であり、特に密度が0.926g/cm3以上のL-LDPE樹脂フ
ィルムと密度が0.940g/cm3以上の高密度ポリエチレン樹
脂を含むL-LDPE樹脂フィルムが物理強度が大きく、低コ
スト、ヒートシール適性が優れている点で好ましい。
積層フィルムは、ブロッキングした多層共押出し遮光イ
ンフレーションフィルムそのままで、またはブロッキン
グした多層共押出し遮光インフレーションフィルムに金
属薄膜加工二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム、フレキシブ
ルシート、発泡シート、金属層等を単独または重複して
積層したものでもよい。その構成は、ブロッキングした
多層共押出し遮光インフレーションフィルムが防湿性を
有する完全遮光袋の内側(感光シート側)に、その他の
積層成分は外側となるように構成されることが好まし
い。
金属薄膜加工二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムが最外層と
なる場合には、金属薄膜の破損を防止するため金属薄膜
を内側に、二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムを外側にして
積層される。ただし金属薄膜のうえに更にインフレーシ
ョンフィルムやフレキシブルシートが積層される場合は
この限りではない。
金属薄膜加工二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムを最外層と
する積層フィルムで、両者の間にフレキシブルシートま
たは発泡シートを有するものは物理強度が大きいので包
装袋での包装に必ずしも保護当て紙を用いる必要はな
い。また3層共押出しブロッキング積層フィルムでは、
中間にフレキシブルシート、発泡シートがなくても物理
強度が非常に大きいので保護当て紙を必ずしも必要とし
ない。
ブロッキングした多層共押出し遮光インフレーションフ
ィルムと金属薄膜加工二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムと
の積層フィルムに、更に二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム
の外側に接着剤層を介してフレキシブルシートを積層す
る場合、フレキシブルシートには1000ppm以下であれば
写真感光材料に有害な物質をそれぞれ含んでいても良
い。
写真感光材料に悪影響を及ぼす有害な物質の代表例を以
下に挙げる。
1.放射性物質および放射性物質を使用した物質 2.水銀およびその合金、水銀化合物または水銀を含む薬
剤 水銀、有機水銀剤、蛍光灯(破損時が問題) 3.シリコーン油、シリコーングリス 4.Na2S、H2S、Na2S2O3 5.鉛化合物 PbS、PbSO4 6.鉄およびその化合物 粉鉄、Fe2O3、FeO、FeCl3 7.銅およびその化合物 銅粉末、CuO、CuSO4、CuCl2 8.塩素化合物 9.ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド 10.蛍光物質 蛍光増白剤、蛍光塗料や蛍光染料を用いた故紙 ブロッキング防止性熱可塑性樹脂フィルム及びブロッキ
ング性熱可塑性樹脂フィルムは遮光性物質や酸化防止剤
およびその他の各種の添加剤を含有して遮光性およびそ
の他の特性を保有するようにすることが好ましい。
インフレーションフィルムのブロッキングは、多層共押
出しインフレーションフィルム法による多層共押出しイ
ンフレーションフィルムを形成する際、引取用ピンチロ
ールまたはピンチロールの前段及び/又は後段に新たに
設けた圧着ロール又は加熱ロール等でインフレーション
フィルムを圧着させて行う。
積層フィルムに使用される金属薄膜加工二軸延伸熱可塑
性樹脂フィルムとしては、二軸延伸熱可塑性樹脂フィル
ムにアルミニウム薄膜加工を施したアルミニウム真空蒸
着二軸分子配向熱可塑性樹脂フィルムが好ましく、なか
でもアルミニウム真空蒸着二軸延伸ナイロンフィルムか
らなるものが物理強度とガスバリヤ性が優れているので
特に好ましい。
また、積層フィルムに使用される金属層は、延性展性が
