JP2001089421A - 光学活性化合物、これを含有する液晶組成物、該液晶組成物を用いた液晶素子 - Google Patents

光学活性化合物、これを含有する液晶組成物、該液晶組成物を用いた液晶素子

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JP2001089421A
JP2001089421A JP26790399A JP26790399A JP2001089421A JP 2001089421 A JP2001089421 A JP 2001089421A JP 26790399 A JP26790399 A JP 26790399A JP 26790399 A JP26790399 A JP 26790399A JP 2001089421 A JP2001089421 A JP 2001089421A
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Takao Takiguchi
隆雄 滝口
Yukio Haniyu
由紀夫 羽生
Koichi Sato
公一 佐藤
Shinichi Nakamura
真一 中村
Koji Noguchi
幸治 野口
Koji Shimizu
康志 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 応答速度が速く、該応答速度の温度依存性が
小さく、コントラストの高い強誘電性液晶素子、或い
は、均一配向性に優れた反強誘電性液晶素子を構成しう
る液晶組成物を提供する。 【解決手段】 光学活性6−(4’−デシル−4−ビフ
ェニルカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−2−ナフタレンカルボン酸3−(4−フェニルブ
トキシ)に代表される光学活性化合物を1〜80重量%
含有する液晶組成物を用いて液晶素子を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラットパネルデ
ィスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プリンタ
ー等に使用される液晶素子と、該液晶素子に用いられる
液晶組成物、及び該液晶組成物の構成成分である新規な
光学活性化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶は電気光学素子として、
種々の分野で応用されている。現在実用化されている液
晶素子はほとんどが、例えばM.シャット(M.Sch
adt)とW.ヘルフリッヒ(W.Helfrich)
著、アプライド・フィジックス・レターズ(Appli
ed Physics Letters)、Vol.1
8,No.4(1971,2.15)p.127〜12
8の”VoltageDependent Optic
al Activity of a Twisted
Nematic Liquid Crystal”に示
されたTN(Twisted Nematic)型の液
晶を用いたものである。これらの液晶素子は液晶の誘電
的配列効果に基づいて構成されており、液晶分子が誘電
異方性のために平均分子軸方向が加えられた電場により
特定の方向に向く効果を利用している。これらの液晶素
子の光学的な応答速度の限界はミリ秒であるといわれ、
多くの応用のためには遅すぎる。
【0003】一方、大型平面ディスプレイへの応用で
は、価格、生産性などを考え合わせると、単純マトリク
ス方式による駆動が最も有力である。単純マトリクス方
式の液晶素子においては、走査電極群と情報電極群とを
マトリクス状に組み合わせた電極構成が採用され、その
駆動には、走査電極群に順次周期的にアドレス信号を選
択印加し、情報電極群には所定の情報信号をアドレス信
号と同期させて並列的に選択印加する時分割駆動方式が
採用されている。
【0004】しかしながら、このような駆動方式の液晶
素子に前述のTN型の液晶を採用すると、走査電極が選
択され情報電極が選択されていない領域、或いは走査電
極が選択されず、情報電極が選択されている領域(いわ
ゆる「半選択点」)にも有限に電界がかかってしまう。
選択点にかかる電圧と、半選択点にかかる電圧の差が十
分に大きく、液晶分子を電界に垂直に配列させるのに要
する電圧しきい値がこの中間の電圧値に設定されるなら
ば、液晶素子は正常に動作するが、走査線数(走査電極
数)が増加していった場合、画面全体(1フレーム)を
走査する間に一つの選択点に有効な電界がかかっている
時間(デューティ比)が1/Nの割合で減少してしま
う。このために、繰り返し走査を行った場合の選択点と
非選択点にかかる実効値としての電圧差は、走査線数が
増加するほど小さくなり、結果的には画像コントラスト
の低下やクロストークが避けがたい問題となっている。
【0005】このような現象は、TN型液晶のように、
時間的蓄積効果を利用して駆動する(即ち、繰り返し走
査する)時に生ずる本質的には避けがたい問題点であ
る。
【0006】この問題を解決するために、電圧平均化
法、2周波駆動法、多重マトリクス法等が既に提案され
ているが、いずれの方法も不十分であり、液晶素子の大
画面化や高密度化は走査線数が十分に増やせないことに
よって頭打ちになっているのが現状である。
【0007】このような従来のタイプの液晶素子の問題
点を改善するものとして、双安定性を有する強誘電性液
晶素子がクラーク(Clark)及びラガウェル(La
gerwall)により提案されている(特開昭56−
107216号公報、米国特許第4367924号明細
書等)。
【0008】上記双安定性を有する強誘電性液晶素子に
用いる液晶としては、一般的にカイラルスメクチックC
相(SmC*)またはH相(SmH*)を有する、強誘電
性を有するカイラルスメクチック液晶が用いられる。こ
の液晶は、電界に対して第一の光学的安定状態と第二の
光学的安定状態からなる双安定状態を示すことから、従
来のTN型の液晶素子とは異なり、例えば一方の電界ベ
クトルに対して第一の光学的安定状態に液晶が配向し、
他方の電界ベクトルに対しては第二の光学的安定状態に
液晶が配向し、電界を除去した後にもその状態を維持す
る性質(双安定性)を有する。
【0009】上記のような双安定性を有する特徴に加え
て、強誘電性液晶は高速応答性であるという優れた特徴
を持つ。それは、強誘電性液晶の持つ自発分極と印加電
場が直接作用して配向状態の転移を誘起するためであ
り、誘電率異方性と電場の作用による応答速度より3〜
4オーダー速い。
【0010】このように、強誘電性液晶は極めて優れた
特性を潜在的に有しており、上記のような性質を利用す
ることにより上述した従来のTN型液晶素子の問題点の
多くに対してかなり本質的な改善が得られる。特に、高
速光学光シャッターや、高密度、大画面ディスプレイへ
の応用が期待される。そのため、強誘電性を有する液晶
材料に関しては広く研究がなされているが、現在までに
開発された強誘電性液晶材料は、低温作動性、高速応答
性、コントラスト等を含めて液晶素子に用いる十分な特
性を備えているとは言い難い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】強誘電性液晶の応答時
間τと自発分極の大きさPs、及び粘度ηの間には下記
式(2) τ=η/(Ps×E) (2) の関係が存在する(式中、Eは印加電界の大きさであ
る)。従って、応答速度を速くするには、(a)自発分
極の大きさPsを大きくする、(b)粘度ηを小さくす
る、(c)印加電界Eを大きくする、方法がある。
【0012】しかしながら、印加電界EはIC等で駆動
するため上限があり、できるだけ低い方が望ましい。よ
って、実際には粘度ηを小さくするか、自発分極Psを
大きくする必要がある。一般的に自発分極の大きい強誘
電性を有するカイラルスメクチック液晶においては、自
発分極のもたらすセルの内部電界も大きく、双安定状態
をとり得る素子構成への制約が多くなる傾向にある。ま
た、いたずらに自発分極を大きくしても、それに連れて
粘度も大きくなる傾向にあり、結果的には応答速度はあ
まり速くならないと考えられる。
【0013】また、実際のディスプレイとしての使用温
度範囲が例えば5〜40℃程度とした場合、応答速度の
変化が一般に20倍程度もあり、駆動電圧及び周波数に
よる調節の限界を超えているのが現状である。
【0014】また、一般に、液晶の屈折率異方性を利用
した液晶素子の場合、直交ニコル下における透過率は、
下記式(3)で表される。
【0015】 I/I0=sin24θasin2(Δnd/λ)π (3) (式中、I0は入射光強度、Iは透過光強度、θaは以下
で定義される見かけのチルト角、Δnは屈折率異方性、
dは液晶層の厚さ、λは入射光の波長である。)
【0016】双安定性は、カイラルスメクチック液晶の
