JP2000017261A - 反強誘電性液晶組成物及びこれを用いた液晶素子、表示装置 - Google Patents

反強誘電性液晶組成物及びこれを用いた液晶素子、表示装置

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JP2000017261A
JP2000017261A JP10185817A JP18581798A JP2000017261A JP 2000017261 A JP2000017261 A JP 2000017261A JP 10185817 A JP10185817 A JP 10185817A JP 18581798 A JP18581798 A JP 18581798A JP 2000017261 A JP2000017261 A JP 2000017261A
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Yukio Haniyu
由紀夫 羽生
Takao Takiguchi
隆雄 滝口
Shinichi Nakamura
真一 中村
Koichi Sato
公一 佐藤
Koji Noguchi
幸治 野口
Koji Shimizu
康志 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた均一配向性と小さな自発分極を有する
反強誘電性のカイラルスメクチック液晶組成物を提供
し、該組成物を用いて大面積、高精細、高性能の液晶素
子を構成する。 【解決手段】 少なくとも、ビシクロ環またはトリシク
ロ環構造を有する化合物を含有する液晶組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラットパネルデ
ィスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プリンタ
等に用いられるライトバルブに使用される液晶素子、及
び、該液晶素子に用いられる反強誘電性液晶組成物と、
該液晶素子を用いた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から最も広範に用いられてきている
ディスプレイとしては、CRTが知られており、テレビ
やVTRなどの動画出力、或いはパーソナルコンピュー
タ等のモニターとして広く用いられている。しかしなが
らCRTはその特性上、静止画像に対してはフリッカや
解像度不足による走査縞等が視認性を低下させたり、焼
き付きによる蛍光体の劣化が起こったりする。また最近
では、CRTが発生する電磁波が人体に悪影響を与える
ことがわかり、VDT作業者の健康を害することが懸念
されている。また、CRTはその構造上、画面後方に広
く体積を有することが必須であることから、情報機器の
利便性を著しく阻害し、オフィス、家庭の省スペースを
阻害している。
【0003】上記のようなCRTの問題点を解決するも
のとして、液晶表示素子がある。例えばエム・シャット
(M.Schadt)とダブリュ・ヘルフリッヒ(W.
Helfrich)著、アプライド・フィジックス・レ
ターズ(Applied Physics Lette
rs)第18巻、第4号(1971年2月15日発行)
第127頁〜128頁において示されたツイステッドネ
マチック(Twisted Nematic)液晶を用
いたものが知られている。近年、このタイプの液晶を用
いてTFT(薄膜トランジスタ)をスイッチング素子と
して用いたアクティブマトリクス方式の液晶素子の開
発、製品化が行なわれている。この方式の液晶素子は、
一つ一つの画素にTFTを作製するものであり、従って
クロストークの問題がなく、また、近年の急速な生産技
術の進歩によって10〜12インチクラスのディスプレ
イが生産性良く製造されつつある。
【0004】しかしながら、さらに大きなサイズ、或い
は動画を問題なく再現するための60Hz以上のフレー
ム周波数という点では、未だ生産性、液晶の応答速度に
問題を有している。
【0005】また、最近では、プレインモードやBTN
(Bistabel Twisted Nemati
c)モードといった新しいモードを利用した液晶素子が
開発されている。特に後者は、速いスイッチングスピー
ドと双安定性を有するため、単純マトリクス方式による
大画面素子の提案がなされている。
【0006】一方、双安定性を有する液晶素子として、
カイラルスメクチック液晶素子がクラーク(Clar
k)及びラガウェル(Lagerwall)により提案
されている(特開昭56−107216号公報、米国特
