JPH0753830A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JPH0753830A
JPH0753830A JP19815293A JP19815293A JPH0753830A JP H0753830 A JPH0753830 A JP H0753830A JP 19815293 A JP19815293 A JP 19815293A JP 19815293 A JP19815293 A JP 19815293A JP H0753830 A JPH0753830 A JP H0753830A
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acid
rubber
acrylic rubber
examples
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Application number
JP19815293A
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English (en)
Inventor
Toshifumi Ueshima
敏文 上嶋
Susumu Hasegawa
享 長谷川
Hisahiro Nishio
寿浩 西尾
Tatsuo Nakajima
達雄 中島
Takemi Konomoto
武美 此本
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NTN Corp
JSR Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマー
組成物は、機械的性質、耐油性および耐熱性に優れてお
り、しかも柔軟性と圧縮永久歪、耐屈曲疲労特性が改良
された組成物を提供することにある。 【構成】(A)熱可塑性ポリエステルエラストマー30
〜95重量部と、(B)カルボキシル基含有アクリルゴ
ム70〜5重量部と、(C)金属化合物とからなり、か
つ金属化合物によりイオン架橋可能な熱可塑性エラスト
マー組成物及び(A)熱可塑性ポリエステルエラストマ
ー30〜95重量部と、(B)カルボキシル基含有アク
リルゴムと、(D)反応性ハロゲン原子含有アクリルゴ
ムからなり、(B)成分と(D)成分の和が70〜5重
量部であり、(B)成分と(D)成分の重量比が95〜
5/5〜95であることを特徴とする架橋可能な熱可塑
性エラストマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械的性質、耐熱性、
柔軟性、低圧縮永久歪、屈曲疲労特性に優れた熱可塑性
ポリエステルエラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステルエラストマーは、
ポリエステルとポリエーテル繰返し単位、またはポリエ
ステルとポリエステルをポリマー主鎖中に有する多重ブ
ロック共重合体であり、機械的性質、耐熱性および耐油
性に優れている。
【0003】このように、熱可塑性ポリエステルエラス
トマーは、優れた特徴を有するが、エラストマーとして
は硬度が高く、柔軟性に劣るという欠点がある。また、
圧縮永久歪が大きく、その用途の拡大が制約されてい
る。
【0004】そこでそれらを解決するために、ゴム成分
を配合して、柔軟性に優れ、圧縮永久歪みの小さい熱可
塑性ポリエステルエラストマー組成物を得ている。その
一つの方法として、熱可塑性ポリエステルエラストマー
にアクリルゴムを混合する方法がある。
【0005】例えば、特開平2−276853号には、
熱可塑性ポリエステルエラストマーにアクリルゴムをブ
レンドした組成物が開示されている。しかしながらこの
ような組成物は、自動車、工業用品に使われる、ブーツ
材、ホース材などの重要な評価項目である屈曲疲労特性
に劣るという欠点がある。
【0006】また特開平5−25375号、同2537
6号には、熱可塑性ポリエステルエラストマーとエポキ
シ基含有アクリルゴムとカルボキシル基含有アクリルゴ
ムまたはカルボキシル基を有する化合物との組成物が開
示されている。しかし、これらはいずれも屈曲疲労特性
が十分でない。
【0007】このように従来の熱可塑性ポリエステルエ
ラストマー組成物は屈曲疲労特性が十分でなく、また、
ポリエステルエラストマーにアクリルゴムをブレンドす
ると柔軟で耐熱性に優れるがしかし十分な屈曲疲労特性
のものが得られず、特に工業部品、自動車部品に使われ
るブーツ材、ホース材、ベルト材において、その用途拡
大が制約されていた。
【0008】特に、熱可塑性ポリエステルエラストマー
は、自動車部品、特にジョイントブーツの材料として好
適であるが、従来の熱可塑性ポリエステルエラストマー
組成物は、屈曲疲労特性が十分でなく、安定した耐久寿
命を有するジョイントブーツを得ることができなかっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱可
塑性ポリエステルエラストマーが有する優れた機械的特
質、耐熱性を損なうことなく、柔軟性、低圧縮永久歪、
屈曲疲労特性に優れた熱可塑性ポリエステルエラストマ
ー組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、(A)熱可塑性ポリエステルエラストマー30〜9
5重量部と、(B)カルボキシル基含有アクリルゴム7
0〜5重量部((A)、(B)の合計100重量部)と
(C)金属化合物とからなり、(C)成分が(B)成分
のカルボキシル基量に対して0.01〜5モル当量であ
り、この金属化合物によりイオン架橋が可能になった熱
可塑性エラストマー組成物を提供する。請求項2に記載
の発明は、(A)熱可塑性ポリエステルエラストマー3
0〜95重量部と、(B)カルボキシル基含有アクリル
ゴムと、(D)反応性ハロゲン原子含有アクリルゴムか
らなり、(B)成分と(D)成分の和が70〜5重量部
((A)、(B)、(D)の合計100重量部)であ
り、(B)成分と(D)成分の重量比が95〜5/5〜
95であることを特徴とする架橋可能な熱可塑性エラス
トマー組成物を提供する。以下、請求項1の発明と請求
項2の発明とを分けて説明する。
【0011】請求項1に記載の発明の(A)成分である
熱可塑性ポリエステルエラストマーは、ポリエステルブ
ロック共重合体であり、その重合体連鎖中に、主として
芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性セグメン
ト(A−1)と、主として脂肪族ポリエーテル単位およ
び/または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合
体セグメント(A−2)とを有している。
【0012】ハードセグメントである高融点結晶性セグ
メント(A−1)の芳香族ポリエステル単位は、酸成分
とグリコール成分とから形成されるが、この酸成分は実
質的にテレフタール酸および/または2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸である。また、テレフタール酸または
2,6−ナフタレンジカルボン酸のほかに、イソフター
ル酸などの他の芳香族ジカルボン酸、あるいはアジピン
酸、セバチン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン
酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸を少量併用し
てもよい。
【0013】上記芳香族ポリエステル単位を形成するグ
リコール成分は、炭素数2〜12のグリコール、例えば
エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサン
ジオール、デカンジオールなどである。
【0014】なお、高融点結晶性セグメント(A−1)
の融点の下限は特に限定されないが、一般的には150
℃以上であり、好ましくは170℃以上、さらに好まし
くは190℃以上である。その上限は300℃である。
また上記高融点結晶性セグメントの重合度は通常3〜3
5である。
【0015】ソフトセグメントである低融点重合体セグ
メント(A−2)を構成する脂肪族ポリエーテル単位
は、ポリアルキレングリコールで形成される。ポリアル
キレングリコールの具体例としては、例えばポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプ
ロピレングリコールブロック共重合体などが挙げられ、
特にポリテトラメチレングリコールが好ましい。これら
のポリアルキレングリコールは、その炭素数と酸素数の
比が2〜4.5のものであれば、単独ではもちろん混合
物として用いることもできる。
【0016】低融点重合体セグメント(A−2)を構成
するもう一つの単位である脂肪族ポリエステル単位は、
主として脂肪族ジカルボン酸とグリコールからなるが、
その主たる酸性分である脂肪族ジカルボン酸は、例えば
コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、デカンジカルボン
酸などである。また、これら脂肪族ジカルボン酸のほか
にイソフタール酸などの芳香族ジカルボン酸を少量併用
してもよい。
【0017】また、上記脂肪族ポリエステル単位を形成
するグリコール成分は、炭素数2〜12のグリコール成
分であり、その具体例としては、高融点結晶性セグメン
ト(A−1)の芳香族ポリエステル単位を形成するグリ
コール成分として例示したものが挙げられる。
【0018】脂肪族ポリエステル単位は、上記脂肪族ジ
カルボン酸とグリコール成分とを通常の方法で重縮合さ
せて得られるものであり、ホモポリエステルでも共重合
ポリエステルでもよく、あるいは環状のラクトンを開環
重合して得られるポリラクトン(例えばポリ−ε−カプ
ロラクトン)でもよい。
【0019】なお、低融点重合体セグメント(A−2)
の融点の上限は特に限定されないが、一般的には130
℃以下であり、好ましくは100℃以下である。その下
限は好ましくは−10℃以上である。また、低融点重合
体セグメント(A−2)の分子量は、通常400〜60
00である。
【0020】熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)
中の高融点結晶性セグメント(A−1)と低融点重合体
