JPH0643583B2 - 乳酸誘導体を含む液晶組成物および液晶素子 - Google Patents

乳酸誘導体を含む液晶組成物および液晶素子

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JPH0643583B2
JPH0643583B2 JP61203983A JP20398386A JPH0643583B2 JP H0643583 B2 JPH0643583 B2 JP H0643583B2 JP 61203983 A JP61203983 A JP 61203983A JP 20398386 A JP20398386 A JP 20398386A JP H0643583 B2 JPH0643583 B2 JP H0643583B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は新規な乳酸誘導体を含有する液晶組成物および
該液晶組成物を使用する液晶素子に関するものである。
背景技術 従来の液晶素子としては、例えばエム・シャット(M.Sc
hadt)とダブリュー・ヘルフリヒ(W.Helfrich)著、”
アプライド、フィズィクス、レターズ”18巻4号(”
Applied Physics Letters”、Vol.18,No.4)
(1971.2.15)、P.127〜128の「捩れネマチック液晶
の電圧依存光学挙動」(” Voltage-Dependent Optica
l Activity of a Twisted Nematic Liquid Crystal”)
に記載されたTN(ツイステッド・ネマチック)液晶を
用いたものが知られている。しかしながら、このTN液
晶は、画素密度を高くしたマトリクス電極構造を用いた
時分割駆動の時、クロストークを発生する問題点がある
ため、画素数が制限されていた。また、電界応答が遅く
視野角特性が悪いためにディスプレイとしての用途は限
定されていた。
更に、各画素に薄膜トランジスタによスイッチング素子
を接続し、各画素毎をスイッチングする方式の表示素子
が知られているが、基板上に薄膜トランジスタを形成す
る工程が極めて煩雑な上、大面積の表示素子を作成する
ことが難しい問題点がある。
このような従来型の液晶素子の欠点を改善するものとし
て、双安定性を有する液晶素子の使用が、クラーク(Cl
ark)およびラガウエル(Lagerwall)により提案されて
いる(特開昭56−107216号公報、米国特許第4367924号
明細書等)。双安定性を有する液晶としては、一般に、
カイラルスメクティックC相(SmC)又はH相(S
mH)を有する強誘電性液晶が用いられる。
この強誘電性液晶は自発分極を有するために非常に速い
応答速度を有する上にメモリー性のある双安定状態を発
現させることができさらに視野角特性もすぐれているこ
とから大容量大画面のディスプレイとして適している。
発明の目的 本発明は上記の点に鑑みなされたものである。本発明は
液晶状態の制御に有用な乳酸誘導体を含む液晶組成物な
らびに該液晶組成物を使用する液晶素子を提供すること
を目的とする。
発明の概要 すなわち、本発明は、一般式(I) (ただし、Rは炭素数1〜18のアルキル基、Cは光
学活性な不斉炭素原子を示す。Rは炭素数4〜18の
アルキル基またはアルコシキ基を示し、mおよびnは1
または2を示す。) で表わされる光学活性な乳酸誘導体を少なくとも1種類
配合成分として含有する液晶組成物ならびに該液晶組成
物を使用する液晶素子を提供するものである。
発明の具体的説明 本発明にしたがい、前記式(I)の乳酸誘導体を製造す
る方法を説明する。
まず出発原料として、光学活性な2−アルコキシ−1−
プロパノールを用いる、このような光学活性な2−アル
コキシ−1−プロパノールは例えば特願昭60−176
938に示すように光学活性な乳酸エチルエステルから
容易に合成することができる。次いで特願昭60−24
5709に記載の方法、すなわち次の反応工程式に示す
方法で、一般式(II) で示される乳酸誘導体が合成される。
すなわち、Rがアルコキシ基である化合物[上記式
(a)の化合物]を合成するには、乳酸エステルと炭化
水素ヨウ化物とをAgO存在下に反応させることによ
り得られる。この場合、乳酸エステルと炭化水素を容器
に入れて混合しておき、この混合物中にAgOを添加
する方法が好ましい。