大きくて薄膜化が可能であり、箔や真空蒸着フィルムや
スパッタリングフィルム製造が容易でしかも安価なアル
ミニウムが好ましい。
積層フィルムに使用されるフレキシブルシートとして
は、前記写真感光材料に有害な各物質の含有量が1000PP
M以下である熱可塑性樹脂フィルム、例えば各種ポリエ
チレン樹脂、各種エチレン共重合体樹脂、各種ポリプロ
ピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン
樹脂、各種ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、各
種ポリエステル樹脂などの公知のフィルム、及びそれら
の変性樹脂のフィルムがある(中でも分子配向フィルム
や遮光性フィルムが好ましい)。また、エバールフィル
ム、セルローズアセテートフィルム、セロファン、ポリ
ビニルアルコール、各種の紙、不織布、合成紙等があ
る。特に好ましいフレキシブルシートは前記写真感光材
料に有害な物質の含有量が1000PPM以下の坪量が20〜400
g/m2地の各種の紙(中でも晒クラフト紙、中性各種クラ
フト紙、金属台紙、無塵紙、紙力増強紙、表面加工紙が
好ましい)である。
積層フィルムに使用される発泡シートは例えば各種ポリ
エチレン樹脂および各種ポリプロピレン樹脂、ポリブデ
ン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、またはエチレン系共
重合体樹脂、プロピレンを主成分とする共重合体樹脂、
ポリオレフィン架橋樹脂あるいはポリアミド樹脂等上述
の1または2種以上の混合樹脂、ポリウレタン、天然ゴ
ム(ゴムの原液ラテックスから製造されるスポンジ状の
もの)、SBR等の合成ゴム等を発泡剤を用いてシート状
に形成したものである。
本考案が効果的に適用しうる好ましい発泡シートは実質
的にポリオレフィン樹脂(変性・架橋樹脂等も含む)、
例えば、高密度、中密度、低密度の各種ポリエチレン樹
脂、直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、プロピレン・エチレン共重合体樹脂、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル
酸エステル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合
体樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂発泡シートである。
特に発泡ポリエチレンシート(発泡ポリエチレンペーパ
ー)と発泡ポリプロピレンシートがコスト、特性の点で
好ましい。発泡倍率は2〜50倍、好ましくは10〜30倍で
ある。
前記各種シートを積層して積層フィルムを形成するに
は、例えば熱接着法(熱板接着法、火炎処理接着法、熱
風加熱接着法、インパルス接着法、超音波接着法)、接
着剤による方法(湿式ラミネート法、乾式ラミネート
法、ホットメルトラミネート法、エクストルージョンラ
ミネート法、共押出しラミネート法)等が使われる。
接着剤の代表的なものとして、各種ポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂等のポリオレフィ
ン系熱可塑性樹脂熱溶融接着剤、エチレン−プロピレン
共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エ
チレン−エチルアクリレート共重合体樹脂等のエチレン
共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、ア
イオノマー樹脂等の熱可塑性樹脂熱溶融接着剤、その他
熱溶融型ゴム系接着剤等がある。また、溶液状接着剤と
しては、ウェットラミネート用接着剤があり、これには
合成樹脂エマルジョンを用いるエマルジョン型接着剤と
天然ゴム、合成ゴム等のゴムラテックスを用いるラテッ
クス型接着剤がある。一方、ドライラミネート用接着剤
としてポリウレタン接着剤等がある。その他、パラフィ
ンワックス、マイクロクリスタルワックス、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共