層厚を該液晶のらせん構造が解除される厚さに構成する
ことによって、得られるが、該非らせん構造における見
かけのチルト角θaは、第一及び第二の光学的安定状態
での捻れ配列した液晶分子の平均分子軸方向の角度とし
て現れることになる。上記式(2)によれば、見かけの
チルト角θaが22.5°の角度の時最大の透過率とな
り、双安定性を実現する非らせん構造での見かけのチル
ト角θaは22.5°にできる限り近いことが必要であ
る。
【0017】従来のラビング処理したポリイミド膜によ
って配向させて得られた非らせん構造のカイラルスメク
チック液晶での見かけのチルト角θa(2つの安定状態
での平均分子軸のなす角度の1/2)がらせん構造のカ
イラルスメクチック液晶でのチルト角θと比べて小さく
なっているために透過率が低い。さらに、電界を印加し
ないスタティック状態におけるコントラストは高くても
電圧を印加して駆動表示を行った場合に、マトリクス駆
動における非選択期間の微小電界により液晶分子が揺ら
ぐために黒表示が淡くなる。
【0018】また、最近ではチャンダニ、竹添らにより
3つの安定状態を有するカイラルスメクチック反強誘電
性液晶素子も提案されている(ジャパニーズ・ジャーナ
ル・オブ・アプライド・フィジックス(Japanes
e Journal ofApplied Physi
cs)第27巻、1988年、L729頁)。
【0019】そして、最近この反強誘電性液晶材料のう
ち、ヒステリシスが小さく、階調表示に有利な特性を有
するV字型応答特性が発見され(例えば、ジャパニーズ
・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス、第3
6巻、1997年、3586頁)、アクティブマトリク
スタイプの液晶素子に適用して、高速応答のディスプレ
イを実現しようという提案もなされている(特開平9−
50049号公報)。
【0020】しかしながら、上記に挙げたようなカイラ
ルスメクチック液晶用いてなる反強誘電性液晶素子にお
いては、例えば、「強誘電性液晶の構造と物性」(コロ
ナ社、福田敦夫、竹添秀男著、1990年)に記載され
ているように、ジグザグ状或いは筋状の配向欠陥が発生
してコントラストを著しく低下させる等の問題があり、
一部の液晶素子においてはかなり改善されているもの
の、その改善手法は他の液晶素子に適用しうるものでは
なく、カイラルスメクチック液晶素子の配向性の改善が
強く求められている。
【0021】以上のように、強誘電性液晶素子を実用化
するためには、高速応答性を有し、応答速度の温度依存
性が小さく、且つ、コントラストの高いカイラルスメク
チック相を示す液晶組成物が要求される。また、反強誘
電性液晶素子の実用化においては、配向性の改善が必要
であった。
【0022】本発明の目的は、双安定性を示す強誘電性
液晶素子を実用化できるようにするために、高速応答
性、応答速度の温度依存性の軽減、高コントラストに効
果的な光学活性化合物及び該光学活性化合物を含む液晶
組成物を提供し、該液晶組成物を用いて好ましい強誘電
性液晶素子を構成することにある。
【0023】また、本発明の目的は、反強誘電性液晶素
子において優れた均一配向性を実現するための光学活性
化合物及び該光学活性化合物を含む液晶組成物を提供
し、該液晶組成物を用いて好ましい反強誘電性液晶素子
を構成することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の光学活性化合物
は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする光学
活性化合物である。
【0025】
【化2】 上記式中、Rは、炭素原子数が1〜20の直鎖状または
分岐状のアルキル基(該アルキル基中の1以上の−CH
2−はヘテロ原子が隣接しない条件で−O−、−S−、
−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−C*HF
−、−C*H(CF3)−に置き換えられていても良い。
尚、C*は不斉炭素である。)を示す。
【0026】A1,A2,A3は、それぞれ単独に、無置
換或いは1個または2個の置換基(F、Cl、Br、C
3、CF3)を有する1,4−フェニレン、ピリジン−
2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピラジ
ン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、
1,4−シクロへキシレン、1,3,2−ジオキサボリ
ナン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−
ジイル、1,3−ジチアン−2,5−ジイル、ベンゾオ
キサゾール−2,5−ジイル、ベンゾオキサゾール−
2,6−ジイル、ベンゾチアゾール−2,5−ジイル、
ベンゾチアゾール−2,6−ジイル、ベンゾフラン−
2,5−ジイル、ベンゾフラン−2,6−ジイル、キノ
キサリン−2,6−ジイル、キノリン−2,6−ジイ
ル、1,2,3,4−テトラヒドロ−2,6−ナフチレ
ン、2,6−ナフチレン、インダン−2,5−ジイル、
2−アルキルインダン−2,5−ジイル(アルキル基は
炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基
である。)、インダノン−2,6−ジイル、2−アルキ
ルインダノン−2,6−ジイル(アルキル基は炭素原子
数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基であ
る。)、クマラン−2,5−ジイル、2−アルキルクマ
ラン−2,5−ジイル(アルキル基は炭素原子数1〜1
8の直鎖状または分岐状のアルキル基である。)、5,
6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−2,6−ジイ
ル、フルオレン−2,7−ジイル、9,10−ジヒドロ
フェナントレン−2,7−ジイル、チオフェン−2,5
−ジイル、チアゾール−2,5−ジイル、チアジアゾー
ル−2,5−ジイルから選ばれる。
【0027】mは0または1であり、nは2〜20の整
数である。
【0028】X1,X2は、それぞれ単独に、単結合、−
COO−、−OOC−、−CH2O−、−OCH2−、−
CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−である。
【0029】X3は、−COO−、−CH2O−、−O−
である。
【0030】Bは、無置換或いは1個または2個の置換
基(F、Cl、Br、CH3、CF3)を有するフェニル
またはシクロヘキシルである。
【0031】上記本発明においては、上記一般式(1)
において、A1、A2、A3が、無置換或いは1個または
2個の置換基(F、Cl、Br、CH3、CF3)を有す
る1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピ
リミジン−2,5−ジイル、1,4−シクロへキシレ
ン、1,2,3,4−テトラヒドロ−2,6−ナフチレ
ンから選ばれる光学活性化合物が好ましく用いられる。
【0032】また、本発明の液晶組成物は、上記本発明
の光学活性化合物を少なくとも1種含有することを特徴
とし、その含有量は、好ましくは1〜80重量%、より
好ましくは1〜60重量%、さらに好ましくは1〜40
重量%であり、また、好ましくはカイラルスメクチック
C相を呈するものである。
【0033】本発明の液晶素子は、一対の基板と、該基
板間に狭持された上記本発明の液晶組成物と、該液晶組
成物を駆動するための電極を備えたことを特徴とする液
晶素子である。
【0034】本発明の液晶素子においては、好ましく
は、上記基板の液晶組成物との界面に配向制御層を備
え、より好ましくは該配向制御層がラビング処理されて
おり、また、液晶組成物のらせん構造が解除されている
ことが望ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明者等は、鋭意検討を行った
結果、下記一般式(1)で表される光学活性化合物を用
いて強誘電性を示すカイラルスメクチック液晶組成物を
調製し、液晶素子を構成した際に、高速応答性、応答速
度の温度依存性の軽減、高コントラスト等諸特性の改良
が実現し、良好な表示特性が得られること、また、該光
学活性化合物を用いて反強誘電性を示すカイラルスメク
チック液晶組成物を調製し、液晶素子を構成した際に、
均一な配向性が実現し、良好な表示特性が得られること
を見出し、本発明を達成した。
【0036】即ち、本発明の光学活性化合物は、下記一
般式(1)で表される。
【0037】
【化3】 上記式中、Rは、炭素原子数が1〜20の直鎖状または
分岐状のアルキル基(該アルキル基中の1以上の−CH