さらに上記式(b)の化合物を合成するには、上記式
(a)の化合物をLiAlHの如き還元剤を作用せし
める方法がとられる。
更に、OH基をハロゲン原子に置換する場合には、上記
式(b)の化合物にPBr、SOCl、PCl
如きハロゲン化剤を作用せしめる方法が採用される。ま
たトシル化する場合には、p−トルエンスルホン酸クロ
ライドを上記式(b)の化合物に作用せしめる方法がと
られる。
このようにして得られた上記式(c)(d)(e)の化
合物をアルカリ条件下にてp−ハイドロキシ安息香酸、
p−ハイドロキシビフェニルカルボン酸と反応させるこ
とにより一般式(II)で示される乳酸誘導体を得ること
ができる。
上記反応式におけるRIは炭素数の広い範囲にわたって
選択することが可能であり、具体的にはヨードブタン、
ヨードペンタン、ヨードヘキサン、ヨードヘプタン、ヨ
ードオクタン、ヨードノナン、ヨードデカン、ヨードウ
ンデカン、ヨードドデカン、ヨードトリデカン、ヨード
テトラデカン、ヨードペンタデカン、ヨードヘキサデカ
ン、ヨードヘプタデカン、ヨードオクタデカン、ヨード
ノナデカン、ヨードエイコサン等の直鎖状飽和炭化水素
ヨウ化物;2−ヨードブタン、1−ヨード2−メチルプ
ロパン、1−ヨード−3−メチルブタン等の分岐状飽和
炭化水素ヨウ化物;ヨードベンジン、ヨードフェナシ
ル、3−ヨード−1−シクロヘキセン等の環状不飽和炭
化水素ヨウ化物;ヨードシクロペンタン、ヨードシクロ
ヘキサン、1−ヨード−3−メチルシクロヘキサン、ヨ
ードシクロヘプタン、ヨードシクロオクタン等の環状飽
和炭化水素ヨウ化物がある。
前記一般式(II)に示される光学活性な乳酸誘導体を用
い次に示す反応工程により一般式(I)で示される液晶
性の乳酸誘導体を得ることができる。
本発明の液晶組成物は、上記一般式(I)で表わされ
る、乳酸誘導体を少なくとも1種類配合成分として含有
するものである。
上記組成物のうち下式(1)〜(13)に代表して示さ
れるような強誘電性液晶を配合成分とするものは、自発
分極を増大させることが可能でありさらに粘度を低下さ
せる効果とあいまって応答速度を改善することができ好
ましい。このような場合には一般式(I)で示される本
発明の乳酸誘導体を、得られる液晶組成物の0.1〜9
9重量%、特に1〜90重量%となる割合で使用するこ
とが好ましい。
(1) 4−オクチルオキシ安息香酸フェニルエステル 4′−(2−メチルブチルオキシ) (2) 4−ノニルオキシ安息香酸フェニルエステル 4′−(2−メチルブチルオキシ) (3) 4−デシルオキシ安息香酸フェニルエステル 4′−(2−メチルブチルオキシ) (4) 4−ウンデシルオキシ安息香酸フェニルエステル 4′−(2−メチルブチルオキシ) (5) 4−ドデシルオキシ安息香酸フェニルエステル 4′(2−メチルブチルオキシ) (6) P−デシロキシベンジリデン−P′−アミノ−2− −メチルブチルシンナメート(DOBAMBC) (7) 4,4′−アゾキシシンナミックアシッド−ビス(2−
メチルブチル)エステル (8) 4−o−(2−メチル)−ブチルレゾルシリデン−4′
−オクチルアニリン(MBRA 8) (9) 4−(2′メチルブチル)フェニル−4′ オクチルオキシビフェニル−4−カルボキシレート (10) 4−ヘキシルオキシフェニル−4−(2″−メチルブチ
ル) ビフェニル−4′−カルボキシレート (11) 4−オクチルオキシフェニル−4−(2″−メチルブチ
ル) ビフェニル−4′−カルボキシレート (12) 4−ヘプチルフェニル−4−(4″−メチルヘキシル) ビフェニル−4′−カルボキシレート (13) 4−(2″−メチルブチル)フェニル−4−(4″−メ
チルヘキシル) ビフェニル−4′−カルボキシレート また下式1)〜5)で示されるようなそれ自体はカイラ
ルでないスメクチック液晶に配合することにより強誘電
性液晶として使用可能な組成物が得られる。
この場合、一般式(I)で示される本発明の乳酸誘導体
を得られる液晶組成物の0.1〜99重量%、特に1〜
90重量%で使用することが好ましい。
1) (4−ノニルオキシフェニル)−4′−オクチルオキシ
ビフェニル−4−カルボキシレート 2) 4,4′−デシルオキシアゾキシベンゼン 3) 2−(4′−ヘキシルオキシフェニル)−5−(4−ヘ
キシルオキシフェニル)ピリミジン 4) 2−(4′−オクチルオキシフェニル)−5−ノニルピ