重合体をブレンドしたホットルトラミネート接着剤、感
圧接着剤、感熱接着剤等公知の接着剤を用いることがで
きる。
積層フィルムに遮光性を与える遮光性物質としては、各
層に混練または分散可能であって、可視光線および紫外
線等を透過させないものである。本考案に使用可能な遮
光性物質としては、各種カーボンブラック、グラファイ
ト、酸化鉄、亜鉛華、酸化チタン、クレー、アルミニウ
ム粉末、亜鉛粉末、鉄粉末、錫粉末、ニッケル粉末、ア
ルミニウムペースト、アルミニウム短繊維、炭酸カルシ
ウム、マイカ、硫酸バリウム、タルク、カドミウム系顔
料、弁柄、コバルトブルー、銅フタロシアニン系顔料、
モノアゾ又はポリアゾ系顔料、アニリンブラック等各種
の有機系顔料や無機系顔料等が挙げられる。
そして、この遮光性物質は0.1〜15.0重量%含まれるこ
とが好ましい。
0.1重量%未満では遮光性物質の添加効果(遮光性確
保、帯電防止等)は期待できず、混練経費分だけコスト
アップになる。
15.0重量%をこえるとポリエチレン樹脂系フィルムの物
理強度、特に引裂き強度や衝撃穴あけ強度が低下しヒー
トシール性が悪化して実用化困難である。
さらにフィルム表面の遮光性物質により写真感光材料シ
ートが汚染されたり遮光性物質がフィルム表面から離脱
して写真感光材料シートに付着する故障が多発して実用
化困難である。
一般には安価で写真感光材料に害を及ぼすことが少な
く、隠蔽力が大きく、導電性、酸化防止性の外、樹脂フ
ィルムに物理強度を与えるカーボンブラックが用いられ
る。カーボンブラックの中ではpHが5〜9、平均粒子径
が10〜120mμのものが好ましく、特にpHが6〜9、平均
粒子径が50μm以下のファーネスカーボンブラックが好
ましい。また、前記カーボンブラックなどの遮光性物質
に、波長100〜450mμに吸収域を有するベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤などの紫外線吸収剤を併用すれば、
遮光性はさらに向上するので好ましい。
積層フィルムの樹脂ヤケを防止するために、酸化防止剤
を添加することが好ましい。この酸化防止剤の代表的な
ものとしては、n−オクダデシル−3(3′,5′−ジ−
t−ブチル4′ヒドロキシフェニル)プロピオネート等
のフェノール系、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオ
ネート等の硫黄系、トリノフェニルフォスァイト、トリ
フェニルフォスァイト等の燐系などがある。特に、2,6
−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)や低揮発性
の高分子量フェノール型酸化防止剤(商品名Ireganox10
10,Ireganox1076,Ionox330,TopanolCA等)やジラウリル
チオジプロピオネートやジステアリルチオジプロピオネ
ートやジアルキルフォスフェート等の1つ以上、特に2
つ以上を併用するのが効果的である。
添加量は単独使用の場合でも2種以上の併用の場合でも
合計量が0.001〜2.0重量%が好ましい。添加量が0.001
重量%未満では添加効果がほとんどない。一方、添加量
が2.0重量%を越えると酸化、還元作用を利用する写真
感光材料に悪影響があり写真性能に異常が発生する場合
がある。このため酸化防止剤は着色故障やブツが発生し
ない最少量を添加するようにすることが好ましい。特に
好ましいのはフェノール系酸化防止剤であり、市販品と
してはチバガイギー社のイルガノックス各種と住友化学
(株)のSunilizerBHT,SumilizerBP-76,SumilizerWX-R,
SumilizerBP-101等がある。
また、カーボンブラック等と併用すると酸化防止作用効
果を相乗的に発揮する。
本考案で用いられる防湿性を有する完全遮光袋用の積層
フィルムや保護当て紙においては、そのいづれか1つ以
上に帯電防止剤を含有せしめることができる。帯電防止
剤を含有することにより、自動包装時の静電気の発生お
よび写真感光材料シートを袋から出し入れする時の静電
気の発生を予防し、自動包装適性および使用適性を向上
