JP2623428B2 - ヒドロキシ吉草酸誘導体 - Google Patents

ヒドロキシ吉草酸誘導体

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JP2623428B2
JP2623428B2 JP5096494A JP9649493A JP2623428B2 JP 2623428 B2 JP2623428 B2 JP 2623428B2 JP 5096494 A JP5096494 A JP 5096494A JP 9649493 A JP9649493 A JP 9649493A JP 2623428 B2 JP2623428 B2 JP 2623428B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は分子構造の変更が容易で
且つ光学活性を有するヒドロキシ吉草酸誘導体に関する
もので、更に詳しくは光学活性なヒドロキシ吉草酸誘導
体であるところの液晶性化合物中間体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶素子としては、例えばエム・
シャット(M.Schadt)とダブリュー・ヘルフリ
ヒ(W.Helfrich)著、”アプライド、フィズ
ィクス、レターズ”18巻4号(”Applied P
hysics Letters”、Vol.18,N
o.4)(1971.2.15)、P.127〜128
の「捩れネマチック液晶の電圧依存光学挙動」(” V
oltage−Dependent Optical
Activity of a TwistedNema
tic Liquid Crystal”)に記載され
たTN(ツイステッド・ネマチック)液晶を用いたもの
が知られている。しかしながら、このTN液晶は、画素
密度を高くしたマトリクス電極構造を用いた時分割駆動
の時、クロストークを発生する問題点があるため、画素
数が制限されていた。また、電界応答が遅く視野角特性
が悪いためにディスプレイとしての用途は限定されてい
た。
【0003】更に、各画素に薄膜トランジスタによるス
イッチング素子を接続し、各画素毎をスイッチングする
方式の表示素子が知られているが、基板上に薄膜トラン
ジスタを形成する工程が極めて煩雑な上、大面積の表示
素子を作成することが難しい問題点がある。
【0004】このような従来型の液晶素子の欠点を改善
するものとして、双安定性を有する液晶素子の使用が、
クラーク(Clark)およびラガウエル(Lager
wall)により提案されている(特開昭56−107
216号公報、米国特許第4367924号明細書
等)。双安定性を有する液晶としては、一般に、カイラ
ルスメクティックC相(SmC* )又はH相(Sm
* )を有する強誘電性液晶が用いられる。
【0005】この強誘電性液晶は自発分極を有するため
に非常に速い応答速度を有する上にメモリー性のある双
安定状態を発現させることができさらに視野角特性もす
ぐれていることから大容量大画面のディスプレイとして
適している。
【0006】強誘電性液晶に用いられるところの液晶性
化合物は不斉炭素を有しているためにそのカイラルスメ
クチック相を用いるところの強誘電性液晶として利用す
る以外に次のような光学素子に対しても使用することが
できる。
【0007】1)液晶状態においてコレステリック・ネ
マティック相転移効果を利用するもの(J.J.Wys
oki,A.Adams and W.Haas;Ph
ys.Rev.Lett.,20,1024(196
8)) 、 2)液晶状態においてホワイト・テイラー形ゲスト・ホ
スト効果を利用するもの(D.L.White and
G.N.Taylor;J.Appl. Phy
s.,45,4718(1974))、 3)液晶状態においてコレステリック相を持つものをマ
トリックス中ヘ固定することにより、その選択散乱特性
を利用し、ノッチフィルターやバンドバスフィルターと
して利用するもの(F.J.Kahn,Appl.Ph
ys.Lett.,18,231(1971))、円偏
光特性を利用した円偏光ビームスプリッターとして利用
するもの(S.D.Jacobs,SPIE,37,9
8(1981));等。
【0008】個々の方式についての詳細な説明は省略す
るが、いずれも表示素子や変調素子として重要である。
【0009】従来、光学活性を有することを特徴とする
光学素子に必要な機能性材料を合成するための光学活性
中間体としては、2−メチルブタノール、2級オクチル
アルコール、2級ブチルアルコール、塩化p−(2−メ
チルブチル)安息香酸、2級フェネチルアルコール、ア
ミノ酸誘導体、ショウノウ誘導体、コレステロール誘導
体等が知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらは次の
ような欠点を有している。光学活性な鎖状炭化水素誘導
体は構造の変更が困難で、しかも一部のものを除き非常
に高価なものである。アミノ酸誘導体は比較的安価な上
に構造の変更も容易であるがアミンの水素基が化学的に
活性が強く、水素結合や化学反応を生じやすいために機
能性材料の特性を制限してしまいやすい。ショウノウ誘
導体、コレステロール誘導体は構造の変更が困難なうえ
に立体的な障害によって機能性材料の特性に悪影響を与
えやすい。
【0011】上記のような欠点は、種々の材料を開発す
る上で大きな制約となっていた。
【0012】 上述の事情に鑑み、本発明の主要な目的
は、適当な光学活性中間体として有用であるだけでな
く、液晶状態の制御に有用な光学活性化合物を提供する
ことにある。
【0013】より具体的には、本発明は、液晶・LB膜
・二分子膜等を形成するための適度な分子間力と形状を
もった機能性材料中間体と光学活性を損なうことなく結
合させることができ、分子設計を自由に行うことができ
る化合物を提供することを目的とする。
【0014】また、本発明はアルキル基の長さを変更す
ることが容易で、このことによりH.Arnold,
