JPH0999510A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JPH0999510A
JPH0999510A JP7260529A JP26052995A JPH0999510A JP H0999510 A JPH0999510 A JP H0999510A JP 7260529 A JP7260529 A JP 7260529A JP 26052995 A JP26052995 A JP 26052995A JP H0999510 A JPH0999510 A JP H0999510A
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JP
Japan
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heat ray
ray reflective
reflective film
laminate
base material
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Application number
JP7260529A
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English (en)
Inventor
Michio Matsuura
路夫 松浦
Masaru Morita
賢 森田
Juichi Nishimura
重一 西村
Kosuke Hayashi
浩介 林
Kunimichi Hamaguchi
訓路 浜口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 意匠性および美観に優れると共に、充分な熱
線反射能を有し、耐候性に優れた積層体を安価に提供す
る。 【解決手段】 積層体10は、熱線反射フィルム1が、
基材2の表面に積層されてなっている。熱線反射フィル
ム1は、(メタ)アクリル系樹脂と熱線反射粒子とから
なっている。(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アク
リル酸アルキルエステルを含む単量体組成物(A)と架
橋性単量体とを共重合してなる架橋弾性体、および、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含み、該単量体
組成物(A)と同一組成であってもよく、異なる組成で
あってもよい単量体組成物(B)を重合してなるアクリ
ル系樹脂成分からなっている。架橋性単量体は、共重合
可能な炭素−炭素二重結合を1分子中に2個以上含む化
合物である。熱線反射粒子は、合成マイカまたは天然マ
イカを酸化チタンで被覆してなる粒子がより好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱線反射能を有
し、耐候性、意匠性および美観に優れた積層体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、意匠性に優れた積層体とし
て、例えばプラスチック板や鉄板、アルミニウム板、ポ
リ塩化ビニル被覆鋼板等の基材に、着色透明性を有する
アクリル系樹脂フィルムを積層してなる積層体が知られ
ている。例えば、特開平 2-69236号公報には、アクリル
系樹脂、有機顔料、紫外線吸収剤、および抗酸化剤から
なる着色透明フィルムを、透明プラスチック板に積層し
てなる積層体が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の積層体では、着色透明フィルムに有機顔料が配合さ
れているため、該積層体を太陽光線に曝すと、有機顔料
が太陽光線を吸収して、着色透明フィルムの温度が上昇
する。このため、上記着色透明フィルム、即ち積層体が
熱によって例えば、膨張・収縮したり、或いは反り・歪
みを生じる等して変形する。つまり、上記従来の積層体
は、膨張・収縮の繰り返しや反り・歪みのために基材か
らフィルムが剥がれやすく、耐候性に劣るという問題点
を有している。
【0004】また、ポリエステル等の合成樹脂からなる
フィルムの表面にアルミニウムを蒸着してなる熱線反射
フィルムが知られている。そこで、該熱線反射フィルム
を透明プラスチック板等に積層することも考えられる。
しかしながら、上記の熱線反射フィルムは、その表面に
アルミニウムが蒸着されているため、透明プラスチック
板等に熱融着させることが難しい。従って、接着剤等を
用いて熱線反射フィルムを透明プラスチック板等に貼着
しなければならない。さらに、上記の熱線反射フィルム
は、熱線を反射するだけでなく、熱線を吸収する性質も
有しており、熱線反射能が充分であるとは言い難い。こ
のため、該熱線反射フィルムを用いた積層体は、有機顔
料を配合した着色透明フィルムと同様に、膨張・収縮の
繰り返しや反り・歪みのために基材からフィルムが剥が
れやすく、耐候性に劣るという問題点を有している。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、意匠性および美観に優れる
と共に、充分な熱線反射能を有し、耐候性に優れた積層
体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記目
的を達成すべく積層体について鋭意検討した結果、架橋
弾性体を含む(メタ)アクリル系樹脂と熱線反射粒子と
を含む樹脂組成物からなる熱線反射フィルムが、充分な
熱線反射能を有することを見い出した。そして、該熱線
反射フィルムを基材の表面に積層してなる積層体が、耐
候性、意匠性および美観に優れることを見い出して、本
発明を完成させるに至った。
【0007】即ち、請求項1記載の発明の積層体は、上
記の課題を解決するために、架橋弾性体を含む(メタ)
アクリル系樹脂と熱線反射粒子とを含む樹脂組成物から
なる熱線反射フィルムが、基材の表面に積層されてなる
ことを特徴としている。
【0008】請求項2記載の発明の積層体は、上記の課
題を解決するために、請求項1記載の積層体において、
上記基材が表面に凹凸を有することを特徴としている。
【0009】請求項3記載の発明の積層体は、上記の課
題を解決するために、請求項1または2記載の積層体に
