JPH0843828A - 液晶素子、及びこれを用いた液晶装置 - Google Patents

液晶素子、及びこれを用いた液晶装置

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JPH0843828A
JPH0843828A JP17408994A JP17408994A JPH0843828A JP H0843828 A JPH0843828 A JP H0843828A JP 17408994 A JP17408994 A JP 17408994A JP 17408994 A JP17408994 A JP 17408994A JP H0843828 A JPH0843828 A JP H0843828A
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integer
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JP17408994A
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Katsutoshi Nakamura
勝利 中村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 より良好な配向状態をとり、ブックシェルフ
構造、あるいはそれに近い層傾き角の小さな液晶層をと
り、均一で且つ良好な配向状態をとり高コントラストの
液晶素子を提供する。 【構成】 縮合多環炭化水素を骨格に有する配向制御層
13a、13bを夫々有するガラス基板11a、11b
間に、下記化合物を含有する強誘電性液晶組成物を配置
してなる液晶素子。 【外1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータの端末デ
ィスプレイ、各種フラットパネルディスプレイ、ワード
プロセッサ、タイプライター、テレビ受像機、ビデオカ
メラのビューファインダー、プロジェクターの光りバル
ブ、液晶プリンターの光バルブ等に用いられる強誘電性
液晶組成物を用いた液晶素子に関する。
【0002】更にそれらを使用した液晶装置に関する。
【0003】
【従来の技術】従来より、最も広範に用いられてきてい
るディスプレイとしてCRTが知られており、テレビや
VTRなどの動画出力、あるいはパソコンのモニターと
して広く用いられている。しかしながら、CRTはその
特性上、静止画像に対しては、フリッカや解像度不足に
よる走査縞等が視認性を低下させたり、焼きつきによる
蛍光体の劣化が起こったりする。また、最近ではCRT
が発生する電磁波が人体に悪影響を与えることが分か
り、VDT作業者の健康を害する恐れがある。そして、
構造上、画面後方に広く体積を有するため、オフィス、
家庭の省スペース化を阻害している。
【0004】このようなCRTの欠点を解決するものと
して液晶表示素子がある。例えばエム・シャット(M.
Schadt)とダブリュー・ヘルフリッヒ(W.He
lfrich)著“アプライド・フィジックス・レター
ズ”(Applied Physics Letter
s”)第18巻、第4号(1971年2月15日発行)
第127頁〜128頁において示されたツイステッド・
ネマチック(twisted nematic:TN)
液晶を用いたものが知られている。
【0005】このTN液晶を用いた液晶素子の1つとし
て、コスト面で優位性を持つ単純マトリクスタイプの液
晶素子がある。この液晶素子は画素密度を高くしたマト
リクス電極構造を用いた時分割駆動の時、クロストーク
を発生する問題点があるため、画素数が制限されてい
た。
【0006】近年このような単純マトリクスタイプの液
晶素子に対して、TFTタイプといわれる液晶素子の開
発が行われている。このタイプは1つ1つの画素にトラ
ンジスタを作成し、各画素での動作を制御するため、ク
ロストークや応答速度の問題は解決される反面、大面積
になればなるほど、不良画素なく液晶素子を作成するこ
とが工業的に非常に困難であり、また可能であっても多
大なコストが発生する。
【0007】このような従来型の液晶素子の欠点を改善
するものとして、強誘電性液晶分子の屈折率異方性を利
用して、偏光素子との組み合わせにより、透過光線を制
御する型の表示素子がクラーク(Clark)およびラ
ガウェル(Lagerwall)により提案されている