する。また、写真感光材料シートの輸送時などで生ずる
静電気による静電気かぶり(スタチックマーク)等の発
生を防止する。
帯電防止剤としては、アニオン系のものとしてアルキル
リン酸エステル、カチオン系のものとしてアルキルアミ
ノ誘導体、第4アンモニウム塩、両性のものとしてイミ
ダゾリン型金属塩、ノニオン系のものとしてポリオキシ
エチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等があ
り、具体的にはジオキシエチレンステアリン酸アミンや
アルキルアミン系滑剤例えば商品名エレクトロストリッ
パー、及びステアリン酸モノグリセリド等が好適に用い
られる。使用濃度は0.01〜1.0重量%であり、好ましく
は0.05〜0.5重量%である。
本考案で使用する保護当て紙は、写真感光材料に直接触
れるため写真感光材料に悪影響を及ぼさない材料か有害
物質含有量が1000PPM以下の材料でかつ、塵の発生の少
ない紙を用いる必要がある。
例えば前記の写真感光材料に悪影響を及ぼす物質のそれ
ぞれの含有量を1000PPM以下にするか、または無害化も
しくは無害化合物化した繊維長が3mm以上の各種紙(紙
力増強剤内添紙、樹脂ラミネート加工紙、ラテックス又
は樹脂含浸紙、樹脂又は変性デンプン又はPVA表面コー
ト紙、表面サイズ剤加工紙、合成紙、無塵紙、中性紙
(例えば特開昭58-147736号公報、特開昭58-174696号公
報、特開昭59-53799号公報、特開昭59-199900号公報、
特開昭60-59195号公報、特開昭60-185894号公報、特開
昭60-185899号公報、特開昭60-185900号公報、特開昭61
-55295号公報、特開昭61-138798号公報、特開昭61-1816
77号公報、実開昭62-179957号公報、USP2,785,067号明
細書、USP2,865,743号明細書、BritP1,373,788号明細書
等に記載されている。)やプラスチックシートを用いる
のが好ましい。また必要によっては、各種の添加剤、例
えば帯電防止剤や導電性物質を添加したものを用いるの
も良い。特に、安価で低発塵性である繊維長が3mm以上
であり、各種の紙力増強剤を含むpH4.5〜9で表面強度
がワックスNo.8A以上(JIS P 8129)のクラフト紙
(晒、半晒、未晒すべてを含む)や表面サイジング、ラ
テックス含浸、樹脂コート等を施した各種のクラフト紙
や故紙からなる板紙を用いた保護あて紙が良い。
これらの紙材料は前記ケースの内貼り紙としても好まし
く、積層フィルムに使用されるフレキシブルシートとし
ても好ましいものである。
〔作用〕
本考案では、包装袋に用いる防湿性を有する完全遮光袋
がブロッキング防止性熱可塑性樹脂フィルムと、複数の
ブロッキング性熱可塑性樹脂フィルムとを有し、このブ
ロッキング性熱可塑性樹脂フィルム同志が、接着剤層を
介さずに直接積層した積層フィルムを用いるため、破袋
やピンホールやカーリングを生じない。
〔実施例〕
本考案の写真感光材料シート包装体の一実施例を第1図
の(a)、(b)、(c)、(d)に基づいて説明す
る。
第1図の(a)、(b)、(c)、(d)は写真感光材
料シート包装体の製造経過を示す斜視図である。第1図
(a)は写真感光材料シート積重体20を示す斜視図、第
1図(b)はコの字状の保護当て紙21に挟んだ状態の斜
視図、第1図(c)は、包装紙の一部切欠いた斜視図、
第1図(d)は写真感光材料シート包装体の一部切欠い
た斜視図である。
これらの図において、符号20は写真感光材料シートの積
重体で、この積重体20は、(b)に示すように保護当て
紙21によって上下と一側面を包まれ、そして(c)に示
すように、防湿性を有する完全遮光袋11に入れられ最後
に(d)に示すように、ケース22に収納されて包装体が
完成する。
ケース22は全体が薄い直方体をしており、ケース本体16
とケース蓋15とで構成されている。そして、ケース本体
16の四隅に緩衝部材13…13が充填されて防湿性を有する
完全遮光袋11が収納され、防湿性を有する完全遮光袋11
の側面とケース本体16の側壁12との間に空間14が設けら
れている。
