JPH0641405A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

Info

Publication number
JPH0641405A
JPH0641405A JP14235692A JP14235692A JPH0641405A JP H0641405 A JPH0641405 A JP H0641405A JP 14235692 A JP14235692 A JP 14235692A JP 14235692 A JP14235692 A JP 14235692A JP H0641405 A JPH0641405 A JP H0641405A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
acid
weight
copolymer
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14235692A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Hasegawa
亨 長谷川
Toshio Teramoto
俊夫 寺本
Tatsuo Nakajima
達雄 中島
Takemi Konomoto
武美 此本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
JSR Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd, Japan Synthetic Rubber Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP14235692A priority Critical patent/JPH0641405A/ja
Publication of JPH0641405A publication Critical patent/JPH0641405A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ポリエステルエラストマーが有す
る優れた機械的強度、耐熱性および耐疲労性を損なうこ
となく、柔軟性と圧縮永久歪が改良された熱可塑性エラ
ストマー組成物を提供することにある。 【構成】本発明は、(A)熱可塑性ポリエステルエラス
トマー50〜99重量%と(B)ゴム質重合体50〜1
重量%の合計100重量部に対して、(C)官能基含有
不飽和化合物0.001〜10重量部を、混練してなる
熱可塑性エラストマー組成物を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルエラスト
マーが有する優れた機械的強度、耐熱性および耐疲労性
を損なうことなく、その柔軟性と圧縮永久歪を改良した
熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステルエラストマーは、
ポリエステルとポリエーテル繰返し単位、またはポリエ
ステルとポリエステルをポリマー主鎖中に有する多重ブ
ロック共重合体であり、機械的性質、耐熱性および耐油
性に優れている。しかしながら、該ポリエステルエラス
トマーは、エラストマーとしては硬度が高く、柔軟性に
劣るという欠点があり、また圧縮永久歪が大きく、その
用途の拡大が制約されている。このような欠点をを改良
し柔軟な材料とする方法として、ポリエステルエラスト
マーにポリスチレン型ブロック共重合体を配合して軟質
化する方法(特開昭50−82162号)、ポリエステ
ルエラストマーにエチレン共重合体を配合して軟質化す
る方法(特公昭60−7662号)などが提案されてい
る。しかし、これらの方法で得られたポリエステルエラ
ストマーの柔軟性は未だ十分でなく、成形時に剥離する
など加工上の問題もあった。また、耐疲労性も低下して
しまい実用に供し得なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようにポリエステ
ルエラストマーは機械的性質、耐熱性、耐疲労性などに
優れているため、その用途の拡大が望まれているが、柔
軟性と圧縮永久歪に劣るという欠点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の点に
鑑みて鋭意研究した結果、ポリエステルエラストマーに
ゴム質重合体、官能基含有不飽和化合物および過酸化物
を配合することによって、柔軟性と圧縮永久歪に富み、
しかも機械的性質、耐熱性および耐疲労性が低下しない
熱可塑性エラストマー組成物が得られることを見い出
し、かかる知見に基づいて本発明を完成したものであ
る。すなわち本発明は、(A)熱可塑性ポリエステルエ
ラストマー50〜99重量%と(B)ゴム質重合体50
〜1重量%の合計100重量部に対して、(C)官能基
含有不飽和化合物0.001〜10重量部を、混練して
なる熱可塑性エラストマー組成物を提供するものであ
る。
【0005】本発明の(A)成分である熱可塑性ポリエ
ステルエラストマーは、ポリエステルブロック共重合体
であり、その重合体連鎖中に、主として芳香族ポリエス
テル単位からなる高融点結晶性セグメント(A−1)
と、主として脂肪族ポリエーテル単位(a)および/ま
たは脂肪族ポリエステル単位(b)からなる低融点重合
体セグメント(A−2)とを有している。
【0006】ハードセグメントである高融点結晶性セグ
メント(A−1)の芳香族ポリエステル単位は、酸成分
とグリコール成分とから形成されるが、この酸成分は実
質的にテレフタール酸および/または2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸である。また、テレフタール酸および
2,6−ナフタレンジカルボン酸のほかにイソフタール
酸などの他の芳香族ジカルボン酸、あるいはアジピン
酸、セバチン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカンボン
酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸を少量併用し
てもよい。
【0007】また、上記芳香族ポリエステル単位を形成
するグリコール成分は、炭素数2〜12のグリコール、
例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、テ
トラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘ
キサンジオール、デカンジオールなどである。なお、高
融点結晶性セグメント(A−1)の融点の下限は特に限
定されないが、一般的には150℃以上であり、好まし
くは170℃以上、さらに好ましくは190℃以上であ
る。
【0008】ソフトセグメントである低融点重合体セグ
メント(A−2)を構成する脂肪族ポリエーテル単位
(a)は、平均分子量が約400〜600の範囲にある
ポリアルキレングリコールで形成されるが、このポリア
ルキレングリコールは、例えばポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレング
リコールブロック共重合体であり、特にポリテトラメチ
レングリコールが好ましい。これらは、その炭素数:酸
素数の比が2〜4.5のものであれば、単独ではもちろ
ん混合物として用いることもできる。
【0009】低融点重合体セグメント(A−2)を構成
するもう一つの単位である脂肪族ポリエステル単位
(b)は、主として脂肪族ジカルボン酸とグリコールか
らなるが、その主たる酸性分である脂肪族ジカルボン酸
は、例えばコハク酸、アジピン酸、セバチン酸、デカン
ジカルボン酸である。また、これら脂肪族ジカルボン酸
のほかにイソフタール酸などの芳香族ジカルボン酸を少
量併用してもよい。
【0010】また、上記脂肪族ポリエステル単位(b)
を形成するグリコール成分は、炭素数2〜12のグリコ
ール成分であり、高融点結晶性セグメント(A−1)の
芳香族ポリエステル単位を形成するグリコール成分とし
て例示したものと同様のものである。
【0011】脂肪族ポリエステル単位(b)は、上記脂
肪族ジカルボン酸とグリコール成分とを通常の方法で重
縮合せしめて得られるものであり、ホモポリエステルで
も共重合ポリエステルでもよく、あるいは環状のラクト
ンを開環重合して得られるポリラクトン(例えばポリ−
ε−カプロラクトン)でもよい。その融点の上限は特に
限定されないが、一般的には130℃以下が好ましく、
特に好ましくは100℃以下である。
【0012】熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)
中の高融点結晶性セグメント(A−1)と低融点重合体
セグメント(A−2)との組成比は、好ましくは重量比
で95/5〜5/95であり、さらに好ましくは70/
30〜30/70である。また、熱可塑性ポリエステル
エラストマー(A)としては、軟化点が100℃以上で
あるエラストマーが特に好適である。
【0013】熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)
として特に好ましく用いられるポリエステルブロック共
重合体は、高融点結晶性セグメント(A−1)としてポ
リテトラメチレンテレフタレートまたはポリトリメチレ
ンテレフタレート−2,6−ナフタレートを用い、低融
点重合体セグメント(A−2)としてポリテトラメチレ
ングリコールなどのポリエーテル、ポリテトラメチレン
アジペート、ポリ−ε−カプロラクトンなどの脂肪族ポ
リエステルを用いて形成されるものである。また、ジカ
ルボン酸やグリコールの一部としてポリカルボン酸や多
官能性ヒドロキシ化合物、オキシ酸などが共重合された
ものでもよい。該多官能性成分は、3モル%以下の範囲
で共重合せしめることにより、高粘度化成分として有効
に作用する。該多官能性成分としては、例えばトリメリ
ット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、グリセ
リン、ペンタエリスリトールまたはそれらのエステル、
酸無水物などを挙げることができる。
【0014】本発明の(B)成分であるゴムとしては、
非ハロゲンジエン系ゴム、非ハロゲンジエン系ゴムの水
添物、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、オレフ
ィン系ゴム、ハロゲン系ゴム、シリコーンゴムなどが挙
げられる。
【0015】上記非ハロゲンジエン系ゴムとしては、例
えば天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジ
エン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体ゴム、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体ゴム、アクリル酸エステル−ブタジエ
ン共重合体ゴムなどが挙げられる。
【0016】上記非ハロゲンジエン系ゴムの水添物とし
ては、例えば水素化ポリブタジエン、水素化ポリイソプ
レン、水素化スチレン−ブタジエンランダム共重合体ゴ
ム、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴ
ム、水素化アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体ゴ
ム、水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体など
が挙げられる。
【0017】上記水素化スチレン−ブタジエンブロック
共重合体ゴムとしては、 (b−1):ビニル芳香族化合物重合体ブロック(イ)
とビニル芳香族化合物と共役ジエンとのランダム共重合
体ブロック(ロ)とからなる(イ)−(ロ)もしくは
(イ)−(ロ)−(イ)ブロック共重合体、または上記
ブロック(イ)と上記ブロック(ロ)およびビニル芳香
族化合物と共役ジエンからなりビニル芳香族化合物が漸
増するテーパーブロック(ハ)とからなる(イ)−
(ロ)−(ハ)ブロック共重合体を水素添加することに
より得られる、共役ジエン部分の二重結合の少なくとも
80%が飽和されており、ポリスチレン換算数平均分子
量が5〜60万である水添ジエン系共重合体、 (b−2):上記ブロック(イ)、共役ジエン重合体あ
るいはビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体か
らなり、1,2−ビニル結合含量が25〜95%である
ブロック(ニ)および1,2−ビニル結合含量が20%
以下である共役ジエン重合体ブロック(ホ)からなる
(イ)−(ニ)−(ホ)ブロック共重合体を水素添加す
ることにより得られる、共役ジエン部分の二重結合の少
なくとも80%が飽和されており、ポリスチレン換算数
平均分子量が4〜70万である水添ジエン系共重合体、 (b−3):上記ブロック(ニ)と上記ブロック(ホ)
からなる、(ホ)−(ニ)−(ホ)または〔(ホ)−
