JP2014210874A - 熱可塑性エラストマー - Google Patents

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和臣 持舘
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    • C08L67/00Compositions of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers

Abstract

【課題】機械的強度等のほか、シール性にも優れる熱可塑性エラストマーを提供する。
【解決手段】(A)アクリルゴム100質量部と、(B)熱可塑性ポリエステル15〜70質量部とを含む混合物を、成分(A)100質量部に対して(C)架橋剤が0.1〜5質量部存在する条件下で、動的架橋させてなる熱可塑性エラストマーであって、(A)アクリルゴムは、(a−1)アクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルコキシアルキルエステル由来の構成単位100質量部と、(a−2)側鎖に架橋性基である塩素基を有する単官能単量体由来の構成単位0.5〜5質量部とを含み、多官能単量体を含まない。
【選択図】なし

Description

本発明は、アクリルゴムと熱可塑性ポリエステルとを含む混合物を、架橋剤の存在下にて動的に架橋させてなる熱可塑性エラストマーに関する。
近年、加硫ゴムに代わる材料として、加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様の成形加工性を有する熱可塑性エラストマーが、自動車、電気・電子、医療、食品、及び日用品等の分野で幅広く使用されている。特に、シール性が必要とされる分野においてはゴムと熱可塑性樹脂とを含む混合物を、架橋剤の存在下にて動的に架橋したタイプの熱可塑性エラストマーが使用されている。
この種の熱可塑性エラストマーとしては、例えば下記特許文献1がある。特許文献1の熱可塑性エラストマーは、ポリアミド系重合体又はポリエステル系重合体に、架橋性基としてハロゲン含有基、エポキシ基又はカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一種を有するアクリルゴムを混合し、動的架橋させてなる。ここでのアクリルゴムは、アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位と、多官能単量体由来の構成単位とを有する共重合体であって、ゲル分30重量%以上が均一に分散している。これにより、耐熱性、耐油性、及び機械的強度等に優れる熱可塑性エラストマーが得られるとされている。
国際公開第2005/030869号
しかしながら、特許文献1では多官能単量体由来の構成単位を有するアクリルゴムを使用している。この場合、ゲル分の存在により架橋点が失われるためアクリルゴムの架橋が不十分となり、得られる熱可塑性エラストマーの圧縮永久歪が大きく、シール性が低下するという課題を有する。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、ゲル分の無いアクリルゴムを使用することで、機械的強度等のほか、シール性にも優れる熱可塑性エラストマーを提供することを目的とする。
そのための手段として、本発明は(A)アクリルゴムと、(B)熱可塑性ポリエステルとを含む混合物を、(C)架橋剤の存在下で動的に架橋させてなる熱可塑性エラストマーであって、前記(A)アクリルゴムは、(a−1)アクリル酸アルキルエステル及び/又はアクリル酸アルコキシアルキルエステル由来の構成単位と、(a−2)側鎖に架橋性基である塩素基を有する単官能単量体(以下、単に塩素基含有単量体と称すことがある)由来の構成単位とを含み、多官能単量体を含まない。
なお、前記成分(A)は、前記構成単位(a−1)100質量部に対して、前記構成単位(a−2)を0.5〜5質量部含む。また、前記熱可塑性エラストマーは、前記成分(A)を100質量部、前記成分(B)を15〜70質量部含む混合物を、前記成分(A)100質量部に対して前記成分(C)が0.1〜5質量部存在する条件下にて、動的に架橋させる。
なお、本発明において数値範囲を示す「○○〜××」とは、その下限の数値(○○)及び上限の数値(××)も含む意味である。すなわち、正確に記載すれば「○○以上××以下」となる。
本発明によれば、(A)アクリルゴムを構成する単量体として、多官能単量体は使用していない。したがって、(A)アクリルゴムの共重合中にアクリルゴムがゲル化することはない。これにより、シール性に優れる熱可塑性エラストマーを得ることができる。一方、熱可塑性エラストマーのハードセグメントとして熱可塑性ポリエステルを使用していることで、根本的な機械的強度が担保されている。
そのうえで、(A)アクリルゴムを構成する単量体として塩素基含有単量体を使用していることで、機械的強度のさらなる向上と、成形加工性(流動性)にも優れる熱可塑性エラストマーとなっている。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の熱可塑性エラストマーは、(A)アクリルゴムと(B)熱可塑性ポリエステルとを含む混合物を、(C)架橋剤の存在下にて動的に架橋させてなる。
≪(A)アクリルゴム≫
