JPH0996819A - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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JPH0996819A
JPH0996819A JP19596396A JP19596396A JPH0996819A JP H0996819 A JPH0996819 A JP H0996819A JP 19596396 A JP19596396 A JP 19596396A JP 19596396 A JP19596396 A JP 19596396A JP H0996819 A JPH0996819 A JP H0996819A
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liquid crystal
independently
integer
chiral smectic
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JP19596396A
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English (en)
Inventor
Masanobu Asaoka
正信 朝岡
Yukio Haniyu
由紀夫 羽生
Yasuaki Takeda
恭明 武田
Takashi Moriyama
孝志 森山
Yasuhiro Ito
靖浩 伊藤
Ikuo Nakazawa
郁郎 中澤
Yasushi Asao
恭史 浅尾
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カイラルスメクティック液晶を用いてなる液
晶素子において、液晶の配向状態を制御し、高コントラ
ストで応答速度が速く、高精細、高輝度の液晶表示素子
を提供する。 【解決手段】 フルオロカーボン末端部分を持つ化合物
を含有するカイラルスメクティック液晶組成物を用い、
配向制御膜として、下記構造式を有するポリイミド膜を
用いて液晶素子を構成する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンピュータの端末
ディスプレイ、各種フラットパネルディスプレイ、ワー
ドプロセッサ、タイプライター、テレビ受像機、ビデオ
カメラのビューファインダー、プロジェクターの光バル
ブ、液晶プリンターの光バルブ等に用いられるカイラル
スメクティック液晶組成物を用いた液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より最も広範に用いられてきている
ディスプレイとしてCRTが知られており、テレビやV
TRなどの動画出力、あるいはパソコンのモニターとし
て広く用いられている。しかしながら、CRTはその特
性上、静止画像に対しては、フリッカや解像度不足によ
る走査稿等が視認性を低下させたり、焼き付きによる蛍
光体の劣化が起こったりする。また最近ではCRTが発
生する電磁波が人体に悪影響を与えることが分かり、V
DT作業者の健康を害する恐れがある。そして構造上、
画像後方に広く体積を有するため、オフィス、家庭の省
スペース化を阻害している。
【0003】このようなCRTの欠点を解決するものと
して液晶素子がある。例えばエム・シャット(M.Sc
hadt)とダブリュ・ヘルフリッヒ(W.Helfr
ich)著“アプライド・フィジックス・レターズ”
(Applied Physics Letters)
第18巻,第4号(1971年2月15日発行)第12
7頁〜128頁において示されたツイステッド ネマテ
ィック(twistednematic;TN)液晶を
用いたものが知られている。
【0004】このTN液晶を用いた液晶素子の1つとし
てコスト面で優位性を持つ単純マトリックスタイプの液
晶素子がある。この液晶素子は画素密度を高くしたマト
リックス電極構造を用いた時分割駆動の時、クロストー
クを発生する問題点がある為画素数が制限されていた。
【0005】近年このような単純マトリックスタイプの
液晶素子に対して、TFTタイプといわれる液晶素子の
開発が行われている。このタイプは1つ1つの画素にト
ランジスタを作成し、各画素での動作を制御するため、
クロストークや応答速度の問題は解決される反面、大面
積になればなるほど、不良画素なく液晶素子を作成する
ことが工業的に非常に困難であり、また可能であっても
多大なコストが発生する。
【0006】このような従来型の液晶素子の欠点を改善
するものとして、カイラルスメクティック液晶分子の屈
折率異方性を利用して、偏光素子との組み合わせによ
り、透過光線を制御する型の表示素子がクラーク(Cl
ark)およびラガウェル(Lagerwall)によ
り提案されている。(特開昭56−107216号公
報、米国特許第4367924号明細書)。このカイラ
ルスメクティック液晶は、一般に特定の温度域におい
て、カイラルスメクティックC相又はカイラルスメクテ
ィックH相を有し、この状態において、加えられる電界
に応答して第1の光学的安定状態と第2の光学的安定状
態のいずれかを取り、且つ電界の印加のないときは、そ
の状態を維持する性質、即ち双安定性を有し、自発分極
により反転スイッチングを行うため、非常に早い応答速
度を示す上、メモリー性のある双安定状態を発現させる
ことができる。更に視野角特性も優れていることから、
特に、高速、高精細、大面積の表示素子あるいはライト
バルブとして適していると考えられる。また、最近で
は、チャンダニ、竹添らにより、3つの安定状態を有す
るカイラルスメクティック反強誘電液晶素子も提案され
ている。(ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライ
ド フィジックス(Japanese Journal
of Applied Physics)27巻、1
988年L729頁)。
【0007】このようなカイラルスメクティック液晶素
子においては、例えば「強誘電液晶の構造と物性」(コ
ロナ社、福田敦夫、竹添秀男著、1990年)に記載さ
れているように、ジグザグ状の配向欠陥の発生や、上下
基板間での液晶分子のねじれ(スプレイ配向という)に
より、コントラストを低下させる場合があるという問題
があった。この欠陥は、素子構成において、上下基板間
に担持されたカイラルスメクティック液晶の層状構造が
2種類のシェブロン状(山形状)の構造を形成している
ことに因ると考えられる。
【0008】この問題を解決する1つの方法として、プ
レティルト角を持たせることにより、シェブロン層構造