(ニ)〕m(ただし、mは2以上)で表されるブロック
共重合体を水素添加することにより得られる、共役ジエ
ン部分の二重結合の少なくとも90%が飽和されてお
り、ポリスチレン換算数平均分子量が5万〜60万であ
る水添ジエン系共重合体、などが挙げられる。
【0018】なお、ここでビニル芳香族化合物として
は、スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−
ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエ
ステルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられるが、
特に好ましくはスチレンとα−メチルスチレンである。
【0019】また、上記共役ジエンとしては1,3−ブ
タジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエ
ン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブ
チル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどが挙げ
られるが、好ましくは1,3−ブタジエン、イソプレン
および1,3−ペンタジエンであり、特に好ましくは
1,3−ブタジエンである。
【0020】上記(b−1)は、ブロック(イ)、ブロ
ック(ロ)および必要に応じて加えられるブロック
(ハ)からなるジエン系共重合体(以下、「重合体b−
1」という)を水素添加して得られる水添共役ジエン系
共重合体(以下、「水添共重合体b−1」という)であ
る。
【0021】重合体b−1中のビニル芳香族化合物と共
役ジエン(ビニル芳香族化合物/共役ジエン)の割合は
重量比で、通常5〜60/95〜40、好ましくは5〜
40/95〜60である。また、ブロック(イ)および
必要に応じて加えられるブロック(ハ)中の結合ビニル
芳香族化合物量の合計は、通常全モノマーの3〜50重
量%、好ましくは3〜25重量%であり、ブロック
(ロ)中の共役ジエン部分におけるビニル結合含量は、
通常15%以上、好ましくは30%以上である。重合体
b−1の水素添加率は80重量%以上、好ましくは90
重量%以上である。
【0022】さらに、水添共重合体b−1のポリスチレ
ン換算数平均分子量は5〜60万、好ましくは7〜25
万である。
【0023】上記(b−2)は、ブロック(イ)、ブロ
ック(ニ)およびブロック(ホ)からなるジエン系共重
合体(以下、「重合体b−2」というを水素添加して得
られる水添共役ジエン系共重合体(以下、「水添重合体
b−2」という)である。重合体b−2中のブロック
(イ)の含量は、通常10〜50重量%、好ましくは1
5〜45重量%、ブロック(ニ)の含量は、通常30〜
80重量%、好ましくは35〜70重量%であり、ブロ
ック(ホ)の含量は、通常5〜30重量%、好ましくは
5〜25重量%である。なお、ブロック(ニ)の1,2
−ビニル結合含量は25〜95%、好ましくは30〜6
0%であり、ブロック(ホ)の1,2−ビニル結合含量
は20%以下、好ましくは5〜15%である。
【0024】重合体b−2の水素添加率は80%以上、
好ましくは90%以上であり、水添重合体b−2のポリ
スチレン換算数平均分子量は4〜70万、好ましくは6
〜40万である。
【0025】上記(b−3)は、ブロック(ニ)とブロ
ック(ホ)からなるジエン系共重合体(以下、「重合体
b−3」という)を水素添加して得られる水添共役ジエ
ン系重合体(以下、「水添重合体b−3」という)であ
る。
【0026】重合体b−3中のブロック(ニ)の含量
は、通常10〜95重量%、好ましくは15〜90重量
%であり、ブロック(ホ)の含量は、通常5〜90重量
%、好ましくは10〜85重量%である。なお、ブロッ
ク(ニ)およびブロック(ホ)の1,2−ビニル結合含
量は、重合体b−2の場合と同様である。
【0027】重合体b−3の水素添加率は、90%以
上、好ましくは95%以上であり、水添重合体b−3の
ポリスチレン換算数平均分子量は、5万〜60万、好ま
しくは10万〜40万である。
【0028】なお、これらの重合体b−1〜b−3は、
カップリング剤を用いてカップリングされていてもよ
く、例えば〔(イ)−(ロ)」n−X、〔(イ)−
(ロ)−(ハ)〕n−X、〔(イ)−(ロ)−(イ)〕
n−X(nは2〜4、Xはカップリング剤残基を示す)
などで表わされるものも含まれる。
【0029】上記アクリルゴムとしては、例えばアクリ
ル酸ブチル−アクリル酸エチル共重合体ゴムなどが挙げ
られる。上記エピクロルヒドリンゴムとしては、エピク
ロルヒドリン単独またはエピクロルヒドリンとエチレン
オキサイドの共重合ゴムが挙げられる。上記オレフィン
系ゴムとしては、例えばエチレン−プロピレン共重合体
ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム
などが挙げられる。上記ハロゲン系ゴムとしては、クロ
ロプレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルフ
ォン化ポリエチレンゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブ
チルゴム、塩素化エチレン−プロピレンゴムなどが挙げ
られる。上記シリコーンゴムとしては、ジメチルポリシ
ロキサン、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニ
ルビニルポリシロキサン、トリフルオロプロピルメチル
ビニルポリシロキサン、メチルフェニルシリコーンなど
が挙げられる。これらのほかに、いわゆる多硫化ゴム、
クロロフォスファゼンゴム、ウレタンゴム、エチレン−
酢酸ビニル共重合ゴム、ポリエチレンオキサイドゴム、
フッ素ゴムなどの通称で呼ばれる合成ゴムも同様に、本
発明のゴム(B)として使用することができる。
【0030】本発明において好ましいゴム(B)は、非
ハロゲンジエン系ゴム、非ハロゲンジエン系ゴムの水添
物、エピクロルヒドリンゴムなどである。さらに具体的
には、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、水素
化アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、水素化ア
クリル酸エステル−ブタジエン共重合ゴム、エチレン−
プロピレン共重合ゴムなどである。
