JP4155535B2 - 反強誘電性液晶組成物及びそれを有する液晶素子 - Google Patents

反強誘電性液晶組成物及びそれを有する液晶素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットパネルディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プリンター等に用いられるライトバルブに使用される液晶材料の反強誘電性液晶組成物および液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からもっとも広範に用いられてきているディスプレイとしては、CRTが知られている。テレビやVTRなどの動画出力、あるいはパソコン等のモニターとして広く用いられている。しかしながら、CRTはその特性上、静止画像に対してはフリッカや解像度不足による走査縞等が視認性を低下させたり、焼き付きによる蛍光体の劣化が起こったりする。また、最近ではCRTが発生する電磁波が人体に悪影響を与えることがわかり、VDT作業者の健康を害することが懸念されている。そして、CRTはその構造上、画面後方に広く体積を有することが必須であることから、情報機器の利便性を著しく阻害し、オフィス、家庭の省スペース化を阻害している。
【0003】
このようなCRTの欠点を解決するものとして液晶表示素子がある。たとえばエム・シャット(M.Schadt)とダブリュー・ヘルフリッヒ(W.Helfrich)著「アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters)」第18巻、第4号(1971年2月15日発行)第127頁〜128頁において示されたツイステッドネマチック(twisted nematic)液晶を用いたものが知られている。近年、このタイプの液晶を用いてTFTといわれる液晶素子の開発、製品化が行われている。このタイプは一つ一つの画素にトランジスタを作成するものであり、クロストークの問題が無く、また、近年の急速な生産技術の進歩によって10〜12インチクラスのディスプレイが生産性よく作られつつある。しかしながら、さらに大きなサイズあるいは動画を問題無く再現できるという点の60Hz以上のフレーム周波数という点では、未だ生産性、液晶の応答速度に問題が存在している。
【0004】
また、最近では新しいモードを利用した液晶素子が開発されている。例えば、特開平10−73823(日立製作所社)に示されるインプレーンモード、セイコーエプソン(株)によるBTNモードがある。特に後者は速いスイッチングスピードと双安定性を有するため、単純マトリクス方式による大画面素子の提案がなされている。
【0005】
一方、双安定性からなる液晶素子としてはクラーク(Clark)およびラガウェル(Lagerwall)により提案されている(特開昭56−107216号公報、米国特許第4367924号明細書)カイラルスメクチック液晶素子がある。この双安定性からなる液晶としては、一般にカイラルスメクチックC相またはカイラルスメクチックH相からなる強誘電性液晶が用いられている。この強誘電性液晶は、自発分極により反転スイッチングを行うため、非常に早い応答速度からなる上にメモリー性のある双安定状態を発現させることができる。さらに視野角特性も優れていることから、高速、高精細、大面積の単純マトリクス表示素子あるいはライトバルブとして適していると考えられる。
【0006】
また、最近ではチャンダニ、竹添らにより、3つの安定状態を有するカイラルスメクチック反強誘電性液晶素子も提案されている(ジャパニーズ ジャーナルオブ アプライド フィジックス(Japanese Journl of Applied Physics)第27巻、1988年L729頁)。そして、最近この反強誘電液晶材料のうち、ヒステリシスが小さく、階調表示に有利な特性を有するV字型応答特性が発見された(たとえば、ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジックス(Japanese Journa1 of Applied Physics)第36巻、1997年、3586頁)。これをアクティブマトリクスタイプの液晶素子とし、高速のディスプレイを実現しようという提案もされている(特開平9−50049号公報)。
【0007】