セグメント(A−2)との組成比は、好ましくは重量比
で95/5〜5/95であり、さらに好ましくは70/
30〜30/70である。また、熱可塑性ポリエステル
エラストマー(A)としては、軟化点が100℃以上で
あるものが特に好ましい。
【0021】熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)
として特に好ましく用いられるポリエステルブロック共
重合体は、高融点結晶性セグメント(A−1)としてポ
リテトラメチレンテレフタレートまたはポリトリメチレ
ンテレフタレート−2,6−ナフタレートを用い、低融
点重合体セグメント(A−2)としてポリテトラメチレ
ングリコールなどのポリエーテル、ポリテトラメチレン
アジペート、ポリ−ε−カプロラクトンなどのポリエス
テルを用いて形成されたものである。
【0022】また、ジカルボン酸やグリコールの一部と
してポリカルボン酸や多官能性ヒドロキシ化合物、オキ
シ酸などが共重合されたものでもよい。これらの多官能
性成分は、3モル%以下の範囲で共重合させることによ
り、高粘度化成分として有効に作用する。該多官能性成
分としては、例えばトリメリット酸、トリメシン酸、ピ
ロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ブタ
ンテトラカルボン酸、グリセリン、ペンタエリスリトー
ル、またはこれらのエステル、酸無水物などを挙げるこ
とができる。
【0023】熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)
は、通常の重合方法によって製造することができる。好
適な重合方法としては、芳香族ジカルボン酸またはその
ジメチルエステルと低融点セグメント形成性ジオールと
を、触媒の存在下に約150〜260℃に加熱し、エス
テル化反応またはエステル交換反応を行い、次いで真空
下に過剰の低分子ジオールを除去しつつ重縮合反応を行
うことにより熱可塑性エラストマーを得る方法;あらか
じめ調整した高融点ポリエステルセグメント形成性プレ
ポリマーおよび低融点重合体セグメント成形性プレポリ
マーに、それらのプレポリマーの末端基と反応する2官
能性の鎖延長剤を混合し、反応させたのち、系を高真空
に保ち揮発成分を除去することにより熱可塑性ポリエス
テルエラストマーを得る方法;高重合度の高融点ポリエ
ステルとラクトン類とを加熱混合し、ラクトンを開環重
合させつつエステル交換反応させることにより熱可塑性
ポリエステルエラストマーを得る方法などがある。
【0024】本発明の(B)成分であるカルボキシル基
含有アクリルゴムは、アルキルアクリレート単量体を通
常30〜99.9重量%、好ましくは50〜99.9重
量%、および反応性基としてカルボキシル基を含有した
単量体を通常0.1〜15重量%、好ましくは0.1〜
10重量%、およびこれらの各単量体と共重合可能な少
なくとも一種の他の単量体を通常69.9〜0重量%、
好ましくは49.9〜0重量%を共重合させて得られる
エラストマー状共重合体である。これらの中でも機械的
強度、屈曲疲労特性からカルボキシル基含有オレフィン
/アクリル酸エステル共重合体ゴムがより好ましい。
【0025】ここでいうアルキルアクリレート単量体と
しては、アルキルアクリレート、アルコキシアルキルア
クリレート、アルキルチオアルキルアクリレート、エス
テル基含有アクリルエステル、シアノアルキルアクリレ
ートなどが挙げられる。上記アルキルアクリレートと
は、アクリル酸エステルのアルキル基の炭素数が1〜2
0のアルキルアクリレートを意味し、具体例としては、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
n−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。上記ア
ルコキシアルキルアクリレートの具体例としては、(メ
タ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル
酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエ
チルなどが挙げられる。
【0026】上記エステル基含有アクリルエステルと
は、下記一般式(I)で表される化合物を意味する。
【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数
3〜20のアルキレン基、R3 は炭素数1〜20の炭化
水素基またはその誘導体、Lは1〜20の整数を示
す。)一般式(I)で表されるエステル基含有アクリル
エステルの具体例としては、下記の化合物を挙げること
ができる。 CH2 =CHCOO−C3 6 COO−CH3 、 CH2 =CHCOO−C4 8 COO−CH3 、 CH2 =CHCOO−C5 10COO−CH3 、 CH2 =CHCOO−C5 10COO−C2 5 、 CH2 =CHCOO−C5 10COO−C4 9 、 CH2 =CHCOO−C5 10COO−C8 17、 CH2 =CHCOO−(C2 4 COO)2 −C
2 5 、 CH2 =CHCOO−(C4 8 COO)2 −C
2 5 、 CH2 =CHCOO−(C5 10COO)2 −C
2 5 、 CH2 =CHCOO−(C5 10COO)3 −C
2 5 、 CH2 =CHCOO−(C5 10COO)4 −C
2 5 、 CH2 =CHCOO−(C5 10COO)5 −C
2 5 、 CH2 =CHCOO−(C5 10COO)2 −C
8 17
【0027】
【化2】 (B)成分のカルボキシル基含有アクリルゴムのカルボ
キシル基を含有する単量体としてはアクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコ
ン酸などのモノマーまたはジカルボン酸を挙げることが
できる。さらに下記の一般式で示されるカルボキシル基
を含有する単量体も使用することができる。
【0028】
【化3】 (式中、R1 はHまたはCH2 、R2 はC2 〜C6 のア
ルキレン基、R3 はフェニレン、シクロヘキシレン、C
2 〜C6 のアルキレン基または2価の不飽和炭化水素基
を表わす。)
【0029】
【化4】 さらにコハク酸モノ−(メタ)アクリロオキシエステ
ル、マレイン酸モノ−(メタ)アクリロオキシエステ
ル、フタル酸モノ−(メタ)アクリロオキシエステル、
ヘキサヒドロフタル酸(メタ)アクリロオキシエステ
ル、コハク酸モノ−(メタ)アクリロオキシプロピルエ
ステル、マレイン酸モノ−(メタ)アクリロオキシプロ
ピルエステル、フタル酸モノ(メタ)アクリロオキシプ
ロピルエステル、ヘキサヒドロフタル酸モノ−(メタ)
アクリロオキシプロピルエステル、アジピン酸モノ(メ
タ)アクリロオキシエチルエステルおよびマロン酸モノ
(メタ)アクリロオキシエチルエステルなどが挙げられ
る。これらのカルボキシル基を有する単量体はゴム重合
体成分中に通常0.1〜15重量%の割合で共重合され
ている。好ましくは0.1〜10重量%である。0.1
重量%未満では改良効果が乏しく、また15重量%を超
えるとゴム物性が劣り好ましくない。
【0030】また、共重合させ得る他の単量体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレ
ン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルア
ミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、
イソブチレン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベ
ンジルアクリレート、フルフリルアクリレートなどのモ
ノビニル系またはモノビニリデン系不飽和化合物、更に
はジビニルベンゼン、アリルアクリレート、アリルメタ
クリレート、アルキレングリコールジアクリレート、ア
ルキレングリコールジメタクリレート、ポリアルキレン
グリコールジアクリレート、ポリアルキレングリコール
ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レートなどの架橋性ポリエン化合物などが例示される。
これらの中ではエチレンが物性の点で特に好ましい。
【0031】ゴム(B)中のゲル含量は、通常50重量
%以上、好ましくは70重量%以上である。なお、ゲル
含量は、架橋前のゴムを十分溶解できる溶剤、例えばト
ルエンやメチルエチルケトンなどを用いて、架橋後のゴ
ムを溶解したときの不溶分の割合をもって算出する。
【0032】本発明の組成物における熱可塑性ポリエス
テルエラストマー(A)の配合割合は30〜95重量
部、好ましくは55〜90重量部であり、ゴム(B)の
配合割合は70〜5重量部、好ましくは45〜10重量
部((A)と(B)の合計は100重量部)である。
(A)成分の配合割合が95重量部を超えると、得られ
る組成物の柔軟性と圧縮永久歪の向上効果が十分認めら
れない。また(A)成分の配合割合が30重要部未満で
は、得られる組成物の加工性と流動性が劣る。
【0033】本発明の(C)成分金属化合物としては1
価、2価、3価金属(Li,Na,K,Ca,Mg,B
a,Zn,Alなど)の化合物で、それら金属の酸化
物、水酸化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、オクチル酸
塩、カプリン酸塩、ステアリル酸塩、ナフテン酸塩等の
カルボン酸塩、チオカルボン酸塩、ジチオカルバミン酸
塩、スルホン酸塩、リン酸塩、及び前記金属とアセチル
アセトン等との錯塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸塩
等が挙げられる。これらは単独でまたは二種以上を混合
して使用してもかまわない。これら金属化合物の中でも
製造しやすさ、物性上から、2価、3価の金属の酸化
物、ステアリル酸塩、ナフテン酸塩、チオカルボン酸
塩、ジチオカルバミン酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリ
ル酸塩が好ましく、さらに好ましくはジチオカルバミン
酸金属塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸塩、ステアリ