Z.Phys.Chem.,226,146(196
4)に示されるように液晶状態において発現する液晶相
の種類や温度範囲を制御することが可能な液晶性化合物
の中間体を提供することを目的とする。
【0015】更に本発明はLB(Langmuir−B
lodgett)膜法により単分子累積膜を作製する場
合には容易に疎水基を制御することが出来、安定に成膜
することが可能な化合物の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決しようとする課題】すなわち、本発明は、
一般式(I)
【0017】 [上記一般式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基を示
し、Cは不斉炭素原子を示す。1は0または1であ
り、1=1のときm、nは0または1である。またAは
水酸基、アルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、
またはトシルオキシ基である]で表わされる光学活性な
ヒドロキシ吉草酸誘導体を提供するものである。
【0018】
【0019】
【発明の具体的説明】上記光学活性物質を示す一般式
(I)中、Rは炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状ま
たは環状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基のものであ
る。19以上では最終的な機能材料としたときの粘度や
モル体積が増加するため好ましくない。また、好ましい
Rの炭素原子数は4〜16である。Rの具体例としては
直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、シクロアルキル
基、直鎖状アルケニル基、分岐状アルケニル基、シクロ
アルケニル基、直鎖状アルカディエニル基、分岐状アル
カディエニル基、シクロアルカディエニル基、直鎖状ア
ルカトリエニル基、分岐状アルカトリエニル基、直鎖状
アルキニル基、分岐状アルキニル基、アラルキル基があ
る。後記する液晶性化合物を与えるためには、特にアル
キル基が好ましい。また、C* は不斉炭素原子を示す。
Aが水酸基である場合、本発明の光学活性ヒドロキシ吉
草酸誘導体に反応させる試薬を種々変化させることによ
り液晶性化合物、その他の機能性化合物を得ることがで
きる。
【0020】そのような液晶性化合物の一例として、A
【0021】
【化3】 (ただし、R1 は炭素数4〜18のアルキル基またはア
ルコキシ基を示し、
【0022】
【化4】 p、q、rは0または1でありp+q+r≧1の関係を
満たす)のものが得られる。この場合R1 の特に好まし
い炭素原子数は6〜16である。
【0023】上記以外の光学素子や変調素子等の用途に
適した機能性材料を合成するためには、本発明により提
供される光学活性なヒドロキシ吉草酸誘導体(A=O
H)と分子制御を行うことのできる適度な分子間力と形
状をもった機能性材料中間体とを光学活性を損なうこと
なく結合することが有効である。本発明のヒドロキシ吉
草酸誘導体と組み合わせることの有効な機能性材料中間
体としては、アゾあるいはアゾキシベンゼン誘導体、ビ
フェニル誘導体、ターフェニル誘導体、フェニルシクロ
ヘキサン誘導体、安息香酸誘導体、ピリミジン誘導体、
ピラジン誘導体、ピリジン誘導体、スチルベン誘導体、
トラン誘導体、カルコン誘導体、ビシクロヘキサン誘導
体、ケイ皮酸誘導体等である。
【0024】次に、本発明の一般式(I)で示される光
学活性なヒドロキシ吉草酸誘導体の合成方法の例を示
す。
【0025】
【化5】
【0026】上記反応式におけるRIは炭素数の広い範
囲にわたって選択することが可能であり、具体的にはヨ
ードブタン、ヨードペンタン、ヨードヘキサン、ヨード
ヘプタン、ヨードオクタン、ヨードノナン、ヨードデカ
ン、ヨードウンデカン、ヨードドデカン、ヨードトリデ
カン、ヨードテトラデカン、ヨードペンタデカン、ヨー
ドヘキサデカン、ヨードヘプタデカン、ヨードオクタデ
カン、ヨードノナデカン、ヨードエイコサン等の直鎖状
飽和炭化水素ヨウ化物;2−ヨードブタン、1−ヨード
−2−メチルプロパン、1−ヨード−3−メチルブタン
等の分岐状飽和炭化水素ヨウ化物;ヨードベンジル、ヨ
ードフェナシル、3−ヨード−1−シクロヘキセン等の
環状不飽和炭化水素ヨウ化物;ヨードシクロペンタン、
ヨードシクロヘキサン、1−ヨード−3−メチルシクロ
ヘキサン、ヨードシクロヘプタン、ヨードシクロオクタ
ン等の環状飽和炭化水素ヨウ化物がある。
【0027】以上のようなヨウ化物から自由に選択する
ことによりRの異なる光学活性なヒドロキシ吉草酸誘導
体(b)を得ることができる。
【0028】また得られたヒドロキシ吉草酸誘導体
(b)により次に示す合成経路によって本発明のヒドロ
キシ吉草酸誘導体(A=OH)が得られ、また式(I)
において
【0029】
【化6】 である液晶性の化合物が得られる。
【0030】また下記合成経路において、
【0031】 を用いれば、本発明の一般式(I)で表わされる他の化
合物(A=アルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ
基、またはトシルオキシ基)が同様に得られる。
【0032】
【化8】
【0033】(上記においてR、R1 およびl、m、
n、p、q、rは前記で定義した通りである。) このようにして本発明のヒドロキシ吉草酸誘導体から得
られる液晶性化合物の例を後記表1および表2に示す。
【0034】表中、相転移温度の欄における記号は、そ
れぞれ以下の相を示す。
【0035】Cryst.:結晶相、SmA:スメクチ
ックA相、 SmC* :カイラルスメクチックC相、 N:ネマチック相、Ch.:コレステリック相、 Iso:等方相、Sm3:SmA 、SmC* 以外のス
