JP4272733B2 - 液晶組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
発明の属する技術分野
本発明は、新規なチオフェン化合物を含有する液晶組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液晶は電気光学素子として種々の分野で応用されている。現在実用化されている液晶素子はほとんどが、例えばエム シャット(M.Schadt)とダブリュ ヘルフリッヒ(W.Helfrich)著“アプライド フィジックス レターズ”(“Applied Physics Letters”)Vol.18,No.4(1971.2.15)P.127〜128の“Voltage Dependent Optical Activity of aTwisted Nematic Liquid Crystal”に示されたTN(Twisted Nematic)型の液晶を用いたものである。
【0003】
これらは、液晶の誘電的配列効果に基づいており、液晶分子の誘電異方性のために平均分子軸方向が、加えられた電場により特定の方向に向く効果を利用している。これらの素子の光学的な応答速度の限界はミリ秒であるといわれ、多くの応用のためには遅すぎる。
【0004】
一方、大型平面ディスプレイへの応用では、価格、生産性などを考え合わせると単純マトリクス方式による駆動が最も有力である。単純マトリクス方式においては、走査電極群と信号電極群をマトリクス状に構成した電極構成が採用され、その駆動のためには、走査電極群に順次周期的にアドレス信号を選択印加し、信号電極群には所定の情報信号をアドレス信号と同期させて並列的に選択印加する時分割駆動方式が採用されている。
【0005】
しかし、この様な駆動方式の素子に前述したTN型の液晶を採用すると走査電極が選択され、信号電極が選択されない領域、或いは走査電極が選択されず、信号電極が選択される領域(所謂“半選択点”)にも有限に電界がかかってしまう。
【0006】
選択点にかかる電圧と、半選択点にかかる電圧の差が充分に大きく、液晶分子を電界に垂直に配列させるのに要する電圧閾値がこの中間の電圧値に設定されるならば、表示素子は正常に動作するわけであるが、走査線数(N)を増加して行なった場合、画面全体(1フレーム)を走査する間に一つの選択点に有効な電界がかかっている時間(duty比)が1/Nの割合で減少してしまう。
【0007】
このために、くり返し走査を行なった場合の選択点と非選択点にかかる実効値としての電圧差は、走査線数が増えれば増える程小さくなり、結果的には画像コントラストの低下やクロストークが避け難い欠点となっている。
【0008】
この様な現象は、双安定性を有さない液晶(電極面に対し、液晶分子が水平に配向しているのが安定状態であり、電界が有効に印加されている間のみ垂直に配向する)を時間的蓄積効果を利用して駆動する(即ち、繰り返し走査する)ときに生ずる本質的には避け難い問題点である。
【0009】
この点を改良する為に、電圧平均化法、2周波駆動法や、多重マトリクス法等が既に提案されているが、いずれの方法でも不充分であり、表示素子の大画面化や高密度化は、走査線数が充分に増やせないことによって頭打ちになっているのが現状である。
【0010】
この様な従来型の液晶素子の欠点を改善するものとして、双安定性を有する液晶素子の使用がクラーク(Clark)およびラガウェル(Lagerwall)により提案されている(特開昭56−107216号公報、米国特許第4,367,924号明細書等)。
双安定性液晶としては、一般にカイラルスメクティックC相(SmC* 相)又はH相(SmH* 相)を有する強誘電性液晶が用いられる。
【0011】
この強誘電性液晶は電界に対して第1の光学的安定状態と第2の光学的安定状態からなる双安定状態を有し、従って前述のTN型の液晶で用いられた光学変調素子とは異なり、例えば一方の電界ベクトルに対して第1の光学的安定状態に液晶が配向し、他方の電界ベクトルに対しては第2の光学的安定状態に液晶が配向されている。また、この型の液晶は、加えられる電界に応答して、上記2つの安定状態のいずれかを取り、且つ電界の印加のないときはその状態を維持する性質(双安定性)を有する。
【0012】
以上の様な双安定性を有する特徴に加えて、強誘電性液晶は高速応答性であるという優れた特徴を持つ。それは強誘電性液晶の持つ自発分極と印加電場が直接作用して配向状態の転移を誘起するためであり、誘電率異方性と電場の作用による応答速度より3〜4オーダー速い。
【0013】
この様に強誘電性液晶はきわめて優れた特性を潜在的に有しており、このような性質を利用することにより、上述した従来のTN型素子の問題点の多くに対して、かなり本質的な改善が得られる。特に、高速光学光シャッターや高密度、大画面ディスプレイへの応用が期待される。このため強誘電性を持つ液晶材料に関しては広く研究がなされているが、現在までに開発された強誘電性液晶材料は、低温作動特性、高速応答性、コントラスト等を含めて液晶素子に用いる十分な特性を備えているとは言い難い。
【0014】
応答時間τと自発分極の大きさPsおよび粘度ηの間には、下記の式[1]
【0015】
【数1】
Figure 0004272733
(ただし、Eは印加電界である。)
の関係が存在する。
【0016】
したがって、応答速度を速くするには、
(ア)自発分極の大きさPsを大きくする
(イ)粘度ηを小さくする
(ウ)印加電界Eを大きくする
方法がある。
【0017】
しかし印加電界は、IC等で駆動するため上限があり、出来るだけ低い方が望ましい。よって、実際には粘度ηを小さくするか、自発分極の大きさPsの値を大きくする必要がある。
【0018】
一般的に自発分極の大きい強誘電性カイラルスメクチック液晶化合物においては、自発分極のもたらすセルの内部電界も大きく、双安定状態をとり得る素子構成への制約が多くなる傾向にある。又、いたずらに自発分極を大きくしても、それにつれて粘度も大きくなる傾向にあり、結果的には応答速度はあまり速くならないことが考えられる。
【0019】
また、実際のディスプレイとしての使用温度範囲が例えば5〜40℃程度とした場合、応答速度の変化が一般に20倍程もあり、駆動電圧および周波数による調節の限界を越えているのが現状である。
【0020】
また、一般に、液晶の複屈折を利用した液晶素子の場合、直交ニコル下での透過率は、下記の[2]式で表わされる。
【0021】
【数2】
Figure 0004272733
【0022】
[2]式中、I0は入射光強度、Iは透過光強度、θaは以下で定義される見かけのチルト角、Δnは屈折率異方性、dは液晶層の膜厚そして、λは入射光の波長である。
【0023】
前述の非らせん構造におけるチルト角θaは、第1と第2の配向状態でのねじれ配列した液晶分子の平均分子軸方向の角度として現われることになる。[2]式によれば、見かけのチルト角θaが22.5°の角度の時最大の透過率となり、双安定性を実現する非らせん構造でのチルト角θaは22.5°にできる限り近いことが必要である。
【0024】
また、最近ではチャンダニ、竹添らにより、3つの安定状態を有するカイラルスメクチック反強誘電性液晶素子も提案されている(ジャパニーズ ジャーナルオブ アプライド フィジックス(Japanese Journl of Applied Physics)第27巻、1988年L729頁)。そして、最近この反強誘電液晶材料のうち、ヒステリシスが小さく、階調表示に有利な特性を有するV字型応答特性が発見された(たとえば、ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジックス(Japanese Journa1 of Applied Physics)第36巻、1997年、3586頁)。これをアクティブマトリクスタイプの液晶素子とし、高速のディスプレイを実現しようという提案もされている(特開平9−50049号公報)。