しかしながら、このようなカイラルスメクチック液晶素子においては、たとえば「強誘電液晶の構造と物性」(コロナ社、福田敦夫、竹添秀男著、1990年)に記載されているように、ジグザグ状あるいは筋状の配向欠陥が発生してコントラストを著しく低下させるという問題があり、一部の液晶素子においてはかなり改善されているものがあるが、その改善手法はオールマイティーでなく、カイラルスメクチック液晶の配向性の改善は強く求められている。また、自発分極をスイッチングのトルクとして用いているため、反電場が形成されることによるスイッチング異常、電圧保持性の低下、焼き付きといった問題があり、性能、信頼性の両面から極力小さい自発分極の材料が求められている。特に反強誘電液晶材料においては材料種の制約から、自発分極を小さくできないという問題もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、反強誘電液晶素子において、優れた均一配向性と十分に小さな自発分極を有し、ヒステリシスの小さいカイラルスメクチック液晶組成物を提供しようとするものである。
さらに、本発明は、該材料を用いて大面積、高精細、高性能の液晶素子を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、少なくとも1種の不斉炭素原子を有さない縮合環化合物を含有する反強誘電性液晶組成物であって、前記縮合環化合物が下記構造式(a)乃至(d)で表わされる化合物であることを特徴とする反強誘電性液晶組成物である。
【化3】
Figure 0004155535
但し、略基は以下の基を示す。
【化4】
Figure 0004155535
【0017】
また、本発明は、上記の反強誘電性液晶組成物を一対の電極基板間に設置してなることを特徴とする液晶素子である。
前記電極基板上の液晶組成物と接する側にさらに配向制御層が設けられているのが好ましい。
前記配向制御層がラビング処理された層であるのが好ましい。
液晶分子の配列によって形成された螺旋構造が解除された膜厚で前記一対の電極基板間に設置するのが好ましい。
前記電極基板上に薄膜トランジスタあるいは非線型能動素子を設置したのが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明は、少なくとも1種の不斉炭素原子を有さない縮合環化合物を含有する反強誘電性液晶組成物及び該液晶組成物を一対の電極基板間に配置してなる液晶素子ならびにそれらを用いた表示装置及び表示方法を提供するものである。
【0024】
前記縮合環化合物のうち液晶相の温度幅、混和性、粘性、配向性の観点から下記一般式(I)または(II)で表わされる骨格構造を有する化合物が好ましい。
【0025】
【化5】
Figure 0004155535
【0026】
一般式(I)または(II)中、XはCHまたはNを表わし、YはCH2 、SまたはOを表わす。
【0027】
また、同様の観点から更に縮合環化合物のうち下記一般式(III)で表わされる化合物が好ましい。
【0028】
【化6】
Figure 0004155535
【0029】
一般式(III)中、R1 、R2 は炭素原子数が1から20、好ましくは4〜12である直鎖状または分岐状のアルキル基を示す。但し、該アルキル基中の1つもしくは2つ以上の−CH2 −はヘテロ原子が隣接しない条件で−O−、−S−、−CO−、−CH=CH−、−C≡C−に置換されていてもよい。
【0030】
1 、A2 、A3 はそれぞれ単独に単結合または無置換あるいは1個または2個のF、Cl、Br、CH3 およびCF3 から選ばれる置換基を有する1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピラジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、1,4−シクロヘキシレン、1,3,2−ジオキサボリナン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,3−ジチアン−2,5−ジイル、ベンゾオキサゾール−2,5−ジイル、ベンゾオキサゾール−2,6−ジイル、ベンゾチアゾール−2,5−ジイル、ベンゾチアゾール−2,6−ジイル、ベンゾフラン−2,5−ジイル、ベンゾフラン−2,6−ジイル、キノキサリン−2,6−ジイル、キノリン−2,6−ジイル、2,6−ナフチレン、インダン−2,5−ジイル、2−アルキルインダン−2,5−ジイル(アルキル基は炭素原子数1から18の直鎖状または分岐状のアルキル基である。)、インダノン−2,6−ジイル、2−アルキルインダノン−2,6−ジイル(アルキル基は炭素原子数1から18の直鎖状または分岐状のアルキル基である。)、クマラン−2,5−ジイル、2−アルキルクマラン−2,5−ジイル(アルキル基は炭素原子数1から18の直鎖状または分岐状のアルキル基である。)、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイルから選ばれる。但しA1 、A2 、A3 のうち少なくとも1つはキノキサリン−2,6−ジイル、キノリン−2,6−ジイル、ベンゾオキサゾール−2,5−ジイル、ベンゾオキサゾール−2,6−ジイル、ベンゾチアゾール−2,5−ジイル、ベンゾチアゾール−2,6−ジイルから選ばれる。
