JP2003020382A - 熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた熱可塑性樹脂組成物

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JP2003020382A
JP2003020382A JP2002064390A JP2002064390A JP2003020382A JP 2003020382 A JP2003020382 A JP 2003020382A JP 2002064390 A JP2002064390 A JP 2002064390A JP 2002064390 A JP2002064390 A JP 2002064390A JP 2003020382 A JP2003020382 A JP 2003020382A
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Japan
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weight
thermoplastic elastomer
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elastomer composition
resin
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Application number
JP2002064390A
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Michihisa Tasaka
道久 田坂
Naganori Masubuchi
長則 増渕
Hiroki Mizuno
廣樹 水野
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Riken Technos Corp
Original Assignee
Riken Technos Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性に富み、耐熱変形性、成形加工性に優
れ、特に極性基を有する樹脂との相溶性に優れた熱可塑
性エラストマー組成物及びそれを用いた熱可塑性樹脂組
成物の提供。 【解決手段】 (a)芳香族ビニル化合物を主体とする
重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合
物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とか
らなるブロック共重合体、その水素化物である水添ブロ
ック共重合体、オレフィン系共重合体ゴム、及び共役ジ
エン化合物ブロック共重合体の水素添加物からなる群か
ら選ばれる少なくとも一種のエラストマー100重量
部、(b)エステル系化合物0.1〜150重量部、及
び(c)有機過酸化物0.01〜3重量部を含有する組
成物を溶融混練して得られる熱可塑性エラストマー組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マー組成物及び該熱可塑性エラストマー組成物を用いた
熱可塑性樹脂組成物に関し、特に、柔軟性に富み、耐熱
変形性、成形加工性、極性基を有する樹脂との相溶性に
優れる熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた熱
可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴム弾性を有する軟質材料であっ
て、加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様な成形
加工性及びリサイクルが可能な熱可塑性エラストマー
が、自動車部品、家電部品、電線被覆、医療用部品、履
物、雑貨等の分野で多用されている。
【0003】熱可塑性エラストマーの中でも、芳香族ビ
ニル化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体であ
るスチレン−ブタジエンブロックポリマー(SBS)や
スチレン−イソプレンブロックポリマー(SIS)など
のポリスチレン系熱可塑性エラストマーは、柔軟性に富
み、常温で良好なゴム弾性を有し、かつ、これらより得
られる熱可塑性エラストマー組成物は加工性に優れてお
り、加硫ゴムの代替品として広く使用されている。
【0004】また、これらのエラストマー中のスチレン
と共役ジエンのブロック共重合体の分子内二重結合を水
素添加したエラストマー組成物は、耐熱老化性(熱安定
性)および耐候性を向上させたエラストマーとして、さ
らに広く多用されている。
【0005】しかしながら、これらの水素添加ブロック
共重合体を用いた熱可塑性エラストマー組成物は、未だ
ゴム的特性、例えば、耐油性、加熱加圧変形率(圧縮永
久歪み)や高温時のゴム弾性に問題があり、この点を改
良するものとして、上記ブロック共重合体の水素添加誘
導体を含む組成物を架橋させて得られる架橋体が提案さ
れている(例えば、特開昭59−6236号公報、特開
昭63−57662号公報、特公平3−49927号公
報、特公平3−11291号公報及び特公平6−136
28号公報)。
【0006】また、上記公報に開示されている水添ブロ
ック共重合体の架橋組成物は、高温時、特に100℃に
おける圧縮永久歪みが未だに不十分であり、機械強度が
低下し易いという問題があり、従来加硫ゴム用途で要求
されている性能レベルに到達していないのが現状であ
る。また押出成形では高温時の溶融張力が低いために形
状保持性が悪化し、射出成形では成形サイクルが長くな
るなど、成形加工面の問題点も多い。
【0007】さらに、これらの熱可塑性エラストマーを
ポリアミド系重合体、ポリエステル系重合体又はポリウ
レタン系重合体等の極性基を有する樹脂と配合する試み
がなされ、例えば、特開平1−139241号及び同3
−100045号の各公報には、水添SBSブロックコ
ポリマー、オレフィン系エラストマー、ジエン系エラス
トマー、ウレタン系エラストマー、可塑化ポリ塩化ビニ
ルから選ばれる熱可塑性重合体とポリエステル系熱可塑
性エラストマーあるいはポリエーテルブロックアミドと
の溶融ブレンド物が提案されている。
【0008】しかし、該組成物は、圧縮永久歪みと硬さ
との特性バランスが悪く、また、相溶性が不十分である
ために屈曲疲労特性や耐磨耗性が悪いという欠点を有し
ていた。
【0009】この問題点を解決するために、特開平5−
214209号公報には、ブロック共重合体の水素添加
誘導体とポリエステル系樹脂を含む組成物に、エポキシ
基、酸無水物基、又はオキサゾリン基を含有する変性ポ
リスチレン系樹脂及び/又は変性ポリオレフィン系樹脂
を添加することによって、相溶性を改善し、柔軟性、耐
熱性、耐薬品性に優れた組成物が開示され、特公平5−
75016号公報及び特開平1−230660号の各公
報には、ブロック共重合体の水素添加誘導体とカルボン
酸基若しくはその誘導体基を含有する水素添加誘導体、
更にポリオレフィン樹脂と熱可塑性ポリエステルからな
る組成物が開示されている。
【0010】また、特開平3−234745号、同3−
234755号、同5−171003号、及び同7−1
26474号の各公報には、ブロック共重合体の水素添
加誘導体とカルボン酸基若しくはその誘導体基を含有す
る水素添加誘導体、更に熱可塑性ポリウレタンからなる
組成物が開示され、特開平2−97554号公報には、
ブロック共重合体の水素添加誘導体とエポキシ基又はそ
の誘導体基を含有する水素添加誘導体、更に熱可塑性ポ
リウレタンからなる組成物が開示されている。
【0011】しかし、いずれの組成物も、熱可塑性エラ
ストマーとの相溶性が未だ十分でなく、高温時、特に1
00℃以上における引張特性が悪化し、更に、圧縮永久
歪みと硬さとの特性バランスが悪いという欠点を有して
いた。また、熱可塑性エラストマーとのアロイ比率によ
っては、射出成形では表層剥離やフローマークが発生
し、押出成形では目脂や肌荒れが発生するなど、成形性
が悪化し、更に、低分子量成分がブリードするという欠
点をも有していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点に鑑み、柔軟性に富み、耐熱変形性、成形加工性
に優れ、特に極性基を有する樹脂との相溶性に優れた熱
可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた熱可塑性樹
脂組成物を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、エラストマーに
エステル系化合物を配合し、加熱処理することにより、
エラストマーにエステル化合物がグラフト重合し、極性
基を有する樹脂との相溶性に優れる熱可塑性エラストマ
ー組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0014】すなわち、本発明の第1の発明は、(a)
(a−1)芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロ
ックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体と
する重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロ
ック共重合体、(a−2)(a−1)を水素添加して得
られる水添ブロック共重合体、及び(a−3)オレフィ
ン系共重合体ゴム、及び(a−4)共役ジエン化合物ブ
ロック共重合体の水素添加物からなる群から選ばれる少
なくとも一種のエラストマー100重量部、(b)エス
テル系化合物0.1〜150重量部、及び(c)有機過
酸化物0.01〜3重量部を含有する組成物を溶融混練
して得られる熱可塑性エラストマー組成物である。
【0015】また、本発明の第2の発明は、(b)エス
テル系化合物が、無水フタル酸エステル又は分岐脂肪族
二価アルコールエステルであることを特徴とする第1の
発明に記載の熱可塑性エラストマー組成物である。
【0016】また、本発明の第3の発明は、(b)分岐
脂肪族二価アルコールエステルが、2,2,4−トリメ
チル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレートであ
ることを特徴とする第2の発明に記載の熱可塑性エラス
トマー組成物である。
【0017】また、本発明の第4の発明は、(d)末端
に水酸基を有する液状ポリブタジエン1〜80重量部を
更に含有することを特徴とする第1〜3のいずれかの発
明に記載の熱可塑性エラストマー組成物である。
【0018】また、本発明の第5の発明は、(e)不飽
和グリシジル化合物又はその誘導体1〜20重量部を更
に含有することを特徴とする第1〜4のいずれかの発明
に記載の熱可塑性エラストマー組成物である。
【0019】また、本発明の第6の発明は、(f)不飽
和カルボン酸又はその誘導体1〜20重量部を更に含有
することを特徴とする第1〜5のいずれかの発明に記載
の熱可塑性エラストマー組成物である。
【0020】また、本発明の第7の発明は、(g)非晶
質性ポリオレフィン1〜150重量部を更に含有するこ
とを特徴とする第1〜6のいずれかの発明に記載の熱可
塑性エラストマー組成物である。
【0021】また、本発明の第8の発明は、(h)パ−
オキサイド分解型オレフィン系樹脂1〜200重量部を
更に含有することを特徴とする第1〜7のいずれかの発
明に記載の熱可塑性エラストマー組成物である。
【0022】また、本発明の第9の発明は、(i)無機
充填剤1〜200重量部を更に含有することを特徴とす
る第1〜8のいずれかの発明に記載の熱可塑性エラスト
マー組成物である。
【0023】また、本発明の第10の発明は、(j)非
芳香族系ゴム用軟化剤10〜200重量部を更に含有す
ることを特徴とする第1〜9のいずれかの発明に記載の
熱可塑性エラストマー組成物である。
【0024】また、本発明の第11の発明は、(k)エ
ステル系架橋助剤3〜50重量部を更に含有することを
特徴とする第1〜10のいずれかの発明に記載の熱可塑
性エラストマー組成物である。
【0025】また、本発明の第12の発明は、第1〜1
1のいずれかの発明に記載の熱可塑性エラストマー組成
物100重量部と極性基を有する樹脂10〜1500重
量部とを含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物
である。
【0026】また、本発明の第13の発明は、極性基を
有する樹脂が、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミ
ド、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステ
ル、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系
熱可塑性エラストマー、ニトリル−ブタジエンゴムから
なる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂であることを
特徴とする第12の発明に記載の熱可塑性樹脂組成物で
ある。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明を構成する成分、製造方
法、用途について以下に詳細に説明する。
【0028】1.熱可塑性エラストマー組成物の構成成
分 (1)エラストマー成分(a) 本発明で用いるエラストマー成分(a)は、次の(a−
1)、(a−2)、(a−3)の群から選ばれる少なく
とも一種のエラストマーである。
【0029】(a−1)ブロック共重合体 ブロック共重合体成分(a−1)は、芳香族ビニル化合
物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少な
くとも1個とからなるブロック共重合体である。例え
ば、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A
等の構造を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合
物ブロック共重合体を挙げることができる。
【0030】上記(水添)ブロック共重合体(以下、
(水添)ブロック共重合体とは、ブロック共重合体、及
び/又は、水添ブロック共重合体を意味する。)は、芳
香族ビニル化合物を5〜60重量%、好ましくは、20
〜50重量%含む。
【0031】芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブ
ロックAは、好ましくは、芳香族ビニル化合物のみから
なるか、または芳香族ビニル化合物50重量%以上、好
ましくは、70重量%以上と(水素添加された)共役ジ
エン化合物(以下、(水素添加された)共役ジエン化合
物とは、共役ジエン化合物、及び/又は、水素添加され
た共役ジエン化合物を意味する)との共重合体ブロック
である。
【0032】(水素添加された)共役ジエン化合物を主
体とする重合体ブロックBは、好ましくは、(水素添加
された)共役ジエン化合物のみからなるか、または、
(水素添加された)共役ジエン化合物50重量%以上、
好ましくは、70重量%以上と芳香族ビニル化合物との
共重合体ブロックである。
【0033】ブロック共重合体の数平均分子量は、好ま
しくは5,000〜1,500,000、より好ましく
は、10,000〜550,000、更に好ましくは1
00,000〜400,000の範囲であり、分子量分
布は10以下である。ブロック共重合体の分子構造は、
直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組合せ
のいずれであってもよい。
【0034】また、これらの芳香族ビニル化合物を主体
とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックBにおいて、分子鎖中の共役ジエン化
合物又は芳香族ビニル化合物由来の単位の分布がランダ
ム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加又
は減少するもの)、一部ブロック状又はこれらの任意の
組合せでなっていてもよい。芳香族ビニル化合物を主体
とする重合体ブロックA又は共役ジエン化合物を主体と
する重合体ブロックBがそれぞれ2個以上ある場合に
は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であっても
異なる構造であってもよい。
【0035】ブロック共重合体を構成する芳香族ビニル
化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン等のうち
から1種又は2種以上を選択でき、なかでもスチレンが
好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えば、ブ
タジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから1種又は
2種以上が選ばれ、なかでもブタジエン、イソプレン及
びこれらの組合せが好ましい。
【0036】上記ブロック共重合体の具体例としては、
スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、
スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)等
が挙げられる。
【0037】これらのブロック共重合体の製造方法とし
ては数多くの方法が提案されているが、代表的な方法と
しては、例えば特公昭40−23798号公報に記載さ
れた方法により、リチウム触媒又はチーグラー型触媒を
用い、不活性媒体中でブロック重合させて得ることがで
きる。
【0038】(a−2)水添ブロック共重合体 水添ブロック共重合体成分(a−2)は、(a−1)の
水素添加物であり、芳香族ビニル化合物を主体とする重
合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合物
を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とから
なるブロック共重合体の水素添加物である。
【0039】成分(a−1)の水素添加物にあって、共
役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBにおい
て、その水素添加率は任意であるが、好ましくは50%
以上、より好ましくは55%以上、更に好ましくは60
%以上である。また、そのミクロ構造は、任意であり、
例えば、ポリブタジエンブロックにおいては、1,2−
ミクロ構造が好ましくは20〜50重量%、特に好まし
くは25〜45重量%である。また、1,2−結合を選
択的に水素添加した物であっても良い。ポリイソプレン
ブロックにおいてはイソプレンの好ましくは70〜10
0重量%が1,4−ミクロ構造を有し、かつイソプレン
に由来する脂肪族二重結合の好ましくは少なくとも90
%が水素添加されたものが好ましい。
【0040】用途により水素添加したブロック共重合体
を使用する場合には、好ましくは上記水添物を用途に合
わせて適宜使用することが出来る。
【0041】(a−2)成分の水添ブロック共重合体の
具体例としては、スチレン−エチレン・ブテン−スチレ
ン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピ
レン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチ
レン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SE
EPS;すなわち、スチレン−ブタジエン・イソプレン
−スチレン共重合体の水素添加物)、スチレン−ブタジ
エン・ブチレン−スチレン共重合体(部分水添スチレン
−ブタジエン−スチレン共重合体、SBBS)等を挙げ
ることができる。
【0042】(a−3)オレフィン系共重合体ゴム オレフィン系共重合体ゴム成分(a−3)は、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等のα−オ
レフィンが共重合してなるエラストマーあるいはこれら
と非共役ジエンとが共重合してなるオレフィン系共重合
体ゴムが挙げられる。
【0043】非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジ
エン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、
メチレンノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボル
ネン等を挙げることができる。
【0044】このようなオレフィン系共重合体ゴムとし
ては、具体的には、エチレン−プロピレン共重合体ゴ
ム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴ
ム、エチレン−1−ブテン共重合体ゴム、エチレン−1
−ブテン−非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン−プロ
ピレン−1−ブテン共重合体ゴム等が挙げられる。
【0045】(a−4)共役ジエン化合物ブロック共重
合体の水素添加物 成分(a−4)共役ジエン化合物ブロック共重合体の水
素添加物としては、例えば、ブタジエンのブロック共重
合体を水素添加して得られる結晶性エチレンブロックと
非晶性エチレン−ブテンブロックを有するブロック共重
合体(CEBC)等が挙げられる。
【0046】(2)エステル系化合物成分(b) 本発明で用いるエステル系化合物成分(b)は、エステ
ル系の可塑剤であって、リン酸エステル、フタル酸エス
テル、脂肪族一塩基酸エステル、脂肪族二塩基酸エステ
ル、二価アルコールエステル、オキシ酸エステル、アク
リル系高分子などの環状、非環状の可塑剤が挙げられ
る。
【0047】環状可塑剤としては、例えば、無水フタル
酸エステルおよびトリメリット酸エステル、さらにはN
−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミド、ジベ
ンジルセバケート、ジエチレングリコールジベンゾエー
ト、ジ−t−オクチルフェニルエーテル、ジプロパンジ
オールジベンゾエート、N−エチル−p−トルエンスル
ホンアミド、イソプロピリデンジフェノキシプロパノー
ル、アルキル化ナフタレン、ポリエチレングリコールジ
ベンゾエート、o,p−トルエンスルホンアミド、トリ
メチルペンタンジオールジベンゾエートおよびトリメチ
ルペンタンジオール・モノイソブチレート・モノベンゾ
エート等が挙げられる。これらの中では、無水フタル酸
エステル及びトリメリット酸エステルが好ましい。
【0048】無水フタル酸エステルの代表的な例として
は、例えば、ブチルオクチルフタレート、ブチル・2−
エチルヘキシルフタレート、ブチル・n−オクチルフタ
レート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジ
イソデシルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチ
ルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、
ジイソオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート
(DINP)、ジ−トリデシルフタレート、n−ヘキシ
ル・n−デシルフタレート、n−オクチル・n−デシル
フタレート、アルキル・ベンジルフタレート、ビス(4
−メチル−1,2−ペンチル)フタレート、ブチル・ベ
ンジルフタレート、ブチル・シクロヘキシルフタレー
ト、ジ(2−ブトキシエチル)フタレート、シクロヘキ
シル・イソデシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレ
ート、ジエチルイソフタレート、ジ−n−ヘプチルフタ
レート、ジヘキシルフタレート、ジ(2−メトキシエチ
ル)フタレート、ジメチルイソフタレート、ジノニルフ
タレート、ジオクチルフタレート、ジカプリルフタレー
ト、ジ(2−エチルヘキシル)イソフタレート、混合ジ
オクチルフタレート、ジフェニルフタレート、2−(エ
チルヘキシル)イソブチルフタレート、ブチル・フタリ
ルブチルグリコレート、エチル(およびメチル)フタリ
ルエチルグリコレート、ポリプロピレングリコール・ビ
ス(アミル)フタレート、ヘキシル・イソデシルフタレ
ート、イソデシル・トリデシルフタレート、イソオクチ
ル・イソデシルフタレート等が挙げられる。
【0049】トリメリット酸エステルの代表的な例とし
ては、例えば、トリイソオクチルトリメリテート、トリ
−n−オクチル・n−デシルトリメリテート、トリオク
チルトリメリテート、トリ(2−エチルヘキシル)トリ
メリテート(TOTM)、トリ−n−ヘキシル・n−デ
シルトリメリテート、トリ−n−ヘキシルトリメリテー
ト、トリイソデシルトリメリテートおよびトリイソノニ
ルトリメリテート等が挙げられる。
【0050】また、非環状可塑剤としては、リン酸エス
テル、アジピン酸エステル、アゼライン酸エステル、ク
エン酸エステル、アセチルクエン酸エステル、ミリスチ
ン酸エステル、リシノレイン酸エステル、アセチルリシ
ノレイン酸エステル、セバシン酸エステル、ステアリン
酸エステル、エポキシ化エステル、さらには、1,4−
ブタンジオール・ジカプリレート、ブトキシエチルペラ
ルゴネート・ジ[(ブトキシエトキシ)エトキシ]メタ
ン、ジブチルタータレート、ジエチレングリコールジペ
ラルゴネート、ジイソオクチルジグリコレート、イソデ
シルノナノエート、テトラエチレングリコール・ジ(2
−エチル−ブチレート)、トリエチレングリコール・ジ
(2−エチル−ヘキサノエート)、トリエチレングリコ
ールジペラルゴネート及び分岐脂肪族二価アルコールの
エステル化合物である2,2,4−トリメチル−1,3
−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−
トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレー
ト(TXIB)、アクリル系高分子等が挙げられる。
【0051】リン酸エステルの代表的な例としては、例
えば、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジル
ホスフェート、ジブチルフェニルホスフェート、ジフェ
ニルオクチルホスフェート、メチルジフェニルホスフェ
ート、トリブチルホスフェート、トリフェニルホスフェ
ート、トリ(2−ブトキシエチル)ホスフェート、トリ
(2−クロロエチル)ホスフェート、トリ(2−クロロ
プロピル)ホスフェートおよびトリオクチルホスフェー
トが挙げられる。
【0052】アジピン酸エステルの代表的な例として
は、例えば、ジ[2−(2−ブトキシエトキシ)エチ
ル]アジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペー
ト、ジイソデシルアジペート、ジオクチルアジペート
(ジイソオクチルアジペートを含む)、n−ヘキシル・
n−デシルアジペート、n−オクチル・n−デシルアジ
ペートおよびジ−n−ヘプチルアジペートが挙げられ
る。
【0053】セバシン酸エステルの代表的な例として
は、例えば、ジブチルセバケート、ジ(2−エチルヘキ
シル)セバケート、ジブトキシエチルセバケート、ジイ
ソオクチルセバケートおよびジイソプロピルセバケート
が挙げられる。
【0054】アゼライン酸エステルの代表的な例として
は、例えば、ジ(2−エチルヘキシル)アゼラエート、
ジシクロヘキシルアゼラエート、ジイソブチルアゼラエ
ートおよびジイソオクチルアゼラエートが挙げられる。
【0055】アクリル系高分子可塑剤としては、(i)
ラジカル重合性単量体と(ii)改質用化合物との混合
物を、重合開始剤の存在下または非存在下に、反応させ
て得られる反応生成物からなる重合体が挙げられる。こ
の重合体は、(ii)改質用化合物の重合体への結合様
式がエステル結合である重合体が好ましく、(i)ラジ
カル重合性単量体として(メタ)アクリル酸を用い、か
つ(ii)改質用化合物として脂肪族または脂環式アル
コールを用いる重合体であってもよい。
【0056】アクリル系高分子可塑剤において、ラジカ
ル重合性単量体(i)としては、(メタ)アクリル酸;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレ
ート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有
(メタ)アクリレート;無水マレイン酸、マレイン酸、
マレイン酸のモノ及びジアルキルエステル;スチレン、
α−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;エチレ
ン、プロピレン等のアルケン;ブタジエン、イソプレン
等のジエン;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アク
リルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロ
ライドおよびアリルアルコール等が挙げられる。
【0057】また、改質用化合物(ii)としては、シ
クロヘキシルアルコール等のシクロアルカノール;イソ
プロピルアルコール等のアルカノール;フルオロアルキ
ルアルコール等のハロゲン基含有アルコール;エチレン
グリコール、ブタンジオール等のアルキレンジオール;
シクロヘキサンジオール、シクロヘキシルジメタノール
等のシクロアルキレンジオール;末端に水酸基を有する
ポリエーテル、ポリエステル等のポリマー等の水酸基含
有改質剤、シクロヘキシルカルボン酸、シクロヘキシル
ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、フルオロアル
キルジカルボン酸、無水マレイン酸およびフマル酸等の
カルボキシル基含有化合物;酢酸エチル、酢酸ブチル、
セロソルブアセテート、メチルプロピレングリコールア
セテート、カルビトールアセテートおよびエチルカルビ
トールアセテート等のエステル基含有改質剤、シクロヘ
キセン、シクロペンテンおよびイソブテン等のアルケン
が挙げられる。
【0058】上記(i)と(ii)の組み合わせにおけ
るアクリル系重合体の例としては、(i)の(メタ)ア
クリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸またはマレイン
酸のモノアルキルエステル等と、(ii)の水酸基を有
する化合物を用い、エステル化反応により、重合体に改
質用化合物が導入された重合体が得られる。また、
(i)のメチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレ
ート、ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルア
クリレート等のエステル基含有単量体と(ii)の水酸
基を有する化合物を用いれば、エステル交換反応をさせ
ることにより、機能性重合体が得られる。さらに、
(i)の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートま
たはヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの水酸基
含有単量体と(ii)のカルボキシル基またはエステル
基含有化合物との反応によるエステル結合の形成によ
り、機能性基を導入された重合体が得られる。さらにま
た、(i)の(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含
有単量体と(ii)のアルケンを用いることによりカル
ボキシル基がエチレン性不飽和結合に付加反応してエス
テル結合が形成され、改質用化合物が導入した重合体が
得られる。
【0059】本発明で用いることのできるアクリル系高
分子可塑剤においては、上記(i)としては、ブチルア
クリレート、エチルアクリレート、ヘキシルアクリレー
ト、メソオキシエチルアクリレート、グリシジルアクリ
レートが好ましく、中でもエチルアクリレートが主成分
であることが最適である。
【0060】また、該アクリル系高分子可塑剤の重量平
均分子量(Mw)は、500〜10000が好ましく、
より好ましくは1000〜6000、さらに好ましくは
1000〜3000であり、粘度は、100〜9000
mPa・sが好ましく、より好ましくは1000〜60
00mPa・s、さらに好ましくは3000〜5000
mPa・sであり、Acetone−Water To
leranceから求めたSP値は、10.5〜16.
5が好ましく、より好ましくは13〜16、さらに好ま
しくは14〜16である。
【0061】これらのエステル系化合物である可塑剤の
中では、DINP、TOTM、TXIB(イーストマン
ケミカル社製)が特に好ましい。成分(b)は、過酸化
物の存在下に成分(a)にグラフト重合し、熱可塑性エ
ラストマーと極性基を有する樹脂との相溶性を向上させ
る機能を主に果たす。
【0062】成分(b)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、0.1〜150重量部であり、好まし
くは5〜80重量部である。配合量が0.1重量部未満
では、得られるエラストマー組成物と極性基を有する樹
脂との熱可塑性樹脂組成物であるアロイの成形性が悪化
する。150重量部を超えると、得られるエラストマー
組成物から軟化剤がブリードアウトしやすく、剥離や変
形及びフローマークが成形品に生じ易くなる。さらに加
工持の発生ガスが顕著になる。
【0063】(3)有機過酸化物成分(c) 本発明で用いる有機過酸化物成分(c)は、ラジカルを
発生せしめ、そのラジカルを連鎖的に反応させて、成分
(a)を架橋せしめる働きをする。また、同時に、成分
(b)及び必要に応じて配合する成分(d)〜(f)を
成分(a)にグラフト重合させ、極性基含有樹脂との相
溶性を向上させる働きをする。さらに、必要に応じて配
合する成分(g)〜(h)を分解又は架橋して溶融混練
時の組成物の流動性をコントロールしてゴム成分の分散
を良好にせしめる。
【0064】成分(c)としては、例えば、ジクミルパ
ーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,
5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t
ert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビ
ス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−
3、3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−
4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレー
ト、ベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパ
ーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシ
ド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ter
t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジア
セチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ter
t−ブチルクミルパーオキシド等を挙げることができ
る。これらのうちで、臭気性、着色性、スコーチ安全性
の観点から、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ter
t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3が特に好ましい。
【0065】成分(c)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、0.01〜3重量部、好ましくは0.
1〜1.5重量部である。配合量が0.01重量部未満
では、架橋を十分達成できず、得られるエラストマ−組
成物と極性基を有する樹脂とのアロイの成形性が悪くな
る。一方、3重量部を超えても、得られるエラストマー
組成物と極性基を有する樹脂とのアロイの成形性が悪く
なる。
【0066】(4)末端水酸基含有液状ポリブタジエン
成分(d) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、必要
に応じて、上記(b)成分の働きをより効果的にするた
めに、末端に水酸基を有する液状ポリブタジエン成分
(d)を配合してもよい。末端水酸基含有液状ポリブタ
ジエンは、エラストマー組成物を溶融処理する際に、主
として(a)成分に有機過酸化物の存在下にグラフト重
合し、エラストマー組成物中の低分子量物のブリードア
ウトの抑制効果も発揮すると同時に極性基含有樹脂との
相溶性を向上させる。該液状ポリブタジエン成分は、主
鎖の微細構造がビニル1,2−結合型、トランス1,4
−結合型、シス1,4−結合型からなる、室温において
透明な液状の重合体である。ここで、ビニル1,2−結
合は30重量%以下であることが好ましく、ビニル1,
2−結合が30重量%を超えては、得られる組成物の低
温特性が低下するため好ましくない。
【0067】ここで、末端水酸基含有量(JIS K
1557)は、0.05〜3.0mol/kgが好まし
く、より好ましくは、0.1〜1.5mol/kgの範
囲である。
【0068】また、液状ポリブタジエンの数平均分子量
は、1,000〜5,000が好ましく、更に好ましく
は2,000〜4,000である。数平均分子量が1,
000未満では、得られる組成物の耐熱変形性が低下
し、5,000を超えると、得られる組成物の相溶性が
低下する。市販品としては、例えば、出光石油化学株式
会社製 R−45HT(商標)が挙げられる。
【0069】成分(d)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、1〜80重量部が好
ましく、特に好ましくは3〜50重量部である。配合量
が80重量部を超えると、得られるエラストマー組成物
から軟化剤がブリードアウトしやすく、剥離や変形及び
フローマークが成形品に生じ易くなる。
【0070】(5)不飽和グリシジル化合物又はその誘
導体成分(e) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じ
て、不飽和グリシジル化合物又はその誘導体成分(e)
を配合することができる。成分(e)は、変性剤として
使用されるものであり、好ましくは分子中にオレフィン
と共重合し得る不飽和基とグリシジル基とを有するグリ
シジル化合物が用いられ、特に好ましくはグリシジルメ
タクリレート(GMA)が使用される。該変性剤によ
り、エラストマー成分(a)におけるブロック共重合体
及び水添ブロック共重合体のソフト成分、共重合体ゴム
成分、さらには、必要に応じて配合されるパーオキシド
