JPH064307B2 - 耐剥離性細胞状逆行反射性シ−ト - Google Patents

耐剥離性細胞状逆行反射性シ−ト

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JPH064307B2
JPH064307B2 JP61100797A JP10079786A JPH064307B2 JP H064307 B2 JPH064307 B2 JP H064307B2 JP 61100797 A JP61100797 A JP 61100797A JP 10079786 A JP10079786 A JP 10079786A JP H064307 B2 JPH064307 B2 JP H064307B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔本発明の技術分野〕 本発明は細胞状逆行反射性(cellular retroreflective)
シートに関する。
〔本発明の背景〕
本発明は米国特許第3,190,178号に初めて教示された種
類の細胞状逆行反射性シートの改良に関する。そのよう
なシートは透明微小球の層が部分的に埋められ且つ部分
的に露出されている基礎シートと、微細球の層の上に離
れた状態に配置された透明な覆いフイルムと、基礎シー
トと覆いフイルムとを一緒に接着し且つ基礎シートと覆
いフイルムとの間の場所を、気密に密封された細胞へ分
ける網目状の狭い交差結合部とからなる。そのようなシ
ートに関し、覆いフイルムが基礎シートから剥離するこ
とに対するシートの抵抗性を増大する努力が続けられて
いる。そのような剥離が起きると水分が細胞中に入り、
微小球の露出した表面を覆い、それによって微小球の焦
点を結ぶ能力を低下させ、微小球の後ろにある鏡面状反
射層の破壊的腐食が促進されることになる。
覆いフイルムと基礎シートとの間の結合強度の著しい増
大は、米国特許第4,025,159号に教示された発明によっ
て達成されており、その場合結合部は適当な場所に熱的
に形成された後その場で硬化されている。そのような結
合部を用いた商業的シートは以前のものにとって代わ
り、広く受け入れられている。
〔本発明の記載〕
覆いフイルムが基礎シートから剥離することに対し一層
大きな抵抗性を示す細胞状逆行反射性シートを今度作る
ことが出来た。新しい細胞状逆行反射性シートは、それ
が1)一つの表面上に配置された逆行反射性素子の層を有
する基礎シートと、2)逆行反射性素子の層から離れた状
態に配置された覆いフイルムと、3)基礎シートと覆いフ
イルムとの間に伸びている網目状の狭い結合部で、それ
らを一緒に接着し、逆行反射性素子が中に気密に密封さ
れている複数の細胞を形成するための結合交差部を有す
る点で、従来の細胞状逆行反射性シートに類似してい
る。米国特許第4,025,159号に教示されているように、
逆行反射性素子は透明な微小球でもよく、その場合覆い
フイルムはシートの前面にあり、或は逆行反射性素子は
立方体の角の形をした逆行反射性素子でもよく、その場
合覆いフイルムはシートの後ろ側にある。
新しいシートは、覆いフイルムが連続的な重合体相と、
その連続的な相全体にわたって分散した粒子状の不連続
な重合体相とからなり、しかもそのフイルムが二軸延伸
されていて、不連続な重合体相がフイルム全体にわたっ
て均一に分布した微小円板の形をしている点で、以前の
シートとは異なっている。そのような構造は多相複合イ
ンターポリマー(interpolymer)、好ましくはアクリルを
基にしたインターポリマーを用いて得ることが出来、そ
の場合不連続相は架橋されたエラストマー重合体材料か
らなり、連続相はエラストマー相の存在下で重合した一
層固い熱可塑性重合体材料からなる。
本発明のシートは覆いフイルムを基礎シートから取り除
く結果になりやすい力によってほとんど影響を受けな
い。そのような力の影響下で、覆いフイルムは一般にシ
ートの端の所だけ、例えば細胞の端の列から剥がれる
が、それ以上は除けない。シートのほとんどは元のまま
であり、続く用途にそのまま用いられる。
この改良の特別の原因にとらわれることなく、円板を含
むフイルムの内部強度は覆いフイルムと基礎シートの間
の結合の強度よりも小さいと考えられる。特に覆いフイ
ルムが応力下にある時、内部応力の模様はフイルムを破
壊させるような濃度で不連続相円板の縁の所に発達する
ことがある。本発明のシートが覆いフイルムを基礎シー
トから剥がすような力を受けている時、最大の応力が、
細胞の周りの結合部が覆いフイルムに接着されている点
で起きる。これらの応力は不連続相円板の周りに内部的