【0031】
1 、B2 は単結合、−COO−、−OOC−、−CH2 O−、−OCH2 −、−CH2 CH2 −、−CH=CH−または−C≡C−である。
【0032】
次に、縮合環化合物の具体的な構造式を下記の表1〜4に示す。以後、本発明中で用いられる略記は以下の基を示す。
【0033】
【化7】
Figure 0004155535
【0034】
【表1】
Figure 0004155535
【0035】
【表2】
Figure 0004155535
【0036】
【表3】
Figure 0004155535
【0037】
【表4】
Figure 0004155535
【0038】
本発明の液晶組成物は、より安定な反強誘電性相を得る為にその高温領域にカイラルスメクチックC相を有さないことが好ましい。更に前記の課題の観点から自発分極の値は50nC/cm2 以下であることが好ましい。
【0039】
本発明の反強誘電性液晶組成物における縮合環化合物の含有量は1〜50重量%であり、1重量%未満では本発明の効果が十分には得られず、また50重量%を超えると反強誘電性の特性が損なわれる可能性が大きくなるので好ましくない。更に好ましい含有量は5〜30重量%である。
【0040】
また、本発明の反強誘電性液晶組成物に用いられる縮合環化合物以外の化合物としては、例えば下記の化合物が用いられる。
【0041】
【化8】
Figure 0004155535
【0042】
以下に本発明の液晶素子を詳細に説明する。
本発明の液晶素子は、上記の反強誘電性のカイラルスメクチック液晶組成物を使用した液晶素子である。以下に液晶素子を例示するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【0043】
図1は本発明の単純マトリクス液晶素子の一例を示す概略図である。図2はマトリクス電極を配置した反強誘電性液晶パネルの一例を示す平面図である。同図において、1が液晶組成物からなる液晶層であり、液晶としてカイラルスメクチック液晶を用いる場合、通常、強誘電相の安定性を実現させるため、層厚5μm以下が好ましい。2a、2bは基板であり、ガラス、プラスチック等が用いられる。3a、3bはITO等の透明電極である。
【0044】
4a、4bは配向制御層であり、少なくとも一方の基板上に一軸配向制御層が必要である。一軸配向制御層の形成方法としては、たとえば基板上に溶液塗工または蒸着あるいはスパッタリング等により、一酸化珪素、二酸化珪素、酸化アルミニウム、ジルコニア、フッ化マグネシウム、酸化セリウム、フッ化セリウム、シリコン窒化物、シリコン炭化物、ホウ素窒化物などの無機物やポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルイミド、ポリパラキシレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリシロキサン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂などの有機物を用いて被膜形成したのち、表面をビロード、布あるいは紙等の繊維状のもので摺擦(ラビング)することにより得られる。また、SiO等の酸化物あるいは窒化物などを基板の斜方から蒸着する、斜方蒸着法なども用いることができる。また、このほかにショー卜防止層を設けることも可能である。
【0045】
特に、より良好な一軸配向性を得るためにポリイミドラビング膜を一軸配向層として用いることが好ましい。また、通常ポリイミドはポリアミック酸の形で塗膜し、焼成することで得られる。ポリアミック酸は溶剤に易溶解性であるため生産性に優れる。最近では溶剤に可溶なポリイミドも生産されており、その様な技術の進歩の上からもポリイミドは、より良好な一軸配向性が得られ、高い生産性を有する点で好ましく用いられる。
【0046】
また、本実施形態の液晶素子は、例えば図3に示される駆動波形を印加して所望のパターン表示を得る。即ち、図2に示されるように、ストライプ状電極3a、3bの一方を走査電極群52、他方を情報電極群53とし、走査電極群52には順次図3(a)に示される走査信号を、情報電極群53には、該走査信号に同期して図3(b)、(c)に示される情報信号を印加する。