2−はヘテロ原子が隣接しない条件で−O−、−S−、
−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−C*HF
−、−C*H(CF3)−に置き換えられていても良い。
尚、C*は不斉炭素である。)を示す。
【0038】A1,A2,A3は、それぞれ単独に、無置
換或いは1個または2個の置換基(F、Cl、Br、C
3、CF3)を有する1,4−フェニレン、ピリジン−
2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピラジ
ン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、
1,4−シクロへキシレン、1,3,2−ジオキサボリ
ナン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−
ジイル、1,3−ジチアン−2,5−ジイル、ベンゾオ
キサゾール−2,5−ジイル、ベンゾオキサゾール−
2,6−ジイル、ベンゾチアゾール−2,5−ジイル、
ベンゾチアゾール−2,6−ジイル、ベンゾフラン−
2,5−ジイル、ベンゾフラン−2,6−ジイル、キノ
キサリン−2,6−ジイル、キノリン−2,6−ジイ
ル、1,2,3,4−テトラヒドロ−2,6−ナフチレ
ン、2,6−ナフチレン、インダン−2,5−ジイル、
2−アルキルインダン−2,5−ジイル(アルキル基は
炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基
である。)、インダノン−2,6−ジイル、2−アルキ
ルインダノン−2,6−ジイル(アルキル基は炭素原子
数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基であ
る。)、クマラン−2,5−ジイル、2−アルキルクマ
ラン−2,5−ジイル(アルキル基は炭素原子数1〜1
8の直鎖状または分岐状のアルキル基である。)、5,
6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−2,6−ジイ
ル、フルオレン−2,7−ジイル、9,10−ジヒドロ
フェナントレン−2,7−ジイル、チオフェン−2,5
−ジイル、チアゾール−2,5−ジイル、チアジアゾー
ル−2,5−ジイルから選ばれる。
【0039】mは0または1であり、nは2〜20の整
数である。
【0040】X1,X2は、それぞれ単独に、単結合、−
COO−、−OOC−、−CH2O−、−OCH2−、−
CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−である。
【0041】X3は、−COO−、−CH2O−、−O−
である。
【0042】Bは、無置換或いは1個または2個の置換
基(F、Cl、Br、CH3、CF3)を有するフェニル
またはシクロヘキシルである。
【0043】本発明の液晶組成物は、上記光学活性化合
物を少なくとも1種含有するが、該液晶組成物における
液晶相の温度幅、混和性、粘性、配向性などの観点から
上記一般式(1)で示される光学活性化合物のうち、A
1、A2、A3が、無置換或いは1個または2個の置換基
(F、Cl、Br、CH3、CF3)を有する1,4−フ
ェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−
2,5−ジイル、1,4−シクロへキシレン、1,2,
3,4−テトラヒドロ−2,6−ナフチレンから選ばれ
る光学活性化合物が好ましく選択される。
【0044】本発明の光学活性化合物の具体例を下記表
1〜3に挙げる。尚、下記表中及び後述の構造式におけ
る略記は以下の基を示す。
【0045】
【化4】
【0046】
【化5】
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】本発明の液晶組成物は、前記一般式(1)
で表される光学活性化合物を含有しており、該光学活性
化合物以外の1〜50種類、好ましくは1〜30種類、
より好ましくは3〜30種類の他の液晶性化合物成分と
併用することができる。
【0051】本発明の液晶組成物に併用することができ
る他の液晶性化合物としては、特開平2−67253号
公報、特開平2−160748号公報、特開平3−16
7159号公報、特開平3−221588号公報、特開
平4−89454号公報、特開平4−235950号公
報、特開平5−186401号公報、特開平5−201
983号公報、特開平5−230032号公報、特開平
5−230033号公報、特開平5−230035号公
報、特開平5−320125号公報、特開平5−331
107号公報、特開平6−65154号公報、特開平6
−128236号公報、特開平8−337555号公
報、特開平9−48970号公報、特開平9−5962
4号公報、特開平9−40960号公報、特開平9−5
9636号公報、特開平9−59640号公報に記載さ
れた化合物、及び、特開平4−272989号公報第2
3〜39頁記載の化合物(III)〜(XII)、好ま
しい化合物(IIIa)〜(XIId)、さらに好まし
い化合物(IIIaa)〜(XIIdb)が挙げられ
る。また、化合物(III)〜(VI)、好ましい化合
物(IIIa)〜(VIf)、さらに好ましい化合物
(IIIaa)〜(VIfa)におけるR’1、R’2
少なくとも一方、また化合物(VII)〜(VII
I)、好ましい化合物(VIIa)〜(VIIIb)、
さらに好ましい化合物(VIIIba)、(VIIIb
b)におけるR’3、R’4の少なくとも一方、及び、化
合物(IX)〜(XII)、好ましい化合物(IXa)
〜(XIId)、さらに好ましい化合物(IXba)〜
(XIIdb)におけるR’5、R’6の少なくとも一方
が−(CH2EG2G+1(E:0〜10、G:1〜1
5の整数)である化合物も同様に用いることができる。
【0052】さらに、次の一般式(11)〜(16)で
示される液晶性化合物も用いることができる。 R7−X6−Py2−X7−Ph−X8−(PhY7N−Tn−R8 (11) R7−X6−Py2−Ph−OCO−Ph4F (12) R7−X6−Py2−Ph−OCO−Ph34F (13) R7−(PhY7Q−Tz1−PhY8−X7−(PhY9R−(Cy)T−X9− R8 (14) R7−Bo2−A4−X9−R8 (15) R7−Bt2−A4−X9−R8 (16)
【0053】上記式中、R7、R8は水素原子または炭素
数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、
該アルキル基中のX6、X9と直接結合する−CH2−を
除く1個、もしくは隣接しない2個以上の−CH2−は
−O−、−CO−、−OCO−、−COO−、−CH
(CN)−、−C(CN)(CH3)−に置き換えられ
ていても良い。さらに、R7、R8は好ましくは下記i)
〜viii)である。
【0054】
【化6】
【0055】上記式中、 N、Q、R、T:0または1 Y7、Y8、Y9:HまたはF A4:Ph、Np X6、X9:単結合、−COO−、−OCO−、−O− X7、X8:単結合、−COO−、−OCO−、−CH2
O−、−OCH2
【0056】上記一般式(11)で示される化合物の好
ましい例として、下記一般式(11a)で示される化合
物が挙げられる。 R7−X6−Py2−Ph−OCO−Tn−R8 (11a)
【0057】上記一般式(14)で示される化合物の好
ましい例として、下記一般式(14a)、(14b)で
示される化合物が挙げられる。 R7−Tz1−Ph−X9−R8 (14a) R7−PhY7−Tz1−PhY8−X9−R8 (14b)
【0058】上記一般式(15)で示される化合物の好
ましい例として、下記一般式(15a)、(15b)で
示される化合物が挙げられる。 R7−Boa2−Ph−O−R8 (15a) R7−Boa2−Np−O−R8 (15b)
【0059】上記一般式(16)で示される化合物の好
ましい例として、下記一般式(16a)〜(16c)で
示される化合物が挙げられる。 R7−Btb2−Ph−R8 (16a) R7−Btb2−Ph−O−R8 (16b) R7−Btb2−Np−O−R8 (16c)
【0060】また、上記(14a)、(14b)で示さ
れる化合物の好ましい例として、下記一般式(14a
a)〜(14bc)で示される化合物が挙げられる。 R7−Tz1−Ph−O−R8 (14aa) R7−Ph−Tz1−Ph−R8 (14ba) R7−Ph−Tz1−Ph−O−R8 (16bb) R7−Ph−Tz1−Ph−OCO−R8 (16bc)
【0061】尚、上記一般式中における、Ph、Py
2、Tn、Tz1、Cy、Boa2、Btb2は、先に
示した略記の定義に準じ、他の略記については以下の基
を示す。
【0062】
【化7】