【0031】ここでいう水素化アクリル酸エステル−ブ
タジエン共重合ゴムは、アクリル酸アルキルエステルま
たはアクリル酸アルコキシ置換アルキルエステルと共役
ジエンからなるランダム共重合体の共役ジエン重合単位
の二重結合の90%以上を水素化したゴムであり、詳し
くは特開平2−218704号に記載されている。
【0032】本発明においては、これらのゴムに官能
基、例えばカルボキシ基、エポキシ基、アミノ基などを
導入することによって、さらに相溶性を向上させ、機械
的強度や圧縮永久歪を改良することができる。官能基の
導入は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アミノ(メ
タ)アクリレートなどをゴム(B)を形成する他の成分
とともに共重合することによって行うことができる。な
お、これら官能基の導入は、(A)成分と混合する前に
行ってもよいし、(A)成分と混練するときに同時に行
ってもよい。本発明におけるゴム(B)の溶解パラメー
タ値は、通常8.0以上、好ましくは8.5以上、さら
に好ましくは9.0以上である。
【0033】ゴムの溶解パラメータ値、は日本ゴム協会
発行のゴム工業便覧や同協会発行の新ゴム技術入門など
の文献に記載されている値を参考にすることができる
が、これらの文献に記載されていないゴムに関しては、
講談社発行の溶剤ハンドブックに記載されている各種の
方法で測定することができる。本明細書においては、文
献既知でないゴムについては、Smallにより提案さ
れた物質の分子凝集エネルギー定数から試算する簡便な
方法で求めた値を目安とした。
【0034】本発明においては、ゴム(B)中のゲル含
量は、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上
である。なお、ゲル含量は、架橋前のゴムを十分溶解で
きる溶剤、例えばトルエンやメチルエチルケトンなどを
用いて、架橋後のゴムを溶解したときの不溶分の割合を
もって算出する。
【0035】(A)成分と(B)成分の使用量は、
(A)成分/(B)成分=50〜95/50〜5重量%
であり、好ましくは60〜90/40〜10重量%、さ
らに好ましくは60〜80/40〜20重量%である。
(A)成分の使用量が95重量%を超える領域では、得
られる組成物の柔軟性と圧縮永久歪の向上効果が十分認
められない。また(A)成分の使用量が50重量%未満
の領域では、得られる組成物を安定して製造することが
困難であり、また、流動性の低下が大きく加工性が劣
る。
【0036】本発明の(C)成分である官能基含有不飽
和化合物は、例えば酸無水物基含有不飽和化合物、アミ
ノ基または置換アミノ基含有不飽和化合物、エポキシ基
含有不飽和化合物、イミド基含有不飽和化合物、ヒドロ
キシル基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和
化合物などであり、特に好ましい化合物としては、酸無
水物基含有不飽和化合物とエポキシ基含有不飽和化合物
が挙げられる。これらの化合物は、単独でまたは2種以
上組み合わせて用いることができる。本発明において官
能基含有不飽和化合物は重合体を含まず、基本的には単
量体である。上記酸無水物基含有不飽和化合物の具体的
例としては、無水マイレン酸、無水イタコン酸、クロロ
無水マレイン酸、無水シトラコン酸、ブテニル無水コハ
ク酸、テトラヒドロ無水フタル酸などが挙げられ、特に
好ましい酸無水物基含有不飽和化合物は無水マレイン酸
である。これらは、単独でまたは2種以上組み合わせて
用いることができる。
【0037】上記のアミノ基または置換アミノ基含有不
飽和化合物の具体例としては、アクリル酸アミノエチ
ル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジ
メチルアミノエチル、メタクリル酸アミノプロピル、メ
タクリル酸フェニルアミノエチル、メタクリル酸シクロ
ヘキシルアミノエチル等のアクリル酸またはメタクリル
酸のアルキルエステル系誘導体類、N−ビニルジエチル
アミン、N−アセチルビニルアミン等のビニルアミン系
誘導体類、アリルアミン、メタクリルアミン、N−メチ
ルアクリルアミン等のアリルアミン系誘導体類、アクリ
ルアミド、N−メチルアクリルアミド等のアクリルアミ
ド系誘導体類、p−アミノスチレン等のアミノスチレン
類などが挙げられる。これらのなかでは、アリルアミ
ン、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプ
ロピル、アミノスチレンなどが、特に好ましく用いられ
る。これらのアミノ基または置換アミノ基含有不飽和化
合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いること
ができる。
【0038】上記エポキシ基含有不飽和化合物の具体例
としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレート、イタコン酸グリシジルエステル類、ブテンカ
ルボン酸エステル類、アリルグリシジルエーテル、2−
メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリ
シジルエーテル、3,4−エポキシブテン、3,4−エ
ポキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−
1−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチルペンテ
ン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロヘ
キセンモノオキシド、p−グリシジルスチレンなどが挙
げられる。これらは単独でまたは2種以上組み合わせて
用いることができる。上記イミド基含有不飽和化合物の
具体例としては、マレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられる。これ
らは単独でまたは2種以上組み合わせて用いることがで
きる。
【0039】上記ヒドロキシル基含有不飽和化合物の具
体例としては、3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒ
ドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブ
テン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−プロペン、シス−5−ヒド