架橋型オレフィン系樹脂等の成分が変性され、極性基を
有する樹脂との相溶性が向上する。
【0071】成分(e)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、1〜20重量部が好
ましく、特に好ましくは1〜10重量部である。配合量
が20重量部を超えると、得られるエラストマー組成物
の耐熱変形性、機械特性が悪化するばかりか、極性基を
有する樹脂との相溶性を改良する効果が認められなくな
る。
【0072】(6)不飽和カルボン酸又はその誘導体成
分(f) 本発明のエラストマー組成物においては、必要に応じ
て、不飽和カルボン酸又はその誘導体成分(f)を配合
することができる。成分(f)は、変性剤として使用さ
れるものであり、好ましくはアクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、ジカルボン酸又はその誘導体、例え
ば、酸、ハライド、アミド、イミド、無水物、エステル
誘導体等が挙げられる。特に好ましくは無水マレイン酸
(MAH)が用いられる。該変性剤により、成分(a)
及び必要に応じて配合される成分(h)のパーオキシド
分解型オレフィン系樹脂、好ましくはポリプロピレン等
が変性され、極性基を有する樹脂との相溶性を向上させ
る。
【0073】成分(f)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、1〜20重量部が好
ましく、より好ましくは1〜10重量部である。配合量
が20重量部を超えると、組成物に激しい黄変が生じ、
また、耐熱変形性、機械特性が悪化するばかりでなく、
極性基含有樹脂を配合した際に、該成分の相溶性を改良
する効果が認められなくなる。
【0074】(7)非晶質ポリオレフィン成分(g) 本発明のエラストマー組成物においては、必要に応じ
て、非晶質ポリオレフィン成分(g)を配合することが
できる。本発明で用いる非晶質ポリオレフィン成分
(g)は、190℃における溶融粘度が250〜50,
000mPa・s、好ましくは10,000〜25,0
00mPa・sのプロピレンを主成分とする非晶質共重
合体からなり、X線回析により測定した結晶化度が50
%以下、好ましくは20%以下である比較的低分子量の
重合体である。また、該非晶質ポリオレフィンのガラス
転移温度は−33〜−23℃が好ましく、軟化点は12
0〜135℃が好ましい。
【0075】非晶質ポリオレフィンの具体例としては、
非晶質単独重合体のアタクチックポリプロピレン、プロ
ピレンを主体とする他のオレフィン(例えば、エチレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等)と
の非晶質共重合体等を挙げることができる。これらの非
晶質ポリオレフィンのうち、アタクチックポリプロピレ
ン、プロピレン/エチレン非晶質共重合体、プロピレン
/1−ブテン非晶質共重合体が好ましい。前記非晶質ポ
リオレフィンは、ランダム共重合体でもブロック共重合
体でもよいが、ブロック共重合体の場合、プロピレン単
位の結合様式はアタクチック構造である必要がある。ま
た、非晶質共重合体がプロピレンとエチレンとの共重合
体である場合、該プロピレン単位の含有量は、50モル
%以上が好ましく、特に60〜100モル%が好まし
い。
【0076】成分(g)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、1〜150重量部が
好ましく、より好ましくは3〜80重量部である。配合
量が150重量部を超えると、得られるエラストマー組
成物から軟化剤がブリードアウトしやすく、剥離や変形
及びフローマークが成形品に生じ易くなる。また得られ
るエラストマー組成物と極性基を有する樹脂とのアロイ
の耐油性や耐熱性が低下する。
【0077】(8)パーオキシド分解型オレフィン系樹
脂成分(h) 本発明のエラストマー組成物においては、必要に応じ
て、パーオキシド分解型オレフィン系樹脂成分(h)を
配合することができる。成分(h)は、得られるエラス
トマー組成物のゴム分散を良好にし、かつ成形品の外観
を良好にすると共に、硬度及び収縮率の調整に効果を有
するものである。該成分は、パーオキシドの存在下に加
熱処理することによって熱分解して分子量を減じ、溶融
時の流動性が増大するオレフィン系の重合体又は共重合
体であり、例えば、アイソタクチックポリプロピレンや
プロピレンと他のα−オレフィン、例えば、エチレン、
1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−オクテンなどとの共重合体を挙げることができ
る。
【0078】上記オレフィン系共重合体のホモ部分のD
SC測定による融点は、好ましくは、Tmが150〜1
67℃、△Hmが25〜83mJ/mgの範囲のもので
ある。結晶化度はDSC測定のTm、△Hmから推定す
ることができる。Tm、△Hmが上記の範囲外では、得
られるエラストマー組成物の耐油性や100℃以上にお
けるゴム弾性が改良されない。
【0079】また、成分(h)のメルトフローレート
(MFR、ASTM D−1238、L条件、230
℃)は、好ましくは0.1〜200g/10分、更に好
ましくは0.5〜100g/10分である。MFRが
0.1g/10分未満では、得られるエラストマー組成
物の成形性が悪化し、200g/10分を超えると、得
られるエラストマー組成物のゴム弾性が悪化する。
【0080】成分(h)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、1〜200重量部が
好ましく、より好ましくは1〜100重量部である。2
00重量部を超えると、得られたエラストマー組成物の
成形性が悪化し、剥離や変形及びフローマークが成形品
に生じ易くなり、エラストマー組成物の硬度が高くなり
過ぎ柔軟性が失われてゴム的感触の製品が得られない。
【0081】(9)無機充填剤成分(i) 本発明のエラストマー組成物においては、必要に応じ
て、無機充填剤成分(g)を配合することができる。成
分(i)は、エラストマー組成物から得られる成形品の
圧縮永久歪みなど一部の物性を改良する効果のほかに、
増量による経済上の利点を有する。成分(i)として
は、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、珪藻土、硫酸バ
リウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、マイ
カ、クレー、酸化チタン、カーボンブラック、ガラス繊
維、中空ガラスバルーン、炭素繊維、チタン酸カルシウ
ム繊維、天然けい酸、合成けい酸(ホワイトカーボン)
等が挙げられる。これらのうち、炭酸カルシウム、タル
クが特に好ましい。
【0082】成分(i)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、1〜200重量部が
好ましく、より好ましくは1〜100重量部である。2
00重量部を超えると、得られるエラストマー組成物の
機械的強度の低下が著しく、かつ、硬度が高くなって柔
軟性が失われ、ゴム的な感触の製品が得られなくなる。
【0083】(10)非芳香族系ゴム用軟化剤成分
(j) 本発明のエラストマー組成物においては、必要に応じ
て、非芳香族系ゴム用軟化剤成分(j)を配合すること
ができる。成分(j)としては、非芳香族系の鉱物油ま
たは液状もしくは低分子量の合成軟化剤を挙げることが
できる。ゴム用として用いられる鉱物油軟化剤は、芳香
族環、ナフテン環およびパラフィン鎖の三者の組み合わ
さった混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭素数
の50%以上を占めるものはパラフィン系、ナフテン環
炭素数が30〜40%のものはナフテン系、芳香族炭素
数が30%以上のものは芳香族系と呼ばれて区別されて
いる。
【0084】本発明の成分(j)として用いられる鉱物
油系ゴム用軟化剤は、区分でパラフィン系およびナフテ
ン系のものである。芳香族系の軟化剤は、その使用によ
り成分(a)が可溶となり、架橋反応を阻害し、得られ
る組成物の物性の向上が図れないので好ましくない。本
発明の成分(j)としては、パラフィン系のものが好ま
しく、更にパラフィン系の中でも芳香族環成分の少ない
ものが特に適している。また、液状もしくは低分子量の
合成軟化剤としては、ポリブテン、水素添加ポリブテ
ン、低分子量ポリイソブチレン等が挙げられる。
【0085】これらの非芳香族系ゴム用軟化剤の性状
は、37.8℃における動的粘度が20〜50,000
cSt、100℃における動的粘度が5〜1,500c
St、流動点が−10〜−15℃、引火点(COC)が
170〜300℃を示すのが好ましい。さらに、重量平
均分子量が100〜2,000のものが好ましい。
【0086】成分(j)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、10〜200重量部
が好ましく、より好ましくは20〜150重量部であ
る。配合量が200重量部を超えると、得られるエラス
トマー組成物から軟化剤がブリードアウトしやすく、剥
離や変形及びフローマークが成形品に生じ易くなる。
【0087】(11)エステル系架橋助剤成分(k) 本発明のエラストマー組成物においては、必要に応じ
て、エステル系架橋助剤成分(k)を用いることができ
る。成分(k)は、本発明のエラストマー組成物の上記
の(c)有機過酸化物による架橋処理に際して配合する
ことができ、これにより均一、かつ、効率的な架橋反応
を行うことができる。また、多量に配合することによ
り、非芳香族系ゴム用軟化剤、特に、低分子量パラフィ
ン系オイル等を適度に架橋し、エラストマー組成物から
のブリードアウトを抑制することができる。
【0088】成分(k)の具体例としては、例えば、ト
リアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリ
エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレン
グリコールジメタクリレート、エチレングリコールの繰
り返し数が9〜14のポリエチレングリコールジメタク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、アリルメタクリレート、2−メチル−1,8−オク
タンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオー
ルジメタクリレートのような多官能性メタクリレート化
合物、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レートのような多官能性アクリレート化合物、ビニルブ
チラート又はビニルステアレートのような多官能性ビニ
ル化合物を挙げることができる。これらは単独あるいは
2種類以上を組み合わせても良い。これらの架橋助剤の
うち、トリエチレングリコールジメタクリレート、テト
ラエチレングリコールジメタクリレートが特に好まし
い。
【0089】成分(k)の配合量は、配合する場合は、
成分(a)100重量部に対して、好ましくは3〜50
重量部が好ましく、より好ましくは3〜20重量部であ
る。50重量部を超えると、自己重合性により架橋の度
合が低下して効果が得られなくなる。
【0090】(12)その他の成分 なお、本発明のエラストマー組成物は、上記の成分の他
に、さらに必要に応じて、各種のブロッキング防止剤、
シール性改良剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫
外線吸収剤、滑剤、結晶核剤、着色剤等を含有すること
も可能である。ここで、酸化防止剤としては、例えば、
2,6−ジ−tert−p−ブチル−p−クレゾール、
2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ
メチル−6−tert−ブチルフェノール、4,4−ジ
ヒドロキシジフェニル、トリス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン等のフ
ェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チ
オエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。このうちフェ
ノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤が特に
好ましい。酸化防止剤の配合量は、上記の成分(a)〜
(k)の合計100重量部に対して、0〜3.0重量部
が好ましく、特に好ましくは0.1〜1.0重量部であ
る。
【0091】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物は、上記の成分の他に、さらに必要に応じて、エステ
ル基、カルボキシル基、カルボニル基、酸無水物基、ア
ミノ基、ヒドロキシル基、グリシジル基及びオキサゾリ
ル基よりなる群から選ばれる一つ又はそれ以上の極性基
を有する化合物を含有することも可能である。例えば、
鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体(鹸化EVA)、無
水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポ
リプロピレン、エチレン−グリシジルメタクリレート共
重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEM
A)等が挙げられる。鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合
体(鹸化EVA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト(HEMA)を含有する場合の配合量は、成分(a)
100重量部に対し、0.1〜100重量部が好まし
く、より好ましくは0.1〜50重量部である。
【0092】2.熱可塑性エラストマー組成物の製造 本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、上記成分
(a)〜(c)、又は必要に応じて成分(d)〜(k)
を加えて、各成分を同時にあるいは任意の順に加えて溶
融混練することにより製造することができる。
【0093】溶融混練の方法は、特に制限はなく、通常
公知の方法を使用し得る。例えば、単軸押出機、二軸押
出機、ロール、バンバリーミキサー又は各種のニーダー
等を使用し得る。例えば、適度なL/Dの二軸押出機、
バンバリーミキサー、加圧ニーダー等を用いることによ
り、上記操作を連続して行うこともできる。ここで、溶
融混練の温度は、好ましくは160〜220℃である。
【0094】3.熱可塑性樹脂組成物 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記で得られた熱可塑
性エラストマー組成物と極性基を有する樹脂を含有する
組成物である。本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、極性基を有する樹脂との相溶性が良好で、極性基を
有する樹脂の柔軟性、押出成形性、射出成形性等を耐熱
性の低下、耐油性の低下及び低分子量物のブリードを伴
わないで改良することができる。
【0095】本発明で用いることのできる極性基を有す
る樹脂としては、極性基を有している熱可塑性樹脂、エ
ラストマー、ゴムであれば、特に制限はなく、例えば、
ポリエステル(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカ
ーボネート(PC)、エチレンとビニル基含有単量体と
の共重合体を主成分とする樹脂、ニトリル−ブタジエン
ゴム(NBR)、部分架橋ニトリル−ブタジエンゴム、
ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリエス
テル系熱可塑性エラストマー(COPE)、ポリアミド
系熱可塑性エラストマー(COAE)等が挙げられ。こ
れらの樹脂は、単独で用いても、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0096】これらの中では、特に、ウレタン系熱可塑
性エラストマー(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エ
ラストマー(COPE)、ポリアミド系熱可塑性エラス
トマー(COAE)、アイオノマー、ポリアミド(P
A)、ポリエステル(PET)、エチレンとビニル基含
有単量体との共重合体を主成分とする樹脂、ニトリル−
ブタジエンゴム(NBR)、架橋ニトリル−ブタジエン
ゴムが好ましい。
【0097】本発明で用いる極性基を有する樹脂のウレ
タン系熱可塑性エラストマー(TPU)としては、一般
に、ポリオール、ジイソシアネート、および鎖延長剤か
ら調製される。ポリオールとしては、ポリエステルポリ
オール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリカーボ
ネートポリオールおよびポリエーテルポリオールが挙げ
られる。
【0098】ここで、ポリエステルポリオールとして
は、脂肪族ジカルボン酸、例えば、コハク酸、アジピン
酸、セバシン酸、及びアゼライン酸等、芳香族ジカルボ
ン酸、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、及びナフタレンジカルボン酸等、脂環族ジカルボン
酸、例えば、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸、及びヘキサヒドロイソフタル酸等、又は、こ
れらの酸エステル、もしくは酸無水物と、エチレングリ
コール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロ
ピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1,3−オクタンジオ
ール、1,9−ノナンジオール等、もしくは、これらの
混合物との脱水縮合反応で得られるポリエステルポリオ
ール;ε−カプロラクトン等のラクトンモノマーの開環
重合で得られるポリラクトンジオール等が挙げられる。
【0099】また、ポリカーボネートポリオールとして
は、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、ジエチレングリコール等の多価アルコールの1種ま
たは2種以上とジエチレンカーボネート、ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート等とを反応させて得ら
れるポリカーボネートポリオールが挙げられる。
【0100】さらに、ポリエステルエーテルポリオール
としては、脂肪族ジカルボン酸、例えば、コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、及びアゼライン酸等、芳香族ジ
カルボン酸、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸、及びナフタレンジカルボン酸等、脂環族ジカル
ボン酸、例えば、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ
テレフタル酸、及びヘキサヒドロイソフタル酸等、また
はこれらの酸エステル、もしくは酸無水物と、ジエチレ
ングリコール、もしくはプロピレンオキサイド付加物等
のグリコール等、又は、これらの混合物との脱水縮合反
応で得られる化合物が挙げられる。
【0101】さらにまた、ポリエーテルポリオールとし
ては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テ
トラヒドロフラン等の環状エーテルをそれぞれ重合させ
て得られるポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等、
及び、これらのコポリエーテルが挙げられる。
【0102】上記の各種ポリオールのうち、耐加水分解
性の点からポリエーテルポリオールが好ましい。
【0103】つぎに、イソシアネートとしては、例え
ば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレ
ンジイソシアネート、トリジンジイソシネート、1,6
−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、
水添XDI、トリイソシアネート、テトラメチルキシレ
ンジイソシアネート(TMXDI)、1,6,11−ウ
ンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネー
トメチルオクタン、リジンエステルトリイソシアネー
ト、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、
ビシクロヘプタントリイソシアネート等が挙げられる。
なかでも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト(MDI)が好ましく用いられる。
【0104】さらに、鎖延長剤としては、低分子量ポリ
オールが使用され、例えば、エチレングリコール、1,
3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9
−ノナンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、グリセリン等の脂肪族ポリ
オール、及び、1,4−ジメチロールベンゼン、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイドも
しくはプロピレンオキサイド付加物等の芳香族グリコー
ルが挙げられる。
【0105】本発明で用いる極性基を有する樹脂のポリ
エステル(PET)及びポリエステル系熱可塑性エラス
トマー(COPE)としては、分子内のハードセグメン
トとしてポリエステルを、ソフトセグメントとしてガラ
ス転移温度(Tg)の低いポリエーテル又はポリエステ
ルを用いた、マルチブロックコポリマーが好ましい。例
えば、ハードセグメントとして、ポリブチレンテレフタ
レートなどの芳香族結晶性ポリエステルを、ソフトセグ
メントとして、ポリエーテルを用いたポリエステル/ポ
リエーテル型、ハードセグメントとして、芳香族結晶性
ポリエステルを、ソフトセグメントとして脂肪族系ポリ
エステルを用いたポリエステル/ポリエステル型などが
挙げられる。
【0106】ここで、ポリエステル/ポリエーテル型と
しては、例えば、テレフタル酸ジメチルと1,4−ブタ
ンジオール及びポリテトラメチレングリコールなどを出
発原料として、エステル交換反応、重縮合反応によって
合成されたものが挙げられる。また、ポリエステル/ポ
リエステル型としては、例えば、テレフタル酸ジメチル
と1,4−ブタンジオール及びε−カプロラクトンなど
を出発原料として、エステル交換反応、開環反応によっ
て合成されたものが挙げられる。
【0107】本発明で用いる極性基を有する樹脂のポリ
アミド(PA)としては、例えば、ナイロン−6、ナイ
ロン−6,6、ナイロン−4,6、ナイロン−6,1
0、ナイロン−11、ナイロン−12、ナイロン−6,
12又はナイロン−MXD6(主鎖中に芳香環を有する
脂肪族アミド)等が挙げられる。
【0108】本発明で用いる極性基を有する樹脂のポリ
アミド系熱可塑性エラストマー(COAE)は、ポリア
ミド拘束相とソフトセグメントとしてポリエーテル、ポ
リエステル構造を有する熱可塑性エラストマーである。
基本構造的には、ポリエステルブロックポリアミドエラ
ストマー、ポリエーテルエステルブロックポリアミドエ
ラストマーの形態のものとなる。例えば、ポリアミド拘
束相としてPA12成分を用いたポリアミド系熱可塑性
エラストマーは、ラウリルラクタム、ジカルボン酸、及
びポリエーテルジオールにラクタム開環触媒としての水
を加えて、加圧加熱下の反応で、カルボキシルテレケリ
ックナイロン12オリゴマーを得て、次にポリエーテル
ジオールとの縮合反応によって得られる。
【0109】ここで、使用されるジオールの種類などに
よって、様々な特性を持ったポリアミド系熱可塑性エラ
ストマーが得られる。例えば、ナイロン−6、ナイロン
−6,6、ナイロン−4,6、ナイロン−6,10、ナ
イロン−11、ナイロン−12又はナイロン−6,12
等のポリアミドがハードセグメントで、ソフトセグメン
トがポリエーテルエステルよりなるブロックエラストマ
ーを挙げることができる。
【0110】本発明で用いる極性基を有する樹脂のアイ
オノマー樹脂としては、エチレンと一般式(I)で表さ
れる単量体との共重合体が挙げられる。
【0111】
【化1】
【0112】一般式(I)中、Rは水素又はメチル基
を表し、MはNa、Znなどの金属又は水素を表す。
【0113】ここで、一般式(I)で表される単量体と
しては、メタクリル酸金属塩、アクリル酸金属塩、メタ
クリル酸、アクリル酸等が挙げられ、中でもメタクリル
酸金属塩が好ましい。
【0114】アイオノマー樹脂は、高い反発弾性率を持
つイオン架橋結合を有するイオン性共重合体であって、
具体的にはエチレンとアクリル酸、又はメタクリル酸の
如き不飽和有機酸と共重合体であり、一般式(I)のよ
うに完全に又は一部中和されて塩を生成したものが良
い。陽イオンは、通常、アルカリ金属、亜鉛等であり、
特にナトリウムと亜鉛を混合して用いると高い反発弾性
率が得られ好適である。
【0115】エチレンとの共重合体において、上記単量
体が3〜20重量%、特に4〜15重量%を占めること
が好ましい。メタクリル酸金属塩含量が3〜20重量
%、特に4〜15重量%のエチレン−メタクリル酸金属
塩共重合体が好ましい。上記単量体が3重量%未満で
は、得られる組成物中に充分に分散しないという問題点
があり、20重量%を超えると必要な反発弾性が得られ
ない。また、上記共重合体は、0.5〜15g/10分
のメルトフローレート(JIS K 6760に準処
し、温度190℃、荷重21.18Nで測定)を有する
ことが好ましい。ここで必要に応じて、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体を
