JPH0424345B2 - - Google Patents

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JPH0424345B2
JPH0424345B2 JP5072987A JP5072987A JPH0424345B2 JP H0424345 B2 JPH0424345 B2 JP H0424345B2 JP 5072987 A JP5072987 A JP 5072987A JP 5072987 A JP5072987 A JP 5072987A JP H0424345 B2 JPH0424345 B2 JP H0424345B2
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JP
Japan
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liquid crystal
general formula
derivatives
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formula
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JP5072987A
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JPS63215661A (ja
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Cheko Hioki
Masataka Yamashita
Goji Tokano
Yoko Yamada
Takashi Iwaki
Kazuharu Katagiri
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Canon Inc
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Canon Inc
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Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP5072987A priority Critical patent/JPS63215661A/ja
Publication of JPS63215661A publication Critical patent/JPS63215661A/ja
Publication of JPH0424345B2 publication Critical patent/JPH0424345B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は、新規なフルオロアルカン誘導体、そ
れを含有する液晶組成物および該液晶組成物を使
用する液晶素子に関するもので、詳しくは光学活
性な4−(2−フルオロアルキルオキシ)ベンゼ
ンチオールおよびチオールエステル誘導体、それ
らを含有する液晶組成物および該液晶組成物を使
用する液晶素子に関するものである。 背景技術 従来の液晶素子としては、例えばエム・シヤツ
ト(M.Schadt)とダブリユー・ヘルフリツヒ
(W.Helfrick)著“アブライド・フイジツクス・
レダーズ”(“Applied Physics Letters”)第18
巻、第4号(1971年2月15日発行)、第127頁〜
128頁の“ボルテージ・デイペンダント・オプテ
イカル・アクテイビテイー・オブ・ア・ツイステ
ツド・ネマチツク・リキツド・クリスタル”
(“Voltage Dependent Optical Activity of a
Twisted Nematic Liiquid Crystal”)に示さ
れたツイステツド・ネマチツク(twisted
nematic)液晶を用いたものが知られている。こ
のTN液晶は、画素密度を高くしたマトリクス電
極構造を用いた時分割駆動の時、クロストークを
発生する問題点がある為、画素数が制限されてい
た。 また電界応答が遅く視野角特性が悪いためにデ
イスプレイとしての用途は限定されていた。 又、各画素に薄膜トランジスタによるスイツチ
ング素子を接続し、各画素毎をスチツチングする
方式の表示素子が知られているが、基板上に薄膜
トランジスタを形成する工程が極めて煩雑な上、
大面積の表示素子を作成する事が難しい問題点が
ある。 この様な従来型の液晶素子の欠点を改善するも
のとして、双安定性を有する液晶素子の使用が、
クラーク(Clark)およびラガウエル
(Lagerwall)により提案されている(特開昭56
−107216号公報、米国特許第4367924号明細書
等)。双安定性を有する液晶としては、一般に、
カイラルスメクテイツクC相(SmC*)またはH
相(SmH*)を有する強誘電性液晶が用いられ
る。 この強誘電性液晶は、自発分極を有するために
非常に速い応答速度を有する上に、メモリー性の
ある双安定状態を発現させることができ、さらに
視野角特性もすぐれていることから大容量大画面
のデイスプレイ用材料として適している。 また強誘電性液晶として用いられる材料は不斉
炭素を有しているために、そのカイラルスメクチ
ツク相を利用した強誘電性液晶として使用する以
外に、次のような光学素子としても使用すること
ができる。 (1) 液晶状態においてコレステリツク・ネマテイ
ツク相転移効果を利用するもの(J.J.Wysoki、
A.Adams and W.Haas;Phys.Rev.Lett.、20、
1024(1968))、 (2) 液晶状態においてホワイト・テイラー形ゲス
ト・ホスト効果を利用するもの(D.L.White
and G.N.Taylor;J.Appl.Phys.、45、4718
(1974))等が知られている。個々の方式につい
ての詳細な説明は省略するが、表示素子や変調
素子として重要である。 このような液晶の電界応答光学効果を用いる方
法においては液晶の応答性を高めるために極性基
を導入することが好ましいとされている。とくに
強誘電性液晶においては応答速度は自発分極に比
例することが知られており、高速化のためには自
発分極を増加させることが望まれている。このよ
うな点からP.Kellerらは、不斉炭素に直接塩素基
を導入することで自発分極を増加させ応答速度の
高速化が可能であることを示した(C.R.Acad.
