JP3227338B2 - 液晶組成物、これを用いた液晶素子、液晶装置、及び表示方法 - Google Patents

液晶組成物、これを用いた液晶素子、液晶装置、及び表示方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶組成物、特にカイ
ラルスメクチック相を示す液晶組成物、これを用いたフ
ラットパネルディスプレイ、プロジェクションディスプ
レイ、プリンタ等に用いられるライトバルブをはじめと
する液晶素子、並びにこれらを使用した液晶装置、表示
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、最も広範に用いられてきてい
るディスプレイとしてCRTが知られており、テレビや
VTRなどの動画出力、あるいはパソコンのモニターと
して広く用いられている。しかしながら、CRTはその
特性上、静止画像に対しては、フリッカや解像度不足に
よる走査縞等が視認性を低下させたり、焼きつきによる
蛍光体の劣化が起こったりする。また、最近ではCRT
が発生する電磁波が人体に悪影響を与えることが分か
り、VDT作業者の健康を害する恐れがある。そして、
構造上、画面後方に広く体積を有するため、オフィス、
家庭の省スペース化を阻害している。
【0003】このようなCRTの欠点を解決するものと
して液晶表示素子がある。例えばエム・シャット(M.
Schadt)とダブリュー・ヘルフリッヒ(W.He
lfrich)著”アプライド・フィジックス・レター
ズ”(Applied Physics Letter
s”)第18巻、第4号(1971年2月15日発行)
第127頁〜128頁において示されたツイステッド・
ネマチック(twisted nematic)液晶を
用いたものが知られている。
【0004】このTN液晶を用いた液晶素子の一つとし
てコスト面で優位性を持つ単純マトリクスタイプの液晶
素子がある。この液晶素子は画像密度を高くしたマトリ
クス電極構造を用いた時分割駆動の時、クロストークを
発生する問題点があるため、画素数が制限されていた。
また、応答速度が数十ミリ秒以上と遅いため、ディスプ
レイとしての用途も制限されていた。
【0005】近年このような単純マトリクスタイプの液
晶素子に対して、TFTといわれる液晶素子の開発が行
われている。このタイプは一つ一つの画素にトランジス
タを作成し、各画素での動作を制御するため、クロスト
ークや応答速度の問題は解決される反面、大面積になれ
ばなるほど、不良画素なく液晶素子を作成することが工
業的に非常に困難であり、また可能であっても多大なコ
ストが発生する。
【0006】このような従来型の液晶素子の欠点を改善
するものとして、双安定性をもつ液晶材料を用いた素子
の使用がクラーク(Clark)およびラガウェル(L
agerwall)により提案されている(特開昭56
−107216号公報、米国特許第4367924号明
細書)。この双安定性からなる液晶としては、一般にカ
イラルスメクチックC相またはカイラルスメクチックH
相からなる強誘電性液晶が用いられている。この強誘電
性液晶は、自発分極により反転スイッチングを行うた
め、非常に早い応答速度を示す上、メモリー性のある双
安定状態を発現させることができる。さらに視野角特性
も優れていることから、特に、高速、高精細、大面積の
表示素子あるいはライトバルブとして適していると考え
られる。また、最近では、チャンダニ、竹添らにより、
3つの安定状態を有するカイラルスメクチック反強誘電
液晶素子も提案されている(ジャパニーズ ジャーナル
オブ アプライド フィジックス(Japanese
Journal of Applied Physi
cs)27巻、1988年L729頁)。
【0007】このようなカイラルスメクチック液晶を用
いる素子においては、例えば「強誘電液晶の構造と物
性」(コロナ社、福田敦夫、竹添秀男著、1990年)
に記載されているように、ジグザグ状の配向欠陥が発生
してコントラストを低下させる場合があるという問題が
あった。この欠陥は、素子構成において、上下基板間に
担持されたカイラルスメクチック液晶の層状構造が2種
類のシェブロン状(山形状)の構造を形成していること
に起因していると考えられている。
【0008】この問題を解決する1つの方法として、プ
レチルト角を持たせることによりシェブロン構造を一方
向に揃え、更に液晶分子の上下基板間のねじれ状態を一
様な状態(ユニフォーム化)とする手法が知られてい
る。
【0009】最近では、液晶層の層構造に関して、低コ
ントラストの原因であるシェブロン構造を解消し、各層
の界面が大略平行に配列した本棚状の構造であるブック
シェルフといわれる層状構造(以下該構造をブックシェ
ルフと記す。)あるいはそれに近い構造を現出させ、高
コントラストを実現しようという動きがある(例えば
「次世代液晶ディスプレイと液晶材料」(株)シーエム
シー、福田敦夫編、1992年)。ブックシェルフ構造
を実現するには、ひとつには、特定構造のナフタレン系
液晶材料を用いる方法があるが、この場合、チルト角が
10度程度であり、理想的な最大の透過率を得られる2
2.5度とくらべ非常に小さく、低透過率という問題が
あり、さらにはブックシェルフ構造が温度に対して可逆
的に現出しないという問題もある。他の代表的な例とし
てシェブロン構造を取っている液晶素子に外部から電場
を加えてブックシェルフ構造を誘起する方法があるが、
この方法も温度等の外部刺激に対しての不安定性が問題
となっている。これらのブックシェルフ構造の液晶層を
発現する材料に関してはいまだ発見されたばかりであ
り、実用に供するためにはこの他にさまざまな問題が存
在する。
【0010】更に最近では、ブックシェルあるいはそれ
に近い層構造を呈する液晶材料として、パーフルオロエ
ーテル側鎖をもつ液晶性化合物(米国特許5,262,
082 W093/22396)、液晶組成物(199
3年第4回強誘電液晶国際会議P−46、Marc
D.Radcliffeら)等が提案されている。これ
らの液晶材料によれば、電場等の外部場を用いずともブ
ックシェルフあるいはそれに近い層傾き角の小さな構造
を現出することができ、更に最適はチルト角を示す。し
かしながら、上記液晶性化合物及び液晶組成物において
も、更に、より良好な配向状態を得ることが望まれてお
り、またブックシェルフ構造あるいはそれに近い層傾き
角の小さな構造が温度に対して不安定であるという問題
がある。チルト角が過度に大きく、透過率が不充分であ
るといった問題が生じている。
【0011】また、上記ブックシェルフ構造又はそれに
近い層傾きを持った液晶層をとる液晶性化合物は、コレ
ステリック相をとらないものが多く最終的に充分に良好
な配向状態を得ることができなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、
種々の形態をとる液晶素子において使用した際に、液晶
層が、充分に均一な配向状態を示し、特に前述したよう
なブックシェルフ構造あるいはそれに近い層傾き角の小
さい構造をとりその構造が温度に対して安定であり、高
コントラスト、高精細、高輝度であり、これらの性能が
大面積化した際にも十分に発現されるような、液晶組成
物を提供することである。
【0013】本発明の更なる課題は、上記液晶組成物を
用いて、高コントラスト、高精細、高輝度、大面積化が
実現された液晶素子、表示方法、並びに該液晶素子を用
いて優れた表示特性を示す表示装置をはじめとする液晶
装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の上記課
題は、(a)少なくとも1以上の鎖中エーテル酸素を含
むフルオロカーボン末端部分及び炭化水素末端部分を含
み、該両末端部分が中心核によって結合されており、ス
メクチック中間相または潜在的スメクチック中間相を持
つアキラルフッ素含有液晶性化合物のうち少なくとも1
種と、(b)中心部に置換または無置換の、炭素以外の
原子を含んでいてもよい脂肪族環、芳香族環、またはそ
れらが縮環した環構造、あるいはそれらの環構造が結合
基を介して結合しまたは直接結合した構造からなるコア
部を有し、該コア部の両端ないし一方の末端に、無置換
あるいはパーフルオロカーボン原子を有さない置換され
たアルキル基が、結合基を介して結合してなるまたは直
接結合してなる構造を有するアキラルな化合物一種以上
と、を必須成分として含有する第1の液晶組成物によっ
て解決される。
【0015】また、本発明の上記課題は、(c)フルオ
ロカーボン末端部分及び炭化水素末端部分を含み、該両
末端部分が中心核によって結合されており、スメクチッ
ク中間相または潜在的スメクチック中間相を持つアキラ
ルフッ素含有液晶性化合物の単一成分又は複数成分から
なる液晶と、(d)液晶(c)に対し、相溶限界を有す
る化合物を含有し、化合物(d)を前記相溶限界の20
%以上相溶限界未満添加してなる第2の液晶組成物によ
って解決される。
【0016】本発明の液晶組成物は、好ましくは適切な
カイラルドーパントを含み、カイラルスメクチック相を
呈する液晶組成物、より好ましくは強誘電性液晶組成物
であり、前記化合物(a)、及び前記化合物(b)の組
合せによって、あるいは液晶(c)及び化合物(d)の
組合せによって種々の形態の液晶素子において、より良
好な配向状態、液晶層の構造をはじめとする優れた性能
を実現する。
【0017】更に本発明によれば、上記液晶組成物を備
えた液晶素子、並びにこれを備えた液晶装置、及びこれ
を用いた表示方法が提供される。
【0018】以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】本発明の化合物(a)、及び(b)を含有
する第1の液晶組成物は、好ましくは電場等の外部場を
適用することなくブックシェルフ構造もしくはそれに近
い層傾き角の小さい構造の液晶層を形成することが可能
となる。しかしその一方で、更に均一な配向状態を得る
こと、並びに液晶層のブックシェルフ構造あるいはそれ
に近い層傾き角の小さな構造の温度に対する安定性をよ
り向上させることが可能となる。
【0020】即ち本発明では、側鎖にパーフルオロ部分
を有する液晶性化合物(a)に、パーフルオロカーボン
原子を特に持たない化合物(b)を配合した液晶組成物
とすることにより、高温での相、例えば等方相からSn
A相への転移点近傍のバドネ即ち、SmA相の島の形成
時における液晶層間隔の温度変化を穏やかにし、配向状
態を向上させている。
【0021】尚、本発明において、「パーフルオロカー
ボン原子を持たない基」とは基中にパーフルオロアルキ
ル基及びパーフルオロアルキレン基のいずれをも持たな
い基のことを示す。
【0022】本発明の第1の組成物において、化合物
(a)となる潜在的スメクチック中間相を持つ化合物と
はそれ自身スメクチック液晶相を示さないが、スメクチ
ック相を持つ化合物あるいは他の潜在的スメクチック中
間相を持つ化合物とのミックスチャー中でスメクチック
相を発現する化合物を言う。
【0023】尚、本発明の液晶組成物において、化合物
(a)は、それ自体が単独で液晶性を示すか否かについ
ては特に限定されず、最終的に液晶組成物中で液晶性と
して挙動するものであれば良い。
【0024】本発明で用いる化合物(a)におけるフル
オロカーボン末端部分は、好ましくは−D(Cx'
2x'+1O)zy2y+1で表わされ、(xは1から20
で、x′はそれぞれのCx'2x'+1Oグループに独立に
1から10で、yは1から10で、zは1から10であ
り、Dは単結合、
【0025】
【外30】 −OCr2r−、−O−(Cs2sO)t−Cr'2r'−、