(特開昭56−107216号公報、米国特許第436
7924号明細書)。この強誘電性液晶は、一般に特定
の温度域において、カイラルスメクチックC相またはカ
イラルスメクチックH相を有し、この状態において、加
えられる電界に応答して第1の光学的安定状態と第2の
光学的安定状態のいずれかを取り、且つ電界の印加のな
いときは、その状態を維持する性質、即ち双安定性を有
し、自発分極により反転スイッチングを行うため、非常
に早い応答速度を示す上、メモリー性のある双安定状態
を発現させることができる。更に視野角特性も優れてい
ることから、特に、高速、高精細、大面積の表示素子あ
るいはライトバルブとして適していると考えられる。ま
た、最近では、チャンダニ、竹添らにより、3つの安定
状態を有するカイラルスメクチック反強誘電液晶素子も
提案されている(ジャパニーズ ジャーナル オブ ア
プライド フィジックス(Japanese Jour
nal of Applied Physics)27
巻、1988年L729頁)。
【0008】このようなカイラルスメクチック液晶素子
においては、例えば「強誘電液晶の構造と物性」(コロ
ナ社、福田敦夫、竹添秀男著、1990年)に記載され
ているように、ジグザグ状の配向欠陥の発生や、上下基
板間での液晶分子のねじれ(スプレイ配向という)によ
り、コントラストを低下させる場合があるという問題が
あった。この欠陥は、素子構成において、上下基板間に
担持されたカイラルスメクチック液晶の層状構造が2種
類のジェブロン状(山形状)の構造を形成していること
に因ると考えられる。
【0009】この問題を解決する1つの方法として、プ
レチルト角を持たせることにより、ジェブロン層構造を
一方向に揃え、液晶分子の上下基板間のねじれ状態を一
様状態(ユニホーム配向という)よりもると弾性エネル
ギー的に不安定にする方法がある。
【0010】また他の方法としては、液晶層構造を
「く」の字に折れたシェブロン構造から、各層の傾きが
小さく大略平行に配列した本棚状の構造である。ブック
シェルフといわれる層状構造、あるいはそれに近い構造
を形成し(以下、該構造をブックシェルフと記す)、ジ
グザグ欠陥を解消すると同時にユニホーム配向を実現
し、高コントラストを実現する方法がある(例えば「次
世代液晶ディスプレイと液晶材料」(株)シーエムシ
ー、福田敦夫編、1992年)。ブックシェルフ層構造
を実現するには、1つには、ナフタレン系液晶材料を用
いる方法があるが、この場合、チルト角が10°程度で
あり、理論的最大透過率が得られる22.5°と比べて
非常に小さく、低透過率という問題がある。他の代表的
な例としては、シェブロン構造を取っている液晶素子に
外部から電場を加えてブックシェルフ構造を誘起する方
法があるが、この方法は、温度などの外部刺激に対して
の不安定性が問題となっている。
【0011】ブックシェルフあるいはそれに近い層構造
を呈する液晶として、パーフルオロエーテル側鎖をもつ
液晶性化合物(米国特許5,262,082号明細
書)、液晶組成物(1993年第4回強誘電液晶国際会
議P−46、Marc D.Radcliffeら)等
が提案されている。これらの液晶材料によれば、電場等
の外部場を用いずともブックシェルフあるいはそれに近
い層傾き角の小さな構造を最適なチルド角で現出するこ
とが可能である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような液晶性化合物は、一般的にコレステリック相を
とらない。この点に起因して、該液晶性化合物を含有し
た液晶組成物を所定の一軸配向処理を施した配向処理層
を有する電極基板間(配向処理層は少なくとも一方の基
板上に設けられる)に配置して液晶素子を構成した場
合、液晶の配向状態を充分に制御することができず、良
好な配向状態を得ることができなかった。
【0013】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、その課題とするところは、ブックシェルフ構造
あるいはそれに近い層傾きの小さな構造の液晶層を安定
してとり、且つ特に優れた配向状態をとり、高コントラ
ストであり、応答速度が速く、高精細、高輝度の液晶素
子、特に強誘電性液晶素子を提供することである。
【0014】本発明の更なる課題は、上記液晶素子を用
いてた液晶装置、特に、高コントラスト、高精細、高輝