【0025】
しかしながら、このようなカイラルスメクチック液晶素子においては、たとえば「強誘電液晶の構造と物性」(コロナ社、福田敦夫、竹添秀男著、1990年)に記載されているように、ジグザグ状あるいは筋状の配向欠陥が発生してコントラストを著しく低下させるという問題があり、一部の液晶素子においてはかなり改善されているものがあるが、その改善手法はオールマイティーでなく、カイラルスメクチック液晶の配向性の改善は強く求められている。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のクラークとラガウォールによって発表された双安定性を示す非らせん構造の強誘電性液晶に対して適用した場合には、下記の如き問題点を有し、コントラスト低下の原因となっている。
【0027】
第1に、従来のラビング処理したポリイミド膜によって配向させて得られた非らせん構造の強誘電性液晶での見かけのチルト角θa(2つの安定状態の分子軸のなす角度の1/2)が強誘電性液晶でのチルト角(後述の図4に示す三角錐の頂角の1/2の角度θ)と較べて小さくなっている為に透過率が低い。
【0028】
第2に電界を印加しないスタテック状態におけるコントラストは高くても、電圧を印加して駆動表示を行った場合に、マトリックス駆動における非選択期間の微少電界により液晶分子が揺らぐ為に黒が淡くなる。
【0029】
以上述べたように強誘電性液晶素子を実用化する為には、高速応答性を有し、応答速度の温度依存性が小さく、かつコントラストの高いカイラルスメクチック相を示す液晶組成物が要求される。更にディスプレイの均一なスイッチング、良好な視角特性、低温保存性、駆動ICヘの負荷の軽減等のために液晶組成物の自発分極、カイラルスメクチックCピッチ、コレステリックピッチ、液晶相をとる温度範囲、光学異方性、チルト角、誘電異方性などを適正化する必要がある。
【0031】
本発明の目的は、反強誘電液晶素子において、優れた均一配向性を有する液晶組成物を提供しようとするものである。
【0032】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、下記化学式(A)で表わされるチオフェン化合物と、下記化学式(B)で表わされるフェリ誘電性化合物とを混合してなり、反強誘電性相を有することを特徴とする液晶組成物である。
【化28】
Figure 0004272733
但し、略基は以下の基を示す。
【化29】
Figure 0004272733
【0033】
【化2】
Figure 0004272733
【0037】
1、B2は単結合、−COO−、−OOC−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2−、−CH=CH−または−C≡C−である。]
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明は、下記一般式(I)で表わされる化合物からなるチオフェン化合物、該チオフェン化合物を含有する液晶組成物及び該液晶組成物を一対の電極基板間に配置してなる液晶素子ならびにそれらを用いた表示装置及び表示方法を提供するものである。
【0047】
【化3】
Figure 0004272733
【0048】
一般式(I)において、R1、R2は炭素原子数が1から20、好ましくは炭素原子数4〜15である直鎖状または分岐状のアルキル基を示す。但し、該アルキル基中の1つもしくは2つ以上の−CH2−はヘテロ原子が隣接しない条件で−O−、−S−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−C*HF−、−C*H(CF3)−に置き換えられていても良い。*は不斉炭素である。
【0049】
、Aはそれぞれ単独に無置換あるいは1個または2個の置換基F、Cl、Br、CH CF を有する1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピラジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、1,4−シクロヘキシレン、1,3,2−ジオキサボリナン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,3−ジチアン−2,5−ジイル、ベンゾオキサゾール−2,5−ジイル、ベンゾオキサゾール2,6−ジイル、ベンゾチアゾール−2,5−ジイル、ベンゾチアゾール−2,6−ジイル、ベンゾフラン−2,5−ジイル、ベンゾフラン−2,6−ジイル、キノキサリン−2,6−ジイル、キノリン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロ−2,6−ナフチレン、2,6−ナフチレン、インダン−2,5−ジイル、2−アルキルインダン−2,5−ジイル(アルキル基は炭素原子数1から18の直鎖状または分岐状のアルキル基である。)、クマラン−2,5−ジイル、2−アルキルクマラン−2,5−ジイル(アルキル基は炭素原子数1から18の直鎖状または分岐状のアルキル基である。)、チオフェン−2,5−ジイル、チアゾール−2,5−ジイル、チアジアゾール−2,5−ジイルから選ばれる。
【0050】
また、A、Aはそれぞれ単独に単結合または無置換あるいは1個または2個の置換基F、Cl、Br、CH CF を有する1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピラジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、1,4−シクロヘキシレン、1,3,2−ジオキサボリナン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,3−ジチアン−2,5−ジイル、ベンゾオキサゾール−2,5−ジイル、ベンゾオキサゾール2,6−ジイル、ベンゾチアゾール−2,5−ジイル、ベンゾチアゾール−2,6−ジイル、ベンゾフラン−2,5−ジイル、ベンゾフラン−2,6−ジイル、キノキサリン−2,6−ジイル、キノリン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロ−2,6−ナフチレン、2,6−ナフチレン、インダン−2,5−ジイル、2−アルキルインダン−2,5−ジイル(アルキル基は炭素原子数1から18の直鎖状または分岐状のアルキル基である。)、クマラン−2,5−ジイル、2−アルキルクマラン−2,5−ジイル(アルキル基は炭素原子数1から18の直鎖状または分岐状のアルキル基である。)、チオフェン−2,5−ジイル、チアゾール−2,5−ジイル、チアジアゾール−2,5−ジイルから選ばれる。但しA、Aの少なくとも1方はチオフェン−2,5−ジイルであり、かつA、Aのうち少なくとも1方は1,2,3,4−テトラヒドロ−2,6−ナフチレンである。
【0051】
1、B2は単結合、−COO−、−OOC−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2−、−CH=CH−または−C≡C−である。]
【0052】