おいて、上記基材が柔軟性を有することを特徴としてい
る。
【0010】請求項4記載の発明の積層体は、上記の課
題を解決するために、請求項1または2記載の積層体に
おいて、上記基材が繊維強化プラスチックからなること
を特徴としている。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。図1に示
すように、本発明にかかる積層体10は、熱線反射フィ
ルム1が、基材2の厚さ方向の片面(表面)に積層され
てなっている。上記の熱線反射フィルム1は、(メタ)
アクリル系樹脂と熱線反射粒子とからなっている。上記
の積層体10は、基材2と熱線反射フィルム1との間
に、接着剤層、保護層、化粧層等が形成されていてもよ
い。
【0012】上記の(メタ)アクリル系樹脂は、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体組成物
(以下、単量体組成物(A)と記す)と架橋性単量体と
を共重合してなる架橋弾性体、および、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルを含み、該単量体組成物(A)と
同一組成であってもよく、異なる組成であってもよい単
量体組成物(以下、単量体組成物(B)と記す)を重合
してなるアクリル系樹脂成分からなっている。
【0013】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
は、特に限定されるものではないが、アルキル基の炭素
数が1〜8である化合物が好ましい。また、アルキル基
は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例え
ば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル等が挙げられ
る。これら化合物は1種類のみを用いてもよく、2種類
以上を組み合わせて用いてもよい。単量体組成物(A)
に用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとし
ては、上記例示のうち、アクリル酸n-ブチルやアクリル
酸 -2-エチルヘキシル等のように、その単独重合体のガ
ラス転移温度(Tg)が比較的低い化合物が好ましい。
これにより、得られる架橋弾性体の柔軟性がより良好と
なり、強度により優れた熱線反射フィルム1を形成する
ことができる。また、単量体組成物(B)に用いられる
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、上記例
示のうち、メタクリル酸メチル等のように、その単独重
合体の透明度が比較的高い化合物が好ましい。これによ
り、光沢により優れた熱線反射フィルム1を形成するこ
とができる。
【0014】上記単量体組成物(A)および単量体組成
物(B)は、それぞれ、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルのみからなっていてもよいが、該(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル以外の単量体(以下、他の単量体
と記す)をさらに含んでいてもよい。上記他の単量体と
しては、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル、アクリロニ
トリル等のシアン化ビニル、酢酸ビニル等のビニルエス
テル、スチレン等の芳香族ビニル誘導体、塩化ビニリデ
ン等のハロゲン化ビニリデン、(メタ)アクリル酸およ
びその塩等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。これら他の単量体は、1種類のみを用いてもよく、
2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これら他の単
量体の使用量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル
の重合体、並びに、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルと架橋性単量体との共重合体が備えている各種物性を
損なわない範囲内であればよく、特に限定されるもので
はない。
【0015】上記の架橋性単量体は、共重合可能な炭素
−炭素二重結合を1分子中に2個以上含む化合物であれ
ばよく、特に限定されるものではない。架橋性単量体と
しては、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレー
ト、モノエチレングリコールジメタクリレート、ポリエ
チレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレ
ート、トリアリルシアヌレート等が挙げられる。これら
架橋性単量体は、1種類のみを用いてもよく、2種類以
上を組み合わせて用いてもよい。単量体組成物(A)に
対する架橋性単量体の配合量は、特に限定されるもので
はなく、得られる架橋弾性体が充分な柔軟性を有し、か
つ、単量体組成物(A)の重合体が備えている各種物性
を損なわない範囲内であればよい。
【0016】架橋弾性体は、そのガラス転移温度が0℃
以下であることがより好ましく、−30℃以下であること
がさらに好ましい。架橋弾性体のガラス転移温度を0℃
以下とすることにより、熱線反射フィルム1の柔軟性が
より一層良好となる。尚、架橋弾性体のガラス転移温度
は、単量体組成物(A)および架橋性単量体の種類、両
者の配合量等を変更することにより任意に調節すること
ができる。
【0017】架橋弾性体およびアクリル系樹脂成分を製
造する方法、即ち、単量体組成物(A)と架橋性単量体
との混合物の重合方法、および、単量体組成物(B)の
重合方法は、特に限定されるものではなく、例えば、塊
状重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の方法を採用する
ことができる。
【0018】上記の重合反応を行う際には、従来公知の
油溶性または水溶性の重合開始剤、例えばラジカル重合
開始剤を用いることができる。また、上記の重合反応を