メクチック相(未同定)。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】また、表1および表2に記載の化合物及び
前述の合成法をもとに以下の化合物が得られる。
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】本発明の液晶組成物は、上記一般式(I)
で表わされる光学活性物質を少なくとも1種類配合成分
として含有するものである。
【0042】上記組成物のうち下式(1)〜(13)に
代表して示されるような強誘電性液晶を配合成分とする
ものは、自発分極を増大させることが可能でありさらに
粘度を低下させる効果とあいまって応答速度を改善する
ことができ好ましい。このような場合には一般式(I)
で示される本発明のヒドロキシ吉草酸誘導体(A=O
H)を0.1〜30重量%の比率で使用することが好ま
しい。
【0043】
【化11】
【0044】
【化12】
【0045】
【化13】
【0046】
【化14】
【0047】
【化15】
【0048】また下式1)〜5)で示されるような、そ
れ自体はカイラルでないスメクチック液晶に配合するこ
とにより、強誘電性液晶として使用可能な組成物が得ら
れる。
【0049】このような場合においては一般式(I)で
示される本発明のヒドロキシ吉草酸誘導体である光学活
性物質を0.1〜90重量%の比率で使用することがで
きる。また一般式(I)で示される本発明の液晶性の乳
酸誘導体を0.1〜99重量%の比率で使用することが
できる。
【0050】
【化16】
【0051】
【化17】
【0052】また本発明のヒドロキシ吉草酸誘導体を少
なくとも1種類配合成分として含有するネマチック液晶
はツイステッドネマチック(TN)型セルにして使用す
る場合にリバースドメインの発生を防止することができ
好ましい。
【0053】これらの液晶材料を用いて素子を構成する
場合、液晶材料が例えばSmC* 相またはSmH* 相と
なるような温度状態に保持する為、必要に応じて素子を
ヒーターが埋め込まれた銅ブロック等により支持するこ
とができる。
【0054】図1は、強誘電性液晶の動作説明のため
に、セルの例を模式的に描いたものである。11aと、
11bは、それぞれIn2 3 、SnO2 あるいはIT
O(Indium−Tin Oxide)等の薄膜から
なる透明電極で被覆された基板(ガラス板)であり、そ
の間に液晶分子層12がガラス面に垂直になるよう配向
したSmC* 相又はSmH* 相の液晶が封入されてい
る。太線で示した線13が液晶分子を表わしており、こ
の液晶分子13はその分子に直交した方向に双極子モ−
メント(P⊥)14を有している。基板21と11b上
の電極間に一定の閾値以上の電圧を印加すると、液晶分
子13のらせん構造がほどけ、双極子モ−メント(P
⊥)14がすべて電界方向に向くよう、液晶分子13は
配向方向を変えることができる。液晶分子13は、細長
い形状を有しており、その長軸方向と短軸方向で屈折率
異方性を示し、従って例えばガラス面の上下に互いにク
ロスニコルの偏光子を置けば、電圧印加極性によって光
学特性が変わる液晶光学変調素子となることは、容易に
理解される。
【0055】本発明の光学変調素子で好ましく用いられ
る液晶セルは、その厚さを充分に薄く(例えば10μ以
下)することができる。このように液晶層が薄くなるに
したがい、図2に示すように電界を印加していない状態
でも液晶分子のらせん構造がほどけ、その双極子モ−メ
ントPaまたはPbは上向き(24a)又は下向き(2
4b)のどちらかの状態をとる。このようなセルに、図
2に示す如く一定の閾値以上の極性の異る電界Ea又は
Ebを電圧印加手段21aと21bにより付与すると、
双極子モ−メントは、電界Ea又はEbの電界ベクトル
に対応して上向き24a又は下向き24bと向きを変
え、それに応じて液晶分子は、第1の安定状態23aか
あるいは第2の安定状態23bの何れか1方に配向す
る。
【0056】このような強誘電性を光学変調素子として
用いることの利点は、先にも述べたが2つある。
【0057】その第1は、応答速度が極めて速いことで
あり、第2は液晶分子の配向が双安定性を有することで
ある。第2の点を、例えば図2によって更に説明する
と、電界Eaを印加すると液晶分子は第1の安定状態2
3aに配向するが、この状態は電界を切っても安定であ
る。又、逆向きの電界Ebを印加すると、液晶分子は第
2の安定状態23bに配向してその分子の向きを変える
が、やはり電界を切ってもこの状態に留つている。又、
与える電界EaあるいはEbが一定の閾値を越えない限
り、それぞれ前の配向状態にやはり維持されている。こ
のような応答速度の速さと、双安定性が有効に実現され
るにはセルとしては出来るだけ薄い方が好ましく、一般
的には0.5μ〜20μ、特に1μ〜5μが適してい
る。
【0058】次に強誘電性液晶の駆動法の具体例を、図
3〜図5を用いて説明する。
【0059】図3は、中間に強誘電性液晶化合物(図示
せず)が挾まれたマトリクス電極構造を有するセル31
の模式図である。32は、走査電極群であり、33は信
号電極群である。最初に走査電極S1 が選択された場合
について述べる。図4(a)と図4(b)は走査信号で
あって、それぞれ選択された走査電極S1 に印加される
電気信号とそれ以外の走査電極(選択されない走査電
極)S2 、S3 、S4・・・に印加される電気信号を示
している。図4(c)と図4(d)は、情報信号であっ
てそれぞれ選択された信号電極I1 、I3 、I5 と選択
されない信号電極I2 、I4 に与えられる電気信号を示
している。
【0060】図4および図5においては、それぞれ横軸
が時間を、縦軸が電圧を表す。例えば、動画を表示する
ような場合には、走査電極群32は逐次、周期的に選択
される。今、所定の電圧印加時間t1 またはt2 に対し
て双安定性を有する液晶セルの、第1の安定状態を与え
るための閾値電圧を−Vth1 とし、2の安定状態を与
えるための閾値電圧を+Vth2 とすると、選択された