ル酸塩等が挙げられる。金属化合物の添加量は、アクリ
ルゴムのカルボキシル基量に対して0.01モル当量〜
5モル当量が好ましい。この金属化合物はアクリルゴム
のカルボキシル基とイオン的に反応する、いわゆるイオ
ン架橋剤として作用するものと推察される。
【0034】また、さらに圧縮永久歪を小さくするため
に通常アクリルゴムに使用する架橋剤を併用してもかま
わない。架橋剤としては、有機過酸化物、ポリイソシア
ネート、ポリアミン、金属セッケン、有機カルボン酸ア
ンモニウム塩、ポリカルボン酸、酸無水物、ジチオカル
バミン酸、ポリエポキシド、ポリオール、エポキシ化合
物等が挙げられる。
【0035】有機過酸化物としては、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロ
ピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジブチルパ
ーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルク
ミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−イソプロ
ピルカーボネートなどが用いられる。
【0036】ポリイソシアネートとしては、例えばヘキ
サメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられ
る。ポリアミンとしては、例えばトリエチレンテトラミ
ン、メチレンジアニリン、ジエチレントリアミンなどが
挙げられる。金属セッケンとしては、例えばステアリン
酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムなどが挙げられ
る。有機カルボン酸アンモニウム塩としては、例えば安
息香酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウムなどが挙
げられる。ポリカルボン酸としては、例えばアジピン
酸、オクタデシルジカルボン酸などが挙げられる。酸無
水物としては、例えば無水ピロメリット酸、無水マレイ
ン酸、無水ドデセニルコハク酸などが挙げられる。ジチ
オカルバミン酸としては、例えばヘキサメチレンジアミ
ンカーバメート、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛など
が挙げられる。ポリエポキシドとしては、例えばエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサン
ジオールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。ポリ
オールとしては、例えば1,4−ブタンジオール、1,
1,1−トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
【0037】エポキシ化合物としては、化合物内にエポ
キシ基を有するもので、脂肪酸系エポキシ基と脂環式エ
ポキシ基がある。また化合物中のエポキシ基の数により
モノエポキシ、ジエポキシ、ポリエポキシ化合物に分類
すると、例えばモノエポキシとしてフェニルグリシジル
エーテル、フェニルポリエチレンオキサイドグリシジル
エーテル、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシ
ジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテ
ル、1,2−エポキシ−p−ビニルシクロヘキセン、グ
リシジルフタルイミド等がある。ジエポキシとしてはエ
チレンポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルSジグリシジルエーテル、o−フタル酸ジグリシジル
エステル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシ−シクロヘキサン−カルボキシレート
等がある。更に3官能以上のポリエポキシとしてはポリ
グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチルプロ
パンポリグリシジルエーテル等がある。エポキシ化合物
はジエポキシ化合物が好ましく、ジエポキシとモノエポ
キシとの併用が溶融粘度の安定性の点から特に好まし
い。
【0038】これらの架橋剤には、架橋時間の短縮、架
橋温度の低下、架橋物の性能の向上を達成するために、
架橋助剤を添加することができる。例えば、架橋剤とし
てイオウを使用する場合には、メルカプトベンゾチアゾ
ールなどのチアゾール類、テトラメチルチウラムジスル
フィドなどのチウラム類、ジフェニルグアニジンなどの
グアニジン類、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛などの
ジチオカルバミン酸塩などが架橋助剤として有効に使用
できる。
【0039】架橋剤として有機過酸化物を使用する場合
には、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−
ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオ
ールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート、2,2′−ビス(4
−メタクリロイルジエトキシフェニル)プロパン、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、ジビニルベンゼン、N,N′−メチレ
ンビスアクリルアミド、p−キノンジオキシム、p,
p′−ジベンゾイルキノンジオキシム、トリアジンジチ
オール、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシア
ヌレート、ビスマレイミド、ビニル含有量の多いシリコ
ーンオイルなどが、架橋助剤として有効に使用できる。
【0040】金属セッケンを架橋剤に使用する場合に
は、例えばイオウ、ジペンタメチレンチウラムテトラス
ルフィドが架橋助剤として有効に使用できる。アミンを
架橋剤として使用する場合には、例えばジフェニルグア
ニジン、ジオルソトリルグアニジンが架橋助剤として有
効に使用できる。本発明の熱可塑性エラストマー組成物
100重量部に対して架橋剤の配合量は、通常0.01
〜20重要部の割合で使用される。
【0041】本発明の(A)熱可塑性ポリエステルエラ
ストマー、(B)カルボキシル基含有アクリルゴム、
(C)金属化合物とを含む組成物を製造する方法として
は、特に限定されないが生産性、コストから以下の方法
が好ましい。 (1)動的架橋することにより製造する方法 (2)予め本発明(B)カルボキシル基含有アクリルゴ
ムと(C)金属化合物を混練りしイオン架橋する。この
イオン架橋したアクリルゴムと(A)熱可塑性ポリエス
テルエラストマーをブレンドして製造する方法 これらの中でも動的架橋する方法がより好ましい。
【0042】ここでいう、動的架橋とは、Uniroy
al社のW.M.Fischerらや、Monsant
o社のA.Y.Coranらにより開発された手法であ
り、熱可塑性樹脂のマトリックス中にゴムをブレンド
し、架橋剤とともに混練りしながらゴムを高度に架橋さ
せ、しかもそのゴムを微細に分散させるプロセスのこと
である。
【0043】本発明におけるブレンドまたは動的架橋
は、各種押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダ
ー、あるいはこれらを組み合わせたものなどにより、上
記各成分を混練することによって行なわれる。しかし、
特に動的架橋を行う場合は生産性を考慮すると、二軸押
出機を用いて連続的に生産するのが最も好ましい。この
場合、押出機のホッパーまたは途中から架橋剤の添加を
行うことが好ましい。
【0044】このとき用いる二軸押出機としては、L/
D=30以上の長軸型のものが好ましい。溶解混練時に
各成分を添加する方法は、本発明の(A)、(B)両成
分と(C)成分を同時に添加する方法と、本発明の
(A)、(B)両成分を混練したのち、途中から(C)
成分を添加する方法のいずれでもよいが、本発明の
(A)、(B)両成分を混練したのち(C)成分を添加
する方法が好ましい。上記の動的架橋の方法としては、
目的の成形品の成形前の成形材料を予め架橋する方法あ
るいは成形品の成形工程で架橋する方法が挙げられる。
【0045】本発明のゴム(B)は熱可塑性ポリエステ
ルエラストマー(A)中に分散混合していることが好ま
しく、そのときの平均粒子径は好ましくは50μm以
下、さらに好ましくは10μm以下、特に好ましくは5
〜0.01μm以下である。ゴム(B)の分散粒子径が
大きいと良好な物性が得られない。
【0046】本発明においては、電子顕微鏡で観察され
るランダムな視野においてゴム粒子を100個以上測定
し、その平均値を平均粒子径とする。また、球形でない
粒子については円面積としたときの直径とする。
【0047】本発明のゴム(B)を熱可塑性ポリエステ
ル(A)中に十分に分散させ、かつその界面を強化して
物性をさらに向上させるために、いわゆる相溶化剤を用
いることができる。相溶化剤は大きく分けると、化学反
応を伴わないものと伴うものがある。前者は、通常ブロ
ック共重合体やグラフト共重合体であり、いわゆる乳化
作用を示す。後者は、末端や側鎖に官能基を有するポリ
マーやポリマーの末端に重合性基を有する高分子マクロ
マーなどである。
【0048】相溶化剤の具体例としては、エチレン/グ
リシジルメタクリレート共重合体−ポリメチルメタクリ
レートグラフトポリマー、エチレン/グリシジルメタク
リレート共重合体−アクリロニトリル/スチレン共重合
体グラフトポリマー、エチレン/グリシジルメタクリレ
ート共重合体−ポリスチレングラフトポリマー、エチレ
ン/エチルアクリレート共重合体−ポリメチルメタクリ
レートグラフトポリマー、エチレン/エチルアクリレー
ト共重合体−ポリアクリロニトリルグラフトポリマー、
エチレン/エチルアクリレート共重合体−ポリスチレン
グラフトポリマー、エチレン/酢酸ビニル共重合体−ポ
リメチルメタクリレートグラフトポリマー、エチレン/
酢酸ビニル共重合体−ポリアクリロニトリルグラフトポ
リマー、エチレン/酢酸ビニル共重合体−ポリスチレン