許第4367924号明細書)。この液晶素子には、一
般にカイラルスメクチックC相またはカイラルスメクチ
ックH相を有する強誘電性液晶が用いられる。この強誘
電性液晶は、自発分極により反転スイッチングを行なう
ため、非常に速い応答速度を有する上に、メモリー性の
ある双安定状態を発現させることができる。さらに視野
角特性も優れていることから、高速、高精細、大面積の
単純マトリクス表示素子或いはライトバルブとして適し
ていると考えられる。
【0007】また、最近では、チャンダニ、竹添らによ
り、三つの安定状態を有するカイラルスメクチック反強
誘電性液晶素子も提案されている〔ジャパニーズ ジャ
ーナル オブ アプライド フィジックス(Japan
ese Journal of Applied Ph
ysics)第27巻、1988年L729頁〕。さら
に、反強誘電性液晶材料のうち、ヒステリシスが小さ
く、階調表示に有利なV字型応答特性(電圧−透過率特
性がほぼ0Vを中心としてV字形状をとる特性)を有す
る液晶化合物も報告されている〔ジャパニーズ ジャー
ナル オブ アプライド フィジックス、第36巻、1
997年3586頁〕。これを用いてアクティブマトリ
クスタイプの液晶素子を構成し、高速のディスプレイを
実現しようとする提案もなされている(特開平9−50
049号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなカイラルスメクチック液晶素子においては、例え
ば「強誘電性液晶の構造と物性」(コロナ社、福田敦
夫、竹添秀男著、1990年)に記載されているよう
に、ジグザグ状或いは筋状の配向欠陥が発生してコント
ラストを著しく低下させるという問題があり、一部の液
晶素子においてはかなり改善されているものがあるが、
その改善手法が全てに適用し得るわけではなく、カイラ
ルスメクチック液晶の配向性の改善が強く求められてい
る。また、自発分極をスイッチングのトルクとして用い
ているため、反電場が形成されることによるスイッチン
グ異常、電圧保持性の低下、焼き付きといった問題が有
り、性能、信頼性の両面から極力小さい自発分極の材料
が求められている。特に、反強誘電性液晶材料において
は、材料種の制約から、自発分極を小さくできないとい
う問題があった。
【0009】本発明の目的は、上記問題点に鑑みてなさ
れたものであり、優れた均一配向性と小さな自発分極を
有する反強誘電性のカイラルスメクチック液晶組成物を
実現し、該液晶組成物を用いて大面積、高精細、高性能
の液晶素子、及び該液晶素子を用いた表示装置を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、少なく
とも1種の架橋環化合物を含有することを特徴とする反
強誘電性液晶組成物である。また、本発明の第二は、上
記本発明の反強誘電性液晶組成物を一対の電極を有する
一対の基板間に挟持してなることを特徴とする液晶素子
であり、第三は、本発明の液晶素子と該素子の駆動回路
と備えたことを特徴とする表示装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の反強誘電性液晶組成物
は、架橋環化合物を少なくとも1種含んでいる。本発明
において、上記架橋環化合物としては、液晶相の温度
幅、混和性、粘性、配向性の観点から、ビシクロ環また
はトリシクロ環構造を有する化合物が好ましい。
【0012】同様の観点から、上記架橋環化合物として
は、下記一般式(I)で示される化合物が好ましい。
【0013】 R1 −A1 −B1 −A2 −B2 −A3 −B3 −A4 −R2 (I) 尚、上記式中、R1 、R2 はそれぞれ単独に炭素原子数
が1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、または
−Hを表わし、該アルキル基中の1以上の−CH2
は、ヘテロ原子が隣接しない条件で、−O−、−S−、
−CO−、−CH=CH−、−C≡C−に置き換えられ
ていても良い。
【0014】A1 、A2 、A3 はそれぞれ単独に単結合
または無置換或いは2個以下の置換基(−F、−Cl、
−Br、−CH3 、−CF3 )を有する、1,4−フェ
ニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,
5−ジイル、ピラジン−2,5−ジイル、ピリダジン−
3,6−ジイル、1,4−シクロヘキシレン、1,3,
2−ジオキサボリナン−2,5−ジイル、1,3−ジオ