前記チオフェン化合物のうち液晶相の温度幅、混和性、粘性、配向性などの観点からA1、A2、A3、A4のいずれか1個が単結合である化合物が好ましい。さらに、A1、A2、A3、A4のいずれか1個が単結合であり、かつA1、A2、A3、A4のいずれか1個が無置換あるいは1個または2個の置換基(F、Cl、Br、CH3、CF3)を有する1,4−フェニレンであるチオフェン化合物がより好ましい。
【0053】
本発明者らは、一般式(I)で示されるチオフェン化合物を検討した結果、本発明のチオフェン化合物を含む強誘電性カイラルスメクチック液晶組成物、及びそれらを使用した液晶素子が良好な配向性、高速応答性、応答速度の温度依存性の軽減、高いコントラストなど諸特性の改良がなされ、良好な表示特性が得られることを見出した。
【0054】
また、本発明のチオフェン化合物を含む反強誘電性液晶組成物を使用した液晶素子が優れた均一配向性を有することを見出した。
【0055】
次に本発明のチオフェン化合物の具体的な構造式を表1〜4に示す。以後、本発明中で用いられる略記は以下の基を示す。
【0056】
【化4】
Figure 0004272733
【0057】
【化5】
Figure 0004272733
【0058】
【表1】
Figure 0004272733
【0059】
【表2】
Figure 0004272733
【0060】
【表3】
Figure 0004272733
【0061】
【表4】
Figure 0004272733
【0062】
【表5】
Figure 0004272733
【0063】
【表6】
Figure 0004272733
【0064】
本発明の液晶組成物は、前記一般式(I)で示されるチオフェン化合物の少なくとも一種と他の液晶性化合物1種以上とを適当な割合で混合することにより得ることができる。併用する他の液晶性化合物の数は1〜50、好ましくは1〜30、より好ましくは3〜30の範囲である。
【0065】
本発明で用いる他の液晶性化合物としては、特開平2−67253号公報、特開平2−160748号公報、特開平3−167159号公報、特開平3−221588号公報、特開平4−89454号公報、特開平4−235950号公報、特開平5−186401号公報、特開平5−201983号公報、特開平5−230032号公報、特開平5−230033号公報、特開平5−230035号公報、特開平5−320125号公報、特開平5−331107号公報、特開平6−65154号公報、特開平6−128236号公報、特開平8−337555号公報、特開平9−48970号公報、特開平9−59624号公報、特開平9−40960号公報、特開平9−59636号公報、特開平9−59640号公報に記載の化合物及び、特開平4−272989号公報(23)〜(39)ぺージ記載の化合物(III)〜(XII)、好ましい化合物(IIIa)〜(XIId)、更に好ましい化合物(IIIaa)〜(XIIdb)が挙げられる。また、化合物(III)〜(VI)、好ましい化合物(IIIa)〜(VIf)、更に好ましい化合物(IIIaa)〜(VIfa)におけるR’1 、R’2 の少なくとも一方が、また化合物(VII)、(VIII)、好ましい化合物(VIIa)〜(VIIIb)、更に好ましい化合物(VIIIba)、(VIIIbb)におけるR’3 、R’4 の少なくとも一方、および化合物(IX)〜(XII)、好ましい化合物(IXa)〜(XIId)、更に好ましい化合物(IXba)、(XIIdb)におけるR’5 、R’6 の少なくとも一方が−(CH2 E G 2G+1(E:0〜10、G:1〜15 整数)である化合物も同様に用いることができる。更に、次の一般式(XIII)〜(XVIII)で示される液晶性化合物も用いることができる。
【0066】
【化6】
Figure 0004272733
【0067】
ここでR’7、R’8は水素原子又は炭素数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該アルキル基中のX' 6、X' 9と直接結合する−CH2 −基を除く1つ、もしくは隣接しない2つ以上の−CH2 −基は−O−、−CO−、−OCO−、−COO−、−CH(CN)−、−C(CN)(CH3 )−、に置き換えられていてもよい。
【0068】
更にR’7、R’8は好ましくは下記のi)〜viii)である。
【0069】
i) 炭素数1〜15の直鎖アルキル基
【0070】
【化7】
Figure 0004272733
p:0〜5、 q:2〜11 整数
光学活性でもよい
【0071】
【化8】
Figure 0004272733
r:0〜6、 s:0または1、 t:1〜14 整数
光学活性でもよい
【0072】
【化9】
Figure 0004272733
w:1〜15 整数
光学活性でもよい
【0073】
【化10】
Figure 0004272733
A:0〜2、 B:1〜15 整数
光学活性でもよい
【0074】
【化11】
Figure 0004272733
C:0〜2、 D:1〜15 整数
光学活性でもよい
【0075】
vii) −(CH2 EG2G+1
E:0〜10、 G:1〜15 整数
【0076】
viii) −H
N、Q、R、T:0または1 Y’7、Y’8、Y’9:HまたはF
A’4:Ph、Np X' 6、X' 9:単結合、−COO−、−OCO−、−O−
X’7、X’8:単結合、−COO−、−OCO−、−CH2 O−、−OCH2
【0077】
(XIII)の好ましい化合物として(XIIIa)が挙げられる。
【0078】
【化12】
R’7−X' 6−[Py2]−[Ph]−OCO−[Tn]−R’8 (XIIIa)
【0079】
(XVI)の好ましい化合物として(XVIa)、(XVIb)が挙げられる。
【0080】
【化13】
R’7−[Tz1]−[Ph]−X' 9−R’8 (XVIa)
R’7−[PhY’7]−[Tz1]−[PhY’8]−X' 9−R’8 (XVIb)
【0081】
(XVII)の好ましい化合物として(XVIIa)、(XVIIb)が挙げられる。
【0082】
【化14】
R’7−[Boa2]−[Ph]−O−R’8 (XVIIa)
R’7−[Boa2]−[Np]−O−R’8 (XVIIb)
【0083】
(XVIII)の好ましい化合物として(XVIIIa)〜(XVIIIc)が挙げられる。
【0084】
【化15】
R’7−[Btb2]−[Ph]−R’8 (XVIIIa)
R’7−[Btb2]−[Ph]−O−R’8 (XVIIIb)
R’7−[Btb2]−[Np]−O−R’8 (XVIIIc)
【0085】
(XVIa)、(XVIb)の好ましい化合物として(XVIaa)〜(XVIbc)が挙げられる。
【0086】
【化16】
R’7−[Tz1]−[Ph]−O−R’8 (XVIaa)
R’7−[Ph]−[Tz1]−[Ph]−R’8 (XVIba)
R’7−[Ph]−[Tz1]−[Ph]−O−R’8 (XVIbb)
R’7−[Ph]−[Tz1]−[Ph]−OCO−R’8 (XVIbc)
【0087】
Ph、Py2、Tn、Tz1、Cy、Boa2、Btb2の略記は前記定義に準じ、他の略記については以下の基を示す。
【0088】
【化17】
Figure 0004272733
【0089】
本発明のチオフェン化合物と、1種以上の上述の液晶性化合物、あるいは液晶組成物とを混合する場合、混合して得られた液晶組成物中に占める本発明のチオフェン化合物の割合は1重量%〜80重量%、好ましくは1重量%〜60重量%、更に好ましくは1重量%〜40重量%範囲とすることが望ましい。また、本発明のチオフェン化合物を2種以上用いる場合は、混合して得られた液晶組成物中に占める本発明のチオフェン化合物2種以上の混合物の割合は1重量%〜80重量%、好ましくは1重量%〜60重量%、更に好ましくは1重量%〜40重量%範囲とすることが望ましい。
