JP3091957B2 - 液晶組成物、及びこれを用いた液晶素子、液晶装置 - Google Patents

液晶組成物、及びこれを用いた液晶素子、液晶装置

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JP3091957B2 JP07315833A JP31583395A JP3091957B2 JP 3091957 B2 JP3091957 B2 JP 3091957B2 JP 07315833 A JP07315833 A JP 07315833A JP 31583395 A JP31583395 A JP 31583395A JP 3091957 B2 JP3091957 B2 JP 3091957B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置や液
晶光シャッタなどで用いる液晶組成物、液晶素子、特に
強誘電性を示す液晶組成物及びこれを用いた液晶素子に
関し、詳しくは、ユニフォーム配向性、および、光学応
答性の温度特性を保持し、さらにはコントラストを向上
させる液晶組成物及びこれを用いた液晶素子、液晶装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶分子の屈折率異方性を利用
して偏光素子との組み合わせにより透過光線を制御する
型の表示素子が、クラーク(Clark)及び、ラガー
ウォル(lagerwall)により、特開昭56−1
07216号公報、米国特許第4,367,924号明
細書において提案されている。
【0003】この強誘電性液晶は、一般に、特定の温度
域において非らせん構造のカイラルスメクティックC相
(SmC*)またはH相(SmH*)を有し、この状態に
おいて、加えられる電界に応答して、第1の光学的安定
状態と第2の光学的安定状態のいずれかを取り、かつ電
界の印加のない時はその状態を維持する性質、すなわ
ち、双安定性を有し、また、電界の変化に対する応答も
速やかであり、高速ならびに記憶型の表示素子用として
広い利用が期待され、特にその機能面から、大画面で高
精細なディスプレイへの応用が期待されている。
【0004】従来より、このような強誘電性液晶組成
物、及び、これを用いた強誘電性液晶素子、これらを用
いた液晶装置についての様々な問題点の指摘とその解決
手段が提案されている。
【0005】例えば、特開平3−252624号公報で
は、素子の構成要因、配向状態からC1ユニフォーム配
向状態と呼ぶ、双安定配向状態での透過率(コントラス
ト)改善手法が提案されている。
【0006】即ち、素子内において非らせん構造の配列
をとった強誘電性液晶の分子の2安定状態のなす角度の
1/2である見かけのティルト角θaと、液晶材料固有
の特性であるティルト角Θ(図3に示す、分子の存在す
る円錐の頂角の1/2の角度)と、同素子内における液
晶分子が基板面に対して傾斜した角度であるプレティル
ト角αと、液晶分子によって構成されるスメクティック
層の基板に対する傾斜角δとを特定の関係(C1ユニフ
ォーム条件)に調整して、コントラストの向上を図る。
【0007】一般的に、コントラストの改善手段とし
て、ティルト角Θを大きくしていく手法が知られている
が、余り大きなティルト角Θでは、上述したユニフォー
ム配向状態を実現するための条件を満足できなくなり、
C1配向とは異なるC2配向状態が出現し、逆にコント
ラストの低下を招いてしまうことになる。
【0008】また、ティルト角Θの温度依存性と、応答
速度の相関性から、応答速度の温度依存性を悪化させる
結果になってしまうこともある。
【0009】更に、ティルト角Θが大きくなれば、液晶
分子のスイッチングにとっては、大きなトルクを必要と
することになり、自発分極値(Ps値)を大きくするこ
とによって、これを補おうとすれば、粘性の増大を招
き、粘性の温度依存性によっては、応答速度の温度依存
性を悪化させる結果を招く。あるいは、自発分極値によ
って誘起される内部電界によっては、逆にスイッチング
不良を招いてしまうことが知られている。
【0010】一方、ユニフォーム配向状態を実現するた
めの素子条件を満足しつつ、応答速度の温度依存性を改
善しようと、粘性の温度依存性が低い液晶性化合物を多
用することが知られている。上述した様に、応答性の観
点からも自発分極を余り大きくすることは控えられてい
ることから、粘性に着目した改善手法が重要となってく
る。
【0011】低粘性液晶化合物を多用した液晶組成物を
構築することで、低温〜高温での粘性の温度変化を小さ
くし、応答速度の温度依存性を改善することが可能とな
るが、このような組成物では、概してティルト角Θが小
さくなってしまい、コントラストの低下を招く結果とな
っていた。
【0012】ユニフォーム配向性を維持、または、改善
しながら、他の諸特性の改善を行おうとする場合、強誘
電性液晶が単独の液晶性化合物より成るものではなく、
種々の液晶性化合物から成る組成物であることから、新
規な液晶性化合物、または、公知の液晶性化合物を導入
することによって、特性改善を試みるが、種々の液晶性
化合物が、メリットとデメリットを兼ね備えていること
は、容易に理解されるはずである。
【0013】すなわち、強誘電性液晶組成物を構成、構
築していく場合、種々の液晶性化合物のメリットを十分
引き出しながら、デメリットを補充し合える様な液晶性
化合物の組み合わせが重要となっており、バランスのと
れた強誘電性液晶組成物構築のための、液晶性化合物の
組み合わせに対する知見が急がれていた。
【0014】一方、特開昭60−31120号公報、特
開平1−140198号公報には、液晶表示素子を大画
面化、高精細化するに伴い、フレーム周波数(1画面形
成周波数)が低周波になってしまい、画面書き換え速度
や、文字編集、グラフィック画面などでのスムーズスク
ロール、及びカーソル移動などの動画表示が遅くなるこ
とに対しての改善駆動方法が提案されている。
【0015】すなわち、走査電極と、情報電極とをマト
リクス配置した表示パネルと、走査電極を全数、又は、
所定数選択する手段(この手段により選択する場合を全
面書込みという)と、走査電極を全数、又は、所定数の
内一部選択する手段(この手段により選択する場合を部
分書込みという)とを有する表示装置を用いることであ
る。
【0016】これにより、部分的動画表示を部分書込み
で行なうことによって、高速表示が可能になり、部分書
込みと、全面書込みの両立が実現できる。
【0017】更に、特開平3−35220号公報では、
大画面化、高精細化強誘電性液晶表示素子を実現する上
で、液晶表示素子が駆動マージンと呼ばれる駆動特性を
広く持つ必要性が指摘されている。
【0018】また、環境温度の変化によっても駆動マー
ジンはずれていくため、実際の表示装置の場合、液晶材
料や環境温度に対して最適駆動電圧にしておく必要があ
る。
【0019】しかしながら、実用上この様なマトリクス
表示装置の表示面積を拡大していく場合、各画素におけ
る液晶の存在環境の差(具体的には、温度や電極間のセ
ルギャップの差)は当然大きくなり、駆動電圧マージン
が小さな液晶では表示エリア全体に良好な画像を得るこ
とができなくなるという問題があった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、応答
速度の温度依存性を軽減し、かつ、コントラストに優
れ、さらに駆動特性の改善された液晶組成物、これを用
いた液晶素子及び、液晶装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶組成物は、
下記一般式1、及び一般式2で示される化合物を必須成
分として含有する。
【0022】一般式1 R1−A1−X1−A2−X2−A3−R2 (式中、R1、R2は、水素原子、ハロゲン、CN基
【0023】
【化22】 または、炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状、または
環状のアルキル基であり、該アルキル基中の1つ、もし
くは2つ以上のメチレン基は、ヘテロ原子が隣接しない
条件で−O−、−S−、−CO−、−CHW−、−CH
=CH−、−C≡C−によって置き換えられていてもよ
く、Wは、ハロゲン、CF3を示す。また、R1、R2
それぞれ独立に、光学活性であっても良い。
【0024】
【化23】
【0025】または、炭素原子数1〜18の直鎖状また
は分岐状のアルキル基であり、該アルキル基中の1つ、
もしくは2つ以上のメチレン基は、ヘテロ原子が隣接し
ない条件で−O−、−S−、−CO−、−CHW−、−
CH=CH−、−C≡C−によって置き換えられていて
もよく、Wはハロゲン、CF3を示す。また、R3、R4
それぞれ独立に光学活性であっても良い。
【0026】Y1、Y2は、H、F、Cl、Br、C
3、CF3またはCNを示し、Zは−O−または−S−
を示す。
【0027】ただし、A1、A2、A3の少なくとも1つ
は、
【0028】
【化24】
【0029】尚、この場合好ましくは、A1、A2、A3
のうち残り2つは同時に単結合とならない。
【0030】一般式2 R5−A4−R6
【0031】
【化25】
【0032】Lは、3〜16の整数であり、R7は、炭
素原子数1〜18の直鎖状、分岐状、または環状のアル
キル基、(該アルキル基中の1つ、もしくは2つ以上の
メチレン基は、ヘテロ原子が隣接しない条件で−O−、
−S−、−CO−、−CHW−、−CH=CH−、−C
≡C−によって置き換えられていてもよく、Wは、ハロ
ゲン、CN、CF3を示す。)、
【0033】
【化26】 4は、−A5−X5−A6−または−A5−A6−X5−A7
−で示される。
【0034】A5、A6、A7はそれぞれ独立に、
【0035】
【化27】 (Y9、Y9'はそれぞれ、独立に、H、F、CH3、CF
3のなかから選ばれる。)のなかから選ばれるが、A5
6、A7の少なくとも1つは
【0036】
【化28】 のいずれかである。
【0037】
【化29】
【0038】また、本発明によれば、液晶を挟持して対
向すると共に、該対向面側に液晶に電圧を印加するため
の電極が形成された一対の基板とを具備する液晶素子で
あって、少なくとも一方の基板における対向面側に液晶
の配向状態を制御するための配向制御層を有し、前記液
晶として、上記2成分を必須成分とした液晶組成物を用
いる液晶素子が提供される。
【0039】更に本発明によれば、上記液晶素子及び該