−OSO2−、−SO2−、−SO2−Cr2r−、
【0026】
【外31】 rとr′はそれぞれ独立に1から20であり、sはそれ
ぞれのCs2sOグループに独立に1から10であり、
tは1から6であり、pは0から4である。)尚、これ
ら連結基bの結合方向は特に限定されないブックシェル
フ構造をとりやすいという観点で好ましくは−D(CX'
2X'+1O)zy2y+1である。
【0027】また、本発明に用いられる化合物(a)は
具体的には少なくとも2つ以上の環構造からなり、それ
ぞれの環構造は独立に、置換されていてもよい、芳香族
環、ヘテロ芳香族環、脂肪族環であり、それぞれの環構
造は単結合あるいは−COO−、=COS−、−HC=
N−、−COSe−から選ばれる。該環構造は縮環され
ていてもよい。ヘテロ芳香族環のヘテロ原子はすくなく
ともひとつであり、N、O、Sから選ばれる。脂肪族環
中の隣り合わないメチレングループはOまたはSで置き
換えられていてもよい。
【0028】本発明の化合物(a)は、より具体的には
下記一般式(I)で表わされる。
【0029】
【外32】 a,b,cはそれぞれ独立に0または1から3の整数を
表す。ただしa+b+cは少なくとも2である。
【0030】M、Nはそれぞれ独立に、−COO−,−
OCO−,−COS−,−SCO−,−COSe−,−
SeCO−,−COTe−,−TeCO−,−(CH2
CH2d −(dは1から4の整数を表わす)、−CH
=CH−,−C≡C−,−CH=N−,−N=CH−,
−CH2 −O−,−O−CH2 −,−CO−,−O−、
単結合を表す。
【0031】X,Y,Zは、B,D,Fにおける置換基
であり、それぞれ独立に−H,−Cl,−F,−Br,
−I,−OH,−OCH3 ,−CF3 ,−OCF3 ,−
CH3−CN,−NO2 を表し、l,m,nはそれぞれ
独立に0〜4の整数を表す。
【0032】Gは−COO−Ce2e−,−O−Ce
2e−,−O−(Cs2sO)t −Cs'2s'−,−Ce
2e−,−OSOO−,−OOSO−,−SOO−,−
SOOCe2e−,−Ce2e−N(Cp2p+1)−S
2 −,−Ce2e−N(Cp2p+1)−CO−(e,
e′はそれぞれ独立に1から20までの整数を表わし、
pは1から4までの整数を表しs,s′は各(Cs2s
O)に対して独立に1〜10の整数である。tは1〜6
の整数である。)を表す。
【0033】Aは、
【0034】
【外33】 −Cf2f−R′,−O−Cf2f−R′,−COO−
f2f−R′,−OCO−Cf2f−R′(R′は−
Cl,−F,−CF3 ,−NO2 ,−CN,H,−CO
O−Cf'2f' +1,−OCO−Cf'2f' +1,を表
し、f,f′gはそれぞれ独立に1から20の整数を表
し、wは1から10の整数を表す。)を表し、Aは直鎖
状基または分岐状基でも良い。
【0035】Rは−(Cx2xO)zy2y+1であ
り、xはそれぞれのCx2xOグループに独立に1から
10までの整数であり、yは1から10までの整数であ
り、zは1から10までの整数である。)
【0036】本発明の第1の液晶組成物における第一成
分である、化合物(a)として用いる前記一般式Iで表
される化合物は、パーフルオロエーテルを含む特定構造
の基Rを有する点で特徴的であり、上述したように、ブ
ックシェルフ構造あるいはそれに近い層傾き角の小さな
構造の液晶層をより安定して形成することが可能であ
る。
【0037】特に本発明では化合物(a)として一般式
I中のRが、 −(CX2X'O)zy2y+1 である化合物(zは好ましくは1〜6)がブックシェル
フ構造をとり易いという点で好ましく用いられ得る。
【0038】かかる液晶性化合物(a)は、米国特許
5,262,082及び国際公開W093/22936
に記載の方法によって合成することができる。化合物
(a)の具体例としては、以下に示す化合物I−1〜I
−20が挙げられる。
【0039】
【外34】
【0040】
【外35】
【0041】
【外36】
【0042】本発明の液晶組成物では、前記化合物
(a)として用いられる一般式(I)の化合物として、
下記式で表されるフェニルピリジン骨格を有する化合物
が特に好適である。かかるフェニルピリミジン骨格を有
する化合物を含む液晶組成物は、室温付近を含む広い温
度範囲でカイラルスメクチックC相を有し、更に粘性の
点で特に好ましい性能を示す。
【0043】
【外37】 (式中、n15は5〜10の整数であり、x′はそれぞ
れのCx′F2X'+1Oグループに独立に1〜30の整数で
あり、Z′は1〜3の整数であり、n′は0又は1であ
る。)
【0044】一方、本発明の第1の液晶組成物における
第二成分である、前記アキラルな化合物(b)は、パー
フルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基を含まな
い側鎖を有する点で特徴的であり、前述したように前記
化合物(a)との組合せにおいて、優れた配向改善効
果、層構造の温度履歴改善効果をもたらす。
【0045】上述した化合物(a)の特に一般式(I)
で表される化合物の層構造の温度履歴、即ち層構造の温
度に対する安定性については、層間隔がSA 相−Sc
転移点での大きさを越える温度で観察されることが知ら
れている(第16回液晶討論会、2K113)。これに
対し、本発明では、化合物(a)に、パーフルオロエー
テル側鎖を特に持たない化合物(b)を配合した液晶組
成物とすることにより、層傾き角δを同程度もしくはブ
ックシェルフ構造に近づけ、層間隔の増加を抑制し、層
構造の温度履歴が発生しない温度域を広げている。
【0046】かかる化合物(b)は好ましくはアキラル
な液晶性化合物であるが、それ自体単独で液晶性を示す
か否かは特に限定されず、最終的に組成物中でアキラル
な液晶化合物として挙動するものであればよい。
【0047】本発明の第1の液晶組成物では、化合物
(b)として、その構造において、該コア部の両端ない
し一方の末端に結合するアルキル基が、水素原子は置換
されておらず且つ分岐されていてもよいものであること
が好ましい。かかる構造の化合物(b)は、前述の配向
改善効果、層構造の温度履歴改善効果に加え、アルキル
基が置換されていないため、合成が容易であり、また特
に優れた安定性を示す。
【0048】前記液晶性化合物(b)としては、下記一
般式(II)で表される液晶性化合物に類似した構造で
ある、下記一般式(II)で表される液晶性化合物が好
ましい。
【0049】[一般式II] α1−β1−(γ1a −β2(γ2b −β3(γ3c −β4−α2 (α1 ,α2 はそれぞれ独立に炭素原子数1から20ま
での直鎖状または分岐状のアルキル基を表し、γ1 、γ
2 、γ3 はそれぞれ独立に無置換あるいは1個または2
個の置換基(F,Cl,Br,CH3 ,CF3 ,CN)
を有する1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイ
ル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピラジン−2,5−
ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、1,4−シクロ
ヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、
1,3−ジチアン−2,5−ジイル、チオフェン−2,
5−ジイル、チアゾール−2,5−ジイル、チアジアゾ
ール2,5−ジイル、ベンゾオキサゾール−2,6−ジ
イル、ベンゾチアゾール−2,5−ジイル、ベンゾチア
ゾール−2,6−ジイル、ベンゾフラン−2,5−ジイ
ル、ベンゾフラン−2,6−ジイル、キノキサリン−
2,6−ジイル、キノリン−2,6−ジイル、2,6−
ナフチレン、インダン−2,5−ジイル、2−アルキル
インダン−2,5−ジイル(アルキル基は炭素原子数1
から18の直鎖状、分岐状のアルキル基である。)イン
ダノン−2,6−ジイル、2−アルキルインダノン−
2,6−ジイル(アルキル基は炭素原子数1から18の
直鎖状、分岐状のアルキル基である。)クマラン−2,
5−ジイル、2−アルキルクマラン2,5−ジイル(ア
ルキル基は炭素原子数1から18の直鎖状、分岐状のア
ルキル基である。)から選ばれる。β1 、β2 、β3
β4 はそれぞれ独立に単結合、−COO−、−OCO
−、−COS−、−SCO−、CH2 O−、−OCH2
−、−CH2 CH2 −、−CH=CH−、−C≡C−を
表す。a′、b′、c′はそれぞれ独立に0または1か
ら3の整数を表す(ただし、a′+b′+c′は少なく
とも2である。)。
【0050】前記化合物(b)の配向改善効果、液晶層
の温度履歴改善効果に関して更に好ましい例としては、
以下に示す一般式(III)〜(XVI)のいずれかで
示される化合物が挙げられる。
【0051】
【外38】 (式中、A1 は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
アルキル基を表す。B1、B1'はそれぞれ独立に単結
合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。D1は直
鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基、−
(C24 O)n1−R1 を表す。n′は1〜5の整数で
あり、R1 は直鎖状または分岐状の炭素数1〜15のア
ルキル基を表す。a1 、b1 はそれぞれ独立に0、1、
2のいずれかであり、a1 +b1 は少なくとも1であ
る。)
【0052】上記一般式IIIで表されるピリミジン骨
格をコア部に有する化合物は例えばJ.Prakt.C
hem.317巻、617頁(1975年)に記載の方
法によって合成され得る。本発明に用いることのでき
る、前記一般式(III)の化合物の具体例を以下に示
す。
【0053】
【外39】
【0054】
【外40】
【0055】
【外41】
【0056】
【外42】
【0057】
【外43】
【0058】
【外44】
【0059】
【外45】 (式中、A2は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
アルキル基を表す。B2はそれぞれ独立に単結合、−O
−、−COO−、−OCO−を表す。D2は直鎖状また
は分岐状の炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
【0060】一般式IVで表されるピリミジルインダン
骨格をコア部に有する化合物は例えば特開平5−262
678号公報に記載されている方法によって製造され得
る。本発明中に用いられる一般式(IV)の化合物の具
体的な例を以下に列挙する。
【0061】
【外46】
【0062】
【外47】
【0063】
【外48】
【0064】
【外49】
【0065】
【外50】
【0066】
【外51】
【0067】
【外52】
【0068】
【外53】
【0069】
【外54】
【0070】
【外55】
【0071】
【外56】
【0072】
【外57】
【0073】
【外58】
【0074】
【外59】
【0075】
【外60】
【0076】
【外61】
【0077】
【外62】
【0078】
【外63】
【0079】
【外64】
【0080】
【外65】
【0081】
【外66】
【0082】
【外67】
【0083】
【外68】 (式中、A3は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