を一方向に揃え、液晶分子の上下基板間のねじれ状態を
一様状態(ユニホーム配向という)よりも弾性エネルギ
ー的に不安定にする方法がある。
【0009】また他の方法としては、液晶層構造を
「く」の字に折れたシェブロン構造から、各層の傾きが
小さく大略平行に配列した本棚状の構造である、ブック
シェルフといわれる層状構造、あるいはそれに近い構造
を形成し(以下、該構造をブックシェルフと記す)、ジ
グザグ欠陥を解消すると同時にユニホーム配向を実現
し、高コントラストを実現する方法がある(例えば「次
世代液晶ディスプレイと液晶材料」(株)シーエムシ
ー、福田敦夫編、1992年)。ブックシェルフ層構造
を実現するには、1つには、ナフタレン系液晶材料を用
いる方法があるが、この場合、ティルト角が10°程度
であり、理論的最大透過率が得られる22.5°と比べ
て非常に小さく、低透過率という問題がある。他の代表
的な例としてはシェブロン構造を取っている液晶素子に
外部から電場を加えてブックシェルフ構造を誘起する方
法があるが、この方法は、温度などの外部刺激に対して
の不安定性が問題となっている。
【0010】ブックシェルフあるいはそれに近い層構造
を呈する液晶として、パーフルオロエーテル側鎖を持つ
液晶性化合物(米国特許5,262,082号明細
書)、液晶組成物(1993年第4回強誘電液晶国際会
議P−46、Marc D.Radcliffeら)等
が提案されている。これらの液晶材料によれば、電場等
の外部場を用いずともブックシェルフあるいはそれに近
い層傾き角の小さい構造を最適なティルト角で現出する
ことが可能である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような液晶素子は、一般的にコレステリック相をとら
ない。この点に起因して該液晶化合物を含有した液晶組
成物を所定の一軸配向処理を施した配向処理層を有する
電極基板間(配向処理層は少なくとも一方の基板上に設
けられる)に配置して液晶素子を構成した場合、液晶の
配向状態を充分に制御することができず、良好な配向状
態を得ることができなかった。
【0012】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その課題とするところは、ブックシェルフ構造あ
るいはそれに近い層傾きの小さな構造の液晶層を安定し
てとり、且つ特に優れた配向状態をとり高コントラスト
であり、応答速度が速く、高精細、高輝度の液晶素子、
特にカイラルスメクティック液晶素子を提供し、高コン
トラスト、高精細、高輝度、大面積化が実現され優れた
表示特性を示す表示装置を実現することである。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の上記課
題は、透明電極を設けた一対の基板上の少なくとも一方
に配向膜を形成し、その基板間に少なくとも2つの光学
的安定状態を示すカイラルスメクティック液晶組成物を
挟持してなる液晶素子であって、その配向膜が一軸配向
処理された下記一般式(I)を有するポリイミドであ
り、また上記カイラルスメクティック液晶組成物がコレ
ステリック相を持たず、且つスメクティックA相からカ
イラルスメクティックC相に移る温度近傍で層間隔が減
少し屈曲する第1の変移点における層間隔(dA)と、
該第1の変移点からの温度降下に従って上記層間隔が再
び増加する極小値である第2の変移点における層間隔
(dmin)とを有し、該第1の変移点における層間隔
(dA)と第2の変移点における層間隔(dmin)との関
係が 0.990≦dmin/dA を満たすものであることを特徴とする液晶素子によって
達成される。
【0014】
【化6】 A;平面構造を有する4価の有機残基であり、芳香環、
芳香族多環、複素環、又は縮合多環 B;(CH2n(nは1以上の整数)または脂環基を含
む脂肪族基
【0015】また本発明の上記課題は、透明電極を設け
た一対の基板上の少なくとも一方に配向膜を形成し、そ
の基板間に少なくとも2つの光学的安定状態を示すカイ
ラルスメクティック液晶組成物を挟持してなる液晶素子
であって、その配向膜が一軸配向処理された下記一般式
(I)を有するポリイミドであり、また上記カイラルス
メクティック液晶組成物がフルオロカーボン末端部分及
び炭化水素末端部分を有し、該両末端部分が中心核によ
って結合され、スメクティック中間相または潜在的スメ
クティック中間相を持つフッ素含有液晶化合物を少なく
とも一種含有する液晶組成物であることを特徴とする液
晶素子によって達成される。
【0016】
【化7】 A;平面構造を有する4価の有機残基であり、芳香環、
芳香族多環、複素環、又は縮合多環 B;(CH2n(nは1以上の整数)または脂環基を含
む脂肪族基
【0017】また本発明の上記課題は、透明電極を設け
た一対の基板上の少なくとも一方に配向膜を形成し、そ
の基板間に少なくとも2つの光学的安定状態を示すカイ
ラルスメクティック液晶組成物を挟持してなる液晶素子
であって、その一方の基板の配向膜が一軸配向処理され
た下記一般式(I)を有するポリイミドであり、また他
方の基板上には一軸配向処理が施されていない配向膜を
有していることを特徴とする液晶素子により達成され
る。
【0018】
【化8】 A;平面構造を有する4価の有機残基であり、芳香環、
芳香族多環、複素環、又は縮合多環 B;(CH2n(nは1以上の整数)または脂環基を含
む脂肪族基
【0019】
【発明の実施の形態】カイラルスメクティック液晶素子
として双安定性が発現するのは、SmC*相(カイラル
スメクティックC相)で、その配向状態は液体相(アイ
ソトロピック相)からの徐冷によって形成される。従っ
て、アイソトロピック相とカイラルスメクティック相間
にある相系列が配向形成に大きな影響を与える。熱力学
的な安定性から相系列としては (1)Iso−Ch−SmA−SmC* (2)Iso−−−−SmA−SmC* (3)Iso−Ch−−−−−SmC* (4)Iso−−−−−−−−SmC* の4通りが考えられる。ここで、Iso;液体相、C
h;コレステリック相、SmA;スメクティックA相で
ある。図2は、これら各相をモデル化して示したもので
ある。上記(1)の相系列を有する液晶組成物は、Is
o−Ch転移において液晶分子の長軸方向秩序が形成さ
れ、Ch−SmA転移において液晶分子の位置の秩序;
層構造が形成され、SmA−SmC*転移によって液晶
分子のティルトが発現するという段階を経た配向形成の
ため均一配向が得られやすい。しかしながら、(2)、
(3)、(4)の相系列を有する液晶組成物の場合、液
晶分子の長軸方向秩序と層形成が同時な(2)、層形成
と液晶分子のティルトが同時な(3)、液晶分子の長軸