配合することができ、3種以上の樹脂の混合物を用いる
こともできる。
【0116】本発明で用いる極性基を有する樹脂のエチ
レンとビニル基含有単量体との共重合体を主成分とする
樹脂としては、エチレンと下記の一般式(II)で示さ
れる単量体との共重合体を挙げることができる。
【0117】
【化2】
【0118】一般式(II)中、Rは、水素原子又は
メチル基を表し、Rは、下記一般式(III)で表さ
れる。
【0119】
【化3】
【0120】一般式(III)中、Rは水素原子又は
アルキル基を表す。アルキル基としては、直鎖状又は分
枝状の炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、より好
ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。
【0121】一般式(II)で示される単量体の具体例
としては、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、酪酸イソプロ
ペニル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらを単独
で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。特に好ま
しい単量体は、酢酸ビニル及びエチル(メタ)アクリレ
ートからなる群より選ばれる。
【0122】エチレンと一般式(II)で示される単量
体との共重合体において、エチレンと一般式(II)で
示される単量体との割合は、特に限定されないが、好ま
しくはエチレン97〜70重量%、単量体3〜30重量
%である。また、エチレンと一般式(II)で示される
単量体との共重合体には、更に変性オレフィンモノマー
等の単量体を含有させることができ、その場合の変性オ
レフィンモノマー等の単量体の含有量は、共重合体の5
0重量%以下である。
【0123】エチレンと一般式(II)で示される単量
体との共重合体の具体例としては、例えば、エチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアク
リレート共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸
共重合体、鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体(鹸化E
VA)等を挙げることができる。
【0124】ここで、鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合
体(鹸化EVA)は、EVAを鹸化した化合物であっ
て、エチレン含有量が40〜95重量%、好ましくは6
0〜90重量%であり、かつ、酢酸ビニル成分の鹸化度
が80%以上、好ましくは90%以上である。エチレン
含有量が40重量%未満の場合には耐熱性に劣り、95
重量%を越えるときは柔軟性に劣る。また、酢酸ビニル
成分の鹸化度が60%未満のときには、耐熱性が低下す
る。
【0125】該鹸化EVAは、JIS K 6924−
2に準拠し、190℃において、荷重21.18Nで測
定したメルトフローレート(MFR)が0.1〜30g
/10分であるのが好ましい。MFRが0.1g/10
分未満では、組成物の流動性が悪く、30g/10分を
超えると、機械強度および耐熱性に劣る。
【0126】本発明で用いる極性基を有する樹脂のニト
リル−ブタジエンゴム(NBR)としては、不飽和ニト
リルと共役ジエンの共重合体ゴムであって、不飽和ニト
リルと共役ジエンが、重量比で(不飽和ニトリル/共役
ジエン)、10/90〜60/40、好ましくは20/
80〜50/50の割合で共重合しているものが好まし
い。10/90未満では耐油性が劣り、60/40を越
えるとゴム弾性に乏しくなる。また、NBRは、ムーニ
ー粘度(ML1+4;100℃)が、20〜120であ
ることが好ましく、より好ましくは40〜100であ
る。20未満ではゴム弾性に乏しく、また120を越え
ると加工性が劣る。
【0127】ここで、不飽和ニトリルとしては、具体的
には、α,β−不飽和ニトリルが挙げられ、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等を挙げることができ、ア
クリロニトリルが好ましい。α,β−不飽和ニトリル
は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用する
ことができる。共役ジエンとしては、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、クロロプレン等を挙げるこ
とができ、なかでも1,3−ブタジエンおよびイソプレ
ンが好ましい。共役ジエンは、1種単独でまたは2種以
上を組み合わせて使用することができる。
【0128】不飽和ニトリル−共役ジエン系共重合体と
しては、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム
(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレ
ン共重合体ゴム(NBIR)、アクリロニトリル−イソ
プレン共重合体ゴム(NIR)、アクリロニトリル−ブ
タジエン−ブトキシアクリレート共重合体ゴム、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体ゴム、ア
クリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体ゴ
ム等が挙げられる。これらのうちNBRが好適に用いら
れる。
【0129】本発明で用いる極性基を有する樹脂の部分
架橋NBRとしては、NBRの部分架橋タイプであっ
て、ゲル分率は60〜95%、好ましくは70〜90%
である。ゲル分率が60%未満では永久伸びが悪く、9
5%を超えると急に加工性が悪くなる。ここでいうNB
Rのゲル分率とはキシレンに120℃で20時間浸漬
し、80メッシュフィルターにて分離される抽出残さを
意味する。またここで使用される部分架橋NBR中のア
クリロニトリル含量は30〜45重量%が好ましく、更
に好ましくは32〜35重量%である。この範囲をはず
れると耐油性が悪くなる。
【0130】上記のような極性基を有する樹脂の配合量
は、熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対し
て、10〜1500重量部、好ましくは20〜1200
重量部である。配合量が10重量部未満では添加効果が
認められず、1500重量部を超えると、得られる熱可
塑性樹脂組成物の柔軟性が低下する。熱可塑性エラスト
マー組成物を配合することにより、得られる熱可塑性樹
脂組成物の耐油性、耐磨耗性、高温物性例えば高温での
引張特性等を飛躍的に向上させることができる。
【0131】4.熱可塑性樹脂組成物の製造方法 本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、上記の熱可
塑性エラストマー組成物の製造方法と同様の方法で製造
することができる。すなわち、熱可塑性エラストマー組
成物と極性を有する樹脂、更に必要に応じて、上記の熱
可塑性エラストマー組成物で用いた酸化防止剤等の任意
成分を加えて溶融混練することにより製造することがで
きる。
【0132】溶融混練の方法は、特に制限はなく、通常
公知の方法を使用し得る。例えば、単軸押出機、二軸押
出機、ロール、バンバリーミキサー又は各種のニーダー
等を使用し得る。例えば、適度なL/Dの二軸押出機、
バンバリーミキサー、加圧ニーダー等を用いることによ
り、上記操作を連続して行うこともできる。ここで、溶
融混練の温度は、用いる樹脂によって異なるが好ましく
は160〜250℃である。
【0133】本発明の熱可塑性樹脂組成物であるアロイ
は、柔軟性に富み、耐熱変形性、成形加工性に優れ、特
に耐油性、耐磨耗性、高温での機械的特性に優れている
ため、特に、電線・電気部品、工業機械部品、医療機器
部品、食品関連部品、自動車部品、建材等に使用するこ
とができる。
【0134】具体的には、電線・電気部品としては、例
えば、コネクター、スイッチカバー、プラグ、ガスケッ
ト、グロメット、ケーブルジャケットカールコード、電
線絶縁被覆等が挙げられ、工業機械部品としては、例え
ば、耐圧ホース、ダイヤフラム、ガスケット、パッキン
グ、キャスター、グロメット、ローラーカップリンググ
リップ、ホース等が挙げられ、医療機器・食品関連部品
としては、例えば、シリンジチップ、薬栓、グロメッ
ト、採血管キャップ、キャップシール等が挙げられ、自
動車部品としては、例えば、CVJブーツ、ラックアン
ドオピニオンブーツ、ショックアブソーバーダストブー
ツ、バキュームコネクター、エアーダクト、チューブ、
ランチャンネル、グロメット、ハンドルカバー、エアー
バッグアウターカバーステアリング、マッドガード等が
挙げられ、建材としては、例えば、窓枠シール、エクス
パンションジョイント、スポンジシール、手摺被覆、階
段滑り止め等が挙げられる。また、その他の用途とし
て、例えば、ペングリップ、自転車グリップ、歯ブラシ
グリップ等のグリップ材、おもちゃ用部品、マット類、
ゴーグル、防塵・防毒マスク、靴底等が挙げられる。
【0135】
【実施例】本発明を以下の実施例、比較例によって具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。なお、本発明で用いた物性の測定法及び試
料を以下に示す。
【0136】1、試験方法 (1)硬度:JIS K 6253に準拠し、デュロメ
ーター硬さ・タイプA(表中、数字の後に「A」と表
記)、タイプD(表中、数字の後に「D」と表記)にて
測定した。試験片は6.3mm厚プレスシートを用い
た。 (2)引張強さ:JIS K 6251に準拠し、試験
片は1mm厚プレスシートを、3号ダンベル型試験片に
打ち抜いて使用した。引張速度は500mm/分とし
た。(室温及び100℃で測定) (3)100%伸び応力:JIS K 6251に準拠
し、試験片は1mm厚プレスシートを、3号ダンベル型
試験片に打ち抜いて使用した。引張速度は500mm/
分とした。 (4)破断伸び:JIS K 6251に準拠し、試験
片は1mm厚プレスシートを、3号ダンベル型試験片に
打ち抜いて使用した。引張速度は500mm/分とし
た。 (5)体積変化率:JIS K 6258に準拠し、試
験片は1mm厚プレスシートを、3号ダンベル型試験片
に打ち抜いて使用した。IRM#903号油を使用し、
120℃×72時間の重量変化を測定した。 (6)射出成形性:型締め圧120トンの射出成形機を
用い、成形温度220℃、金型温度40℃、射出速度5
5mm/秒、射出圧力600kg/cm、保圧圧力4
00kg/cm、射出時間6秒、冷却時間45秒で1
3.5×13.5×2mmのシートを成形した。デラミ
ネーション、表層剥離、変形及び著しく外観を悪化させ
るようなフローマークの有無を目視により判断し、次の
基準で評価した。 ○:良い ×:悪い (7)押出成形性:50mm×1mmのシートを押出成
形し、ドローダウン性、表面外観や形状を観察し、次の
基準で評価した。 ○:良い ×:悪い (8)耐ブリード性:折り曲げてクリップで固定した押
出シートを室温と110℃の雰囲気で168時間放置
し、低分子量物のブリード及びブルーミングの有無を目
視により観察し、次の基準で評価した。 ○:良い ×:悪い
【0137】2.実施例及び比較例において用いた試料 (1)SBSブロック共重合体成分(a−1):VEC
TOR2518(SBS;DEXCO POLYMER
S社製) (2)水添ブロック共重合体成分(a−2);セプトン
4077(SEPS;クラレ株式会社製)、スチレン含
有量:30重量%、イソプレン含有量:70重量%、数
平均分子量:260,000、重量平均分子量:32
0,000、分子量分布:1.23、水素添加率:90
%以上 (3)エチレン−ブテン共重合体ゴム成分(a−3):
エスプレンN0441(EBR;住友化学工業株式会社
製) (4)エステル成分(b):TXIB(イーストマンケ
ミカルジャパン株式会社製) (5)有機過酸化物成分(c):パーヘキサ25B
(2,5−ジメチル2,5−ジ−(tert−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン;日本油脂株式会社製) (6)末端水酸基含有液状ポリブタジエン成分(d):
R−45HT(出光石油化学株式会社製)、官能基とし
て水酸基(0.83mol/kg)と共重合反応性不飽
和二重結合(1,4結合:80%)を含有、数平均分子
量2800 (7)不飽和グリシジル化合物成分(e):グリシジル
メタクリレート(GMA)(日本油脂株式会社製) (8)不飽和カルボン酸成分(f):無水マレイン酸
(MAH)(日本油脂株式会社製) (9)非晶質ポリオレフィン(APE)成分(g):E
−1200(イーストマンケミカル社製) (10)パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂成分
(h):PP−BC8(ポリプロピレン(PP);日本
ポリケム株式会社製)、結晶化度:Tm166℃、△H