ロキシ−2−ペンテン、トランス−5−ヒドロキシ−2
−ペンテン、シス−1,4−ジヒドロキシ−2−ブテ
ン、トランス−1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒド
ロキシエチルクロトネート、2,3,4,5,6−ペン
タヒドロキシヘキシルアクリレート、2,3,4,5,
6−ペンタヒドロキシヘキシルメタクリレート、2,
3,4,5−テトラヒドロキシペンチルアクリレート、
2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチルメタクリレ
ートなどが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上
組み合わせて用いることができる。上記カルボキシル基
含有不飽和化合物の具体例としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、桂皮酸、イタコン酸、マレイン
酸などが挙げられ、好ましくはアクリル酸およびメタク
リル酸である。これらは単独でまたは2種以上組み合わ
せて用いることができる。
【0040】上記官能基含有不飽和化合物(C)の使用
量は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対
して0.001〜10重量部であり、好ましくは0.0
05〜5重量部、さらに好ましくは0.005〜1重量
部である。使用量が10重量部を超えると得られる組成
物の機械的強度が低下し、0.001重量部未満では疲
労性が低下する。
【0041】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールな
どの公知の混合機によって各成分を溶融混練することに
よって製造することができる。
【0042】本発明においては、(A)成分、(B)成
分および(C)成分を単純にブレンドするだけでもよい
が、より高い性能の組成物を得るために、溶融混練中に
動的架橋を行うことが好ましい。本発明における「動的
架橋」とは、(A),(B)両成分を混練中に架橋可能
な(B)成分を同時に架橋することである。動的架橋に
用いる架橋剤としては、通常のゴムの架橋剤として使用
される過酸化物、硫黄、樹脂架橋剤などを挙げることが
でき、その具体例としては、例えば「架橋剤ハンドブッ
ク(山下晋三、金子東助著、大成社)」に記載されてい
る架橋剤、架橋助剤、架橋促進剤などを挙げることがで
きる。動的架橋は、上記のとおり、混合機を用いて各成
分を混練することによって行うことができるが、生産性
を考慮した場合には、二軸押出機を用いて連続的に行う
のが好ましい。
【0043】本発明の組成物には、1分子中に2個以上
のパーオキサイド結合を有する過酸化物(D)が含有さ
れていることが好ましい。過酸化物(D)の具体例とし
ては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)
ヘキシン−3、α,α−ビス(tert−ブチルパーオ
キシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジ−tert−ブ
チルジパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,1
−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−
ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t
ert−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−
4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレー
ト、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタ
ン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパ
ーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シ
クロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキ
サノンパーオキサイドなどが挙げられ、とくに好ましく
は、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチル
パーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメチル−2,5
−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3など
が挙げられる。この過酸化物は前記のゴムの架橋剤とし
て含有されていてもよいが、ゴムの架橋剤として過酸化
物(D)を使用しない場合には別途添加することが好ま
しい。
【0044】上記過酸化物(D)の使用量は、(A)成
分および(B)成分の合計100重量部に対して0〜2
重量部の範囲であり、好ましくは0.01〜1重量部、
さらに好ましくは0.02〜0.5重量部であり、上記
過酸化物(D)の使用量が2重量部を超えると加工性が
劣る。
【0045】本発明における各成分の添加方法はとくに
限定されず、(A),(B)および(C)全成分を同時
に添加する方法、(A)および(B)両成分を混練した
のちに、例えば二軸押出機の途中から(C)成分を添加
する方法などがある。しかし、好ましくは(A)および
(B)成分を混練したのちに、二軸押出機の途中から
(C)成分を添加する。また、動的架橋を行う場合は、
架橋が終了したのちに(C)成分を添加するのではな
く、動的架橋中またはそれ以前に(C)成分を添加する
のが好ましい。また、過酸化物(D)をさらに添加する
場合には(C)成分と同時に添加することが好ましい。
【0046】本発明の熱可塑性エラストマー組成物に
は、柔軟性と流動性をさらに向上させるために、機械的
強度などを損なわない範囲で可塑剤を添加することがで
きる。使用することができる可塑剤としては、プロセス
オイルまたはエクステングオイルと呼ばれる鉱物油系ゴ
ム用軟化剤、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレー
ト、ジエチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、
ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタ
レート、ジウンデシルフタレート、ジイソノニルフタレ
ートなどのフタル酸エステル類、トリクレジルホスフェ
ート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリメチ
ルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ト
リス−クロロエチルホスフェート、トリス−ジクロロプ
ロピルホスフェート、縮合リン酸エステル、トリフェニ
ルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジ
ルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホス
フェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェー
ト、トリラウリルホスフェート、トリセチルホスフェー
ト、トリステアリルホスフェート、トリオレイルホスフ
ェートなどのリン酸エステル類、トリメリット酸オクチ
ルエステル、トリメリット酸イソノニルエステル、トリ
メリット酸イソデシルエステルなどのトリメリット酸エ
ステル類、ジペンタエリスリトールエステル類、ジオク
チルアジペート、ジメチルアジペート、ジ−2−エチル
ヘキシルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジブチ
ルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジブチルジグ
リコールアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレー
ト、ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート、ジ
−2−エチルヘキシルセバケート、メチルアセチルリシ
ノレートなどの脂肪酸エステル類、ピロメリット酸オク
チルエステルなどのピロメリット酸エステル類、エポキ
シ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化脂肪酸ア
ルキルエステル(例えばエポキシ化脂肪酸オクチルエス
テル)などのエポキシ系可塑剤、アジピン酸エーテルエ
ステル、ポリエーテルエステル、ポリエーテルなどのポ
リエーテル系可塑剤などが挙げられる。これらの可塑剤
は、単独でまたは2種以上組合わせて用いることができ
る。
【0047】本発明の組成物に上記可塑剤を添加する場
合、ブリード性の面からはフタル酸エステル類、リン酸
エステル類、エポキシ系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤
などが好ましく、さらに好ましくはフタル酸エステル類
およびポリエーテル系可塑剤である。可塑剤の添加は、
架橋剤の添加前、添加後いずれでもよく、また一部を架
橋前に添加し、残りを架橋後に添加してもよい。可塑剤
の好ましい添加量は、(A)成分と(B)成分の合計1
00重量部に対して3〜50重量部、さらに好ましくは
5〜45重量部、特に好ましくは10〜30重量部であ
る。可塑剤の添加量が3重量部未満の場合、可塑剤の添
加による流動性と柔軟性の向上効果が十分でない。ま
た、50重量部を超えると、可塑剤のブリードアウトが
起こり、成形品の表面がベタつき使用できなくなる。
【0048】本発明の熱可塑性エラストマー組成物に
は、流動性および機械的強度を損なわない範囲で、充填
剤、例えば炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、クレ
ー、カオリン、タルク、シリカ、ケイソウ土、雲母粉、
アスベスト、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウ
ム、硫酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、二硫化
モリブデン、グラファイト、カーボンブラック、カーボ
ン繊維など、あるいは着色剤、例えばカーボンブラッ
ク、群青、酸化チタン、亜鉛華、べんがら、紺青、アゾ
顔料、ニトロン顔料、レーキ顔料、フタロシアニン顔料
など、または耐摩耗性向上剤、例えば二硫化モリブデ
ン、テフロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シリコ
ンオイル、グラファイトパウダーなどを配合することが
できる。また、液状NBR、液状アクリルゴム、液状ポ
リブタジエンゴムなどの液状ゴムを機械的強度を損なわ
ない範囲で配合することにより、流動性や柔軟性をさら
に向上させることができる。さらに、混合時にフェニレ
ンジアミン系酸化防止剤(大内新興化学工業株式会社
製、ノクラックCD、ノクラックTO、ノクラックG
I、アスピックなど)、イミダゾール系酸化防止剤(大
内新興化学工業株式会社製、ノクラックMB、ノクラッ
クMMBなど)、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
(BHTなど)、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤な
どを加えることもできる。
【0049】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物には、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボ
ネート、PET、PBT、ポリアセタール、ポリアミ
ド、エポキシ樹脂、フッ化ビニリデン、ポリスルホン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、PPS樹脂、ポリエー
テルエーテルケトン、PPO樹脂、スチレン−メタクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、ゴム変性PPO樹脂、スチレン−マレイミド系共重
合体、ゴム変性スチレン−マレイミド系共重合体、ポリ
エステル系エラストマー以外のエラストマー(例えばポ
リアミド系エラストマー)などの樹脂や熱可塑性エラス
トマーなどを適宜ブレンドすることができる。
【0050】本発明の組成物を成形することにより得ら
れる成形体は、バンパー部品、サイドシールド、ステア