【0063】本発明の液晶組成物においては、本発明の
光学活性化合物を1種以上と、上記した他の液晶性化合
物成分を1種以上選択して用いることが好ましい。本発
明の液晶組成物中における、本発明の光学活性化合物の
含有量は、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは
1〜60重量%、さらに好ましくは1〜40重量%であ
る。
【0064】次に、本発明の液晶素子について説明す
る。本発明の液晶素子は、一対の基板間に上記した本発
明の液晶組成物を狭持してなり、該液晶組成物を駆動す
るための電極を備えている。即ち、好ましくは、上記液
晶組成物を真空中、等方性液体相温度にまで加熱し、電
極を備えたセル中に封入し、徐冷して液晶相を形成さ
せ、常圧に戻すことで作製することができる。
【0065】図1に本発明の液晶素子の一実施形態の基
本構成の断面模式図を示す。図1において、1は本発明
の液晶組成物からなる液晶層、2,2’は透明基板、
3,3’は透明電極、4,4’は配向制御層、5はシー
ル材、6は配線、7は電源、8,8’は偏光板、9は光
源である。
【0066】本発明において、透明基板2,2’として
は、通常ガラス基板が用いられるが、液晶素子として必
要な機械的強度と透明性を備えていれば、プラスチック
基板なども用いられる。該透明基板2,2’上には、I
23、SnO2、或いはITO(Indium Ti
n Oxide:インジウム・チン・オキサイド)等の
透明導電材からなる透明電極3,3’が形成されてい
る。透明電極3,3’間には配線6を介して外部の電源
7より電圧が印加される。
【0067】本発明において好ましくは、透明電極3,
3’上に液晶を配向させるための配向制御層4,4’を
設ける。配向制御層4,4’としては、好ましくはポリ
イミド等高分子薄膜をガーゼやアセテート、ナイロン植
毛布等によりラビング処理したものが用いられる。ま
た、絶縁物質として、例えばシリコン窒化物、水素を含
有するシリコン炭化物、シリコン酸化物、ホウ素窒化
物、水素を含有するホウ素窒化物、セリウム酸化物、ア
ルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化
物、フッ化マグネシウム等の無機物質絶縁層を形成し、
その上に、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリア
ミドイミド、ポリエステルイミド、ポリパラキシレン、
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセター
ル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポ
リスチレン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ユリヤ樹
脂、アクリル樹脂やフォトレジスト等の有機絶縁物質を
配向制御層として積層し、2層で絶縁性配向制御層とし
ても良い。また、該2層構成を無機絶縁物質のみ或いは
有機絶縁物質のみで形成しても良い。
【0068】配向制御層4,4’は、無機系ならば蒸着
法などで形成することができ、有機系ならば有機絶縁物
質を溶解させた溶液或いはその前駆体溶液(有機絶縁物
質前駆体濃度が0.1〜20重量%、好ましくは0.2
〜10重量%)を用いて、スピンナー塗布法、浸漬塗布
法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法、ロール塗布法
等で塗布し、所定の硬化条件下(例えば加熱下)で硬化
させ形成させることができる。
【0069】配向制御層4,4’の厚さは通常10Å〜
1μm、好ましくは10Å〜3000Å、さらに好まし
くは10Å〜1000Åが適している。
【0070】2枚の透明基板2,2’はスペーサー(図
示しない)等によりその間隔を保持される。スペーサー
としては、例えば、所定の直径を有するシリカビーズや
アルミナビーズ、高分子フィルムやガラスファイバーな
どが用いられる。基板2,2’は配向制御層4,4’を
内側にして上記スペーサーを介して対向配置され、周囲
を例えばエポキシ系接着剤等のシール材5で封止し、本
発明の液晶組成物を注入して液晶層1を形成する。
【0071】液晶層1の厚さ(セルギャップ)は一般に
は0.5〜20μmであるが、本発明の液晶組成物のら
せん構造を解除し、良好な強誘電相を得るためには、1
〜5μmが好ましい。
【0072】図1に示した液晶素子は透過型であり、図
1に示すように、通常一対の偏光板8,8’に狭持し、
光源9を用いて光を照射し、液晶層1を該光の透過率を
変化させる光シャッターとして機能させることにより表
示を行う。
【0073】尚、上記実施形態は透過型であるが、基板
2,2’の一方或いは透明電極3,3’の一方を反射層
とするか、別途反射層を設けることにより、観察者側か
らの入射した光を反射させて表示を行う反射型とするこ
ともできる。また、本発明の液晶素子は、直視型、投影
型のいずれにも適用可能である。
【0074】図2に本発明の液晶素子として単純マトリ
クスタイプの液晶素子を構成した場合の電極構成を示
す。図2中、11は走査電極群、12は情報電極群であ
る。図2に示すように、単純マトリクスタイプの場合、
ストライプ状の複数の走査電極を平行に基板上に並べた
走査電極群11と、同様にストライプ状の複数の情報電
極を平行に基板上に並べた情報電極群12とが互いに直
交するように上下基板を対向配置させ、液晶層を狭持し
て構成される。
【0075】図7に、本発明の液晶素子として単純マト
リクスタイプの強誘電性液晶素子を構成した場合の駆動
波形の一例を示す。図7(A)のSSは選択された走査
電極に印加する選択走査波形を、SNは選択されていな
い走査電極に印加される非選択走査波形を、ISは黒表
示の情報電極に印加する情報波形を、INは白表示の情
報電極に印加する情報波形を表している。また、(IS
−SS)と(IN−SS)は選択された走査電極上の画素
の液晶層に印加される電圧波形で、電圧(IS−SS)が
印加された画素(情報電極に黒表示の情報信号が印加さ
れている)は黒の表示状態をとり、電圧(IN−SS)が
印加された画素(情報電極に白表示の情報信号が印加さ
れている)は白の表示状態をとる。
【0076】図7(B)は図7(A)に示す駆動波形
で、図8に示す表示を行った時の時系列波形である。図
7に示す駆動例では、選択された走査電極上の画素の液
晶層に印加される単一極性電圧の最小印加時間Δtが書
込み位相t2の時間に相当し、1ラインクリヤt1位相の
時間が2Δtに設定されている。図7に示した駆動波形
の各パラメータVS、VI、Δtの値は使用する液晶材料
のスイッチング特性によって決定される。ここでは、バ
イアス比VI/(VI+VS)=1/3に固定されてい
る。バイアス比を大きくすることにより駆動適正電圧の
幅を大きくすることは可能であるが、バイアス比を増す
ことは情報信号の振幅を大きくすることを意味し、画質
的にはちらつきの増大、コントラストの低下を招き好ま
しくない。本発明者等の検討によれば、バイアス比は1
/3〜1/4程度が実用的である。
【0077】また、図9は本発明の液晶素子として単純
マトリクスタイプの反強誘電性液晶素子を構成した場合
の駆動波形の一例を示す。図中、SSは走査電極に印加
する走査波形を、ISは白表示の情報電極に印加する情
報波形を、INは黒表示の情報電極に印加する情報波形
を表している。
【0078】しきい値を有する反強誘電性液晶素子の場
合、所定のしきい値以上の絶対値の電圧で液晶分子が印
加電圧が0の場合の位置からチルトし、印加電圧が所定
のしきい値以下となった場合に再び上記0の位置に戻
る。図9において、twは走査選択期間であり、この期
間に液晶層に印加された電圧が所定のしきい値を超えて
いるか否かにより表示状態が決定し、非選択期間中の保
持期間thにおいてはその表示状態を保持するために保
持電圧Vhが印加される。また、リセット期間trにおい
ては、液晶層に印加された電圧を0として表示状態をリ
セットする、即ち当該走査電極上の画素を全て黒表示と
する。
【0079】次に、図3に本発明の液晶素子の好ましい
実施形態である、図1の構成を1画素としたアクティブ
マトリクスタイプの液晶素子の断面模式図を示す。ま
た、図4に当該液晶素子に周辺駆動回路を組み込んだ場
合のアクティブマトリクス基板の平面模式図を示す。図
中、21,22は基板、23は画素電極、24はTF
T、25は共通電極、26,27は配向制御層、28は
シール材、29はスペーサー、30は本発明の液晶組成
物からなる液晶層、31は走査信号線ドライバ、32は
情報信号線ドライバ、33は走査信号線、34は走査信
号線端部、35は情報信号線、36は情報信号線端部で
ある。
【0080】基板21側はアクティブマトリクス基板で
あり、基板22側は対向基板である。基板21,22は