方向秩序と層形成、さらにティルトが同時な(4)のよ
うに、複数の秩序化が同時のため均一配向が得られにく
いという問題がある。本発明は、ブックシェルフあるい
はそれに近い層傾きの小さな構造をとる液晶組成物に相
当し得るとみられる(2)の相系列を有する液晶組成物
の均一配向を実現するものである。
【0020】本発明者らによる、(2)の相系列を有す
る液晶のIso−SmA転移過程を観察した結果を図3
に模式的に示す。同図のようにIso状態からスメクテ
ィックA相への転移では、ほぼ楕円形のSmA相の島
(以後バトネと呼ぶ)が発生し、それが成長して接合す
ることによって相転移が完了することが見出された。こ
こで、該液晶(特に液晶セルを用いた場合)において生
じる配向欠陥はそのバトネの成長方向が揃わずランダム
であったり、バトネ間不接合により発生していることも
見出した。
【0021】このような配向状態の生じる理由について
は明らかではないが、かかる配向欠陥を生じる(2)の
相転移をとる液晶を、前記一般式(I)の繰り返し単位
を有するポリイミドを少なくとも一方にラビング等の一
軸配向処理を施された配向制御層として有する一対の基
板間に配置した場合、かかる欠陥を解消し、均一且つ良
好な配向状態を達成されることが見出された。これは、
一般式(I)の繰り返し単位を有するポリイミドは一軸
配向処理における延伸が容易であり、処理後の層中にお
ける電子密度の異方性が大きいため上記(2)の相転移
をとる液晶に対しても配向規制力が強いことに因ると考
えられる。
【0022】以下図1を参照して本発明の液晶素子の一
例(液晶セルの構成の例)を説明する。
【0023】11a、bはガラス基板、12a、bは酸
化錫、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)等
の透明電極である。14aはラビング等の一軸配向処理
が施されたポリイミドからなる配向膜(配向制御層)、
14bは一軸配向処理をほどこさないシランカップリン
グ剤、ポリイミド、ポリシロキサン等の配向膜、16は
シリカ等のスペーサビーズ、15は本発明に係るカイラ
ルスメクティック液晶組成物を用いた液晶層、17a、
bは偏光板である。また、13a,13bはITOと配
向膜間に上下基板のショート防止層として設けた絶縁膜
で、ZnO、ZrO、TaOx等からなる。本例では液
晶層15として前記したカイラルスメクティック液晶を
用いる。ここでは非対称セル構成を示したが、対称セル
構成においても本発明の配向膜の効果は発現する。
【0024】また、上記構成の液晶素子は、透明電極1
2a、12bが信号電源に接続され(図示せず)、該信
号電源からのスイッチング信号に応じてスイッチングが
行われ、例えば表示素子等のライトバルブとして機能す
る。また、透明電極12a、12bを上下基板間でクロ
スにマトリクス配置すれば、パターン表示、パターン露
光が可能となり、例えばパーソナルコンピュータ、ワー
ドプロセッサ等のディスプレイ、プリンタ用ライトバル
ブとして用いられる。
【0025】上記構成の液晶素子では、配向制御層14
aとしては、ポリアミック酸溶液を塗布、焼成して形成
される前述したような一般式(I)の繰り返し単位を有
するポリイミドの一軸配向処理膜、特にラビング処理膜
を用いる。
【0026】本発明の液晶素子において配向制御層の材
料として用いるポリイミドの具体例(一般式(I))と
して、下記のものが挙げられる。
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】一般式(I)の繰り返し単位を有するポリ
イミド化合物には、カイラルスメクティック液晶組成物
に対し強い配向制御能を示す分子構造として、剛直性、
直線性、結晶性が高いものが好ましい。このような特性
を備え更に溶媒に対する溶解性及び基板に対する塗布性
を考慮すると、一般式(I)において縮合多環炭化水素
基Aが下記のような骨格であるような繰り返し単位を有
するポリイミドが特に好ましい。
【0032】
【化13】
【0033】さらに、一般式(I)においてBが(CH
2n(nは2〜10の偶数)であることが、良好な配向
特性が得られる点で好ましい。
【0034】また本発明で用いられる配向膜は3つの安
定状態を有するカイラルスメクティック反強誘電性液晶
に対しても有効であり優れた配向状態を得ることができ
る。
【0035】本発明において、用いるカイラルスメクテ
ィック液晶組成物としては、好ましくはフルオロカーボ
ン末端部分及び炭化水素末端部分を有し、該両末端部分
が中心核によって結合され、スメクティック中間相又は
潜在的スメクティック中間相を持つフッ素含有液晶化合
物を含有するものが望ましい。
【0036】一般的に、本発明で用いられるフッ素含有
液晶化合物は、少なくとも2つの、芳香族環、複素芳香
族環、脂肪族環、又は置換芳香族環、置換複素芳香族
環、もしくは置換脂肪族環から選ばれ、これらの環は互
いに−COO−、−COS−、−HC=N−、−COS
e−から選ばれる官能基によって結合されていても良
い。これらの環は縮合していても、縮合していなくても
よい。複素芳香族環中のヘテロ原子はN、O、又はSか
ら選ばれる少なくともひとつの原子を含む。脂肪族環中
の隣接していないメチレン基はOによって置換されてい
ても良い。
【0037】前記フッ素含有液晶化合物としては、フル
オロカーボン末端部分が、−D1−Cxa2xa−Xで表わ
される基、(但し、上記式中xaは1〜20であり、X
は−H又は−Fを表わし、D1は、−CO−O−(C
2ra−、−O−(CH2ra−、−(CH2ra−、
−O−SO2−、−SO2−、−SO2−(CH2ra−、
−O−(CH2ra−O−(CH2rb−、−(CH2
ra−N(Cpa2pa+1)−SO2−、又は−(CH2ra
−N(Cpa2pa+1)−CO−を表わす。ra及びrb
は、独立に1〜20であり、paは0〜4である。)、
或いは、−D2−(Cxb2xb−O)za−Cya2ya+1
表わされる基、(但し、上記式中xbはそれぞれの(C
xb2xb−O)に独立に1〜10であり、yaは、1〜
10であり、zaは1〜10であり、D2は、−CO−
O−Crc2rc、−O−Crc2rc−、−Crc2rc−、
−O−(Csa2sa−O)ta−Crd2rd−、−O−SO
2−、−SO2−、−SO2−Crc2rc−、−Crc2rc
−N(Cpb2pb+1)−SO2−、−Crc2rc−N(C
pb2pb+1)−CO−、単結合から選ばれ、rc及びr
dはそれぞれ独立に1〜20であり、saはそれぞれの
(Csa2sa−O)に独立に1〜10であり、taは1
〜6であり、pbは0〜4である。)であるような化合
物を用いることができる。