キサン−2,5−ジイル、1,3−ジチアン−2,5−
ジイル、ベンゾオキサゾール−2,5−ジイル、ベンゾ
オキサゾール−2,6−ジイル、ベンゾチアゾール−
2,5−ジイル、ベンゾチアゾール−2,6−ジイル、
ベンゾフラン−2,5−ジイル、ベンゾフラン−2,6
−ジイル、キノキサリン−2,6−ジイル、キノリン−
2,6−ジイル、2,6−ナフチレン、インダン−2,
5−ジイル、2−アルキルインダン−2,5−ジイル
(アルキル基は炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐
状のアルキル基である。)、インダノン−2,6−ジイ
ル,2−アルキルインダノン−2,6−ジイル(アルキ
ル基は炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状のアル
キル基である。)、クマラン−2,5−ジイル、2−ア
ルキルクマラン−2,5−ジイル(アルキル基は炭素原
子数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基であ
る。)、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−
2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9,1
0−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル、チオフ
ェン−2,5−ジイル、チアゾール−2,5−ジイル、
チアジアゾール−2,5−ジイルのいずれかを表わす。
【0015】A4 はノルボルナン−2,5−ジイル、ビ
シクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、アダ
マンタン−1,4−ジイルのいずれかを表わす。
【0016】B1 、B2 、B3 はそれぞれ単独に、単結
合、−COO−、−OOC、−CH2 O−、−OCH2
−、−CH2 CH2 −、−CH=CH−、−C≡C−の
いずれかを表わす。
【0017】また、本発明においては、自発分極を小さ
くするために、上記架橋環化合物が不斉炭素原子を含ま
ないことが好ましい。
【0018】本発明に好ましく用いられる架橋環化合物
の具体例を下記表1、2に示す。尚、以後、本発明にお
いて用いられる略記は以下の基を示す。
【0019】
【化1】
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】本発明の液晶組成物は、より安定な反強誘
電性相を得るため、その高温領域にカイラルスメクチッ
クC相を有していないことが好ましい。また、本発明の
液晶組成物は、前記した液晶素子の信頼性を向上する上
で、自発分極の値が50nC/cm2 以下であることが
好ましい。
【0023】本発明の液晶組成物においては、上記架橋
環化合物を1〜40重量%含有していることが本発明の
効果を得る上で好ましい。
【0024】次に、本発明の液晶素子について説明す
る。図1は、本発明の液晶素子の一実施形態の構成を模
式的に示す部分断面図であり、図2はその電極構成を模
式的に示す平面図である。本実施形態の液晶素子は図2
に示されるように、上下各基板にストライプ状の電極群
を形成し、これらの電極群を互いに直交するように基板
を対向させ、その間隙に本発明の液晶組成物を挟持して
なる単純マトリクス方式の液晶素子である。
【0025】図1において、1は本発明の液晶組成物で
あり、通常、強誘電相の安定性を得るため、層厚は5μ
m以下としてらせん構造を解除することが好ましい。2
a,2bは基板であり、ガラス、プラスチック等が用い
られる。3a,3bはストライプ状電極であり、通常I
TO等の透明導電材によって形成される。反射型の液晶
素子を構成する場合には、基板2a,2bのいずれか一
方或いは電極のいずれか一方を光を反射可能な素材で形
成する場合もある。さらに、4a,4bは配向膜であ
り、少なくともいずれか一方は一軸配向制御膜とする。
一軸配向制御膜の形成方法としては、例えば基板上に溶
液塗工または蒸着、或いはスパッタリング等により、一
酸化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、ジルコ
ニア、フッ化マグネシウム、酸化セリウム、フッ化セリ
ウム、シリコン窒化物、シリコン炭化物、ホウ素窒化物
などの無機物や、ポリビニルアルコール、ポリイミド、
ポリイミドアミド、ポリエステル、ポリアミド、ポリエ
ステルイミド、ポリパラキシレン、ポリカーボネート、