通常ガラスやプラスチック等の透明基板が用いられる
が、反射型の液晶素子を構成する場合には、基板21を
シリコン基板等で構成する場合もある。
【0081】基板21上には、画素電極23と該画素電
極23に接続されたアクティブ素子とがマトリクス状に
形成されている。本実施形態においてはアクティブ素子
としてTFT24が用いられている。アクティブ素子と
して好適なトランジスタとしては、アモルファスシリコ
ンベース、ポリシリコンタイプ、或いはマイクロクリス
タルシリコンベース、単結晶シリコン等の半導体が用い
られる。TFTは通常、基板上に形成されたゲート電極
と、該ゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、該ゲート絶縁
膜の上に形成された半導体層と、該半導体層の上に形成
されたソース電極及びドレイン電極とから構成される。
アクティブ素子としてはトランジスタ以外にも、MIM
等が好ましく使用できる。
【0082】図4に示すように、画素電極23の行間に
走査信号線(ゲート線)33が配線され、列間に情報信
号線(ソース線)35が配線されている。各TFT24
のゲート電極は、対応する走査信号線33に接続され、
ソース電極は対応する情報信号線35に接続されてい
る。そして、走査信号線33は端部34を介して走査信
号線ドライバ31に接続され、情報信号線35は端部3
6を介して情報信号線ドライバ32に接続される。走査
信号線ドライバ31は走査信号線33を順次選択してゲ
ートオン信号を印加し、これと同期して情報信号線ドラ
イバ32からは各情報信号線35に表示データに対応す
る情報信号を印加する。走査信号線33は端部34を除
いてTFT24のゲート絶縁膜で覆われており、情報信
号線35は該ゲート絶縁膜の上に形成されている。画素
電極23は該ゲート絶縁膜の上に形成され、その一端部
においてTFT24のドレイン電極に接続されている。
【0083】また、基板22には、画素電極23と対向
する共通電極25が形成されている。共通電極25は、
表示領域全体にわたる面積の1枚の電極から構成され、
基準電圧が印加される。その結果、液晶層30には情報
信号電圧に応じた電圧が印加され、透過率が変化し、階
調表現を行うことができる。また、画素毎に補助容量と
なるコンデンサが配置されることもある。
【0084】画素電極23及び共通電極25は通常IT
O等の透明導電材で形成されるが、反射型の液晶素子を
構成する場合には、画素電極23を反射能の高い金属で
構成したり、或いは画素電極23の上または下に反射部
材を設ける場合がある。
【0085】配向制御層26,27については、図1の
実施形態における配向制御層4,4’と同様である。ま
た、スペーサー29及び液晶層30についても図1の素
子について述べた説明と同様である。
【0086】本発明にかかる液晶素子を組み込んで、種
々の機能を持った液晶装置を構成することができるが、
その例が該素子を表示パネル部に使用し、図6に示した
走査線アドレス情報を持つ画像情報からなるデータフォ
ーマット及びSYN信号による通信同期手段をとること
により、図5の液晶表示装置を実現するものである。図
中の符号はそれぞれ以下の通りである。
【0087】101は液晶表示装置、102はグラフィ
ックコントローラ、103は表示パネル、104は走査
信号線駆動回路、105は情報信号線駆動回路、106
はデコーダ、107は走査信号発生回路、108はシフ
トレジスタ、109はラインメモリ、110は情報信号
発生回路、111は駆動制御回路、112はGCPU、
113はホストCPU、114はVRAMである。
【0088】画像情報の発生は本体装置のグラフィック
コントローラ102にて行われ、図3に示した信号伝達
手段に従って表示パネル103へと転送される。グラフ
ィックコントローラ102はGCPU112(中央演算
装置)及びVRAM114(画像情報格納用メモリ)を
核にホストCPU113と液晶表示装置101間の画像
情報の管理や通信を司っている。尚、該表示パネルの裏
面には、光源が配置されている。
【0089】
【実施例】(実施例1)表1に示した例示化合物No.
3を合成した。合成経路及び合成方法を以下に示す。
【0090】
【化8】
【0091】〔例示化合物No.3の合成方法〕 (1)→(2)反応容器に4−フェニル−1−ブタノー
ル23.4g(0.156mol)、濃硫酸1.1g
(11mmol)を入れ、0℃で光学活性1,2−エポ
キシトリフルオロプロパン17.5g(0.156mo
l)を加え、室温で4日間攪拌した。反応物を飽和重曹
水で中和した後、クロロホルムで抽出し、食塩水で洗浄
した。芒硝乾燥後、減圧乾固し、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマト(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=6/1)
で精製し、光学活性3−(4−フェニルブトキシ)−
1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール19.3
g(収率:47.1%)を得た。
【0092】(3)→(4)Price,C.C.et
al,J.Am.Chem.Soc.,69,226
1(1947).の方法を参考にし、以下に示す方法で
6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸を還元し、
1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−2−
ナフタレンカルボン酸を得た。
【0093】6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン
酸15.2g(80.8mmol)を1−ペンタノール
405mlに溶かして128〜135℃に加熱し、窒素
気流下で同温度で2時間かけて金属ナトリウム39g
(1.7mol)を加えた。その後、130〜135℃
で3.5時間加熱攪拌した。冷却して65〜70℃でメ
タノール25mlを滴下し、さらに水800mlを滴下
し、その後室温で30分間攪拌した。反応物を分液して
ペンタノール相を除き、水相をメチルtert−ブチル
エーテル250mlで3回洗浄した。水相を6N−塩酸
でpH=1にして析出した結晶をメチルtert−ブチ
ルエーテル300mlで3回抽出し、有機相にトルエン
を加えて溶媒を留去し、淡黄色結晶15gを得た。この
結晶を1−ペンタノール500mlに溶かして128〜
136℃に加熱し、窒素気流下で同温度で2時間かけて
金属ナトリウム39g(1.7mol)を加えた。その
後、130〜135℃で1時間加熱攪拌した。冷却して
65〜70℃でメタノール25mlを滴下し、さらに水
800mlを滴下し、その後室温で30分間攪拌した。
反応物を分液してペンタノール相を除き、水相をメチル
tert−ブチルエーテル250mlで3回洗浄した。
水相を6N−塩酸でpH=1にして析出した結晶をメチ
ルtert−ブチルエーテル300mlで3回抽出し、
有機相を水洗した後にトルエンを加えて溶媒を留去し、
淡黄色結晶15gを得た。この結晶をシリカゲルカラム
クロマト(溶離液:クロロホルム・エタノール=2/
1)で精製し、トルエンで再結晶して、1,2,3,4
−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカル
ボン酸の結晶を13.3g(収率:85.6%)得た。
【0094】(4)→(5)1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸1
2.3g(60.5mmol)をエタノール246gに
溶かし、室温で攪拌しながら濃硫酸11gを滴下した。
滴下終了後、79〜82℃で8時間還流攪拌した。反応
物を氷水約1000mlに注入し、析出した結晶をトル
エンで抽出した。トルエン相を水、5%NaHCO3
溶液、水で順次洗浄し、溶媒を留去して1,2,3,4
−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカル
ボン酸エチルエステルの結晶を13.3g(収率:9
5.2%)得た。
【0095】(5)→(6)→(7)1,2,3,4−
テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボ
ン酸エチルエステル13.2g(60.5mmol)を
DMF(ジメチルホルムアミド)182mlに溶かし、
炭酸カリウム18.7gを加えた。15〜18℃に冷却
攪拌下、臭化ベンジル11.0g(64.3mmol)
を15分間かけて滴下し、その後25〜30℃で3時間
攪拌した。反応物を氷水約600mlに注入し、トルエ
ンで抽出し、有機相を水洗した。溶媒を留去し、1,
2,3,4−テトラヒドロ−6−ベンジルオキシ−2−