行う際には、溶媒を用いることができる。該溶媒は、単
量体組成物(A)と架橋性単量体との混合物、または、
単量体組成物(B)を溶解し、かつ、重合反応を阻害し
ない化合物であれば、特に限定されるものではない。さ
らに、重合反応を行う際の反応温度や反応時間等の反応
条件は、用いる単量体組成物(A)・(B)等の組成や
種類等に応じて、重合反応が完結するように、適宜設定
すればよい。
【0019】上記の(メタ)アクリル系樹脂は、上記架
橋弾性体と上記アクリル系樹脂成分とを混合してなる。
(メタ)アクリル系樹脂中の架橋弾性体の含有量は、10
重量%〜45重量%の範囲内が好ましい。10重量%未満で
は、熱線反射フィルム1の柔軟性が不充分となり、熱線
反射粒子を多量に配合することができなくなるので、好
ましくない。一方、45重量%を越えると、(メタ)アク
リル系樹脂の成形性が低下して、Tダイ法やインフレー
ション法等の押出成形法、カレンダー加工法等で該(メ
タ)アクリル系樹脂をシート状に成形することが困難と
なる。このため、熱線反射フィルム1が得られないの
で、好ましくない。
【0020】(メタ)アクリル系樹脂を製造する方法、
即ち、架橋弾性体とアクリル系樹脂成分との混合方法
は、特に限定されるものではない。例えば、単量体組成
物(A)と架橋性単量体との共重合反応、および、単量
体組成物(B)の重合反応を別々に行った後、得られた
架橋弾性体とアクリル系樹脂成分とを混合してもよい。
また、単量体組成物(A)と架橋性単量体との共重合反
応を行った後、得られた架橋弾性体に単量体組成物
(B)を加えて重合反応を行うことにより、アクリル系
樹脂成分を製造し、これにより、架橋弾性体とアクリル
系樹脂成分とを混合してもよい。さらに、単量体組成物
(A)と単量体組成物(B)とが同一組成である場合に
は、単量体組成物(A)(単量体組成物(B))および
架橋単量体を混合した後、重合反応を行ない、架橋弾性
体とアクリル系樹脂成分とを同時に製造することによ
り、(メタ)アクリル系樹脂を得ることもできる。
【0021】本発明にかかる熱線反射フィルム1は、
(メタ)アクリル系樹脂と熱線反射粒子とを混合してな
る樹脂組成物をフィルム状に成形することにより得られ
る。上記の熱線反射粒子は、熱線を反射する材料からな
っていればよく、特に限定されるものではないが、合成
マイカまたは天然マイカを酸化チタンで被覆してなる粒
子がより好ましい。該粒子中の酸化チタンの含有量は、
30重量%〜60重量%の範囲内が好ましく、40重量%〜50
重量%の範囲内がさらに好ましい。酸化チタンの含有量
が、30重量%〜60重量%の範囲外である場合には、熱線
反射フィルム1の熱線反射能が不充分となるので好まし
くない。
【0022】熱線反射粒子の平均粒子径は、熱線反射フ
ィルム1の厚み等に応じて適宜選定すればよいが、1μ
m〜60μmの範囲内が好ましく、1μm〜20μmの範囲
内が特に好ましい。平均粒子径が1μmよりも小さい
と、熱線反射効果が充分に得られなくなるので、好まし
くない。一方、平均粒子径が60μmよりも大きいと、樹
脂組成物をシート状に成形する際に穴が生じる(いわゆ
る、穴空き現象)等して、熱線反射フィルム1の表面状
態が不良となるので、好ましくない。
【0023】(メタ)アクリル系樹脂に対する熱線反射
粒子の添加量は、熱線反射フィルム1に所望する熱線反
射能や表面状態等の各種物性、熱線反射フィルム1の厚
み等に応じて適宜調節すればよいが、(メタ)アクリル
系樹脂 100重量部に対して、0.5重量部〜30重量部の範
囲内が好ましく、5重量部〜20重量部の範囲内がより好
ましい。熱線反射粒子の添加量が 0.5重量部未満では、
熱線反射効果が充分に得られず、積層体10の耐候性が
不充分となる。一方、添加量が30重量部を越える場合に
は、樹脂組成物の伸びや靱性が低下し、該樹脂組成物の
フィルム化が困難になると共に、熱線反射フィルム1の
コストが比較的高くなるため、好ましくない。
【0024】上記の樹脂組成物は、(メタ)アクリル系
樹脂および熱線反射粒子以外に、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤等の各種添加
剤を必要に応じて含んでいてもよい。例えば、樹脂組成
物が紫外線吸収剤を含むことにより、長期間の屋外使用
時等において、紫外線による熱線反射フィルム1の黄変
等の劣化を防止することができるので、積層体10の耐
候性をさらに向上させることができる。また、樹脂組成
物が着色剤を含むことにより、熱線反射フィルム1を任
意に着色することができるので、積層体10の美観をさ
らに向上させることができる。尚、上記添加剤の添加量
や添加方法等は、特に限定されるものではない。
【0025】上記(メタ)アクリル系樹脂と熱線反射粒
子との混合方法(即ち、樹脂組成物の製造方法)、並び
に、樹脂組成物の成形方法、つまり、熱線反射フィルム
1の製造方法は、特に限定されるものではない。熱線反
射フィルム1は、例えば、以下の方法により製造され
る。即ち、先ず、高速ミキサー等の混合機を用いて(メ
タ)アクリル系樹脂と熱線反射粒子とを均一に混合する
ことにより、樹脂組成物を得る。次に、該樹脂組成物を
いわゆるペレット化装置を用いてペレットにする。次い
で、得られたペレットを、Tダイ法やインフレーション
法等の押出成形法、カレンダー加工法、溶液流延法等に
よってフィルム状に成形する。これにより、本発明にか
かる熱線反射フィルム1が容易にかつ安価に得られる。
【0026】上記熱線反射フィルム1の厚みは、特に限
定されるものではないが、10μm〜300μmの範囲内が
好ましい。上記の樹脂組成物を10μm未満の厚みのフィ
ルム状に成形することは困難である。また、熱線反射フ
ィルム1の厚みを 300μmよりも厚くしても、10μm〜
300μmの範囲内の厚みに成形した場合と比較して熱線
反射能に殆ど差異が無く、コストアップを招来するので
好ましくない。さらに、熱線反射フィルム1の柔軟性が
低下するおそれがある。
【0027】熱線反射フィルム1は、充分な熱線反射能
を有すると共に、架橋弾性体を含んでいるので柔軟性や
耐衝撃性等の機械的強度に優れている。また、熱線反射
フィルム1は、柔軟性に優れているので、基材2との密
着性が良好である。さらに、熱線反射フィルム1は、透