ポリビニルアセタール、ポリビニルクロライド、ポリス
チレン、ポリシロキサン、セルロース樹脂、メラミン樹
脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂などの有機物を用いて被
膜形成した後、表面をビロード、布或いは紙等の繊維状
のもので摺擦(ラビング)することにより得られる。ま
た、SiO等の酸化物或いは窒化物などを基板の斜方か
ら蒸着する、斜方蒸着法なども用いられ得る。
【0026】特に、より良好な一軸配向性を得るために
ポリイミドラビング膜を一軸配向制御膜として用いるこ
とが好ましい。また、通常ポリイミドはポリアミック酸
の形で塗布し、焼成することで得られる。ポリアミック
酸は溶剤に易溶解性であるため生産性に優れる。最近で
は溶剤に可溶なポリイミドも生産されており、そういっ
た技術の進歩の上からもポリイミドはより良好な一軸配
向性が得られ、高い生産性を有する点で好ましく用いら
れる。
【0027】また、本実施形態の液晶素子は、例えば図
3に示される駆動波形を印加して所望のパターン表示を
得る。即ち、図2に示されるように、ストライプ状電極
3a,3bの一方を走査電極群11、他方を情報電極群
12とし、走査電極群11には順次図3(a)に示され
る走査信号を、情報電極群12には、該走査信号に同期
して図3(b)、(c)に示される情報信号を印加す
る。
【0028】図3において、(b)はオン信号、(c)
はオフ信号である。当該駆動波形においては、選択期間
に走査電極には±Vw のパルスが印加され、これに同期
して情報信号にはそれぞれオン信号或いはオフ信号が印
加される。その後、Vholdによって、上記オン信号或い
はオフ信号によって決定した表示を維持する。引き続き
次のフレームで書き換える前に、一旦液晶に印加された
電圧が0にリセットされる。
【0029】次に、本発明の液晶素子の第2の実施形態
としてアクティブマトリクス方式の液晶素子を例示す
る。図4は当該液晶素子を用いた液晶パネルの構成を模
式的に示す断面図であり、図5は平面図である。本実施
形態において、41は本発明の液晶組成物である。また
42a,42bは基板であり、通常ガラスやプラスチッ
ク、また反射型の場合にはシリコン基板などが用いられ
る。下側の基板42bには、ITO等からなる画素電極
43bとスイッチング素子45が二次元状にマトリクス
配置した画素毎に形成されている。スイッチング素子4
5としては、例えばTFTが用いられる。図5ではTF
Tを示している。
【0030】TFTは例えば、基板42b上に形成され
たゲート電極とこれを覆うゲート絶縁膜とその上に形成
された半導体層と、さらに該半導体層の上に形成された
ソース電極及びドレイン電極から構成される。さらに基
板42bには、画素の行間に走査信号線53が、列間に
情報信号線54が配線され、TFT45のゲート電極は
対応する走査信号線53に、ソース電極は対応する情報
信号線54にそれぞれ接続されている。走査信号線53
は端部において走査信号印加回路51に接続され、該回
路より走査信号が走査信号線53に印加される。また、
情報信号線54は端部において情報信号印加回路52に
接続され、該回路より表示データに対応する情報信号が
情報信号線に印加される。走査信号線53は走査信号印
加回路51との接続部を除いて上記ゲート絶縁膜で覆わ
れており、情報信号線54は、上記ゲート絶縁膜の上に
形成されている。また、画素電極43bは上記ゲート絶
縁膜の上に形成され、TFT45のドレイン電極に接続
されている。
【0031】また、図4の基板42aには、画素電極4
3bと対向する電極として、表示領域全体にわたる面積
の1枚の共通電極43aが形成され、基準電圧が印加さ
れる。尚、スイッチング素子としては、上記したTFT
以外にも、MIM等非線形二端子素子を用いることがで
きる。また、配向膜等や素材については先の実施形態と
同様である。
【0032】上記本発明の液晶素子は、いずれも透過型
の場合には、通常一対の偏光板に挟持して用いる。
【0033】本発明の液晶素子は、本発明の反強誘電性
液晶組成物を用いることが必須条件であり、それ以外の
部材については、製法、素材、形状等、従来の液晶素子
の技術をそのまま用いることができる。
【0034】本発明の液晶組成物では、その材料構成を
調整して、これを用いた素子でその電圧−透過率特性が
メモリ性のないV字形状をとるようにしてもよい。この
ような素子を上述したアクティブマトリクス方式の素子
とし、高速での中間調表示を実現することもできる。