度、大面積化が実現され優れた表示特性を示す表示装置
を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の上記課
題は、一対の対向する基板間に、下記一般式Iで表され
る化合物を少なくとも一種含有する強誘電性液晶組成物
を配置してなる液晶素子であって、少なくとも一方の基
板における液晶側の表面には、下記一般式IIで表され
る繰り返し単位を有するポリイミドを一軸配向処理した
配向制御層が設けられていることを特徴とする液晶素子
によって達成される。
【0016】〔一般式I〕 P−Q−A−W−B−(T−D)n −U−V (A、B、Dはそれぞれ同一もしくは異なる芳香族環、
複素環、脂肪族環あるいはそれらの縮環構造を表し、そ
れらの環は置換されていても良い。Q、W、Tは、それ
ぞれ同一もしくは異なり、単結合、−O−、−COO
−、−OCO−、−C≡C−、−CONR−、−NRC
O−、−NR−、−CH2 −、−CH=N−、−N=C
H−、−CH=CH−、−COS−、−SCO−、−C
2 CH2−、−CH2 O−、−OCH2 −、を表す。
Rはアルキル基を表す。Pは置換されていても良いアル
キル基を表す。nは0、1、または2を表す。Uは−C
O−Cm2m−、−O−Cm2m−、−Cm2mCO
−、−Cm2mO−,−Cm2m−、−OSO2 −、−
SO2 O−、−SO2 −、−SO2 −Cm2m−、−O
−Cm2m−O−Cm2m−、−Cm2m+1SO2 −、
−Cm2m−O−Cm2m−O−、−Cm2m−N(C
m 2m +1)−SO2 −、−Cm2m−N(Cm 2m
+1)−CO−、−SO2 −N(Cm 2m +1)−Cm
2m−、−CO−N(Cm 2m +1)−Cm2m−、
を表し、m、m′はそれぞれ同一もしくは異なる1から
20までの整数を表す。Vは、−(Cp2pO)qr
2r+1、Cs2s+1を表す。pはqが複数の場合それぞ
れの(Cp2pO)に対して独立に1から10の整数で
あり、qが1の場合1から10の整数である。qは1か
ら6の整数である。rは1から10の整数である。sは
1〜20の整数である。) 〔一般式II〕
【0017】
【外4】 (式中、R21は縮合多環炭化水素を骨格とする4価の炭
化水素基を表し、L21、L22は夫々独立に置換されてい
ても良い炭素数1〜20アルキレン基、1,4−フェニ
レン、
【0018】
【外5】 22は、単結合、−O−、−C(R23)(R24)−を表
す。R23、R24は、夫々独立に炭素数1〜6のパ−フル
オロアルキレン基又は炭素数1〜6の直鎖状または分岐
状アルキレン基を表す。) 本発明は、上記一般式Iの化合物を必須成分として含有
し、更に必要に応じて適宜1種以上のアキラル化合物や
カイラル化合物を配合した強誘電性液晶組成物を、上記
一般式IIの繰り返し単位からなる特定構造の、即ち、
縮合多環炭化水素を骨格とするポリイミドからなる配向
制御層を具備した基板間(少なくとも一方の基板に上記
ポリイミド配向制御層を形成)に配置した点で特徴的で
ある。
【0019】上記一般式Iの化合物を配合した液晶組成
物はブックシェルフ構造をとり得るものであるが、本発
明の液晶素子では、該化合物を含む組成物、上記配向制
御層の併用により、ブックシェルフ構造あるいはそれに
近い層傾きの小さい構造の得られる。
【0020】以下に本発明をその作用とともに詳細に説
明する。
【0021】強誘電性液晶素子として双安定性が発現す
るのは、SmC*相(カイラルスメクチックC相)で、
その配向状態は液体相(アイソトロピック相)からの徐
冷によって形成される。従って、アイソトロピック相と
カイラルスメクチック相間にある相系列が配向形成に大
きな影響を与える。熱力学的な安定性から相系列として
は 1)Iso−Ch−SmA−SmC* 2)Iso−−−−SmA−SmC* 3)Iso−Ch−−−−−SmC* 4)Iso−−−−−−−−SmC* の4通りが考えられる。ここで、Iso;液体相、C
h;コレステリック相、SmA;スメクチックA相であ
る。図2は、これら各相をモデル化して示したものであ
る。1)の相系列を有する液晶組成物は、Iso−Ch
転移において液晶分子の長軸方向秩序が形成され、Ch
−SmA転移において液晶分子の位置の秩序;層構造が
形成され、SmA−SmC*転移によって液晶分子のチ
ルトが発現するという段階を経た配向形成のため均一配
向が得やすい。しかしながら、(2)、(3)、(4)