【0090】
更に、本発明による液晶素子における液晶層は、先に示したようにして作成した液晶組成物を真空中、等方性液体温度まで加熱し、素子セル中に封入し、徐々に冷却して液晶層を形成させ常圧に戻すことが好ましい。
【0091】
図1は単純マトリクス液晶素子の構成の説明のために、本発明の液晶層を有する液晶素子の一例を示す断面概略図である。
【0092】
図1を参照して、液晶素子は、それぞれ透明電極3および絶縁性配向制御層4を設けた一対のガラス基板2間に液晶層1を配置し、且つその層厚をスペーサー5で設定してなるものであり、一対の透明電極3間にリード線6を介して電源7より電圧を印加可能に接続する。また一対の基板2は、一対のクロスニコル偏光板8により挟持され、その一方の外側には光源9が配置される。
【0093】
2枚のガラス基板2には、それぞれIn23、SnO2あるいはITO(インジウム チン オキサイド;Indium Tin Oxide)等の薄膜から成る透明電極3が被覆されている。その上にポリイミドの様な高分子の薄膜をガーゼやアセテート植毛布等でラビングして、液晶をラビング方向に配列するための絶縁性配向制御層4が形成されている。
【0094】
また、絶縁物質として、例えばシリコン窒化物、水素を含有するシリコン窒化物、シリコン炭化物、水素を含有するシリコン炭化物、シリコン酸化物、硼素窒化物、水素を含有する硼素窒化物、セリウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物やフッ化マグネシウムなどの無機物質絶縁層を形成し、その上にポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリパラキシレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリスチレン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ユリヤ樹脂、アクリル樹脂やフォトレジスト樹脂などの有機絶縁物質を配向制御層として、2層で絶縁性配向制御層4が形成されてもよく、また無機物質絶縁性配向制御層あるいは有機物質絶縁性配向制御層単層であっても良い。
【0095】
この絶縁性配向制御層が無機系ならば蒸着法などで形成でき、有機系ならば有機絶縁物質を溶解させた溶液、またはその前駆体溶液(溶剤に0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%)を用いて、スピンナー塗布法、浸漬塗布法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法、ロール塗布法等で塗布し、所定の硬化条件下(例えば加熱下)で硬化させ形成させることができる。
【0096】
絶縁性配向制御層4の層厚は通常10Å〜1μm、好ましくは10Å〜3000Å、さらに好ましくは10Å〜1000Åが適している。
【0097】
この2枚のガラス基板2はスペーサー5によって任意の間隔に保たれている。例えば、所定の直径を持つシリカビーズ、アルミナビーズをスペーサーとしてガラス基板2枚で挟持し、周囲をシール材、例えばエポキシ系接着材を用いて密封する方法がある。その他、スペーサーとして高分子フィルムやガラスファイバーを使用しても良い。この2枚のガラス基板の間に強誘電性液晶、即ち前述したような本発明の液晶組成物が封入されている。
【0098】
液晶が封入された液晶層1の厚さはは、一般には0.5〜20μm、好ましくは1〜5μmである。
【0099】
透明電極3からはリード線によって外部の電源7に接続されている。
また、ガラス基板2の外側には、偏光板8が貼り合わせてある。図1の例は透過型であり、光源9を備えている。
【0100】
図2は、強誘電性液晶子の動作説明のために、セルの例を模式的に描いたものである。21aと21bは、それぞれIn23、SnO2あるいはITO(インジウム チン オキサイド;Indium Tin Oxide)等の薄膜からなる透明電極で被覆された基板(ガラス板)であり、その間に液晶分子層22がガラス面に垂直になるよう配向したSmC*相又はSmH*相の液晶が封入されている。太線で示した線23が液晶分子を表わしており、この液晶分子23はその分子に直交した方向に双極子モーメント(P⊥)24を有している。基板21aと21b上の電極間に一定の閾値以上の電圧を印加すると、液晶分子23のらせん構造がほどけ、双極子モーメント(P⊥)24がすべて電界方向に向くよう、液晶分子23は配向方向を変えることができる。液晶分子23は、細長い形状を有しており、その長軸方向と短軸方向で屈折率異方性を示し、従って例えばガラス面の上下に互いにクロスニコルの偏光子を置けば、電圧印加極性によって光学特性が変わる液晶光学変調素子となることは、容易に理解される。
【0101】
本発明における光学変調素子で好ましく用いられる液晶セルは、その厚さを充分に薄く(例えば10μ以下)することができる。このように液晶層が薄くなるにしたがい、図3に示すように電界を印加していない状態でも液晶分子のらせん構造がほどけ、その双極子モーメントPaまたはPbは上向き(34a)又は下向き(34b)のどちらかの状態をとる。このようなセルに、図3に示す如く一定の閾値以上の極性の異なる電界Ea又はEbを電圧印加手段31aと31bにより付与すると、双極子モーメントは、電界Ea又はEbの電界ベクトルに対応して上向き34a又は下向き34bと向きを変え、それに応じて液晶分子は、第1の安定状態33aかあるいは第2の安定状態33bの何れか一方に配向する。
【0102】
このような強誘電性液晶素子を光学変調素子として用いることの利点は、先にも述べたが2つある。
その第1は、応答速度が極めて速いことであり、第2は液晶分子の配向が双安定性を有することである。第2の点を、例えば図3によって更に説明すると、電界Eaを印加すると液晶分子は第1の安定状態33aに配向するが、この状態は電界を切っても安定である。又、逆向きの電界Ebを印加すると、液晶分子は第2の安定状態33bに配向して、その分子の向きを変えるが、やはり電界を切ってもこの状態に留っている。又、与える電界EaあるいはEbが一定の閾値を越えない限り、それぞれ前の配向状態にやはり維持されている。
【0103】
図5は本発明で用いた駆動波形の一例である。
図5(A)の中のSSは選択された走査線に印加する選択走査波形を、SNは選択されていない非選択走査波形を、ISは選択されたデータ線に印加する選択情報波形(黒)を、INは選択されていないデータ線に印加する非選択情報信号(白)を表わしている。また、図中(IS−SS)と(IN−SS)は選択された走査線上の画素に印加する電圧波形で、電圧(IS−SS)が印加された画素は黒の表示状態をとり、電圧(IN−SS)が印加された画素は白の表示状態をとる。
【0104】
図5(B)は図(A)に示す駆動波形で、図6に示す表示を行ったときの時系列波形である。
図5に示す駆動例では、選択された走査線上の画素に印加される単一極性電圧の最小印加時間Δtが書込み位相t2の時間に相当し、1ラインクリヤt1位相の時間が2Δtに設定されている。
【0105】
さて、図5に示した駆動波形の各パラメータVS,VI,Δtの値は使用する液晶材料のスイッチング特性によって決定される。
ここでは、バイアス比VI/(VI+VS)=1/3に固定されている。
【0106】
バイアス比を大きくすることにより駆動適正電圧の幅を大きくすることは可能であるが、バイアス比を増すことは情報信号の振幅を大きくすることを意味し、画質的にはちらつきの増大、コントラストの低下を招き好ましくない。