Sc.Paris、282C.639(1976))。しかしながら、不
斉炭素に導入された塩素基は化学的に不安定であ
るうえに、原子半径が大きいことから液晶相の安
定性が低下するという欠点を有しており、その改
善が望まれている。 他方、光学活性を有することを特徴とする光学
素子に必要な機能性材料は、それ自体光学活性の
中間体を経て合成されることが多いが、従来から
用いられる光学活性中間体としては、2−メチル
ブタノール、2級オクチルアルコール、2級ブチ
ルアルコール、塩化p−(2−メチルブチル)安
息香酸、2級フエネチルアルコール、アミノ酸誘
導体、シヨウノウ誘導体、コレステロール誘導体
等が挙げられるのみで、この光学活性中間体に極
性基を導入されることはほとんどなかつた。この
ためもあつて、不斉炭素原子に直接極性基を導入
することにより自発分極を増加する方法は、余り
有効に利用されていなかつた。 発明の目的 本発明は上記の点に鑑みなされたものである。
すなわち、本発明は不斉炭素原子に直接、安定で
且つ双極子モーメントの大きいフツ素基を導入す
ることにより極性を高め、液晶の電界応答性を高
めた液晶化合物及びそれを少なくとも1種類含有
する液晶組成物を提供することを目的とする。 本発明はアルキル基の長さを変更する事が容易
で、このことによりH.Arnold、Z.Phys.Chem.、
266、146(1964)に示されるように液晶状態にお
いて発現する液晶相の種類や温度範囲を制御する
ことが可能な液晶性化合物及びそれを少なくとも
1種類配合成分として含有する液晶組成物を提供
することを目的とする。 目的を達するための手段及び作用 本発明は、上述の目的を達成するためになされ
たものであり、一般式() 〔上記一般式中、R1は炭素数1−16のアルキル
基を示し、C*は不斉炭素原子を示す。又、Aは
水素原子又は、
【式】基(ただ し、R2は炭素数4〜18のアルキル基又はアルコ
キシ基を示し、nは1又は2である)である〕で
表わされる光学活性なフルオロアルカン誘導体お
よび、それを少なくとも1種配合成分として含有
する液晶成物を提供するものである。 特にAが
【式】基の場合は、 上記光学活性な上記フルオロアルカン誘導体は、
それ自体で液晶性を示し、それを少なくとも1種
類配合成分として含有することにより良好な特性
の液晶組成物が得られる。また本発明は、このよ
うな液晶組成物を使用する液晶素子をも提供する
ものである。 発明の具体的説明 上記一般式()で示される光学活性なフルオ
ロアルカン誘導体において、Aが水素原子である
場合、A−S−基はチオール基である。このチオ
ール基を有する本発明の光学活性フルオロアルカ
ン誘導体に試薬を種々変化させて、反応させるこ
とにより各種液晶性化合物、その他の機能性化合
物を得ることができる。 そのような液晶性化合物の一例として、Aが
【式】(ただし、R2は炭素数4 〜18のアルキル基もしくはアルコキシ基で、nは
1又は2である)のものが得られる。この場合、
特にR2の炭素原子数は6〜16が好ましい。 その他の機能性化合物を得るため、本発明の光
学活性なフルオロアルカン誘導体(Aが水素原
子)と分子制御を行うことのできる適度な分子間
力と形状をもつた機能性材料中間体とを該フルオ
ロアルカン誘導体の光学活性を損なうことなく結
合させてもよい。そのような機能性材料中間体と
しては、アゾあるいはアゾキシ誘導体、環集合炭
化水素誘導体、縮合多環式炭化水素誘導体、複素
環誘導体、縮合複素環誘導体、環集合複素環誘導
体等で具体的には、アゾベンゼン誘導体、アゾキ
シベンゼン誘導体、ビフエニル誘導体、ターフエ
ニル誘導体、フエニルシクロヘキサン誘導体、安
息香酸誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導
体、ピリジン誘導体、スチルベン誘導体、トラン
誘導体、カルコン誘導体、ビシクロヘキサン誘導
体、ケイ皮酸誘導体等があげられる。 本発明の一般式()で示される光学活性なフ
ルオロアルカン誘導体は、好ましくは、特願昭60
−232886号の明細書に示される光学活性な2−フ