の相系列を有する液晶組成物の場合、液晶分子の長軸方
向秩序と層形成が同時な(2)、層形成と液晶分子のチ
ルトが同時な(3)、液晶分子の長軸方向秩序と層形
成、さらにチルトが同時な(4)のように、複数の秩序
化が同時のため均一配向が得にくいという問題がある。
本発明は、前記一般式Iの化合物を必須成分とし、ブッ
クシェルフあるいはそれに近い層傾きの小さな構造をと
る液晶組成物に相当し得るとみられる2)の相系列を有
する液晶組成物の均一配向を実現するものである。
【0022】本発明者らによる、2)の相系列を有する
液晶のIso−SmA転移過程を観察した結果を図3に
模式的に示す。同図のようにIso状態からスメクチッ
クA相への転移では、ほぼ楕円形のSmA相の島(以後
バトネと呼ぶ)が発生し、それが成長して接合すること
によって相転移が完了することが見出された。ここで、
該液晶(特に液晶セルに用いた場合)において生じる配
向欠陥はそのバトネの成長方向が揃わずランダムであっ
たり、バトネ間不接合により発生していることも見出し
た。
【0023】このような配向欠陥の生じる理由について
は明らかではないが、かかる配向欠陥を生じる(2)の
相転移をとる液晶を、前記一般式IIの構造の繰り返し
単位を有するポリイミドがラビング等の一軸配向処理を
施された配向制御層を有する基板間に配置した場合、か
かる欠陥を解消し、均一且つ良好な配向状態を達成され
ることが見出された。これは、一般式IIの構造の繰り
返し単位を有するポリイミドは一軸配向処理における延
伸が容易であり、処理後の層中における電子密度の異方
性が大きいため上記2)の相転移をとる液晶に対しても
配向規制力が強いことに因ると考えられている。
【0024】本発明で用いる強誘電性液晶組成物の必須
成分として配向する、一般式(I)の化合物の具体例と
しては下記のものが挙げられる。
【0025】
【外6】 これら化合物は、単一でまたは複数の混合系の形で強誘
電性液晶組成物の母剤として用いる。
【0026】本発明で用いる強誘電性液晶組成物には、
化合物どうしの相溶性、層間隔等の制御に応じて前記以
外のカイラル化合物、アキラル化合物を含む種々の他の
液晶性化合物を適宜選択して、また酸化防止剤、紫外線
吸収剤、色素、顔料等の添加剤が含有されていてもよ
い。
【0027】一方、本発明の液晶素子で配向制御層の材
料として用いる、ポリイミドの具体例(一般式IIの繰
り返し単位の例)として、下記のものが挙げられる。
【0028】
【外7】
【0029】
【外8】
【0030】
【外9】
【0031】一般式IIの繰り返し単位を有するポリイ
ミド化合物には、強誘電性液晶組成物に対し強い配向制
御能を示す分子構造として剛直性、直線性、結晶性が高
いものが好ましい。このような特性を備え、更に溶媒に
対する溶解性及び基板に対する塗布性を考慮すると一般
式IIにおいて縮合多環炭化水素基R21が下記のような
骨格であるような繰り返し単位を有するポリイミドが特
に好ましい。
【0032】
【外10】 また、式II中、L1、L2が1,4−フェニレンであ
り、R22が単結合または−O−であるようなポリイミド
によれば、強い配向規制力を持つ配向制御層が得られ
る。一般式IIの構造におけるテトラカルボン酸の骨格
部分がナフタレン骨格であるようなポリイミド、更にジ
アミン部分が剛直であるようなポリイミドからなる配向
制御層は、より安定した配向制御能を有する。
【0033】以下、図1を参照して本発明の液晶素子の
一例(液晶セルの構成の例)を説明する。
【0034】11a、bはガラス基板、12a、bは酸
化錫、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)等
の透明電極である。13aはラビング等の一軸配向処理
が施されたナイロン、ポリイミド等の配向膜(配向制御
層)、13bは一軸配向処理をほどこさないシランカッ
プリング剤、ポリイミド、ポリシロキサン等の配向膜、
14はシリカ等のスペーサビーズ、15は本発明に係る
強誘電性液晶組成物を用いた液晶層、16a、bは偏光
板、17はシール剤である。図1には記載していない
が、ITOと配向膜間に上下基板のショート防止層とし
て、ZnO、ZrO、TaOx等の絶縁膜を設けても良
い。本例では液晶層15としてコレステリック相を持た
ない単成分もしくは複成分からなるスメクチック相(母
剤)に化合物(a)を相溶限界の20%以上、相溶限度