に集中しており、フイルムは、そのフイルムが結合部に
結合している線に沿って裂けるか或は壊れることがあ
る。
興味のあることに、他の人々は細胞状逆行反射性シート
に多相覆いフイルムを使用することを考えていたが(米
国特許第4,075,049号、第5欄、27〜36行参照)、彼等
はそれらのフイルムを二軸延伸して不連続相粒子を平ら
な円板状に形成させると細胞状逆行反射性シートに生ず
る利点を認識していなかった。平らな円板状にすると、
細胞状逆行反射性シートでは今まで決して得られなかっ
た剥離に対する抵抗性を与えるフイルムが得られる。
〔例示的実施態様の詳細な記載〕
第1図及び第3図に示してあるように、本発明の逆行反
射性シート(10)は基礎シート(11)、透明な覆いフイルム
又は覆いシート(12)と、前記基礎シートと前記覆いフイ
ルムと一緒に結合し且つそれら結合部の間の場所を、気
密に密封された細胞即ちポケット(14)に分ける狭い交差
結合部(13)とからなる。
第2図及び第3図に示してあるように、本発明の代表的
な微小球に基づくシートでは基礎シート(11)は典型的に
は結合剤材料の支持体層、その支持体層に部分的に埋め
られ且つその支持体層上に部分的に露出した透明な微小
球(16)の単粒子層、及び微小球の埋められた表面の下に
あってそれと光学的に結合した、米国特許第3,700,305
号に記載されているような誘電体材料或は蒸着したアル
ミニュムの如き鏡面状光反射性層(17)を含む。例示した
構造の変更として米国特許第4,025,159号の第4図に例
示されている如き、結合剤の別の層が例えば、微小球の
露出した部分間に、覆いフイルムへの結合部分を形成す
るのを助ける為に含まれている。
第2図に例示した如き基礎シート(11)は、例えば、米国
特許第3,190,178号に記載の如き当分野でよく知られた
方法によつて製造することが出来るその場合覆いフイル
ム(12)と基礎シート(11)の組み立て体を、米国特許第3,
190,178号にも記載されているように、その組み立て体
を一対の加熱した板の間に挿入して一緒に積層体状にし
ても良い。一つの板は上が平らに持ち上がった長い隆起
部の模様を持つ浮き彫り模様の付いた板であり(第2図
の(19)で表されている)、そしてその隆起部は基礎シー
ト(11)を圧搾して支持体層(15)を第3図に示した形状に
変形させる。支持体層は、それは前記圧搾された領域中
で微小球へ流れ、そして覆いフイルム(12)と接触するよ
うに充分に加熱して圧搾する。浮き彫り模様のついた板
上の隆起部の模様は第1図に例示した網目状の狭い結合
部を形成するような模様である。もし望むならば、支持
体フイルムを圧搾操作前に、又はその操作中支持体層に
積層して、支持体層から圧搾用板を離すようにしてもよ
い。さらに、シートは接着剤層及び剥離裏打ちを含んで
いてもよい。
圧搾操作後も覆いフイルム(12)は、微小球(16)とは離れ
た状態になったままである。例えば、空気の単分子層ぐ
らいの極めて薄い空間は希望の光学的硬化を得るのに必
要な空気界面を与える。圧搾操作後、シート材料は、覆
いフイルムによって覆われ且つ重合体を基にした結合部
によってすべての境界が取り負かれた希望の機密な細胞
部を有する。シート材料は、その点では完了していても
よいが、一つの好ましい構造としては、へこみをつけら
れたシートは米国特許第4,025,159号に記載の如く予め
定められた水準の照射にかけられ、それによって結合剤
材料(15)を比較的溶融しない不溶性の状態へ硬化させ
る。迅速に作用する形の照射、即ち5分より短く、好ま
しくは5秒よりも短い適用でよい照射は、経済的な理由
からも、又結合が最終的強度よりも小さい間にその生成
物を取り扱うのを最も少なくするためにも極めて好まし
い。電子ビーム照射はひどく着色した被覆でさえも透過
する能力、適用したエネルギーの効果的利用及びスピー
ド、及びその制御のしやすさから特に望ましい。他の有
用な照射の種類には紫外線、原子核放射線、マイクロウ
ェーブ照射及び加熱が含まれるが、現在熱線照射は適用
に長い時間がかかり好ましくない。
熱的に形成された結合部を形成するのに有用な結合剤材
料は典型的には室温で固体であり、25℃〜150℃の間の
温度に加熱すると流動可能な状態へ軟化するものであ
る。凹凸をつけるための板の圧力で結合剤材料は充分に
流動し、覆いフイルムを濡らし、圧搾された領域中の微
小球にあふれるが、圧搾されてない領域中にはたいして
流れず、それによって露出した微小球の上記細胞即ちポ
ケットを残す。さらに一度び熱と圧力が除かれれば、結
合剤材料はその熱形成された形を保持するであろう。
もし結合剤材料を次に硬化させなければならないなら