我々の検討ではバイアス比1/3〜1/4程度が実用的であった。
【0107】
また、図9に示した駆動波形も利用することができる。
【0108】
また、本発明の液晶素子の第2の例としては、図10に示したアクティブマトリクス素子をあげることができる。図11は図10に示す液晶素子の下側基板の構成を示す平面図である。一対の透明基板(例えばガラス基板)41、42のうち、下側基板41には透明な画素電極43と画素電極43に接続されたアクティブ素子44とがマトリクス状に形成されている。アクティブ素子44は例えばTFTと言われる薄膜トランジスタから構成される。この例ではアクティブ素子44はTFTを表している。アクティブ素子44は透明基板41上に形成されたゲート電極とゲート電極を覆うゲート絶縁膜とゲート絶縁膜上に形成された半導体層と、半導体層の上に形成されたソース電極及びドレイン電極とから構成される。
【0109】
さらに、下側基板41には、図11に示すような画素電極43の行間にゲートライン(走査ライン)45が配線され画素電極43の列間に情報信号ライン46が配線されている。各TFT44のゲート電極は対応するゲートライン45に接続され、ドレイン電極は対応する情報信号ライン46に接続されている。ゲートライン45は端部45aを介して行ドライバに接続され、情報信号ライン46は端部46aを介して列ドライバに接続される。行ドライバはゲート信号を印加してゲートライン45をスキャンする。列ドライバは表示データに対応する信号を印加する。ゲートライン45は端部45aを除いてTFT44のゲート絶縁膜で覆われており、情報信号ライン46は前期ゲート絶縁膜の上に形成されている。画素電極43は前記ゲート絶縁膜の上に形成されており、その一端部においてTFT44のソース電極に接続されている。また、図10の上側の基板42には下側の基板41の各画素電極43と対向する透明電極47が形成されている。対向電極47は表示領域全体にわたる面積の1枚の電極から構成され基準電圧が印加されている。上下基板間の構成については単純マトリクスのケースと同様である。また、非線型能動素子としてMIM等を使用することも可能である。
【0110】
本発明の液晶素子は種々の機能をもつた液晶装置を構成するが、その例が該素子を表示パネル部に使用し、図7、8に示した走査線アドレス情報を持つ画像情報からなるデータフォーマット及びSYN信号による通信同期手段をとることにより、液晶表示装置を実現するものである。図中の符号はそれぞれ以下の通りである。
【0111】
101 液晶表示装置
102 グラフィックコントローラー
103 表示パネル
104 走査線駆動回路
105 情報線駆動回路
106 デコーダ
107 走査線信号発生回路
108 シフトレジスタ
109 ラインメモリ
110 情報信号発生回路
111 駆動制御回路
112 GCPU
ll3 ホストCPU
ll4 VRAM
【0112】
画像情報の発生は本体装置のグラフィックコントローラー102にて行われ、図7及び図8に示した信号伝達手段に従つて表示パネル103へと転送される。グラフィックコントローラー102はCPU(中央演算装置、GCPU ll2と略す。)及びVRAM(画像情報格納用メモリ)114を核にホストCPU ll3と液晶表示装置101間の画像情報の管理や通信を司つている。なお、該表示パネルの裏面には、光源が配置されている。
【0113】
本発明の表示装置は表示媒体である液晶素子が前述したように良好なスイッチング特性を有するため、優れた駆動特性、信頼性を発揮し、高精細、高速、大面積の表示画像を得ることができる。
【0114】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例1〜11において、実施例8は本発明の実施例を示し、実施例1〜7および実施例9〜11は参考例を示す。
【0115】
実施例1
6−[4−(5−オクチルチオフェン−2−イル)ベンゼンカルボニルオキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸(R)−1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシルエステル(例示化合物No.8)の合成
【0116】
【化18】
Figure 0004272733
【0117】
【化19】
Figure 0004272733
【0118】
(1)→(2)
プライス シー シー等(Price,C.C.etal,)“J.Am.Chem.Soc.”,69,2261(1947)の方法を参考にし、以下に示す方法で6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸を還元し、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸を得た。
【0119】
6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸15.2g(80.8mmole)を1−ペンタノール405mlに溶かして128〜135℃に加熱し、窒素気流下で同温度で2時間かけて金属ナトリウム39g(1.7mole)を加えた。その後、130〜135℃で3.5時間加熱撹拌した。冷却して65〜70℃でメタノール25mlを滴下し、さらに水800mlを滴下し、その後室温で30分間撹拌した。反応物を分液してペンタノール相を除き、水相をメチル−tert−ブチルエーテル250mlで3回洗浄した。水相を6N−塩酸でpH=lにして、析出した結晶をメチル−tert−ブチルエーテル300mlで3回抽出し、有機相にトルエンを加えて溶媒を留去し、淡黄色結晶15gを得た。
【0120】
この結晶を1−ペンタノール500mlに溶かして128〜136℃に加熱し、窒素気流下で同温度で2時間かけて金属ナトリウム39g(1.7mole)を加えた。その後、130〜135℃で1時間加熱撹拌した。冷却して65〜70℃でメタノール25mlを滴下し、さらに水800mlを滴下し、その後室温で30分間撹拌した。反応物を分液してペンタノール相を除き、水相をメチル−tert−ブチルエーテル250mlで3回洗浄した。水相を6N−塩酸でpH=lにして析出した結晶をメチル−tert−ブチルエーテル300mlで3回抽出し、有機相を水洗した後にトルエンを加えて溶媒を留去し、淡黄色結晶15gを得た。
【0121】
この結晶をシリカゲルカラムクロマト(溶離液:クロロホルム/エタノール=2/1)で精製し、トルエンで再結晶して1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸の結晶を13.3g(収率85.6%)得た。
【0122】
(2)→(3)
1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸12.3g(60.5mmole)をエタノール246gに溶かし、室温で撹拌しながら濃硫酸1lgを滴下した。滴下終了後、79〜82℃で8時間還流撹拌した。反応物を氷水約1000mlに注入し、析出した結晶をトルエンで抽出した。トルエン相を水、5%NaHCO3水溶液、水で順次洗浄し、溶媒を留去して1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸エチルエステルの結晶を13.3g(収率95.2%)得た。
【0123】
(3)→(4)→(5)