素子の駆動回路とを具備する液晶装置が提供される。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明の液晶組成物は、前記一般
式(1)及び(2)で表わされる2種の化合物を必須成
分とする。これら2種の化合物は、好ましくは単独で液
晶相を示す液晶化合物であるが、組成物中で液晶成分と
して好適に機能するものであれば、単独で液晶相をとる
か否かは限定されない。
【0041】本発明の液晶組成物は、好ましくは上記必
須成分に加えて、少なくとも一種の光学活性化合物を含
有し、カイラルスメクティック相を示し、また、強誘電
性液晶として機能する。
【0042】また、本発明の液晶組成物においては、明
確なことはまだよくわかっていないが、敢えて説明すれ
ば、本発明者等は、一般式1で表わされる化合物の特徴
であるインダン骨格と、一般式2で表わされる化合物の
特徴であるメチレン側鎖の末端に環状構造の基を持つ骨
格との相互作用によって、お互いにメリットを十分に引
き出し合い、デメリットを補い合う特性を出現させるも
のと見られる。
【0043】例えば、液晶組成物全体の粘性を増大させ
ているかもしれない液晶分子同士のスメクティック相に
おける秩序度を低下させるような効果によって、低温な
どで極端に粘性が上昇することによる速度低下を生じな
くさせ、その結果、応答速度の温度依存性を小さくする
効果となり、さらに、特定の素子構成を満足するため
の、液晶組成物の材料物性(ティルト角Θ、層の傾斜角
δ)を調整する性質も兼ね備えている。このため高コン
トラストを実現し、応答速度の温度依存性をも軽減する
ことができたと考えられる。さらには、後述するような
素子におけるユニフォーム配向特性の維持・改善をも進
める。
【0044】本発明において、前記一般式1で示される
化合物は、下記一般式3で示される化合物であることが
好ましい。
【0045】一般式3 R8−A8−A9−A10−R9 (ただし、式中、R8,R9は、炭素原子数1〜18の直
鎖状、分岐状、または環状のアルキル基であり、該アル
キル基中の1つ、もしくは、隣接しない2つ以上のメチ
レン基は、ヘテロ原子が隣接しない条件で、−O−、−
S−、−CO−、−CHW−、−CH=CH−、−C≡
C−によって置き換えられていてもよく、Wは、ハロゲ
ン、CF3基を示す。また、R8、R9はそれぞれ独立に
光学活性であっても良い。
【0046】A8、A9、A10は単結合、または、
【0047】
【化30】 8、A9、A10のうち、少なくとも1つは
【0048】
【化31】
【0049】前記一般式1又は3で示される化合物は、
例えば特開平5−262678号公報に記載の方法によ
って合成され得る。一般式1又は3で示される化合物に
ついては、上記公開公報に例示されているが、具体例を
下記の表に同化合物を構成する基の組合せの形で示す。
表中における略号は、下記の側鎖基又は環状基、連結基
を示す。
【0050】
【化32】
【0051】
【化33】
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【化34】
【0055】前記一般式2で示される化合物は、下記一
般式4で示される化合物であることが好ましい。
【0056】一般式4
【0057】
【化35】 11,R12は、水素原子、または、炭素原子数1〜18
の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基であり、該
アルキル基中の1つ、もしくは、2つ以上のメチレン基
は、ヘテロ原子が隣接しない条件で、−O−、−S−、
−CO−、−CHW−、−CH=CH−、−C≡C−に
よって置き換えられていてもよく、Wは、ハロゲン、C
N基、CF3基を示す。また、R11、R12は、それぞれ
独立に光学活性であっても良い。ただし、R11、R12
いずれか一方は水素原子である。
【0058】A11、A12、A13、A14は、単結合、
【0059】
【化36】
【0060】ただし、A11、A14のいずれか一方は単結
合であって、同時に単結合であることはなく、A12、A
13の少なくともいずれか一方は単結合である。
【0061】n,mは、0、または3〜16の整数であ
る。ただし、いずれか一方は0であって、同時に0であ
ることはない。
【0062】
【化37】
【0063】前記一般式2又は4で示される化合物は、
例えば、特開平6−256231号公報に記載の方法に
よって合成され得る。これら化合物の好ましい例につい
ても上記公開公報に例示されているが、一般式2又は4
で示される化合物の具体例を、下記の表に同化合物を構
成する基の組合せの形で示す。尚、表中におけるる略号
は、前記同様であるが、下記の略号も用いる。
【0064】
【化38】
【0065】
【表3】
【0066】表3中、2−1〜2−8、2−10は、R
5がR7、R6がQ−X3−(CH2L4−、2−9は
5、R6共にQ−X3−(CH2L−X4−であり、Qに
ついて特記なきものはY3〜Y6共にHである。
【0067】表4〜10に一般式4の具体例を示す。
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】
【表8】
【0073】
【表9】
【0074】
【表10】
【0075】本発明の液晶組成物では、好ましくは、一
般式(1)又は(3)で示される化合物と、一般式
(2)又は(4)で示される化合物とを、それぞれの成
分につき1〜40重量%、より好ましくはそれぞれ1〜
30重量%、最も好ましくはそれぞれ1〜20重量%含
有する。この処方については、要求されるコントラスト
のレベル、配向状態に適応するべく適宜設定される。
【0076】本発明の液晶組成物に含有される光学活性
化合物としては、一般式(1)又は(3)、(2)又は
(4)の構造を有する化合物、或いは、フェニル環、ピ
リミジン環よりなる中心骨格に対し、種々の光学部位を
持った側鎖を有する化合物が好ましく用いられる。
【0077】本発明においては、液晶組成物を構成す
る、上述した必須成分及び光学活性化合物を除く、その
他の好ましい化合物としては、下記一般式(5)〜
(8)の構造を有する液晶性化合物を挙げることができ
る。これら化合物を主な構成成分すなわちベース液晶と
し、好ましくは一般式(5)〜(8)で表わされる液晶
性化合物をそれぞれ、20〜75重量%、5〜25重量
%、5〜30重量%、0.1〜30重量%用いて、適
宜、各液晶性化合物の配合比を変え液晶組成物とするこ
とが好ましい。
【0078】
【化39】 (p、qは0、1、2であって、p+qは1又は2であ
り、Y10は水素原子、またはフッ素原子を表し、R21
22は炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状のアルキル
基であり、該アルキル基中の一つもしくは二つ以上のメ
チレン基は、ヘテロ原子が隣接しない条件で−O−、−
S−、−CO−、−CHW−、−CH=CH−、−C≡
C−に置き換えられていてもよく、Wはハロゲン原子、
CN基、CF3基を示す。また、R21、R22は光学活性
であってもよい。)
【0079】
【化40】 (Y0は水素原子、またはフッ素原子を表し、Y11は水
素原子、またはフッ素原子を表し、R23は炭素原子数1
〜18の直鎖状、分岐状のアルキル基であり、R24は水
素原子、ハロゲン原子、CN基、又は炭素原子数1〜1
8の直鎖状、分岐状のアルキル基であり、R23、R24
示す該アルキル基中の一つもしくは二つ以上のメチレン
基は、ヘテロ原子が隣接しない条件で−O−、−S−、
−CO−、−CHW−、−CH=CH−、−C≡C−に
置き換えられていてもよく、Wはハロゲン原子、CN
基、CF3基を示す。また、R23、R24は光学活性であ
ってもよい。)
【0080】
【化41】 (R25、R26は炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状の
アルキル基であり、該アルキル基中の一つもしくは二つ
以上のメチレン基は、ヘテロ原子が隣接しない条件で−
O−、−S−、−CO−、−CHW−、−CH=CH
−、−C≡C−に置き換えられていてもよく、Wはハロ
ゲン原子、CN基、CF3基を示す。また、R25、R26
は光学活性であってもよい。)
【0081】
【化42】 (R27、R28は炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状の
アルキル基であり、該アルキル基中の一つもしくは二つ
以上のメチレン基は、ヘテロ原子が隣接しない条件で−
O−、−S−、−CO−、−CHW−、−CH=CH
−、−C≡C−に置き換えられていてもよく、Wはハロ
ゲン原子、CN基、CF3基を示す。また、R27、R28
は光学活性であってもよい。)更に好ましくは、前述し
た、液晶組成物を構成する、例えばベース液晶となり得
るその他の液晶性化合物として、下記一般式(5−1)
〜(5〜7)、(6−1)〜(6−5)、(7−1)〜
(7−9)、(8−1)〜(8−6)の構造を有する液
晶性化合物が挙げられる。尚、式中の略号(R21〜R28
及びY1)は前記一般式(5)〜(8)で用いたものと
同様である。
【0082】
【化43】
【0083】特に好ましくは、一般式(5−1)〜(5
−5)の2環系のフェニルピリミジン誘導体であって、
21が炭素数4〜14の直鎖状アルキル基、R22が炭素
数4〜12の直鎖状アルキル基である化合物、及び、一
般式(5−6)〜(5−7)の3環系のフェニルピリミ
ジン誘導体であって、R21が炭素数4〜14の直鎖状ア
ルキル基、R22が炭素数4〜10の直鎖状アルキル基で
ある化合物が用いられる。
【0084】
【化44】
【0085】特に好ましくは、一般式(6−1)〜(6
−5)の化合物であって、R23が炭素数4〜14の直鎖
状アルキル基、R24が炭素数2〜10の直鎖状アルキル
基であるような化合物が用いられる。
【0086】
【化45】
【0087】特に好ましくは、一般式(7−1)〜(7
−9)で表わされる化合物であって、R25が炭素数2〜
10の直鎖状アルキル基、R26が炭素数2〜12の直鎖
状アルキル基であるような化合物が用いられる。
【0088】
【化46】
【0089】特に好ましくは、一般式(8−1)〜(8
−6)の化合物について、R27が炭素数2〜10の直鎖
状アルキル基、R28が炭素数4〜12の直鎖状アルキル
基であるような化合物が用いられる。
【0090】また、更に好ましくは、液晶組成物が、カ