ば、例えば、電子ビーム照射によ硬化させたいならば、
それは一種以上の反応性成分、例えば、電子ビーム照射
があると活性化される成分を含むであろう(開始剤分子
の分解或は水素原子が失われるか又は移行することによ
る遊離基の形成によるようなもの)。例えば米国特許第
4,025,159号を参照されたい、これは参考のためここに
入れてある。
アクリールを基にした成分は特に有用な結合剤材料であ
る。(ここで用いる「アクリールを基にした成分」とは
アクリール又はメタクリール酸又はアクリール又はメタ
クリール酸から得られた成分を意味する)。典型的な有
用なアクリールを基にした単量体はポリエチレン グリ
コール ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオール ジ
アクリレート、ヒドロキシメチール ジアセトン アク
リールアミド、及び2−シアノエチル アクリレートで
あり、典型的なアクリールを基にした重合体材料はアク
リレート又はメタクリレート重合体又は共重合体であ
る。他の有用な結合剤材料は、ジアルキル グリコール
カーボネート、及び飽和した或は未飽和ポリエステル
又はポリウレタン樹脂によって代表される。結合剤材料
は生成物の覆いフイルムに良好な接着を与えるように選
択される。
第1図〜第4図に示したような逆行反射性シート中の結
合剤材料の支持体層は、一般に用いられた微小球の平均
直径と少なくともほぼ同じ厚さであるべきであり、用い
られた微小球の直径の2〜3倍に近くてもよい。
支持体層から結合剤材料を移動させるのは、そのような
操作では工程数が一層少なく、シート内の界面が最も少
なく、きれいな細い線に結合部の形を調節出来る等の理
由から、結合部を形成するのに好ましい方法であるが、
結合剤材料は支持体層から別個にシートへ、例えば、網
目状に予め形成した別のシートとして導入してもよい。
そのように別個に導入された結合剤材料は次に覆いシー
トと基礎シートとの間に、例えばそれを二つのシートと
接触するように熱的に形成し、好ましくはその熱的形成
に続いて前述の如く硬化させることにより接着させる。
熱的形成は予め形成された構造体の端部分だけが流れ
て、それがプレスされる相手の基材と密封接触するよう
になることを必要とするであろう。さらに基礎シート或
は覆いシートから材料を移動させるよりも、結合部構造
を覆いフイルムと基礎シートとの組み立て前に、立方体
の角の形をした構造体を成型する時にそのような結合部
構造体を成型することにより形成してもよい。基礎シー
トと覆いフイルムとの組み立て中、予め形成した結合部
構造体を覆いフイルム又は基礎シートへ、例えば、結合
部構造体又はそれがはまる表面の熱的形成により接着す
る。
本発明のシートのための覆いフイルムをつくるためにい
ろいろな種類の多相重合体を手に入れることが出来る。
好ましい重合体は、例えば、米国特許第3,793,402号、
第3,808,180号、第3,562,235号、第4,173,600号、或は
英国特許第1,323,506号に教示されているような多相複
合共重合によって作られる。これらの特許は種々の単量
体成分から作られたインターポリマーを教示している
が、本発明にとって透明及び耐候性に好ましい成分は主
にアクリレートを基にした及び(又は)メタクリレート
を基にした成分である。他の有用な単量体成分はアクリ
ロニトリル、スチレン、ブタジエン、エチレン・プロピ
レン及びビニール単量体である。
好ましい方法の最初の工程、或は最初の段階では、一般
にゴム状或はイラストマー状で均一に架橋した共重合体
が、アクリール酸のアルキル又はアラキルエステルと少
量の架橋用単量体との乳化共重合によつて形成される
(エラストマーとは室温で延伸し、延伸力を除いた時、
実質的にその最初の大きさへ迅速に戻る材料を意味す
る)。共重合は半径が約40〜200ナノメーターの範囲の
中間から大きな粒径の第1段階ラテックスを形成するよ
うな反応条件下で行なわれる。一つの好ましい組成物中
のアクリール酸のアルキル又はアラルキルエステル中の
アルキル基は一般に2〜8個の炭素原子を含む。アルキ
ル基は直鎖でも分岐鎖でもよい。アルキル又はアラルキ
ルアクリレートの約20重量%までの部分は、アルキルア
クリレートに関して架橋していないで、それと共重合出
来る未端基H2C=CH−を有するモノエチレン系不飽
和単量体で置き換えることが、出来る。そのようなビニ
リデン単量体の例は、塩化ビニリデン、塩化ビニール、
アクリロニトリル、ビニールエステル、アルキルメタク
リルエステル、スチレン等である。アルキル又はアラル
キルアクリレート単量体を架橋するために、例えば、0.