【0035】本発明の液晶素子は、種々の機能を持った
液晶装置を構成するが、その一例が、該素子を表示パネ
ル部に用い、駆動回路を設けて表示装置とする本発明の
表示装置であり、例えば、図6、図7に示した走査信号
線アドレス情報を持つ画像情報からなるデータフォーマ
ット及びSYN信号による通信同期手段をとることによ
り、表示装置を実現するものである。図中の符号はそれ
ぞれ以下の通りである。
【0036】101 液晶表示装置 102 グラフィックコントローラ 103 表示パネル 104 走査信号線駆動回路 105 情報信号線駆動回路 106 デコーダ 107 走査信号発生回路 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生回路 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM
【0037】上記表示装置において、画像情報の発生は
本体装置のグラフィックコントローラ102によって行
なわれ、図6、図7に示した信号伝達手段に従って表示
パネル103へと転送される。グラフィックコントロー
ラ102はGCPU(中央演算装置)112及びVRA
M(画像情報格納用メモリ)114を核にホストCPU
113と液晶表示装置101間の画像情報の管理や通信
を司っている。尚、該表示パネルの裏面には光源が配置
されている。
【0038】本発明の表示装置においては、良好なスイ
ッチング特性を示す本発明の液晶組成物を用いた液晶素
子を用いて構成しているため、優れた駆動特性、信頼性
を発揮し、高精細、高速、大面積の表示画像を得ること
ができる。
【0039】
【実施例】[実施例1]標準的な反強誘電性のカイラル
スメクチック液晶組成物であるチッソ石油化学社製「C
S−4000」と先に示した例示化合物No.1とを、
90重量%:10重量%の重量比で混合し、液晶組成物
Aを得た。得られた液晶組成物Aの相転移温度を下記に
示す。
【0040】
【化2】 (Cry:結晶相、SmCA* :反強誘電性相、SmC
* :強誘電性相、SmA:スメクチックA相、Iso:
等方相)
【0041】0.7mm厚の2枚のガラス板を基板とし
て用意し、それぞれのガラス板上にITO膜を形成し、
さらにその上にSiO2 を蒸着させ、絶縁層とした。か
かるガラス板上にシランカップリング材(信越化学社製
「KBM−602」)の0.2重量%イソプロピルアル
コール溶液を2000rpmで15秒間、スピンナー塗
布し、表面処理を施した。この後、120℃で20分間
加熱乾燥処理を施した。さらに、表面処理を行なったI
TO膜付きのガラス板上にポリイミド樹脂前駆体(東レ
社製「SP−710」)の1.5重量%ジメチルアセト
アミド溶液を2000rpmで15秒間スピンナー塗布
し、成膜後60分間、300℃の条件で加熱焼成処理を
施した。この時の塗膜の膜厚は250Åであった。
【0042】上記焼成後の被膜に、アセテート植毛布に
よるラビング処理を施し、その後、イソプロピルアルコ
ール液で洗浄し、平均粒径1.5μmのシリカビーズを
一方のガラス板上に散布した後、それぞれのラビング処
理軸が互いに平行になるようにして接着シール剤(三井
東圧社製「ストラクトボンド」)を用いて貼りあわせ、
60分間、170℃にて加熱乾燥してセルを作製した。
このセルに、上記液晶組成物Aを等方性液体状態で注入
し、等方相から20℃/hで25℃まで徐冷することに
より、液晶素子を作製した。このセルのセル厚(液晶層
厚)をベレック位相板によって測定したところ、約1.
5μmであった。この素子を用いた30℃での自発分極
の大きさと、図3の波形でピーク・ツー・ピーク電圧V
pp=20V/μm(セル厚に対して)の電圧印加により
直交ニコル下での光学的な応答(透過光量変化0〜90
%)を検知して応答速度を測定し、スイッチング状態を
観察したところ、液晶素子内の0.3mm2 の視野範囲
における筋状欠陥は2個であった。また、自発分極Ps
=56.1nC/cm2 、応答速度τ=25.0μsで
あった。
【0043】尚、上記自発分極PsはK.ミヤサト他
「三角波による強誘電性液晶の自発分極の直接測定方
法」(日本応用物理学会誌、22、10号(661)1
983、”Direct Method with T
riangular Wavesfor Measur
ing Spontaneous Polarizat
ion in Ferroelectric Liqu
id Crystal”,as described
by K.Miyasato et al.(Jap.