ルオロ−1−アルカノールから次に示す合成経路
により合成される。 (ここで、R1、R2、nは前記定義の通りである) 本発明の液晶組成物は、上記一般式()で表
わされる、光学活性なフルオロアルカン誘導体を
少なくとも1種類配合成分として含有するもので
ある。 上記組成物のうち下式(1)〜(13)に代表して示
されるような強誘電性液晶を配合成分とするもの
は自発分極を増大させることが可能でありさらに
粘度を低下させる効果とあいまつて応答速度を改
善することができ好ましい。このような場合には
一般式()で示される本発明のフルオロアルカ
ン誘導体(A=H)を0.1〜30重量%の比率で使
用することが好ましく、また液晶性のフルオロア
ルカン誘導体(A=
【式】)は 0.1〜99重量%の比率で使用することが好ましく、
特に好ましくは1〜90重量%で使用される。
【表】
【表】
【表】
【表】 また下式(1)〜(5)で示されるような、それ自体は
カイラルでないスメチツク液晶に配合することに
より、強誘電性液晶として使用可能な組成物が得
られる。 このような場合においては一般式()で示さ
れる本発明のフルオロアルカン誘導体(A=H)
を0.1〜30重量%の比率で使用することができる。
また一般式()で示される本発明の液晶性フル
オロアルカン誘導体(A=
【式】)を0.1〜99重量%の比 率で使用することができる。
【表】
【表】 ここで、記号はそれぞれ以下の相を示す。 Cryst:結晶相、SmA:スメクチツクA相、
SmB:スメクチツクB相、SmC:スメクチツク
C相、N:ネマチツク相、Iso:等方相。 また本発明の乳酸誘導体を少なくとも1種類配
合成分として含有するネマツチク液晶はツイステ
ツドネマチツク(TN)型セルにして使用する場
合にリバースドメインの発生を防止することがで
き好ましい。 第1図は、強誘電性液晶の動作説明のために、
セルの例を模式的に描いたものである。11aと
11bは、それぞれIn2O3、SnO2あるいはITO
(Indium−Tin Oxide)等の薄膜からなる透明電
極で被覆された基板(ガラス板)であり、その間
に液晶分子層12がガラス面に垂直になるように
配向したSmC*相の液晶が封入されている。太線
で示した線13が液晶分子を表しており、この液
晶分子13はその分子に直交した方向に双極子モ
ーメント(P⊥)14を有している。基板21と
11b上の電極間に一定の閾値以上の電圧を印加
すると、液晶分子13のらせん構造がほどけ、双
極子モーメント(P⊥)14がすべて電界方向を
向くよう、液晶分子13は配向方向を変えること
ができる。液晶分子13は、細長い形状を有して
おり、その長軸方向と短軸方向で屈折率異方性を
示し、従つて、例えば、ガラス面の上下に互いに
クロスニコルの偏光子を置けば、電圧印加電極に
よつて光学特性が変わる液晶光学変調素子となる
ことは、容易に理解される。 本発明の光学変調素子で好ましく用いられる液
晶セルは、その厚さを充分に薄く(例えば10μ以
下)することができる。このように液晶層が薄く
なるにしたがい、第2図に示すように電界を印加
していない状態でも液晶分子のらせん構造がほど
け、その双極子モーメントPaまたはPbは上向き
24a又は下向き24bのどちらかの状態をと
る。このようなセルに、第2図に示す如く一定の
閾値以上の極性の異なる電界Ea又はEbを電圧印
加手段21aと21bにより付与すると、双極子
モーメントは、電界Ea又はEbの電界ベクトルに
対応して上向き24a又は下向き24bと向きを
変え、それに応じて液晶分子は、第1の安定状態
23aかあるいは第2安定状態23bの何れか一
方に配向する。 このような強誘電性を光学変調素子として用い
ることの利点は、先にも述べたが2つある。 その第1は、応答速度が極めて速いことであ
り、第2は液晶分子の配向が双安定性を有するこ
とである。第2の点を、例えば第2図によつて更
に説明すると、電界Eaを印加すると液晶分子は
第1の安定状態23aに配向するが、この状態は
電界を切つても安定である。又、逆向きの電界
Ebを印加すると、液晶分子は第2の安定状態2