防湿性を有する完全遮光袋に用いられる積層フィルムの
構成を第2図から第12図に基づいて説明する。
第2図から第12図は、防湿性を有する完全遮光袋に用い
られる積層フィルムの層構成を示す部分断面図である。
第2図の積層フィルムは、外層が遮光性物質を含むブロ
ッキング防止性熱可塑性樹脂フィルム2a、内層が遮光性
物質を含むブロッキング性熱可塑性樹脂フィルム1aより
なる2層共押出し遮光インフレーションフィルム17a
を、ブロッキング性熱可塑性樹脂フィルム1a同志をブロ
ッキングさせて4層の積層構造とした遮光性積層フィル
ム18aと、金属薄膜9を二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム
4に薄膜加工した金属薄膜加工二軸延伸熱可塑性樹脂フ
ィルム10の二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム4側とを、接
着剤層3を介して積層し、更に金属薄膜9側にフレキシ
ブルシート5を接着剤層3を介して積層した9層よりな
る構成である。
第3図の積層フィルムは、遮光性積層フィルム18aと、
金属薄膜加工二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム10の金属薄
膜9との間に、発泡シート6を接着剤層3、3を介して
積層した9層よりなる構成である。
第4図の積層フィルムは、遮光性積層フィルム18aと、
金属薄膜加工二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム10の二軸延
伸熱可塑性樹脂フィルム4側とを、接着剤層3を介して
積層し、さらに金属薄膜9側と2層共押出し遮光インフ
レーションフィルム17aの遮光性物質を含むブロッキン
グ性熱可塑性樹脂フィルム1a側とを接着剤層3を介して
積層した10層よりなる構成である。
第5図の積層フィルムは、遮光性積層フィルム18aのみ
からなる本考案の基本構成である4層から成る積層フィ
ルムである。
第6図の積層フィルムは、遮光性積層フィルム18aとフ
レキシブルシート5との間に、接着剤層3、3を介して
金属層7を積層した8層よりなる構成である。
第7図の積層フィルムは、外層がブロッキング防止性熱
可塑性樹脂フィルム2、内層が遮光性物質を含むブロッ
キング性熱可塑性樹脂フィルム1aよりなる2層共押出し
遮光インフレーションフィルム17a′を、内層の1a同志
をブロッキングさせて4層の積層構造とした遮光性積層
フィルム18a′と、金属薄膜加工二軸延伸熱可塑性樹脂
フィルム10の金属薄膜9側とを接着剤層3を介して積層
し、さらに二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム4側に接着剤
層3を介してフレキシブルシート5を積層し、さらにま
たフレキシブルシート5の外側に接着剤層3を介して金
属薄膜加工二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム10を金属薄膜
9側で積層した12層よりなる構成である。
第8図の積層フィルムは、外層の遮光性物質を含むブロ
ッキング防止性熱可塑性樹脂フィルム2aと内層の遮光性
物質を含むブロッキング性熱可塑性樹脂フィルム1aとの
間に、中間層8を配置した3層共押出し遮光インフレー
ションフィルム19aを内層の1a同志をブロッキングさせ
て積層した遮光性積層フィルム18′aのみからなる6層
の構成である。
第9図の積層フィルムは、遮光性積層フィルム18aと、
金属薄膜加工二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム10の金属薄
膜9側とを接着剤層3を介して積層した9層よりなる構
成である。
第10図の積層フィルムは、遮光性フィルム18a2枚を接着
剤層3を介して積層した9層よりなる構成である。
第11図の積層フィルムは、遮光性積層フィルム18aと、
2層共押出しインフレーションフィルム17aの遮光性物
質を含むブロッキング性熱可塑性樹脂フィルム1a側と
を、接着剤層3を介して積層した7層よりなる構成であ
る。
第12図の積層フィルムは、遮光性物質フィルム18aと、