明性に優れた(メタ)アクリル系樹脂に熱線反射粒子が
配合されてなっているので、美観に優れている。特に、
熱線反射粒子に酸化チタン被覆マイカを使用した場合に
は、いわゆる深みのあるパール光沢を有するフィルムと
なる。尚、上記熱線反射粒子の種類や量を調節すること
により、熱線反射フィルム1によって反射される反射光
の色や、熱線反射フィルム1を透過する透過光の色を変
化させることができる。つまり、熱線反射粒子の種類や
量を調節することにより、これら光を容易に着色するこ
とができる。
【0028】上記基材2の材料(または材質)として
は、例えば、軟質並びに硬質のポリ塩化ビニル、(メ
タ)アクリル系樹脂硬化物、ポリカーボネート、PMM
A(ポリメチルメタクリレート)、ABS(アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリエステル、
PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン等の熱可塑性樹
脂;熱硬化性樹脂にガラス繊維等の補強繊維を含浸させ
てなるFRP(繊維強化プラスチック);鉄、アルミニ
ウム等の金属、ポリ塩化ビニル被覆鋼板;ガラス;合板
等の木材;織布;不織布;和紙等の紙;ゴム;珪酸カル
シウム、石膏、石綿、セメント等の無機物等が挙げられ
るが、特に限定されるものではない。基材2は、これら
材料のうちの1種類のみからなっていてもよく、2種類
以上の材料が組み合わされてなる複合材であってもよ
い。
【0029】また、本発明にかかる基材は、表面に凹凸
を有していてもよく、上記の織布、不織布、紙、熱可塑
性樹脂フィルム、アルミニウム箔等の金属箔、ゴム等の
ように柔軟性を有していてもよい。尚、基材の形状や大
きさ、製造方法等は、特に限定されるものではない。
【0030】上記熱線反射フィルム1を基材2に積層す
る積層方法、即ち、積層体10の製造方法は、特に限定
されるものではなく、例えば、接着剤等を用いて熱線反
射フィルム1を基材2に貼着すればよい。また、基材2
が、例えば熱可塑性樹脂等からなる場合には、基材2の
表面に熱線反射フィルム1を熱融着させる方法が好まし
い。これにより、基材2に熱線反射フィルム1を安価に
かつ簡単に密着させることができる。
【0031】熱融着させる方法としては、例えば、基材
2の上に熱線反射フィルム1を重ね合わせた後、いわゆ
るロールラミネーター等を用いて熱ラミネートする方
法;基材2の上に熱線反射フィルム1を重ね合わせた
後、熱プレスする方法;成形用の金型内に熱線反射フィ
ルム1を載置した後、該金型内に基材2となるべき組成
物を充填して成形する方法等が採用できる。熱融着させ
る際の加熱温度は、熱線反射フィルム1の軟質温度より
も高く、熱により熱線反射フィルム1および基材2が変
質・変形しない程度の温度が好ましい。尚、上記金型を
用いて成形する方法を採用する場合で、特に、基材2と
なるべき組成物によって熱線反射フィルム1が侵される
おそれがある場合には、金型温度を比較的低めに設定す
ると共に、成形時間を比較的短くすることが望ましい。
【0032】また、積層体10は、図2に示すように、
基材2の厚さ方向の両面(表面)に、熱線反射フィルム
1・1が積層されてなっていてもよい。この場合におい
て、熱線反射フィルム1・1は、互いに同一組成であっ
てもよく、異なる組成であってもよい。さらに、積層体
10は、基材2の厚さ方向の片面または両面に、互いに
組成が異なる複数の熱線反射フィルム1…が積層されて
なっていてもよい。
【0033】尚、上記の説明においては、平板状の基材
2の厚さ方向の片面または両面に、熱線反射フィルム1
が積層されてなる構成の積層体10を例に挙げたが、本
発明にかかる積層体の構成は、上記例示の構成にのみ限
定されるものではない。積層体は、例えば、長尺な柱状
の基材と、該基材の長さ方向の側面(4面)を覆うよう
に積層された熱線反射フィルムとからなっていてもよ
い。さらに、熱線反射フィルムは、基材の表面全体を覆
うように積層されていてもよく、また、基材の表面の一
部を覆うように積層されていてもよい。そして、基材の
表面の一部を覆う場合において、熱線反射フィルムは、
例えば、文字や絵、図形等の模様を形成するように成形
(カット)されていてもよい。これにより、より一層意
匠性および美観に優れた積層体を提供することができ
る。
【0034】さらに、本発明にかかる積層体は、基材が
表面に凹凸を有していてもよい。熱線反射フィルムは、
柔軟性を有しているので、基材が表面に凹凸を有してい
る場合においても、該基材に密着して積層させることが
できる。本発明において、表面に凹凸を有する基材と
は、ほぼ平滑な表面に、熱線反射フィルムの厚みと比較
して無視できない程度の微細な凹凸が形成されている基
材を示す。このような基材としては、具体的には、例え
ば、表面にガラス繊維等の補強繊維によって凹凸が形成
された繊維強化プラスチック、織布、不織布、紙等が挙
げられる。また、織布、不織布、紙、熱可塑性樹脂フィ
ルム、アルミニウム箔等の金属箔、ゴム等に、エンボス
加工等の表面加工を施すことにより、表面に凹凸を有す
る基材を形成することもできる。
【0035】例えば、図3に示すように、基材3が表面
に凸部を有している場合には、該基材3に熱線反射フィ
ルム1を積層すると、該熱線反射フィルム1の表面11
bに、上記の凸部に対応した凸部11a…が形成され
る。つまり、基材3の表面の凹凸が、熱線反射フィルム
1の表面11bに模様として反映される。これにより、
より一層意匠性に優れた積層体11が得られる。
【0036】また、例えば、基材が繊維強化プラスチッ
ク等からなる場合には、図4に示すように、熱線反射フ
ィルム1の表面11bに、上記の補強繊維による凹凸に
対応した凸部11a…が形成される。つまり、補強繊維
によって基材の表面に形成された凹凸が、熱線反射フィ
ルム1の表面11bに模様として反映される。これによ
り、より一層意匠性に優れた積層体11が得られる。
【0037】また、例えば、基材が、エンボス加工が施
された不織布や紙等からなる場合には、図5に示すよう
に、熱線反射フィルム1の表面12bに、上記エンボス
加工によって形成された凹凸(メッシュ地)に対応した