J.Appl.Phys.22.No.10,L661
(1983)))によって測定した。
【0044】[比較例1]CS−4000のみをセル内
に注入する以外は、実施例1と同様の方法で液晶素子を
作製し、実施例1と同様の方法により自発分極及び応答
速度を測定し、スイッチング状態を観察したところ、液
晶素子内の0.3mm2 の視野範囲における筋状欠陥は
23個であった。また、自発分極Ps=89.7nC/
cm2 、応答速度τ=24.8μsであった。
【0045】[実施例2]CS−4000と例示化合物
No.1を80重量%:20重量%の重量比で混合して
液晶組成物Bを得た。得られた液晶組成物Bの相転移温
度を以下に示す。
【0046】
【化3】 (SmCAX* :高次の反強誘電性相)
【0047】上記液晶組成物Bをセル内に注入する以外
は実施例1と同様の方法で液晶素子を作製し、実施例1
と同様の方法により自発分極及び応答速度を測定した。
液晶素子内の0.3mm2 の視野範囲における筋状欠陥
は1個、自発分極Ps=36.1nC/cm2 、応答速
度τ=31.0μsであった。
【0048】[実施例3〜10]CS−4000と先に
示した例示化合物とを表3に示す重量比で混合し、液晶
組成物C〜Jを得た。
【0049】
【表3】
【0050】上記液晶組成物C〜Jはいずれも室温領域
において安定な反強誘電性相を示した。これらの組成物
をそれぞれセル内に注入する以外は実施例1と同様の方
法で液晶素子を作製し、実施例1と同様の方法により自
発分極、応答速度を測定し、0.3mm2 の視野範囲に
おける筋状欠陥の個数を調べた。結果を表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】実施例1〜10より明らかなように、本発
明の液晶組成物を用いた液晶素子は、配向性が改善さ
れ、且つ自発分極が小さいにもかかわらず大幅な応答速
度の低下を引き起こしていない。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の反強誘電
性液晶組成物を用いて構成した液晶素子においては、均
一な配向性と速い応答速度が得られ、大画面、高精細な
画像表示に対応し得る上、本発明の反強誘電性液晶組成
物は自発分極が小さいため、スイッチング異常、電圧保
持性の低下、焼き付きといった問題が低減されるため、
信頼性の高い液晶素子及び該素子を用いた表示装置が提
供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子の一実施形態の構成を模式的
に示す断面図である。
【図2】図1の液晶素子の電極構成を模式的に示す平面
図である。
【図3】図1の液晶素子を駆動するための駆動波形の一
例である。
【図4】本発明の液晶素子の他の実施形態の構成を模式
的に示す断面図である。
【図5】図4の液晶素子を用いた液晶パネルの構成を模
式的に示す平面図である。
【図6】本発明の液晶素子を備えた液晶表示装置とグラ
フィックコントローラを示すブロック図である。
【図7】液晶表示装置とグラフィックコントローラとの
間の画像情報通信タイミングチャートを示す図である。
【符号の説明】
1 液晶組成物 2a,2b 基板 3a,3b ストライプ状電極 4a,4b 配向膜 11 液晶パネル 12 走査電極群 13 情報電極群 41 液晶組成物 42a,42b 基板 43a 共通電極 43b 画素電極 44a,44b 配向膜 45 スイッチング素子(TFT) 51 走査信号印加回路 52 情報信号印加回路 53 走査信号線 54 情報信号線 101 液晶表示装置 102 グラフィックコントローラ 103 表示パネル 104 走査信号線駆動回路 105 情報信号線駆動回路 106 デコーダ 107 走査信号発生回路 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生回路 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM
フロントページの続き (72)発明者 中村 真一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 佐藤 公一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 野口 幸治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 清水 康志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4H027 BA07 BB10 BC04 BD04 BD08 BD12 BD24 BE03 DM01 DM02 DM03 DM05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の架橋環化合物を含有す
    ることを特徴とする反強誘電性液晶組成物。
  2. 【請求項2】 上記架橋環化合物がビシクロ環またはト
    リシクロ環構造を有する請求項1記載の反強誘電性液晶
    組成物。
  3. 【請求項3】 上記架橋環化合物が下記一般式(I)で
    示される化合物である請求項1記載の反強誘電性液晶組
    成物。 R1 −A1 −B1 −A2 −B2 −A3 −B3 −A4 −R2 (I) 〔尚、式中、R1 、R2 はそれぞれ単独に炭素原子数が
    1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、または−