アルキル基を表す。B3、B3′、B3″はそれぞれ独立
に単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。D
3は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基
を表す。)
【0084】一般式Vで表される化合物は、例えば特開
平2−29984号公報に記載の方法によって製造され
得る。本発明で用いられ得る一般式(V)の化合物の具
体例を以下に列挙する。
【0085】
【外69】
【0086】
【外70】
【0087】
【外71】
【0088】
【外72】
【0089】
【外73】
【0090】
【外74】
【0091】
【外75】
【0092】
【外76】
【0093】
【外77】
【0094】
【外78】
【0095】
【外79】
【0096】
【外80】
【0097】
【外81】
【0098】
【外82】
【0099】
【外83】 (式中、A4は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
アルキル基を表す。B4、B4′、B4″はそれぞれ独立
に単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。D
4は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基
を表す。)
【0100】一般式VIで表される化合物は例えば特開
平4−128274号公報に記載された方法によって製
造され得る。本発明で用いられ得る一般式Vの化合物の
具体例を以下に列挙する。
【0101】
【外84】
【0102】
【外85】
【0103】
【外86】 (式中、A5は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
アルキル基を表す。B5、B5′、B5″はそれぞれ独立
に単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。D
5は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基
を表す。)
【0104】前記一般式VIIで表される化合物は、例
えば特願昭6−77749号公報明細書に記載の方法に
よって合成され得る。
【0105】本発明で用いられる一般式VIIの化合物
の具体例を以下に列挙する。
【0106】
【外87】
【0107】
【外88】
【0108】
【外89】
【0109】
【外90】 (式中、A6は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
アルキル基を表す。B6、B6′、B6″はそれぞれ独立
に単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。D
6は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基
を表す。)
【0110】前記一般式VIIIで表される化合物は、
例えば特願昭6−64904号公報明細書に記載の方法
によって合成され得る。
【0111】本発明で用いられる一般式VIIIの化合
物の具体例を以下に列挙する。
【0112】
【外91】
【0113】
【外92】
【0114】
【外93】
【0115】
【外94】
【0116】
【外95】
【0117】
【外96】 (式中、A7は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
アルキル基を表す。B7、B7′、B7″はそれぞれ独立
に単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。D
7は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基
を表す。E7は1,4−フェニレン、2,6−ナフチレ
ンを表す。)
【0118】一般式IXで表される化合物は、例えば特
開平4−211674号公報に記載されている方法によ
って製造され得る。本発明で用いる一般式IXの化合物
の具体例を以下に列挙する。
【0119】
【外97】
【0120】
【外98】
【0121】
【外99】
【0122】
【外100】
【0123】
【外101】
【0124】
【外102】
【0125】
【外103】
【0126】
【外104】
【0127】
【外105】
【0128】
【外106】
【0129】
【外107】
【0130】
【外108】
【0131】
【外109】 (式中、A8は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
アルキル基を表す。B8、B8′、B8″はそれぞれ独立
に単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。D
8は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基
を表す。a8は1または2である。)
【0132】一般式Xで表される化合物は、例えばNo
1.Cryst.Liq Cryse.22巻271頁
(1973年)に記載された方法によって製造され得
る。本発明で用いる一般式(X)の化合物の具体例を以
下に列挙する。
【0133】
【外110】
【0134】
【外111】
【0135】
【外112】
【0136】
【外113】 (式中、A9は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
アルキル基を表す。B9、B9′はそれぞれ独立に単結
合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−を表
す。D9は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアル
キル基を表す。X9は−Hまたは−Fを表す。)
【0137】一般式XIで表される化合物は例えば特開
平4−128274号公報に記載の方法によって製造さ
れ得る。本発明で用いる一般式XIの化合物の具体例を
以下に列挙する。
【0138】
【外114】
【0139】
【外115】
【0140】
【外116】
【0141】
【外117】
【0142】
【外118】
【0143】
【外119】
【0144】
【外120】
【0145】
【外121】
【0146】
【外122】
【0147】
【外123】
【0148】
【外124】
【0149】
【外125】
【0150】
【外126】
【0151】
【外127】
【0152】
【外128】
【0153】
【外129】
【0154】
【外130】
【0155】
【外131】 (式中、A10は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
アルキル基を表す。B10、B10′、B10″はそれぞれ独
立に単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。
10は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル
基を表す。)
【0156】一般式XIIで表される化合物は、例えば
特開平2−196785号公報に記載の方法によって製
造され得る。本発明で用いる一般式XIIの化合物の具
体例を以下に列挙する。
【0157】
【外132】
【0158】
【外133】
【0159】
【外134】 (式中、A11は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
アルキル基を表す。B11、B11′、B11″はそれぞれ独
立に単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。
11は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル
基を表す。X11は−Hまたは−Fを表す。)
【0160】一般式XIIIで表される化合物は、例え
ば特開平3−72466号公報に記載の方法によって製
造され得る。本発明で用いる一般式XIIIの化合物の
具体例を以下に列挙する。
【0161】
【外135】
【0162】
【外136】
【0163】
【外137】
【0164】
【外138】 (式中、A12は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
アルキル基を表す。B12、B12′はそれぞれ独立に単結
合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。D12はシ
アノ基表す。a12及びa12′はそれぞれ独立に1または
2である。)
【0165】一般式XIVで表される化合物は、例えば
Mol.Cryst.Liq.Cryst.37巻、2
49頁(1976年)に記載されている方法によって製
造され得る。本発明で用いる一般式XIVの化合物の具
体例を以下に列挙する。
【0166】
【外139】
【0167】
【外140】
【0168】
【外141】
【0169】
【外142】 (式中、A13は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
アルキル基を表す。B13、B13′はそれぞれ独立に単結
合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。D13は直
鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基を表
す。)
【0170】一般式XVで表される化合物は、例えば特
開平4−46176号公報に記載されている方法によっ
て製造され得る。本発明で用いる一般式XVの化合物の
具体例を以下に列挙する。
【0171】
【外143】
【0172】
【外144】
【0173】
【外145】
【0174】
【外146】
【0175】
【外147】 (式中、A14は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
アルキル基を表す。B14、B14′はそれぞれ独立に単結
合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。X14は−
Fを表す。n14は1〜5までの整数を表す。)
【0176】一般式XVIで表される化合物は、例えば
特願平4−299100号公報に記載の方法によって製
造され得る。本発明で用いる一般式XVIの化合物の具
体例を以下に列挙する。
【0177】
【外148】
【0178】
【外149】
【0179】
【外150】
【0180】
【外151】
【0181】
【外152】
【0182】
【外153】
【0183】
【外154】
【0184】
【外155】
【0185】
【外156】
【0186】
【外157】
【0187】
【外158】
【0188】
【外159】
【0189】
【外160】
【0190】本発明の第1の液晶組成物は、上記成分の
他、カイラルドーパントを配合し、スイッチングのトル
クとなる自発分極を付与して、好ましくは強誘電性を呈
すカイラルスメクチック液晶組成物となる。かかるカイ
ラルドーパンドには、双安定性を呈するカイラルスメク
チック液晶を備えた液晶素子に用いられ得るカイラル化
合物として知られたものを用いることができる。
【0191】本発明では、パーフルオロエーテル側鎖を
持つ化合物のみからなる液晶組成物、あるいはパーフル