リングホイール、モール、ハンドル、ラック・ピニオン
式ステアリング用ブーツ、マクファーソンストラットブ
ーツ、プロペラシャフト用ブーツ、トーリングブーツ、
ステアリングブーツ、ボールジョイントシール、タイロ
ッドシール、ユニバーサルジョイントシール、エアーサ
スペンション用ベローズ、ローリングダイヤフラムなど
の自動車部品、靴底、サンダルなどの履物、電線被覆、
コネクター、キャッププラグなどの電気部品、ゴルフク
ラブグリップ、野球バットのグリップ、水泳用フィン、
水中眼鏡などのスポーツ、レジャー用品、キーボードス
イッチなどのラバーコンタクト、カールコード、カップ
リング、Oリング、ガスケット、防水布、油圧ホース、
パワステホース、バキュームチューブ、コイルチューブ
などのガーデンホースなどのチューブ、ホース類、パッ
キンロール、ベルトなどの素材として使用することがで
きる。
【0051】
【実施例】以下に、実施例によって本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これ
らの実施例に何ら制限されるのではない。
【0052】実施例1〜4 熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマー(エニケム
・ポリメリ社製 PIBIFLEX 35M)と表1に
示すゴム質重合体を、表1に示す組成割合で二軸押出機
を用いて190℃にて混練中、二軸押出機の途中より、
表1に示す官能基含有不飽和化合物と過酸化物を表1に
示す組成割合で添加し、ペレット状の熱可塑性エラスト
マー組成物を得た。得られたペレットを十分乾燥したの
ち、射出成形機にて成形して試験片を作製し、以下の各
試験に呈した。試験方法は、次のとおりである。 (1)硬度:JIS K−6301 JIS A硬度 (2)流動性:MFR 200℃×10kg荷重 (3)引張強度(TB ):JIS K−6301 JI
S 3号ダンベル (4)引張伸度(EB ):JIS K−6301 JI
S 3号ダンベル (5)圧縮永久歪:JIS K−6301 70℃×2
2hr (6)耐熱老化性:JIS K−6301 ギヤー式老
化試験機を用いて100℃にて24hr後のTB 変化率
(%)を測定した。 (7)疲労特性:デマッチャ疲労試験機(上島製作所
製)を用いて0〜50%のくり返し伸張疲労試験を30
万回行い、次の評価基準で外観から判断した。 A:変化なし,B:若干のキ裂あり,C:キ裂あり,
D:破断あり (8)成形外観:上記成形シートにおいてショートショ
ットがなく、著しい外観不良(フローマーク、デラミネ
ーションなど)がない場合に、成形加工性を良好とし
た。 各試験の評価結果を、表1に示す。実施例5 ポリエステルエラストマーと表1に示すゴム質重合体お
よび他の成分を表1に示す組成割合で二軸押出機にて1
90℃にて混練中、二軸押出機の途中より表1に示す官
能基含有不飽和化合物と過酸化物を表1に示す組成割合
で添加し、官能基含有不飽和化合物の動的架橋を行っ
て、ペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
得られたペレットを十分乾燥したのち、射出成形機にて
成形して試験片を作製し、実施例1と同様に各試験に呈
した。各試験の評価結果を、表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】比較例1〜4 ポリエステルエラストマーと表2に示すゴム質重合体を
表2に示す組成割合で混練し、官能基含有不飽和化合物
と過酸化物を添加せずにペレット状の熱可塑性エラスト
マー組成物を得た。得られたペレットを十分乾燥したの
ち、射出成形機にて成形して試験片を作製し、実施例1
と同様に各試験に呈した。各試験の評価結果を、表2に
示す。比較例5 ポリエステルエラストマーと表2に示すゴム質重合体
を、表2に示す組成割合で混練中に動的に架橋したが、
官能基含有不飽和化合物と過酸化物を添加することな
く、組成物を得た。得られたペレットを十分乾燥したの
ち、射出成形機にて試験片を作製し、実施例1と同様に
各試験に呈した。各試験の評価結果を、表2に示す。比較例6 ポリエステルエラストマーだけからなるペレットを十分
乾燥したのち、射出成形機にて成形して試験片を作製
し、実施例1と同様に各試験に呈した。各試験の評価結
果を、表2に示す。比較例7〜9 表2に示すように、各成分の組成割合を変える以外は、
実施例1と同様にしてペレット状の熱可塑性エラストマ
ー組成物を得た。得られたペレットを十分乾燥したの
ち、射出成形機にて成形して試験片を作製し、実施例1
と同様に各試験に呈した。ただし、比較例7および9の
組成物は成形することができなかった。各試験の評価結
果を、表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】表1および表2に示す結果から明らかなよ
うに、実施例1〜5の組成物は、機械的強度、耐熱性、
耐疲労性、柔軟性、圧縮永久歪などの各種の物性がバラ
ンスよく優れている。これに対して、(A)成分と
(B)成分のみからなる比較例1〜5の組成物のなか
で、比較例1〜3の組成物は疲労特性と圧縮永久歪が劣
り、比較例4の組成物は製造時の加工性が悪く実用性が
ない。また、比較例5の組成物では動的架橋を行ってい
るが、疲労特性が十分ではない。また、ポリエステルエ
ラストマーだけを用いた比較例6では、得られる組成物
の硬度が高く圧縮永久歪も大きい。(A)成分と(B)
成分の組成割合が本発明の範囲以外である比較例7の組
成物は、製造安定性が悪く、均一なサンプルを得ること
ができない。また流動性が悪く成形することができな
い。また、(C)成分の組成割合が本発明の範囲より多
い比較例8の組成物は、機械的強度および疲労特性が劣
っている。(D)成分の組成割合が本発明の範囲より多
い比較例9の組成物は、安定したサンプルを得ることが
できず、成形することもできない。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、ポリエステルエラスト
マーに、特定のゴム質重合体、官能基含有不飽和化合物
および過酸化物を配合することにより、ポリエステルエ
ラストマーの特徴である機械的強度、耐疲労性および耐
熱性を保持したままで、従来のポリエステルエラストマ
ーの課題であった柔軟性と圧縮永久歪を改良することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 達雄 静岡県磐田市東貝塚1342−2 (72)発明者 此本 武美 静岡県掛川市初馬2092