イラルスメクティックC相を有し、且つ、0℃〜60℃
の温度範囲で材料固有の特性としてのカイラルスメクテ
ィックC相における層の傾斜角δが、3°以上15°以
下に調整されていることが望ましい。
【0091】また、本発明の液晶組成物は、素子を構成
した際に良好な配向性を示し、モノドメイン機能を得る
べく、好ましくは、降温下において、等方相からカイラ
ルネマティック相(コレステリック相)、スメクティッ
クA相、カイラルスメクティック相といった相転移系列
を有する。
【0092】本発明の液晶素子は、上述したような液晶
組成物、特にカイラルスメクティック相を呈する液晶組
成物を、該液晶に電圧を印加するための電極を備えた一
対の基板間に挟持した構造をとる。一対の基板のうち少
なくとも一方には液晶の配向状態を制御すべく必要に応
じて配向処理のなされた配向制御層が設けられる。
【0093】好ましくは、上述したカイラルスメクティ
ック液晶を用いた液晶素子において室温近傍におけるプ
レティルト角をα、液晶のティルト角をΘ、液晶の層の
傾斜角をδとすれば、カイラルスメクティック液晶が、
下記(I)式、及び、好ましくは(II)式で表わされ
る配向状態を有し、且つ、この配向状態において、少な
くとも二つの安定状態を示し、それらの光学軸のなす角
度の1/2である、見かけのティルト角θaとティルト
角Θとが、下記(III)式の関係を有することが望ま
しい。
【0094】Θ<α+δ (I) δ<α (II) Θ>θa>Θ/2 (III)
【0095】このような関係を満たすことが好ましい理
由について図面を参照して説明する。
【0096】一般に、液晶の複屈折を利用した液晶素子
の場合、直交ニコル下での透過率I/I0は次式で表わ
されるが、この式より、透過率I/I0を高めて表示品
質を向上させるためには、見かけのティルト角θa(詳
細は後述)が22.5°であることが望ましいことがわ
かる。
【0097】 I/I0=sin4θasin2(Δnd/λ)π (ここで、I0は入射光強度、Iは透過光強度、θaは見
かけのティルト角、Δnは屈折率異方性、dは液晶層の
膜厚、λは入射光の波長である)
【0098】尚、前述のクラーク、ラガーウォルタイプ
のモデルによる液晶分子の長軸方向にらせん構造が解除
された液晶素子における見かけのティルト角θaは、第
1と第2の配向状態で素子の厚み方向(基板の法線方
向)でねじれ配列した液晶分子の平均分子軸方向の角度
として現れることになる。
【0099】しかし、例えば一軸配向処理のなされたポ
リイミド膜を配向制御層として用いて配向させて得られ
た液晶分子のらせん構造の強誘電性液晶においては、見
かけのティルト角θa(二つの安定状態の分子軸のなす
角度1/2)は、強誘電性液晶材料の特性であるティル
ト角(図3に示す三角錐の頂角の1/2の角度Θ)と比
べて小さくなり、一般に3°〜8°程度で、その時の透
過率I/I0はせいぜい3〜5%程度と低かった。
【0100】ところで、スメクティック液晶は一般に層
構造を持つが、SmA相からSmC相又はSmC*相に
転移すると、層間隔が縮むため図2のように21で表わ
される液晶層が、上下基板の中央で折れ曲がった構造
(シェブロン構造)をとる。折れ曲がる方向は、同図に
示すように、高温相からSmC*相に転移した直後に現
れる配向状態(C1配向状態)の部分22における場合
と、さらに温度を下げた時にC1配向状態に混在して現
れる配向状態(C2配向状態)の部分23における場
合、の二つが有り得る。また、C1配向内に従来見出さ
れていた液晶のダイレクタが上下の基板間でねじれてい
る低コントラストの二つの安定状態(以下、ツイスト状
態と呼ぶ)の他に、液晶のダイレクタが上下の基板間で
ねじれが低減されたコントラストの高い別の二つの状態
(以下ユニフォーム状態と呼ぶ)が現れることが発見さ
れた。
【0101】そして、これらの状態は電界をかけると互
いに遷移し、弱い正負のパルス電界を印加するとツイス
ト2状態間の遷移が起こり、強い正負のパルス電界を印
加するとユニフォーム2状態間の遷移が起こるが、C1
配向状態におけるユニフォーム2状態を用いると、大き
な見かけのティルト角θaを生じ、従来より明るく、コ
ントラストの高い表示素子が実現できることがわかっ
た。
【0102】従って、表示素子として画面全体をC1配
向状態に統一し、且つC1配向内の高コントラストの2
状態(ユニフォーム状態)を白黒表示の2状態として用
いれば、従来より品位の高いディスプレイが実現できる
と期待される。
【0103】ここで、C1配向及びC2配向での基板近
くのダイレクタは、図3(a)及び(b)に示すよう
に、それぞれコーン31上にある。また良く知られてい
るように、基板界面の液晶分子は、ラビング等の一軸配
向処理がなされた配向制御膜に対してプレティルトと呼
ばれる角度をなし、その方向はラビング方向(図3
(a)、(b)ではA方向)に向かって液晶分子が頭を
もたげる(先端が浮いた格好になる)方向である。
【0104】上述のことにより、液晶のティルト角Θ、
プレティルト角α、及び層傾斜角(液晶層と基板法線と
のなす角度)δの間には、 C1配向の時 Θ+δ>α C2配向の時 Θ−δ>α の関係が成り立っていなければならない。
【0105】従って、C2配向を生ぜずC1配向を生じ
させるための条件は、 Θ−δ<α、つまり、Θ<α+δ (I) となる。
【0106】さらに基板界面付近の液晶分子が一方の位
置から他方の位置へ電界によって移るスイッチングの際
に受けるトルクの簡単な考察より、界面分子のスイッチ
ングが起こり易い条件として、 α>δ (II) が得られる。
【0107】よって、C1→C2転移が起こりにくく、
C1配向状態をより安定に形成させるには、(I)式の
関係に加えて(II)式の関係を満たすことが効果的で
あることが理解できる。
【0108】この上述した条件(I)さらに(II)を
満足する場合には、液晶の見かけのティルト角θaは、
上述した3°〜8°程度から8°〜16°程度にまで増
大し、液晶のティルト角Θと見かけのティルト角θa
の間には、 Θ>θa>Θ/2 (III) なる関係式が成り立つ。
【0109】以上のように(I)、(II)及び(II
I)式の条件を満足すれば、高コントラストな画像が表
示されるディスプレイが実現できることが明らかとなっ
た。
【0110】本発明の液晶素子は、上述した液晶組成物
を用い、例えば、両基板の対向面にそれぞれ液晶を配向
させる特定の配向制御層を形成し、少なくとも一方に一
軸性の配向処理を施し、且つ、液晶を配向させるための
一軸配向処理軸が平行、或いは互いに所定の角度で交差
せしめ、そして好ましくは(I)、(II)及び(II
I)の条件を満たすべく液晶の配向状態を制御する。
【0111】前述した、C1配向状態、更にはユニフォ
ーム配向を安定に形成し良好な配向性を得るため、より
好ましくは両基板における一軸配向処理軸を0°を超
え、25°以下の範囲で交差させる。また、本発明の液
晶素子におけるプレティルト角αの大きさは、5°以上
であることが望ましい。
【0112】以下、図1に沿って本発明の液晶素子の一
般的構造例について説明する。
【0113】当該液晶素子は、2枚のガラス基板11
a,11bを備えており、これらのガラス基板11a,
11bの表面には所定のパターン状に透明電極12a,
12bがそれぞれ形成されている。この透明電極12
a,12bは、In23・SnO2或いはITO(イン
ジウム ティン オキサイド:Indium−Tin
Oxide)等の薄膜からなっている。
【0114】透明電極12a,12bは、絶縁膜13
a、13b及び配向制御膜14a,14bによって被覆
されている。
【0115】この絶縁膜13a、13bは、例えばシリ
コン窒化物、水素を含有するシリコン炭化物、シリコン
酸化物、ホウ素窒化物、水素を含有するホウ素窒化物、
セリウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸
化物、チタン酸化物やフッ化マグネシウムなどの無機物
質或いは他の有機絶縁物質にて形成されており、少なく
とも一層、或いは必要に応じて多層構成として、対向基
板(電極)間のショート防止機能を有する。また、上述
したショート防止のための有機ないし無機絶縁膜上に
は、Ti−Si等の塗布型絶縁膜を形成してもよい。更
に、駆動時の液晶分子の移動現象をセル構造として解決
すべく、例えばSiO2ビーズ等の絶縁性ビーズを含有
した絶縁性塗布膜を設け、上層となる配向制御膜を粗面
化することもできる(不図示)。
【0116】配向制御膜14a,14bは、ポリビニル
アルコール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエス
テルイミド、ポリパラキシレン、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリスチレン、セルロー
ス樹脂、メラミン樹脂、ユリヤ樹脂、アクリル樹脂やフ
ォトレジスト樹脂などの有機絶縁物質或いは他の無機絶
縁物質にて形成することができる。また、これらの絶縁
膜13a,13b及び配向制御膜14a,14bは必要
に応じて、上述のように2層以上に分けず、無機物質絶
縁性配向制御層或いは有機物質絶縁性配向制御層単層と
することもできる。
【0117】配向制御膜14a、14bとしては、具体
的には、例えば下記構造式で表される繰り返し単位から
なる前駆体から得られるポリイミドを用いる。
【0118】
【化47】
【0119】さらに、配向制御膜14a,14bの少な
くとも一方は、2層又は単層のいずれかに関わらず、ガ
ーゼやアセテート植毛布等によるラビング処理等の配向
処理が施されている。
【0120】また、これらの絶縁膜13a,13b及び
配向制御膜14a,14bは、無機系ならば蒸着法など
で形成でき、有機系ならば有機絶縁物質を溶解させた溶
液、またはその前駆体溶液(溶剤に0.1〜20重量
%、好ましくは0.2〜10重量%)を用いて、スピン
ナー塗布法、浸漬塗布法、スクリーン印刷法、スプレー
塗布法、ロール塗布法等で塗布し、所定の硬化条件下
(例えば加熱下)で硬化させ形成させることができる。
【0121】尚、これら絶縁膜13a,13b及び配向
制御膜14a,14bの層厚は通常3〜1000nm、
好ましくは3〜300nm、さらに好ましくは4〜10
0nmが適している。
【0122】かかる液晶素子が、カラー表示素子として
適用される場合、ガラス基板11a,11bの少なくと
も一方には、R,G,B,W等の種々の色部材からなる