オロエーテル側鎖を持つ化合物とカイラルドーパントを
含む液晶組成物に対して、液晶性化合物(b)として前
記一般式(III)ないし(XVI)のいずれかで表さ
れる液晶性化合物を配合することにより、良好な配向が
得られ、ブックシェルフ構造あるいはそれに近い層傾き
角の小さな構造の液晶層が温度に対して安定化して形成
され、さらには、メモリー角を適切な大きさにする等の
効果がある。また、このような効果が、ブックシェルフ
構造を損なわずにすなわち層傾き角δを同程度に保ちつ
つ、あるいはむしろ減少させさえして達成される。
【0192】本発明の第1の液晶組成物中に、化合物
(a)は、好ましくは一般式(I)で表される化合物は
1種または複数種用いられ、その組成は、好ましくは2
0重量%以上、より好ましくは30重量%以上、最も好
ましくは50重量%以上である。20重量%未満である
場合、ブックシェルフ構造の液晶層が安定して形成され
ない場合がある。
【0193】また、本発明の液晶組成物中に、化合物
(b)、好ましくは一般式(II)で表される化合物、
より好ましくは一般式(III)乃至(XVI)の化合
物は、1種または複数種用いられ、その組成は、種類に
よって異なるが、ごく微量から上限として50重量%が
望ましい。50重量%を越える組成の場合、化合物
(a)や他の成分との相溶性が低下する場合がある。
【0194】本発明の液晶組成物は、下記一般式I′で
表される液晶性化合物を含有してもよい。
【0195】[一般式I′] P′−Q′−A′−W′−B′−(T′−D′)n'−U′−V′ (A′,B′,D′はそれぞれ独立に芳香族環、複素芳
香族環、脂肪族環あるいはそれらの縮環構造を表わす。
それらの環は置換されていてもよい。Q′,W′,T′
は、それぞれ独立に単結合、−O−、−COO−、−O
CO−、−C≡C−、−CONR″、−NR″CO−、
−N′R″−、−CH2 −、−CH=N−、−N=CH
−、−CH=CH−、−COS−、−SCO−、−CH
2 CH2 −、−CH2 O−、−OCH2 −、を表す。
n′は0、1、2を表す。R″はアルキル基を表わす。
P′は置換されていてもよいアルキル基を表わす。U′
は−CO−Cm2m−、−O−Cm'2m' −、−Cm'
2m' −,−Cm'2m' −CO−、−Cm'2m' O−、−
OSO2 −、−SO2 O−、−Cm'2m' −SO2 −、
−SO2 −、−SO2 −Cm'2m' −を表わし、m′は
1から20までの整数を表わす。V′はCp2p+1を表
わし、p′は1から20の整数(好ましくは1〜15)
を表わす。)
【0196】一般式I′で表わされる液晶性化合物は、
パーフルオロアルキル側鎖を有する液晶性化合物であ
り、その具体例としては、特開平2−69443号公
報、特開平2−142753号公報、特開平4−136
49号公報、特開平4−26679号公報等に記載され
ている液晶性化合物が挙げられる。該化合物は、本発明
中に必須に用いられるパーフルオロエーテル側鎖を有す
る液晶性化合物(a)との相溶性が良く、転移温度等の
諸特性の制御を行うために好ましく用いられ得る。
【0197】以下に一般式I′で表わされるパーフルオ
ロアルキル側鎖を有する液晶性化合物の具体例を挙げ
る。
【0198】
【外161】
【0199】
【外162】
【0200】
【外163】
【0201】
【外164】
【0202】
【外165】
【0203】
【外166】
【0204】
【外167】
【0205】
【外168】
【0206】
【外169】
【0207】
【外170】
【0208】
【外171】
【0209】
【外172】
【0210】本発明の第2の組成物は、特定の成分を選
択することにより、前記第1の組成物と同様に好ましく
は電場等の外部場を適用することなく、ブックシェルフ
構造もしくはそれに近い層傾き角の小さい構造の液晶層
を形成することが可能である。特に第2の組成物では、
フルオロカーボン末端部部を有する、好ましくは、パー
フルオロアルキル基や、パーフルオロエーテル基を末端
部分(側鎖)に包む化合物(c)単一成分もしくは混合
系に対し、相溶性に関して上限のある化合物(d)を相
溶性が確保される範囲内で適量、即ち相溶限界の20%
以上相溶限界未満添加することにより、良好な配向状態
を得ようとするものである。
【0211】本発明において、相溶限界のある化合物と
は、ベースとなる液晶の使用下限温度、例えば−20℃
において、ベースとなる液晶を含む混合系中での相溶可
能な限度となる配合率が20wt%程度以下、詳しくは
10wt%以下である化合物のことをいう。
【0212】本発明の第2の組成物において、化合物
(c)としては、好ましくは前述したようにパーフルオ
ロアルキル基やパーフルオロエーテル基を末端に有する
化合物、具体的には、第1の組成物において化合物
(a)として適用した化合物、より好ましくは、一般式
(I)で表される化合物、更に好ましくは一般式(I)
で表される化合物であって、一般式I中のRが−(Cx
2xO)zy2y+1である化合物が適宜選択して用い
られる(具体例としてはI−1〜I−20)。
【0213】又、一般式I′で表される化合物、具体的
には化合物I′−1〜I′−83をも選択して適用する
ことができる。
【0214】一方、化合物(d)としては、第2の組成
物において化合物(d)として適用した一般式(I
I)、より好ましくは一般式(III)〜(XVI)の
いずれかで表される化合物の中から化合物(c)との相
溶性を考慮し適宜選択して用いられる。
【0215】尚、本発明の第1及び第2の液晶組成物に
は、必要に応じて前記以外の液晶性化合物、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、色素、顔料等の添加剤を配合しても
よい。
【0216】加えて、本発明によれば、相溶性に制限の
ある複数の液晶成分を配合し、液晶組成物の配向状態を
制御するという観点で、コレステリック相を持たない単
一成分または複数成分からなる液晶に対し、相溶限界を
有する化合物を、該相溶限界の20%以上、該相溶限界
未満添加してなる液晶組成物が提供される。
【0217】以下、上記組成物であって好ましくはカイ
ラルスメクチック相、特に強誘電性を示す組成物の配向
状態の改善メカニズムについて詳述する。
【0218】強誘電性液晶として双安定性が発現するの
は、SmC* 相(カイラルスメクチックC相)で、その
配向状態は液体相(アイソトロピック相)からの徐冷に
よって形成される。従って、アイソトロピック相とカイ
ラルスメクチック相間にある相系列が配向形成に大きな
影響を与える。熱力学的な安定性から相系列としては、 1)Iso−Ch−SmA−SmC* 2)Iso−−−−SmA−SmC* 3)Iso−Ch−−−−−SmC* 4)Iso−−−−−−−−SmC* の4通りが考えられる。ここで、Iso;液体相、C
h;コレステリック相、SmA;スメクチックA相であ
る。図1は、これら各相をモデル化して示したものであ
る。1)の相系列を有する液晶組成物は、Iso−Ch
転移において液晶分子の長軸方向秩序が形成され、Ch
−SmA転移において液晶分子の位置の秩序;層構造が
形成され、SmA−SmC* 転移によって液晶分子のチ
ルトが発現するという段階を経た配向形成のため均一配
向が得やすい。しかしながら、2、3、4)の相系列を
有する液晶組成物の場合、液晶分子の長軸方向秩序と層
形成が同時な(2)、層形成と液晶分子のチルトが同時
な(3)、液晶分子の長軸方向秩序と層形成、さらにチ
ルトが同時な(4)のように、複数の秩序化が同時のた
め均一配向が得にくいという問題がある。上記組成物
は、2)の相系列を有する液晶組成物の均一配向を実現
するものである。
【0219】本発明者らによる、2)の相系列を有する
液晶のIso−SmA転移過程を観察した結果を図2に
模式的に示す。同図のようにIso状態からスメクチッ
クA相への転移では、ほぼ楕円形のSmAの島(以後バ
トネと呼ぶ)が発生し、それが成長して接合することに
よって相転移が完了することが見出された。更に、配向
欠陥はそのバトネの成長方向がランダムであったり、バ
トネ間不接合により発生し、これに対しバトネ密度が高
いほどその配向欠陥が減少することも見出した。この理
由は明らかではないが、例えばバトネ密度が高い場合は
バトネ間のサイズの違いが小さくなり、バトネ内のスメ
クチック層間隔がほぼ等しいもの同士が接合できるた
め、バトネ間の接合が容易になり欠陥が形成されず均一
配向が達成されると考えられる。
【0220】そこで本発明は、バトネ密度を積極的に増
やすべく、母剤のコレステリック相を持たない液晶に対
して相溶限界を持つ化合物(e)を、相溶限界の20%
以上、相溶限界未満添加するものである。ここで化合物
(e)は、配向均一性を向上させしかも母剤の液晶の持
つ特性は悪化させない範囲で添加することが好ましい
が、配向均一性向上の効果が顕著となる添加下限があ
り、即ち相溶限界の20%以上という添加率が設定され
る。その化合物(e)の添加比率を小さくするために
は、化合物(e)は結晶性の高い化合物(融解のエンタ
ルピーが大きいこと)、もしくは、結晶相への転移温度
が母剤の液晶組成物より高温であるか、さらにはその両
性質を備えていることがより好ましい。このような状況
においても、化合物(e)の配合量は、前記相溶限界の
40%以上相溶限界未満とすると、実用上での配向均一
性向上の効果を得ることができる。
【0221】尚、本発明の第1の組成物における化合物
(a)、特に一般式(I)で表される液晶性化合物、又
は、第2の組成物における化合物(c)、特に一般式I
又は一般式I′で表される液晶性化合物は、実質的にコ
レステリック相をとならい液晶が多く、かかる液晶に対
して、上記処方を適用することで配向均一性、特にブッ
クシェルフ構造を安定して発現し配向状態の均一化がな
された液晶組成物が得られる。換言すれば、本発明の第
1の組成物及び第2の組成物は、実質的に上記処方を採
用して、均一な配向状態を達成し得る。
【0222】上記処方になる液晶組成物において、コレ
ステリック相をとらない液晶成分(母剤)としては、好
ましくは前述した一般式Iで表されるパーフルオロエー
テル部分を有する化合物、及び一般式I′で表されるパ
ーフルオロアルキル部分を有する化合物の中から相転移
を考慮して適宜選択して適用され得る。
【0223】また、一般式IないしI′で表される化合
物以外には、例えば下記化合物も適用され得る。
【0224】
【外173】
【0225】これに対し、母剤に対して相溶限界を有す
る化合物(e)としても本発明の第1及び第2の組成物
で用いた化合物(b)、好ましくは一般式(II)、よ
り好ましくは一般式(III)ないし(XVI)で表さ
れる化合物から、相溶性を考慮して選択して用いられ
る。
【0226】上記処方では、化合物(e)、即ち、前記
コレステリック相を持たない母剤に対し、核剤として添
加する化合物として、前述したように結晶性の高い化合
物、即ち融解のエンタルピーが大きい化合物を好ましく
用いることができる。具体的には、融解のエンタルピー
ΔHが25J/g以上の化合物を好ましく用いることが
できる。
【0227】また、化合物(e)として、結晶相または
液晶相への相転移温度が母剤であるコレステリック相を
持たない単一成分または複数成分からなる液晶への相転
移温度(アイソトロピック−スメクチックA相転移温
度)より高いものが、化合物(e)の配向均一性向上の
効果をより高める点で好ましい。
【0228】このような観点で、化合物(e)としてよ
り好ましいものを以下に列挙する。
【0229】
【外174】
【0230】以下、図1を参照して、本発明の液晶素子