    Hを表わし、該アルキル基中の1以上の−CH2−は、
    ヘテロ原子が隣接しない条件で、−O−、−S−、−C
    O−、−CH=CH−、−C≡C−に置き換えられてい
    ても良い。A1 、A2 、A3 はそれぞれ単独に単結合ま
    たは無置換或いは2個以下の置換基(−F、−Cl、−
    Br、−CH3 、−CF3 )を有する、1,4−フェニ
    レン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5
    −ジイル、ピラジン−2,5−ジイル、ピリダジン−
    3,6−ジイル、1,4−シクロヘキシレン、1,3,
    2−ジオキサボリナン−2,5−ジイル、1,3−ジオ
    キサン−2,5−ジイル、1,3−ジチアン−2,5−
    ジイル、ベンゾオキサゾール−2,5−ジイル、ベンゾ
    オキサゾール−2,6−ジイル、ベンゾチアゾール−
    2,5−ジイル、ベンゾチアゾール−2,6−ジイル、
    ベンゾフラン−2,5−ジイル、ベンゾフラン−2,6
    −ジイル、キノキサリン−2,6−ジイル、キノリン−
    2,6−ジイル、2,6−ナフチレン、インダン−2,
    5−ジイル、2−アルキルインダン−2,5−ジイル
    (アルキル基は炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐
    状のアルキル基である。)、インダノン−2,6−ジイ
    ル,2−アルキルインダノン−2,6−ジイル(アルキ
    ル基は炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状のアル
    キル基である。)、クマラン−2,5−ジイル、2−ア
    ルキルクマラン−2,5−ジイル(アルキル基は炭素原
    子数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基であ
    る。)、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−
    2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9,1
    0−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル、チオフ
    ェン−2,5−ジイル、チアゾール−2,5−ジイル、
    チアジアゾール−2,5−ジイルのいずれかを表わす。
    4 はノルボルナン−2,5−ジイル、ビシクロ[2.
    2.2]オクタン−1,4−ジイル、アダマンタン−
    1,4−ジイルのいずれかを表わす。B1 、B2 、B3
    はそれぞれ単独に、単結合、−COO−、−OOC、−
    CH2O−、−OCH2 −、−CH2 CH2 −、−CH
    =CH−、−C≡C−のいずれかを表わす。〕
  4. 【請求項4】 上記架橋環化合物が不斉炭素原子を含ま
    ない請求項1〜3のいずれかに記載の反強誘電性液晶組
    成物。
  5. 【請求項5】 カイラルスメクチックC相を有さない請
    求項1〜4のいずれかに記載の反強誘電性液晶組成物。
  6. 【請求項6】 自発分極の値が50nC/cm2 以下で
    ある請求項1〜5のいずれかに記載の反強誘電性液晶組
    成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の反強誘
    電性液晶組成物を一対の電極を有する一対の基板間に挟
    持してなることを特徴とする液晶素子。
  8. 【請求項8】 上記反強誘電性液晶組成物と接する基板
    表面に配向膜が設けられている請求項7記載の液晶素
    子。
  9. 【請求項9】 上記配向膜がラビング処理を施されてい
    る請求項8記載の液晶素子。
  10. 【請求項10】 上記反強誘電性液晶組成物のらせん構
    造が解除されている請求項9記載の液晶素子。
  11. 【請求項11】 二次元状に配置した画素毎に画素電極
    とスイッチング素子を有するアクティブマトリクス方式
    の液晶素子である請求項7〜10のいずれかに記載の液
    晶素子。
  12. 【請求項12】 上記スイッチング素子が、薄膜トラン
    ジスタ或いは非線形二端子素子である請求項11記載の
    液晶素子。
  13. 【請求項13】 請求項7〜12のいずれかに記載の液
    晶素子と該素子の駆動回路を少なくとも備えたことを特
    徴とする表示装置。
JP10185817A 1998-07-01 1998-07-01 反強誘電性液晶組成物及びこれを用いた液晶素子、表示装置 Withdrawn JP2000017261A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002020751A (ja) * 2000-05-02 2002-01-23 Dainippon Ink & Chem Inc 電気光学素子
US9246108B2 (en) 2012-12-28 2016-01-26 Dow Global Technologies Llc Quinoline-benzoxazole derived compounds for electronic films and devices

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