金属薄膜加工二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム10の金属薄
膜9との間にフレキシブルシートを接着剤層3、3を介
して積層した9層よりなる構成である。
本考案に用いられる防湿性を有する完全遮光袋は1重平
袋、1重平袋、1重ガゼット袋、2重ガゼット袋等公知
の各種の袋形式を採用することが可能である。又製袋の
方法も使用する積層フィルムの性質に応じて、ヒートシ
ール、溶断シール、インパルスシール、超音波シール、
高周波シールなど、従来公知のプラスチックフィルムの
シール方法を用いることが可能である。また適宜の接着
剤、粘着剤などを使用して製袋することも可能である。
次に本考案品I〜IV、従来品I、IIの特性を比較した実
験結果について説明する。
本考案品I 写真感光材料シート包装体の構成は第1図(d)に相当
し、防湿性を有する完全遮光袋の構成は第2図に相当す
る。
包装体は、四隅に緩衝部材(発泡ポリエチレンシート)
13…13が充填されたケース本体16の中に包装袋11が、ケ
ース側壁12との間の間隙10mmで収められ、蓋15で覆われ
ている。
防湿性を有する完全遮光袋の層構成中、2層共押出し遮
光インフレーションフィルム17aは、遮光性物質を含む
ブロッキング性熱可塑性樹脂フィルム1aが、メルトイン
デックス(以下MIと表示)が2.1g/10分、密度が0.920g/
cm3のエチレンと4メチルペンテン−1の共重合体樹脂9
6.8重量%と、ファーネスカーボンブラック3重量%、
酸化防止剤0.2重量%からなる厚さ20μmの遮光性L-LDP
E樹脂フィルムであり、遮光性物質を含むブロッキング
防止性熱可塑性樹脂フィルム2aが、MIが1.1g/10分、密
度が0.954g/cm3のHDPE樹脂22重量%、MIが2.1g/10分、
密度が0.920g/cm3のエチレンと4メチルペンテン−1の
共重合体樹脂75重量%、ファーネスカーボンブラック3
重量%からなる厚さ20μmの遮光性L-LDPE樹脂系フィル
ムである。遮光性積層フィルム18aは上記2層共押出し
遮光インフレーションフィルム17aを、ピンチロールの
圧着により内層の1a同志をブロッキングにより積層させ
た、厚さ80μmの4層構造の積層フィルムである。
金属薄膜加工二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム10は、厚さ
15μmの二軸延伸ナイロンフィルムに、厚さ400Åのア
ルミニウム真空蒸着を施したものである。フレキシブル
シート5は坪量73g/m2のクルパック紙である。接着剤層
3は、厚さ15μmのMIが5.1g/10分、密度が0.918g/cm3
のLDPE樹脂エクストルージョンラミネート接着剤層であ
る。
本考案品II 写真感光材料シート包装体の構成は第1図(d)に相当
し、防湿性を有する完全遮光袋の構成は第3図に相当す
る。
包装体は本考案品Iと同様である。
防湿性を有する完全遮光袋の層構成中、遮光性積層フィ
ルム18aは本考案Iと同一である。発泡シート6は、厚
さ500μmの架橋ポリエチレン発泡シートである。金属
薄膜加工二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム10は、厚さ12μ
mの二軸延伸ポリエステルフィルムに、厚さ400Åのア
ルミニウム真空蒸着を施したものである。
接着剤層3は本考案品Iと同一である。
本考案品III 写真感光材料シート包装体の構成は第1図(d)に相当
し、防湿性を有する完全遮光袋の構成は第4図に相当す
る。
包装体は本考案品Iと同様である。
防湿性を有する完全遮光袋の層構成中、遮光性積層フィ
ルム18a、金属薄膜加工二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム1
0及び接着剤層3は本考案品Iと同一である。
外側に単独で積層した2層共押出し遮光インフレーショ
ンフィルム17aは、遮光性物質を含むブロッキング性熱
可塑性樹脂フィルム1aが、MIが2.1g/10分、密度が0.920
g/cm3のエチレンと4メチルペンテン−1の共重合体95.