【0038】特に好ましくは、下記一般式(II)、或
いは(III)で表わされるフッ素含有液晶化合物を用
いることができる。
【0039】
【化14】 を表わす。
【0040】ga、ha、iaは独立に0〜3の整数
(但し、ga+ha+iaは少なくとも2である)を表
わす。
【0041】夫々のL1とL2は独立に、単結合、−CO
−O−、−O−CO−、−COS−、−S−CO−、−
CO−Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−T
e−CO−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡
C−、−CH=N−、−N=CH−、−CH2−O−、
−O−CH2−、−CO−又は−O−を表わす。
【0042】夫々のX1、Y1、Z1はA1、A2、A3の置
換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
I、−OH、−OCH3、−CH3、−CN、又は−NO
2を表わし、夫々のja、ma、naは独立に0〜4の
整数を表わす。
【0043】J1は、−CO−O−(CH2ra−、−O
−(CH2ra−、−(CH2ra−、−O−SO2−、
−SO2−、−SO2−(CH2ra−、−O−(CH2
ra−O−(CH2rb−、−(CH2ra−N(Cpa
2pa+1)−SO2−、又は−(CH2ra−N(Cpa
2pa+1)−CO−を表わす。ra及びrbは、独立に1
〜20であり、paは0〜4である。
【0044】R1は、−O−Cqa2qa−O−Cqb
2qb+1、−Cqa2qa−O−Cqb2qb+1、−Cqa2qa
3、−O−Cqa2qa−R3、−CO−O−Cqa2qa
3、又は−O−CO−Cqa2qa−R3を表わし、直鎖
状、分岐状のいずれであっても良い(但し、R3は、−
O−CO−Cqb2qb+1、−CO−O−Cqb2qb+1、−
H、−Cl、−F、−CF3、−NO2、−CNを表わ
し、qa及びqbは独立に1〜20である)。
【0045】R2はCxa2xa−Xを表わす(Xは−H又
は−Fを表わし、xaは1〜20の整数である)。
【0046】
【化15】 を表わす。
【0047】gb、hb、ibはそれぞれ独立に0〜3
の整数(但し、gb+hb+ibは少なくとも2であ
る)を表わす。
【0048】夫々のL3、L4は独立に、単結合、−CO
−O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、
−CO−Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−
Te−CO−、−(CH2CH2ka−(kaは1〜
4)、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、−
N=CH−、−CH2−O−、−O−CH2−、−CO−
又は−O−を表わす。
【0049】夫々のX2、Y2、Z2はA4、A5、A6の置
換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
I、−OH、−OCH3、−CH3、−CF3、−O−C
3、−CN、又は−NO2を表わし、夫々のjb、m
b、nbは独立に0〜4の整数を表わす。
【0050】J2は、−CO−O−Crc2rc−、−O−
rc2rc−、−Crc2rc−、−O−(Csa2sa
O)ta−Crd2rd−、−O−SO2−、−SO2−、−
SO2−Crc2rc−、−Crc2rc−N(Cpb2pb+1
−SO2−、−Crc2rc−N(Cpb2pb+1)−CO−
であり、rc及びrdは独立に1〜20であり、saは
それぞれの(Csa2sa−O)に独立に1〜10であ
り、taは1〜6であり、pbは0〜4である。
【0051】R4は、−O−(Cqc2qc−O)wa−Cqd
2qd+1、−(Cqc2qc−O)wa−Cqd2qd+1、−C
qc2qc−R6、−O−Cqc2qc−R6、−CO−O−C
qc2qc−R6、又は−O−CO−Cqc2qc−R6を表わ
し、直鎖状、分岐状のいずれであっても良い(但し、R
6は−O−CO−Cqd2qd+1、−CO−O−Cqd
2qd+1、−Cl、−F、−CF3、−NO2、−CN、又
は−Hを表わし、qc及びqdは独立に1〜20の整
数、waは1〜10の整数である)。
【0052】R5は、(Cxb2xb−O)za−Cya
2ya+1で表わされる(但し、上記式中xbはそれぞれの
(Cxb2xb−O)に独立に1〜10であり、yaは1
〜10であり、zaは1〜10である)。
【0053】上記一般式(II)で表わされる化合物
は、特開平2−142753号公報、米国特許第5,0
82,587号に記載の方法によって得ることができ
る。かかる化合物の具体例を以下に列挙する。
【0054】
【化16】
【0055】
【化17】
【0056】
【化18】
【0057】
【化19】
【0058】
【化20】
【0059】
【化21】
【0060】
【化22】
【0061】
【化23】
【0062】
【化24】
【0063】
【化25】
【0064】
【化26】
【0065】
【化27】
【0066】上記一般式(III)で表わされる化合物
は、国際公開WO93/22396、特表平7−506
368号公報に記載の方法によって得ることができる。
かかる化合物の具体例を以下に列挙する。
【0067】
【化28】
【0068】
【化29】
【0069】
【化30】
【0070】
【化31】
【0071】
【化33】
【0072】また、本発明において用いられるカイラル
スメクティック液晶組成物中に用いられるカイラルな化
合物の例として、下記のものが挙げられる。
【0073】
【化34】
【0074】
【化35】
【0075】
【化36】
【0076】
【化37】
【0077】
【化38】
【0078】
【化39】
【0079】
【化40】
【0080】
【化41】
【0081】
【化42】
【0082】これら化合物は、単一で又は複数の混合系
の形でカイラルスメクティック液晶組成物の母剤として
用いる。
【0083】本発明で用いるカイラルスメクティック液
晶組成物には、化合物同士の相溶性、層間隔等の制御に
応じて前記以外のカイラル化合物、アキラル化合物を含
む種々の他の液晶性化合物を適宜選択して用いる。特に
前述したようなフルオロカーボン末端部分を有する化合
物を必須成分とした上で、カイラル化合物の配合比率を
その種類に応じて適宜設定する。例えば、カイラル化合
物は、0.5〜50重量%程度の範囲内で配合する。ま
た、カイラル化合物として、フッ素系末端部分を有しな
いものを用いる場合、当該カイラル化合物の配合比率は