1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸エチルエステル13.2g(60.5mmole)をDMFl82mlに溶かし、炭酸カリウム18.7gを加えた。15〜18℃に冷却撹拌下、臭化ベンジル11.0g(64.3mmole)を15分間かけて滴下し、その後25〜30℃で3時間撹拌した。反応物を氷水約600mlに注入し、トルエンで抽出し、有機相を水洗した。溶媒を留去し、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ベンジルオキシ−2−ナフタレンカルボン酸エチルエステルの油状物を得た。
【0124】
この油状物に85%水酸化カリウム8g、水103ml、エタノール5lmlを加え、80〜82℃で2時間加熱撹拌した。反応物に冷水を加えた後、6N−塩酸でpH=lにして析出した結晶をメチル−tert−ブチルエーテルで抽出し、有機相を水洗した後にトルエンを加えて溶媒を留去し、淡黄色結晶20.7gを得た。この結晶をシリカゲルカラムクロマト(溶離液:クロロホルム/エタノール=2/1)で精製し、トルエンで再結晶して1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ベンジルオキシ−2−ナフタレンカルボン酸の結晶を13.8g(収率80.8%)得た。
【0125】
(5)→(6)→(7)
1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ベンジルオキシ−2−ナフタレンカルボン酸4.52g(16.0mmole)、(R)−1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキサノール2.50g(16.0mmole)、クロロホルム55mlをナスフラスコに入れ、室温で撹拌しながらN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド3.46g(16.8mmole)、4−ジメチルアミノピリジン0.32gを順次加え、室温で20時間撹拌した。析出したN,N′−ジシクロヘキシルウレアを濾去し、濾液を減圧乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマト(溶離液:トルエン)で精製し、1,2,3,4−テトラヒドロー6−ベンジルオキシ−2−ナフタレンカルボン酸(R)−1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシルエステルの油状物を得た。
【0126】
この油状物をエタノール40mlに溶かし、Pd−C(5%Pd)0.93gを加え、室温で接触還元を行った。Pd−C(5%Pd)を濾去し、濾液を減圧乾固して1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸(R)−1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシルエステルの油状物4.73g(収率89.%4)を得た。
【0127】
(8)
2Lの反応容器に無水マレイン酸196g(2.00mole),ブロモベンゼン800m1を仕込み、無水塩化アルミニウム533.4g(4.00mole)を室温で少量ずつ加えた。(温度が40〜50℃に上昇)その後、100℃に昇温し21時間撹拌させた。冷却後、反応液を濃塩酸400mlと氷水1.4Lの混合溶液に注入した。酢酸エチルで抽出し、水洗、乾燥後、溶媒留去した。残渣をn−ヘキサンで洗浄し、ろ過、乾燥させた。粗結晶を炭酸ナトリウム水溶液に溶かし、不溶物をろ別した。母液に濃塩酸を加えて酸性とし析出した結晶をろ取した。これをエタノールにて再結晶し170gの化合物(8)を得た。(収率33.3%)
【0128】
(8)→(9)
1Lの反応容器に化合物(8)89g(3.47×10-1mole)、炭酸ナトリウム38.lg(3.47×10-1mole)、エタノール500mlを仕込み、室温にて50分撹拌した。その後、n−オクチル アルデヒド44.5g(3.47×10-1mole)、3−ベンジル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾリウムクロライド8.9g、トリエチルアミン20gを加え、7時間加熱還流した。反応液を濃縮し、残渣に水500ml、クロロホルム1000mlを加えて抽出した。有機層を10%硫酸、sat.NaHCO3溶液、水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて脱水後、溶媒留去した。残渣をエタノールで再結晶して77.8gの化合物(9)を得た。(収率66.0%)
【0129】
(9)→(10)
lLの反応容器に化合物(9)77.8g(2.2l×10-1mole)、Lawesson’s Reagent89.4g(2.2l×10-1mole)、dryトルエン600mlを仕込み、15分間加熱還流させた。反応液を溶媒留去し、残渣をn−ヘキサン/酢酸エチル=10/1にてシリカゲルカラム精製して、70.0gの化合物(10)を得た。(収率89.9%)
【0130】
(10)→(11)
500mlの反応容器に化合物(10)60.0g(1.68×10-1mole)、CuCN22.5g(2.52×10-1mole)、DMF300mlを仕込み、21時間加熱還流させた。反応液を冷却後、水1.5Lに注入し、エチレンジアミン50mlを添加して酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムにて脱水後、溶媒留去した。残渣をn−ヘキサン/酢酸エチル=7/1にてシリカゲルカラム精製し、40.7gの化合物(11)を得た。(収率81.2%)
【0131】
(11)→(12)
1Lの反応容器に化合物(11)30.9g(1.04×10-1mole)、水酸化カリウム30.0g(5.37×10-1mole)、水150ml、エチレングリコール450ml、エタノール30gを仕込み、21時間加熱還流させた。反応液を水1Lに注入し、6N塩酸にて酸性にし析出した結晶をろ過、水洗、乾燥させた。この結晶を分析するとK塩だったので、6N塩酸500mlにて80℃で24時間撹拌した。冷却後、結晶をろ過、水洗し乾燥させた。得られた粗結晶をエタノール−クロロホルムにて再結晶し、21.5gの4−(5−オクチルチオフェン−2−イル)安息香酸[化合物(12)]を得た。(収率65.4%)
【0132】
(12)→(例示化合物No.8)
4−(5−オクチルチオフェン−2−イル)安息香酸[化合物(12)]0.29g(0.92mmole)、1,2,3,4−テトラヒドロー6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸(R)−1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシルエステル0.30g(0.9lmmole)、クロロホルム3mlをナスフラスコに入れ、室温で撹拌しながらN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド0.19g(0.92mmole)、4−ジメチルアミノピリジン0.2gを順次加え、室温で8時間撹拌した。析出したN,N′−ジシクロヘキシルウレアを濾去し、濾液を減圧乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマト(溶離液:トルエン)で精製し、液晶状の6−[4−(5−オクチルチオフェン−2−イル)ベンゼンカルボニルオキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸(R)−1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシルエステル(例示化合物No.8)を0.45g(収率78.8%)得た。