凹部(若しくは凸部)12a…が形成される。つまり、
エンボス加工によって基材の表面に形成された凹凸が、
熱線反射フィルム1の表面12bに模様として反映され
る。これにより、より一層意匠性に優れた積層体12が
得られる。
【0038】表面に凹凸を有する基材に熱線反射フィル
ムを積層すると、該熱線反射フィルムの表面に形成され
た凹凸によって光線が乱反射する。これにより、さらに
一層意匠性および美観に優れた積層体を提供することが
できる。尚、表面に凹凸を有する基材に熱線反射フィル
ムを積層する場合には、基材の表面に熱線反射フィルム
を熱融着させる方法が好ましい。これにより、接着剤を
用いて基材に熱線反射フィルムを積層する場合と比較し
て、該基材表面に形成された凹凸を熱線反射フィルム表
面に模様としてより一層忠実に反映させることができ
る。
【0039】また、例えば、図6に示すように、基材4
が柔軟性を有している場合には、該基材4に熱線反射フ
ィルム1を積層すると、該熱線反射フィルム1が柔軟性
を有しているので、得られる積層体13は柔軟性を備え
ることになる。そして、積層体13は柔軟性を備えてい
るので、該積層体13に折り曲げる等の外力を加えて
も、基材4や熱線反射フィルム1に割れが発生したり、
熱線反射フィルム1が基材4から剥離することがない。
これにより、折り曲げる等の外力に対する強度により優
れた積層体13が得られる。
【0040】以上のように、本発明にかかる積層体は、
架橋弾性体を含む(メタ)アクリル系樹脂と熱線反射粒
子とを含む樹脂組成物からなる熱線反射フィルムが、基
材の表面に積層されてなる構成である。
【0041】上記の構成によれば、熱線反射フィルムは
熱線反射能に優れている。このため、例えば、積層体を
屋外等で使用することにより、該積層体が太陽光線に曝
された場合においても、熱線反射フィルムによって太陽
光線が充分に反射される。従って、熱線反射フィルムを
通じて基材に照射される太陽光線(入射光)の量を抑制
することができるので、基材を太陽光線から確実に保護
することができ、基材および熱線反射フィルム、即ち、
積層体の温度上昇は一般の着色板と比較して少ない。そ
れゆえ、積層体が熱によって例えば、膨張・収縮した
り、或いは反り・歪みを生じる等して変形することは少
ない。これにより、意匠性および美観に優れると共に、
充分な熱線反射能を有し、耐候性に優れた積層体を安価
に提供することができる。
【0042】そして、基材が、例えば熱可塑性樹脂や繊
維強化プラスチック等からなる場合には、耐候性により
一層優れた積層体が得られる。このような積層体は、例
えば、屋根材や壁材、波板等の外装建材や内装建材、デ
ィスプレー材等として好適に用いられる。
【0043】また、基材が、例えば透明な熱可塑性樹脂
やガラス等からなる場合には、全光線透過率(後述す
る)と比較して日射透過率(後述する)が低い積層体が
得られる。このような積層体を窓等の採光材として用い
ると、室温の上昇を抑制しながら採光することができる
と共に、眩しさを防止することができる。
【0044】基材が、例えば鉄、アルミニウム等の金
属、ポリ塩化ビニル被覆鋼板等からなる場合には、防蝕
性に優れた積層体が得られる。このような積層体は、例
えば、屋根材や外装壁材等として好適に用いられる。
【0045】基材が、例えば合板、珪酸カルシウム板、
石膏ボード、石綿スレート板、セメント板等の板材等か
らなる場合には、防水性に優れた積層体が得られる。こ
のような積層体は、例えば、壁材等として好適に用いら
れる。
【0046】基材が、例えば織布、不織布、紙、柔軟性
を有する熱可塑性樹脂フィルム等からなる場合には、防
水性や防汚性に優れた積層体が得られる。このような積
層体は、例えば、壁紙等の内装壁材、或いはカーテン、
カーペット、テント材、日傘、ビーチパラソル、アーケ
ード等の用途に好適に用いられる。
【0047】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。尚、日射反射率(%)、日射透
過率(%)、日射吸収率(%)、および全光線透過率
(%)の測定は、それぞれ下記の方法で実施した。
【0048】(1)日射反射率、日射透過率、日射吸収
率 JIS R3106に準拠して、株式会社島津製作所製
・UV3100PC型自記分光光度計を用いて、積分球
有りの条件で 340nm〜1800nmの範囲内を測定した。
【0049】(2)全光線透過率 ASTM D−1003に準拠して、日本電色工業株式
会社製・濁度計 NDH−1001DPを用いて測定し
た。
【0050】〔実施例1〕先ず、熱線反射フィルムを作
成した。即ち、公知の乳化重合法を採用して、(メタ)
アクリル酸アルキルエステル(単量体組成物(A))と
してのアクリル酸ブチル 100重量部と、架橋性単量体と
してのアリルメタクリレート1重量部とを共重合させ
て、架橋弾性体を含む重合組成物を得た。該重合組成物
中の架橋弾性体の割合は60重量%であり、残りはアクリ
ル系樹脂成分であった。次に、該重合組成物の存在下
に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしてのメタ
クリル酸メチル90重量部およびアクリル酸ブチル10重量
部からなる単量体組成物(B)を、反応系に連続的に仕
込みながら共重合させて、アクリル系樹脂成分と上記架
橋弾性体との混合物を得た。その後、この混合物を常法
により凝固、水洗および乾燥することにより、本発明に
かかる(メタ)アクリル系樹脂を得た。該(メタ)アク
リル系樹脂中の架橋弾性体の割合は、30重量%であっ
た。
【0051】続いて、得られた(メタ)アクリル系樹脂
100重量部に、熱線反射粒子としての酸化チタン被覆マ
イカ(商品名 Iriodin 211;粒子径 5μ
m〜20μm;メルクジャパン株式会社製)10重量部と、
紫外線吸収剤(商品名 チヌビンP;チバ・ガイギー株
式会社製)2重量部とを添加し、ヘンシェル型ミキサー
を用いて混合することにより、樹脂組成物を得た。その
後、樹脂組成物を40mmの押出成形機を備えたペレット化
装置を用いてペレットにした。次いで、得られたペレッ
トを、Tダイ押出成形法によってフィルム状に成形し
た。これにより、厚さ75μmの熱線反射フィルムを得
た。
【0052】次に、基材を作成した。即ち、ポリ塩化ビ