ベースとなるフルオロカーボン末端部分を有する化合物
との相溶性を考慮して0.1〜10重量%とすることが
好ましい。また酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、顔料
等の添加剤が含有されていてもよい。
【0084】尚、本発明の液晶素子は、前記カイラルス
メクティック液晶組成物を用い、基板上に前記ポリイミ
ドからなる配向制御層を形成し該組成物からなる液晶層
を制御して所定の機能を付与する構成であれば、その他
の構造は特に限定されない。
【0085】本発明の液晶素子は種々の液晶装置を構成
する、例えば、該液晶素子を表示パネル部に使用し、図
4、図5に示した走査線アドレス情報をもつ画像情報な
るデータフォーマット及びSYN信号による通信同期手
段を取ることにより液晶組成物を自在に制御して表示画
像を得る液晶表示装置を実現することができる。図中の
符号はそれぞれ以下のとおりである。
【0086】 101 液晶表示装置 102 グラフィックコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動装置 105 情報線駆動装置 106 デコーダ 107 走査信号発生装置 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生装置 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM
【0087】画像情報の発生は、本体装置側のグラフィ
ックコントローラ102にて行われ、図4及び図5に示
した信号転送手段にしたがって、表示パネル103へと
転送される。グラフィックコントローラ102は、CP
U(中央演算処理装置、GCPUと略す。)及びVRA
M(画像情報格納用メモリ)114を核にホストCPU
113と液晶表示装置101間の画像情報の管理や通信
をつかさどっている。なお、該表示パネルの裏面には、
光源が配置されている。
【0088】本発明の液晶素子を用いた表示装置では、
表示媒体である液晶組成物がカイラルスメクティック相
を示し、ブックシェルフ、またはそれに近い層傾き角の
小さな構造の液晶層となり、特にその配向状態もより良
好となり、応答性がよく、高精細、高輝度、コントラス
トに優れた、大面積での表示画像を得ることができる。
【0089】
【実施例】以下、本発明を実施例に沿って詳細に説明す
る。
【0090】本実施例で用いた液晶性組成物は下記化合
物A及びBを95/5(重量比)で混合して得た。
【0091】
【化43】
【0092】かかる組成物の物性パラメータは以下の通
りである。
【0093】
【数1】
【0094】 ティルト角(30℃) Θ=25.8° 自発分極 (30℃) Ps=−22.6(nC/cm2) 層傾き角 (30℃) δ=0° dmin/dA=3.179/3.187=0.997 図7に上記組成物の層間隔の温度依存性を示す。図中、
Aは第1の変移点における層間隔であり、第1の変移
点の温度は42℃である。またdminは第2の変移点に
おける層間隔であり、第2の変移点の温度は40℃であ
る。
【0095】液晶の層傾き角δ及び層間隔dの測定法を
以下に示す。
【0096】基本的にはクラークやラガーウオルによっ
て行われた方法(「Japan Display」’8
6,Sep.30〜Oct.2、1986.456〜4
58)、あるいは大内らの方法(「J.J.A.
P.」、27(5)(1988)725〜728と同様
の方法により測定した。測定装置は回転陰極方式X線発
生部を有するX線回折装置(MACサイエンス製)に自
動温度制御装置を装着したものを用い、液晶セルは熱容
量を小さくし、ガラス基板へのX線の吸収を低減させる
ため、基板にはコーニング社製マイクロシート(80μ
m厚)を用いた。
【0097】層間隔dは試料としてバルク液晶をガラス
基板に5mm角で表面が平滑になるように塗布したもの
を用い、通常の粉末X線回折法により得られたピークを
ブラッグ(Bragg)の回折条件式に当てはめて求め
た。
【0098】測定温度は、回折面の平滑性を増すために
各々の液晶組成物が等方性液体状態になる温度にした後
に3℃、変移点近傍では1℃毎に温度を降下させて、回
折ピークが得られなくなる温度まで測定を行った。実験
に用いた自動温度制御装置は、各温度で約±0.3℃の
制御精度を示した。
【0099】測定は、出力45kV−100mAで銅の
Kα線(1.54050Å)を分析線、スリットはD
S;0.05mm,SS;0.05mm,RS;0.0
5mmとし、スキャン速度は3deg./minで行っ
た。
【0100】層傾き角δは80μm厚ガラスを基板とし
同ガラスをスペーサーとして80μmギャップのセルを
形成し、電磁石中で基板に平行方向に磁場を印加しなが
らIso相から徐冷し、水平配向処理を施したセルを用
意し、これに前記層間隔dを得た回折角2θにX線検出
器を合わせ、θ軸走査を行い、前記文献に示された方法
で算出した。なお、この測定方法による層の傾斜角δの
値は、セル厚依存性をほぼ排除した液晶組成物固有のも
のである。
【0101】また、80μm磁場配向セルの代わりに、
LP−64やSP−710,SP−510(ともに東レ
(株)製)を配向膜とし、ラビング処理を施したセル厚
1.2μmのセルを用いても、約20℃〜60℃の温度
範囲においてほぼ同じδの値を得ることができる。
【0102】[実施例1]実施例1に使用する液晶のセ
ルを以下の如く作成した。
【0103】ガラス基板(2枚使用)の厚さは1.1m
mであり、透明電極として約150nm厚のITO膜を
形成し、更にスピンコート法により配向制御膜を形成し
た。
【0104】2枚の基板の夫々には異なる条件で膜形成
を行なった。即ち一方の基板(第1の基板)については
3000rpm,20秒間の条件でガラス基板に溶液
(下記繰り返し単位を有する化合物の固形分0.8重量
%溶液)を塗布した。その後、80℃で5分間前乾燥を
行なった後、250℃で1時間加熱焼成処理を施した。
尚、この時の膜厚は5nmであった。一軸配向処理とし
てナイロン布によるラビング処理を施した。
【0105】
【化44】
【0106】他方の基板(第2の基板)については20
00rpm,20秒間の条件でガラス基板に溶液(シラ
ンカップリング剤、ODS−Eのエタノールの0.5重
量%溶液)を塗布した。その後、80℃で5分間前乾燥
を行った後、180℃で1時間加熱乾燥処理を施した。
【0107】続いて配向処理を施したガラス基板上にス
ペーサーとして平均粒径2.0μmのシリカビーズを散
布し、他方のガラス基板を重ね合わせてセルを作成し
た。このセルに上述したような液晶組成物を等方相下で