ナフタレンカルボン酸エチルエステルの油状物を得た。
この油状物に85%水酸化カリウム8g、水103m
l、エタノール51mlを加え、80〜82℃で2時間
加熱攪拌した。反応物に冷水を加えた後、6N−塩酸で
pH=1にして析出した結晶をメチルtert−ブチル
エーテルで抽出し、有機相を水洗した後にトルエンを加
えて溶媒を留去し、淡黄色結晶20.7gを得た。この
結晶をシリカゲルカラムクロマト(溶離液:クロロホル
ム/エタノール=2/1)で精製し、トルエンで再結晶
して1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ベンジルオキ
シ−2−ナフタレンカルボン酸の結晶を13.8g(収
率:80.8%)得た。
【0096】(7)→(8)→(9)1,2,3,4−
テトラヒドロ−6−ベンジルオキシ−2−ナフタレンカ
ルボン酸2.00g(7.08mmol)、光学活性3
−(4−フェニルブトキシ)−1,1,1−トリフルオ
ロ−2−プロパノール1.86g(7.09mmo
l)、クロロホルム20mlをナスフラスコに入れ、室
温で攪拌しながらN,N’−ジシクロヘキシルカルボジ
イミド1.53g(7.42mmol)、4−ジメチル
アミノピリジン0.14gを順次加え、室温で20時間
攪拌した。析出したN,N’−ジシクロヘキシルウレア
を濾去し、濾液を減圧乾固した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマト(溶離液:トルエン)で精製し、1,2,
3,4−テトラヒドロ−6−ベンジルオキシ−2−ナフ
タレンカルボン酸3−(4−フェニルブトキシ)−1,
1,1−トリフルオロ−2−プロピルエステルの油状物
を3.38g(収率:90.6%)得た。この油状物を
エタノール18mlに溶かし、Pd−C(5%Pd)
0.42gを加え、室温で接触還元を行った。Pd−C
(5%Pd)を濾去し、濾液を減圧乾固して光学活性
1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ヒドロキシ−2−
ナフタレンカルボン酸3−(4−フェニルブトキシ)−
1,1,1−トリフルオロ−2−プロピルエステルの油
状物2.72g(収率:97.1%)を得た。
【0097】(9)→(例示化合物No.3)4’−デ
シル−4−ビフェニルカルボン酸0.31g(0.92
mmol)、光学活性1,2,3,4−テトラヒドロ−
6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸3−(4−
フェニルブトキシ)−1,1,1−トリフルオロ−2−
プロピルエステル0.40g(0.92mmol)、ク
ロロホルム3mlをナスフラスコに入れ、室温で攪拌し
ながらN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド0.
19g(0.92mmol)、4−ジメチルアミノピリ
ジン0.02gを順次加え、室温で4時間攪拌した。析
出したN,N’−ジシクロヘキシルウレアを濾去し、濾
液を減圧乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
(溶離液:トルエン)で精製し、アセトン−メタノール
混合溶媒で再結晶して光学活性6−(4’−デシル−4
−ビフェニルカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テ
トラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸3−(4−フェ
ニルブトキシ)−1,1,1−トリフルオロ−2−プロ
ピルエステルを0.57g(収率:82.2%)得た。
得られた化合物の相転移温度を以下に示す。
【0098】
【化9】
【0099】(実施例2)実施例1の4’−デシル−4
−ビフェニルカルボン酸の代わりに4’−ウンデシル−
4−ビフェニルカルボン酸を用いた他は、実施例1と全
く同様にして光学活性6−(4’−ウンデシル−4−ビ
フェニルカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テトラ
ヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸3−(4−フェニル
ブトキシ)−1,1,1−トリフルオロ−2−プロピル
エステル(表1の例示化合物No.6)を合成した。得ら
れた化合物の相転移温度を以下に示す。
【0100】
【化10】
【0101】(実施例3)実施例1の4’−デシル−4−
ビフェニルカルボン酸の代わりに4’−ノニルオキシ−
4−ビフェニルカルボン酸を用いた他は、実施例1と全
く同様にして光学活性6−(4’−ノニルオキシ−4−
ビフェニルカルボニルオキシ)−1,2,3,4−テト
ラヒドロ−2−ナフタレンカルボン酸3−(4−フェニ
ルブトキシ)−1,1,1−トリフルオロ−2−プロピ
ルエステル(表1の例示化合物No.8)を合成した。得
られた化合物の相転移温度を以下に示す。
【0102】
【化11】
【0103】(実施例4)下記化合物を下記の重量部で
混合し、液晶組成物Aを調製した。
【0104】 構造式 重量部 C919−Py2−Ph−OC919 6 C1021−Py2−Ph−OC817 6 C817O−Pr1−Ph−O(CH25 *CH(CH3)C25 7 C1123O−Py2−Ph−O(CH22 *CH(CH3)C25 14 C1021−Pr2−Ph−C613 8 C613−Py2−Ph−Ph−C49 4 C817−Ph−Pr2−Ph−OC511 2 C37−Cy−COO−Ph−Py1−C1225 10 C511−Cy−COO−Ph−Py1−C1225 5 C1021O−Ph−COS−Ph−OC817 10 C613−Ph−COO−Ph−Ph−OCH2CH(CH3)C25 7 C37−Cy−CH2O−Ph−Py1−C817 7 C1021−Ph−Ph−OCH2−Ph−C715 5 C1225−Py2−Ph−OCH2 *CH(F)C511 2 C511−Cy−COO−Ph−OCH2 *CH(F)C613 2 C1225O−Ph−Pa−COO(CH23 *CH(CH3)C25 2 C1225O−Ph−Pa−O(CH23 *CH(CH3)OC37
【0105】上記液晶組成物A90重量部に対して、実
施例1で製造した例示化合物No.3を10重量部混合
して、液晶組成物Bを調製した。
【0106】2枚の0.7mm厚のガラス板を用意し、
それぞれのガラス板にITO膜を形成し、電圧印加電極
を作製し、さらにこの上にSiO2を蒸着させ絶縁層と
した。さらに、それぞれにシランカップリング剤(信越
化学社製「KBM−602」)の0.2重量%イソプロ
ピルアルコール溶液を回転数2000rpm、15秒間
の条件でスピンナー塗布し、表面処理を施した。この
後、120℃で20分間加熱乾燥処理を施した。さらに
表面処理を行ったITO膜付のガラス板上にポリイミド
前駆体(東レ社製「SP−510」)の1.5重量%ジ
メチルアセトアミド溶液を回転数2000rpm、15
秒間の条件でスピンナー塗布し、成膜後、300℃で6
0分間の加熱縮合焼成処理を施した。塗膜の膜厚は約2
50Åであった。
【0107】得られたポリイミド膜にはアセテート植毛
布によるラビング処理を施した後、イソプロピルアルコ
ールで洗浄し、平均粒径2μmのシリカビーズを一方の
ガラス板上に散布した後、それぞれのラビング処理軸が
互いに平行になるように対向配置させ、接着シール材
(チッソ社製「リクソンボンド」)を用いて貼り合わ
せ、100℃で60分間加熱乾燥し、セルを作製した。
【0108】得られたセルに前記液晶組成物Bを等方性
液体状態で注入し、等方相から20℃/hで25℃まで
徐冷することにより、強誘電性液晶素子を作製した。
【0109】得られた素子のセルギャップをベレック位
相板によって測定したところ、約2μmであった。ま
た、この素子を用いて、ピーク・トゥ・ピーク電圧Vpp
=20V/μmの電圧印加により直交ニコル下での光学
的な応答(透過光量変化:0〜90%)を検知して応答
速度(以後、光学応答速度という)を測定した。その結
果、下記表に示す通りであった。
【0110】
【表4】
【0111】(比較例1)実施例4で調製した液晶組成
物Bの代わりに液晶組成物Aを用いる以外は、実施例4
と全く同様の方法で強誘電性液晶素子を作製し、実施例
4と同様にして光学応答速度を測定した。その結果を下
記表に示す。
【0112】
【表5】
【0113】(実施例5)実施例4で調製した液晶組成
物A80重量部に、表1の例示化合物No.15を10
重量部、表3の例示化合物No.45を10重量部混合
して液晶組成物Cを調製した。この液晶組成物Cを液晶
組成物Bの代わりに用いる以外は、実施例4と全く同様
の方法で強誘電性液晶素子を作製し、実施例4と同様に