未満添加したものを用いる。ここでは非対称セル構成を
示したが、対称セル構成においても本発明の液晶組成物
に起因した効果は発現する。
【0035】また、上記構成の液晶素子は、透明電極1
2a、12bがリード線を介して信号電源に接続され
(図示せず)、該信号電源からのスイッチング信号に応
じてスイッチングが行われ、例えば表示素子等のライト
バルブとして機能する。また、透明電極12a、12b
を上下基板間でクロスにマトリクス配置すれば、パター
ン表示、パターン露光が可能となり、例えばパーソナル
コンピュータ、ワードプロセッサ等のディスプレイ、プ
リンタ用ライトバルブとして用いられる。
【0036】上記構成の液晶素子では、配向制御層13
aとしては、縮合多環炭化水素骨格を有するポリアミッ
ク酸溶液を塗布、焼成して形成される前述したよう一般
式IIの繰り返し単位を有するポリイミドの一軸配向処
理膜、特にラビング処理膜を用いる。
【0037】尚、本発明の液晶素子は、前記強誘電性液
晶組成物を用い、基板状に前記ポリイミドからなる配向
制御層を形成し該組成物からなる液晶層を制御して所定
の機能を付与する構成であれば、その他の構造は特に限
定されない。
【0038】本発明の液晶素子は種々の液晶装置を構成
する、例えば、該液晶素子を表示パネル部に使用し、図
4、図5に示した走査線アドレス情報をもつ画像情報な
るデータフォーマット及びSYN信号による通信同期手
段を取ることにより液晶組成物を自在に制御して表示画
像を得る液晶表示装置を実現することができる。図中の
符号はそれぞれ以下のとおりである。
【0039】101 液晶表示装置 102 グラフィックコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動装置 105 情報線駆動装置 106 デコーダ 107 操作信号発生装置 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生装置 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM
【0040】画像情報の発生は、本体装置側のグラフィ
ックコントローラ102にて行われ、図4及び図5に示
した信号転送手段にしたがって、表示パネル103へと
転送される。グラフィックコントローラ102は、CP
U(中央演算処理装置、GCPUと略す。)及びVRA
M(画像情報格納用メモリ)114を核にホストCPU
113と液晶表示装置101間の画像情報の管理や通信
をつかさどっている。なお、該表示パネルの裏面には、
光源が配置されている。
【0041】本発明の液晶装置の一例である表示装置で
は、表示媒体である液晶組成物がカイラルスメクチック
相を示し、ブックシェルフ、またはそれに近い層傾き角
の小さな構造の液晶層となり、特にその配向状態もより
良好となり、応答性がよく、高精細、高輝度、コントラ
ストに優れた、大面積での表示画像を得ることができ
る。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例に沿って詳細に説明す
る。
【0043】本実施例で用いた液晶性組成物は化合物A
及びBを95/5(重量比)で混合して得た。
【0044】
【外11】
【0045】かかる組成物の物性パラメータは以下の通
りである。
【0046】
【外12】
【0047】(実施例1)実施例1に使用する液晶のセ
ルを以下の如く作製した。
【0048】ガラス基板(2枚使用)の厚さは1.1m
mであり、透明電極として約150nm厚のITO膜を
形成し、更にスピンコート法により配向制御膜を形成し
た。
【0049】2枚の基板の夫々には、異なる条件で膜形
成を行った。即ち、一方の基板(第1の基板)について
は、3500rpmの速度で回転しているガラス基板に
溶液(下記繰り返し単位を有する化合物の固形分1.0
重量%溶液)を垂らし、そのまま20秒回転させた。そ
の後、80℃で5分間前乾燥を行った後、270℃で1
時間加熱熱焼成処理を施した。なお、かかる方法により
形成した配向制御膜の膜厚は5nmであった。一軸配向
処理としてナイロン布によるラビング法を施した。
【0050】
【外13】
【0051】他方の基板(第2の基板)については、2
000rpmの速度で回転しているガラス基板に溶液
(シランカップリング剤;ODS−Eのエタノールの
0.5重量%溶液)を垂らし、そのまま20秒回転させ