05〜5重量%の量で架橋用二又は多官能単量体を用い、
好ましくはエチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブチレングリコールジアクリレート、又はプロピレン
グリコールジアクリレートの如きアルキレングリコール
ジアクリレートである。
第2工程又は第2段階として、メチルメタクリレートの
如きメタクリール酸の低級アルキル又はアラルキルエス
テルと、アクリール酸のアルキル又はアラルキルエステ
ルとの混合物を、予め形成されたラテックスの存在下
で、重合した鎖が第1段階で生成された架橋重合体鎖に
結合し且つ(又は)緊密に伴われているようになる条件
で重合する。第2段階中、本質的に新しい又は明確な粒
子は生成しないが、その代わり新たに重合された材料が
前の粒子に蓄積する。第1段階重合体粒子は第2段階重
合中に互いに凝集しないほうがよく、それは一般に第1
段階重合体材料の架橋によって達成される。
さらに重合工程は組成を変けて、例えば一層固い熱可塑
性材料を一般に生ずるように成分の混合物の異なった割
合を用いて行ってもよい。例えば、後の段階では、アル
キル又はアラルキルアクリレートの量を次第に少なく
し、低級アルキル又はアラルキルメタクリレート例えば
1〜C4アルキルメタクリレートの量を次第に増加して
もよい。最後の即ち固い段階では、0〜20重量%のアル
キルアクリレート及び80〜100重量%の低級アルキルメ
タクリレートが存在するであろう。
最終的に固体で粒子状の心・殻型の熱可塑性重合体生成
物を蒸発又は適当な凝集洗浄によって乳液から分離す
る。そのような重合体粉末からフイルムを既知の方法に
よって製造してもよい。一般に、フイルムは上昇させた
温度で押し出し法によって製造され、その場合粉末は一
緒に溶融され、後で形成された熱可塑性相は連続的なマ
トリックス即ち連続相になり、その中で最初に形成され
た芯部分は不連続相として分散している。粉末状の重合
生成物中、の段階的変化があるが、エラストマー相はフ
イルム中に均一に分散している粒子の形で別々の相とし
てフイルムを顕微鏡検査すると区別することが出来る。
押し出すと、その押し出し中に変形が起きるため、フイ
ルムを押し出した方向に不連続相粒子のわずかな伸びが
あるかも知れない。しかしフイルムの二軸配向中、粒子
はフイルムの長手方向及び幅方向の両方に一層実質的な
延伸を受け、それに対応してそれら粒子は円板状に平ら
になり、即ち厚さよりも大きな直径を持つ幾らか丸い形
になる(円板が数字26で示されている第5図及び第6図
参照)。この延伸は不連続相粒子即ちインターポリマー
の芯部分が重合体の連続相部分よりも一般に柔らかいの
で促進される。即ち重合体の不連続相部分は圧力下で、
少なくともそのフイルムが配向される温度で、典型的に
は室温でも、重合体の連続相部分よりも一層容易に変形
する。連続相粒子は−10℃以下のガラス転移温度を有す
るのが好ましく、それらのガラス転移温度は重合体の連
続相部分のそれよりも少なくとも80℃低いのが好まし
い。不連続相と連続相とからなるフイルムのどんな量の
二軸配向でも覆いシートの剥離に対する抵抗性を改良す
る。しかし、最良の結果は配向が円板の平均の長さ対厚
さ比を少なくとも2.5:1、最も好ましくは少なくとも
4:1にするのに充分である時に達成されている。配向
は長手方向配向機及び引張り(tentering)機を用いた標
準的配向装置で得られる。一般に、押し出した材料はそ
の押し出し方向とその横方向の両方で少なくとも150%
延伸即ち配向され、延伸の温度は一般にフイルムの連続
相重合体材料のガラス転移温度よりも少なくとも20℃高
い。一層高い延伸温度は特定の材料により覆いフイルム
の透明性を減ずることがある。例えば100℃の連続相ガ
ラス転移温度を有するアクリールインターポリマーは、
約125℃の引張り温度及び2:1の延伸比で希望の結果
が達成されている。
脆さはシートについて得られた改良された結果の中に入
る因子とは思われない。なぜなら実際、シートは二軸延