リミジン 5) 4′−ペンチルオキシフェニル−4−オクチルオキシベ
ンゾエート ここで、記号は、それぞれ以下の相を示す。
Cryst.:結晶相、SmA:スメクチックA相、 SmB:スメクチックB相、SmC:スメクチックC相、 N :ネマチック相、Iso.:等方相。
また、上記一般式(I)の乳酸誘導体は、ネマチック液
晶に添加することにより、TN型セルにおけるリバース
ドメインの発生を防止することに有効である。
この場合、式(I)の乳酸誘導体をネマチック液晶に添
加することにより得られる液晶組成物の0.01〜50
重量%の割合で式(I)の乳酸誘導体を使用することが
好ましい。
またネマチック液晶もしくはカイラルネマチック液晶に
添加することにより、カイラルネマチック液晶として、
相転移型液晶素子やホワイト・テイラー形ゲスト・ホス
ト型液晶素子に液晶組成物として使用することが可能で
ある。
第1図は、強誘電性液晶の動作説明のために、セルの例
を模式的に描いたものである。11aと、11bは、そ
れぞれIn、SnOあるいはITO(Indium-T
in Oxide)等の薄膜からなる透明電極で被覆された基板
(ガラス板)であり、その間に液晶分子層12がガラス
面に垂直になるよう配向したSmC相又はSmH
の液晶が封入されている。太線で示した線13が液晶分
子を表わしており、この液晶分子13はその分子に直交
した方向に双極子モーメント(P)14を有してい
る。基板21と11b上の電極間に一定の閾値以上の電
圧を印加すると、液晶分子13のらせん構造がほどけ、
双極子モーメント(P)14がすべて電界方向に向く
よう、液晶分子13は配向方向を変えることができる。
液晶分子13は、細長い形状を有しており、その長軸方
向と短軸方向で屈折率異方性を示し、従って例えばガラ
ス面の上下に互いにクロスニコルの偏光子を置けば、電
圧印加極性によって光学特性が変わる液晶光学変調素子
となることは、容易に理解される。
本発明の光学変調素子で好ましく用いられる液晶セル
は、その厚さを充分に薄く(例えば10μ以下)するこ
とができる。このように液晶層が薄くなるにしたがい、
第2図に示すように電界を印加していない状態でも液晶
分子のらせん構造がほどけ、その双極子モーメントPa
またはPbは上向き(24a)又は下向き(24b)の
どちらかの状態をとる。このようなセルに、第2図に示
す如く一定の閾値以上の極性の異る電界Ea又はEbを
電圧印加手段21aと21bにより付与すると、双極子
モーメントは、電界Ea又はEbの電界ベクトルに対応
して上向き24a又は下向き24bと向きを変え、それ
に応じて液晶分子は、第1の安定状態23aかあるいは
第2の安定状態23bの何れか1方に配向する。
このような強誘電性を光学変調素子として用いられるこ
との利点は、先にも述べたが2つある。
その第1は、応答速度が極めて速いことであり、第2は
液晶分子の配向が双安定性を有することである。第2の
点を、例えば第2図によって更に説明すると、電界Ea
を印加すると液晶分子は第1の安定状態23aに配向す
るが、この状態は電界を切っても安定である。又、逆向
きの電界Ebを印加すると、液晶分子は第2の安定状態
23bに配向してその分子の向きを変えるが、やはり電
界を切ってもこの状態に留つている。又、与える電界E
aあるいはEbが一定の閾値を越えない限り、それぞれ
前の配向状態にやはり維持されている。このような応答
速度の速さと、双安定性が有効に実現されるにはセルと
しては出来るだけ薄い方が好ましく、一般的には0.5
μ〜20μ、特に1μ〜5μが適している。
次に強誘電性液晶の駆動法の具体例を、第3図〜第5図
を用いて説明する。
第3図は、中間に強誘電性液晶化合物(図示せず)が挾
まれたマトリクス電極構造を有するセル31の模式図で
ある。32は、走査電極群であり、33は信号電極群で
ある。最初に走査電極Sが選択された場合について述
べる。第4図(a)と第4図(b)は走査信号であっ
て、それぞれ選択された走査電極Sに印加される電気
信号とそれ以外の走査電極(選択されない走査電極)S
、S、S・・・に印加される電気信号を示してい
る。第4図(c)と第4図(d)は、情報信号であって
それぞれ選択された信号電極I、I、Iと選択さ
れない信号電極I、Iに与えられる電気信号を示し
ている。
第4図および第5図においては、それぞれ横軸が時間