走査電極32(S1 )に与えられる電極信号は、図4
(a)に示される如く位相(時間)t1 では、2Vを、
位相(時間)t2 では、−2Vとなるような交番する電
圧である。このように選択された走査電極に互いに電圧
の異なる複数の位相間隔を有する電気信号を印加する
と、光学的「暗」あるいは「明」状態に相当する液晶の
第1あるいは第2の安定状態間での状態変化を、速やか
に起こさせることができるという重要な効果が得られ
る。
【0061】一方、それ以外の走査電極S2 〜S5 ・・
・は、図4(b)に示す如くアース状態となっており、
電気信号0である。また、選択された信号電極I1 、I
3 、I5 に与えられる電気信号は、図4(c)に示され
る如くVであり、また選択されない信号電極I2 、I4
に与えられる電気信号は、図4(d)に示される如く−
Vである。以上に於て各々の電圧値は、以下の関係を満
足する所望の値に設定される。
【0062】V<Vth2 <3V −3V<−Vth1 <−V この様な電気信号が与えられたときの各画素のうち、例
えば図3中の画素AとBにそれぞれ印加される電圧波形
を図5(a)と(b)に示す。すなわち、図5(a)と
(b)より明らかな如く、選択された走査線上にある画
素Aでは、位相t2 に於て、閾値Vth2 を越える電圧
3Vが印加される。また、同一走査線上に存在する画素
Bでは位相t1 に於て閾値−Vth1 を越える電圧−3
Vが印加される。従って、選択された走査電極線上に於
て、信号電極が選択されたか否かに応じて、選択された
場合には、液晶分子は第1の安定状態に配向を揃え、選
択されない場合には第2の安定状態に配向を揃える。
【0063】一方、図5(c)と(d)に示される如
く、選択されない走査線上では、すべての画素に印加さ
れる電圧はVまたは−Vであって、いずれも閾値電圧を
越えない。従って、選択された走査線上以外の各画素に
おける液晶分子は、配向状態を変えることなく前回走査
されたときの信号状態に対応した配向を、そのまま保持
している。即ち、走査電極が選択されたときにその1ラ
イン分の信号の書き込みが行われ、1フレームが終了し
て次回選択されるまでの間は、その信号状態を保持し得
るわけである。従って、走査電極数が増えても、実質的
なデューテイ比はかわらず、コントラストの低下は全く
生じない。
【0064】次に、ディスプレイ装置として駆動を行っ
た場合の実際に生じ得る問題点について考えてみる。図
3に於て、走査電極S1 〜S5 ・・・と信号電極I 1
5・・・の交点で形成する画素のうち、斜線部の画素
は「明」状態に、白地で示した画素は、「暗」状態に対
応するものとする。今、図3中の信号電極I1 上の表示
に注目すると、走査電極S1 に対応する画素(A)では
「明」状態であり、それ以外の画素(B)はすべて
「暗」状態である。この場合の駆動法の一例として、走
査信号と信号電極I1 に与えられる情報信号及び画素A
に印加される電圧を時系列的に表したものが図6であ
る。
【0065】例えば図6のようにして、駆動した場合、
走査信号S1 が走査されたとき、時間t2 に於て画素A
には、閾値Vth2 を越える電圧3Vが印加されるた
め、前歴に関係なく、画素Aは一方向の安定状態、即ち
「明」状態に転移(スイッチ)する。その後は、S2
〜S5 ・・・が走査される間は図6に示される如く−V
の電圧が印加され続けるが、これは閾値−Vth1 を越
えないため、画素Aは「明」状態を保ち得るはずである
が、実際にはこのように1つの信号電極上で一方の信号
(今の場合「暗」に対応)が与えられ続けるような情報
の表示を行う場合には、走査線数が極めて多く、しかも
高速駆動が求められるときには反転現象を生じるが、前
述した特定の液晶化合物またはそれを含有した液晶組成
物を用いることによって、この様な反転現象は完全に防
止される。
【0066】さらに、本発明では、前述の反転現象を防
止する上で液晶セルを構成している対向電極のうち少な
くとも一方の電極に絶縁物質により形成した絶縁膜を設
けることが好ましい。
【0067】この際に使用する絶縁物質としては、特に
制限されるものではないが、シリコン窒化物、水素を含
有するシリコン窒化物、シリコン炭化物、水素を含有す
るシリコン炭化物、シリコン酸化物、硼素窒化物、水素
を含有する硼素窒化物、セリウム酸化物、アルミニウム
酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物やフッ化マ
グネシウムなどの無機絶縁物質、あるいはポリビニルア
ルコール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステ
ルイミド、ポリパラキシレン、ポリエステル、ポリカー
ボネート、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリスチレン、セルロース
樹脂、メラミン樹脂、ユリヤ樹脂、アクリル樹脂やフォ
トレジスト樹脂などの有機絶縁物質が絶縁膜として使用
される。これらの絶縁膜の膜厚は5000Å以下、好ま
しくは100Å〜1000Å、特に500Å〜3000
Åが適している。
【0068】
【発明の効果】本発明の光学活性なヒドロキシ吉草酸誘
導体は適当な分子間力と形状をもった機能性材料中間体
と光学活性を損なうことなく結合させることができ分子
設計を自由に行うことができる。特にアルキル基の長さ
を選択することにより液晶状態において発現する液晶相
の種類や温度範囲を制御することが可能である。また本
発明の光学活性なヒドロキシ吉草酸誘導体を少なくとも
1種類を配合成分として含有するところの液晶組成物
は、カイラルネマチック液晶、カイラルスメクチック液
晶として使用することにより、自発分極の増加、粘度調
整等を通じて、応答速度の向上、リバースドメインの発
生防止等の性能改善が可能である。
【0069】以下、参考例(本発明の光学活性物質を中
間体とする液晶性化合物の製造例(参考例1〜11)お
よび該液晶性化合物を含む液晶組成物による素子製造例