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性ポリエステルエラストマ
    ー50〜99重量%と(B)ゴム質重合体50〜1重量
    %の合計100重量部に対して、(C)官能基含有不飽
    和化合物0.001〜10重量部を、混練してなる熱可
    塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】(B)ゴム質重合体が架橋可能なゴムであ
    り、混練中に動的に架橋されてなる請求項1記載の熱可
    塑性エラストマー組成物。
JP14235692A 1992-06-03 1992-06-03 熱可塑性エラストマー組成物 Pending JPH0641405A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14235692A JPH0641405A (ja) 1992-06-03 1992-06-03 熱可塑性エラストマー組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14235692A JPH0641405A (ja) 1992-06-03 1992-06-03 熱可塑性エラストマー組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0641405A true JPH0641405A (ja) 1994-02-15

Family

ID=15313476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14235692A Pending JPH0641405A (ja) 1992-06-03 1992-06-03 熱可塑性エラストマー組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0641405A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0683195A2 (de) * 1994-04-30 1995-11-22 Hüls Aktiengesellschaft Verfahren zur Herstellung von Verbundgegenständen aus Polyestern und Elastomeren

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0683195A2 (de) * 1994-04-30 1995-11-22 Hüls Aktiengesellschaft Verfahren zur Herstellung von Verbundgegenständen aus Polyestern und Elastomeren
EP0683195A3 (de) * 1994-04-30 1996-01-17 Huels Chemische Werke Ag Verfahren zur Herstellung von Verbundgegenständen aus Polyestern und Elastomeren.

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0506465B1 (en) Thermplastic elastomer composition
JP4473094B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた熱可塑性樹脂組成物
US5502095A (en) Thermoplastic elastomer composition
JP2008174759A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた熱可塑性樹脂組成物
JP3118306B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH07126500A (ja) ジョイントブーツ用熱可塑性エラストマー組成物
JP2003286384A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた熱可塑性樹脂組成物
JPH0579256B2 (ja)
JPH0753830A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP3351872B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2003277575A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP4125576B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH0641405A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2003020382A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた熱可塑性樹脂組成物
JP4077222B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体
JP4444602B2 (ja) 複合成形体
JP2687369B2 (ja) ポリアミド組成物
JPH0641404A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP3109113B2 (ja) 成形体
JP2003213051A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPS6381159A (ja) 熱可塑性エラストマ−組成物
JP3326249B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2008174760A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH08176412A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH02269138A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物