を、縦軸が電圧を表す。例えば、動画を表示するような
場合には、走査電極群32は逐次、周期的に選択され
る。今、所定の電圧印加時間tまたはtに対して双
安定性を有する液晶セルの、第1の安定状態を与えるた
めの閾値電圧を−Vthとし、2の安定状態を与える
ための閾値電圧を+Vthとすると、選択された走査
電極32(S)に与えられる電極信号は、第4図
(a)に示される如く位相(時間)tでは、2Vを、
位相(時間)tでは、−2Vとなるような交番する電
圧である。このように選択された走査電極に互いに電圧
の異なる複数の位相間隔を有する電気信号を印加する
と、光学的「暗」あるいは「明」状態に相当する液晶の
第1あるいは第2の安定状態間での状態変化を、速やか
に起こさせることができるという重要な効果が得られ
る。
一方、それ以外の走査電極S〜S・・・は、第4図
(b)に示す如くアース状態となっており、電気信号0
である。また、選択された信号電極I、I、I
与えられる電気信号は、第4図(c)に示される如くV
であり、また選択されない信号電極I、Iに与えら
れる電気信号は、第4図(d)に示される如く−Vであ
る。以上に於て各々の電圧値は、以下の関係を満足する
所望の値に設定される。
V<Vth<3V −3V<−Vth<−V この様な電気信号が与えられたときの各画素のうち、例
えば第3図中の画素AとBにそれぞれ印加される電圧波
形を第5図(a)と(b)に示す。すなわち、第5図
(a)と(b)より明らかな如く、選択された走査線上
にある画素Aでは、位相tに於て、閾値Vthを越
える電圧3Vが印加される。また、同一走査線上に存在
する画素Bでは位相tに於て閾値−Vthを越える
電圧−3Vが印加される。従って、選択された走査電極
線上に於て、信号電極が選択されたか否かに応じて、選
択された場合には、液晶分子は第1の安定状態に配向を
揃え、選択されない場合には第2の安定状態に配向を揃
える。
一方、第5図(c)と(d)に示される如く、選択され
ない走査線上では、すべての画素に印加される電圧はV
または−Vであって、いずれも閾値電圧を越えない。従
って、選択された走査線上以外の各画素における液晶分
子は、配向状態を変えることなく前回走査されたときの
信号状態に対応した配向を、そのまま保持している。即
ち、走査電極が選択されたときにその1ライン分の信号
の書き込みが行われ、1フレームが終了して次回選択さ
れるまでの間は、その信号状態を保持し得るわけであ
る。従って、走査電極数が増えても、実質的なデューテ
イ比はかわらず、コントラストの低下は全く生じない。
次に、ディスプレイ装置として駆動を行った場合の実際
に生じ得る問題点について考えてみる。第3図に於て、
走査電極S〜S・・・と信号電極I〜I・・・
の交点で形成する画素のうち、斜線部の画素は「明」状
態に、白地で示した画素は、「暗」状態に対応するもの
とする。今、第3図中の信号電極I上の表示に注目す
ると、走査電極Sに対応する画素(A)では「明」状
態であり、それ以外の画素(B)はすべて「暗」状態で
ある。この場合の駆動法の一例として、走査信号と信号
電極Iに与えられる情報信号及び画素Aに印加される
電圧を時系列的に表したものが第6図である。
例えば第6図のようにして、駆動した場合、走査信号S
が走査されたとき、時間tに於て画素Aには、閾値
Athを越える電圧3Vが印加されるため、前歴に関
係なく、画素Aは一方向の安定状態、即ち「明」状態に
転移(スイッチ)する。その後は、S〜S・・・が
走査される間は第6図に示される如く−Vの電圧が印加
され続けるが、これは閾値−Vthを越えないため、
画素Aは「明」状態を保ち得るはずであるが、実際には
このように1つの信号電極上で一方の信号(今の場合
「暗」に対応)が与えられ続けるような情報の表示を行
う場合には、走査線数が極めて多く、しかも高速駆動が
求められるときには反転現象を生じるが、前述した特定
の液晶化合物またはそれを含有した液晶組成物を用いる
ことによって、この様な反転現象は完全に防止される。
さらに、本発明では、前述の反転現象を防止する上で液
晶セルを構成している対向電極のうち少なくとも一方の
電極に絶縁物質により形成した絶縁膜を設けることが好
ましい。
この際に使用する絶縁物質としては、特に制限されるも
のではないが、シリコン窒化物、水素を含有するシリコ
ン窒化物、シリコン炭化物、水素を含有するシリコン炭