(参考例12〜13))ならびに実施例により本発明の
光学活性物質について更に具体的に説明する。
【0070】実施例1 下記工程により、(S)−4−オクチルオキシペンタノ
ールを製造した。
【0071】L(+)−乳酸エチル98g、ヨウ化オク
チル380gおよび酸化銀245gを加え、60℃で1
6時間撹拌した。不溶物を濾過後、減圧蒸留し、110
〜130℃/3mmHgの留分として、2−オクチルオ
キシプロピオン酸エチル77gを得た。
【0072】次に、ジエチルエーテル250mlにLi
AlH4 7.5gを加え、しばらく撹拌後、上記エステ
ル体56gのジエチルエーテル50ml溶液を5℃以下
で2時間かけて滴下し、滴下後室温で2時間撹拌し、さ
らに15時間放置した。反応終了後5%塩酸30mlを
加え、さらに6N塩酸で塩酸酸性(pH〜1)とし、エ
ーテル抽出した。水洗後、乾燥し、溶媒を留去した。減
圧蒸留し、107℃/3mmHgの留分として2−オク
チルオキシプロパノール39.5gを得た。
【0073】次に上記アルコール体70gにピリジン2
30mlを加え、撹拌下、トシルクロライド85gを1
0℃以下で30分かけて加えた。この温度で15分撹拌
後、昇温して20〜24℃で3.5時間撹拌した。冷水
に注入後、ベンゼン抽出し、5%塩酸、水の順で洗浄
し、乾燥した。ベンゼンを留去し、(2−オクチルオキ
シプロピル)p−トルエンスルホネート127gを得
た。
【0074】エタノール220ml中に95%ナトリウ
ムエトキシド26.7gを加え、撹拌下98%マロン酸
ジエチル73.1gを36〜38゜で50分かけて滴下
した。さらに30分撹拌後、上記トシレート体127g
を、36〜38℃で1時間かけて滴下した。さらに15
分撹拌後昇温し、18時間還流した。反応後氷水を注入
し、ベンゼン抽出し水洗後乾燥した。溶媒留去して、1
49gの4−オクチルオキシ−2−エトキシカルボニル
吉草酸エチルを得た。
【0075】次いで、85%KOH88.5gを水90
mlに溶かし上記エステル体149gを20〜25℃で
50分かけて滴下し、30分撹拌後、2時間還流した。
冷却後、15℃以下に保ち、濃硫酸153gを水196
mlに溶かし、これを1時間かけて滴下した。30分撹
拌後、3時間還流した。室温まで冷却した後、ベンゼン
で抽出した。べンゼン層を5%NaOH水溶液で洗い、
水層に加えた。水層を6N塩酸で酸性(pH1)とし、
ベンゼン抽出、水洗を行い、無水MgSO4 で乾燥し
た。溶媒を留去して4−オクチルオキシ吉草酸54gを
得た。
【0076】乾燥エーテル210ml中にLiAlH4
10gを加え撹拌下、上記カルボン酸54gのエーテル
70ml溶液を、2〜6℃に保ちながら70分かけて滴
下した。滴下後、23℃まで昇温し3時間撹拌した。1
2時間放置後、5%塩酸を15℃以下に保ちながら加
え、塩酸酸性とした後、エーテル抽出し、水、5%Na
OH水溶液、水の順に洗い無水MgSO4 で乾燥した。
溶媒留去しついで減圧蒸留し、150℃/5mmHgの
留分として(S)−4−オクチルオキシペンタノール1
0gを得た。
【0077】生成物について、下記のIR(赤外吸収)
データを得た。
【0078】IR(cm-1):3360、2970〜2
860、1460、1370、1340、1080。
【0079】実施例2〜3 実施例1と同様な合成法により以下の化合物を合成し
た。生成物を、そのIRデータとともに示す。
【0080】・(S)−4−プロポキシペンタノール IR(cm-1):3370、2970〜2870、14
60、1370、1340、1080。
【0081】・(S)−4−ペンチルオキシペンタノー
ル IR(cm-1):3360、2970〜2870、14
60、1370、1340、1080。
【0082】実施例4 (R)−4−プロポキシペンタノールの製造 D−乳酸メチル(Methyl−D−Lactate)
160gと、1−ヨードプロパン524gを四ツ口フラ
スコへ混合し、新しく合成したAg2 O471gをゆっ
くり添加した。次に液温を60〜65℃にて1時間撹拌
した後、濾過し、濾過物をエーテルにてよく洗い、濾液
のエーテルを留去した後、減圧蒸留して、メチル−2−
プロポキシプロピオネート161gを得た。
【0083】次に、LiAlH4 35.3gを750m
lのエーテルに加え3時間撹拌し、10℃以下に保っ
て、上記で得たメチル−2−プロポキシプロピオネート
161gとエーテル150mlの溶液を3.5時間で滴
下した。滴下終了後、液温を17〜20℃にて2.5時
間撹拌し、12時間室温にて放置した。その後、5%塩
酸水溶液にて、酸性とし(pH1)、エーテル抽出し
た。エーテル層を水、5%NaHCO3 水溶液、水の順
に洗い、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。濾過して
減圧蒸留して、95〜103℃/150mmHgの留分
を集めると72gの2−プロポキシプロパノールが得ら
れた。
【0084】次に2−プロポキシプロパノール70gに
ピリジン114ml、ベンゼン228mlを加え、この
溶液を10℃以下に保って撹拌下、塩化メタンスルホニ
ル81.5gを1時間かけて加えた、25〜30℃まで
昇温させ、3.5時間撹拌した。冷水に注入後、エーテ
ル抽出し、5%塩酸、水の順で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した後、エーテルを留去し、(2−プロポ
キシプロピル)メタンスルホネート114gを得た。
【0085】エタノール345mlに95%ナトリウム
エトキシド43.3gを加え、撹拌下98%マロン酸ジ
エチル114gを33〜36℃で55分かけて滴下し
た。さらに30分撹拌後、上記(2−プロポキシプロピ
ル)メタンスルホネート114gを34〜38℃で1時
間かけて滴下した。昇温し、80〜82℃で18時間還
流させた。終了後、冷水に注入後、ベンゼンで抽出し、
水洗後、ベンゼンを留去し、減圧蒸留して、100gの