伸後、その前よりも一層大きな全可とう性及び靭性を有
する傾向があるからである。例えば、破断時の伸び値は
一般に二軸配向によって増大し、抗張力は実質的に同じ
ままである。しかし、そのような可とう性及び維持され
た抗張力にも拘わらず、前に注意したフイルムの破壊は
基礎シートへのその結合線に沿っておき、フイルムのシ
ートからの除去が限定されているだけである。
不連続相の円板の大きさは換えることが出来る。直径が
200ナノメーターよりも小さい円板は覆いフイルムに対
して優れた透明性を与える。一層良い透明性は不連続相
と連続相の重合体を同じような屈折率を持つようにする
ことによっても達成される。
不連続相は一般にフイルムの少なくとも約5%とを占
め、好ましくはフイルムの少なくとも8%を占める。そ
のような量は市販されている多相インターポリマーに存
在し、或はそのようなインターポリマーを他の重合体材
料と混合することによって得ても良い。後者の場合、重
合体は多相インターポリマーの連続相と相容性を持ち且
つ混和することが出来るように選択し、最終覆いフイル
ムではその重合体と連続相が混和して単一の相を形成す
るようにすることが出来る。フイルムは可視光線に対し
て極めて透明であるのが良く、シートが高性能逆行反射
機として機能を果たすには好ましくは少なくとも80%の
光透過率を持つようにすべきである(ASTM D174
6)。覆いフイルムは典型的には厚さが約1〜5ミルで
あるが、それらは透明性、強度、取り扱い性の如き希望
の性質のつり合いに依存して他の厚さを持っていても良
い。
本発明の逆行反射性シート中の微小球は一般に直径が約
200μmより小さく、10或は15μmよりは大きく、好ま
しくは25〜80μmである。微小球は好ましくは1.9の屈
折率を持つが、それらは微小球と鏡面状反射部剤との間
に透明隔離被覆を含むシートの如く、他の構造のシート
の場合には別の屈折率を持っていてもよい。
第6図に示したような代表的な立方体の角の形をした逆
行反射性シート(20)は透明な基礎シート(21)を有し、そ
の後ろ側の面には立法体の角の形をした逆行反射性素子
(22)が成型されている。立方体の角の形をした素子が存
在角、即ち、光が反射されるようにシートに向けられた
光の角度の範囲を増大するように傾けられているそのよ
うな基礎シートの好ましい形は、1985年4月17日に広告
番号0137736で広告された欧州特許出願84,306,198.7−
2205に教示されている。
透明基礎シート(21)の裏側に成型された立方体の角をし
た素子(22)は最良の結果を得るために水分から保護され
る必要があり、網目状の結合部(24)によってシートへ密
封された覆いフイルム(23)はそのような保護を与える。
覆いフイルムは上に記述したのと同じような積層法によ
って立方体の角の形をした表面へ接着されている。接着
剤層(25)は覆いフイルムの底部に配置されていてもよ
い。
本発明を次の実施例によってさらに例示する。
実施例1〜6 一連の透明な二軸配向フイルムを表1に記載した熱可塑
性のアクリルを基にした重合体及びそれらの重合体の混
合物から製造した。表1の重合体Aはメチルメタクリレ
ートとエチルアクリレートとの単一相共重合体からなる
成型級樹脂である。この樹脂は従来法の細胞状反射性シ
ート覆いフイルムを作るのに用いられている固いガラス
状樹脂の典型的なものである。重合体(B)〜(E)は多相イ
ンターポリマーで、この場合ばらばらなエラストマー粒
子は固いアクリールマトリックス中に分散している。こ
れらの材料はペレット状で市販されている。安定剤或は
潤滑剤の如き種々の添加物を、列挙した基本的成分の他
にこれら市販の重合体に含ませてもよい。米国特許第3,
793,042号第11欄及び第12欄参照。
第2表は製造されたフイルムの特定の組成を示してい
る。実施例1及び実施例2の場合には、重合体A及びD
のペレットはフイルム形成する前に特定の重量比で乾式
混合された。
各組成物を乾燥し、次に260℃(500°F)シート台を供