3bに配向してその分子の向きを変えるが、やは
り電界を切つてもこの状態に留つている。又、与
える電界EaあるいはEbが一定の閾値を越えない
限り、それぞれ前の配向状態にやはり維持されて
いる。このような応答速度の速さと、双安定性が
有効に実現されるにはセルとしては出来るだけ薄
い方が好ましく、一般的には0.5μ〜20μ、特に1μ
〜5μが適している。 次に強誘電性液晶の駆動法の具体例を、第3図
〜第5図を用いて説明する。 第3図は、中間に強誘電性液晶化合物(図示せ
ず)が挟まれたマトリクス電極構造を有するセル
31の模式図である。32は、走査電極群であ
り、33は信号電極群である。最初に走査電極S1
が選択された場合について述べる。第4図aと第
4図bは走査信号であつて、それぞれ選択された
走査電極S1に印加される電気信号とそれ以外の走
査電極(選択されない走査電極)S2,S3,S4……
に印加される電気信号を示している。第4図cと
第4図dは、情報信号であつてそれぞれ選択され
た信号電極I1,I3,I5と選択されない信号電極I2
I4に与えられる電気信号を示している。 第4図および第5図においては、それぞれ横軸
が時間を、縦軸が電圧を表す。例えば、動画を表
示するような場合には、走査電極群32は逐次、
周期的に選択される。今、所定の電圧印加時間t1
またはt2に対して双安定性を有する液晶セルの、
第1の安定状態を与えるための閾値電圧を−Vth1
とし、2の安定状態を与えるための閾値電圧を+
Vth2とすると、選択された走査電極32,S1に与
えられる電極信号は、第4図aに示される如く位
相(時間)t1では、2Vを、位相(時間)t2では、
−2Vとなるような交番する電圧である。このよ
うに選択された走査電極に互いに電圧の異なる複
数の位相間隔を有する電気信号を印加すると、光
学的「暗」あるいは「明」状態に相当する液晶の
第1あるいは第2の安定状態間での状態変化を、
速やかに起こさせることができるという重要な効
果が得られる。 一方、それ以外の走査電極S2〜S5……は、第4
図bに示す如くアース状態となつており、電気信
号0である。また選択された信号電極I1,I3,I5
に与えられる電気信号は、第4図cに示される如
くVであり、また選択されない信号電極I2,I4
与えられる電気信号は、第4図dに示される如く
−Vである。以上に於て各々の電圧値は、以下の
関係を満足する、所望の値に設定される。 V<Vth2<3V −3V<−Vth1<−V この様な電気信号が与えられたときの各画素の
うち、例えば第3図中の画素AとBにそれぞれ印
加される電圧波形を第5図aとbに示す。すなわ
ち、第5図aとbより明らかな如く、選択された
走査線上にある画素Aでは位相t2に於て、閾値
Vth2を越える電圧3Vが印加される。また、同一
走査線上に存在する画素Bでは位相t1に於て閾値
−Vth1を越える電圧−3Vが印加される。従つて、
選択された走査電極線上に於て、信号電極が選択
されたか否かに応じて、選択された場合には、液
晶分子は第1の安定状態に配向を揃え、選択され
ない場合には第2の安定状態に配向を揃える。 一方、第5図cとdに示される如く、選択され
ない走査線上では、すべての画素に印加される電
圧はVまたは−Vであつて、いずれも閾値電圧を
越えない。従つて、選択された走査線上以外の各
画素における液晶分子は、配向状態を変えること
なく前回走査されたときの信号状態に対応した配
向を、そのまま保持している。即ち、走査電極が
選択されたときにその1ライン分の信号の書き込
みが行われ、1フレームが終了して次回選択され
るまでの間は、その信号状態を保持し得るわけで
ある。従つて、走査電極数が増えても、実質的な
デユーテイ比はかわらず、コントラストの低下は
全く生じない。 次に、デイスプレイ装置として駆動を行つた場
合の実際に生じ得る問題点について考えてみる。
第3図に於て、走査電極S1〜S5……と信号電極I1
〜I5……の交点で形成する画素のうち、斜線部の
画素は「明」状態に、白地で示した画素は、「暗」
状態に対応するものとする。今、第3図中の信号