(A)アクリルゴムは、熱可塑性エラストマー中のソフトセグメントとして作用し、主として柔軟性、弾力性、シール性、耐熱性、及び耐油性等を付与する成分である。当該(A)アクリルゴムは、(a−1)アクリル酸アルキルエステル及びアクリル酸アルコキシアルキルエステルから選ばれる1種又は2種以上由来の構成単と、(a−2)側鎖に架橋性基である塩素基を有する単官能単量体由来の構成単位とを含む。
<a−1>
アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−tert−ブチル、アクリル酸−n−ペンチル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸−n−ヘプチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等が挙げられる。これらの中でも、優れた柔軟性と耐油性を発揮できるという点で、特に好ましいのはアルキル基の炭素数が2〜4のアクリル酸アルキルエステルである。
アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が2〜4のアクリル酸アルコキシアルキルエステル、例えばアクリル酸−2−メトキシエチル、アクリル酸−2−エトキシエチル、アクリル酸−2−ブトキシエチル等が挙げられる。これらの中でも、優れた耐油性を発揮できるという点で特に好ましいのは、アクリル酸−2−メトキシエチルである。
<a−2>
塩素基含有単量体としては、側鎖に(C)架橋剤と反応する塩素基を有する単官能単量体であれば、特に制限なく使用することができる。例えば、2−クロロエチルビニルエーテル、モノクロロ酢酸ビニル、クロロエチルアクリレート、ビニルベンジルクロライド、ビニルクロロアセテート、アリルクロロアセテート、クロロメチルスチレン等を挙げることができる。
(a−2)塩素基含有単量体由来の構成単位は、(A)アクリルゴム中、構成単位(a−1)100質量部に対して、0.5〜5質量部含む。構成単位(a−2)の含有量が0.5重量部未満では、(A)アクリルゴムの架橋が十分に進行せず、熱可塑性エラストマー(の成形品)において優れた機械的強度が得られない。一方、5質量部を超えると、(A)アクリルゴムが過度に架橋されるため、熱可塑性エラストマーの成形加工性が低下する。
(A)アクリルゴムは、構成単位(a−1)及び(a−2)となる各単量体を、従来から公知の方法で共重合すればよい。具体的には、構成単位(a−1)・(a−2)となる各単量体を所定量含む混合物を、ラジカル重合開始剤の存在下で共重合させればよい。ラジカル重合開始剤の使用量としては、単量体混合物の合計100質量部に対して、0.1〜5質量部程度とすればよい。重合方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の方法が可能であるが、乳化重合が特に好ましい。
乳化重合に使用する乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性界面活性剤等が挙げられる。また、フッ素系の界面活性剤を使用することもできる。これらの乳化剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。通常、アニオン系界面活性剤が多用され、例えば、炭素数10以上の長鎖脂肪酸塩、ロジン酸塩等が用いられる。具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸のカリウム塩及びナトリウム塩等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物を使用することができる。また、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、過硫酸カリウム等の無機過酸化物、及びこれら過酸化物と硫酸第一鉄とを組み合わせたレドックス系触媒等を用いることもできる。これらのラジカル重合開始剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。アクリルゴム(A)の分子量を調節するために連鎖移動剤を使用することもできる。連鎖移動剤としては、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、四塩化炭素、チオグリコール類、ジテルペン、ターピノーレン及びγ−テルピネン類等を使用することができる。
(A)アクリルゴムを共重合する際は、各単量体、乳化剤、ラジカル重合開始剤等を反応容器に一括投入して重合を開始してもよいし、反応継続時に連続的あるいは間欠的に添加してもよい。重合は、窒素置換等酸素を除去した反応器を用いて0〜100℃、好ましくは0〜80℃で行うことができる。重合方式は連続式でもよいし、回分式であってもよい。重合時間は0.01〜30時間程度、好ましくは1〜10時間程度である。重合終了後、反応生成物(ラテックス)を塩化ナトリウム、塩化カルシウム等の無機塩の水溶液に投入して凝固させ、水洗、乾燥することによりアクリルゴムが得られる。
≪(B)熱可塑性ポリエステル≫
(B)熱可塑性ポリエステルは、熱可塑性エラストマー中のハードセグメントとして作用し、主として熱可塑性エラストマーの成形加工性(流動性)や機械的強度等を向上させる成分である。当該(B)熱可塑性ポリエステルとしては、主鎖中にエステル結合を持つ全ての熱可塑性飽和ポリエステルが含まれる。熱可塑性ポリエステルは、ジカルボン酸成分とジヒドロキシ成分との重縮合、オキシカルボン酸成分の重縮合、又はこれら三成分の重縮合等の公知の方法により得ることができ、ホモポリエステル、コポリエステルのいずれであってもよい。熱可塑性ポリエステルは、1種又は2種以上が適宜組み合わせて使用される。