1重量%、ブロッキング防止剤として合成シリカ0.2重量
%、ファーネスカーボンブラック4.5重量%、酸化防止
剤0.2重量%からなる厚さ35μmの遮光性L-LDPE樹脂系
フィルムであり、遮光性物質を含むブロッキング防止性
熱可塑性樹脂フィルム2aは、本考案品Iと同一樹脂組成
の厚さ35μmの遮光性L-LDPE樹脂系フィルムである。
本考案品IV 写真感光材料シート包装体の構成は第1図(d)に相当
し、防湿性を有する完全遮光袋の構成は第5図に相当す
る。
包装体は本考案品Iと同様である。
防湿性を有する完全遮光袋の層構成中、遮光性積層フィ
ルム18aは、遮光性物質を含むブロッキング性熱可塑性
樹脂フィルム1aおよび遮光性物質を含むブロッキング防
止性熱可塑性樹脂フィルム2aの樹脂組成は本考案品Iと
同一であるが、厚さがそれぞれ30μmとしたため、120
μmの厚さの4層構造の遮光性積層フィルムである。
従来品I 写真感光材料シート包装体の構成は緩衝部材を用いずに
直接ケースに収納したもので、防湿性を有する完全遮光
袋の構成は第14図に相当する。
包装体は、包装袋11があまり移動しないように、包装袋
11とケース側壁12との間を10mmとなるようにした。
防湿性を有する完全遮光袋の層構成中、金属薄膜加工二
軸延伸熱可塑性樹脂フィルム10は、厚さ20μmの二軸延
伸ポリプロピレンフィルムのフレキシブルシートに金属
薄膜9として厚さ400Åのアルミニウム真空蒸着を行っ
たものである。遮光性物質を含むポリエチレン樹脂系遮
光性フィルム24aは、カーボンブラック3重量%を含有
する厚さ100μmのLDPE樹脂(DFD-0111、MIが2.4g/10
分、密度が0.923g/cm3、日本ユニカー(株)製)フィル
ムである。接着剤層3は本考案Iと同一のLDPE樹脂エク
ストルージョンラミネート接着剤層である。
従来品II 写真感光材料シート包装体の構成は緩衝部材を用いずに
直接ケースに収納したもので、防湿性を有する完全遮光
袋の層構成は第13図に相当する。
包装体は包装袋11とケース側壁12との間を10mmとした。
防湿性を有する完全遮光袋の層構成中、金属箔層7は厚
さ7μmのアルミニウム箔であり、フレキシブルシート
5は坪量35g/m2の晒クラフト紙である。接着剤層3は本
考案品Iと同一であるが、厚さは40μmのLDPE樹脂エク
ストルージョンラミネート接着剤層である。遮光性物質
を含むポリエチレン樹脂系遮光性フィルム24aは、カー
ボンブラック3重量%を含む厚さ90μmのLDPE樹脂フィ
ルムである。
いずれの場合も防湿性を有する完全遮光袋で密封包装す
る写真感光材料シートとしては工業用リスフィルム(寸
法は横が508mm×縦が610mm)を50枚積重したものを用い
た。
実験結果を第1表に示す。
評価は下記による。
◎…非常に優れている ○…優れている ●…可(実用限度内) ▲…問題あり(改良必要) ×…実用不可 ※A包装袋の防塵性 各包装袋を用いた写真感光材料シート包装体3個を一つ
の段ボール箱に入れ、小田原−大阪間を輸送後、各包装
体を段ボール箱から取り出して包装袋表面に付着した塵
の量より判定した。
※B包装袋の破袋強度 各包装袋を用いた写真感光材料シート包装体3個を一つ
の段ボール箱に入れ、小田原−大阪間を輸送後、各包装
体を段ボール箱から取り出して2万Luxの蛍光灯下に8
時間放置した後暗室内で写真感光材料シートを取り出
し、現像して未露光現像品と比較し、光によるかぶりの
有無と程度を判定した。
※C明室下除塵作業後写真処理品の品質レベル 各包装袋を用いた写真感光材料シート包装体3個を一つ
の段ボール箱に入れ、小田原−大阪間輸送後蛍光灯下で