化物、シリコン酸化物、硼素窒化物、水素を含有する硼
素窒化物、セリウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジル
コニウム酸化物、チタン酸化物やフッ化マグネシウムな
どの無機絶縁物質、あるいはポリビニルアルコール、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポ
リパラキシレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポ
リビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリアミド、ポリスチレン、セルロース樹脂、メラ
ミン樹脂、ユリヤ樹脂、アクリル樹脂やフォトレジスト
樹脂などの有機絶縁物質が絶縁膜として使用される。こ
れらの絶縁膜の膜厚は5000Å以下、好ましくは10
0Å〜1000Å、特に500Å〜3000Åが適して
いる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1 4−(2−ペンチルオキシ)−プロポキシチオ安息香酸
−S−4−n−オクチルオキシフェニルの合成 (工程1) p−(2−ペンチルオキシ)−プロピルオキシ安息香
酸。
2−ペンチルオキシプロパノール19gを59mlのピリ
ジンに溶解したものを5℃以下に冷却した。p−トルエ
ンスルホン酸クロライド22gを攪拌しつつ加えた。そ
の後室温で5時間攪拌したのち一夜放置した。冷水を加
えエーテル抽出したものを、水洗したのち、エーテルを
留去してp−トルエンスルホン酸2−ペンチルオキシプ
ロピルエステル26gを得た。
p−ハイドロキシ安息香酸10.7gをエタノール85
mlに溶解したものへ85%KOH10.2gと水12ml
を加え攪拌した。上記で得たp−トルエンスルホン酸2
−ペンチルオキシプロピルエステル26gを滴下した。
滴下終了後昇温し10時間還流した。エタノールを回収
して、10%KOH水溶液24gを加え2時間還流し
た。冷却後6N塩酸を加え析出した白色結晶を過し、
水洗後、ヘキサンで再結晶し、7gのp−(2−ペンチ
ルオキシ)プロピルオキシ安息香酸を得た。
(工程2) 4−(2−ペンチルオキシ)−プロポキシチオ安息香酸
−S−4−オクチルオキシフェニル。
4−(2−ペンチルオキシ)−プロポキシ安息香酸2.
5gに、塩化チオニル7mlを加え、4時間加熱還流し
た。過剰の塩化チオニルを減圧下で留去し、4−(2−
ペンチルオキシ)−プロポキシ安息香酸クロライドを得
た。
4−オクチルオキシチオフェノール2.25gをピリジ
ン8mlに溶かし、氷冷した後、トルエン30mlに溶かし
た4−(2−ペンチルオキシ)−プロポキシ安息香酸ク
ロライドを滴下した(5℃以下、25分)。その後、室
温にて、13.5時間攪拌した。
反応混合物を氷水100mlに注入し、有機層を6N−H
Cl水溶液、水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。溶媒を留去して、5.7gの燈色油状物を得
た。
上記油状物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(移動相:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1)によ
り精製し、さらにエタノール/酢酸エチル=8/1混合
溶媒から、2回再結晶を行い、4−(2−ペンチルオキ
シ)−プロポキシチオ安息香酸−S−4−オクチルオキ
シフェニル0.69gを得た(収率:15.1%) IR(cm-1): 2924、2852、1668、1606、 1576、1496、1264、1244、 1218、1174、1158、 902。
同様にして下記の化合物が合成される。
4−(2−メチルオキシ)−プロポキシチオ安息香酸−
S−4−n−デシルオキシフェニル、4−(2−エチル
オキシ)−プロポキシチオ安息香酸−S−4−n−ドデ
シルオキシフェニル、4−(2−プロピルオキシ)−プ
ロポキシチオ安息香酸−S−4−n−ヘキシルオキシフ
ェニル、4−(2−プロピルオキシ)−プロポキシチオ
安息香酸−S−4−n−オクチルオキシフェニル、4−
(2−ブチルオキシ)−プロポキシチオ安息香酸−S−
4−n−ヘプチルオキシフェニル、4−(2−(オクチ
ルオキシ)−プロポキシチオ安息香酸−S−4−n−ノ