ニル 100重量部、ジオクチルフタレート45.0重量部、お
よび、いわゆるCa−Ba−Zn系の安定剤 2.5重量部
からなる組成物を、Tダイ押出成形法によって 150℃の
成形温度でシート状に成形した。
【0053】次いで、成形直後のポリ塩化ビニルシート
(基材)の上に、上記の熱線反射フィルムを重ね合わ
せ、いわゆる熱ラミネート(熱融着)を行った。これに
より、ポリ塩化ビニルシートの片面に、熱線反射フィル
ムが積層されてなる厚さ 0.9mmの半透明の板状の積層体
を得た。
【0054】得られた積層体は、外観が良好であり、熱
線反射フィルムによって反射された反射光が赤系色を呈
すると共に、該熱線反射フィルムを透過した透過光が緑
系色を呈し、かつ、熱線反射フィルム側の表面がパール
光沢を有しており、意匠性および美観に優れていた。上
記の積層体について、日射反射率、日射透過率、日射吸
収率、および全光線透過率を測定した。その結果を表1
に示す。
【0055】〔実施例2〕実施例1と同様の重合反応、
操作および成形を行うことにより、厚さ50μmの熱線反
射フィルムを得た。次に、射出成形用の金型内に、上記
の熱線反射フィルムを載置した後、該金型内に基材とな
るべき組成物としてのメタクリル樹脂(商品名 スミペ
ックスB;住友化学工業株式会社製)を射出し、 220℃
の成形温度でシート状に射出成形した。これにより、メ
タクリル樹脂シートの片面に、熱線反射フィルムが積層
されてなる厚さ 3.0mmの半透明の板状の積層体を得た。
【0056】得られた積層体は、外観が良好であり、反
射光が赤系色を呈すると共に、透過光が緑系色を呈し、
かつ、熱線反射フィルム側の表面がパール光沢を有して
おり、意匠性および美観に優れていた。上記の積層体に
ついて、日射反射率、日射透過率、日射吸収率、および
全光線透過率を測定した。その結果を表1に示す。
【0057】〔実施例3〕実施例1と同様の重合反応、
操作および成形を行うことにより、厚さ 100μmの熱線
反射フィルムを得た。次に、プレス成形用の金型を 150
℃に加熱し、該金型内に基材としての厚さ3mmのポリカ
ーボネート板(商品名 エポカーボシート;株式会社日
本触媒製)を載置することにより、該ポリカーボネート
板を 150℃近くの温度に加熱した。次いで、加熱された
ポリカーボネート板の上に、上記の熱線反射フィルムを
重ね合わせてプレス成形した。これにより、ポリカーボ
ネート板の片面に、熱線反射フィルムが積層されてなる
厚さ 3.1mmの半透明の板状の積層体を得た。
【0058】得られた積層体は、外観が良好であり、反
射光が赤系色を呈すると共に、透過光が緑系色を呈し、
かつ、熱線反射フィルム側の表面がパール光沢を有して
おり、意匠性および美観に優れていた。上記の積層体に
ついて、日射反射率、日射透過率、日射吸収率、および
全光線透過率を測定した。その結果を表1に示す。
【0059】実施例1で得られた積層体の反射率スペク
トルを図7に実線にて示す。尚、上記実施例3で基材と
して用いたポリカーボネート板の反射率スペクトルを同
図に破線にて示す。
【0060】〔比較例1〕実施例1と同様の公知の乳化
重合法を採用して、メタクリル酸メチル90重量部および
アクリル酸ブチル10重量部からなる単量体組成物(B)
を、反応系に連続的に仕込みながら共重合させて、アク
リル系樹脂成分を得た。その後、このアクリル系樹脂成
分を常法により凝固、水洗および乾燥することにより、
比較用の(メタ)アクリル系樹脂を得た。該(メタ)ア
クリル系樹脂は、架橋弾性体を含んでいない。
【0061】続いて、得られた比較用の(メタ)アクリ
ル系樹脂を用いて実施例1と同様の操作および成形を行
うことにより、厚さ 100μmの比較用の熱線反射フィル
ムを得た。
【0062】しかしながら、上記比較用の熱線反射フィ
ルムは、(メタ)アクリル系樹脂が架橋弾性体を含まな
いために、伸びや靱性が不良であり、取り扱いの際に割
れを生じた。このため、上記比較用の熱線反射フィルム
は、基材に積層することができなかった。即ち、積層体
を得ることができなかった。
【0063】〔比較例2〕比較例1と同様の重合反応お
よび操作を行うことにより、比較用の(メタ)アクリル
系樹脂を得た。該(メタ)アクリル系樹脂は、架橋弾性
体を含んでいない。続いて、得られた比較用の(メタ)
アクリル系樹脂を用いて、実施例1における酸化チタン
被覆マイカの添加量を10重量部から 0.3重量部に変更し
た以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、ペ
レットを作成した。
【0064】次いで、射出成形用の金型内に、上記のペ
レットを射出し、 220℃の成形温度でシート状に射出成
形した。これにより、厚さ 3.0mmの比較用の熱線反射シ
ート(フィルム)を得た。上記の熱線反射シートについ
て、日射反射率、日射透過率、日射吸収率、および全光
線透過率を測定した。その結果を表1に示す。
【0065】〔比較例3〕厚さ50μmの透明なポリエス
テルフィルムに、アルミニウムを蒸着することにより、
比較用の熱線反射フィルムを得た。次に、この熱線反射
フィルムを、厚さ3mmのアクリル系樹脂シートに接着剤
を用いて接着した。これにより、アクリル系樹脂シート
の片面に、比較用の熱線反射フィルムが積層されてなる
厚さ 3.1mmの比較用の積層体を得た。上記比較用の積層
体について、日射反射率、日射透過率、日射吸収率、お
よび全光線透過率を測定した。その結果を表1に示す。
【0066】〔実施例4〕先ず、実施例1における酸化
チタン被覆マイカの種類を、商品名Iriodin 2
11の酸化チタン被覆マイカから商品名Iriodin
221の酸化チタン被覆マイカ(粒子径 5μm〜20
μm;メルクジャパン株式会社製)に変更し、また酸化
チタン被覆マイカの添加量を10重量部から8重量部に変
更した以外は、実施例1と同様の重合反応、操作および
成形を行うことにより、厚さ 100μmの熱線反射フィル
ムを得た。得られた熱線反射フィルムは、酸化チタン被
覆マイカの種類が実施例1と異なるため、熱線反射フィ
ルムによって反射された反射光が青系色を呈すると共
に、該熱線反射フィルムを透過した透過光が黄系色を呈
する外観の良好なフィルムであった。