m82mJ/mg、MFR1.8g/10分 (11)炭酸カルシウム成分(i):NS400(三共
精粉株式会社製) (12)軟化剤成分(j):ダイアナプロセスオイルP
W−90(鉱物油;出光興産株式会社製) (13)エステル系架橋助剤成分(k):NKエステル
3G(トリエチレングリコールジメタクリレート;新中
村化学株式会社製) (14)鹸化EVA成分(l):メルセンH6051
(東ソー株式会社製) (15)ヒンダードフェノール/フォスファイト/ラク
トン系複合酸化防止剤成分(m):HP2215(チバ
スペシャリティケミカルズ製)
【0138】(16)極性基を有する樹脂 (i)ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU):パ
ンデックスT−8180(DICバイエルポリマー株式
会社製) (ii)ポリエステル系熱可塑性エラストマー(COP
E):ハイトレル4056(東レ・デュポン株式会社
製) (iii)ポリアミド系熱可塑性エラストマー(COA
E):ペバックス5533SN01(東レ株式会社製) (iv)アイオノマー:ハイミラン1554(三井・デ
ュポンポリケミカル株式会社製) (v)ポリアミド(PA6):グリロンR47HWNZ
(エムスジャパン社製) (vi)ポリエステル(PET):SA−1346P
(ユニチカ株式会社製) (vii)EVA:エバフレックスEV−40LX(三
井・デュポンポリケミカル株式会社製) (viii)EEA:NUC−6170(日本ユニカー
株式会社製) (ix)鹸化EVA:メルセンH6051(東ソー株式
会社製) (x)NBR:PNC−38(JSR株式会社製)
【0139】実施例1〜4、比較例1〜4 表1に示す量の各成分を用い、L/Dが47の二軸押出
機に投入して、混練温度180℃、スクリュー回転数3
50rpmで溶融混練をして、ペレット化した。次に、
得られたペレットを射出成形して試験片を作成し、夫々
の試験に供した。評価結果を表1に示す。
【0140】
【表1】
【0141】表1より明らかなように、実施例1〜4の
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、任意成分であ
る成分(d)〜(m)の有無にかかわらず、いずれの熱
可塑性エラストマー組成物も良好な性状を示した。ま
た、成分(a−2)のセプトン4077の全部をタフテ
ックP JT−90(旭化成社製 スチレン−ブタジエ
ン・ブチレン−スチレン共重合体、SBBS、スチレン
含有量:30重量%、重量平均分子量(Mw):11
0,000、数平均分子量(Mn):99,000、分
子量分布:1.11)に置換しても同様に良好な結果が
得られた。また、成分(a)の一部または全部に(ジェ
イエスアール社製 CEBC、ダイナロンDR610
0、DR6200 比重:0.88、ポリエチレン含有
量:30重量%、重量平均分子量(Mw):280,0
00)を使用しても同様に良好な結果が得られた。
【0142】一方、比較例1及び2は、成分(b)の配
合量を本発明の範囲外にしたものである。成分(b)が
少な過ぎると、得られるエラストマー組成物と極性基を
有する樹脂とのアロイの成形性が悪化する。成分(b)
が多過ぎると、得られるエラストマー組成物から軟化剤
がブリードアウトしやすく、剥離や変形及びフローマー
クが成形品に生じ易くなる。さらに、加工時の発生ガス
が顕著になる。比較例3及び4は、成分(c)の配合量
を本発明の範囲外にしたものである。成分(c)が少な
過ぎると、架橋を十分に達成できず、得られるエラスト
マー組成物と極性基を有する樹脂とのアロイの成形性が
悪化する。成分(c)が多過ぎても得られるエラストマ
ー組成物と極性基を有する樹脂とのアロイの成形性が悪
くなる。
【0143】実施例5〜8、比較例5 実施例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)を30:7
0(重量%)の割合でブレンドし、L/Dが47の二軸
押出機に投入して、混練温度200℃、スクリュー回転
数350rpmで溶融混練をして、ペレット化した。次
に、得られたペレットを射出成形して試験片を作成し、
夫々の試験に供した。評価結果を表2に示す。また、比
較例5として、TPU単独の場合の評価を行った。その
結果を表2に示す。
【0144】
【表2】
【0145】表2より明らかなように、実施例1〜4の
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、TPUとの相
溶性に優れ、比較例5に示すTPU単独の場合に比べ、
機械特性、耐油性、成形性、耐ブリード性に優れたTP
U熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
【0146】比較例6〜9 比較例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
TPUを30:70(重量%)の割合でブレンドした組
成物から実施例5〜8と同様にして得られたペレットを
用いて射出成形性、押出成形性、耐ブリード性を評価し
た。その結果を表3に示す。比較例1〜4の本発明の範
囲外の熱可塑性エラストマー組成物は、TPUとの相溶
性に劣り、成形性又は耐ブリード性が悪化した。
【0147】
【表3】
【0148】実施例9〜12、比較例10 実施例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
ポリエステル系熱可塑性エラストマー(COPE)とを
30:70(重量%)の割合でブレンドし、L/Dが4
7の二軸押出機に投入して、混練温度220℃、スクリ
ュー回転数350rpmで溶融混練をして、ペレット化
した。次に、得られたペレットを射出成形して試験片を
作成し、夫々の試験に供した。評価結果を表4に示す。
また、比較例10として、COPE単独の場合の評価を
行った。その結果を表4に示す。
【0149】
【表4】
【0150】表4より明らかなように、実施例1〜4の
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、COPEとの
相溶性に優れ、比較例10に示すCOPE単独の場合に
比べ、機械特性、耐油性、成形性、耐ブリード性に優れ
たCOPE系熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
【0151】比較例11〜14 比較例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
COPEを30:70(重量%)の割合でブレンドした
組成物から実施例9〜12と同様にして得られたペレッ
トを用いて射出成形性、押出成形性、耐ブリード性を評
価した。その結果を表5に示す。比較例1〜4の本発明
の範囲外の熱可塑性エラストマー組成物は、COPEと
の相溶性に劣り、成形性又は耐ブリード性が悪化した。
【0152】
【表5】
【0153】実施例13〜16、比較例15 実施例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
ポリアミド系熱可塑性エラストマー(COAE)とを3
0:70(重量%)の割合でブレンドし、L/Dが47
の二軸押出機に投入して、混練温度220℃、スクリュ
ー回転数350rpmで溶融混練をして、ペレット化し
た。次に、得られたペレットを射出成形して試験片を作
成し、夫々の試験に供した。評価結果を表6に示す。ま
た、比較例15として、COAE単独の場合の評価を行
った。その結果を表6に示す。
【0154】
【表6】
【0155】表6より明らかなように、実施例1〜4の
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、COAEとの
相溶性に優れ、比較例15に示すCOAE単独の場合に
比べ、機械特性、耐油性、成形性、耐ブリード性に優れ
たCOAE系熱可塑性樹脂組成物をえることができる。
【0156】比較例16〜19 比較例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
COAEを30:70(重量%)の割合でブレンドした
組成物から実施例13〜16と同様にして得られたペレ
ットを用いて射出成形性、押出成形性、耐ブリード性を
評価した。その結果を表7に示す。比較例1〜4の本発
明の範囲外の熱可塑性エラストマー組成物は、COAE
との相溶性に劣り、成形性又は耐ブリード性が悪化し
た。
【0157】
【表7】
【0158】実施例17〜20、比較例20 実施例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
アイオノマーとを30:70(重量%)の割合でブレン
ドし、L/Dが47の二軸押出機に投入して、混練温度
190℃、スクリュー回転数350rpmで溶融混練を
して、ペレット化した。次に、得られたペレットを射出
成形して試験片を作成し、夫々の試験に供した。評価結
果を表8に示す。また、比較例20として、アイオノマ
ー単独の場合の評価を行った。その結果を表8に示す。
【0159】
【表8】
【0160】表8より明らかなように、実施例1〜4の
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、アイオノマー
との相溶性に優れ、比較例20に示すアイオノマー単独
の場合に比べ、機械特性、耐油性、成形性、耐ブリード
性に優れたアイオノマー系熱可塑性樹脂組成物を得るこ
とができる。
【0161】比較例21〜24 比較例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
アイオノマーを30:70(重量%)の割合でブレンド
した組成物から実施例17〜20と同様にして得られた
ペレットを用いて射出成形性、押出成形性、耐ブリード
性を評価した。その結果を表9に示す。比較例1〜4の
本発明の範囲外の熱可塑性エラストマー組成物は、アイ
オノマーとの相溶性に劣り、成形性又は耐ブリード性が
悪化した。
【0162】
【表9】
【0163】実施例21〜24、比較例25 実施例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
ナイロン6(PA6)とを30:70(重量%)の割合
でブレンドし、L/Dが47の二軸押出機に投入して、
混練温度240℃、スクリュー回転数350rpmで溶
融混練をして、ペレット化した。次に、得られたペレッ
トを射出成形して試験片を作成し、夫々の試験に供し
た。評価結果を表10に示す。また、比較例25とし
て、PA6単独の場合の評価を行った。その結果を表1
0に示す。
【0164】
【表10】
【0165】表10より明らかなように、実施例1〜4
の本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、PA6との
相溶性に優れ、比較例20に示すアイオノマー単独の場
合に比べ、機械特性、耐油性、成形性、耐ブリード性に
優れたPA6系熱可塑性樹脂組成物を得ることができ
る。
【0166】比較例26〜29 比較例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
PA6を30:70(重量%)の割合でブレンドした組
成物から実施例21〜24と同様にして得られたペレッ
トを用いて射出成形性、押出成形性、耐ブリード性を評
価した。その結果を表11に示す。比較例1〜4の本発
明の範囲外の熱可塑性エラストマー組成物は、PA6と
の相溶性に劣り、成形性又は耐ブリード性が悪化した。
【0167】
【表11】
【0168】実施例25〜28、比較例30 実施例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
ポリエチレンテレフタレート(PET)とを30:70
(重量%)の割合でブレンドし、L/Dが47の二軸押
出機に投入して、混練温度240℃、スクリュー回転数
350rpmで溶融混練をして、ペレット化した。次
に、得られたペレットを射出成形して試験片を作成し、
夫々の試験に供した。評価結果を表12に示す。また、
比較例30として、PET単独の場合の評価を行った。
その結果を表12に示す。
【0169】
【表12】
【0170】表12より明らかなように、実施例1〜4
の本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、PETとの
相溶性に優れ、比較例30に示すPET単独の場合に比
べ、機械特性、耐油性、成形性、耐ブリード性に優れた
PET系熱可塑性樹脂組成物をえることができる。
【0171】比較例31〜34 比較例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
PETとを30:70(重量%)の割合でブレンドした
組成物から実施例25〜28と同様にして得られたペレ
ットを用いて射出成形性、押出成形性、耐ブリード性を
評価した。その結果を表13に示す。比較例1〜4の本
発明の範囲外の熱可塑性エラストマー組成物は、PET
との相溶性に劣り、成形性又は耐ブリード性が悪化し
た。
【0172】
【表13】