の一例を説明する。
【0231】1がカイラルスメクチック液晶組成物から
なる液晶層であり、通常、双安定性を発現させるため、
5μm以下が好ましい。2が基板(一対)であり、ガラ
ス、プラスチック等が用いられシリカビーズ等のスペー
サーを介して一定間隔をおいて配置されている。3がI
TO等の透明電極である。4が配向制御層であり、少な
くとも一方の基板上に配向制御層が必要である。該配向
制御層は、例えば基板上に溶液塗工または蒸着あるいは
スパッタリング等により一酸化けい素、二酸化けい素、
酸化アルミニウム、ジルコニア、フッ化マグネシウム、
酸化セリウム、フッ化セリウム、シリコンチッ化物、シ
リコン炭化物、ホウ素チッ化物などの無機物やポリビニ
ルアルコール、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリエ
ステル、ポリアミド、ポリエステルイミド、ポリパラキ
シレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポ
リビニルクロライド、ポリスチレン、セルロース樹脂、
メラミン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂などの有機物
を用いて被膜形成したのち、表面をビロード、布あるい
は紙等の繊維状のもので摺擦(ラビング)することによ
り得られる。また、SiO等の酸化物あるいはチッ化物
などを基板の斜め方向から蒸着する、斜方蒸着法などに
より形成され得る。
【0232】本発明では、配向制御層4には、容易に形
成されやすく、配向制御能力が高いとの面でポリアミッ
ク酸溶液を塗布、焼成して形成されるポリイミドの一軸
配向処理膜、特にラビング処理膜が好ましく用いられ
る。用いられるポリイミドとしては本発明のカイラルス
メクチック液晶組成物を配向させやすい分子構造とし
て、剛直性、直線性、結晶性の高いものが好ましく具体
的には、以下の一般式XVIIで表される繰り返し単位
構造を有するポリイミドが好ましく用いられる。
【0233】
【外175】 (式中R21
【0234】
【外176】 を表し、L21、L22はそれぞれ独立に1,4−フェニレ
ン、2,6−ナフチレンを表し、R22は単結合または−
O−、aは0、1、2を表す。)
【0235】
【外177】 式中、R31は1,4−フェニレンまたは炭素数1〜20
のアルキレン基を表し、L31、L32は夫々独立に
【0236】
【外178】 または炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R32、R
34はアミド結合を表し、R33は単結合または−0−を表
しbは0、1、2のいずれかを表す。
【0237】上記液晶素子において、配向制御層として
好ましく用いることのできる一般式XVIIのポリイミ
ド(繰り返し単位)及び一般式XVIIIのポリアミド
(繰り返し単位)の具体例を以下に列挙する。
【0238】
【外179】
【0239】
【外180】
【0240】
【外181】
【0241】また、上記配向制御層とは別に上下基板の
ショート防止層として絶縁層や他の有機物層、有機物層
が形成されていてもよい。5はシール材、6がリート
線、7が信号電源、8が偏光板、9が光源である。7か
らのスイッチング信号に応じてスイッチングが行われ、
表示素子等のライトバルブとして機能する。また、3の
透明電極を上下クロスにマトリクスとすれば、パターン
表示、パターン露光が可能となり、例えばパーソナルコ
ンピューター、ワードプロセッサー等のディスプレイ、
プリンター用ライトバルブとして用いられる。
【0242】尚、本発明の液晶素子は、前記必須成分を
含有する液晶組成物を用い、該組成物を制御して所定の
機能を付与したものであれば、その構造は特に限定され
ない。
【0243】本発明の液晶素子は種々の機能を持った液
晶装置を構成するが、その一例として該素子を表示パネ
ル部に使用し、図4、図5に示した走査線アドレス情報
をもつ画像情報なるデータフォーマット及びSYN信号
による通信同期手段を取ることにより液晶組成物を自在
に制御して表示画像を得る液晶表示装置を実現する。図
中の符号はそれぞれ以下のとおりである。 101 液晶表示装置 102 グラフィックコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動装置 105 情報線駆動装置 106 デコーダ 107 操作信号発生装置 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生装置 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM
【0244】画像情報の発生は、本体装置側のグラフィ
ックコントローラ102にて行われ、図4及び図5に示
した信号転送手段にしたがって、表示パネル103へと
転送される。グラフィックコントローラ102は、CP
U(中央演算処理装置、GCPUと略す。)及びVRA
M(画像情報格納用メモリ)114を核にホストCPU
113と液晶表示装置101間の画像情報の管理や通信
をつかさどっている。なお、該表示パネルの裏面には、
光源が配置されている。
【0245】本発明の液晶装置の一例である表示装置で
は、表示媒体である液晶組成物がカイラルスメクチック
相を示し、ブックシェルフ、またはそれに近い層傾き角
の小さな構造の液晶層となり、特にその配向状態もより
良好となり、応答性がよく、高精細、高輝度、コントラ
ストに優れた、大面積での表示画像を得ることができ
る。
【0246】
【実施例】以下、本発明を実施例に沿って詳細に説明す
る。
【0247】以下、実施例1〜14、参考例1で使用す
る化合物の構造及び相転移を記す。
【0248】
【外182】
【0249】上記化合物、及び後述する化合物を所定の
組成で配合して組成物を調製し、液晶セル間に配慮して
その特性(層傾き角δ、コントラスト、メモリー角)を
評価した。
【0250】用いた液晶セルはITO付きガラス基板に
ポリイミド前駆体のNMP/nBC=2/1溶液をスピ
ンコート、焼成したのち、ナイロンの布でラビング処理
を施した基板とITO付きガラス基板にシランカップリ
ング剤(オクタデシルトリエトキシシラン)をスピンコ
ートし、焼成した基板をシリカビーズスペーサーを散布
し、ギャップを形成し張り合せた1.8μm厚のもので
ある。
【0251】各特性の評価は以下の通り行った。層傾き
角δの測定はJpn.J.Appl.Phys.27
L725(1988)に記載されている方法に準拠して
行なった。
【0252】コントラストは偏光顕微鏡を用いて、フォ
トマルチプライヤーにより、最暗光軸にステージを固定
し、白状態の出力を黒状態の出力で除した値である。メ
モリー状態でのコントラストとはスイッチング信号を切
った状態での白黒コントラストであり、駆動状態でのコ
ントラストとはスイッチング前(黒)と後(白)のコン
トラストである。用いたスイッチング信号を図5に記し
た。
【0253】メモリー角は電界を印加しない状態での2
つの安定状態間の角度であり、測定は偏光顕微鏡下、そ
れぞれの安定状態での最暗位置の角度差を2で除したも
のである。
【0254】尚、用いた配向制御層の材料であるポリイ
ミドの繰り返し単位を以下に示す。
【0255】
【外183】
【0256】液晶組成物の組成及び各評価について以下
に記す。
【0257】実施例1(一般式IIIの化合物を配合し
た組成物を使用)
【0258】
【外184】
【0259】
【表1】 ※本実施例の第4の組成物(No.4)の25℃でのメ
モリー角は21°であった。
【0260】本実施例中の組成物全てについて、一度1
0℃に冷却した後コントラストを測定したところ、変化
は観察されなかった。
【0261】また、本実施例中の全ての組成物における
層間隔の温度変化は0.5Å/10Å以下であった。
【0262】実施例2(一般式VIの化合物を配合した
組成物を使用)
【0263】
【外185】
【0264】
【表2】 ※本実施例の第2の組成物(No.2)の25℃でのメ
モリー角は20°であった。
【0265】本実施例中の組成物全てについて、一度1
0℃に冷却した後コントラストを測定したところ、変化
は観察されなかった。
【0266】また、本実施例中の全ての組成物における
層間隔の温度変化は0.5Å/10Å以下であった。
【0267】実施例3(一般式Vの化合物を配合した組
成物を使用)
【0268】
【外186】
【0269】
【表3】 ※本実施例の第2の組成物(No.2)の25℃でのメ
モリー角は22°であった。
【0270】本実施例中の組成物全てについて、一度1
0℃に冷却した後コントラストを測定したところ、変化
は観察されなかった。
【0271】また、本実施例中の全ての組成物における
層間隔の温度変化は0.5Å/10Å以下であった。
【0272】実施例4(一般式VIの化合物を配合した
組成物を使用)
【0273】
【外187】
【0274】
【表4】 ※本実施例の組成物の25℃でのメモリー角は23°で
あった。
【0275】本実施例中の組成物全てについて、一度1
0℃に冷却した後コントラストを測定したところ、変化
は観察されなかった。
【0276】また、本実施例中の全ての組成物における
層間隔の温度変化は0.5Å/10Å以下であった。
【0277】実施例5(一般式VIIの化合物を配合し
た組成物を使用)
【0278】
【外188】
【0279】
【表5】 ※本実施例の第2の組成物(No.2)の25℃でのメ
モリー角は17°であった。
【0280】本実施例中の組成物全てについて、一度1
0℃に冷却した後コントラストを測定したところ、変化
は観察されなかった。
【0281】また、本実施例中の全ての組成物における
層間隔の温度変化は0.5Å/10Å以下であった。
【0282】実施例6(一般式VIIIの化合物を配合
した組成物を使用)
【0283】
【外189】
【0284】
【表6】 ※本実施例の組成物の25℃でのメモリー角は19°で
あった。
【0285】本実施例中の組成物全てについて、一度1
0℃に冷却した後コントラストを測定したところ、変化
は観察されなかった。
【0286】また、本実施例中の全ての組成物における
層間隔の温度変化は0.5Å/10Å以下であった。
【0287】実施例7(一般式IXの化合物を配合した
組成物を使用)
【0288】
【外190】
【0289】
【表7】 ※本実施例の組成物の25℃でのメモリー角は19°で
あった。
【0290】本実施例中の組成物全てについて、一度1
0℃に冷却した後コントラストを測定したところ、変化
は観察されなかった。
【0291】また、本実施例中の全ての組成物における
層間隔の温度変化は0.5Å/10Å以下であった。
【0292】実施例8(一般式Xの化合物を配合した組
成物を使用)
【0293】
【外191】
【0294】
【表8】 ※本実施例の組成物の25℃でのメモリー角は19°で
あった。
【0295】本実施例中の組成物全てについて、一度1
0℃に冷却した後コントラストを測定したところ、変化
は観察されなかった。
【0296】また、本実施例中の全ての組成物における
層間隔の温度変化は0.5Å/10Å以下であった。
【0297】実施例9(一般式XIの化合物を配合した
組成物を使用)
【0298】
【外192】
【0299】
【表9】 ※本実施例の第2の組成物(No.2)の25℃でのメ
モリー角は21°であった。
【0300】本実施例中の組成物全てについて、一度1
0℃に冷却した後コントラストを測定したところ、変化
は観察されなかった。
【0301】また、本実施例中の全ての組成物における