【0067】次に、上記の熱線反射フィルムをガラス板
の上に載置し、この熱線反射フィルム上にて基材となる
べき繊維強化プラスチックを成形した。まず、不飽和ポ
リエステル樹脂(商品名 エポラックG−180;株式
会社日本触媒製)に、硬化促進剤であるオクテン酸コバ
ルト0.4 重量%を添加して均一に混合する。その後、硬
化触媒であるメチルエチルケトンパーオキサイド(55%
溶液)2重量%を添加して再度均一に混合して、混合物
を得た。ガラスマット(#450)を熱線反射フィルム
上に載置し、そこに前記不飽和ポリエステル樹脂を適量
含浸させ、気泡が残らないように脱泡ロールで脱泡しな
がら、合計3枚のガラスマットを順次積層する。不飽和
ポリエステル樹脂がゲル化した後、50℃に設定されたオ
ーブンに直ちに入れて、20分間加熱・硬化させた。な
お、ゲルタイム(ゲル化に要した時間)は、室温25℃で
10分間であった。これにより、繊維強化プラスチック板
の片面に、熱線反射フィルムが積層されてなる厚さ約3
mmの板状の積層体を得た。
【0068】得られた積層体は、外観が良好であり、熱
線反射フィルムの表面に、上記のガラスマットによる凹
凸に対応した凹凸が形成されていた。つまり、ガラスマ
ットによって基材の表面に形成された凹凸が、熱線反射
フィルムの表面に模様として反映されており、意匠性お
よび美観により一層優れていた。上記の積層体につい
て、日射反射率、日射透過率、日射吸収率、および全光
線透過率を測定した。その結果を表1に示す。また、上
記積層体の反射率スペクトルを図8に一点鎖線にて示
す。尚、繊維強化プラスチック板の反射率スペクトルを
同図に破線にて示す。
【0069】〔実施例5〕実施例1と同様の重合反応、
操作および成形を行うことにより、厚さ75μmの熱線反
射フィルムを得た。その後、実施例4と同様の操作およ
び成形を行うことにより、繊維強化プラスチック板の片
面に、熱線反射フィルムが積層されてなる厚さ約3mmの
板状の積層体を得た。
【0070】得られた積層体は、外観が良好であり、熱
線反射フィルムの表面に、上記のガラスマットによる凹
凸に対応した凹凸が形成されていた。つまり、ガラスマ
ットによって基材の表面に形成された凹凸が、熱線反射
フィルムの表面に模様として反映されており、意匠性お
よび美観により一層優れていた。上記の積層体につい
て、日射反射率、日射透過率、日射吸収率、および全光
線透過率を測定した。その結果を表1に示す。また、上
記積層体の反射率スペクトルを図8に実線にて示す。
【0071】〔実施例6〕実施例4と同様の重合反応、
操作および成形を行うことにより、厚さ 100μmの熱線
反射フィルムを得た。
【0072】次に、プレス成形用の金型内に、上記の熱
線反射フィルムを載置した。該金型は、上型を 100℃、
下型を 105℃に加熱した。次いで、熱線反射フィルムの
上に、基材となるべきSMC(シートモールディングコ
ンパウンド)、即ち、 250mm× 250mmの大きさのSMC
(商品名 エポラックマット4164ホワイト;株式会
社日本触媒製)を2枚(計 540g)載置し、80kg/cm2
圧力で30分間加圧してプレス成形した。これにより、S
MCの片面に、熱線反射フィルムが積層されてなる厚さ
約3mmの不透明の板状の積層体を得た。
【0073】得られた積層体は、外観が良好であり、熱
線反射フィルムの表面に、SMC表面の凹凸に対応した
凹凸が形成されていた。つまり、SMC表面に形成され
た凹凸が、熱線反射フィルムの表面に模様として反映さ
れており、意匠性および美観により一層優れていた。上
記の積層体について、日射反射率を測定した。その結果
を表1に示す。
【0074】〔実施例7〕実施例1と同様の重合反応、
操作および成形を行うことにより、厚さ75μmの熱線反
射フィルムを得た。その後、実施例6と同様の操作およ
び成形を行うことにより、SMCの片面に、熱線反射フ
ィルムが積層されてなる厚さ約3mmの不透明の板状の積
層体を得た。
【0075】得られた積層体は、外観が良好であり、熱
線反射フィルムの表面に、SMC表面の凹凸に対応した
凹凸が形成されていた。つまり、SMC表面に形成され
た凹凸が、熱線反射フィルムの表面に模様として反映さ
れており、意匠性および美観により一層優れていた。上
記の積層体について、日射反射率を測定した。その結果
を表1に示す。
【0076】〔実施例8〕実施例1と同様の重合反応、
操作および成形を行うことにより、厚さ75μmの熱線反
射フィルムを得た。次に、プレス成形用の金型内に、上
記の熱線反射フィルムを載置した。該金型は、 140℃に
加熱した。次いで、熱線反射フィルムの上に、基材とな
るべき不織布、即ち、網目模様(メッシュ地)が形成さ
れたポリエステル製の不織布を載置し、10kg/cm2の圧力
で5分間加圧してプレス成形した。これにより、不織布
の片面に、熱線反射フィルムが積層(熱融着)されてな
る厚さ0.24mmの積層体を得た。
【0077】得られた積層体は、外観が良好であり、熱
線反射フィルムの表面に、不織布表面の網目模様に対応
した凹凸が形成されていた。つまり、不織布表面に形成
された網目模様が、熱線反射フィルムの表面に網目模様
として反映されており、意匠性および美観により一層優
れていた。上記の積層体について、日射反射率、日射透
過率、日射吸収率、および全光線透過率を測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0078】〔実施例9〕実施例1と同様の重合反応、
操作および成形を行うことにより、厚さ75μmの熱線反
射フィルムを2枚得た。次に、プレス成形用の金型内
に、上記の熱線反射フィルムを1枚載置した。該金型
は、 140℃に加熱した。次いで、熱線反射フィルムの上
に、実施例8と同様の不織布を載置し、さらに、該不織
布の上に、残りの熱線反射フィルムを載置した。その
後、10kg/cm2の圧力で5分間加圧してプレス成形した。
これにより、不織布の両面に、熱線反射フィルムが積層
(熱融着)されてなる厚さ0.30mmの積層体を得た。
【0079】得られた積層体は、外観が良好であり、熱
線反射フィルムの表面に、不織布表面の網目模様に対応
した凹凸が形成されていた。つまり、不織布表面に形成
された網目模様が、熱線反射フィルムの表面に網目模様