【0047】
図3において、(b)はオン信号、(c)はオフ信号である。当該駆動波形においては、選択期間に走査電極には±Vwのパルスが印加され、これに同期して情報信号にはそれぞれオン信号或いはオフ信号が印加される。その後、Vholdによって、上記オン信号或いはオフ信号によって決定した表示を維持する。引き続き次のフレームで書き換える前に、一旦液晶に印加された電圧が0にリセットされる。
【0048】
また、本発明の液晶素子の第2の例としては、図4に示したアクティブマトリクス素子をあげることができる。図5は図4に示す液晶素子の下側基板の構成を示す平面図である。一対の透明基板(例えばガラス基板)41、42のうち、下側基板41には透明な画素電極43と画素電極43に接続されたアクティブ素子44とがマトリクス状に形成されている。アクティブ素子44は例えばTFTと言われる薄膜トランジスタから構成される。この例ではアクティブ素子44はTFTを表している。アクティブ素子44は透明基板41上に形成されたゲート電極とゲート電極を覆うゲート絶縁膜とゲート絶縁膜上に形成された半導体層と、半導体層の上に形成されたソース電極及びドレイン電極とから構成される。
【0049】
さらに、下側基板41には、図5に示すような画素電極43の行間にゲートライン(走査ライン)45が配線され画素電極43の列間に情報信号ライン46が配線されている。各TFT44のゲート電極は対応するゲートライン45に接続され、ドレイン電極は対応する情報信号ライン46に接続されている。ゲートライン45は端部45aを介して行ドライバに接続され、情報信号ライン46は端部46aを介して列ドライバに接続される。行ドライバはゲート信号を印加してゲートライン45をスキャンする。列ドライバは表示データに対応する信号を印加する。ゲートライン45は端部45aを除いてTFT44のゲート絶縁膜で覆われており、情報信号ライン46は前期ゲート絶縁膜の上に形成されている。画素電極43は前記ゲート絶縁膜の上に形成されており、その一端部においてTFT44のソース電極に接続されている。また、図4の上側の基板42には下側の基板41の各画素電極43と対向する透明電極47が形成されている。対向電極47は表示領域全体にわたる面積の1枚の電極から構成され基準電圧が印加されている。上下基板間の構成については単純マトリクスのケースと同様である。また、非線型能動素子としてMIM等を使用することも可能である。
【0050】
本発明の液晶素子は種々の機能をもつた液晶装置を構成するが、その例が該素子を表示パネル部に使用し、図6、7に示した走査線アドレス情報を持つ画像情報からなるデータフォーマット及びSYN信号による通信同期手段をとることにより、液晶表示装置を実現するものである。図中の符号はそれぞれ以下の通りである。
【0051】
101 液晶表示装置
102 グラフィックコントローラー
103 表示パネル
104 走査線駆動回路
105 情報線駆動回路
106 デコーダ
107 走査線信号発生回路
108 シフトレジスタ
109 ラインメモリ
110 情報信号発生回路
111 駆動制御回路
112 GCPU
ll3 ホストCPU
ll4 VRAM
【0052】
画像情報の発生は本体装置のグラフィックコントローラー102にて行われ、図6及び図7に示した信号伝達手段に従つて表示パネル103へと転送される。グラフィックコントローラー102はCPU(中央演算装置、GCPU ll2と略す。)及びVRAM(画像情報格納用メモリ)114を核にホストCPU ll3と液晶表示装置101間の画像情報の管理や通信を司つている。なお、該表示パネルの裏面には、光源が配置されている。
【0053】
本発明の表示装置は表示媒体である液晶素子が前述したように良好なスイッチング特性を有するため、優れた駆動特性、信頼性を発揮し、高精細、高速、大面積の表示画像を得ることができる。
【0054】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0055】
実施例1
標準的な反強誘電性液晶組成物であるCS−4000(チッソ石油化学株式会社製)に、以下に示した例示化合物No.14を以下に示す重量部で混合し液晶組成物Aを得た。
【0056】
液晶組成物A CS−4000/No.14=90wt%/10wt%
得られた液晶組成物Aの相転移温度を下記に示す。
【0057】
【数1】
Figure 0004155535
【0058】
Cry:結晶相、ScAX*:高次の反強誘電性相、ScA*:反強誘電性相、Sc*:強誘電性相、SA:スメクチックA相、Iso:等方相