ニルオキシフェニル、4−(2−デシルオキシ)−プロ
ポキシチオ安息香酸−S−4−n−ペンチルオキシフェ
ニル、4−(2−ブチルオキシ)−プロポキシチオ安息
香酸−S−4−n−ヘキシルフェニル、4−(2−ヘキ
シルオキシ)−プロポキシチオ安息香酸−S−4−n−
オクチルフェニル、4−(2−ヘプチルオキシ)−プロ
ポキシチオ安息香酸−S−4−n−ドデシルフェニル。
実施例2 4′−(2″−ペンチルオキシ)−プロポキシビフェニ
ル−4−チオカルボン酸−S−4−オクチルオキシフェ
ニルの合成 (工程1) 4′−(2″−ペンチルオキシ)プロピルオキシビフェ
ニル−4−チオカルボン酸。
2−ペンチルオキシプロパノール7.7をピリジン25
mlに溶解したものを5℃以下に冷却し、p−トルエンス
ルホン酸クロライド9.4gを加えた。室温にて6時間
攪拌したのち一夜放置した。冷水を加えエーテル抽出し
たものを水洗しエーテルを回収してp−トルエンスルホ
ン酸2−ペンチルオキシプロピルエステル13gを得
た。4−ヒドロキシ−4′−ビフェニルカルボン酸7.
2gを37mlのエタノールに加え、さらに85%KOH
4.4gと水5.3mlを加えた。そこへ上記のp−トル
エンスルホン酸2−ペンチルオキシプロピルエステル1
3gを滴下し、10時間還流した。エタノールを回収
し、10%KOH水溶液10gを加え、さらに2時間還
流した。冷却後6N−HCl水溶液を加え析出した白色
結晶を過し、水洗した。エタノールで再結晶し4′−
(2−ペンチルオキシ)プロピルオキシビフェニルカル
ボン酸2.7gを得た。
(工程2) 4′−(2″−ペンチルオキシ)−プロポキシビフェニ
ル−4−チオカルボン酸−S−4−オクチルオキシフェ
ニル。
4′−(2″−ペンチルオキシ)−プロポキシビフェニ
ル−4−カルボン酸2.50gに塩化チオニル7mlを加
え、3時間加熱還流した。過剰の塩化チオニルを減圧下
で留去し、4′−(2″−ペンチルオキシ)−プロポキ
シビフェニル−4−カルボン酸クロライドを得た。
4−オクチルオキシチオフェノール1.79gをピリジ
ン8mlに溶かし、氷冷した後、トルエン30mlに溶かし
た4′−(2″−ペンチルオキシ)−プロポキシビフェ
ニル−4−カルボン酸クロライドを滴下した。(5℃以
下、15分)。その後、室温にて14時間攪拌した。反
応混合物を氷水100mlに注入し、有機層を6N−HC
l、水溶液、水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。溶媒を留去して淡黄色の固定5.01gを得
た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動
相:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1)により精製
し、さらにエタノール/酢酸エチル=2/1混合溶媒か
ら再結晶を行い、4′−(2″−ペンチルオキシ)−プ
ロポキシビフェニル−4−カルボン酸−S−4−オクチ
ルオキシフェニル0.75gを得た(収率18.3
%)。
IR(cm-1): 2928、2856、1668、1596、 1496、1290、1248、1192、 914、 822。
相転移温度: 同様にして下記の化合物が合成される。
4′−(2″−メチルオキシ)−プロポキシビフェニル
−4−チオカルボン酸−S−4−n−オクチルオキシフ
ェニル、4′−(2″−エチルオキシ)−プロポキシビ
フェニル−4−チオカルボン酸−4−n−ヘキシルオキ
シフェニル、4′−(2″−プロピルオキシ)−プロポ
キシビフェニル−4−チオカルボン酸−4−n−ドデシ
ルオキシフェニル、4′−(2″−ブチルオキシ)−プ
ロポキシビフェニル−4−チオカルボン酸−4−n−デ
シルオキシフェニル、4′−(2″−エチルオキシ)−
プロポキシビフェニル−4−チオカルボン酸−S−4−
n−オクチルフェニル、4′−(2″−ペンチルオキ
シ)−プロポキシビフェニル−4−チオカルボン酸−4
−n−ドデシルフェニル。
実施例3 リクソンGR−63(チッソ製ビフェニル液晶混合物)
99重量部に4−(2−ペンチルオキシ)−プロポキシ
チオ安息香酸−S−4−オクチルオキシフェニルを1重
量部を加えた液晶混合物を使用したTNセルは、この光
学活性な4−(2−ペンチルオキシ)−プロポキシチオ
安息香酸−S−4−オクチルオキシフェニルを添加しな