として反映されており、意匠性および美観により一層優
れていた。上記の積層体について、日射反射率、日射透
過率、日射吸収率、および全光線透過率を測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0080】〔実施例10〕実施例9における不織布の
代わりに、織布(ポリエステル50%、綿50%の混紡)を
用いた以外は、実施例9と同様の操作および成形を行う
ことにより、織布の両面に、熱線反射フィルムが積層
(熱融着)されてなる厚さ0.46mmの積層体を得た。
【0081】得られた積層体は、外観が良好であり、熱
線反射フィルムの表面に、織布表面の凹凸に対応した凹
凸が形成されていた。つまり、織布表面に形成された凹
凸が、熱線反射フィルムの表面に模様として反映されて
おり、意匠性および美観により一層優れていた。上記の
積層体について、日射反射率、日射透過率、日射吸収
率、および全光線透過率を測定した。その結果を表1に
示す。
【0082】〔実施例11〕実施例1と同様の重合反
応、操作および成形を行うことにより、厚さ75μmの熱
線反射フィルムを得た。その後、上記の熱線反射フィル
ムを接着剤を用いて厚さ2mmのガラス板(基材)に貼着
した。これにより、ガラス板の片面に、熱線反射フィル
ムが積層されてなる厚さ 2.1mmの積層体を得た。
【0083】得られた積層体について、日射反射率、日
射透過率、日射吸収率、および全光線透過率を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0084】〔実施例12〕実施例1と同様の重合反
応、操作および成形を行うことにより、厚さ75μmの熱
線反射フィルムを得た。次に、厚さ約2mmのポリ塩化ビ
ニル被覆鋼板(基材)を、その表面温度が 180℃となる
ように加熱した。上記のポリ塩化ビニル被覆鋼板は、厚
さ 200μmのポリ塩化ビニル被覆層を有している。
【0085】そして、加熱されたポリ塩化ビニル被覆鋼
板の上に、上記の熱線反射フィルムを重ね合わせた後、
いわゆるロールラミネーターを用いて熱ラミネートし
た。これにより、ポリ塩化ビニル被覆鋼板の片面に、熱
線反射フィルムが積層されてなる厚さ 2.3mmの積層体を
得た。
【0086】得られた積層体について、日射反射率を測
定した。その結果を表1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】表1から明らかなように、実施例1〜実施
例3で得られた積層体は、比較例2・比較例3で得られ
た積層体と比較して、日射反射率、全光線透過率および
日射透過率が大きく、かつ、日射吸収率が小さい。従っ
て、実施例1〜実施例3で得られた積層体を屋外等で使
用し、該積層体が太陽光線に曝された場合においても、
基材および熱線反射フィルム、即ち、積層体の温度の上
昇が少ない。それゆえ、積層体が熱によって例えば、膨
張・収縮したり、或いは反り・歪みを生じる等して変形
することが少ない。また、上記の積層体を窓等の採光材
として用いると、室温の上昇を抑制しながら採光するこ
とができると共に、眩しさを防止することができる。ま
た、実施例4〜実施例12で得られた積層体も、実施例
1〜実施例3で得られた積層体と同様に、日射反射率が
大きく、かつ、日射吸収率が小さい。従って、本実施例
にかかる積層体は、意匠性および美観に優れると共に、
充分な熱線反射能を有し、耐候性に優れていることがわ
かる。
【0089】
【発明の効果】請求項1記載の発明の積層体は、以上の
ように、架橋弾性体を含む(メタ)アクリル系樹脂と熱
線反射粒子とを含む樹脂組成物からなる熱線反射フィル
ムが、基材の表面に積層されてなる構成である。また、
請求項2記載の発明の積層体は、以上のように、上記基
材が表面に凹凸を有する構成である。請求項3記載の発
明の積層体は、以上のように、上記基材が柔軟性を有す
る構成である。請求項4記載の発明の積層体は、以上の
ように、上記基材が繊維強化プラスチックからなる構成
である。
【0090】これにより、意匠性および美観に優れると
共に、充分な熱線反射能を有し、耐候性に優れた積層体
を安価に提供することができるという効果を奏する。該
積層体は、前記した広範な分野に好適に供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる積層体の要部を示す断面図であ
る。
【図2】本発明にかかる他の積層体の要部を示す断面図
である。
【図3】本発明にかかるさらに他の積層体の要部を示す
断面図である。
【図4】本発明にかかるさらに他の積層体の要部を示す
平面図である。
【図5】本発明にかかるさらに他の積層体の要部を示す
平面図である。
【図6】本発明にかかるさらに他の積層体の要部を示す
断面図である。
【図7】本発明の一実施例における積層体の反射率スペ
クトルのチャートである。
【図8】本発明の他の実施例における積層体の反射率ス
ペクトルのチャートである。
【符号の説明】
1 熱線反射フィルム 2 基材 10 積層体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/12 B32B 27/12 27/18 27/18 Z 27/30 27/30 A (72)発明者 西村 重一 大阪府高槻市古曽部町2丁目14−10 (72)発明者 林 浩介 大阪府摂津市鳥飼和道1丁目8−28−504 (72)発明者 浜口 訓路 大阪府茨木市新中条町9−8

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】架橋弾性体を含む(メタ)アクリル系樹脂
    と熱線反射粒子とを含む樹脂組成物からなる熱線反射フ
    ィルムが、基材に積層されてなることを特徴とする積層
    体。
  2. 【請求項2】上記基材が表面に凹凸を有することを特徴
    とする請求項1記載の積層体。
  3. 【請求項3】上記基材が柔軟性を有することを特徴とす
    る請求項1または2記載の積層体。
  4. 【請求項4】上記基材が繊維強化プラスチックからなる
    ことを特徴とする請求項1または2記載の積層体。
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