電極I1上の表示に注目すると、走査電極S1に対応
する画素Aでは「明」状態であり、それ以外の画
素Bはすべて「暗」状態である。この場合の駆動
法の一例として、走査信号と信号電極I1に与えら
れる情報信号及び画素Aに印加される電圧を時系
列的に表したものが第6図である。 例えば第6図のようにして、駆動した場合、走
査信号S1が走査されたとき、時間t2に於て画素A
には、閾値Vth2を越える電圧3Vが印加されるた
め、前歴に関係なく、画素Aは一方向の安定状
態、即ち「明」状態に移転(スイツチ)する。そ
の後は、S2〜S5……が走査される間は第6図に示
される如く−Vの電圧が印加され続けるが、これ
は閾値−Vth1を越えないため、画素Aは「明」状
態を保ち得るはずであるが、実際にはこのように
1つの信号電極上で一方の信号(今の場合「暗」
に対応)が与えられ続けるような情報の表示を行
う場合には、走査線数が極めて多く、しかも高速
駆動が求められるときには反転現象を生じるが、
前述した特性の液晶化合物またはそれを含有した
液晶組成物を用いることによつて、この様な反転
現象は完全に防止される。 さらに、本発明では、前述の反転現象を防止す
る上で液晶セルを構成している対向電極のうち少
なくとも一方の電極に絶縁物質により形成した絶
縁膜を設けることが好ましい。 この際に使用する絶縁物質としては、特に制限
されるものではないが、シリコン窒化物、水素を
含有するシリコン窒化物、シリコン炭化物、水素
を含有するシリコン炭化物、シリコン酸化物、硼
素窒化物、水素を含有する硼素窒化物、セリウム
酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化
物、チタン酸化物やフツ化マグネシウムなどの無
機絶縁物質、あるいはポリビニルアルコール、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミ
ド、ポリパラキシレン、ポリエステル、ポリカー
ボネート、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリスチレ
ン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ユリヤ樹
脂、アクリル樹脂やフオトレジスト樹脂などの有
機絶縁物質が絶縁膜として使用される。これらの
絶縁膜の膜厚は5000Å以下、好ましくは100Å〜
1000Å、特に500Å〜3000Åが適している。 以下、実施例により本発明を更に具体的に説明
する。 実施例 1 上記式で表わされる4−(2′−フルオロデシル
オキシ)ベンゼンチオールを以下の反応工程によ
り製造した。 (1) 2−フルオロデシルブロミドの合成 2−フルオロデカノール20g(113.6mmol)
をピリジン100mlに溶解し、0℃に冷却し、p
−トルエンスルホン酸クロライド26.0g
(136.1mmol)をピリジン100mlで溶解した液
を少量ずつ加え、0℃で1時間攪拌した後、室
温で12時間反応させた。ついで、反応液を氷水
500mlに注加し、ついで6N HCl水溶液にて酸
性側にし、塩化メチレンを用いて抽出を行い、
抽出層を水洗し、水層が中性であることを確認
した後、無水硫酸マグネシウムを用い乾燥し、
溶媒を留去した。さらにシリカゲルカラムクロ
マトグラフイーを用いて精製を行い、2−フル
オロデシル−p−トルエンスルホン酸エステル
35.2gを得た。 次に、三ツ口フラスコに乾燥アセトニトリル
50mlを入れ、十分乾燥室素置換をする。そこに
LiBr13.1gを入れ上記で得たトシレート33.4g
(100.9mmol)をアセトントリル90mlでの溶液
を30分間で滴下した。その後、約5時間加熱還
流した。反応終了後、アセトニトリルを留去
し、水、エーテルを入れ抽出した。さらにエー
テルで抽出した後、エーテル層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を留去して、真空蒸留
(70〜72℃/2〜3mmHg)して、2−フルオロ