グラフトポリマー、ポリエチレン−ポリメチルメタクリ
レートグラフトポリマー、ポリエチレン−ポリアクリロ
ニトリルグラフトポリマー、ポリエチレン−ボリスチレ
ングラフトポリマー、エポキシ変性ポリスチレン−ポリ
メチルメタクリレートグラフトポリマー、ポリブチレン
テレフタレート−ポリスチレングラフトポリマー、酸変
性アクリル−ポリメチルメタクリレートグラフトポリマ
ー、酸変性アクリル−ポリスチレングラフトポリマー、
ポリスチレン−ポリメチルメタクリレートグラフトポリ
マー、スチレン−ポリブチルアクリレートブロック共重
合体、オキサゾリン基含有ポリスチレン、オキサゾリン
基含有アクリロニトリル−スチレン共重合物などが挙げ
られる。
【0049】相溶化剤の具体例としては、日本油脂株式
会社製モディパーA1100,A3100,A410
0,A5100,A6100,A1200,A420
0,A5200,A6200,A1400,A340
0,A4400,A5400,A6400、東亜合成化
学工業株式会社製RESEDA(登録商標名)GP10
0,GP200,GP300,GP400,GP50
0,GP700、日本触媒化学工業株式会社製RPS−
1001,RPS−1005、RAS−1005、など
の市販品を挙げることができる。これらを含めた相溶化
剤の例は、秋山三郎著「表面」1991年Vol.2
9,No.1や、前田佳治ら著雑誌「高分子加工」19
91年40巻4号などに記載されている。
【0050】これらの相溶化剤の中で特に好ましいもの
は、使用するゴム(B)の種類によっても異なるが、熱
可塑性ポリエステルエラストマー(A),(B)と直接
反応するエポキシ基またはオキサゾリン基を有する相溶
化剤である。また、この時、エポキシ基を有する相溶化
剤の代わりにエポキシ化合物を使用してもよい。
【0051】上記エポキシ化合物とは、化合物内にエポ
キシ基を有するものをいい、エポキシ基には、脂肪酸系
エポキシ基と脂環式エポキシ基がある。また化合物中の
エポキシ基の数によりモノエポキシ、ジエポキシ、ポリ
エポキシ化合物に分類すると、例えばモノエポキシとし
てフェニルグリシジルエーテル、フェニルポリエチレン
オキサイドグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエ
ーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシ
ルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−p−ビニル
シクロヘキセン、グリシジルフタルイミド等がある。ジ
エポキシとしてはエチレンポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエー
テル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、o−フ
タル酸ジグリシジルエステル、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル−3,4−エポキシ−シクロヘキサン−
カルボキシレート等がある。更に3官能以上のポリエポ
キシとしてはポリグリセロールポリグリシジルエーテ
ル、トリメチルプロパンポリグリシジルエーテル等があ
る。エポキシ化合物はジエポキシ化合物が好ましく、ジ
エポキシとモノエポキシとの併用が溶融粘度の安定性の
点から特に好ましい。相溶化剤の添加量は、添加効果を
得るためには、本発明の熱可塑性エラストマー組成物1
00重量部に対し、0.5〜30重量部、さらに好まし
くは0.5〜15重量部である。また、上記のエポキシ
化合物は、好ましくは、0.01〜10重量部、さらに
好ましくは0.05〜5重量部である。
【0052】また、必要に応じて、本発明の(A)と
(B)にさらに第3成分としてその他のゴムをブレンド
してもかまわない。第3成分としてのその他のゴムとし
ては、非ハロゲンジエン系ゴム、非ハロゲンジエン系ゴ
ムの水添物、エピクロルヒドリンゴム、オレフィン系ゴ
ム、ハロゲン系ゴム、シリコーンゴムなどが挙げられ
る。好ましいゴムは、非ハロゲンジエン系ゴム、非ハロ
ゲンジエン系ゴムの水添物、エピクロルヒドリンゴムな
どである。さらに具体的には、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合ゴム、水素化アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合ゴム、水素化アクリル酸エステル−ブタジエン
共重合ゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エピク
ロロヒドリンゴム、アクリルゴムなどである。
【0053】上記水素化アクリル酸エステル−ブタジエ
ン共重合ゴムは、アクリル酸アルキルエステルまたはア
クリル酸アルコキシ置換アルキルエステルと共役ジエン
からなるランダム共重合体の共役ジエン重合単位の二重
結合の90%以上を水素化したゴムであり、詳しくは特
開平2−218704号に記載されている。ここでのそ
の他ゴムの添加量としては本発明(A)と(B)成分の
和100重量部に対して0〜100重量部添加するのが
好ましい。
【0054】このときの架橋剤としては、本発明の
(C)成分である金属化合物とともに、本発明に添加す
るその他ゴム種に応じて、通常使用される架橋剤を併用
してもかまわない。使用する架橋剤としては、通常のゴ
ムに対して使用される過酸化物、樹脂架橋剤、硫黄など
の架橋剤が使用できる。架橋剤の具体例としては、例え
ば“架橋剤ハンドブック(山下普三、金子東助著、大成
社)”に記載されている架橋剤、架橋助剤、架橋促進剤
などが挙げられる。
【0055】本発明の組成物には、柔軟性と流動性をさ
らに向上させるために、機械的強度などを損なわない範
囲で可塑剤を添加することができる。使用することがで
きる可塑剤としては、プロセスオイル、またはエクステ
ングオイルと呼ばれる鉱物油系ゴム用軟化剤、ジオクチ
ルフタレート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレー
ト、ブチルベンジルフタレート、ジ−2−エチルヘキシ
ルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシル
フタレート、ジイソノニルフタレートなどのフタル酸エ
ステル類、トリクレジルホスフェートなどのリン酸エス
テル類、トリメリット酸オクチルエステルなどのトリメ
リット酸エステル類、ジペンタエリスリトールエステル
類などの脂肪酸エステル類、ピロメリット酸オクチルエ
ステルなどのピロメリット酸エステル類、エポキシ化大
豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化脂肪酸アルキル
エステル(例えばエポキシ化脂肪酸オクチルエステル)
などのエポキシ系可塑剤、アジピン酸エーテルエステ
ル、ポリエーテルエステル、ポリエーテルなどのポリエ
ーテル系可塑剤などが挙げられ、これらの可塑剤は単独
でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0056】本発明の組成物に上記可塑剤を添加する場
合、ブリード性の面からはフタル酸エステル類、リン酸
エステル類、エポキシ系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤
などが好ましく、さらに好ましくはフタル酸エステル類
およびポリエーテル系可塑剤である。可塑剤の添加は、
架橋剤の添加前、添加後いずれでもよく、また一部を架
橋前に添加し、残りを架橋後に添加してもよい。
【0057】本発明の組成物に液状アクリロニトリル−
ブタジエン共重合ゴム、液状アクリルゴム、液状ポリブ
タジエンゴムなどの液状ゴムを機械的強度を損なわない
範囲で配合することにより、流動性や柔軟性をさらに向
上させることができる。
【0058】本発明の組成物には、流動性や機械的強度
を損なわない範囲で、充填剤、例えば炭酸カルシウム、
ケイ酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、シリ
カ、ケイソウ土、雲母粉、アスベスト、アルミナ、硫酸
バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、塩基性
炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、グラファイト、
カーボンブラック、カーボン繊維など、あるいは着色
剤、例えばカーボンブラックなどを配合することができ
る。
【0059】さらに、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸
収剤などの各種安定剤を数種類組み合わせて添加するこ
ともできる。老化防止剤の具体例としては、フェニル−
α−ナフチルアミン(PAN)、オクチルヂフェニルア
ミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンヂアミン
(DPPD)、N,N′−ジ−β−ナフチル−p−フェ
ニレンジアミン(DNPD)、N−(1,3−ジメチル
−ブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミ
ン、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレ
ンジアミン(IPPD)、N,N′−ジアリル−p−フ
ェニレンジアミン、フェノチアジン誘導体、ヂアリル−
p−フェニレンジアミン混合物、アルキル化フェニレン
ジアミン、4,4′−α、α−ジメチルベンジル)ジフ
ェニルアミン、p,p−トルエンスルフォニルアミノジ
フェニルアミン、N−フェニル−N′−(3−メタクリ
ロイロキシ−2−ヒドロプロピル)−p−フェニレンジ
アミン、ジアリルフェニレンジアミン混合物、ジアリル
−p−フェニレンジアミン混合物、N−(1−メチルヘ
プチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、
ジフェニルアミン誘導体などのアミン系老化防止剤、2
−メルカプトベンゾイミダゾール(MBI)などのイミ
ダゾール系老化防止剤、2,5−ジ−t−アミルハイド
ロキノン(DAHQ)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロ
キノン(DBHQ)、4,4′−ヒドロキシジフェニル
シクロヘキサン、2,2′−メチレンビス(4−メチル
−6−t−ブチルフェノール)(MBMTB)、2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4′−
チオ−ビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノー
ル)、スチレネートフェノール、2,2′−メチレン−
ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ビス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
スルフィド、フェノール誘導体、ビスフェノール誘導体
などのフェノール系老化防止剤、アセトンとジフェニル
アミンの反応生成物(ADPAL)、ジフェニルアミン
とアニリンとアセトンの反応生成物、2,2,4−トリ
メチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合体(TMD
Q)、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2
−ジヒドロキノリン(ETMDQ)、アミンとケトンの
反応生成物、ジ−ラウリル−チオプロピオネート、ニッ
ケルジブチル−ジチオカルバネート(NiDBC)、ニ
ッケルジエチル−ジチオカルバメート、ニッケルジメチ
ル−ジチオカルバメート、ニッケルジメチル−ジチオカ
ルバメート等のジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、ト
リ(ノニル化フェニル)ホスフェイトなどの老化防止
剤、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニ
ルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、
トリオクタデシルホスファイト、トリデシルホスファイ
ト、チオジプロピオン酸、ジラウリルチオジプロピオネ
ート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチ
ルチオジプロピオネート、ジステアリルβ,β−チオジ
ブチレートなどの二次老化防止剤が挙げられる。
【0060】光安定剤や紫外線吸収剤の具体例として
は、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ
ヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、エチル−2−シアノ−
3,3′−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシ
ル−2−ジアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、
2(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチ
ルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
(2′−ヒドロキシ−3,5′−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2(2′−ヒドロキシ−5′
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキ
シ−5−クロルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン−2−ヒドロキシ−4−オクト
キシベンゾフェノン、2(2′−ヒドロキシ−4−オク
トキシフェニル)ベンゾトリアゾール、モノグリコール
サリチレート、オキザリック酸アミド、フェニルサリチ
レート、2,2′,4,4′−テトラヒドロキソベンゾ
フェノンなどが挙げられる。
【0061】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物には、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボ
ネート、PET、PBT、ポリアセタール、ポリアミ
ド、エポキシ樹脂、フッ化ビニリデン、ポリスルホン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、PPS樹脂、ポリエー
テルエーテルケトン、PPO樹脂、スチレン−メタクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、ゴム変性PPO樹脂、スチレン−マレイミド系共重
合体、ゴム変形スチレン−マレイミド系共重合体などの
樹脂を適宜ブレンドすることができる。
【0062】本発明で得られる熱可塑性ポリエステルエ
ラストマー組成物の硬度は、特に制限されないが、好ま
しくは60〜98ポイント(JIS A硬度)、さらに
好ましくは70〜98ポイント、特に好ましくは80〜
95ポイントである。硬度が必要以上に低いと、例えば
本発明の熱可塑性エラストマー組成物をジョイントブー
ツとして用いた場合に、高速回転時にブーツのジャバラ
部が回転遠心力によって膨張してしまう耐回転膨張特性
が不足し、また温度の低下によりブーツ内圧の低下でジ
ャバラ膜長部のかみ込みを起こしてしまう耐負圧特性も
不足する。また硬度がこれ以上高すぎると本発明の目的
を達成しない。
【0063】本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマ
ー組成物は、ブロー成形やインジェクションブロー成形
などの加工方法によって加工することができる。しか
し、本発明の組成物は射出成形することが可能であり、
例えば等速ジョイントブーツを製造する場合において、
射出成形により均一な厚みのブーツを得ることができ
る。射出成形でブーツを製造するためには、組成物のM
FR(230℃、10kg荷重下で測定した流動性)が
0.1g/10分以上、好ましくは5〜300g/10
分、特に好ましくは10〜200g/10分であること
が望ましい。
【0064】本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマ
ー組成物を用いて製造した等速ジョイントブーツは、強
度、圧縮永久歪、耐熱性、耐候性、耐寒性、耐グリース
性などの基本特性や耐疲労特性、耐摩耗性などの実用性
能に優れるばかりでなく、非常に柔軟である。すなわ
ち、本発明の組成物は、従来の材料であるクロロプレン
ゴムや単なる熱可塑性ポリエステルエラストマーの欠点
を改良した新しいジョイントブーツ類(特に、等速ジョ
イントブーツ)用に好適な材料である。
【0065】さらに、本発明の組成物は、バンバー部
品、サイドシールド、ステアリングホイール、モール、
ハンドル、ラック&ピニオン式ステアリング用ブーツ、
マクファーソンストラットブーツ、プロペラシャフト用
ブーツ、トーリンクブーツ、ステアリングブーツ、ボー
ルジョイントシール、タイロッドシール、ユニバーサル
ジョイントシール、エアーサスペンション用ベローズ、
ローリングダイヤフラムなどの自動車部品、靴底、サン
ダルなどの履物、電線被覆、コネクター、キャッププラ
グなどの電気部品、ゴルフクラブグリップ、野球バット
のグリップ、水泳用フィン、水中眼鏡などのスポーツ、
レジャー用品、キーボードスイッチなどのラバーコンタ
クト、カールコード、カップリング、Oリング、ガスケ
ット、防水布、油圧ホース、パワステホース、バキュー
ムチューブ、コイルチューブ、ガーデンホースなどのチ
ューブ、ホース類、パッキンロール、ベルトなどの素材
としても使用することができる。
【0066】
【実施例】以下に、実施例によって本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これ
らの実施例に何ら制限されるものではない。なお、
「部」、「%」は重量基準である。
【0067】(アクリルゴム1の製造方法)水250
部、エチルアクリレート99.2部、アクリル酸0.8
部、ラウリル硫酸ナトリウム4部、過硫酸カリウム0.
1部を窒素置換したオートクレーブに仕込み、反応温度
50℃で単量体の転化率が90%に達するまで反応さ
せ、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を加
え、反応を停止させた。次に、反応生成物を取り出して
水蒸気を吹き込み、未反応単量体を除去した。このよう
にして得られたゴムラテックスを、0.25%の塩化カ
ルシウム水溶液に加えて凝固させ、凝固物を充分水洗い
して約90℃で乾燥させてアクリルゴム1を得た。なお
アクリル酸の含有量は酸滴定により求めた。アクリル酸
含有量は0.5%であった。
【0068】(アクリルゴム2の製造方法)水250
部、エチルアクリレート93部、アクリル酸7部、ラウ
リル硫酸ナトリウム4部、過硫酸カリウム0.1部を窒
素置換したオートクレーブに仕込み、反応温度50℃で
単量体の転化率が90%に達するまで反応させ、N,N
−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を加え、反応を
停止させた。次に、反応生成物を取り出して水蒸気を吹
き込み、未反応単量体を除去した。このようにして得ら
れたゴムラテックスを、0.25%の塩化カルシウム水
溶液に加えて凝固させ、凝固物を充分水洗いして約90
℃で乾燥させてアクリルゴム2を得た。アクリル酸含有
量は5%であった。
【0069】(アクリルゴム3の製造方法)水250
部、エチルアクリレート86部、アクリル酸14部、ラ
ウリル硫酸ナトリウム4部、過硫酸カリウム0.1部を
窒素置換したオートクレーブに仕込み、反応温度50℃
で単量体の転化率が90%に達するまで反応させ、N,
N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を加え、反応
を停止させた。次に、反応生成物を取り出して水蒸気を
吹き込み、未反応単量体を除去した。このようにして得
られたゴムラテックスを、0.25%の塩化カルシウム
水溶液に加えて凝固させ、凝固物を充分水洗いして約9
0℃で乾燥させてアクリルゴム3を得た。アクリル酸含
有量は10%であった。