4−プロポキシ−2−エトキシカルボニル吉草酸エチル
を得た(75〜115℃/5mmHg)。
【0086】次いで、85%KOH87gを水87ml
に溶かし、上記4−プロポキシ−2−エトキシカルボニ
ル吉草酸エチル100gを15〜25℃で45分かけて
滴下し、90〜96℃で2時間撹拌した後、冷却した。
液温を20℃以下に保ち、濃硫酸138gと水194m
lの溶液を30分かけて滴下した。90〜95℃で3時
間撹拌した後、室温まで冷却し、エーテルで抽出した。
エーテル層を飽和食塩水にて洗浄した後、エーテルを留
去し減圧蒸留し、100〜130℃/5mmHgの留分
47gを得た。これをベンゼンを加え、5%NaOH水
溶液で洗い、水層を6N塩酸で酸性(pH=1)とし、
エーテルにて抽出後、飽和食塩水で洗浄し、エーテルを
留去し、38gの4−プロポキシ吉草酸を得た。
【0087】次に乾燥エーテル217mlにLiAlH
4 10.1gを加え、撹拌下上記4−プロポキシ吉草酸
38g、エーテル44mlの溶液を10℃以下に保ち、
3.5時間かけて滴下した。滴下後、20〜25℃まで
昇温し、3時間撹拌後、12時間放置した。5%塩酸水
溶液を加え、酸性(pH=1)とし、エーテル抽出し、
5%NaOH水溶液、飽和食塩水の順に洗い無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、エーテルを留去した。ついで減圧
蒸留し、109〜117℃/35mmHgの留分である
(R)−4−プロポキシペンタノール26gを得た。
【0088】実施例5 下記の工程により4−(4′−ペンチルオキシペンチル
オキシ)フェノールを製造した。
【0089】4−ペンチルオキシペンタノール17gを
ピリジン60mlに溶かし撹拌下、トシルクロリド2
2.4gを10℃以下にて40分かけて加えた。昇温し
て25℃とし3時間撹拌した。反応後冷水を加え、エー
テル抽出し、5%塩酸、水の順で洗い、無水MgSO4
で乾燥した。溶媒留去して(4−ペンチルオキシペンチ
ル)p−トルエンスルホネート31.9gを得た。
【0090】次にハイドロキノン16.1g、85%K
OH6.6g、メタノール30ml、およびエタノール
120mlを加えて溶かした。50〜55℃で上記トシ
レート体31.9gのエタノール溶液を40分かけて滴
下した。滴下後65℃まで昇温し、さらに2時間撹拌し
た。7時間還流後冷却し、冷水中に注入した。ヘキサン
抽出し、5%NaOH水溶液で洗い水層に加えた。水層
を6N塩酸で酸性(pH1)とし、ヘキサン抽出、水洗
を行い、無水MgSO4 で乾燥した。溶媒留去して褐色
液体18gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒エーテル:ヘキサン=3:1)によ
り精製し、4−(4′−ペンチルオキシペンチルオキ
シ)フェノール8.5gを得た。
【0091】生成物について下記のIRデータを得た。
【0092】IR(cm-1):3350、2960〜2
870、1510、1450、1380、1230、1
100、820。
【0093】実施例6 下記の工程により4−(4′−プロピルオキシペンチル
オキシカルボニル)フェノールを製造した。
【0094】p−アセトキシ安息香酸19.7gのベン
ゼン120ml溶液中に五塩化リン23.4gを室温で
撹拌下少量ずつ加えた。その後、4時間加熱還流し、溶
媒留去し、酸塩化物21.5gを得た。
【0095】次に4−プロポキシペンタノール16.0
g、N,N−ジメチルアニリン13.3gを、エーテル
32mlに溶かし、室温で撹拌下、上記酸塩化物21.
5gを40分かけて滴下した。滴下後2.5時間加熱還
流した。反応後、水80mlを加えて結晶を溶かし、エ
ーテル抽出した。エーテル層を10%硫酸、水の順で洗
浄し、無水Na2 SO4 で乾燥し、溶媒留去して33.
9gの油状物を得た。これをシリカゲルカラムクロマト
グラフィー[ヘキサン:イソプロピルエーテル=2:1
〜1:1(グラジエント)]にて精製し、エステル体2
3.9gを得た。
【0096】次に上記エステル体23.9gをメタノー
ル80mlに溶かし、メタノール/アンモニア水(28
%)=1/1溶液を撹拌下で加えた。反応後、エーテル
抽出し、水洗後、無水Na2 SO4 で乾燥した。溶媒留
去して4−(4′−プロピルオキシペンチルオキシカル
ボニル)フェノール18gを得た。生成物について下記
のIRデータを得た。
【0097】IR(cm-1):3350、2970〜2
870、1720、1615、1590、1520、1
280、1170、1100。
【0098】参考例1 下記の工程により5−オクチル−2−[4−(4′−オ
クチルオキシペンチルオキシ)フェニル]ピリミジンを
製造した。
【0099】4−オクチルオキシペンタノール7g、p
−トルエンスルホニルクロリド4.34g、ピリジン
1.8g、ベンゼン10mlを加え、N2 気流下で室温
にて22時間撹拌した。その後反応混合物中に熱濃Na
OH水溶液6.5mlを入れ、5分間撹拌した。次い
で、冷10%塩酸中にそそぎヘキサンにて抽出した。ヘ
キサン層を、冷5%塩酸、飽和NaHCO3 水溶液、水
の順で洗浄し、無水MgSO4 で乾燥した。溶媒留去
し、アルミナカラム(ヘキサン)にて処理して、(4−
オクチルオキシペンチル)p−トルエンスルホネート
6.6gを得た。
【0100】次に5−オクチル−2−(4−ヒドロキシ
フェニル)ピリミジン5.75g、KOH1.007
g、DMF28mlを加え、100℃で50分撹拌し
た。その後上記トシレート体6.0gを加えて、100
℃でさらに2.5時間撹拌した。反応終了後、冷水50
0ml中に注ぎ、ベンゼンにて抽出した。ベンゼン層を
無水MgSO4 にて乾燥した後、溶媒留去した。さらに
アルミナカラム(ヘキサン)で処理し、3.1gの結晶
を得た。これをエタノールより再結晶して5−オクチル
−2−[4−(4′−オクチルオキシペンチルオキシ)
フェニル]ピリミジン1.62gを得た。生成物につい