給するスクリュー押し出し機で溶融処理した。二軸配向
した75μm厚(3ミル厚)のフイルムを従来の引張り枠
装置で、300〜375μm厚(12〜15ミル厚)の押し出しシ
ートを形成し、続いてそのシートを押し出し方向とそれ
を横切る方向に2.0の延伸比を各方向で達成するように
延伸することにより製造した。
細胞状反射性シートの試験試料を、米国特許第4,025,15
9号に教示された方法に従って微小球を基にした基礎シ
ートをまず作ることにより製造した。用いた結合剤層は
次の成分の混合物から製造された照射硬化可能なアクリ
ール系被覆組成物であった。
重量部 38%固形物溶液を与えるように キシレン中に溶解した、52.5% メチルメタクリレート、43%エ チルアクリレート及び4.5%イソ オクチルアクリレートからなる 三元重合体 176.3 テトラエチレングリコールジア クリレート 14.0 ルチル型二酸化チタン 18.0 ステアリン酸 1.0 キシレン 40.7 ガラス微小球(50〜80μm直径で1.91の屈折率を持つ)
を、約125μm厚の紙ウェブ状の40μm厚ポリエチレン
被覆中に部分的に埋め、得られた微小球付き表面をアル
ミニュームで蒸着被覆した。
この結合剤の溶液をアルミニウム被覆した微小球付き表
面上に0.3mm(12ミル)にナイフで被覆し、そのウェブ
を空気送風炉で乾燥し、溶媒を除去し、次にそのウェブ
をポリエチレンテレフタレート(PET)の薄い保護フ
イルムに積層した。次にポリエチレン被覆した紙を注意
深く引き剥がし「露出したレンズ複合体」即ち未硬化結
合剤層中に蒸着被覆したガラス微小球が部分的に埋めら
れた基礎シートを形成した。
第2表に列挙した二軸配向透明覆いフイルムの試料を今
記述した基礎シートの試料上に重ね、それらフイルム
を、一本のローラーが加熱された凹凸ローラーである加
圧された密封ローラー装置にフイルムと基礎シートとの
複合体を通過させることにより網目状の模様に基礎シー
トへ熱封着した。封着速度は約3.6m(12フィート)/
分であった。凹凸付きローラーは約150℃(300°F)に
加熱され、未硬化結合剤材料を圧力下で流動させ、凹凸
付きローラーの持ち上がった隆起部の模様に対応する領
域で覆いフイルムと接触させた。密封された領域はおお
よそ500μm(20ミル)の幅があった。この密封模様が
形成された後、シート試料を200KV電子ビームで裏側
から照射し、2.0MRADの照射線量を与えた。次に
PETフイルムを各試料から取り除いた。
硬化した試料を2.5cm幅(1インチ幅)の帯びに切り断
し、接着剤を被覆したアルミニゥム板に適用し、覆いフ
イルムの剥離にたいするそれら試料の抵抗性を試験し
た。板上の接着剤は150μm厚のゴムを基にした接着剤
(例えば商標名3M「スコッチーグリップ」#147)の
層であった。鋭いカミソリ刃を用いて、試料帯の端の所
で密封された結合剤層から覆いフイルムを手で剥がすよ
うに試みた。このやり方で覆いフイルムを剥がすのは、
比較例1及び2の場合よりも本発明の試料の場合の方が
(実施例1〜6)遥かに困難であった。比較例1及び2
の覆いフイルムはインストロン引張り試験機で12.5/分
の速度で90°剥離試験を行うとカミソリ刃を用いて充分
に剥がすことができ、その試験で全覆いフイルムは一つ
の片で約0.5Kg/cm(3ポンド/インチ)の剥離値で除
去することが出来た。
本発明の試料では、覆いフイルムの大きな片は剥がすこ
とによって除くことは出来なかった。なぜならフイルム
は密封された領域に沿って裂けたからである。おおよそ
一つの細胞又は細胞の一列の大きさの片だけが取り除く
ことが出来た。本発明のシートの試料から除去された覆
いフイルムの片に結合材料の幾らかの残りが存在してい
るように見えた。それは恐らく結合剤材料のフイルムへ
の浸透が、比較例の場合の覆いフイルムへの浸透よりも
一層良かったことによるものであろう。
実施例7〜11 実施例1〜6に記載したような20×25cm(8インチ×10
インチ)の大きさの細胞状反射性シートの試料を大きな