層間隔の温度変化は0.5Å/10Å以下であった。
【0302】実施例10(一般式XIIの化合物を配合
した組成物を使用)
【0303】
【外193】
【0304】
【表10】 ※本実施例の第2の組成物(No.2)の25℃でのメ
モリー角は18°であった。
【0305】本実施例中の組成物全てについて、一度1
0℃に冷却した後コントラストを測定したところ、変化
は観察されなかった。
【0306】また、本実施例中の全ての組成物における
層間隔の温度変化は0.5Å/10Å以下であった。
【0307】実施例11(一般式XIIIの化合物を配
合した組成物を使用)
【0308】
【外194】
【0309】
【表11】 ※本実施例の組成物の25℃でのメモリー角は18°で
あった。
【0310】本実施例中の組成物全てについて、一度1
0℃に冷却した後コントラストを測定したところ、変化
は観察されなかった。
【0311】また、本実施例中の全ての組成物における
層間隔の温度変化は0.5Å/10Å以下であった。
【0312】実施例12(一般式XIVの化合物を配合
した組成物を使用)
【0313】
【外195】
【0314】
【表12】 ※本実施例の組成物の25℃でのメモリー角は19°で
あった。
【0315】本実施例中の組成物全てについて、一度1
0℃に冷却した後コントラストを測定したところ、変化
は観察されなかった。
【0316】また、本実施例中の全ての組成物における
層間隔の温度変化は0.5Å/10Å以下であった。
【0317】実施例13(一般式XVの化合物を配合し
た組成物を使用)
【0318】
【外196】
【0319】
【表13】 ※本実施例の組成物の25℃でのメモリー角は22°で
あった。本実施例中の組成物全てについて、一度10℃
に冷却した後コントラストを測定したところ、変化は観
察されなかった。
【0320】また、本実施例中の全ての組成物における
層間隔の温度変化は0.5Å/10Å以下であった。
【0321】実施例14(一般式XVIの化合物を配合
した組成物を使用)
【0322】
【外197】
【0323】
【表14】 ※本実施例の第1の組成物(No.1)の25℃でのメ
モリー角は17°であった。
【0324】本実施例中の組成物全てについて、一度1
0℃に冷却した後コントラストを測定したところ、変化
は観察されなかった。
【0325】また、本実施例中の全ての組成物における
層間隔の温度変化は0.5Å/10Å以下であった。
【0326】(参考例1)
【0327】
【表15】
【0328】参考例1の第2の組成物(No.2)は2
0℃に一旦した後30℃に昇温し、再度駆動状態でのコ
ントラストを測定したところ14となり、一旦10℃に
した後では5となり、大幅にコントラストが減少した。
【0329】また、参考例1の第1の組成物(No.
1)の25℃でのメモリー角は28°であった。本参考
例第2の組成物のSA相における層間隔の温度変化は
0.52Å/10Åであった。
【0330】実施例15 下記の繰り返し単位構造からなるポリイミドを、実施例
1から14までに用いたセル中で使用したポリイミドの
かわりに配向制御層として用いて同様にセルを作成し
た。即ち、配向制御層として下記ポリイミドP1〜P2
のいずれかを用いたセルに、実施例1から14のそれぞ
れ第1のカイラルスメクチック液晶組成物(No.1)
を注入し、配向状態を観察した結果、下記のすべてのポ
リイミドを用いた場合において極めて良好な配向が得ら
れた。
【0331】
【外198】
【0332】(実施例16〜19、参考例2〜5)実施
例16〜19及び参考例2〜5で用いた液晶性化合物を
以下の表に示す。
【0333】
【表16】
【0334】実施例16〜19及び参考例2〜5に使用
する液晶のセルを以下の如く作製した。
【0335】ガラス基板(2枚使用)の厚さは1.1m
mであり透明電極として約150nm厚のITO膜を形
成し、更にスピンコート法により配向制御膜を形成し
た。
【0336】2枚の基板の夫々には、異なる条件で膜形
成を行った。即ち、一方の基板については、2700r
pmの速度で回転しているガラス基板に溶液(ポリイミ
ド前駆体NMP/nBC=2/1の0.7重量%溶液)
を垂らし、そのまま20秒回転させた。その後、80℃
で5分間前乾燥を行った後、270℃で1時間加熱熱焼
成処理を施した。なお、かかる方法により形成した配向
制御膜の膜厚は5nmであった。配向処理としてナイロ
ン布によるラビング法を施した。他方の基板2について
は、2000rpmの速度で回転しているガラス基板に
溶液(シランカップリング剤;ODS−Eのエタノール
の0.5重量%溶液)を垂らし、そのまま20秒回転さ
せた。その後、80℃で5分間前乾燥を行った後、18
0℃で1時間加熱乾燥処理を施した。
【0337】ポリイミド前駆体から得られたポリイミド
(繰り返し単位)の構造を以下に示す。
【0338】
【外199】
【0339】続いて、配向処理を施したガラス基板上に
スペーサとして平均粒径2.0μmのシリカビーズを散
布し、他方のガラス基板を重ね合せてセルを作製した。
【0340】このセルに、下記表の組成物処方により、
混合液晶1、2、3、4、5、6、7、8を調製した。
これらの混合液晶は、いずれもコレステリック相を持た
ず、Iso−SmA転移温度(Tiso)は70℃〜8
0℃の範囲内にあったが、これらのうち混合液晶の3と
7は析出が見られ相溶性が不十分であったが、その他の
液晶には、析出は見られなかった。混合液晶1、2、
4、5、6、8を上記セルに等方相下で真空注入してか
ら4℃/minで室温まで徐冷することによって配向さ
せ液晶素子を得た。
【0341】以上のようにして作製した液晶素子につい
てコントラストを測定した。
【0342】かかるコントラストの評価結果を下記表に
併記する。この結果よりコレステリック相を持たない液
晶に対し、相溶限界を持つ化合物の添加によって、また
相転移温度が高く、融解のエンタルピーが大きな化合物
の添加によっても配向が改善され、コントラストが高く
なることが判る。
【0343】ここで本発明で配向性評価の手法として行
ったコントラストの測定法を説明する。
【0344】まずクロスニコルに配置された偏向板間に
素子をサンドイッチし、図7(A)に示す駆動波形(2
0V、1/3バイアス、1000デューティーのパルス
を印加する。次にパルス幅を変化させ、双安定反転のし
きい値のパルス幅において駆動時の最暗透過光強度が得
られる角度に素子を回転し、その時の透過光強度を図7
(B)のようにIb、その配置において液晶分子が反転
したときの透過光強度Iwをホトダイレクタで検出し、
その比をコントラストの評価値とした(CR=Iw/I
b)。均一配向が得られていないときには、欠陥からの
光り漏れによりIb値が大きくなりCR値は小さくな
る。
【0345】
【表17】
【0346】(実施例20、参考例6)実施例5及び比
較例5に使用する液晶セルを以下の如く作製した。
【0347】本実施例に用いたガラス基板(2枚使用)
の厚さは1.1mmであり、透明電極として約150n
m厚のITO膜を形成し、更にスピンコート法により配
向制御膜を形成した。本実施例、比較例では2枚の基板
に同様の処理を行った。即ち、2700rpmの速度で
回転しているガラス基板に溶液(東レ社製のLP64の
NMP/nBC=2/1の0.7重量%溶液)を垂ら
し、そのまま20秒回転させた。その後80℃で5分間
前乾燥を行った後、270℃で1時間加熱熱焼成処理を
施した。尚、かかる方法により形成した配向制御膜の膜
厚は5nmであった。配向処理としてナイロン布による
ラビング法を施した。この基板上にスペーサとして平均
粒径2.0μmのシリカビーズを散布し、2枚のガラス
基板をラビング方向が平行になるように重ね合せてセル
を作製した。
【0348】得られたセルに混合液晶4、6を等方相下
で真空注入してから4℃/micで室温まで徐冷するこ
とによって配向させ液晶素子を得た。
【0349】以上のようにして作製した液晶素子のコン
トラストを前述した方法により測定した結果混合液晶4
(参考例6)は15で、6(実施例20)は65であっ
た。この結果より、コレステリック相を持たない液晶に
対し相溶限界を持つ化合物を添加することによって、コ
ントラストが高くなることが判った。
【0350】(実施例21)本実施例に用いたガラス基
板(2枚使用)の厚さは1.1mmであり、透明電極と
して約150nm厚のITO膜を形成し、スピンコート
法により配向制御膜を形成した。2枚の基板の夫々には
異なる条件で膜形成処理を行った。即ち、一方の基板に
ついては下記構造式の繰り返し単位を有するポリイミド
膜を5nm形成し、ナイロン布でラビング処理を施し
た。
【0351】
【外200】
【0352】他方の基板については2000rpmの速
度で回転しているガラス基板に溶液(シランカップリン
グ剤;ODS−Eのエタノールの0.5重量%溶液)を
垂らしそのまま20秒回転させた。その後80℃で5分
間乾燥を行った後、180℃で1時間加熱乾燥処理を施
した。さらに、配向処理を施したガラス基板状にスペー
サとして平均粒径2.0μmのシリカビーズを散布し、
2枚のガラス基板を重ね合せてセルを作製した。
【0353】このセルに下記化合物E、F、Gを94:
1:4の比で処方した混合液晶を等方相下で真空注入し
てから4℃/minで室温まで除冷することによって配
向させて液晶素子を得た。
【0354】以上のようにして作製した液晶素子につい
ては、液晶配向性は良好であった。
【0355】
【外201】
【0356】(実施例22)配向制御膜に用いるポリイ
ミドとして、下記構造式の繰り返し単位を有するものを
採用することを除いて、実施例21と同様に液晶素子を
作製したところ、液晶の配向性は極めて良好であった。
【0357】
【外202】
【0358】(実施例23)配向制御膜に用いるポリイ
ミドとして、下記構造式の繰り返し単位を有するものを
採用することを除いて、実施例21と同様に液晶素子を
採用したところ、液晶の配向性は極めて良好であった。
【0359】
【外203】
【0360】(実施例24)配向制御膜に用いるポリイ
ミドとして、下記構造式の繰り返し単位を有するものを
採用することを除いて、実施例21と同様に液晶素子を
採用したところ、液晶の配向生は極めて良好であった。
【0361】
【外204】
【0362】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ブックシェルフ構造あるいはそれに近い層傾きの小さな
構造の液晶層を安定してとり、且つ優れた配向状態、例
えば温度変化に対しても安定したブックシェルフ配向状
態をとり、高コントラストであり、高速応答性に優れ、
特に表示に関しては高精細、高輝度の液晶素子を実現す
る液晶組成物が提供される。
【0363】更に、本発明によれば、上記液晶組成物を
用いて優れた性能を持つ液晶素子、表示方法、並びに該
液晶素子を用いた液晶装置、特に大面積化が実現され優
れた表示特性を有する表示装置が提供され、その工業的
価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶の各相における液晶分子の状態を示す説明
図。
【図2】コレステリック相をとらない液晶の相転移過程
を模式的に示す図。
【図3】本発明の液晶素子の構造の一例を示す断面図。
【図4】本発明の液晶組成物を用いた液晶素子を備えた
表示装置とグラフィックコントローラを示すブロック
図。
【図5】表示装置とグラフィックコントローラとの間の
画像情報通信タイミングチャートを示す図。
【図6】本発明の実施例で採用した駆動条件におけるス