た。その後、80℃で5分間前乾燥を行った後、180
℃で1時間加熱乾燥処理を施した。
【0052】続いて、配向処理を施したガラス基板上に
スペーサとして平均粒径2.0μmのシリカビーズを散
布し、他方のガラス基板を重ね合せてセルを作製した。
【0053】このセルに上述したような液晶組成物を等
方相下で真空注入してから4℃/minで室温まで徐冷
することによって配向させ液晶素子を得た。
【0054】以上のようにして作製した液晶素子につい
て後述するような方法によりコントラストを測定したと
ころ、120といった高い価が得られた。
【0055】ここで本発明で配向性評価の手法として行
ったコントラストの測定法を説明する。
【0056】まず、クロスニコルに配置された偏向板間
に素子をサンドイッチし、図6(A)に示す駆動波形
(20V、1/3バイアス、1000デューティーのパ
ルスを印加する。次にパルス幅を変化させ、双安定反転
のしきい値のパルス幅において駆動時の最暗透過光強度
が得られる角度に素子を回転し、その時の透過光強度を
図6(B)のようにIb、その配置において液晶分子が
反転したときの透過光強度Iwをホトダイレクタで検出
し、その比をコントラストの評価値とした(CR=Iw
/Ib)。均一配向が得られていないときには、欠陥か
らの光り漏れによりIb値が大きくなりCR値は小さく
なる。
【0057】(実施例2)実施例1における、第一の基
板側の配向制御層として下記構造の繰り返し単位を有す
るポリイミド膜を加熱焼成により形成した以外は、同例
と同様にセルを構成し、前記液晶組成物を注入して液晶
素子を得た。かかる素子についてコントラストを測定し
たところ90であった。
【0058】
【外14】
【0059】(実施例3)実施例1における第一の基板
側の配向制御膜として、下記構造の繰り返し単位を有す
るポリイミド膜を加熱焼成により形成した以外は、同例
と同様にしてセルを構成し、前記液晶組成物を注入して
液晶素子を得た。かかる素子についてコントラストを測
定したところ85であった。
【0060】
【外15】
【0061】(参考例1)実施例1における第一の基板
側の配向制御膜として、下記構造の繰り返し単位を有す
るポリイミド膜を加熱焼成により形成した以外は、同例
と同様にしてセルを構成し、前記液晶組成物を注入して
液晶素子を得た。かかる素子についてコントラストを測
定したところ40であった。
【0062】
【外16】
【0063】(参考例2)実施例1における第一の基板
側の配向制御膜として、下記構造の繰り返し単位を有す
るポリイミド膜を加熱焼成により形成した以外は、同例
と同様にしてセルを構成し、前記液晶組成物を注入して
液晶素子を得た。かかる素子についてコントラストを測
定したところ45であった。
【0064】
【外17】
【0065】上述したような実施例及び参考例の結果よ
り、前記一般式Iを有する化合物を含有する強誘電性液
晶組成物を用いる特にCh相をとらない液晶素子では、
ナフタレン等の特定の縮合多環構造の骨格を有するポリ
イミドを配向制御層として用いることでより均一で且つ
良好な配向状態が得られ、コントラストの向上がもたら
される。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ブックシェルフ構造あるいはそれに近い層傾きの小さな
構造の液晶層を安定してとり、且つ特に優れた配向状態
をとり、高コントラストであり、高速応答性に優れ、特
に表示に関しては高精細、高輝度の液晶素子が提供され
る。
【0067】更に、本発明によれば、上記強誘電性液晶
組成物を用いて優れた性能を有する液晶装置、特に大面
積化が実現された優れた表示特性を有する表示装置が提
供され、その工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の強誘電性液晶組成物を用いた液晶素子
の一例の断面概略図である。
【図2】液晶の各相における液晶分子の状態を示す説明
図である。
【図3】コレステリック相を持たない液晶の相転移過程
を模式的に示す図である。
【図4】本発明の強誘電性液晶組成物を用いた液晶素子
を備えた表示装置とグラフィックコントローラを示すブ
ロック図である。
【図5】表示装置とグラフィックスコントローラとの間
の画像情報通信タイミングチャートを示す図である。
【図6】(A)は本発明の実施例において、コントラス
ト測定に採用した駆動波形を示す図である。(B)は本