(B)熱可塑性ポリエステルは非結晶性であってもよいが、耐熱性の観点からは結晶性である方が好ましい。また、融点は100℃以上が好ましく、より好ましくは160〜280℃である。熱可塑性ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びポリブチレンナフタレート等が挙げられる。
(B)熱可塑性ポリエステルの含有量は、(A)アクリルゴム100質量部に対して15〜70質量部とする。(B)熱可塑性ポリエステルの含有量が15質量部未満では、熱可塑性エラストマーの成形加工性が低下する傾向にある。一方、70質量部を超えると、熱可塑性エラストマーの柔軟性が低下する傾向にある。
≪(C)架橋剤≫
(C)架橋剤は、(A)アクリルゴムを架橋するために添加されるものであって、アクリルゴムの塩素基と共有結合することによりアクリルゴムを架橋する機能を有する。架橋剤としては、例えばポリアミン、硫黄、ポリオール、ポリカルボン酸、酸無水物、有機カルボン酸アンモニウム塩、ジチオカルバミン酸塩等を挙げることができる。中でも、ポリアミンが好ましい。
ポリアミンとしては、例えばヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)カルバメート、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−オキシフェニルジフェニルアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン−シンナムアルデヒド付加物及びヘキサメチレンジアミン−ジベンゾエート塩等が挙げられる。
(C)架橋剤の使用量は、できるだけ少ないことが好ましい。架橋剤の使用量が多いと、得られる熱可塑性エラストマーの耐熱性、成形加工成、柔軟性等が低下する。具体的には、(A)アクリルゴム100質量部に対して、0.1〜5質量部とする。
(C)架橋剤の使用に際しては、架橋促進剤や架橋助剤等を用いることもできる。架橋促進剤としては、例えばN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾ−ル、2−(2’,4’−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾ−ル、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾ−ル、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾ−ル系化合物;ジフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレ−ト等のグアニジン化合物;アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミン又はアルデヒド−アンモニア系化合物;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテ−ト系化合物;亜鉛華等の化合物等が挙げられる。
架橋助剤としては、例えばp−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレ−ト等のメタクリレ−ト系化合物;ジアリルフタレ−ト、トリアリルシアヌレ−ト等のアリル系化合物;マレイミド系化合物;ジビニルベンゼン等が挙げられる。
≪その他の添加剤≫
なお、(A)アクリルゴムには、本発明の効果を阻害しない範囲で、可塑剤、充填剤、補強剤、金属酸化物、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、難燃剤、又は紫外線吸収剤等のその他の添加剤を添加することもできる。その他の各添加剤は、下記に示す具体的材料のうち1種のみを添加してもよいし、2種以上を混合添加することもできる。
可塑剤としては、例えばジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチルオクチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル類、ジメチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、オクチルデシルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジイソブチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート、ジイソオクチルセバケート等の脂肪酸エステル類、トリメリット酸イソデシルエステル、トリメリット酸オクチルエステル、トリメリット酸n−オクチルエステル、トリメリット酸系イソノニルエステル等のトリメリット酸エステル類の他、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレート、ジエチレングリコールモノオレート、グリセリルモノリシノレート、トリラウリルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、エポキシ化大豆油、ポリエーテルエステル等が挙げられる。