ドット或いはラインより構成されるカラーフィルターパ
ターンが設けられる(不図示)。このカラーフィルター
パターンは基板上に形成され、そのパターンを構成する
ラインやドット間の段差を低減すべく、無機材料或いは
有機材料からなる平坦化層によって被覆され得る。ま
た、カラーフィルターのドットやライン間には、好まし
くは色間の混色を防止すべく、金属や樹脂材料からなる
黒色の遮光層が設けられる(不図示)。このようなカラ
ー表示素子では透明電極11a及び11bのパターン
は、カラーフィルターパターンの形状に応じて設定され
得る。
【0123】一方、上述した2枚のガラス基板11a,
11bの間には、スペーサ16が散布されており、この
スペーサ16によってガラス基板11a,11bが所定
の間隔(セルギャップ;一般的には0.1〜20μm、
好ましくは0.5〜3μm)に保持されている。
【0124】尚、かかるセルギャップを保持するスペー
サ16としては、シリカビーズ、アルミナビーズ、高分
子フィルム、ガラスファイバー、さらにスペーサーによ
り形成される基板間隔を保持し、素子の耐衝撃性を向上
するべく粒状接着剤(不図示)などが用いられている。
【0125】また、ガラス基板11a,11bの周囲
は、エポキシ系接着剤などのシール剤にて接着されてお
り(不図示)、これらのガラス基板11a,11b間に
は前述したような本発明のカイラルスメクティック液晶
が封入されている。
【0126】一方、ガラス基板11a,11bの外側に
は、偏光板17a,17bが貼り合わせてある。
【0127】尚、配向制御膜14a,14bは、例えば
配向方向が下側の配向制御膜14bを基準として、上側
の配向制御膜14aが上側の配向制御膜14aの方から
見て、左回りに例えば±25°以下の交差角となるよう
に、且つ、同様の方向(図3で言えば、矢印A方向)に
なるようにラビング処理等の一軸配向処理が施されてい
る。本発明においては、上記のように交差角を定義す
る。
【0128】上記液晶素子では、さらに透過型の表示素
子とする場合、一方の基板の裏面側に光源(不図示)を
設ける。
【0129】本発明による液晶素子は、種々の機能を持
って液晶装置を構成する。例えば、当該液晶素子に加
え、これを駆動する手段並びにバックライトとなる光源
を設け、液晶表示装置を構成する。具体的には、当該液
晶素子を表示パネル部に使用し、図6及び図7に示した
走査線アドレス情報を持つ画像情報なるデータフォーマ
ット及びSYNC信号による通信同期手段をとることに
より、液晶表示装置を実現する。
【0130】画像情報の発生は、本体装置側のグラフィ
ックコントローラ102にて行なわれ、図6及び図7に
示した信号転送手段に従って表示パネル103に転送さ
れる。グラフィックコントローラ102は、CPU(中
央演算処理装置、以下GCPU112と略す)及びVR
AM(画像情報格納用メモリ)114を核に、ホストC
PU113と液晶表示装置101間の画像情報の管理や
通信を司っており、本発明による液晶素子を用いた液晶
表示装置の制御方法は主にこのグラフィックスコントロ
ーラ102上で実現されるものである。
【0131】次に、本発明の液晶素子に適用する駆動法
について説明する。
【0132】この強誘電性液晶層を一対の基板間に挟持
した素子で単純マトリクス表示装置とした場合では、例
えば特開昭59−193426号公報、特開昭59−1
93427号公報、特開昭60−156046号公報、
特開昭60−156047号公報などに開示された駆動
法を適用することができる。
【0133】図8は、上記駆動法の波形図の一例であ
る。また、図5は、マトリクス電極を配置したカイラル
スメクティック液晶パネルの一例の平面図である。図5
の液晶パネル51には、走査電極群52の走査線と情報
電極群53のデータ線とが互いに交差して配線され、そ
の交差部の走査線とデータ線との間にはカイラルスメク
ティック液晶が配置されている。
【0134】図8(A)中のSSは選択された走査線に
印加する選択走査波形を、SNは選択されていない非選
択走査波形を、ISは選択されたデータ線に印加する選
択情報波形(黒)を、INは選択されていないデータ線
に印加する非選択情報信号(白)を表わしている。ま
た、図中(IS−SS)と(IN−SS)は選択された走査
線上の画素に印加する電圧波形で、電圧(IS−SS)が
印加された画素は黒の表示状態をとり、電圧(IN
S)が印加された画素は白の表示状態をとる。
【0135】図8(B)は図8(A)に示す駆動波形
で、図9に示す表示を行ったときの時系列波形である。
【0136】図8に示す駆動例では、選択された走査線
上の画素に印加される単一極性電圧の最小印加時間Δt
が書込み位相t2の時間に相当し、1ラインクリヤt1
相の時間が2Δtに設定されている。
【0137】さて、図8に示した駆動波形の各パラメー
タVS,VI,Δtの値は使用する液晶材料のスイッチン
グ特性によって決定される。
【0138】図10は後述するバイアス比を一定に保っ
たまま駆動電圧(VS+VI)を変化させた時の透過率T
の変化、即ちV−T特性を示したものである。ここでは
Δt=50μsec、バイアス比V I/(VI+VS)=
1/3に固定されている。図10の正側は図8で示した
(IN−SS)、負側は(IS−SS)で示した波形が印加
される。尚、波形(IN−SS)及び(IS−SS)では、
Rにより前状態がクリアされ、それぞれVB 1、VB 2
より、次の書込み状態が決まる。
【0139】ここで、V1,V3をそれぞれ実駆動閾値電
圧及びクロストーク電圧と呼ぶ。また、V2<V1<V3
の時ΔV=V3−V1を電圧マージンと呼び、マトリクス
駆動可能な電圧幅のパラメータとなる。V1は図8
(A)のVB 2によりスイッチングを起こす電圧値であ
る。V3はカイラルスメクティック液晶表示素子駆動
上、一般的に存在すると言ってよい。具体的には、図8
(A)(IN−SS)の波形におけるVB 1によるスイッチ
ングを起こす電圧値である。勿論、バイアス比を大きく
することによりV3の値を大きくすることは可能である
が、バイアス比を増すことは情報信号の振幅を大きくす
ることを意味し、画質的にはちらつきの増大、コントラ
ストの低下を招き好ましくない。
【0140】我々の検討ではバイアス比1/3〜1/4
程度が実用的であった。ところで、バイアス比を固定す
れば、電圧マージンΔVは液晶材料のスイッチング特性
及び素子構成に強く依存し、ΔVの大きい素子がマトリ
クス駆動上非常に有利であることは言うまでもない。
【0141】この様なある一定温度において、情報信号
の2通りの向きによって選択画素に「黒」及び「白」の
2状態を書き込むことが可能であり、非選択画素はその
「黒」又は「白」の状態を保持することが可能である電
圧マージンまたは電圧印加時間マージンは液晶材料及び
素子構成によって差が有り、特有なものである。また、
環境温度の変化によっても駆動マージンはズレていくた
め、実際の表示装置の場合、液晶材料、素子構成や環境
温度に対して最適な駆動条件にしておく必要がある。
【0142】本発明に係る液晶素子におけるティルト角
Θ、見かけのティルト角θa、液晶層の傾斜角δ、プレ
ティルト角α及び自発分極Psは、以下の様にして測定
することができる。
【0143】[ティルト角Θの測定]±30〜±50
V、1〜100HzのAC(交流)を液晶素子の上下基
板間に電極を介して印加しながら、直流クロスニコル
下、その間に配置された液晶素子を偏光板と平行に回転
させると同時にフォトマル(浜松フォトニクス(株)
製)で光学応答を検知しながら、第1の消光位(透過率
が最も低くなる位置)及び第2の消光位を求める。そし
て、この時の第1の消光位から第2の消光位までの角度
の1/2をティルト角Θとする。
【0144】[見かけのティルト角θaの測定]液晶の
閾値の単発パルスを印加した後、無電界下、かつ直流ク
ロスニコル下において、その間に配置された液晶素子を
偏光版と平行に回転させ、第1の消光位を求める。次
に、上記の単発パルスと逆極性のパルスを印加した後、
無電界下、第2の消光位を求める。この時の第1の消光
位から第2の消光位までの角度の1/2を見かけのティ
ルト角θaとする。
【0145】[液晶層の傾斜角δの測定]基本的には、
クラークや、ラガーフォルによって行われた方法(Ja
panDisplay ’86, Sep. 30〜O
ct. 2, 1986. 456〜458)、あるい
は、大内らの方法(J.J.A.P.27(5)(19
88)725〜728)と同様の方法により測定した。
測定装置は、回転陰極方式X線解析装置(MACサイエ
ンス製)を用い、液晶セルのガラス基板へのX線の吸収
を低減させるため、基板にはコーニング社製のマイクロ
シート(80μm)を用いた。
【0146】[プレティルト角αの測定法]プレティル
ト角αの測定は、クリスタルローテーション法(Jp
a. J.Appl. Phys. Vo.119(1
980) No. Short Notes 203
1)により求めた。又プレティルト角αの測定用液晶と
しては、強誘電性液晶(チッソ社製のCS−1014)
に下記の構造式で示される化合物を重量比で20%混合
したものを標準液晶として注入して測定した。
【0147】
【化48】
【0148】尚、この混合した液晶組成物は10〜55
℃でSmA相を示した。
【0149】測定手順は、対象となる配向制御層を有す
る液晶パネルを上下基板に垂直かつ配向処理軸(ラビン
グ軸)を含む面で回転させながら、回転軸と45°の角
度をなす偏光面を持つヘリウム・ネオオンレーザー光を
回転軸に垂直な方向から照射して、その反対側で入射偏
光面と平行な透過軸を持つ偏光版を通して、フォトダイ
オードで透過光強度を測定した。そして、干渉によって
できた透過光強度のスペクトルに対し、理論曲線と下記
に示す式とフィッティングを行うシュミレーションによ
りプレティルト角αを求めた。
【0150】
【数1】
【0151】[自発分極(Ps)値の測定]自発分極
は、K.ミヤサト他「三角波による強誘電性液晶の自発
分極の直接測定方法」(日本応用物理学会誌22、10
号(661)1983、”Direct Method
with Triangular Waves fo
r Measuring Spontaneous P
olarization inFerroelectr
ic Liquid Crystal”,as des
cribed by K.Miyasato et a
l.(Jap.J.Appl.Phys.22.No.