紙箱から各包装体を段ボール箱から取り出し包装袋の表
面に付着している塵をバキュームで除去後暗室内で包装
袋を開封して写真処理した後の光カブリ、塵付着、スリ
キズ等の品質レベルより判定した。
※D写真感光材料シートの寸法精度 寸法を横508mm×縦610mmに裁切断したシート状写真感光
材料(工業用リスフィルム)を各包装袋に収納密封した
後写真感光材料シート包装体3個を一つの段ボール箱に
入れ、小田原−大阪間輸送テストしたものを35℃,85%
の部屋に1ヶ月保管した後の寸法変化により判定した。
※Eカーリング テストすべき積層フィルムで直径10cmの円形の試料を作
成し、温度20℃、湿度65%の雰囲気中で一枚宛無荷重で
平板上に24時間放置した後、両端面の長さlを求め、10
-l(cm)として測定した値から判定した。
※Fヒートシール性 ヒートシール強度、ホットタック性、夾雑物シール性、
経時ヒートシール強度、ヒートシール可能許容温度範囲
等のトータルヒートシール適性から判定した。
〔考案の効果〕
本考案は以上のように構成したので、ケースと防湿性を
有する完全遮光袋との間の空間に手を入れることができ
るので防湿性を有する完全遮光袋を簡単に取り出すこと
が可能になるとともに、ケース内の包装袋には破袋やピ
ンホールが発生せず、従って明室下でケースから防湿性
を有する完全遮光袋で密封した写真感光材料シートを取
出しても光カブリによる品質故障を起こすことがない。
また密封が保たれているため湿度や有害ガスによる写真
感光材料シートの寸度変化や品質の劣化がなく、またさ
らに完全な遮光性が確保できるので、明室下で包装袋表
面の塵を除去した後、暗室内に持ち込み、写真処理を行
うことができるため塵による現像障害が無く、精密機械
や精密部品、金型、IC基板等の精密を要する焼付け用原
図フィルム等にも使用が可能となる。又従来の写真感光
材料シート包装体では必須であった保護当て紙を用いな
くても破袋やピンホールの発生を防止することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、(b)、(c)、(d)は、本考案写真
感光材料シート包装体の包装過程と構造を示す図であ
る。(a)は写真感光材料シート積重体を示す斜視図、
(b)は保護当て紙に包んだ斜視図、(c)は包装袋構
造を示す一部切欠いた斜視図、(d)は包装体構造を示
す一部切欠いた斜視図である。 第2図〜第12図は本考案の写真感光材料シート包装体に
用いる積層フィルムの断面図、第13図、第14図は、従来
例の写真感光材料シート包装体に用いる積層フィルムの
断面図である。 1、1a…ブロッキング性熱可塑性樹脂フィルム 2、2a…ブロッキング防止性熱可塑性樹脂フィルム 11…防湿性を有する完全遮光袋 13…緩衝部材 18a…積層フィルム 22…ケース a…遮光性物質を含むことを示す

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数枚の写真感光材料シートの積重体を、
    ブロッキング防止性熱可塑性樹脂フィルムと、複数のブ
    ロッキング性熱可塑性樹脂フィルムとを有し、このブロ
    ッキング性熱可塑性樹脂フィルム同志が、接着剤層を介
    さずに直接ブロッキングにより積層した積層フィルムか
    らなる、防湿性を有する完全遮光袋に収納密封し、更に
    この防湿性を有する完全遮光袋を四隅の緩衝部材を介し
    て直接接触しない状態でケースに収納してなる写真感光
    材料シート包装体
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