デシルブロミド18.8gを得た。 (2) 2−フルオロデシルオキシベンゼンの合成 フエノール7.75g(82.5mmol)、n−ブタノ
ール15mlを入れたフラスコに水酸化カリウム
5.6gとn−ブタノール50mlを入れ、さらに2
−フルオロデシルブロミド18.8g(78.7m
mol)、n−ブタノール25mlを加え、室温下20
分攪拌した後、加熱し、還流条件下6時間反応
させた。その後、放冷した後、氷水250ml中に
注ぎ込み、イソプロピルエーテルにより抽出
し、抽出層を水洗し、水層が中性であることを
確認した後、シリカゲルカラムクロマトグラフ
イーを用いて精製し、19.5gの2−フルオロデ
シルオキシベンゼンを得た。 (3) 4−(2−フルオロデシルオキシ)ベンゼン
チオールの合成 2−フルオロデシルオキシベンゼン18g
(71.4mmol)をクロロホルム35mlに溶かし、−
10℃に冷却した。その中にClSO3H16.6g
(142.5mmol)を徐々に滴下した。その後室温
にもどし、6時間攪拌た。反応終了後、氷水に
注入し、NaOH水溶液にて弱酸性にした後、
クロロホルムにて抽出した。クロロホルム層を
水洗、乾燥後、溶媒を留去させた後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフイーを用いて精製を行
い、4(2′−フルオロデシルオキシ)ベンゼン
スルホン酸クロライド10.5gを得た。 次に氷100g、濃硫酸33gの混合物を−5℃
に冷却し、その中に上記で得た4(2′−フルオ
ロデシルオキシ)ベンゼンスルホン酸クロライ
ド10.5gを徐々に滴下した。その後Zn25.8gを
温度が上がらないようにして出来るだけ速く滴
下した。そのまま2時間半攪拌した。反応液を
イソプロピルエーテルにて抽出し、イソプロピ
ルエーテル層を水洗、乾燥後、溶媒留去し、4
−(2−フルオロデシルオキシ)ベンゼンチオ
ール5.1gを得た。 IR(cm-1):2930、2860、1600、1500、1470、
1285、1245、1175、825、 実施例 2 上記式で表わされる4−n−デシルオキシチオ
安息香酸−S−4′−(2−フルオロデシルオキシ)
フエニルを以下の反応工程により製造した。 4−n−デシルオキシ安息香酸1.76gを塩化チ
オニル5mlと共に3時間30分加熱還流した後、未
反応の塩化チオニルを留去して酸塩化物を得た。 4−(2−フルオロデシルオキシ)ベンゼンチ
オール1.5gをピリジン5ml、トルエン5mlに溶
解し、攪拌下、1〜4℃で、上記酸塩化物のトル
エン5ml溶液を30分かけて滴下し、さらに室温で
一夜攪拌した。反応混合物を氷水100ml中へ注入
し、6N塩酸で酸性とした後、酢酸エチル(40ml
×3回)で抽出した。水、6%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、水で順次洗浄を行い、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した。溶媒留去後、これをシリカゲ
ルカラムクロマトグラフ法(展開溶媒ベンゼン)
により精製した。エタノール−酢酸エチル混合溶
媒より再結晶を行い、4−n−デシルオキシチオ
安息香酸−S−4′−(2−フルオロデシルオキシ)
フエニル1.5gを得た。 IR(cm-1):2930、2860、1668、1604、1502、
1270、1250、1172、910、838、 相転移温度(℃) Cryst64.4 28.1SmC*79.1 78.4 SmA80.4 80.0Ch86.9 86.1Iso 実施例 3 交差した帯状のITOで形成した対向マトリクス
電極の夫々に1000Åの膜厚を有するポリイミド膜
(ピロメリツト酸無水物と4,4′−ジアミノジフ
エニルエーテルとの結合物からなるポリアミツク
酸樹脂の5重量%N−メチルピロリドン溶液を塗
布し、250℃の温度で加熱閉環反応により形成し
た)を設け、このポリイミド膜の表面を互いに平
行になる様にラビングし、セル厚を1μにしたセ
ルを作成した。 次いで下記組成物Aを等方相下で前述のセル中
に真空注入法によつて注入し封口した。しかる後