10,L661(1983)))によって測定した。
【0152】
【実施例】以下実施例により、本発明について更に詳細
に説明するが、本発明はこれの実施例に限定されるもの
ではない。
【0153】〔実施例1〕 (1)下記構造の化合物を、下記に示す重量部にて混合
して、液晶組成物Aを調製した。
【0154】
【化49】
【0155】この液晶組成物Aの相転移温度および30
℃における自発分極の大きさ(Ps)とティルト角
(Θ)を次に示す。
【0156】
【化50】
【0157】次に、これらの液晶組成物のユニフォーム
性を示す配向性および光学的な応答を示す手順で作成し
たセルを用いて、観察した。
【0158】透明電極の付いたガラス基板上に酸化タン
タルの薄膜をスパッタ法で形成し、その上に前述の構造
式1で示される日立化成(株)製のポリアミド酸LQ1
802の1%NMP溶液をスピンナーで塗布し、270
℃で1時間焼成した。
【0159】次にこの基板をラビングし、同じ処理をし
たもう1枚の基板と10°の交差角(前述)を持ち、且
つ同方向になるように1.2〜1.3μm前後のギャッ
プを保って貼り合せ、セルを作成した。該セルのプレテ
ィルト角αはクリスタルローテーション法により17°
であった。
【0160】このセルに液晶組成物Aを等方性液体状態
で注入し、等方相から20℃/hで25℃まで徐冷する
ことにより、液晶素子を作製した。
【0161】この液晶素子を用いて、ユニフォーム性を
示す配向性を観察したところ、液晶素子の95%がユニ
フォーム性を示す配向をしていたが、5%がツイスト配
向をしており、素子全面にわたって均一なユニフォーム
配向が得られなかった。
【0162】尚、かかる液晶組成物及びこれを用いた素
子について、スメクティック層の傾斜角δと見かけのテ
ィルト角θaを測定したところ、12.0°、12.5
°であった。
【0163】また、この液晶素子を用いて図4に示す駆
動波形(1/3バイアス比)で駆動マージンΔV(V3
−V1)を観察した。(尚ΔtはV1≒15Vになるよう
に設定した。)その結果を次に示す。
【0164】
【表11】
【0165】さらに、30℃におけるコントラスト比を
測定したところ28であった。
【0166】(2)上記液晶組成物Aに対して、以下に
示す例示化合物を以下に示す重量部で混合し、液晶組成
物に1−AIを作製した。
【0167】
【化51】
【0168】この液晶組成物1−AIの相転移温度およ
び30℃における自発分極の大きさ(Ps)とティルト
角(Θ)を次に示す。
【0169】
【化52】
【0170】次に、この液晶組成物1−AIを用いた以
外は上記(1)と同様の方法で液晶素子を作製し、上記
(1)と同様の方法でユニフォーム性を示す配向性およ
び光学的な応答を測定した。結果を次に示す。
【0171】ユニフォーム性を示す配向性(目視による
顕微鏡観察):液晶素子のほぼ全面にわたり均一なユニ
フォーム配向が得られた。
【0172】尚、組成物Aを用いた場合と同様にスメク
ティック層の傾斜角δと見かけのティルト角θaを測定
したところ、それぞれ10.3°、10.8°であっ
た。
【0173】
【表12】
【0174】さらに、30℃におけるコントラスト比を
測定したところ41であった。
【0175】(3)(1)の液晶組成物Aに対して、以
下に示す例示化合物を以下に示す重量部で混合し、液晶
組成物1−AIIを作製した。
【0176】
【化53】
【0177】この液晶組成物1−AIIの相転移温度お
よび30℃における自発分極の大きさ(Ps)とティル
ト角(Θ)を次に示す。
【0178】
【化54】
【0179】次に、この液晶組成物1−AIIを用いた
以外は前記(1)と同様の方法で液晶素子を作製し、前
記(1)と同様の方法でユニフォーム性を示す配向性お
よび光学的な応答を測定した。結果を次に示す。
【0180】ユニフォーム性を示す配向性(目視による
顕微鏡観察):液晶素子のほぼ全面にわたり均一なユニ
フォーム配向が得られた。
【0181】組成物Aを用いた場合と同様にスメクティ
ック層の傾斜角δと見かけのティルト角θaを測定した
ところ、それぞれ9.5°、10.1°であった。
【0182】
【表13】
【0183】さらに、30℃におけるコントラスト比を
測定したところ42であった。
【0184】(4)この液晶組成物Aに対して、以下に
示す例示化合物を以下に示す重量部で混合し、液晶組成
物1−AIIIを作製した。
【0185】
【化55】
【0186】この液晶組成物1−AIIIの相転移温度
および30℃における自発分極の大きさ(Ps)とティ
ルト角(Θ)を次に示す。
【0187】
【化56】
【0188】次に、この液晶組成物1−AIIIを用い
た以外は前記(1)と同様の方法で液晶素子を作製し、
前記(1)と同様の方法でユニフォーム性を示す配向性
および光学的な応答を測定した。結果を次に示す。
【0189】ユニフォーム性を示す配向性(目視による
顕微鏡観察):液晶素子のほぼ全面にわたり均一なユニ
フォーム配向が得られた。
【0190】組成物Aを用いた場合と同様にスメクティ
ック層の傾斜角δと見かけのティルト角θaを測定した
ところ、それぞれ9.7°、10.4°であった。
【0191】
【表14】
【0192】さらに、30℃におけるコントラスト比を
測定したところ48であった。
【0193】〔比較例1〕 (1)実施例1で使用した液晶組成物1−AIの中で用
いた例示化合物3−4と類似な下記化合物を下記の重量
部で混合し、液晶組成物1−AIVを作製した。
【0194】
【化57】
【0195】この液晶組成物1−AIVの相転移温度お
よび30℃における自発分極の大きさ(Ps)とティル
ト角(Θ)を次に示す。
【0196】
【化58】
【0197】この液晶組成物1−AIVを用いた以外は
前記(1)と同様の方法で液晶素子を作製し、前記
(1)と同様の不法でユニフォーム性を示す配向性およ
び光学的な応答を測定した。結果を次に示す。
【0198】ユニフォーム性を示す配向性(目視による
顕微鏡観察):液晶素子の95%がユニフォーム性を示
す配向をしていたが、5%がツイスト配向をしており、
素子全面にわたって均一なユニフォーム配向が得られな
かった。
【0199】組成物Aを用いた場合と同様にスメクティ
ック層の傾斜角δと見かけのティルト角θaを測定した
ところ、それぞれ12.0°、12.4°であった。
【0200】
【表15】
【0201】さらに、30℃におけるコントラスト比を
測定したところ32であった。
【0202】実施例1と比較例1から明らかな様に、ベ
ースの液晶組成物Aはユニフォーム性を示す配向状態
が、5%のツイスト配向が存在するユニフォーム配向状
態であるのに対し、液晶組成物1−AI,1−AII,
1−AIIIは均一なユニフォーム配向であった。
【0203】温度特性は、例示化合物3−4,4−10
をそれぞれ単独で使用した液晶組成物1−AI,1−A
IIが3.89,4.06であるのに対して、例示化合
物3−4,4−10を両方とも使用した液晶組成物1−
AIIIは3.73と適切な温度特性を示していること
がわかる。またコントラスト比も単独で使用した場合に
比べて、両方を同時に使用すると大幅に良くなっている
ことがわかる。
【0204】また、例示化合物3−4,4−10に類似
している化合物を使用した場合(比較例1)と比べて
も、本発明の化合物は、ユニフォーム性を示す配向性、
温度特性およびコントラスト比がバランス良く向上さ
れ、さらに駆動マージンが大幅に改善されていることが
わかる。
【0205】
【表16】
【0206】〔実施例2〕実施例1で使用した例示化合
物に代えて、以下に示す例示化合物を各々以下に示す重
量部で混合し、実施例1と同様の方法で液晶組成物2−
AI,2−AII,2−AIIIをそれぞれ作製した。
【0207】
【化59】
【0208】この液晶組成物2−AI,2−AII,2
−AIIIの相転移温度および30℃における自発分極
の大きさ(Ps)とティルト角(Θ)を次に示す。
【0209】液晶組成物2−AI
【0210】
【化60】
【0211】液晶組成物2−AII
【0212】
【化61】
【0213】液晶組成物2−AIII
【0214】
【化62】
【0215】次に、この液晶組成物2−AI,2−AI
I,2−AIIIを用いた以外は全く実施例1と同様の
方法で液晶素子を作製し、実施例1と同様にユニフォー
ムを示す配向性および光学的な応答を測定した。さら
に、30℃におけるコントラスト比も測定した。結果を
次に示す。
【0216】液晶組成物2−AI ユニフォーム性を示す配向性(目視による顕微鏡観
察):液晶素子のほぼ全面にわたり均一なユニフォーム
配向が得られた。
【0217】
【表17】 30℃におけるコントラスト比:41
【0218】液晶組成物2−AII ユニフォーム性を示す配向性(目視による顕微鏡観
察):液晶素子のほぼ全面にわたり均一なユニフォーム
配向が得られた。
【0219】
【表18】 30℃におけるコントラスト比:31
【0220】液晶組成物2−AIII ユニフォーム性を示す配向性(目視による顕微鏡観
察):液晶素子のほぼ全面にわたり均一なユニフォーム
配向が得られた。
【0221】
【表19】 30℃におけるコントラスト比:49
【0222】実施例2から明らかな様に、ユニフォーム
性を示す配向性は、液晶組成物2−AI,2−AII,
2−AIIIを使用した液晶素子において全て均一なユ
ニフォーム配向を示したが、温度特性は、例示化合物3
−22,4−86をそれぞれ単独で使用した液晶組成物
2−AI,2−AIIが4.18,4.32
(f10/40)であるのに対して、例示化合物3−22,
4−86を両方とも使用した液晶組成物2−AIIIは
4.00となり、適切な温度特性を示していることがわ
かる。またコントラスト比も単独で使用した場合に比べ
て、両方を同時に使用した方が良くなっていることがわ