充填剤としては、例えばシリカ、重質炭酸カルシウム、胡粉、軽微性炭酸カルシウム、極微細活性化炭酸カルシウム、特殊炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、カオリンクレー、焼成クレー、パイロフライトクレー、シラン処理クレー、合成ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、カオリン、セリサイト、タルク、微粉タルク、ウォラスナイト、ゼオライト、ゾーノトナイト、アスベスト、PMF(ProcessedMineral Fiber)、セピオライト、チタン酸カリウム、エレスタダイト、石膏繊維、ガラスバルン、シリカバルン、ハイドロタルサイト、フライアシュバルン、シラスバルン、カーボン系バルン、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン等が挙げられる。
補強剤としては、例えばSAFカーボンブラック、ISAFカーボンブラック、HAFカーボンブラック、FEFカーボンブラック、GPFカーボンブラック、SRFカーボンブラック、FTカーボンブラック、MTカーボンブラック、アセチレンカーボンブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。
金属酸化物としては、例えば亜鉛華、活性亜鉛華、表面処理亜鉛華、炭酸亜鉛、複合亜鉛華、複合活性亜鉛華、表面処理酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、極微細水酸化カルシウム、一酸化鉛、鉛丹、鉛白等を挙げることができる。
軟化剤としては、例えば石油系軟化剤、植物油系軟化剤、サブ等が挙げられる。石油系軟化剤としては、例えばアロマティック系、ナフテン系、パラフィン系軟化剤等が挙げられる。植物系軟化剤としては、例えばひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう等が挙げられる。サブとしては、例えば、黒サブ、白サブ、飴サブ等が挙げられる。
老化防止剤としては、例えばナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体系、モノ、ビス、トリス、ポリフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダートフェノール系、亜リン酸エステル系、イミダゾール系、ジチオカルバミン酸ニッケル塩系、リン酸系の老化防止剤等が挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上を併用することができる。
加工助剤としては、例えばステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリルアミン等が挙げられる。
また、本発明の熱可塑性エラストマーには、ゴム成分として(A)アクリルゴム以外のゴムを配合することもできる。例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエン・イソプレン共重合ゴム、ブタジエン・スチレン・イソプレン共重合ゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、ブチルゴム、天然ゴム、クロロプレンゴム等が挙げられる。
<<<熱可塑性エラストマー>>>
熱可塑性エラストマーは、(A)アクリルゴム100質量部と、(B)熱可塑性ポリエステル15〜70質量部とを含む溶融混合物(エラストマー前駆体)を、(C)架橋剤の存在下において動的架橋させて得られる。動的架橋とは、(A)アクリルゴムと(B)熱可塑性ポリエステルとを含む混合物を混練しながら架橋を進行させることをいう。
(A)アクリルゴムと(B)熱可塑性ポリエステルとの溶融混練は、(B)熱可塑性ポリエステルの融点より高く、(A)アクリルゴムの分解開始温度程度の温度、具体的には100〜350℃、好ましくは150〜300℃、より好ましくは180〜280℃で行えばよい。
(A)アクリルゴムと(B)熱可塑性ポリエステルとを含む混合物の混練には、一軸押出機、二軸押出機、二軸ローター型押出機等の連続式押出機や、加圧型ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダーミキサー等の密閉式混練機を使用することができる。通常、こうして動的に架橋された(A)アクリルゴムは、熱可塑性ポリエステルのマトリックス相に微分散される。このような相構造を形成することにより、(A)アクリルゴムが架橋されているにも関わらず、エラストマーは熱可塑性を有する。従って、熱可塑性エラストマーは、押出成形法、射出成形法、ブロー成形法、圧縮成形法等、公知の熱可塑性樹脂の成形方法により所定形状に成形加工することができる。
本発明の熱可塑性エラストマーは、良好な耐油性や耐熱性を有し、且つ引張強度等の機械的強度、成形加工性(流動性)、及びシール性などに優れる。そのため、当該熱可塑性エラストマーは、オイルクーラーホース、エアーダクトホース、パワーステアリングホース、コントロールホース、インタークーラーホース、トルコンホース、オイルリターンホース、耐熱ホース等の各種ホース材、燃料ホース材、ベアリングシール、バルクステムシール、各種オイルシール、O−リング、パッキン、ガスケット等のシール材、各種ダイヤフラム、ゴム板、ベルト、オイルレベルゲージ、ホースマスキング、配管断熱材等の被覆材、ロール等に好適に利用することができる。特に、機械的強度及び流動性に優れることから、耐屈曲性が必要な部品である、エアダクト、CVJブーツ、ウェザーストリップなどに最も適している。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限られることはない。