0.25ミリ厚のアルミニウム板へ熱活性化接着剤及び市販
の熱ランプ真空適用機を用いて適用した。乗り物の逆行
反射性記号が商業的トラック洗浄で経験するような激し
い環境に似せる為、各長方形の試料の一つの20cmの端
を、その露出した端から5cmの距離に保持したノズルか
ら噴霧された高圧の水に30分間露出した。圧力は10.3×
106ニュートン/m(1500psi)であった。表3には除
去された覆いフイルムの推定面積が与えられている。切
り取った端に沿って部分的な細胞だけが実施例7〜11で
は除去されていた。
実施例12 実施例1を次の結合剤組成を用いて繰り返した。
重量部 45%の固形物になるようにキシレン中に 200 溶解したn−ブチルとイソブチル メタク リレートの50/50共重合体〔エルバサイ ト(Elvacite)2046、デュポン社製〕 ルチル型二酸化チタン顔料 20 4,4′ジフェニールメタン ジイソシア 8 ネートのジフェノール付加物 分子量約600のポリエキシエチレン ポリ 12 アミン〔ジファミン(Jeffamine)ED600 ジェファーソン・ケミカル・カンパニー インコーポレーテッド製〕 ステアリン酸 1 凹凸付け操作に続き、試料を65℃(150゜F)に設定した炉
中に17時間入れることにより硬化させた。硬化後、試料
を剥離抵抗について検査した。覆いフイルムの小さな片
しか何も取り除くことは出来なかった。覆いフイルムが
重合体Aのみである比較例をこの結合剤材料で作った
が、約2.5ポンド/インチの剥離力で除去することが出
来た。
実施例13 実施例1を次の結合剤組成物を用いて繰り返した。
重量部 エチルアセテート/ヘプタン中に25% 100 固形物として溶解した、57.5%イソオ クチルアクリレート、35%メチルアク リレート及び7.5%アクリール酸を含 む三元重合体 500のエポキシド等量重量を有するビ 25 スフェノールAの固体エポキシジグリ シジールエーテル(エポン1001、シェル 社製) 190のエポキシド等量重量を有するビ 10 スフェノールAのジグリシジールエー テル(エポン828、シェル社製) ルチル型二酸化チタン顔料 20 ステアリン酸 1 キシレン 50 N−メチルジエタノールアミン 6.9 凹凸付け操作に続き、試料を60℃(140°F)で70時間硬化
させた。次に試料を剥離抵抗について検査し、覆いフイ
ルムの小さな片しか何も除去することは出来なかった。
重合体Aだけを用いて作った覆いフイルムを持つ比較例
をこの結合剤材料を用いて同じく調製し、約0.25Kg/cm
(1.5ポンド/インチ)の剥離力で除去することが出来
た。
実施例14 実施例1を繰り返した。但し結合剤組成物中のテトラエ
チレングリコール ジアクリレートの代わりにトリプロ
ピレングリコール ジアクリレート(TPGDA)を用
いた。実施例1のカミソリ刃を用いた試験で剥離及びバ
ンダル(vandal)抵抗について製造したシートの
試料を試験すると、覆いフイルムは基礎シートから非常
に剥離しにくいことがわかった。フイルムの大きな片
は、覆いフイルムが商品名「スコッチ」の カーペット
テープ(3Mから入手できる)で支持されている時でさ
えも剥離することが出来なかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の代表的な微小球を基にした細胞状逆行
反射性シートの一部分の上面図である。 第2図は本発明の代表的微小球を基にした細胞状逆行反
射性シートの製造工程中の装置及びシート部分の拡大し
た概略的断面図である。 第3図は第2図に示した装置及びシート部分を用いて作
られた完成した微小球を基にした細胞状逆行反射性シー
トの一部分の断面図である。 第4図は本発明の代表的な立方体の角の形をした細胞状
反射性シートの断面図である。 第5図及び第6図は本発明の逆行反射性シートに用いた
代表的な覆いフイルムを通る大きく拡大した断面図であ
り、第5図はフイルムに対して横断するようにとられた
ものであり、第6図はフイルムの面と平行にとられたも