【0070】実施例1 熱可塑性ポリエステルエラストマー(エニケム・ポリメ
リ社製ポリエステルエラストマー、PIBIFLEX)
とムーニー粘度(L1+4 100℃)が45のアクリルゴ
ム2(アクリル酸含有量が5%)を、表1に示す割合で
二軸押出機を用いて210℃にて回転数200rpmに
て混練し、二軸押出機の途中から架橋剤として酸化亜鉛
を表1に従い添加し、動的架橋を行ったのち、老化防止
剤としてノクラックNBC(大内新興社製)1%および
イルガノックス1010(チバガイギー社製)0.2%
を添加し、表1に示す物性を有する組成物を得た。
【0071】実施例2〜4 ポリエステルエラストマーとアクリルゴムの組成比及び
アクリルゴムのカルボキシル基含有量を変え、表1の配
合に従い実施例1と同様の方法で組成物を得た。その物
性を表1に示した。
【0072】実施例5〜7 金属化合物の種類、アクリルゴムをカルボキシル基含有
エチル・アクリルゴム(ベーマックG)に変え、表1の
配合に従い実施例1と同様の方法で組成物を得た。その
物性を表1に示した。
【0073】実施例8〜10 金属化合物の金属種を表1のように変えて、実施例1と
同様の方法で組成物を得た。
【0074】実施例11,12 金属化合物とその他の架橋剤(有機過酸化物、エポキシ
化合物)を併用して表2の配合に従って、実施例1と同
様の方法で組成物を得た。
【0075】実施例13 相溶化剤を用い表2の配合に従い実施例1と同様の方法
で組成物をえた。その物性を表2に示した。
【0076】実施例14 ポリエステルエラストマーとアクリルゴムに第3成分と
してNBRをブレンドし、表2に従って実施例1と同様
の方法で組成物を得た。その物性を表2に示した。 実施例15,16 実施例15、16はそれぞれ可塑剤を添加し、表2に従
って組成物を得た。
【0077】比較例1 ポリエステルエラストマー単体で評価した。
【0078】比較例2、3 それぞれアクリルゴムとして、エポキシ基含有アクリル
ゴム、カルボキシル基含有アクリルゴムを使用し、表3
の配合に従い実施例1と同様の方法で組成物を得た。そ
の物性を表3に示した。
【0079】比較例4 ポリエステルエラストマーを5重量部、アクリルゴムを
95重量部使用し、表2の配合に従って、実施例1と同
様の方法で組成物を得た。その物性を表3に示した。
【0080】実施例1〜4および比較例1、4におい
て、ポリエステルエラストマーとアクリルゴムの組成
比、またカルボキシル基の含有量をかえても実施例1〜
4によれば、MFR、TB、EB、圧縮永久歪などの物
性が良好である。しかし比較例1の様にポリエステル単
体では圧縮永久歪が大きい。また反対に比較例4の様に
アクリルゴムが多いとMFRが大きく成形できなかっ
た。
【0081】実施例5、6、7と比較例2、3におい
て、実施例5、6、7は、アクリルゴムとして、カルボ
キシル基含有エチル・アクリルエステル共重合体を用
い、また金属化合物の種類を変えた例であるが、どれも
物性が良好であった。特にエチレン・アクリルゴムを用
いた実施例6では、機械的強度が良好であった。一方、
比較例2、3の様にエポキシ基含有アクリルゴム、カル
ボキシル基含有アクリルゴムを通常の架橋剤により架橋
した熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物は、T
B、EB、屈曲疲労特性が劣る。
【0082】実施例8〜10は金属化合物の金属種を変
えた例であるが、物性は良好な値を示す。
【0083】実施例11、12のように、架橋剤として
エポキシ化合物、パーオキサイドを併用すると圧縮永久
歪がとくに良好である。
【0084】実施例13、14は、相溶化剤を使用した
例とポリエステルエラストマーとアクリルゴムにさらに
第3成分としてNBRをブレンドした例であるが、物性
がほぼ良好である。実施例15、16は可塑剤を添加し
た系であるが、物性が良好である。
【0085】試験例1(シート形状における物性評価) 実施例1〜14および比較例1〜4で得られた組成物を
ペレット化し、210℃で射出成形機にて厚さ2mmの
シートおよびデマッチャ屈曲試験用テストピースを成形
し、以下の評価を行った。結果を表1および表2に示
す。 (1) 硬度:JIS K−6301 JIS A硬度 (2) 引張強度TB :JIS K−6301 JIS
3号ダンペル (3) 引張伸度EB :JIS K−6301 JIS
3号ダンペル (4) 圧縮永久歪:JIS K−6301 120℃
22時間 (5) 耐熱老化性:JIS K−6301 ギヤー式
老化試験機を用いて120℃にて300時間老化させた
のちの引張強度を測定し、耐熱試験前の引張強度に対す
る変化率(%)で示した。 (6) 耐屈曲疲労特性:JIS K−6301に従い
デマッチャ屈曲試験機(上島製作所製)を用いて50℃
で繰り返し屈曲疲労試験を行い破断した亀裂回数を測定
した。 (7) 耐油性:JIS K−6301 JIS 3号
油中に120℃にて70時間浸漬したのちの引張強度を
測定し、耐油試験前の引張強度に対する変化率(%)で
示した。
【0086】試験例2 MFR:実施例1〜14、比較例1〜4の組成物のペレ
ットを230℃、10kg荷重下で測定した。
【表1】
【表2】
【表3】
【0087】次に、請求項2に記載の発明について説明
する。熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)につい
ては、請求項1に記載の発明における(A)成分と同様
である。
【0088】本発明の(D)成分である反応性ハロゲン
原子含有アクリルゴムはアルキルアクリレート単量体通
常30〜99.9重量%、好ましくは50〜99.9重
量%および反応性基としてハロゲン原子を含有した単量
体通常0.1〜15重量%、好ましくは0.1〜10重
量%、およびこれらの各単量体と共重合可能な少なくと
も1種の他の単量体通常69.9〜0重量%、好ましく
は49.9〜0重量%を共重合させて得られるエラスト
マー状共重合体である。
【0089】本発明の(B)成分であるカルボキシル基
含有アクリルゴムは、アルキルアクリレート単量体通常
30〜99.9重量%、好ましくは50〜99.9重量
%および反応性基としてカルボキシル基を含有した単量
体通常0.1〜15重量%、好ましくは0.1〜10重
量%、およびこれらの各単量体と共重合可能な少なくと
も1種の他の単量体通常69.9〜0重量%、好ましく
は49.9〜0重量%を共重合させて得られるエラスト
マー状共重合体である。
【0090】ここでいうアルキルアクリレート単量体と
は、アルキルアクリレート、アルコキシアルキルアクリ
レート、アルキルチオアルキルアクリレート、エステル
基含有アクリルエステル、ジアノアルキルアクリレート
などが挙げられる。アルキルアクリレートの例として
は、アクリル酸エステルのアルキル基の炭素数が1〜2
0のアルキルアクリレートを意味し、具体例としては、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
n−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、アルコキ
シアルキルアクリレートの具体例としては、(メタ)ア
クリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エト
キシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチルな
どが挙げられる。エステル基含有アクリルエステルとし
ては下記一般式(I)で表される。
【化5】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数
3〜20のアルキレン基、R3 は炭素数1〜20の炭化
水素基またはその誘導体、Lは1〜20の整数を示
す。)
【0091】一般式(I)で表される(メタ)アクリル
酸エステル(I)の具体例としては、下記の化合物を挙
げることができる。 CH2 =CHCOO−C3 6 COO−CH3 、 CH2 =CHCOO−C4 8 COO−CH3 、 CH2 =CHCOO−C5 10COO−CH3 、 CH2 =CHCOO−C5 10COO−C2 5 、 CH2 =CHCOO−C5 10COO−C4 9 、 CH2 =CHCOO−C5 10COO−C8 17、 CH2 =CHCOO−(C2 4 COO)2 −C
2 5 、 CH2 =CHCOO−(C4 8 COO)2 −C
2 5 、 CH2 =CHCOO−(C5 10COO)2 −C
2 5 、 CH2 =CHCOO−(C5 10COO)3 −C
2 5 、 CH2 =CHCOO−(C5 10COO)4 −C
2 5 、 CH2 =CHCOO−(C5 10COO)5 −C
2 5 、 CH2 =CHCOO−(C5 10COO)2 −C
8 17
【化6】
【0092】(D)成分の共重合させる他の単量体とし
ては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル
酸、クロトン酸、ビニル酢酸、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸、けい皮酸、マレイン酸モノメチル、マレイ
ン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、スチレン、α
−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ヒドロキシ
エチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、ヒドロキシエチルメタクリレート、イソブチレン、
エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルア
クリレート、フルフリルアクリレートなどのモノビニル
系またはモノビニリデン系不飽和化合物、更にはジビニ
ルベンゼン、アリルアクリレート、アリルメタクリレー
ト、アルキレングリコールジアクリレート、アルキレン
グリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコー
ルジアクリレート、ポリアルキレングリコールジメタク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレートな
どの架橋性ポリエン化合物などが例示される。
【0093】また(B)成分の他の単量体としては、例
えば、上記の他の単量体の内、カルボン酸単量体を除い
た単量体が挙げられる。
【0094】本発明の(D)成分である反応性ハロゲン
原子含有アクリルゴムの反応性ハロゲン原子含有単量体
としては、例えば2−クロルエチルビニルエーテル、ク
ロル酢酸ビニル、クロル酢酸アリルなどが挙げられる。
【0095】(B)成分のカルボキシル基含有アクリル
ゴムのカルボキシル基を含有する単量体としてはアクリ
ル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマ
ール酸、イタコン酸、などのモノマーまたはジカルボン
酸を挙げることができる。さらに下記の一般式で示され
るカルボキシル基を含有する単量体も使用することがで
きる。
【化7】 (式中、R1 はHまたはCH2 、R2 はC2 〜C6 のア
ルキレン基、R3 はフェニレン、シクロヘキシレン、C
2 〜C6 のアルキレン基または2価の不飽和炭化水素基
を表わす。)
【0096】
【化8】 さらにコハク酸モノ−(メタ)アクリロオキシエステ
ル、マレイン酸モノ−(メタ)アクリロオキシエステ
ル、フタル酸モノ−(メタ)アクリロオキシエステル、
ヘキサヒドロフタル酸(メタ)アクリロオキシエステ
ル、コハク酸モノ−(メタ)アクリロオキシプロピルエ
ステル、マレイン酸モノ−(メタ)アクリロオキシプロ
ピルエステル、フタル酸モノ(メタ)アクリロオキシプ
ロピルエステル、ヘキサヒドロフタル酸モノ−(メタ)
アクリロオキシプロピルエステル、アジピン酸モノ(メ
タ)アクリロオキシエチルエステルおよびマロン酸モノ
(メタ)アクリロオキシエチルエステルなどが挙げられ
る。これらカルボキシル基を含有するビニル単量体の中
では、アクリル酸またはメタクリル酸を使用することが
好ましい。
【0097】これらのカルボキシル基を有する単量体は
ゴム重合体成分中に通常0.1〜15重量%の割合で共
重合体されている。好ましくは0.1〜10重量%であ
る。0.1重量%未満では改良効果が乏しく、また15
重量%を超えるとゴム物性が劣り好ましくない。
【0098】本発明においては、ゴム(B)中のゲル含
量は、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上
である。なお、ゲル含量は、架橋前のゴムを十分溶解で
きる溶剤、例えばトルエンやメチルエチルケトンなどを
用いて、架橋後のゴムを溶解したときの不溶分の割合を
もって算出する。
【0099】本発明の(D)反応性ハロゲン原子含有の
アクリルゴムと(B)カルボキシル基のアクリルゴムの
重量比は95/5〜5/95、好ましくは95/5〜3
0/70、さらに好ましくは95/5〜50/50であ
る。
【0100】本発明の(D)反応性ハロゲン原子含有の
アクリルゴムと(B)カルボキシル基含有のアクリルゴ
ムの重量比が95/5を超えると十分な機械的強度、屈
曲疲労特性を得られない。反応性ハロゲン原子含有アク
リルゴムと(B)カルボキシル基含有のアクリルゴムの
重量比が5/95未満でも、目的とする十分な物性を得
られない。
【0101】本発明のゴム(B)、(D)成分を熱可塑
性ポリエステル(A)中に十分に分散させ、かつその界
面を強化して物性をさらに向上させるために、いわゆる
相溶化剤を用いることが好ましい。
【0102】相溶化剤の具体例は、請求項1に記載の発
明の場合と同様である。
【0103】これらの相溶化剤の中で特に好ましいもの
は、使用するゴム(B)、(D)成分の種類によっても
異なるが、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)と
ゴムと直接反応するエポキシ基またはカルボキシル基、
オキサゾリン基を有する相溶化剤である。また、この
時、エポキシ基を有する相溶化剤の代わりにエポキシ化
合物を使用してもよい。上記エポキシ化合物について
は、請求項1に記載の発明の場合と同様である。
【0104】相溶化剤の添加量は、添加効果を得るため
には、本発明の熱可塑性エラストマー組成物100重量
部に対し、0.5〜30重量部、さらに好ましくは、
0.5〜15重量部である。又、上記のエポキシ化合物
は、好ましくは、0.01〜10重量部、さらに好まし
くは0.05〜5重量部である。
【0105】本発明の組成物における熱可塑性ポリエス
テルエラストマー(A)の配合割合は30〜95重量
部、好ましくは50〜85重量部であり、ゴム(B)+
(D)の配合割合は70〜5重量部、好ましくは50〜
15重量部((A)、(B)、(D)の合計100重量
部)である。(A)成分の配合割合が95重量部を超え
ると、得られる組成物の柔軟性と圧縮永久歪、屈曲疲労
特性の向上効果が十分認められない。また(A)成分の
配合割合が30重量部未満では、得られる組成物の加工
性と流動性が劣る。
【0106】本発明においては、熱可塑性ポリエステル
エラストマー(A)とゴム(B)(D)を単純にブレン
ドするだけではなく、架橋することで高い性能の組成物
を得ることができる。特に動的架橋を行うことでさらに
高い性能が得られる。動的架橋とは、Uniroyal
社のW.M.Fischerらや、Monsanto社
のA.Y.Coranらにより開発された手法であり、
熱可塑性樹脂のマトリックス中にゴムをブレンドし、架
橋剤とともに混練りしながらゴムを高度に架橋させ、し
かもそのゴムを微細に分散させるプロセスのことであ
る。
【0107】すなわち、本発明においては、ゴム
(B),(D)の架橋性単量体としては反応性ハロゲン
原子、カルボキシル基を含有しているので有機過酸化
物、ポリアミン,ポリエポキシド,エポキシ化合物,ポ
リオール,金属酸化物,金属セッケン,有機カルボン酸
アンモニウム塩,ポリカーバメートなどが架橋剤として
用いられる。上記有機過酸化物等の具体例については、
請求項1に記載の発明の場合と同様である。
【0108】これらの架橋剤には、架橋時間の短縮、架
橋温度の低下、架橋物の性能の向上を達成するために、
架橋助剤を添加することができる。架橋助剤の具体例に
ついては、請求項1に記載の発明の場合と同様である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対
して架橋剤の配合量は、通常、0.01〜20重量部の
割合で使用される。0.01重量部未満では架橋がほと
んど進行せず、一方20重量部を超えると得られる組成
物の物性が損なわれ好ましくない。
【0109】本発明における架橋は、ロール、各種押出
機、バンバリーミキサー、ニーダー、あるいはこれらを
組み合わせたものなどにより、上記各成分を混練するこ
とによって行われる。しかし、特に動的架橋を行う場合
は生産性を考慮すると、二軸押出機を用いて連続的に生
産するのが最も好ましい。この場合、押出機の途中から
架橋剤の添加を行うことが好ましい。このとき用いる二
軸押出機としては、L/D=30以上の長軸型のものが
好ましい。溶解混練時に各成分を添加する方法は、本発
明の(A)、(B)、(D)成分と架橋剤を同時に添加
する方法と、本発明の(A)、(B)、(D)成分を混
練したのち、途中から架橋剤を添加する方法のいずれで
もよいが、本発明の(A)、(B)、(D)成分を混練
したのち架橋剤を添加する方法が好ましい。
【0110】上記の動的架橋は、目的の成形品の成形前
の成形材料を予め架橋する方法あるいは成形品の成形工
程で架橋する方法が挙げられる。
【0111】本発明のゴム(B)、(D)は熱可塑性ポ
リエステルエラストマー(1)中に分散混合しているこ
とが好ましく、そのときの平均粒子径は好ましくは50
μm以下、さらに好ましくは10μm以下、特に好まし
くは5〜0.01μm以下である。ゴム(B)、(D)
の分散粒子径が大きいと良好な物性が得られない。本発
明においては、電子顕微鏡で観察されるランダムな視野
においてゴム粒子を100個以上測定し、その平均値を
平均粒子径とする。また、球形でない粒子については円
面積としたときの直径とする。
【0112】本発明の組成物には必要に応じて、本発明
の(A)と(B)と(D)にさらにその他のゴムをブレ
ンドしてもかまわない。その他のゴムの具体例について
は、請求項1に記載の発明の場合と同様である。
【0113】本発明の組成物には、柔軟性と流動性をさ
らに向上させるために、機械的強度などを損なわない範
囲で可塑剤を添加することができる。可塑剤の具体例に
ついては、請求項1に記載の発明の場合と同様である。
【0114】本発明の組成物に液状アクリロニトリル−
ブタジエン共重合ゴム、液状アクリルゴム、液状ポリブ
タジエンゴムなどの液状ゴムを機械的強度を損なわない
範囲で配合することにより、流動性や柔軟性をさらに向
上させることができる。
【0115】本発明の組成物には、流動性や機械的強度
を損なわない範囲で充填剤や着色剤等を配合することが
できる。さらに、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤
などの各種安定剤を数種類組み合わせて添加することも
できる。これら充填剤等の具体例は、請求項1に記載の
発明の場合と同様である。
【0116】その他、本発明の熱可塑性エラストマー組
成物のブレンド物、硬度、加工方法、用途についても、
請求項1に記載の発明の場合と同様である。
【0117】
【実施例】以下に、実施例によって本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これ
らの実施例に何ら制限されるものではない。なお、
「部」、「%」は重量基準である。アクリルゴム1〜3
の製造方法については、請求項1に記載の発明の説明で
既述した通りである。
【0118】実施例17 熱可塑性ポリエステルエラストマー(エニケム・ポリメ
リ社製ポリエステルエラストマー、PIBIFLEX)
と反応性ハロゲン原子含有アクリルゴム(AREX11
0 活性塩素系)、ムーニー粘度(L1+4 100℃)が
51、カルボキシル基含有アクリルゴム1を、表4に示
す割合で二軸押出機を用いて210℃にて回転数200
rpmにて混練し、二軸押出機の途中から架橋剤として
サルファックスPMC、ステアリン酸Na、ステアリン
酸Kを表4に従い添加し、動的架橋を行ったのち、老化
防止剤としてノクラックNBC(大内新興社製)1%お
よびイルガノックス1010(チバガイギー社製)0.