【0059】
次に、2枚の0.7mm厚のガラス板を用意し、それぞれのガラス板上にITO膜を形成し、さらにこの上にSiO2 を蒸着させ絶縁層とした。かかるガラス板上にシランカップリング剤[信越化学(株)製、KBM−602]0.2%イソプロピルアルコール溶液を回転数2000r.p.m.のスピナーで15秒間塗布し、表面処理を施した。この後、120℃にて20分間加熱乾燥処理を施した。更に表面処理を行ったITO膜付きのガラス板上にポリイミド樹脂前駆体[東レ(株)製、SP−710]1.5%ジメチルアセトアミド溶液を回転数2000r.p.m.のスピナーで15秒間塗布した。成膜後、60分間、300℃で加熱縮合焼成処理を施した。この時の塗膜の膜厚は約250Åであった。
【0060】
この焼成後の被膜にはアセテート植毛布によるラビング処理がなされ、その後、イソプロピルアルコール液で洗浄し、平均粒径1.5μmのシリカビーズを一方のガラス板上に散布した後、それぞれのラビング処理軸が互いに平行となるようにし、接着シール剤[三井東圧(株)、ストラクトボンド]を用いてガラス板を貼り合わせ、60分間、170℃にて加熱乾燥しセルを作成した。
【0061】
このセルに液晶組成物Aを等方性液体状態で注入し、等方相から20℃/hで25℃まで徐冷することにより、液晶素子を作成した。このセルのセル厚をベレック位相板によって測定したところ約1.5μmであった。この素子を使って30℃での自発分極の大きさと、ピーク ツー ピーク(Peak to peak)電圧Vpp=20V/μmの電圧印加により直交ニコル下での光学的な応答(透過光量変化0〜90%)を検知して応答速度を測定し、スイッチング状態を観察したところ、液晶素子内の0.3mm2 の視野範囲におけるスジ状欠陥は6個であった。自発分極Ps=57.8nC/cm2 、応答速度τ=18.2μsecであった。
【0062】
更に、このセルを用いPeak to peak電圧Vpp=10V/μm、0.lHzの三角波電圧を印加し、透過光強度の変化を測定した。その結果ヒステリシスの小さなスイッチング挙動が得られた。測定結果は図8に示す。
【0063】
比較例1
反強誘電性液晶組成物であるCS−4000(チッソ石油化学株式会社製)をセル内に注入する以外は、全く実施例1と同様の方法で液晶素子を作成し、実施例1と同様の方法により自発分極及び応答速度を測定し、スイッチング状態を観察したところ、液晶素子内の0.3mm2 の視野範囲におけるスジ状欠陥は23個であった。自発分極Ps=89.7nC/cm2 、応答速度τ=24.8μsecであった。
【0064】
更に、このセルを用いPeak to peak電圧Vpp=10V/μm、0.lHzの三角波電圧を印加し、透過光強度の変化を測定した。測定結果は図9に示す。
【0065】
実施例2
反強誘電性液晶組成物であるCS−4000(チッソ石油化学株式会社製)に以下に示した例示化合物No.14を以下に示す重量部で混合し液晶組成物Bを得た。
【0066】
液晶組成物B CS−4000/No.14=80wt%/20wt%
得られた液晶組成物Bの相転移温度を下記に示す。
【0067】
【数2】
Figure 0004155535
【0068】
Cry:結晶相、ScAX*:高次の反強誘電性相、ScA*:反強誘電性相、Scγ*:フェリ誘電性相、SA:スメクチックA相、Iso:等方相
【0069】
液晶組成物Bをセル内に注入する以外は全く実施例1と同様の方法で液晶素子を作成し、実施例1と同様の方法により自発分極及び応答速度を測定した。いずれのスイッチング状態における液晶素子内の0.3mm2 の視野範囲におけるスジ状欠陥は4個であった。自発分極Ps=40.5nC/cm2 、応答速度τ=13.9μsecであった。
【0070】
実施例3
反強誘電性液晶組成物であるCS−4000(チッソ石油化学株式会社製)に以下に示した例示化合物No.49を以下に示す重量部で混合し液晶組成物Cを得た。
【0071】
液晶組成物C CS−4000/No.49=80wt%/20wt%
得られた液晶組成物Cの相転移温度を下記に示す。
【0072】
【数3】
Figure 0004155535
【0073】
Cry:結晶相、ScAX*:高次の反強誘電性相、ScA*:反強誘電性相、Scγ*:フェリ誘電性相、SA:スメクチックA相、Iso:等方相
【0074】
液晶組成物Cをセル内に注入する以外は全く実施例1と同様の方法で液晶素子を作成し、実施例1と同様の方法により自発分極及び応答速度を測定した。いずれのスイッチング状態における液晶素子内の0.3mm2 の視野範囲におけるスジ状欠陥は4個であった。自発分極Ps=41.9nC/cm2 、応答速度τ=14.9μsecであった。