かる。さらに、組成物2−AIIIは駆動マージンも著
しく向上している。
【0223】〔実施例3〕実施例1で使用した例示化合
物に代えて、以下に示す例示化合物を各々以下に示す重
量部で混合し、実施例1と同様の方法で液晶組成物3−
AI,3−AII,3−AIIIをそれぞれ作製した。
【0224】
【化63】
【0225】この液晶組成物3−AI,3−AII,3
−AIIIの相転移温度および30℃における自発分極
の大きさ(Ps)とティルト角(Θ)を次に示す。
【0226】液晶組成物3−AI
【0227】
【化64】
【0228】液晶組成物3−AII
【0229】
【化65】
【0230】液晶組成物3−AIII
【0231】
【化66】
【0232】次に、この液晶組成物3−AI,3−AI
I,3−AIIIを用いた以外は全く実施例1と同様の
方法で液晶素子を作製し、実施例1と同様にユニフォー
ムを示す配向性および光学的な応答を測定した。さら
に、30℃におけるコントラスト比も測定した。結果を
次に示す。
【0233】液晶組成物3−AI ユニフォーム性を示す配向性(目視による顕微鏡観
察):液晶素子のほぼ全面にわたり均一なユニフォーム
配向が得られた。
【0234】
【表20】 30℃におけるコントラスト比:39
【0235】液晶組成物3−AII ユニフォーム性を示す配向性(目視による顕微鏡観
察):液晶素子のほぼ全面にわたり均一なユニフォーム
配向が得られた。
【0236】
【表21】 30℃におけるコントラスト比:43
【0237】液晶組成物3−AIII ユニフォーム性を示す配向性(目視による顕微鏡観
察):液晶素子のほぼ全面にわたり均一なユニフォーム
配向が得られた。
【0238】
【表22】 30℃におけるコントラスト比:54
【0239】実施例3から明らかな様に、液晶組成物の
相転移温度において、液晶組成物3−AIIはSmA→
Sm*Cの相転移点Tcが他の2つの組成物に比べて低く
なり、悪くなっている。
【0240】ユニフォーム性を示す配向性は、液晶組成
物3−AI,3−AII,3−AIIIを使用した素子
において全て均一なユニフォーム配向を示したが、温度
特性は、例示化合物3−25,3−20を使用した液晶
組成物3−AIが5.24(f10/40)、例示化合物4
−18,4−16,4−85,4−90を使用した液晶
組成物3−AIが5.13であるのに対して、2系列全
てを使用した液晶組成物3−AIIIは4.63とな
り、適切な温度特性を示している。またコントラスト比
もそれぞれの系を単独で使用した場合に比べて、両方の
系を使用した方が良くなっていることがわかる。組成物
3−AIIIは、駆動電圧マージンが著しく向上してい
る。
【0241】〔実施例4〕下記構造の化合物を下記に示
す重量部にて混合して、液晶組成物Bを作製した。
【0242】
【化67】
【0243】この液晶組成物Bの相転移温度および30
℃における自発分極の大きさ(Ps)とティルト角
(Θ)を次に示す。
【0244】
【化68】
【0245】次に、この液晶組成物Bを用いた以外は全
く実施例1と同様の方法で液晶素子を作製し、実施例1
と同様にユニフォームを示す配向性および光学的な応答
を測定した。さらに、30℃におけるコントラスト比も
測定した。結果を次に示す。
【0246】ユニフォーム性を示す配向性(目視による
顕微鏡観察):液晶素子の70%がユニフォーム性を示
す配向をしていたが、30%がツイスト配向をしてお
り、素子全面にわたって均一なユニフォーム配向が得ら
れなかった。
【0247】この組成物B及びこれを用いた素子につい
て、スメクティック層の傾斜角δと見かけのティルト角
θaを測定したところ、14.1°、13.7°であっ
た。
【0248】
【表23】 30℃におけるコントラスト比:19
【0249】この液晶組成物Bに対して、以下に示す例
示化合物を以下に示す重量部で混合し、実施例1と同様
の方法で液晶組成物4−BI,4−BII,4−BII
Iをそれぞれ作製した。
【0250】
【化69】
【0251】この液晶組成物4−BI,4−BII,4
−BIIIの相転移温度および30℃における自発分極
の大きさ(Ps)とティルト角(Θ)を次に示す。
【0252】液晶組成物4−BI
【0253】
【化70】
【0254】液晶組成物4−BII
【0255】
【化71】
【0256】液晶組成物4−BIII
【0257】
【化72】
【0258】次に、この液晶組成物4−BI,4−BI
I,4−BIIIを用いた以外は全く実施例1と同様の
方法で液晶素子を作製し、実施例1と同様にユニフォー
ムを示す配向性および光学的な応答を測定した。さら
に、30℃におけるコントラスト比も測定した。結果を
次に示す。
【0259】液晶組成物4−BI ユニフォーム性を示す配向性(目視による顕微鏡観
察):液晶素子の85%がユニフォーム性を示す配向を
していたが、15%がツイスト配向をしており、素子全
面にわたって均一なユニフォーム配向が得られなかっ
た。
【0260】組成物Bを用いた場合と同様にスメクティ
ック層の傾斜角δと見かけのティルト角θaを測定した
ところ、それぞれ13.3°、14.0°であった。
【0261】
【表24】 30℃におけるコントラスト比:22
【0262】液晶組成物4−BII ユニフォーム性を示す配向性(目視による顕微鏡観
察):液晶素子の全面にわたり均一なユニフォーム配向
が得られた。
【0263】組成物Bを用いた場合と同様にスメクティ
ック層の傾斜角δと見かけのティルト角θaを測定した
ところ、それぞれ8.2°、8.4°であった。
【0264】
【表25】 30℃におけるコントラスト比:41
【0265】液晶組成物4−BIII ユニフォーム性を示す配向性(目視による顕微鏡観
察):液晶素子の全面にわたり均一なユニフォーム配向
が得られた。
【0266】組成物Bを用いた場合と同様にスメクティ
ック層の傾斜角δと見かけのティルト角θaを測定した
ところ、それぞれ10.9°、11.9°であった。
【0267】
【表26】 30℃におけるコントラスト比:38
【0268】実施例4から明らかな様に、例示化合物4
−6を使用した液晶組成物4−BIIは、SmA→Sm
*Cの相転移点Tcが低く、40℃における駆動マージン
が測定できなかった。
【0269】例示化合物3−26を使用した液晶組成物
4−BIはユニフォーム性を示す配向性において、15
%のツイスト配向を含む素子全面にわたって均一なユニ
フォーム配向が得られなかった。
【0270】しかし、例示化合物3−26と4−6を使
用した液晶組成物4−BIIIは、素子全面にわたって
均一なユニフォーム配向を示し、温度特性も最適であ
り、またコントラスト比も高く、非常にバランスのとれ
た液晶素子となっていることがわかる。さらに、駆動電
圧マージンについても優れた特性を示した。
【0271】〔実施例5〕実施例4で使用した例示化合
物に代えて、以下に示す例示化合物を以下に示す重量部
で混合し、実施例1と同様の方法で液晶組成物5−B
I,5−BII,5−BIIIをそれぞれ作製した。
【0272】
【化73】
【0273】この液晶組成物5−BI,5−BII,5
−BIIIの相転移温度および30℃における自発分極
の大きさ(Ps)とティルト角(Θ)を次に示す。
【0274】液晶組成物5−BI
【0275】
【化74】
【0276】液晶組成物5−BII
【0277】
【化75】
【0278】液晶組成物5−BIII
【0279】
【化76】
【0280】次に、この液晶組成物5−BI,5−BI
I,5−BIIIを用いた以外は全く実施例1と同様の
方法で液晶素子を作製し、実施例1と同様にユニフォー
ムを示す配向性および光学的な応答を測定した。さら
に、30℃におけるコントラスト比も測定した。結果を
次に示す。
【0281】液晶組成物5−BI ユニフォーム性を示す配向性(目視による顕微鏡観
察):液晶素子のほぼ全面にわたり均一なユニフォーム
配向が得られた。
【0282】
【表27】 30℃におけるコントラスト比:40
【0283】液晶組成物5−BII ユニフォーム性を示す配向性(目視による顕微鏡観
察):液晶素子のほぼ全面にわたり均一なユニフォーム
配向が得られた。
【0284】
【表28】 30℃におけるコントラスト比:31
【0285】液晶組成物5−BIII ユニフォーム性を示す配向性(目視による顕微鏡観
察):液晶素子のほぼ全面にわたり均一なユニフォーム
配向が得られた。
【0286】
【表29】 30℃におけるコントラスト比:37
【0287】実施例5から明らかな様に、例示化合物3
−27を使用した液晶組成物5−BIは、SmA→Sm
*Cの相転移点Tcが低く、40℃における駆動マージン
が測定できなかった。
【0288】例示化合物4−10,4−63,4−16
を使用した液晶組成物5−BIIはユニフォーム性を示
す配向性において、素子全面にわたって均一なユニフォ
ーム配向を示し、温度特性が4.17(f10/40)であ
るが、両方の系を使用した液晶組成物5−BIIIは、
素子全面にわたって均一なユニフォーム配向を示し、温
度特性も3.88であり、適切な特性を示している。ま
たコントラスト比も高く、それぞれの系を単独で使用し
た場合と比べて非常に良くなっていることがわかる。さ
らに、駆動電圧マージンについても著しく改善されてい
る。
【0289】〔実施例6〕実施例4で使用した例示化合
物に代えて、以下に示す例示化合物を以下に示す重量部
で混合し、実施例1と同様の方法で液晶組成物6−B
I,6−BII,6−BIIIをそれぞれ作製した。
【0290】
【化77】
【0291】この液晶組成物6−BI,6−BII,6
−BIIIの相転移温度および30℃における自発分極
の大きさ(Ps)とティルト角(Θ)を次に示す。
【0292】液晶組成物6−BI
【0293】
【化78】
【0294】液晶組成物6−BII
【0295】
【化79】
【0296】液晶組成物6−BIII