真空注入してから1℃/minで室温まで徐冷すること
により配向させ液晶素子を得た。
【0108】以上のようにして作成した液晶素子につい
て後述するような方法によりコントラストを測定したと
ころ、110といった高い値が得られた。
【0109】ここで本発明で配向性評価の手法として行
ったコントラストの測定方法を説明する。
【0110】まずクロスニコルに配置された偏光板間に
素子をサンドイッチし、図6(A)に示す駆動波形(2
0V、1/3バイアス、1000デューティーのパル
ス)を印加する。次にパルス幅を変化させ双安定反転の
しきい値のパルス幅において、駆動時に最暗透過光強度
が得られる角度に素子を回転し、その時の透過光強度を
図6(B)のように、最暗透過光強度Ibおよび、その
配置において液晶分子が反転した時の透過光強度Iwを
ホトダイレクタで検出し、その比をコントラストの評価
値とした。(CR=Iw/Ib)。均一配向が得られて
いない時には、欠陥からの光り漏れによりIb値が大き
くなりCR値は小さくなる。またブックシェルフ構造で
はなくシェブロン構造をとることで見かけのティルト角
θaが小さくなることによりIwの値が小さくなりCR
値は小さくなる。
【0111】[実施例2]実施例1における第1の基板
側の配向制御膜として下記構造の繰り返し単位を有する
ポリイミド膜を加熱焼成により形成した以外は、実施例
1と同様にセルを構成し、前記液晶組成物を注入して液
晶素子を得た。かかる素子についてコントラストを測定
したところ92であった。
【0112】
【化45】
【0113】[実施例3]実施例1における第1の基板
側の配向制御膜として下記構造の繰り返し単位を有する
ポリイミド膜を加熱焼成により形成した以外は、実施例
1と同様にしてセル構成し、前記液晶組成物を注入して
液晶素子を得た。かかる素子についてコントラストを測
定したところ84であった。
【0114】
【化46】
【0115】[実施例4]実施例1における第1の基板
側の配向制御膜として下記構造の繰り返し単位を有する
ポリイミド膜を加熱焼成により形成した以外は、実施例
1と同様にセルを構成し、前記液晶組成物を注入して液
晶素子を得た。かかる素子についてコントラストを測定
したところ96であった。
【0116】
【化47】 [実施例5]実施例1における第2の基板側の配向制御
層としてシリコーン系オリゴマー(Glass Res
in GR650(商品名)Techneglas I
nc.)の0.4重量%溶液(ブタノール)を用いた以
外は、実施例1と同様にしてセルを構成し、前記液晶組
成物を注入して液晶素子を得た。かかる素子についてコ
ントラストを測定したところ116であった。
【0117】[比較例1]実施例1における第1の基板
側の配向制御膜として下記構造の繰り返し単位を有する
ポリイミド膜を加熱焼成により形成した以外は、同例と
同様にしてセルを構成し前記液晶組成物を注入して液晶
素子を得た。かかる素子についてコントラストを測定し
たところ13であった。
【0118】
【化48】
【0119】[比較例2]実施例1の第1の基板側の配
向制御膜として下記構造の繰り返し単位を有するポリイ
ミド膜を加熱焼成により形成した以外は実施例1と同様
にしてセルを構成し前記液晶組成物を注入して液晶素子
を得た。かかる素子についてコントラストを測定したと
ころ32であった。
【0120】
【化49】
【0121】[比較例3]実施例1の第2の基板の配向
制御膜として第1の基板に用いたポリイミドを用い、同
様にして一軸配向処理を施した以外は実施例1と同様に
してセルを構成し、前記液晶組成物を注入し液晶素子を
得た。かかる素子についてコントラストを測定したとこ
ろ52であった。
【0122】[比較例4]実施例1において注入した液
晶組成物にかえて下記物性パラメータを示すCS−10
14((商品名)チッソ社製カイラルスメクティック液
晶)を注入した以外は、実施例1と同様にしてセルを構
成し液晶素子を得た。かかる素子についてコントラスト
を測定したところ12であった。
【0123】
【数2】
【0124】(Iso等方相、Ch=コレステリック
相、SmA=スメクティックA相 SmC*=カイラルスメクティックC相) dmin/dA=0.946
【0125】[実施例6]実施例1における第1の基板
側の配向制御膜として下記構造の繰り返し単位を有する
ポリイミド膜を加熱焼成により形成した以外は、実施例
1と同様にセルを構成し、前記液晶組成物を注入して液
晶素子を得た。かかる素子についてコントラストを測定
したところ83であった。
【0126】
【化50】
【0127】[実施例7]実施例1における第1の基板
側の配向制御膜として下記構造の繰り返し単位を有する
ポリイミド膜を加熱焼成により形成した以外は、実施例
1と同様にセルを構成し、前記液晶組成物を注入して液
晶素子を得た。かかる素子についてコントラストを測定
したところ86であった。
【0128】
【化51】
【0129】[実施例8]実施例1における第1の基板
側の配向制御膜として下記構造の繰り返し単位を有する
ポリイミド膜を加熱焼成により形成した以外は、実施例
1と同様にしてセル構成し、前記液晶組成物を注入して
液晶素子を得た。かかる素子についてコントラストを測
定したところ78であった。
【0130】
【化52】
【0131】[実施例9]実施例5における第2の基板
側の配向制御層としてシリコーン系オリゴマー(Gla
ss Resin GR650(商品名)Techne
glas Inc.)の0.4重量%溶液(ブタノー
ル)を用いた以外は、実施例5と同様にしてセルを構成
し、前記液晶組成物を注入して液晶素子を得た。かかる
素子についてコントラストを測定したところ85であっ
た。
【0132】[比較例5]実施例1における第1の基板
側の配向制御膜として下記構造の繰り返し単位を有する
ポリイミド膜を加熱焼成により形成した以外は、同例と
同様にしてセルを構成し前記液晶組成物を注入して液晶
素子を得た。かかる素子についてコントラストを測定し
たところ9であった。
【0133】
【化53】
【0134】[比較例6]実施例5の第2の基板の配向
制御膜として第1の基板に用いたポリイミドを用い、同
様にして一軸配向処理を施した以外は実施例5と同様に
してセルを構成し、前記液晶組成物を注入し液晶素子を
得た。かかる素子についてコントラストを測定したとこ
ろ48であった。
【0135】[比較例7]実施例5において注入した液
晶組成物にかえて下記物性パラメータを示すCS−10
14((商品名)チッソ社製カイラルスメクティック液
晶)を注入した以外は、実施例5と同様にしてセルを構
成し液晶素子を得た。かかる素子についてコントラスト