【0075】
実施例4〜7
反強誘電性液晶組成物であるCS−4000(チッソ石油化学株式会社製)に以下に示した例示化合物を以下の表5に示す重量部で混合し液晶組成物D〜Gを得た。
【0076】
【表5】
Figure 0004155535
【0077】
得られた液晶組成物D〜Gはいずれも室温領域において安定な反強誘電性相を示した。
【0078】
これらの液晶組成物D〜Gをセル内に注入する以外は全く実施例1と同様の方法で液晶素子を作成し、実施例1と同様の方法により自発分極及び応答速度を測定した。液晶素子内の0.3mm2 の視野範囲におけるスジ状欠陥の個数及び自発分極、応答速度の結果を以下の表6に示す。
【0079】
【表6】
Figure 0004155535
【0080】
実施例1〜7より明らかな様に本発明による液晶組成物A〜Gを含有する液晶素子は配向性が改善され、自発分極が小さくかつ応答速度も改善されていることが認められる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の液晶組成物は、液晶組成物が示す反強誘電性を利用して動作させることができる。このようにして利用されうる本発明の液晶素子はスイッチング特性が良好で配向性に優れ、自発分極が小さくかつ高速応答性を有する液晶素子とすることができる。また、ヒステリシスも小さくなっている。なお、本発明の液晶素子を表示素子として光源、駆動回路等と組み合わせた液晶装置は良好な装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の単純マトリクス液晶素子の一例を示す概略図である。
【図2】マトリクス電極を配置した反強誘電性液晶パネルの一例を示す平面図である。
【図3】本発明で用いた駆動法の波形を示す図である。
【図4】本発明の液晶素子の構造の他の例を示す概略図である。
【図5】図4に示す液晶素子の下側基板の構成を示す平面図である。
【図6】本発明の液晶組成物を用いた液晶素子を備えた表示装置とグラフィックコントローラーを示すブロック図である。
【図7】表示装置とグラフィックコントローラーとの間の画像情報通信タイミングチャートを示す図である。
【図8】実施例1の液晶素子における三角波電圧の印加と透過光強度の変化を示す図である。
【図9】比較例1の液晶素子における三角波電圧の印加と透過光強度の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 液晶層
2a、2b 基板
3a、3b 透明電極
4a、4b 配向制御層
8a、8b 偏光板
5 シール材
9 光源
0 入射光
I 透過光
18、19 配向膜
20 シール材
21 反強誘電性液晶(AFLC)
22 ギャップ材
23、24 偏光板
41 下側透明基板
42 上側透明基板
43 画素電極
44 アクティブ素子(TFT)
45 ゲートライン(走査ライン)
46 データライン(階調信号ライン)
47 対向電極
51 液晶パネル
52 走査電極群
53 情報電極群
101 液晶表示装置
102 グラフィックコントローラ
103 表示パネル
104 走査線駆動回路
105 情報線駆動回路
106 デコーダ
107 走査信号発生回路
108 シフトレジスタ
109 ラインメモリ
110 情報信号発生回路
111 駆動制御回路
112 GCPU
113 ホストCPU
114 VRAM

Claims (6)

  1. 少なくとも1種の不斉炭素原子を有さない縮合環化合物を含有する反強誘電性液晶組成物であって、前記縮合環化合物が下記構造式(a)乃至(d)で表わされる化合物であることを特徴とする反強誘電性液晶組成物。
    Figure 0004155535
    但し、略基は以下の基を示す。
    Figure 0004155535
  2. 請求項1に記載の液晶組成物を一対の電極基板間に設置してなることを特徴とする液晶素子。
  3. 前記電極基板上の液晶組成物と接する側にさらに配向制御層が設けられている請求項2記載の液晶素子。
  4. 前記配向制御層がラビング処理された層である請求項3記載の液晶素子。
  5. 液晶分子の配列によって形成された螺旋構造が解除された膜厚で前記一対の電極基板間に設置する請求項2記載の液晶素子。
  6. 前記電極基板上に薄膜トランジスタあるいは非線型能動素子を設置した請求項2乃至5のいずれかの項に記載の液晶素子。
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