に、徐冷(1℃/時間)によつてSmC*の液晶セ
ルを作成した。 液晶組成物A: この液晶セルの両側にクロスニコルの偏光子と
検光子を配置し、対向マトリクス電極間に第4図
及び第5図に示す波形の信号を印加した。この
際、走査信号は第4図aに示す+8ボルトと−8
ボルトの交番波形とし、書込み情報は、それぞれ
+4ボルトと−4ボルトとした。また、1フレー
ム期間30m・secとした。 この結果、この液晶素子は前述のメモリー駆動
型時分割駆動を行つても、書込み状態は、何ら反
転することなく正常な動画表示が得られた。 比較例 1 実施例3の液晶素子を作成する際に様いた液晶
組成物中の、前述の一般式()で示される乳酸
誘導体を省略した下記、比較様液晶Bを調整し、
比較用液晶を用いて液晶素子を作成した。これら
液晶素子を前述と同様の方法で駆動させたが、反
転現象を生じているために、正常な動画が表示さ
れなかつた。 比較用液晶B 実施例 4 p,p−ペンチルアゾキシベンゼン95重量部
に、上記実施例1のフルオロアルカン誘導体5重
量部を加えて液晶組成物を得た。この液晶組成物
を使用したTNセル(ツイステツド・ネマチツ
ク・セル)は、この化合物を添加しないで製造し
たTNセルに比較して、リバース・ドメインが大
幅に減少していることが観察された。 発明の効果 本発明のフルオロアルカン誘導体を有する液晶
組成物を有する液晶素子は、時分割駆動により、
書き込み状態が反転することなく、正常な動画表
示の得られる液晶素子とすることができ、又、本
発明の()式で表わされるフルオロアルカン誘
導体の、特にAが
【式】基の場 合フルオロアルカン誘導体を有する液晶組成物は
SmC*相の温度範囲の拡がつた液晶組成物とする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明で用いる時分割駆
動用液晶素子を模式的に表わす斜視図、第3図は
本発明で用いるマトリクス電極構造の平面図、第
4図a〜dはマトリクス電極に印加する電気信号
を表わす説明図、第5図a〜dはマトリクス電極
間に付与された電圧の波形を表わす説明図、第6
図は本発明の液晶素子に印加する電気信号を表わ
したタイムチヤートの説明図である。 11a,11b……基板、12……液晶分子
層、13……液晶分子、14……双極子モーメン
ト(P⊥)、23a……第1の安定状態、23b
……第2の安定状態、24a……上向き双極子モ
ーメント、24b……下向き双極子モーメント、
31……セル、32…(S1,S2,S3,…)……走
査電極群、33…(I1,I2,I3,…)……信号電
極群。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式() 〔上記一般式中、R1は炭素数1−16のアルキル
    基を示し、C*は不斉炭素原子を示す。又、Aは
    水素原子又は、【式】基(ただ し、R2は炭素数4〜18のアルキル基又はアルコ
    キシ基を示し、nは1又は2である)である〕で
    表わされる光学活性なフルオロアルカン誘導体。 2 一般式() 〔上記一般式中、R1は炭素数1−16のアルキル
    基を示し、C*は不斉炭素原子を示す。又、Aは
    水素原子又は、【式】基(ただ し、R2は炭素数4〜18のアルキル基又はアルコ
    キシ基を示し、nは1又は2である)である〕で
    表わされる光学活性なフルオロアルカン誘導体を
    少なくとも1種類配合成分として含有することを
    特徴とする液晶組成物。 3 一般式() 〔上記一般式中、R1は炭素数1−16のアルキル
    基を示し、C*は不斉炭素原子を示す。又、Aは
    水素原子又は、【式】基(ただ し、R2は炭素数4〜18のアルキル基又はアルコ
    キシ基を示し、nは1又は2である)である〕で
    表わされる光学活性なフルオロアルカン誘導体を
    少なくとも1種類配合成分として含有する液晶組
    成物を有することを特徴とする液晶素子。
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