いで製造したTNに比較してリバースドメインが大幅に
減少していることが観察された。
実施例4 交差した帯状のITOで形成した対向マトリクス電極の
それぞれに1000Åの膜厚を有するポリイミド膜(ピ
ロメリット酸無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテルとの結合物からなるポリアミック酸樹脂の5重量
%N−メチルピロリドン溶液を塗布し、250℃の温度
で加熱閉環反応により形成した)を設け、このポリイミ
ド膜の表面を互いに平行になる様にラビングし、セル厚
を1μにしたセルを作成した。
次いで、下記組成物Aを等方相下で前述のセル中に真空
注入法によって注入し、封口した。しかる後に、徐冷
(1℃/時間)によってSmCの液晶セルを作成し
た。
液晶組成物A: この液晶セルの両側にクロスニコルの偏光子と検光子を
配置し、対向マトリクス電極間に第4図及び第5図に示
す波形の信号を印加した。この際、走査信号は第4図
(a)に示す+8ボルトと−8ボルトの交番波形とし、
書込み情報は、それぞれ+4ボルトと−4ボルトとし
た。また、1フレーム期間を30m・secとした。
この結果、この液晶素子は前述のメモリー駆動型時分割
駆動を行なっても、書込み状態は、何ら反転することな
く正常な動画表示が得られた。
比較例1 実施例4の液晶素子を作成する際に用いた液晶組成物中
の、前述の一般式(I)で示される乳酸誘導体を省略し
た下記比較用液晶Bを調製し、比較用液晶を用いて液晶
素子を作成した。これらの液晶素子を前述と同様の方法
で駆動させたが、反転現象を生じているために、正常な
動画が表示されなかった。
比較用液晶B
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明で用いる時分割駆動用液
晶素子を模式的に表わす斜視図、第3図は、本発明で用
いるマトリクス電極構造の平面図、第4図(a)〜
(d)は、マトリクス電極に印加する電気信号を表わす
説明図、第5図(a)〜(d)は、マトリクス電極間に
付与された電圧の波形を表わす説明図、第6図は、本発
明の液晶素子に印加する電気信号を表わしたタイムチャ
ートの説明図である。 11a、11b……基板、 12……液晶分子層、 13……液晶分子、 14……双極子モーメント(P)、 23a……第1の安定状態、 23b……第2の安定状態、 24a……上向き双極子モーメント、 24b……下向き双極子モーメント、 31……セル、 32…(S、S、S、・・・)……走査電極群、 33…(I、I、I、・・・)……信号電極群。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩城 孝志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 山下 眞孝 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 日置 知恵子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 山田 容子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−44535(JP,A) 特開 昭60−28487(JP,A) 特開 昭61−148143(JP,A) 米国特許4556727(US,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) (ただし、Rは炭素数1〜18のアルキル基、Cは光
    学活性な不斉炭素原子を示す。Rは炭素数4〜18の
    アルキル基またはアルコキシ基を示し、mおよびnは1
    または2を示す。) で表わされる乳酸誘導体を少なくとも1種類含有するこ
    とを特徴とする液晶組成物。
  2. 【請求項2】下記一般式(I) (ただし、Rは炭素数1〜18のアルキル基、Cは光
    学活性な不斉炭素原子を示す。Rは炭素数4〜18の
    アルキル基またはアルコキシ基を示し、mおよびnは1
    または2を示す。) で表わされる乳酸誘導体を少なくとも1種類含有する液
    晶組成物を使用することを特徴とする液晶素子。
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