イッチング信号を示す図。
【図7】(A)本発明の実施例において、コントラスト
測定に採用した駆動波形を示す図。 (B)本発明の実施例において、コントラスト測定で検
出される透過光強度を示す図。
【符号の説明】
1 液晶層 2 基板 3 透明電極 4 配向制御層 5 シール材 6 リード線 7 電源 8 偏光板 9 光源 101 液晶表示装置 102 グラフィックコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動装置 105 情報線駆動装置 106 デコーダ 107 操作信号発生装置 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生装置 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北山 宏之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中村 真一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 米国特許5262082(US,A) 国際公開93/22396(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 19/42 - 19/46 C09K 19/12 - 19/34

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)少なくとも1以上の鎖中エーテル
    酸素を含むフルオロカーボン末端部分及び炭化水素末端
    部分を含み、該両末端部分が中心核によって結合されて
    おり、スメクチック中間相または潜在的スメクチック中
    間相を持つアキラルフッ素含有液晶性化合物のうち少な
    くとも1種と、 (b)中心部に置換または無置換の、炭素以外の原子を
    含んでいてもよい脂肪族環、芳香族環、またはそれらが
    縮環した環構造、あるいはそれらの環構造が結合基を介
    して結合しまたは直接結合した構造からなるコア部を有
    し、該コア部の両端ないし一方の末端に、無置換あるい
    はパーフルオロカーボン原子を有さない置換されたアル
    キル基が、結合基を介して結合してなるまたは直接結合
    してなる構造を有するアキラルな化合物一種以上と、 を必須成分として含有する液晶組成物であって、前記化
    合物(b)が、下記一般式IVで表される液晶性化合物
    であることを特徴とする液晶組成物。 【外1】 (式中、A2は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
    アルキル基を表す。B2はそれぞれ独立に単結合、−O
    −、−COO−、−OCO−を表す。D2は直鎖状また
    は分岐状の炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】 (a)少なくとも1以上の鎖中エーテル
    酸素を含むフルオロカーボン末端部分及び炭化水素末端
    部分を含み、該両末端部分が中心核によって結合されて
    おり、スメクチック中間相または潜在的スメクチック中
    間相を持つアキラルフッ素含有液晶性化合物のうち少な
    くとも1種と、 (b)中心部に置換または無置換の、炭素以外の原子を
    含んでいてもよい脂肪族環、芳香族環、またはそれらが
    縮環した環構造、あるいはそれらの環構造が結合基を介
    して結合しまたは直接結合した構造からなるコア部を有
    し、該コア部の両端ないし一方の末端に、無置換あるい
    はパーフルオロカーボン原子を有さない置換されたアル
    キル基が、結合基を介して結合してなるまたは直接結合
    してなる構造を有するアキラルな化合物一種以上と、 を必須成分として含有する液晶組成物であって、前記化
    合物(b)が、下記一般式Vで表される液晶性化合物で
    あることを特徴とする液晶組成物。 【外2】 (式中、A3は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
    アルキル基を表す。B3、B3′、B3″はそれぞれ独立
    に単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。D
    3は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基
    を表す。)
  3. 【請求項3】 (a)少なくとも1以上の鎖中エーテル
    酸素を含むフルオロカーボン末端部分及び炭化水素末端
    部分を含み、該両末端部分が中心核によって結合されて
    おり、スメクチック中間相または潜在的スメクチック中
    間相を持つアキラルフッ素含有液晶性化合物のうち少な
    くとも1種と、 (b)中心部に置換または無置換の、炭素以外の原子を
    含んでいてもよい脂肪族環、芳香族環、またはそれらが
    縮環した環構造、あるいはそれらの環構造が結合基を介
    して結合しまたは直接結合した構造からなるコア部を有
    し、該コア部の両端ないし一方の末端に、無置換あるい
    はパーフルオロカーボン原子を有さない置換されたアル
    キル基が、結合基を介して結合してなるまたは直接結合
    してなる構造を有するアキラルな化合物一種以上と、 を必須成分として含有する液晶組成物であって、前記化
    合物(b)が、下記一般式VIで表される液晶性化合物
    であることを特徴とする液晶組成物。 【外3】 (式中、A4は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
    アルキル基を表す。B4、B4′、B4″はそれぞれ独立
    に単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。D
    4は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基
    を表す。)
  4. 【請求項4】 (a)少なくとも1以上の鎖中エーテル
    酸素を含むフルオロカーボン末端部分及び炭化水素末端
    部分を含み、該両末端部分が中心核によって結合されて
    おり、スメクチック中間相または潜在的スメクチック中
    間相を持つアキラルフッ素含有液晶性化合物のうち少な
    くとも1種と、 (b)中心部に置換または無置換の、炭素以外の原子を
    含んでいてもよい脂肪族環、芳香族環、またはそれらが
    縮環した環構造、あるいはそれらの環構造が結合基を介
    して結合しまたは直接結合した構造からなるコア部を有
    し、該コア部の両端ないし一方の末端に、無置換あるい
    はパーフルオロカーボン原子を有さない置換されたアル
    キル基が、結合基を介して結合してなるまたは直接結合
    してなる構造を有するアキラルな化合物一種以上と、 を必須成分として含有する液晶組成物であって、前記化
    合物(b)が、下記一般式VIIで表される液晶性化合
    物であることを特徴とする液晶組成物。 【外4】 (式中、A5は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
    アルキル基を表す。B5、B5′、B5″はそれぞれ独立
    に単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。D
    5は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基
    を表す。)
  5. 【請求項5】 (a)少なくとも1以上の鎖中エーテル
    酸素を含むフルオロカーボン末端部分及び炭化水素末端
    部分を含み、該両末端部分が中心核によって結合されて
    おり、スメクチック中間相または潜在的スメクチック中
    間相を持つアキラルフッ素含有液晶性化合物のうち少な
    くとも1種と、 (b)中心部に置換または無置換の、炭素以外の原子を
    含んでいてもよい脂肪族環、芳香族環、またはそれらが
    縮環した環構造、あるいはそれらの環構造が結合基を介
    して結合しまたは直接結合した構造からなるコア部を有
    し、該コア部の両端ないし一方の末端に、無置換あるい
    はパーフルオロカーボン原子を有さない置換されたアル
    キル基が、結合基を介して結合してなるまたは直接結合
    してなる構造を有するアキラルな化合物一種以上と、 を必須成分として含有する液晶組成物であって、前記化
    合物(b)が、下記一般式VIIIで表される液晶性化
    合物であることを特徴とする液晶組成物。 【外5】 (式中、A6は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
    アルキル基を表す。B6、B6′、B6″はそれぞれ独立
    に単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。D
    6は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基
    を表す。)
  6. 【請求項6】 (a)少なくとも1以上の鎖中エーテル
    酸素を含むフルオロカーボン末端部分及び炭化水素末端
    部分を含み、該両末端部分が中心核によって結合されて
    おり、スメクチック中間相または潜在的スメクチック中
    間相を持つアキラルフッ素含有液晶性化合物のうち少な
    くとも1種と、 (b)中心部に置換または無置換の、炭素以外の原子を
    含んでいてもよい脂肪族環、芳香族環、またはそれらが
    縮環した環構造、あるいはそれらの環構造が結合基を介
    して結合しまたは直接結合した構造からなるコア部を有
    し、該コア部の両端ないし一方の末端に、無置換あるい
    はパーフルオロカーボン原子を有さない置換されたアル
    キル基が、結合基を介して結合してなるまたは直接結合
    してなる構造を有するアキラルな化合物一種以上と、 を必須成分として含有する液晶組成物であって、前記化
    合物(b)が、下記一般式IXで表される液晶性化合物
    であることを特徴とする液晶組成物。 【外6】 (式中、A7は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
    アルキル基を表す。B7、B7′、B7″はそれぞれ独立
    に単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。D
    7は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基
    を表す。E7は1,4−フェニレン、2,6−ナフチレ
    ンを表す。)
  7. 【請求項7】 (a)少なくとも1以上の鎖中エーテル
    酸素を含むフルオロカーボン末端部分及び炭化水素末端
    部分を含み、該両末端部分が中心核によって結合されて
    おり、スメクチック中間相または潜在的スメクチック中
    間相を持つアキラルフッ素含有液晶性化合物のうち少な
    くとも1種と、 (b)中心部に置換または無置換の、炭素以外の原子を
    含んでいてもよい脂肪族環、芳香族環、またはそれらが
    縮環した環構造、あるいはそれらの環構造が結合基を介