て、下記のIRデ−タおよびNMRデータを得た。
【0101】IR(cm-1):2970〜2860、1
610、1590、1440、1260。
【0102】NMR(CDCl3 )δ:8.5〜6.8
(6H)、4.2〜2.3(7H)、2.1〜0.6
(37H) ppm。
【0103】参考例2〜3 参考例1と同様な方法により、以下の化合物を合成し
た。生成物を、IRおよびNMRデータとともに示す。
【0104】・5−デシル−2−[4−(4′プロポキ
シペンチルオキシ)フェニル]ピリミジン IR(cm-1):2970〜2860、1610、15
90、1440、1260。
【0105】NMR(CDCl3 )δ:8.6〜6.8
(6H)、4.2〜2.3(7H)、2.1〜0.6
(31H) ppm。
【0106】・5−ノニル−2−[4−(4′−ペンチ
ルオキシペンチルオキシ)フェニル]ピリミジン IR(cm-1):2970〜2860、1610、15
90、1440、1260。
【0107】NMR(CDCl3 )δ:8.6〜6.8
(6H)、4.2〜2.3(7H)、2.1〜0.6
(33H)。
【0108】参考例4 下記の工程により4−(4′−デシルオキシフェニル)
安息香酸4−オクチルオキシペンチルを製造した。
【0109】4−(4′−デシルオキシフェニル)安息
香酸3.28gのベンゼン10ml溶液中に、五塩化リ
ン1.97gを、室温で撹拌下少しずつ加えた。その後
6時間還流し、溶媒留去して酸塩化物3.60gを得
た。
【0110】次に、4−オクチルオキシペンタノール
2.0gを、ピリジン16mlに入れ、2℃にて上記酸
塩化物のトルエン10ml溶液を滴下した。滴下後7時
間撹拌し、氷水中にそそぎ、6N塩酸で酸性にし、生じ
た結晶を濾別した。有機層を水、2NNaOH水溶液、
水の順に洗浄し、無水MgSO4 で乾燥した。
【0111】溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)にて精
製し、2.7gの結晶を得た。さらにエタノールから再
結晶して、4−(4′−デシルオキシフェニル)安息香
酸4−オクチルオキシペンチル1.2gを得た。生成物
について、下記のIRおよびNMRデータを得た。
【0112】IR(cm-1):2970〜2860、1
720、1610、1290、1200、1120。
【0113】NMR(CDCl3 )δ:8.3〜6.9
(8H)、4.6〜3.2(7H)、2.2〜0.7
(41H )。
【0114】参考例5 下記の工程により、4−オクチルオキシ安息香酸4−
(4′−ペンチルオキシペンチルオキシ)フェニルを製
造した。
【0115】4−オクチルオキシ安息香酸2.5gに塩
化チオニル8mlを加え、2時間還流した。過剰の塩化
チオニルを留去し、酸塩化物を得た。
【0116】次に、4−(4′−ペンチルオキシペンチ
ルオキシ)フェノール2.6gのピリジン12ml溶液
に、上記酸塩化物のトルエン溶液を10℃以下で15分
かけて滴下した。滴下後、室温にて15時間撹拌した。
反応後、冷水中にそそぎ、エーテル抽出した。エーテル
層を5%塩酸、水、5%NaOH水溶液、水の順で洗浄
し無水Na2 SO4 で乾燥した。溶媒留去してエタノー
ルで再結晶し、4−オクチルオキシ安息香酸4−(4′
−ペンチルオキシペンチルオキシ)フェニル4.4gを
得た。
【0117】IR(cm-1 ):2960〜2860、1
730、1600、1510、1470、1250、1
190、1070、760。
【0118】参考例6〜7 参考例5と同様な方法により、以下の化合物を合成し
た。
【0119】・4−デシルオキシ安息香酸4−(4′−
ペンチルオキシペンチルオキシ)フェニル IR(cm-1):2970〜2850、1730、16
00、1510、1470、1250、1190、10
70、760。
【0120】・4−(4′−ドデシルオキシフェニル)
安息香酸4−(4′ーペンチルオキシペンチルオキシ)
フェニル IR(cm-1):2970〜2850、1730、16
00、1510、1470、1250、1190、10
70、760。
【0121】参考例8 下記の工程により4−オクチルオキシ安息香酸4−
(4′−プロポキシペンチルオキシカルボニル)フェニ
ルを製造した。
【0122】4−オクチルオキシ安息香酸4.0gのベ
ンゼン13ml溶液中に、五塩化リン3.40gを室温
で撹拌下に少量ずつ加えた。その後4時間還流し、溶媒
留去して酸塩化物4.6gを得た。
【0123】次に、4−(4′−プロポキシペンチルオ
キシカルボニル)フェノール4.26gをピリジン20
mlに溶かし、3℃にて上記酸塩化物4.6gのトルエ
ン13ml溶液を滴下した。その後、室温で18時間撹
拌した。反応後、氷水中にそそぎ6N塩酸で酸性にし、
生じた結晶を濾別した。有機層を、水、2NNaOH水
溶液、水の順で洗浄し、無水Na2 SO4 で乾燥した。
溶媒を留去してシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム)にて精製し、エタノールから再結晶し
て、4−オクチルオキシ安息香酸4−(4′−プロポキ
シペンチルオキシカルボニル)フェニル1.16gを得
た。
【0124】IR(cm-1):2970〜2860、1
730、1720、1610、1270。
【0125】NMR(CDCl3 )δ:8.3〜6.8
(8H)、4.5〜3.1(7H)、2.2〜0.7
(27H) ppm。
【0126】参考例9〜10 参考例8と同様な方法により以下の化合物を合成した。
【0127】・4−ドデシルオキシ安息香酸4−(4′
−プロポキシペンチルオキシカルボニル)フェニル IR(cm-1):2970〜2860、1730、17
20、1610、1270。
【0128】NMR(CDCl3 )δ:8.3〜6.8
(8H)、4.5〜3.1(7H)、2.2〜0.7
(35H) ppm。
【0129】・4−(4′−オクチルオキシフェニル)