を測定したところ8であった。
【0136】
【数3】
【0137】(Iso等方相、Ch=コレステリック
相、SmA=スメクティックA相 SmC*=カイラルスメクティックC相) dmin/dA=0.946
【0138】上述したような実施例及び比較例の結果よ
り前記フルオロカーボン末端部分及び炭化水素末端部分
を有し、該両末端部分が中心核によって結合され、スメ
クティック中間相または潜在的スメクティック中間相を
持つフッ素含有液晶化合物を含有するカイラルスメクテ
ィック液晶組成物やCh相を持たずdmin/dA≧0.9
90の関係を満たすカイラルスメクティック液晶組成物
を用いる液晶素子では前記一般式(I)のポリイミドを
配向膜に用いることで均一で且つ良好な配向状態が得ら
れ、コントラストの向上がもたらされる。
【0139】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ブックシェルフ構造あるいはそれに近い層傾きの小さな
構造の液晶層を安定してとり、且つ特に優れた配向状態
をとり、高コントラストであり、高速応答性に優れ、特
に表示に関しては高精細、高輝度の液晶素子が提供され
る。
【0140】更に、本発明によれば、上記カイラルスメ
クティック液晶組成物を用いて優れた性能を有する液晶
装置、特に大面積化が実現された優れた表示特性を有す
る表示装置が提供され、その工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカイラルスメクティック液晶組成物を
用いた液晶素子の一例の断面概略図である。
【図2】液晶の各相における液晶分子の状態を示す説明
図である。
【図3】コレステリック相を持たない液晶の相転移過程
を模式的に示す図である。
【図4】本発明のカイラルスメクティック液晶組成物を
用いた液晶素子を備えた表示装置とグラフィックコント
ローラを示すブロック図である。
【図5】表示装置とグラフィックスコントローラとの間
の画像情報通信タイミングチャートを示す図である。
【図6】本発明の実施例において、コントラスト測定に
採用した駆動波形及びコントラスト測定で検出される透
過光強度を示す図である。
【図7】本発明の実施例で用いた液晶組成物の層間隔の
温度依存性を示す図である。
【符号の説明】
11a、11b ガラス基板 12a、12b 透明電極 13a、13b 絶縁膜 14a、14b 配向膜(配向制御層) 15 カイラルスメクティック液晶組成物を用いた液晶
層 16 スペーサビーズ 17a、17b 偏光板 101 液晶表示装置 102 グラフィックコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動装置 105 情報線駆動装置 106 デコーダ 107 走査信号発生装置 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生装置 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森山 孝志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 伊藤 靖浩 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中澤 郁郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 浅尾 恭史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明電極を設けた一対の基板上の少なく
    とも一方に配向膜を形成し、その基板間に少なくとも2
    つの光学的安定状態を示すカイラルスメクティック液晶
    組成物を挟持してなる液晶素子であって、その配向膜が
    一軸配向処理された下記一般式(I)を有するポリイミ
    ドであり、また上記カイラルスメクティック液晶組成物
    がコレステリック相を持たず、且つスメクティックA相
    からカイラルスメクティックC相に移る温度近傍で層間
    隔が減少し屈曲する第1の変移点における層間隔
    (dA)と、該第1の変移点からの温度降下に従って上
    記層間隔が再び増加する極小値である第2の変移点にお
    ける層間隔(dmin)とを有し、該第1の変移点におけ
    る層間隔(dA)と第2の変移点における層間隔
    (dmin)との関係が 0.990≦dmin/dA を満たすものであることを特徴とする液晶素子。 【化1】 A;平面構造を有する4価の有機残基であり、芳香環、
    芳香族多環、複素環、又は縮合多環 B;(CH2n(nは1以上の整数)または脂環基を含
    む脂肪族基
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)中のBが(CH2
    n(nは2〜10の偶数)である請求項1記載の液晶素
    子。
  3. 【請求項3】 透明電極を設けた一対の基板上の少なく
    とも一方に配向膜を形成し、その基板間に少なくとも2
    つの光学的安定状態を示すカイラルスメクティック液晶
    組成物を挟持してなる液晶素子であって、その配向膜が
    一軸配向処理された下記一般式(I)を有するポリイミ
    ドであり、また上記カイラルスメクティック液晶組成物
    がフルオロカーボン末端部分及び炭化水素末端部分を有
    し、該両末端部分が中心核によって結合され、スメクテ
    ィック中間相または潜在的スメクティック中間相を持つ
    フッ素含有液晶化合物を少なくとも一種含有する液晶組
    成物であることを特徴とする液晶素子。 【化2】 A;平面構造を有する4価の有機残基であり、芳香環、
    芳香族多環、複素環、又は縮合多環 B;(CH2n(nは1以上の整数)または脂環基を含
    む脂肪族基
  4. 【請求項4】 前記一般式(I)中のBが(CH2
    n(nは2〜10の偶数)である請求項3記載の液晶素
    子。
  5. 【請求項5】 前記フッ素含有液晶化合物におけるフル
    オロカーボン末端部分が、−D1−Cxa2xa−Xで表わ
    される基である請求項3記載の液晶素子。(但し、上記
    式中xaは1〜20であり、Xは−H又は−Fを表わ
    し、D1は、−CO−O−(CH2ra−、−O−(CH
    2ra−、−(CH2ra−、−O−SO2−、−SO
    2−、−SO2−(CH2ra−、−O−(CH2ra−O
    −(CH2rb−、−(CH2ra−N(Cpa2pa+1
    −SO2−、又は−(CH2ra−N(Cpa2pa+1)−