【0133】
この化合物の相転移を次に示す。
【0134】
【数3】
Figure 0004272733
【0135】
実施例2
下記化合物を下記の重量部で混合し、液晶組成物Aを作成した。
【0136】
【化20】
Figure 0004272733
【0137】
更にこの液晶組成物Aに対して、以下に示す例示化合物を各々以下に示す重量部で混合し、液晶組成物Bを作成した。
【0138】
【化21】
Figure 0004272733
【0139】
2枚の0.7mm厚のガラス板を用意し、それぞれのガラス板上にITO膜を形成し、電圧印加電極を作成し、さらにこの上にSiO2を蒸着させ絶縁層とした。ガラス板上にシランカップリング剤[信越化学(株)製KBM−602]0.2%イソプロピルアルコール溶液を回転数2000r.p.mのスピンナーで15秒間塗布し、表面処理を施した。この後、120℃にて20分間加熱乾燥処理を施した。
【0140】
さらに表面処理を行なったITO膜付きのガラス板上にポリイミド樹脂前駆体[東レ(株)SP−510]1.5%ジメチルアセトアミド溶液を回転数2000r.p.mのスピンナーで15秒間塗布した。成膜後、60分間,300℃加熱縮合焼成処理を施した。この時の塗膜の膜厚は約250Åであった。
【0141】
この焼成後の被膜には、アセテート植毛布によるラビング処理がなされ、その後イソプロピルアルコール液で洗浄し、平均粒径2μmのシリカビーズを一方のガラス板上に散布した後、それぞれのラビング処理軸が互いに平行となる様にし、接着シール剤[リクソンボンド(チッソ(株))]を用いてガラス板をはり合わせ、60分間,100℃にて加熱乾燥しセルを作成した。
【0142】
このセルに液晶組成物Bを等方性液体状態で注入し、等方相から20℃/hで25℃まで徐冷することにより、強誘電性液晶素子を作成した。このセルのセル厚をベレック位相板によって測定したところ約2μmであった。
【0143】
この強誘電性液晶素子を使ってピーク・トウ・ピーク電圧Vpp=20Vの電圧印加により直交ニコル下での光学的な応答(透過光量変化0〜90%)を検知して応答速度(以後、光学応答速度という)を測定した。その測定結果を次に示す。
【0144】
【表7】
Figure 0004272733
【0145】
比較例1
実施例2で混合した液晶組成物Aをセル内に注入する以外は全く実施例2と同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し、実施例2と同様の方法により光学応答速度を測定した。
その測定結果を次に示す。
【0146】
【表8】
Figure 0004272733
【0147】
実施例3
実施例2で使用した例示化合物のかわりに以下に示す例示化合物を各々以下に示す重量部で混合し、液晶組成物Cを作成した。
【0148】
【化22】
Figure 0004272733
【0149】
液晶組成物Cをセル内に注入する以外は全く実施例2と同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し、実施例2と同様の方法により光学応答速度を測定し、スイッチング状態を観察した。この液晶素子内の均一配向性は良好であり、モノドメイン状態が得られた。その測定結果を次に示す。
【0150】
【表9】
Figure 0004272733
【0151】
実施例4
下記化合物を下記の重量部で混合し、液晶組成物Dを作成した。
【0152】
【化23】
Figure 0004272733
【0153】
更にこの液晶組成物Dに対して、以下に示す例示化合物を各々以下に示す重量部で混合し、液晶組成物Eを作成した。
【0154】
【化24】
Figure 0004272733
【0155】
次に、これらの液晶組成物を以下の手順で作成したセルを用いて、光学的な応答を観察した。
2枚の0.7mm厚のガラス板を用意し、それぞれのガラス板上にITO膜を形成し、電圧印加電極を作成し、さらにこの上にSiO2を蒸着させ絶縁層とした。ガラス板上にシランカップリング剤[信越化学(株)製KBM−602]0.2%イソプロピルアルコール溶液を回転数2000r.p.mのスピンナーで15秒間塗布し、表面処理を施した。この後、120℃にて20分間加熱乾燥処理を施した。
【0156】
さらに表面処理を行なったITO膜付きのガラス板上にポリイミド樹脂前駆体[東レ(株)SP−510]1.0%ジメチルアセトアミド溶液を回転数3000r.p.mのスピンナーで15秒間塗布した。成膜後、60分間,300℃加熱縮合焼成処理を施した。この時の塗膜の膜厚は約120Åであった。
【0157】
この焼成後の被膜には、アセテート植毛布によるラビング処理がなされ、その後イソプロピルアルコール液で洗浄し、平均粒径1.5μmのシリカビーズを一方のガラス板上に散布した後、それぞれのラビング処理軸が互いに平行となる様にし、接着シール剤[リクソンボンド(チッソ(株))]を用いてガラス板をはり合わせ、60分間,100℃にて加熱乾燥しセルを作成した。
【0158】
このセルのセル厚をベレック位相板によって測定したところ約1.5μmであった。
このセルに液晶組成物Eを等方性液体状態で注入し、等方相から20℃/hで25℃まで徐冷することにより、強誘電性液晶素子を作成した。
【0159】
ここの強誘電性液晶素子を用いて前述した図5に示す駆動波形(1/3バイアス比)で30℃における駆動時のコントラストを測定した結果、16.2であった。
【0160】
比較例2
実施例4で混合した液晶組成物Dをセル内に注入する以外は全く実施例4と同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し、同様の駆動波形を用い30℃における駆動時のコントラストを測定した。その結果、コントラストは7.8であった。
【0161】
実施例5
実施例4で使用した例示化合物の代わりに以下に示す例示化合物を各々以下に示す重量部で混合し、液晶組成物Fを作成した。
【0162】
【化25】
Figure 0004272733
【0163】
この液晶組成物を用いた以外は全く実施例4と同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し、実施例4と同様の駆動波形を用いて30℃における駆動時のコントラストを測定した。その結果、コントラストは18.4であった。
【0164】
実施例6
実施例4で使用した例示化合物の代わりに以下に示す例示化合物を各々以下に示す重量部で混合し、液晶組成物Gを作成した。
【0165】
【化26】
Figure 0004272733
【0166】
この液晶組成物を用いた以外は全く実施例4と同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し、実施例4と同様の駆動波形を用いて30℃における駆動時のコントラストを測定した。その結果、コントラストは19.2であった。
【0167】
実施例4〜6より明らかな様に、本発明による液晶組成物E、FおよびGを含有する強誘電性液晶素子は駆動時におけるコントラストが高くなっている。
【0168】
実施例7
標準的な反強誘電性液晶組成物であるCS−4000(チッソ石油化学株式会社製)に、以下に示した例示化合物No.8を以下に示す重量部で混合し液晶組成物Hを得た。
液晶組成物H CS−4000/No.2=80wt%/20wt%
得られた液晶組成物Hの相転移温度を下記に示す。
【0169】
【数4】
Figure 0004272733
【0170】