して光学応答速度を測定した。その結果を下記表に示
す。この液晶素子内の均一配向性は良好であり、モノド
メイン状態が得られた。
【0114】
【表6】
【0115】実施例4、5、比較例1の結果より、本発
明の液晶組成物を用いて構成された本発明の液晶素子
は、低温における作動特性が改善され、応答特性の温度
依存性が軽減されていることがわかった。
【0116】(実施例6)下記化合物を下記の重量部で
混合し、液晶組成物Dを調製した。
【0117】 構造式 重量部 C613−Py2−Ph−O(CH24OC37 5 C1123−Py2−Ph−OC49 10 C817O−Pr1−Ph−O(CH25CH(CH3)C25 5 C1021−Py2−Ph−O(CH24CH(CH3)OCH3 10 C613−Py2−Ph−Ph−C817 7 C817−Py2−Ph−OC613 15 C511−Cy−COO−Ph−Py1−C1225 5 C49−Cy−COO−Ph−Py1−C1123 5 C37−Cy−COO−Ph−Py1−C1123 5 C1225O−Ph−Pa−CO(CH23 *CH(CH3)C25 2 C1021−Py2−Ph−OCH2 *CH(F)C25 5 C613−Cy−COO−Ph−OCH2 *CH(F)C613 2 C817−Ph−OCO−Ph−Ph−CH(CH3)OCOC613 6 C817−Py2−Ph−OCO−Ph−F 2 C715O−Ph−Tz1−Ph−C511 3 C613O−Btb2−Ph−OCO(CH26OC25 3 C817O−Ph−COS−Ph−OC37 10
【0118】さらに、上記液晶組成物D85重量部に対
して、表1の例示化合物No.12を10重量部と、表
2の例示化合物No.34を5重量部混合して液晶組成
物Eを調製した。
【0119】実施例4と同様にして、2枚のガラス板上
にITO膜とSiO2からなる絶縁層を形成し、シラン
カップリング剤による表面処理を施した。さらに、表面
処理を行ったITO膜付のガラス板上にポリイミド前駆
体(東レ社製「SP−510」)の1.0重量%ジメチ
ルアセトアミド溶液を回転数3000rpm、15秒間
の条件でスピンナー塗布し、成膜後、300℃で60分
間の加熱縮合焼成処理を施した。塗膜の膜厚は約120
Åであった。
【0120】得られたポリイミド膜にはアセテート植毛
布によるラビング処理を施した後、イソプロピルアルコ
ールで洗浄し、平均粒径1.5μmのシリカビーズを一
方のガラス板上に散布した後、それぞれのラビング処理
軸が互いに平行になるように対向配置させ、接着シール
材(チッソ社製「リクソンボンド」)を用いて貼り合わ
せ、100℃で60分間加熱乾燥し、セルを作製した。
【0121】得られたセルに前記液晶組成物Eを等方性
液体状態で注入し、等方相から20℃/hで25℃まで
徐冷することにより、強誘電性液晶素子を作製した。
【0122】得られた素子のセルギャップをベレック位
相板によって測定したところ、約1.5μmであった。
この強誘電性液晶素子を図7に示す駆動波形(1/3バ
イアス比)で駆動し、30℃における駆動時のコントラ
ストを測定した結果、18.1であった。
【0123】(比較例2)実施例6で調製した液晶組成
物Eの代わりに液晶組成物Dを用いる以外は、実施例6
と全く同様にして強誘電性液晶素子を作製し、実施例6
と同様に30℃のおける駆動時のコントラストを測定し
た。その結果、コントラストは7.8であった。
【0124】(実施例7)実施例6で調製した液晶組成
物D85重量部に、表1の例示化合物No.19を5重
量部と、表3の例示化合物No.52を10重量部混合
して液晶組成物Fを調製した。この液晶組成物Fを液晶
組成物Eの代わりに用いる以外は、実施例6と全く同様
の方法で強誘電性液晶素子を作製し、実施例6と同様に
30℃のおける駆動時のコントラストを測定した。その
結果、コントラストは16.5であった。
【0125】(実施例8)実施例6で調製した液晶組成
物D75重量部に、表2の例示化合物No.23を10
重量部と、表2の例示化合物No.30を15重量部混
合して液晶組成物Gを調製した。この液晶組成物Gを液
晶組成物Eの代わりに用いる以外は、実施例6と全く同
様の方法で強誘電性液晶素子を作製し、実施例6と同様
に30℃における駆動時のコントラストを測定した。そ
の結果、コントラストは20.1であった。
【0126】実施例6〜8及び比較例2より明らかなよ
うに、本発明の液晶素子では駆動時におけるコントラス
トが高くなっていることがわかった。
【0127】(実施例9)標準的な反強誘電性液晶組成
物であるチッソ石油化学社製の「CS−4000」を8
0重量部と表2の例示化合物No.39を20重量部混
合して液晶組成物Hを調製した。
【0128】実施例4と同様にして、2枚のガラス板上
にITO膜とSiO2からなる絶縁層を形成し、シラン
カップリング剤による表面処理を施した。さらに、表面
処理を行ったITO膜付のガラス板上にポリイミド前駆
体(東レ社製「SP−710」)の1.5重量%ジメチ
ルアセトアミド溶液を回転数2000rpm、15秒間
の条件でスピンナー塗布し、成膜後、300℃で60分
間の加熱縮合焼成処理を施した。塗膜の膜厚は約250
Åであった。
【0129】得られたポリイミド膜にはアセテート植毛
布によるラビング処理を施した後、イソプロピルアルコ
ールで洗浄し、平均粒径1.5μmのシリカビーズを一
方のガラス板上に散布した後、それぞれのラビング処理
軸が互いに平行になるように対向配置させ、接着シール
材(三井東圧社製「ストラクトボンド」)を用いて貼り
合わせ、170℃で60分間加熱乾燥し、セルを作製し
た。
【0130】得られたセルに前記液晶組成物Hを等方性
液体状態で注入し、等方相から20℃/hで25℃まで
徐冷することにより、反強誘電性液晶素子を作製した。
【0131】得られた素子のセルギャップをベレック位
相板によって測定したところ、約1.5μmであった。
30℃でピーク・トゥ・ピーク電圧Vpp=20V/μm
を印加して直交ニコル下でスイッチング状態を観察し
た。この時、液晶素子内の0.3mm2の視野範囲にお
ける筋状欠陥は5個であった。
【0132】(比較例3)実施例9で調製した液晶組成
物Hの代わりにCS−4000を用いる以外は、実施例
9と全く同様にして反強誘電性液晶素子を作製し、実施
例9と同様にスイッチング状態を観察したところ、液晶
素子内の0.3mm2の視野範囲における筋状欠陥は2
3個であった。
【0133】(実施例10)下記構造を有するフェリ誘
電性化合物を85重量部と表2の例示化合物No.8を
15重量部混合して液晶組成物Iを調製した。
【0134】C1021−Ph−Ph−COO−Nh1−
COOC*H(CF3)C49上記液晶組成物Iを液晶組
成物Hの代わりに用いる以外は、実施例9と全く同様に
して反強誘電性液晶素子を作製し、実施例9と同様にス
イッチング状態を観察したところ、0.3mm2の視野
範囲における筋状欠陥は9個であった。
【0135】(実施例11〜13)CS−4000と以
下に示した例示化合物を以下に示す割合で混合し、液層
組成物J〜Lを調製した。
【0136】 実施例11 液晶組成物J CS−4000 90重量部 例示化合物No.40 10重量部 実施例12 液晶組成物K CS−4000 85重量部 例示化合物No.9 15重量部 実施例13 液晶組成物L CS−4000 85重量部 例示化合物No.43 10重量部 例示化合物No.55 5重量部
【0137】上記液晶組成物J〜Lはいずれも室温領域
において安定な反強誘電相を示した。これらの液晶組成
物J〜Lを液晶組成物Hの代わりにそれぞれ用いる以外
は、実施例9と全く同様の方法で反強誘電性液晶素子を
作製し、実施例9と同様に自発分極と応答速度を測定
し、スイッチング状態を観察した。結果を以下に示す。
【0138】
【表7】
【0139】実施例9〜13及び比較例3より明らかな
ように、本発明の液晶素子は配向性が改善されているこ
とがわかった。
【0140】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光学活性
化合物を含有する液晶組成物は、該液晶組成物が示す強
誘電性を利用して構成した強誘電性液晶素子において、
スイッチング特性、高速応答性、コントラストを向上
し、光学応答速度の温度依存性を軽減することができ、
当該液晶素子の実用化が可能になる。また、本発明の光
学活性化合物を含有する液晶組成物の示す反強誘電性を
利用して構成した反強誘電性液晶素子においては、配向
性の均一化を図ることができ、当該液晶素子の実用化が
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子の一実施形態の基本構成を示
す断面模式図である。
【図2】本発明の液晶素子の一実施形態である単純マト