    CO−を表わす。ra及びrbは、独立に1〜20であ
    り、paは0〜4である。)
  6. 【請求項6】 前記フッ素含有液晶化合物におけるフル
    オロカーボン末端部分が、−D2−(Cxb2xb−O)za
    −Cya2ya+1で表わされる基である請求項3記載の液
    晶素子。(但し、上記式中xbはそれぞれの(Cxb
    2xb−O)に独立に1〜10であり、yaは、1〜10
    であり、zaは1〜10であり、D2は、−CO−O−
    r c2rc−、−O−Crc2rc−、−Crc2rc−、−
    O−(Csa2sa−O)ta−Crd2rd−、−O−SO2
    −、−SO2−、−SO2−Crc2rc−、−Crc2rc
    N(Cpb2pb+1)−SO2−、−Crc2rc−N(Cpb
    2pb+1)−CO−、単結合から選ばれ、rc及びrd
    はそれぞれ独立に1〜20であり、saはそれぞれの
    (Csa2sa−O)に独立に1〜10であり、taは1
    〜6であり、pbは0〜4である。)
  7. 【請求項7】 前記フッ素含有液晶化合物が、下記一般
    式(II)で表わされる請求項3記載の液晶素子。 【化3】 を表わす。ga、ha、iaは独立に0〜3の整数(但
    し、ga+ha+iaは少なくとも2である)を表わ
    す。夫々のL1とL2は独立に、単結合、−CO−O−、
    −O−CO−、−COS−、−S−CO−、−CO−S
    e−、−Se−CO−、−CO−Te−、−Te−CO
    −、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−
    CH=N−、−N=CH−、−CH2−O−、−O−C
    2−、−CO−又は−O−を表わす。夫々のX1
    1、Z1はA1、A2、A3の置換基であり、独立に−
    H、−Cl、−F、−Br、−I、−OH、−OC
    3、−CH3、−CN、又は−NO2を表わし、夫々の
    ja、ma、naは独立に0〜4の整数を表わす。J1
    は、−CO−O−(CH2ra−、−O−(CH2
    ra−、−(CH2ra−、−O−SO2−、−SO2−、
    −SO2−(CH2ra−、−O−(CH2ra−O−
    (CH2rb−、−(CH2ra−N(Cpa2pa+1)−
    SO2−、又は−(CH2ra−N(Cpa2pa+1)−C
    O−を表わす。ra及びrbは、独立に1〜20であ
    り、paは0〜4である。R1は、−O−Cqa2qa−O
    −Cqb2qb+1、−Cqa2qa−O−Cqb2qb+1、−C
    qa2qa−R3、−O−Cqa2qa−R3、−CO−O−C
    qa2qa−R3、又は−O−CO−Cqa2qa−R3を表わ
    し、直鎖状、分岐状のいずれであっても良い(但し、R
    3は、−O−CO−Cqb2qb+1、−CO−O−Cqb
    2qb+1、−H、−Cl、−F、−CF3、−NO2、−C
    Nを表わし、qa及びqbは独立に1〜20である)。
    2はCxa2xa−Xを表わす(Xは−H又は−Fを表わ
    し、xaは1〜20の整数である)。〕
  8. 【請求項8】 前記フッ素含有液晶化合物が、下記一般
    式(III)で表わされる請求項3記載の液晶素子。 【化4】 を表わす。gb、hb、ibはそれぞれ独立に0〜3の
    整数(但し、gb+hb+ibは少なくとも2である)
    を表わす。夫々のL3、L4は独立に、単結合、−CO−
    O−、−O−CO−、−CO−S−、−S−CO−、−
    CO−Se−、−Se−CO−、−CO−Te−、−T
    e−CO−、−(CH2CH2ka−(kaは1〜4)、
    −CH=CH−、−C≡C−、−CH=N−、−N=C
    H−、−CH2−O−、−O−CH2−、−CO−又は−
    O−を表わす。夫々のX2、Y2、Z2はA4、A5、A6
    置換基であり、独立に−H、−Cl、−F、−Br、−
    I、−OH、−OCH3、−CH3、−CF3、−OC
    3、−CN、又は−NO2を表わし、夫々のjb、m
    b、nbは独立に0〜4の整数を表わす。J2は、−C
    O−O−Crc2rc−、−O−Crc2rc−、−Crc
    2rc−、−O−(Csa2sa−O)ta−Crd2rd−、−
    O−SO2−、−SO2−、−SO2−Crc2rc−、−C
    rc2rc−N(Cpb2pb+1)−SO2−、−Crc2rc
    N(Cpb2pb+1)−CO−であり、rc及びrdは独
    立に1〜20であり、saはそれぞれの(Csa2sa
    O)に独立に1〜10であり、taは1〜6であり、p
    bは0〜4である。R4は、−O−(Cqc2qc−O)wa
    −Cqd2qd+1、−(Cqc2qc−O)wa−C
    qd2qd+1、−Cqc2qc−R6、−O−Cqc2qc
    6、−CO−O−Cqc2qc−R6、又は−O−CO−
    qc2qc−R6を表わし、直鎖状、分岐状のいずれであ
    っても良い(但し、R6は−O−CO−Cqd2qd+1、−
    CO−O−Cqd2qd+1、−Cl、−F、−CF3、−N
    2、−CN、又は−Hを表わし、qc及びqdは独立
    に1〜20の整数、waは1〜10の整数である)。R
    5は、(Cxb2xb−O)za−Cya2ya+1で表わされる
    (但し、上記式中xbはそれぞれの(Cxb2xb−O)
    に独立に1〜10であり、yaは1〜10であり、za
    は1〜10である)。〕
  9. 【請求項9】 透明電極を設けた一対の基板上の少なく
    とも一方に配向膜を形成し、その基板間に少なくとも2
    つの光学的安定状態を示すカイラルスメクティック液晶
    組成物を挟持してなる液晶素子であって、その一方の基
    板の配向膜が一軸配向処理された下記一般式(I)を有
    するポリイミドであり、また他方の基板上には一軸配向
    処理が施されていない配向膜を有していることを特徴と
    する液晶素子。 【化5】 A;平面構造を有する4価の有機残基であり、芳香環、
    芳香族多環、複素環、又は縮合多環 B;(CH2n(nは1以上の整数)または脂環基を含
    む脂肪族基
  10. 【請求項10】 前記一般式(I)中のBが(CH2n
    (nは2〜10の偶数)である請求項9記載の液晶素
    子。
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