【0297】
【化80】
【0298】次に、この液晶組成物6−BI,6−BI
I,6−BIIIを用いた以外は全く実施例1と同様の
方法で液晶素子を作製し、実施例1と同様にユニフォー
ムを示す配向性および光学的な応答を測定した。さら
に、30℃におけるコントラスト比も測定した。結果を
次に示す。
【0299】液晶組成物6−BI ユニフォーム性を示す配向性(目視による顕微鏡観
察):配向性が著しく悪く測定できず。
【0300】
【表30】 30℃におけるコントラスト比:測定不可
【0301】液晶組成物6−BII ユニフォーム性を示す配向性(目視による顕微鏡観
察):液晶素子のほぼ全面にわたり均一なユニフォーム
配向が得られた。
【0302】
【表31】 30℃におけるコントラスト比:32
【0303】液晶組成物6−BIII ユニフォーム性を示す配向性(目視による顕微鏡観
察):液晶素子のほぼ全面にわたり均一なユニフォーム
配向が得られた。
【0304】
【表32】 30℃におけるコントラスト比:35
【0305】実施例6から明らかな様に、例示化合物3
−30を使用した液晶組成物6−BIは、相転移系列が
悪く、測定ができる配向状態にならなかった。
【0306】例示化合物4−10,4−85を使用した
液晶組成物6−BIIはユニフォーム性を示す配向性に
おいて、素子全面にわたって均一なユニフォーム配向を
示し、温度特性が4.53(f10/40)であるが、両方
の系を使用した液晶組成物6−BIIIは、素子全面に
わたって均一なユニフォーム配向を示し、温度特性も
4.20であり、適切なレベルにある。またコントラス
ト比も高く、それぞれの系を単独で使用した場合と比べ
て非常に良くなっていることがわかる。さらに、組成物
6−BIIIは、駆動マージンについても優れた特性を
示した。
【0307】〔実施例7〕実施例4で使用した例示化合
物に代えて、以下に示す例示化合物を以下に示す重量部
で混合し、実施例1と同様の方法で液晶組成物7−B
I,7−BII,7−BIIIをそれぞれ作製した。
【0308】
【化81】
【0309】この液晶組成物7−BI,7−BII,7
−BIIIの相転移温度および30℃における自発分極
の大きさ(Ps)とティルト角(Θ)を次に示す。
【0310】液晶組成物7−BI
【0311】
【化82】
【0312】液晶組成物7−BII
【0313】
【化83】
【0314】液晶組成物7−BIII
【0315】
【化84】
【0316】次に、この液晶組成物7−BI,7−BI
I,7−BIIIを用いた以外は全く実施例1と同様の
方法で液晶素子を作製し、実施例1と同様にユニフォー
ムを示す配向性および光学的な応答を測定した。さら
に、30℃におけるコントラスト比も測定した。結果を
次に示す。
【0317】液晶組成物7−BI ユニフォーム性を示す配向性(目視による顕微鏡観
察):液晶素子のほぼ全面にわたり、均一なユニフォー
ム配向が得られた。
【0318】
【表33】 30℃におけるコントラスト比:33
【0319】液晶組成物7−BII ユニフォーム性を示す配向性(目視による顕微鏡観
察):液晶素子のほぼ全面にわたり均一なユニフォーム
配向が得られた。
【0320】
【表34】 30℃におけるコントラスト比:29
【0321】液晶組成物7−BIII ユニフォーム性を示す配向性(目視による顕微鏡観
察):液晶素子のほぼ全面にわたり均一なユニフォーム
配向が得られた。
【0322】
【表35】 30℃におけるコントラスト比:37
【0323】実施例7から明らかな様に、ユニフォーム
性を示す配向性は、液晶組成物7−BI,7−BII,
7−BIIIを使用した液晶素子において全て均一なユ
ニフォーム配向を示したが、濃度特性は例示化合物3−
34,4−86をそれぞれ単独で使用した液晶組成物7
−BI,7−BIIが4.19,4.28(f10/40
であるのに対して、例示化合物3−34,4−86を両
方とも使用した液晶組成物7−BIIIは4.00とな
り、適切な温度特性を示していることがわかる。またコ
ントラスト比も単独で使用した場合に比べて両方を同時
に使用した方が良くなっていることがわかる。さらに、
組成物7−BIIIは駆動電圧マージンについても優れ
た特性を示す。
【0324】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明による特定の
素子構成条件において、特定の液晶性化合ぶつを含有す
る強誘電液晶組成物を用いた液晶素子は、良好なユニフ
ォーム配向を示しつつ、応答速度の温度依存性を軽減
し、高コントラストをバランスよく実現する。また、駆
動電圧マージンついても優れた物性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子の一例を示す、模式図であ
る。
【図2】C1及びC2配向を示す説明図である。
【図3】C1及びC2配向でのティルト角Θ、プレティ
ルト角α、層の傾斜角δの関係を示す説明図である。
【図4】図1の液晶素子に印加した駆動波形を示すため
のタイミングチャートである。
【図5】マトリクス電極を配置した液晶パネルの平面図
である。
【図6】本発明で用いた液晶表示装置とグラフィックコ
ントローラを示すブロック構成図である。
【図7】本発明で用いた液晶表示装置とグラフィックコ
ントローラとの間の画像情報通信タイミングチャート図
である。
【図8】本発明に関連する駆動法の波形図である。
【図9】図8に示す時系列駆動波形で実際の駆動を行な
ったときの表示パターンの模試区図である。
【図10】駆動電圧を変化させた時の透過率の変化を表
わす(V−T特性図)グラフである。
【符号の説明】
11a,11b ガラス基板 12a,12b 透明電極 13a,13b 絶縁性配向制御層(絶縁膜) 14a,14b 絶縁性配向制御層(配向制御膜) 15 液晶層 16 スペーサー 17a,17b 偏光版 21a,21b 基板 23 液晶分子 24 双極子モーメント(P⊥) 31a,31b 電圧印加手段 33a,33b 液晶分子の第一の安定状態、または、
第二の安定状態 34a,34b 双極子モーメント上向き、または、下
向きを示す 51 液晶パネル 52 走査電極群 53 情報電極群 101 液晶表示装置 102 グラフィックスコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動回路 105 情報線駆動回路 106 デコーダ 107 走査信号発生回路 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生回路 111 駆動制御回路 112 GPCU 113 ホストCPU 114 VRAM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺田 匡宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 山田 修嗣 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 片桐 一春 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−256231(JP,A) 特開 平6−41535(JP,A) 特開 平5−262678(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 19/42 C09K 19/34 C09K 19/46 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式1、及び一般式2で示される
    化合物を必須成分として含有する事を特徴とする液晶組
    成物。 一般式1 R1−A1−X1−A2−X2−A3−R2 (式中、R1、R2は、水素原子、ハロゲン、CN基 【化1】 または、炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状、または
    環状のアルキル基であり、該アルキル基中の1つ、もし
    くは2つ以上のメチレン基は、ヘテロ原子が隣接しない
    条件で−O−、−S−、−CO−、−CHW−、−CH
    =CH−、−C≡C−によって置き換えられていてもよ
    く、Wは、ハロゲン、CF3を示す。また、R1、R2
    それぞれ独立に、光学活性であっても良い。 【化2】 または、炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状のア
    ルキル基であり、該アルキル基中の1つ、もしくは2つ
    以上のメチレン基は、ヘテロ原子が隣接しない条件で−
    O−、−S−、−CO−、−CHW−、−CH=CH
    −、−C≡C−によって置き換えられていてもよく、W
    はハロゲン、CF3を示す。また、R3、R4それぞれ独
    立に光学活性であっても良い。Y1、Y2は、H、F、C
    l、Br、CH3、CF3またはCNを示し、Zは−O−
    または−S−を示す。ただし、A1、A2、A3の少なく
    とも1つは、 【化3】 一般式2 R5−A4−R6 【化4】 Lは、3〜16の整数であり、 R7は、炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状、または
    環状のアルキル基、(該アルキル基中の1つ、もしくは
    2つ以上のメチレン基は、ヘテロ原子が隣接しない条件
    で−O−、−S−、−CO−、−CHW−、−CH=C
    H−、−C≡C−によって置き換えられていてもよく、
    Wは、ハロゲン、CN、CF3を示す。)、 【化5】 4は、−A5−X5−A6−または−A5−A6−X5−A7
    −で示される。A5、A6、A7はそれぞれ独立に、 【化6】 (Y9、Y9'はそれぞれ、独立に、H、F、CH3、CF