発明の実施例において、コントラスト測定で検出される
透過光強度を示す図である。
【符号の説明】
11a、11b ガラス基板 12a、12b 透明電極 13a、13b 配向膜(配向制御層) 14 スペーサビーズ 15 強誘電性液晶組成物を用いた液晶層 16a、16b 偏向板 17 シール剤 101 液晶表示装置 102 グラフィックコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動装置 105 情報線駆動装置 106 デコーダ 107 操作信号発生装置 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生装置 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の対向する基板間に、下記一般式I
    で表される化合物を少なくとも一種含有する強誘電性液
    晶組成物を配置してなる液晶素子であって、 少なくとも一方の基板における液晶側の表面には、下記
    一般式IIで表される繰り返し単位を有するポリイミド
    を一軸配向処理してなる配向制御層が設けられているこ
    とを特徴とする液晶素子。 〔一般式I〕 P−Q−A−W−B−(T−D)n −U−V (A、B、Dはそれぞれ同一もしくは異なる芳香族環、
    複素環、脂肪族環あるいはそれらの縮環構造を表し、そ
    れらの環は置換されていても良い。Q、W、Tは、それ
    ぞれ同一もしくは異なり、単結合、−O−、−COO
    −、−OCO−、−C≡C−、−CONR−、−NRC
    O−、−NR−、−CH2 −、−CH=N−、−N=C
    H−、−CH=CH−、−COS−、−SCO−、−C
    2 CH2−、−CH2 O−、−OCH2 −、を表す。
    Rはアルキル基を表す。Pは置換されていても良いアル
    キル基を表す。nは0、1、または2を表す。Uは−C
    O−Cm2m−、−O−Cm2m−、−Cm2mCO
    −、−Cm2mO−,−Cm2m−、−OSO2 −、−
    SO2 O−、−SO2 −、−SO2 −Cm2m−、−O
    −Cm2m−O−Cm2m−、−Cm2m+1SO2 −、
    −Cm2m−O−Cm2m−O−、−Cm2m−N(C
    m '2m ' +1)−SO2 −、−Cm2m−N(Cm '2m
    ' +1)−CO−、−SO2 −N(Cm '2m ' +1)−Cm
    2m−、−CO−N(Cm '2m ' +1)−Cm2m−、
    を表し、m、m′はそれぞれ同一もしくは異なる1から
    20までの整数を表す。Vは、−(Cp2pO)qr
    2r+1、Cs2s+1を表す。pはqが複数の場合それぞ
    れの(Cp2pO)に対して独立に1から10の整数で
    あり、qが1の場合1から10の整数である。qは1か
    ら6の整数である。rは1から10の整数である。sは
    1〜20の整数である。) 〔一般式II〕 【外1】 (式中、R21は縮合多環炭化水素を骨格とする4価の炭
    化水素基を表し、L21、L22は夫々独立に置換されてい
    ても良い炭素数1〜20のアルキレン基、1,4−フェ
    ニレン、 【外2】 22は、単結合、−O−、−C(R23)(R24)−を表
    す。R23、R24は、夫々独立に炭素数1〜6のパ−フル
    オロアルキレン基又は炭素数1〜6の直鎖状または分岐
    状アルキレン基を表す。)
  2. 【請求項2】 前記一般式IIで表される繰り返し単位
    におけるR21が、下記の縮合多環炭化水素基のいずれか
    である請求項1記載の液晶素子。 【外3】
  3. 【請求項3】 前記一般式IIにおいて、L21、L22
    いずれも1,4−フェニレンであり、R22が単結合また
    は、−O−であり、xが0、1または2である請求項1
    記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】 請求項の1〜3のいずれかに記載の液晶
    素子を具備してなる液晶装置。
  5. 【請求項5】 前記液晶素子が表示素子としての機能を
    有する請求項4記載の液晶装置。
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