リクスタイプの素子の電極構成を示す平面模式図であ
る。
【図3】本発明の液晶素子の一実施形態であるアクティ
ブマトリクスタイプの素子の断面模式図である。
【図4】図3の素子に周辺駆動回路を組み込んだ状態で
のアクティブマトリクス基板の平面模式図である。
【図5】本発明にかかる液晶素子を表示パネルとして用
いた液晶表示装置とグラフィックコントローラを示すブ
ロック図である。
【図6】図4の液晶表示装置とグラフィックコントロー
ラとの間の画像情報通信タイミングチャートを示す図で
ある。
【図7】本発明の液晶素子を単純マトリクスタイプの強
誘電性液晶素子とした場合の駆動波形の一例である。
【図8】図7で示される時系列波形で表示される状態を
示す模式図である。
【図9】本発明の液晶素子を単純マトリクスタイプの反
強誘電性液晶素子とした場合の駆動波形の一例である。
【符号の説明】
1 液晶層 2,2’ 透明基板 3,3’ 透明電極 4,4’ 配向制御層 5 シール材 6 配線 7 電源 8,8’ 偏光板 9 光源 11 走査電極群 12 情報電極群 21,22 基板 23 画素電極 24 TFT 25 共通電極 26,27 配向制御層 28 シール材 29 スペーサー 30 液晶層 31 走査信号線ドライバ 32 情報信号線ドライバ 33 走査信号線 34 走査信号先端部 35 情報信号線 36 情報信号先端部 101 液晶表示装置 102 グラフィックコントローラ 103 表示パネル 104 走査信号線駆動回路 105 情報信号線駆動回路 106 デコーダ 107 走査信号発生回路 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生回路 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 公一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中村 真一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 野口 幸治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 清水 康志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA03 AB64 BJ50 BM10 BM71 BP10 4H027 BA06 BA07 BB09 BB10 BC05 BD08 BD12 BD20 BD23 BE04 CB01 CF01 CF03 CL09 DB01 DB07 DC01 DE01 DE03 DE07 DE09 DF01 DF04 DF05 DJ01 DK08 DL03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されることを特徴
    とする光学活性化合物。 【化1】 〔上記式中、Rは、炭素原子数が1〜20の直鎖状また
    は分岐状のアルキル基(該アルキル基中の1以上の−C
    2−はヘテロ原子が隣接しない条件で−O−、−S
    −、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−、−C*
    F−、−C*H(CF3)−に置き換えられていても良
    い。尚、C*は不斉炭素である。)を示す。A1,A2
    3は、それぞれ単独に、無置換或いは1個または2個
    の置換基(F、Cl、Br、CH3、CF3)を有する
    1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリ
    ミジン−2,5−ジイル、ピラジン−2,5−ジイル、
    ピリダジン−3,6−ジイル、1,4−シクロへキシレ
    ン、1,3,2−ジオキサボリナン−2,5−ジイル、
    1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,3−ジチア
    ン−2,5−ジイル、ベンゾオキサゾール−2,5−ジ
    イル、ベンゾオキサゾール−2,6−ジイル、ベンゾチ
    アゾール−2,5−ジイル、ベンゾチアゾール−2,6
    −ジイル、ベンゾフラン−2,5−ジイル、ベンゾフラ
    ン−2,6−ジイル、キノキサリン−2,6−ジイル、
    キノリン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒ
    ドロ−2,6−ナフチレン、2,6−ナフチレン、イン
    ダン−2,5−ジイル、2−アルキルインダン−2,5
    −ジイル(アルキル基は炭素原子数1〜18の直鎖状ま
    たは分岐状のアルキル基である。)、インダノン−2,
    6−ジイル、2−アルキルインダノン−2,6−ジイル
    (アルキル基は炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐
    状のアルキル基である。)、クマラン−2,5−ジイ
    ル、2−アルキルクマラン−2,5−ジイル(アルキル
    基は炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキ
    ル基である。)、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾ
    リン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、
    9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル、
    チオフェン−2,5−ジイル、チアゾール−2,5−ジ
    イル、チアジアゾール−2,5−ジイルから選ばれる。
    mは0または1であり、nは2〜20の整数である。X
    1,X2は、それぞれ単独に、単結合、−COO−、−O
    OC−、−CH2O−、−OCH2−、−CH2CH2−、
    −CH=CH−、−C≡C−である。X3は、−COO
    −、−CH2O−、−O−である。Bは、無置換或いは
    1個または2個の置換基(F、Cl、Br、CH3、C
    3)を有するフェニルまたはシクロヘキシルであ
    る。〕
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、A1、A2、A3
    が、無置換或いは1個または2個の置換基(F、Cl、
    Br、CH3、CF3)を有する1,4−フェニレン、ピ
    リジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイ
    ル、1,4−シクロへキシレン、1,2,3,4−テト
    ラヒドロ−2,6−ナフチレンから選ばれる請求項1記
    載の光学活性化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の光学活性化合
    物を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の光学活性化合
    物の含有量が1〜80重量%である請求項3記載の液晶
    組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の光学活性化合
    物の含有量が1〜60重量%である請求項3記載の液晶
    組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載の光学活性化合
    物の含有量が1〜40重量%である請求項3記載の液晶
    組成物。
  7. 【請求項7】 カイラルスメクチックC相を呈する請求
    項3〜6のいずれかに記載の液晶組成物。
  8. 【請求項8】 一対の基板と、該基板間に狭持された請
    求項3〜7のいずれかに記載の液晶組成物と、該液晶組
    成物を駆動するための電極を備えたことを特徴とする液
    晶素子。
  9. 【請求項9】 上記基板の液晶組成物との界面に配向制
    御層を備えた請求項8記載の液晶素子。
  10. 【請求項10】 上記配向制御層がラビング処理されて
    いる請求項9記載の液晶素子。
  11. 【請求項11】 上記基板間において、液晶組成物のら
    せん構造が解除されている請求項10記載の液晶素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013112682A (ja) * 2011-11-25 2013-06-10 Daxin Material Corp 液晶化合物および液晶媒体

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