のである。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1)逆行反射性素子の層を一つの表面上に配
    置した基礎シートと、2)前記逆行反射性素子の層から離
    れた状態に配置された重合体覆いフイルムと、3)前記覆
    いフイルムと基礎シートとの間に伸びる網目状の狭い交
    差結合部で、覆いフイルムと基礎シートとを一緒に接着
    し且つ逆行反射性シートが中に気密に密封されている複
    数の細胞を形成させる為の交差結合部とを有する逆行反
    射性シートにおいて、覆いフイルムが連続的な重合体相
    及び不連続な重合体相からなり、しかも前記フイルムが
    二軸延伸され、前記不連続重合体相が前記フイルム全体
    にわたって均一に分布した微小円板の形になっているよ
    うにしてあることを特徴とする逆行反射性シート。
  2. 【請求項2】覆いフイルムが多相インターポリマーから
    なり、しかも不連続相が第1の重合体材料からなり、連
    続相が前記第1重合体材料の存在下で重合された第2の
    一層固い重合体材料からなることを特徴とする前記第1
    項に記載の逆行反射性シート。
  3. 【請求項3】不連続相が、連続相の重合体より低いガラ
    ス転移温度を有する重合体からなることをさらに特徴と
    する前記第1項又は第2項のいずれか1項に記載の逆行
    反射性シート。
  4. 【請求項4】不連続相が架橋された重合体からなること
    をさらに特徴とする前記第1項、第2項又は第3項のい
    ずれか1項に記載の逆行反射性シート。
  5. 【請求項5】逆行反射性素子が透明な微小球であること
    をさらに特徴とする前記第1項から第4項のいずれか1
    項に記載の逆行反射性シート。
  6. 【請求項6】逆行反射性素子が立方体の角の形をした逆
    行反射性素子であることをさらに特徴とする前記第1項
    から第4項のいずれか1項に記載の逆行反射性シート。
  7. 【請求項7】不連続相がアクリールを基にした成分から
    なることをさらに特徴とする前記第1項から第6項のい
    ずれか1項に記載の逆行反射性シート。
  8. 【請求項8】連続相がアクリールを基にした成分からな
    ることをさらに特徴とする前記第1項から第7項のいず
    れか1項にに記載の逆行反射性シート。
  9. 【請求項9】1)一つの表面上に配置された微小球の層を
    有する基礎シートと、2)前記微小球の層から離れた状態
    に配置された覆いフイルムと、3)前記覆いフイルムと基
    礎シートの間に伸びている網目状の狭い交差結合部で、
    前記覆いフイルムと基礎シートと一緒に接着し、微小球
    が中に気密に密封された複数の細胞を形成するための交
    差結合部とからなる逆行反射性シートにおいて、前記覆
    いフイルムが、不連続な架橋したエラストマー相と前記
    エラストマー相の存在下で重合した一層固い熱可塑性連
    続相とからなる多相インターポリマーからの、前記エラ
    ストマー相がアクリールを基にした成分からなり、そし
    て前記フイルムが二軸延伸されていて、前記エラストマ
    ー相が前記フイルム全体にわたって均一に分布した微小
    円板の形をとるようになっていることを特徴とする逆行
    反射性シート。
  10. 【請求項10】エラストマー相がアルキル又はアラルキ
    ル アクリレートからなり、熱可塑性相がアルキル又は
    アラルキル メタクリレートからなることをさらに特徴
    とする前記第9項に記載の逆行反射性シート。
  11. 【請求項11】円板が約200ナノメーターより小さい平
    均直径を有することをさらに特徴とする前記第1項から
    第10項のいずれか1項に記載の逆行反射性シート。
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