安息香酸4−(4′−プロポキシペンチルオキシカルボ
ニル)フェニル IR(cm-1):2970〜2860、1730、17
20、1610、1270。
【0130】NMR(CDCl3 )δ:8.3〜6.8
(12H)、4.5〜3.1(7H)、2.2〜0.7
(27H) ppm。
【0131】参考例11 5−ドデシル−2−[4−(4−プロポキシプロピルオ
キシ)フェニル]ピリミジンの製造。
【0132】(R)−4−プロポキシペンタノール15
gをピリジン50mlに溶解し、氷冷により15℃以下
に保ち、P−トルエンスルホニルクロリド21.3gを
加え室温にもどし、15時間撹拌した。その後、氷水5
00ml中に反応液を撹拌下そそぎ込み、5%塩酸を加
え、酸性(pH=1〜2)と、塩化メチレンにより抽出
した。塩化メチレン層を水洗の後、無水硫酸マグネシウ
ムにより乾燥し、溶媒を留去して、[(R)−4−プロ
ポキシプロピル]P−トルエンスルホネート14.4g
を得た。
【0133】次に、5−ドデシル−2−(4−ヒドロキ
シフェニル)ピリミジン2.5g、85%KOH0.4
9g、N,N−ジメチルホルムアミド20mlの混合物
を100℃で1時間撹拌した。その後、上記トシレート
体2.0gを加えて、100℃で5時間撹拌した。反応
終了後冷水250ml中にそそぎ込み、イソプロピルエ
ーテルにて抽出した。イソプロピルエーテル層を水洗し
た後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し
た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒n
−ヘキサン/酢酸エチル=10/2)で処理して、n−
ヘキサンにより再結晶を行ない、5−ドデシル−2−
[4−(4−プロポキシプロピル)フェニル]ピリミジ
ン1.77gを得た。
【0134】参考例12 交差した帯状のITOで形成した対向マトリクス電極の
それぞれに1000Åの膜厚を有するポリイミド膜(ピ
ロメリット酸無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテルとの結合物からなるポリアミック酸樹脂の5重量
%N−メチルピロリドン溶液を塗布し、250℃の温度
で加熱閉環反応により形成した)を設け、このポリイミ
ド膜の表面を互いに平行になる様にラビングし、セル厚
を1μにしたセルを作成した。
【0135】次いで、下記組成物Aを等方相下で前述の
セル中に真空注入法によって注入し、封口した。しかる
後に、徐冷(1℃/時間)によってSmC* の液晶セル
を作成した。
【0136】
【化18】
【0137】この液晶セルの両側にクロスニコルの偏光
子と検光子を配置し、対向マトリクス電極間に図4及び
図5に示す波形の信号を印加した。この際、走査信号は
図4(a)に示す+8ボルトと−8ボルトの交番波形と
し、書込み情報は、それぞれ+4ボルトと−4ボルトと
した。また、1フレーム期間を30m・secとした。
【0138】この結果、この液晶素子は前述のメモリー
駆動型時分割駆動を行なっても、書込み状態は、何ら反
転することなく正常な動画表示が得られた。
【0139】参考例13 参考例12で用いた液晶に代えて下記の液晶組成物Bを
用いたほかは参考例12と同様の方法で液晶素子を作成
し、その液晶素子について参考例12で用いた方法と同
様の駆動法により動画表示を行なった結果、何れの例で
も画面中に反転現象は見られなかった。
【0140】
【化19】
【0141】参考比較例1 参考例13の液晶素子を作成する際に用いた液晶組成物
B中の、第3番目に示す本発明の光学活性ヒドロキシ吉
草酸誘導体から誘導された液晶性化合物を省略した下記
の比較用液晶B′を調製し、その比較用液晶を用いて液
晶素子を作成した。この液晶素子を前述と同様の方法で
駆動させたが、反転現象を生じているために、正常な動
画が表示されなかった。
【0142】
【化20】
【0143】
【0144】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる時分割駆動用液晶素子を模式的
に表わす斜視図。
【図2】本発明で用いる時分割駆動用液晶素子を模式的
に表わす斜視図。
【図3】本発明で用いるマトリクス電極構造の平面図。
【図4】(a)〜(d)は、マトリクス電極に印加する
電気信号を表わす説明図。
【図5】(a)〜(d)は、マトリクス電極間に付与さ
れた電圧の波形を表わす説明図。
【図6】本発明の液晶素子に印加する電気信号を表わし
たタイムチャートの説明図。
【符号の説明】
11a、11b:基板 12:液晶分子層 13:液晶分子 14:双極子モーメント(P⊥) 23a:第1の安定状態 23b:第2の安定状態 24a:上向き双極子モーメント 24b:下向き双極子モーメント 31:セル 32:(S1 、S2 、S3 、・・・):走査電極群 33:(I1 、I2 、I3 、・・・):信号電極群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 眞孝 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 片桐 一春 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) [上記一般式中、Rは炭素数1〜18のアルキル基を示
    し、Cは不斉炭素原子を示す。1は0または1であ
    り、1=1のときm、nは0または1である。またAは
    水酸基、アルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、
    またはトシルオキシ基である]で表わされる光学活性な
    ヒドロキシ吉草酸誘導体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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