【0173】実施例29〜32、比較例35 実施例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)とを30:7
0(重量%)の割合でブレンドし、L/Dが47の二軸
押出機に投入して、混練温度190℃、スクリュー回転
数350rpmで溶融混練をして、ペレット化した。次
に、得られたペレットを射出成形して試験片を作成し、
夫々の試験に供した。評価結果を表14に示す。また、
比較例35として、EVA単独の場合の評価を行った。
その結果を表14に示す。
【0174】
【表14】
【0175】表14より明らかなように、実施例1〜4
の本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、EVAとの
相溶性に優れ、比較例35に示すEVA単独の場合に比
べ、機械特性、耐油性、成形性、耐ブリード性に優れた
EVA系熱可塑性樹脂組成物をえることができる。
【0176】比較例36〜39 比較例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
EVAとを30:70(重量%)の割合でブレンドした
組成物から実施例29〜32と同様にして得られたペレ
ットを用いて射出成形性、押出成形性、耐ブリード性を
評価した。その結果を表15に示す。比較例1〜4の本
発明の範囲外の熱可塑性エラストマー組成物は、EVA
との相溶性に劣り、成形性又は耐ブリード性が悪化し
た。
【0177】
【表15】
【0178】実施例33〜36、比較例40 実施例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)とを
30:70(重量%)の割合でブレンドし、L/Dが4
7の二軸押出機に投入して、混練温度190℃、スクリ
ュー回転数350rpmで溶融混練をして、ペレット化
した。次に、得られたペレットを射出成形して試験片を
作成し、夫々の試験に供した。評価結果を表16に示
す。また、比較例40として、EEA単独の場合の評価
を行った。その結果を表16に示す。
【0179】
【表16】
【0180】表16より明らかなように、実施例1〜4
の本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、EEAとの
相溶性に優れ、比較例40に示すEEA単独の場合に比
べ、機械特性、耐油性、成形性、耐ブリード性に優れた
EEA系熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
【0181】比較例41〜44 比較例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
EEAとを30:70(重量%)の割合でブレンドした
組成物から実施例33〜36と同様にして得られたペレ
ットを用いて射出成形性、押出成形性、耐ブリード性を
評価した。その結果を表17に示す。比較例1〜4の本
発明の範囲外の熱可塑性エラストマー組成物は、EEA
との相溶性に劣り、成形性又は耐ブリード性が悪化し
た。
【0182】
【表17】
【0183】実施例37〜40、比較例45 実施例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体(鹸化EVA)とを
30:70(重量%)の割合でブレンドし、L/Dが4
7の二軸押出機に投入して、混練温度200℃、スクリ
ュー回転数350rpmで溶融混練をして、ペレット化
した。次に、得られたペレットを射出成形して試験片を
作成し、夫々の試験に供した。評価結果を表18に示
す。また、比較例45として、鹸化EVA単独の場合の
評価を行った。その結果を表18に示す。
【0184】
【表18】
【0185】表18より明らかなように、実施例1〜4
の本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、鹸化EVA
との相溶性に優れ、比較例45に示す鹸化EVA単独の
場合に比べ、機械特性、耐油性、成形性、耐ブリード性
に優れた鹸化EVA系熱可塑性樹脂組成物を得ることが
できる。
【0186】比較例46〜49 比較例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
鹸化EVAとを30:70(重量%)の割合でブレンド
した組成物から実施例37〜40と同様にして得られた
ペレットを用いて射出成形性、押出成形性、耐ブリード
性を評価した。その結果を表19に示す。比較例1〜4
の本発明の範囲外の熱可塑性エラストマー組成物は、鹸
化EVAとの相溶性に劣り、成形性又は耐ブリード性が
悪化した。
【0187】
【表19】
【0188】実施例41〜44、比較例50 実施例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
ニトリルゴム(NBR)とを30:70(重量%)の割
合でブレンドし、L/Dが47の二軸押出機に投入し
て、混練温度190℃、スクリュー回転数350rpm
で溶融混練をして、ペレット化した。次に、得られたペ
レットを射出成形して試験片を作成し、夫々の試験に供
した。評価結果を表20に示す。また、比較例50とし
て、NBR単独の場合の評価を行った。その結果を表2
0に示す。
【0189】
【表20】
【0190】表20より明らかなように、実施例1〜4
の本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、NBRとの
相溶性に優れ、比較例50に示すNBR単独の場合に比
べ、機械特性、耐油性、成形性、耐ブリード性に優れた
NBR系熱可塑性樹脂組成物をえることができる。
【0191】比較例51〜52 比較例1〜4で得られた熱可塑性エラストマー組成物と
NBRとを30:70(重量%)の割合でブレンドした
組成物から実施例41〜44と同様にして得られたペレ
ットを用いて射出成形性、押出成形性、耐ブリード性を
評価した。その結果を表21に示す。比較例1〜4の本
発明の範囲外の熱可塑性エラストマー組成物は、NBR
との相溶性に劣り、成形性又は耐ブリード性が悪化し
た。
【0192】
【表21】
【0193】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、耐熱変形性、成形加工性、耐ブリード性、極性基含
有樹脂との相溶性に優れるため、極性基含有樹脂の改質
剤として用いることができる。該熱可塑性エラストマー
組成物と極性基を有する樹脂との熱可塑性樹脂組成物
は、柔軟性に富み、耐熱変形性、成形加工性、耐ブリー
ド性に優れ、電線・電気部品、工業機械部品、医療機器
・食品関連部品、自動車部品、建材等の分野に使用する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/1515 C08K 5/1515 C08L 23/00 C08L 23/00 101/00 101/00 //(C08L 23/00 C08L 15:00 15:00) (C08L 53/00 15:00) (72)発明者 水野 廣樹 東京都中央区日本橋本町3丁目11番5号 リケンテクノス株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AC07X AC105 AE05U BB02X BB05W BB06X BB07X BB08X BB13Y BB13Z BB15W BB15Y BB15Z BB17Y BB17Z BB19Y BB19Z BB22X BB23X BG03U BG07U BP01W CF00X CF06X CG00X CK02X CK03X CK04X CL00X CL01X CL03X DA008 DA018 DE078 DE138 DE188 DE238 DG048 DJ018 DJ038 DJ048 DJ058 DL008 EF049 EF079 EH046 EH056 EH079 EH116 EH146 EK037 EK057 EK067 EK087 EL039 EL149 EU179 EV276 EW046 FA048 FD000 FD018 FD02U FD026 FD157 FD159

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)(a−1)芳香族ビニル化合物を
    主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役
    ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくと
    も1個とからなるブロック共重合体、(a−2)(a−
    1)を水素添加して得られる水添ブロック共重合体、
    (a−3)オレフィン系共重合体ゴム、及び(a−4)
    共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物からな
    る群から選ばれる少なくとも一種のエラストマー100
    重量部、(b)エステル系化合物0.1〜150重量
    部、及び(c)有機過酸化物0.01〜3重量部を含有
    する組成物を溶融混練して得られる熱可塑性エラストマ
    ー組成物。
  2. 【請求項2】 (b)エステル系化合物が、無水フタル
    酸エステル又は分岐脂肪族二価アルコールエステルであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性エラスト
    マー組成物。
  3. 【請求項3】 (b)分岐脂肪族二価アルコールエステ
    ルが、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ
    ールジイソブチレートであることを特徴とする請求項2
    に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 (d)末端に水酸基を有する液状ポリブ
    タジエン1〜80重量部を更に含有することを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラス
    トマー組成物。
  5. 【請求項5】 (e)不飽和グリシジル化合物又はその
    誘導体1〜20重量部を更に含有することを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性エラスト
    マー組成物。
  6. 【請求項6】 (f)不飽和カルボン酸又はその誘導体
    1〜20重量部を更に含有することを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組
    成物。
  7. 【請求項7】 (g)非晶質性ポリオレフィン1〜15
    0重量部を更に含有することを特徴とする請求項1〜6
    のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  8. 【請求項8】 (h)パ−オキサイド分解型オレフィン
    系樹脂1〜200重量部を更に含有することを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性エラス
    トマー組成物。
  9. 【請求項9】 (i)無機充填剤1〜200重量部を更
    に含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1
    項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  10. 【請求項10】 (j)非芳香族系ゴム用軟化剤10〜
    200重量部を更に含有することを特徴とする請求項1
    〜9のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成
    物。
  11. 【請求項11】 (k)エステル系架橋助剤3〜50重
    量部を更に含有することを特徴とする請求項1〜10の
    いずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の熱可塑性エラストマー組成物100重量部と極性基を
    有する樹脂10〜1500重量部とを含有することを特
    徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 極性基を有する樹脂が、アイオノマ
    ー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、鹸化エチレン−酢
    酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリアミド系熱可塑性
    エラストマー、ポリエステル、ポリエステル系熱可塑性
    エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ニト
    リル−ブタジエンゴムからなる群から選ばれる少なくと
    も一種の樹脂であることを特徴とする請求項12に記載
    の熱可塑性樹脂組成物。
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