Cry:結晶相、ScAX*:高次の反強誘電性相、ScA*:反強誘電性相、SA:スメクチックA相、Iso:等方相
【0171】
次に、2枚の0.7mm厚のガラス板を用意し、それぞれのガラス板上にITO膜を形成し、さらにこの上にSiO2を蒸着させ絶縁層とした。かかるガラス板上にシランカップリング剤[信越化学(株)製、KBM−602]0.2%イソプロピルアルコール溶液を回転数2000r.p.m.のスピナーで15秒間塗布し、表面処理を施した。この後、120℃にて20分間加熱乾燥処理を施した。更に表面処理を行ったITO膜付きのガラス板上にポリイミド樹脂前駆体[東レ(株)製、SP−710]1.5%ジメチルアセトアミド溶液を回転数2000r.p.m.のスピナーで15秒間塗布した。成膜後、60分間、300℃で加熱縮合焼成処理を施した。この時の塗膜の膜厚は約250Åであった。
【0172】
この焼成後の被膜にはアセテート植毛布によるラビング処理がなされ、その後、イソプロピルアルコール液で洗浄し、平均粒径1.5μmのシリカビーズを一方のガラス板上に散布した後、それぞれのラビング処理軸が互いに平行となるようにし、接着シール剤[三井東圧(株)、ストラクトボンド]を用いてガラス板を貼り合わせ、60分間、170℃にて加熱乾燥しセルを作成した。
【0173】
このセルに液晶組成物Hを等方性液体状態で注入し、等方相から20℃/hで25℃まで徐冷することにより、液晶素子を作成した。このセルのセル厚をベレック位相板によって測定したところ約1.5μmであった。この素子を使って30℃での自発分極の大きさと、ピーク ツー ピーク電圧Vpp=20V/μmの電圧印加により直交ニコル下での光学的な応答(透過光量変化0〜90%)を検知して応答速度を測定し、スイッチング状態を観察したところ、液晶素子内の0.3mm2の視野範囲におけるスジ状欠陥は3個であった。
【0174】
比較例3
反強誘電性液晶組成物であるCS−4000(チッソ石油化学株式会社製)をセル内に注入する以外は、全く実施例7と同様の方法で液晶素子を作成し、実施例7と同様の方法により自発分極及び応答速度を測定し、スイッチング状態を観察したところ、液晶素子内の0.3mm2の視野範囲におけるスジ状欠陥は23個であった。
【0175】
実施例8
下記フェリ誘電性化合物AFLC−1に例示化合物No.8を以下に示す重量部で混合し液晶組成物Iを得た。
【0176】
【化27】
AFLC−1
1021−Ph−Ph−COO−Nh1−COOC*H(CF3)C49
【0177】
【数5】
Figure 0004272733
【0178】
液晶組成物I AFLC−1/No8=80wt%/20wt%
得られた液晶組成物Iの相転移温度を下記に示す。
【0179】
【数6】
Figure 0004272733
【0180】
Cry:結晶相、ScA*:反強誘電性相、Scγ*:フェリ誘電性相、SA:スメクチックA相、Iso:等方相
【0181】
液晶組成物Iをセル内に注入する以外は全く実施例7と同様の方法で液晶素子を作成した。スイッチング状態における液晶素子内の0.3mm2の視野範囲におけるスジ状欠陥は4個であった。
【0182】
実施例9〜11
反強誘電性液晶組成物であるCS−4000(チッソ石油化学株式会社製)に以下に示した例示化合物を以下の表10に示す重量部で混合し液晶組成物J〜Lを得た。
【0183】
【表10】
Figure 0004272733
【0184】
得られた液晶組成物J〜Lはいずれも室温領域において安定な反強誘電性相を示した。
【0185】
これらの液晶組成物J〜Lをセル内に注入する以外は全く実施例7と同様の方法で液晶素子を作成し、液晶素子内の0.3mm2の視野範囲におけるスジ状欠陥の個数の結果を以下の表11に示す。
【0186】
【表11】
Figure 0004272733
【0187】
実施例7〜11より明らかな様に本発明による液晶組成物H〜Lを含有する液晶素子は配向性が改善されていることが認められる。
【0188】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明のチオフェン化合物を含有する液晶組成物は、液晶組成物が示す強誘電性を利用して動作させることができる。この様にして利用されうる本発明の強誘電性液晶素子は、スイッチング特性が良好で、高速応答性、光学応答速度の温度依存性の軽減、高コントラスト等の優れた特性を有する液晶素子とすることができる。
【0189】
また、本発明の液晶組成物は、液晶組成物が示す反強誘電性を利用して動作させることができる。このようにして利用されうる本発明の液晶素子はスイッチング特性が良好で配向性に優れている。
【0190】
なお、本発明の液晶素子を表示素子として光源、駆動回路等と組み合わせた液晶装置は良好な表示装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶組成物を用いた液晶素子の一例の断面概略図である。
【図2】液晶のもつ強誘電性を利用した液晶素子の動作説明のために素子セルの一例を模式的に表わす斜視図である。
【図3】液晶のもつ強誘電性を利用した液晶素子の動作説明のために素子セルの一例を模式的に表わす斜視図である。
【図4】チルト角(θ)を示す説明図である。
【図5】本発明で用いる液晶素子の駆動法の波形図である。
【図6】図5(B)に示す時系列駆動波形で実際の駆動を行ったときの表示パタ−ンの模式図である。
【図7】強誘電性を利用した液晶素子を有する液晶表示装置とグラフィックスコントローラを示すブロック構成図である。
【図8】液晶表示装置とグラフィックスコントローラとの間の画像情報通信タイミングチャート図である。
【図9】本発明で用いた駆動法の波形を示す図である。
【図10】本発明の液晶素子の構造の他の例を示す概略図である。
【図11】図10に示す液晶素子の下側基板の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
1 カイラルスメクチック相を有する液晶層
2 ガラス基板
3 透明電極
4 絶縁性配向制御層
5 スペーサー
6 リード線
7 電源
8 偏光板
9 光源
0 入射光
I 透過光
10 シール材
11 反強誘電性液晶(AFLC)
12 ギャップ材
13、14 偏光板
21a 基板
21b 基板
22 カイラルスメクチック相を有する液晶層
23 液晶分子
24 双極子モーメント(P⊥)
31a 電圧印加手段
31b 電圧印加手段
33a 第1の安定状態
33b 第2の安定状態
34a 上向きの双極子モーメント
34b 下向きの双極子モーメント
Ea 上向きの電界
Eb 下向きの電界
41 下側透明基板
42 上側透明基板
43 画素電極
44 アクティブ素子(TFT)
45 ゲートライン(走査ライン)
46 データライン(階調信号ライン)
47 対向電極
101 液晶表示装置
102 グラフィックスコントローラ
103 表示パネル
104 走査線駆動回路
105 情報線駆動回路
106 デコーダ
107 走査信号発生回路
108 シフトレジスタ
109 ラインメモリ
110 情報信号発生回路
111 駆動制御回路
112 GCPU
113 ホストCPU
114 VRAM

Claims (1)

  1. 下記化学式(A)で表わされるチオフェン化合物と、下記化学式(B)で表わされるフェリ誘電性化合物とを混合してなり、反強誘電性相を有することを特徴とする液晶組成物。
    Figure 0004272733
    但し、略基は以下の基を示す。
    Figure 0004272733
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