    3のなかから選ばれる。)のなかから選ばれるが、A5
    6、A7の少なくとも1つは 【化7】 のいずれかである。 【化8】
  2. 【請求項2】 前記一般式1で示される化合物が、下記
    一般式3で示される化合物である請求項1記載の液晶組
    成物。 一般式3 R8−A8−A9−A10−R9 (ただし、式中、R8,R9は、炭素原子数1〜18の直
    鎖状、分岐状、または環状のアルキル基であり、該アル
    キル基中の1つ、もしくは、隣接しない2つ以上のメチ
    レン基は、ヘテロ原子が隣接しない条件で、−O−、−
    S−、−CO−、−CHW−、−CH=CH−、−C≡
    C−によって置き換えられていてもよく、Wは、ハロゲ
    ン、CF3基を示す。また、R8、R9はそれぞれ独立に
    光学活性であっても良い。A8、A9、A10は単結合、ま
    たは、 【化9】 8、A9、A10のうち、少なくとも1つは 【化10】
  3. 【請求項3】 前記一般式2で示される化合物が、下記
    一般式4で示される化合物である請求項1記載の液晶組
    成物。 一般式4 【化11】 (R11,R12は、水素原子、または、炭素原子数1〜1
    8の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基であり、
    該アルキル基中の1つ、もしくは、2つ以上のメチレン
    基は、ヘテロ原子が隣接しない条件で、−O−、−S
    −、−CO−、−CHW−、−CH=CH−、−C≡C
    −によって置き換えられていてもよく、Wは、ハロゲ
    ン、CN基、CF3基を示す。また、R11、R12は、そ
    れぞれ独立に光学活性であっても良い。ただし、R11
    12のいずれか一方は水素原子である。A11、A12、A
    13、A14は、単結合、 【化12】 ただし、A11、A14のいずれか一方は単結合であって、
    同時に単結合であることはなく、 A12、A13の少なくともいずれか一方は単結合である。
    n,mは、0、または3〜16の整数である。ただし、
    いずれか一方は0であって、同時に0であることはな
    い。 【化13】
  4. 【請求項4】 更に下記一般式(5)で示される化合物
    を20〜75重量%、一般式(6)で示される化合物を
    5〜25重量%、一般式(7)で示される化合物を5〜
    30重量%、一般式(8)で示される化合物を0.1〜
    30重量%含有してなる請求項1に記載の液晶組成物。 【化14】 (p、qは0、1、2であって、p+qは1又は2であ
    り、Y10は水素原子、またはフッ素原子を表し、R21
    22は炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状のアルキル
    基であり、該アルキル基中の一つもしくは二つ以上のメ
    チレン基は、ヘテロ原子が隣接しない条件で−O−、−
    S−、−CO−、−CHW−、−CH=CH−、−C≡
    C−に置き換えられていてもよく、Wはハロゲン原子、
    CN基、CF3基を示す。また、R21、R22は光学活性
    であってもよい。) 【化15】 (Y0は水素原子、またはフッ素原子を表し、Y11は水
    素原子、またはフッ素原子を表し、R23は炭素原子数1
    〜18の直鎖状、分岐状のアルキル基であり、R24は水
    素原子、ハロゲン原子、CN基、又は炭素原子数1〜1
    8の直鎖状、分岐状のアルキル基であり、R23、R24
    示す該アルキル基中の一つもしくは二つ以上のメチレン
    基は、ヘテロ原子が隣接しない条件で−O−、−S−、
    −CO−、−CHW−、−CH=CH−、−C≡C−に
    置き換えられていてもよく、Wはハロゲン原子、CN
    基、CF3基を示す。また、R23、R24は光学活性であ
    ってもよい。) 【化16】 (R25、R26は炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状の
    アルキル基であり、該アルキル基中の一つもしくは二つ
    以上のメチレン基は、ヘテロ原子が隣接しない条件で−
    O−、−S−、−CO−、−CHW−、−CH=CH
    −、−C≡C−に置き換えられていてもよく、Wはハロ
    ゲン原子、CN基、CF3基を示す。また、R25、R26
    は光学活性であってもよい。) 【化17】 (R27、R28は炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐状の
    アルキル基であり、該アルキル基中の一つもしくは二つ
    以上のメチレン基は、ヘテロ原子が隣接しない条件で−
    O−、−S−、−CO−、−CHW−、−CH=CH
    −、−C≡C−に置き換えられていてもよく、Wはハロ
    ゲン原子、CN基、CF3基を示す。また、R27、R28
    は光学活性であってもよい。)
  5. 【請求項5】 前記一般式(5)で示される化合物が、
    下記一般式(5−1)〜(5〜7)のいずれかで示され
    る化合物であり、前記一般式(6)で示される化合物
    が、下記一般式(6−1)〜(6−5)のいずれかで示
    される化合物であり、一般式(7)で示される化合物
    が、下記一般式(7−1)〜(7−9)のいずれかで示
    される化合物であり、一般式(8)で示される化合物
    が、下記一般式(8−1)〜(8−6)のいずれかで示
    される化合物である請求項4記載の液晶組成物。 【化18】 【化19】 【化20】 【化21】 (但し、式中R21〜R28及びY11は前記一般式(5)〜
    (8)で示したものと同じ。)
  6. 【請求項6】 少なくとも1種以上の光学活性化合物を
    含有する請求項1記載の液晶組成物。
  7. 【請求項7】 少なくともカイラルスメクティック相を
    呈する請求項1記載の液晶組成物。
  8. 【請求項8】 強誘電性を呈する請求項7記載の液晶組
    成物。
  9. 【請求項9】 等方性液体相より降温過程において、コ
    レステリック相、スメクティック相、カイラルスメクテ
    ィック相を示す液晶組成物である請求項7記載の液晶組
    成物。
  10. 【請求項10】 カイラルスメクティック相がカイラル
    スメクティックC相である請求項7記載の液晶組成物。
  11. 【請求項11】 前記一般式(1)、一般式(2)で示
    される化合物を各々、1〜40重量%含有してなる請求
    項1〜10記載の液晶組成物。
  12. 【請求項12】 前記一般式(1)、一般式(2)で示
    される化合物を各々、1〜30重量%含有してなる請求
    項1〜10記載の液晶組成物。
  13. 【請求項13】 前記一般式(1)、一般式(2)で示
    される化合物を各々、1〜20重量%含有してなる請求
    項1〜10記載の液晶組成物。
  14. 【請求項14】 カイラルスメクティックC相の層の傾
    斜角δが、0℃〜60℃の温度範囲で、3°以上15°
    以下に調整されている請求項10記載の液晶組成物。
  15. 【請求項15】 液晶と、該液晶を挟持して対向すると
    共に、該対向面に液晶に電圧を印加する電極が形成され
    た一対の基板とを具備する液晶素子であって、少なくと
    も一方の基板における対向面側に液晶の配向状態を制御
    するための配向制御層を有し、前記液晶が、請求項1〜
    14のいずれかに記載の液晶組成物であることを特徴と
    する液晶素子。
  16. 【請求項16】 前記液晶組成物が、カイラルスメクテ
    ィック液晶であり、素子のプレティルト角をα、液晶の
    ティルト角をΘ、液晶の層の傾斜角をδとした場合、該
    カイラルスメクティック液晶が、少なくとも室温近傍で
    下記(I)式、及び(II)式で表される配向状態を有
    し、且つ、この配向状態において、少なくとも二つの安
    定状態を示し、それらの光学軸のなす角度の1/2であ
    る、見かけのティルト角θaとティルト角Θとが、下記
    (III)式の関係を有する請求項15記載の液晶素
    子。 Θ<α+δ (I) δ<α (II) Θ>θa>Θ/2 (III)
  17. 【請求項17】 前記両基板の対向面にそれぞれ液晶の
    配向状態を制御するための配向制御層を有し、該配向制
    御層は、いずれも一軸配向処理がなされており、該一軸
    配向処理軸が実質的に平行である請求項15記載の液晶
    素子。
  18. 【請求項18】 両基板の対向面にそれぞれ液晶の配向
    状態を制御するための配向制御層を有し、該配向制御層
    はいずれも一軸配向処理がなされており、該一軸配向処
    理軸が所定の角度で交差した請求項15記載の液晶素
    子。
  19. 【請求項19】 前記一軸配向処理軸の交差角が25°
    以下である請求項18記載の液晶素子。
  20. 【請求項20】 前記プレティルト角αの大きさが、5
    °以上である請求項16記載の液晶素子。
  21. 【請求項21】 前記液晶を挟持した一対の基板が、液
    晶固有のらせん状の分子配列を解除する基板間距離にて
    対向している請求項16記載の液晶素子。
  22. 【請求項22】 請求項15に記載の液晶素子と、該液
    晶素子の駆動回路とを具備することを特徴とする液晶装
    置。
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