    して結合しまたは直接結合した構造からなるコア部を有
    し、該コア部の両端ないし一方の末端に、無置換あるい
    はパーフルオロカーボン原子を有さない置換されたアル
    キル基が、結合基を介して結合してなるまたは直接結合
    してなる構造を有するアキラルな化合物一種以上と、 を必須成分として含有する液晶組成物であって、前記化
    合物(b)が、下記一般式XIで表される液晶性化合物
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の液晶組成物。 【外7】 (式中、A9は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
    アルキル基を表す。B9、B9′はそれぞれ独立に単結
    合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。D9は直
    鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基を表
    す。X9は−Hまたは−Fを表す。)
  8. 【請求項8】 (a)少なくとも1以上の鎖中エーテル
    酸素を含むフルオロカーボン末端部分及び炭化水素末端
    部分を含み、該両末端部分が中心核によって結合されて
    おり、スメクチック中間相または潜在的スメクチック中
    間相を持つアキラルフッ素含有液晶性化合物のうち少な
    くとも1種と、 (b)中心部に置換または無置換の、炭素以外の原子を
    含んでいてもよい脂肪族環、芳香族環、またはそれらが
    縮環した環構造、あるいはそれらの環構造が結合基を介
    して結合しまたは直接結合した構造からなるコア部を有
    し、該コア部の両端ないし一方の末端に、無置換あるい
    はパーフルオロカーボン原子を有さない置換されたアル
    キル基が、結合基を介して結合してなるまたは直接結合
    してなる構造を有するアキラルな化合物一種以上と、 を必須成分として含有する液晶組成物であって、前記化
    合物(b)が、下記一般式XIIで表される液晶性化合
    物であることを特徴とする液晶組成物。 【外8】 (式中、A10は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
    アルキル基を表す。B10、B10′、B10″はそれぞれ独
    立に単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。
    D10は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル
    基を表す。)
  9. 【請求項9】 (a)少なくとも1以上の鎖中エーテル
    酸素を含むフルオロカーボン末端部分及び炭化水素末端
    部分を含み、該両末端部分が中心核によって結合されて
    おり、スメクチック中間相または潜在的スメクチック中
    間相を持つアキラルフッ素含有液晶性化合物のうち少な
    くとも1種と、 (b)中心部に置換または無置換の、炭素以外の原子を
    含んでいてもよい脂肪族環、芳香族環、またはそれらが
    縮環した環構造、あるいはそれらの環構造が結合基を介
    して結合しまたは直接結合した構造からなるコア部を有
    し、該コア部の両端ないし一方の末端に、無置換あるい
    はパーフルオロカーボン原子を有さない置換されたアル
    キル基が、結合基を介して結合してなるまたは直接結合
    してなる構造を有するアキラルな化合物一種以上と、 を必須成分として含有する液晶組成物であって、前記化
    合物(b)が、下記一般式XIIIで表される液晶性化
    合物であることを特徴とする液晶組成物。 【外9】 (式中、A11は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
    アルキル基を表す。B11、B11′、B11″はそれぞれ独
    立に単結合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。
    D11は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル
    基を表す。X11は−Hまたは−Fを表す。)
  10. 【請求項10】 (a)少なくとも1以上の鎖中エーテ
    ル酸素を含むフルオロカーボン末端部分及び炭化水素末
    端部分を含み、該両末端部分が中心核によって結合され
    ており、スメクチック中間相または潜在的スメクチック
    中間相を持つアキラルフッ素含有液晶性化合物のうち少
    なくとも1種と、 (b)中心部に置換または無置換の、炭素以外の原子を
    含んでいてもよい脂肪族環、芳香族環、またはそれらが
    縮環した環構造、あるいはそれらの環構造が結合基を介
    して結合しまたは直接結合した構造からなるコア部を有
    し、該コア部の両端ないし一方の末端に、無置換あるい
    はパーフルオロカーボン原子を有さない置換されたアル
    キル基が、結合基を介して結合してなるまたは直接結合
    してなる構造を有するアキラルな化合物一種以上と、 を必須成分として含有する液晶組成物であって、前記化
    合物(b)が、下記一般式XVで表される液晶性化合物
    であることを特徴とする液晶組成物。 【外10】 (式中、A13は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
    アルキル基を表す。B13、B13′はそれぞれ独立に単結
    合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。D13は直
    鎖状または分岐状の炭素数1〜20のアルキル基を表
    す。)
  11. 【請求項11】 (a)少なくとも1以上の鎖中エーテ
    ル酸素を含むフルオロカーボン末端部分及び炭化水素末
    端部分を含み、該両末端部分が中心核によって結合され
    ており、スメクチック中間相または潜在的スメクチック
    中間相を持つアキラルフッ素含有液晶性化合物のうち少
    なくとも1種と、 (b)中心部に置換または無置換の、炭素以外の原子を
    含んでいてもよい脂肪族環、芳香族環、またはそれらが
    縮環した環構造、あるいはそれらの環構造が結合基を介
    して結合しまたは直接結合した構造からなるコア部を有
    し、該コア部の両端ないし一方の末端に、無置換あるい
    はパーフルオロカーボン原子を有さない置換されたアル
    キル基が、結合基を介して結合してなるまたは直接結合
    してなる構造を有するアキラルな化合物一種以上と、 を必須成分として含有する液晶組成物であって、前記化
    合物(b)が、下記一般式XVIで表される液晶性化合
    物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の液晶組成物。 【外11】 (式中、A14は直鎖状または分岐状の炭素数1〜20の
    アルキル基を表す。B14、B14′はそれぞれ独立に単結
    合、−O−、−COO−、−OCO−を表す。X14は−
    Fを表す。n14は1〜5までの整数を表す。)
  12. 【請求項12】 前記化合物(a)を20重量%以上含
    有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに
    記載の液晶組成物。
  13. 【請求項13】 前記化合物(a)を30重量%以上含
    有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに
    記載の液晶組成物。
  14. 【請求項14】 前記化合物(a)を50重量%以上含
    有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに
    記載の液晶組成物。
  15. 【請求項15】 更に下記一般式I′で表される化合物
    を少なくとも1種含有することを特徴とする請求項1乃
    至14のいずれかに記載の液晶組成物。 [一般式I′] P′−Q′−A′−W′−B′−(T′−D′)n'−
    U′−V′ (A′、B′、D′はそれぞれ独立に芳香族環、複素芳
    香族環、脂肪族環あるいはそれらの縮環構造を表す。そ
    れらの環は置換されていてもよい。Q′、W′、T′は
    それぞれ独立に単結合、−O−、−COO−、−OCO
    −、−C≡C−、−CONR″−、−NR″CO−、−
    NR″−、−CH2−、−CH=N−、−N=CH−、
    −CH=CH−、−COS−、−SCO−、−CH2C
    H2−、−CH2O−、−OCH2−を表す。n′は0、
    1、2を表す。R″はアルキル基を表す。P′は置換さ
    れていてもよいアルキル基を表す。U′は−CO−Cm'
    H2m'−、−O−Cm'H2m'−、−Cm'H2m'−、−Cm'
    H2m'−CO−、−Cm'H2m'O−、−OSO2−、−S
    O2O−、−Cm'H2m'−SO2、−SO2−、−SO2−
    Cm'H2m'−を表わし、m′は1から20までの整数を
    表す。V′は−Cp'F2p'+1を表わし、p′は1から1
    5の整数を表す。)
  16. 【請求項16】 カイラルスメクチック相を有する請求
    項1乃至15のいずれかに記載の液晶組成物。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれかに記載の液
    晶組成物を具備してなる液晶素子。
  18. 【請求項18】 前記液晶組成物を一対の対向する電極
    基板間に配置してなる請求項17記載の液晶素子。
  19. 【請求項19】 少なくとも一方の電極基板上に更に配
    向制御層が設けられている請求項18記載の液晶素子。
  20. 【請求項20】 配向制御層として、下記一般式XVI
    Iで表される繰り返し単位を有するポリイミドを用いる
    請求項19記載の液晶素子。 【外12】 (式中R21は 【外13】 を表し、L21、L22は1,4−フェニレン、2,6−ナ
    フチレンを表わし、R22は単結合または−O−、aは
    0、1、2を表す。)
  21. 【請求項21】 配向制御層として、下記一般式XVI
    IIで表される繰り返し単位を有するポリイミドを用い
    る請求項19記載の液晶素子。 【外14】 (式中R31は1,4−フェニレンまたは炭素数1〜20
    のアルキレン基を表し、L31、L32は夫々独立に 【外15】 または炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R32、R
    34はアミド結合を表し、R33は単結合または−O−を表
    し、bは0、1、2のいずれかを表す。)
  22. 【請求項22】 請求項1〜16のいずれかに記載の液
    晶組成物を制御して表示を行うことを特徴とする表示方
    法。
  23. 【請求項23】 請求項22記載の液晶素子を具備して
    なる表示装置。
  24. 【請求項24】 表示装置である請求項23記載の液晶
    装置。
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