2%を添加し、表4に示す物性を有する組成物を得た。
【0119】実施例18〜20 ポリエステルエラストマーとアクリルゴムの組成比を変
え、表4の配合に従い実施例17と同様の方法で組成物
を得た。その物性を表4に示した。
【0120】実施例21,22 反応性ハロゲン原子含有アクリルゴムとカルボキシル基
含有アクリルゴムの組成比を変え、表4の配合に従い実
施例17と同様の方法で組成物を得た。その物性を表4
に示した。
【0121】実施例23〜25 相溶化剤、エポキシ化合物等を使用し、表4の配合に従
い実施例20と同様の方法で組成物を得た。その物性を
表4に示した。
【表4】
【0122】実施例26〜28 架橋剤をそれぞれエポキシ化合物系、トリアジン系、パ
ーオキサイド系に変えて、表5の配合に従い実施例17
と同様の方法で組成物を得た。その物性を表5に示し
た。
【0123】実施例29〜31 カルボキシル基含有アクリルゴムとして、それぞれカル
ボキシル基含有エチレン・アクリルゴム、アクリル酸含
有量0.5%,10%のアクリルゴムを使用し、表5の
配合に従い実施例17と同様の方法で組成物を得た。そ
の物性を表5に示した。 実施例32 実施例32は第3成分としてNBRを添加し、配合表に
従って組成物を得た。 実施例33,34 それぞれ可塑剤を添加し、配合表に従って組成物を得
た。 実施例35 ハロゲン含有アクリルゴムと、カルボキシル基含有アク
リルゴムの比を変え、配合表に従って組成物を得た。
【表5】
【0124】比較例5 ポリエステルエラストマー単体で評価した。
【0125】比較例6,7 それぞれ、本発明で必要なカルボキシル基含有アクリル
ゴム又は、反応性ハロゲン原子含有アクリルゴムを使用
しないで表6の配合に従い実施例17と同様の方法で組
成物を得た。その物性を表6に示した。
【0126】比較例8 ポリエステルエラストマーを5部、アクリルゴムを95
部使用し、表6の配合に従って、実施例17と同様の方
法で組成物を得た。その物性を表6に示した。
【表6】
【0127】実施例17〜20、比較例5,8 ポリエステルエラストマーとアクリルゴムの組成比を実
施例17〜20の様にかなり変えてもMFR,TB ,E
B ,圧縮永久歪などの物性が良好である。しかし、比較
例5のようにポリエステル単体では圧縮永久歪が大き
い。また反対に比較例8の様にアクリルゴムが多いと成
形性が悪い(MFRが小さいため成形できなかっ
た。)。
【0128】実施例21、22、比較例6、7 アクリルゴムとして、反応性ハロゲン原子含有アクリル
ゴムとカルボキシル基含有アクリルゴムを用いた組成物
はそれぞれ比較例6の様なカルボキシル基含有アクリル
ゴムのない組成物、比較例7の様な反応性ハロゲン原子
含有アクリルゴムのない組成物に比べて、TB ,EB
屈曲疲労特性が優れることを示す。
【0129】実施例23〜25 相溶化剤、エポキシ化合物を使用するとTB ,EB ,圧
縮永久歪がとくに良好である。
【0130】実施例26〜28 架橋剤としてエポキシ化合物、トリアジン系、パーオキ
サイドを用いても良好な物性を得られることを示してい
る。
【0131】実施例29 カルボキシル基含有アクリルゴムをカルボキシル基含有
エチレン・アクリルゴムに変えても良好な物性が得られ
た。
【0132】実施例30,31 カルボキシル基含有アクリルゴムのアクリル酸含有量を
それぞれ、0.5%、10%に変えても同様に良好な物
性が得られた。 実施例32〜35 実施例32は第3成分としてNBRを添加したもの、実
施例33、34は可塑剤を添加したもの、実施例35は
ハロゲン含有アクリルゴムとカルボキシル基含有アクリ
ルゴムの比を変えたものであるが、それぞれ物性は良好
である。
【0133】試験例3(シート形状における物性評価) 実施例17〜34および比較例5〜8で得られた組成物
をペレット化し、210℃で射出成形機にて厚さ2mm
のシートおよびデマッチャ屈曲試験用テストピースを成
形し、以下の評価を行った。結果を表4および表5に示
す。 (1)硬度:JIS K−6301 JIS A硬度 (2)引張強度TB :JIS K−6301 JIS
3号ダンペル (3)引張伸度EB :JIS K−6301 JIS
3号ダンペル (4)圧縮永久歪:JIS K−6301 120℃
22時間 (5)耐熱老化性:JIS K−6301 ギヤー式老
化試験機を用いて120℃にて300時間老化させたの
ちの引張強度を測定し、耐熱試験前の引張強度に対する
変化率(%)で示した。 (6)耐屈曲疲労特性:JIS K−6301に従いデ
マッチャ屈曲試験機(上島製作所製)を用いて50℃で
繰り返し屈曲疲労試験を行い破断した亀裂回数を測定し
た。) (7)耐油性:JIS K−6301 JIS 3号油
中に120℃にて70時間浸漬したのちの引張強度を測
定し、耐油試験前の引張強度に対する変化率(%)で示
した。
【0134】試験例4 MFR:実施例17〜34、比較例5〜8の組成物のペ
レットを230℃、10kg荷重下で測定した。
【0135】
【発明の効果】本発明の熱可塑性ポリエステルエラスト
マー組成物は、機械的性質、耐油性および耐熱性に優れ
ており、しかも柔軟性と圧縮永久歪、耐屈曲疲労特性が
改良されている。すなわち本発明によれば、硬度、引張
強度、引張伸度、圧縮永久歪、耐熱老化性、耐油性、耐
屈曲疲労特性および成形外観のすべてに優れた組成物を
提供することができ、この組成物は、特にジョイントブ
ーツなどの自動車部品として好適に用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/02 LPB (72)発明者 西尾 寿浩 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 中島 達雄 静岡県磐田市東貝塚1342−2 (72)発明者 此本 武美 静岡県掛川市初馬2092

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性ポリエステルエラストマ
    ー30〜95重量部と、(B)カルボキシル基含有アク
    リルゴム70〜5重量部((A)と(B)の合計100
    重量部)と(C)金属化合物とからなり、(C)成分が
    (B)成分のカルボキシル基量に対して0.01〜5モ
    ル当量であり、この金属化合物によりイオン架橋を可能
    にしたことを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 (A)熱可塑性ポリエステルエラストマ
    ー30〜95重量部と、(B)カルボキシル基含有アク
    リルゴムと、(D)反応性ハロゲン原子含有アクリルゴ
    ムからなり、(B)成分と(D)成分の和が70〜5重
    量部((A)、(B)、(D)の合計100重量部)で
    あり、(B)成分と(D)成分の重量比が95〜5/5
    〜95であることを特徴とする架橋可能な熱可塑性エラ
    ストマー組成物。
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