<アクリルゴムの重合>
水200質量部、ラウリル硫酸ナトリウム1質量部、硫酸第一鉄0.01質量部、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム0.03質量部、ソジウムスルホキシレート0.05質量部を、窒素置換したステンレス製反応器に仕込み、単量体として表1に示す材料を表1に示す割合で、p−メンタンハイドロパーオキサイド0.1質量部と共に2時間かけて滴下し、反応温度30℃で乳化重合させた。なお、表1に示す数値は質量部であり、表1に示す材料表示の具体名は、次の通りである。
EA:アクリル酸エチル
BA:アクリル酸ブチル
MEA:アクリル酸−2−メトキシエチル
VCAc:モノクロロ酢酸ビニル
CEVE:2−クロロエチルビニルエーテル
EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート
DVB:ジビニルベンゼン
MBM:マレイン酸モノn−ブチル
GMA:メタクリル酸グリシジル
重合転化率が100%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5質量部を反応系に添加し、重合反応を停止させた(反応時間3時間)。得られた反応生成物(ラテックス)を1%塩化カルシウム水溶液に滴下し、アクリルゴムを凝固させた。この凝固物を十分に水洗した後、80℃で24時間乾燥させることにより、(A)アクリルゴムA−1〜A−3(実施例用)及びA’−1〜A’−4(比較例用)を得た。
得られたアクリルゴムのゲル分を、下記のようにして測定した。その結果も表1に示す。
<ゲル分>
0.2gのアクリルゴムを秤量し、溶媒としてアセトンを用いたソックスレー抽出を48時間行い、次式によりゲル分を算出した。
ゲル分(%)=[抽出後重量(g)/抽出前重量(g)]×100
Figure 2014210874
<熱可塑性エラストマーの合成>
(A)アクリルゴム及び(B)熱可塑性ポリエステルとして表2に示す材料を表2に示す量で使用し、温度250℃、ブレード回転数100rpmに設定したバンバリーミキサーに投入し、トルクが一定になるまで混練を行った。次に(C)架橋剤として表2に示す材料を表2に示す量追加投入し、トルクが一定になるまで混練を行い、熱可塑性エラストマー(実施例1〜3、比較例1〜4)を合成した。なお、表2に示す数値は質量部であり、表2に示す材料表示の具体名は次の通りである。
PBT:ポリブチレンテレフタレート
PET:ポリエチレンテレフタレート
HMDAC:ヘキサメチレンジアミンカルバメート
MXDA:m−キシリレンジアミン
得られた各実施例及び比較例の熱可塑性エラストマーをバンバリーミキサーから取り出し、冷却プレスによってパンケーキ状に圧縮した。続いて、250℃に加熱したプレスによって厚さ2mmのシート状に成形し、その機械的物性(引張強度、伸び、硬度)、流動性(MFR)、及びシール性(圧縮永久歪)を測定した。その結果も表2に示す。なお、各物性の測定方法は次の通りである。
<引張強度・伸び>
JIK K 6251に準拠し、試験速度500mm/minにて引張強度(MPa)、伸び(%)を測定した。
<硬度>
JIK K 6253に準拠し、スプリング硬さ試験機A形によって硬度を測定した。
<MFR>
JIS K 7210に準拠し、温度260℃、荷重10kgにてMFRを測定した。
<圧縮永久歪>
JIK K 6262に準拠し、ギヤーオーブン中で120℃/72h、25%圧縮した後の圧縮永久歪(%)を測定した。
Figure 2014210874
表2の結果から、実施例1〜3はゲル分の無いアクリルゴムを使用したので、機械的強度、伸び、硬度、流動性に優れるのみならず、シール性にも優れていた。また、実施例1〜3では塩素基含有アクリルゴムを使用していることから、シール性以外の物性の中でも、特に機械的強度と流動性に優れていた。
これに対し、比較例1,2は多官能単量体を使用したことによりゲル分を含むアクリルゴムを使用したので、シール性が低かった。一方、比較例3,4もゲル分の無いアクリルゴムを使用したことからシール性は優れていたが、比較例3はカルボキシル基含有アクリルゴムを使用したことで機械的強に関して、比較例4はエポキシ基含有アクリルゴムを使用したことで流動性に関して、それぞれ課題を残した。



Claims (2)

  1. (A)アクリルゴムと、(B)熱可塑性ポリエステルとを含む混合物を、(C)架橋剤の存在下で動的に架橋させてなる熱可塑性エラストマーであって、
    前記成分(A)は、(a−1)アクリル酸アルキルエステル又はアクリル酸アルコキシアルキルエステルから選ばれる少なくとも1種由来の構成単位と、(a−2)側鎖に架橋性基である塩素基を有する単量体由来の構成単位とを含み、多官能単量体を含まないアクリルゴムである、熱可塑性エラストマー。
  2. 前記成分(A)は、前記構成単位(a−1)100質量部に対して前記構成単位(a−2)を0.5〜5質量部含み、
    前記熱可塑性エラストマーは、前記成分(A)を100質量部、前記成分(B)を15〜70質量部含む混合物を、前記成分(A)100質量部に対して前記成分(C)が0.1〜5質量部存在する条件下にて動的に架橋させてなる、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー。

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