JP4652349B2 - 複合成形体 - Google Patents
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Description
熱可塑性樹脂組成物:
(a)芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体の共役ジエンブロックを水素添加して得られる水添ブロック共重合体及び/又は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体とからなるエラストマー100重量部に対して、
(b)ゴム用軟化剤5〜300重量部、
(c)有機過酸化物0.01〜3重量部、及び
(d)水酸基、イソシアネート基、カルボキシ基、エポキシ基、アクリロイル基、アミノ基およびメルカプト基から選択された官能基を有する、ジエンから誘導される繰り返し単位を含む(共)重合体1〜80重量部
を含有する組成物を溶融混練して得られる熱可塑性エラストマー組成物100重量部と、
ポリアセタール樹脂10〜1500重量部とを含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(1)エラストマー(a)
本発明における熱可塑性エラストマー組成物で用いるエラストマー(a)成分は、スチレン系のブロック共重合体及び/又はその水添ブロック共重合体である
高水添率水添ブロック共重合体(a−1)成分は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体の共役ジエンブロックにおける共役ジエンに由来する脂肪族二重結合部分を90%以上水素化した高水添率水素化物である。例えば、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A等の構造を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の共役ジエンブロックを水添率90%以上水添して得られる水添ブロック共重合体を挙げることができる。
数平均分子量(Mn)が前記下限値未満であると、耐熱性、耐傷付き性、耐油性が低下する。一方、上限値を超えると、流動性が悪くなり、射出成形ではショートショット、フローマークなどの外観不良が成形品に発生する。また、押出成形では、肌荒れ、目脂などの発生が顕著になる。なお、本発明における分子量はGPCにより、分子量が既知であるポリスチレンを基準として求めた値である。
従って、該値は相対的な値であり、絶対値ではなく、更に、基準サンプル、装置、データ処理方法等GPCの各条件により±30%程度のばらつきが有り得る。
エラストマー(a)で用いる低水添率水添ブロック共重合体(a−2)成分は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体の共役ジエンブロックの共役ジエンに由来する脂肪族二重結合部分を90%未満水素化した低水添率水素化物である。例えば、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A等の構造を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体の共役ジエンブロックを水素率90%未満水添して得られる水添ブロック共重合体を挙げることができる。ここで、重合体ブロックAは、40重量%以下が好ましい。
本発明における熱可塑性エラストマー組成物に用いるゴム用軟化剤(b)成分は、非芳香族系ゴム用軟化剤成分でも芳香族系ゴム用軟化剤成分でもかまわず、また、エステル系可塑剤も使用できるが、特に、非芳香族系の鉱物油、エステル系可塑剤が好ましい。
非芳香族系の鉱物油軟化剤としては、パラフィン鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占めるパラフィン系の軟化剤が挙げられる。
本発明における熱可塑性エラストマー組成物で用いる有機過酸化物成分(c)は、ラジカルを発生せしめ、そのラジカルを連鎖的に反応させて、成分(a)および、又は必要に応じて配合する成分(i)を架橋せしめる働きをする。また、同時に、必要に応じて配合する成分(e)〜(g)を成分(a)および、又は成分(i)にグラフト重合させ、極性基含有樹脂との相溶性を向上させる働きをする。さらに、必要に応じて配合する成分(h)を分解又は架橋して溶融混練時の組成物の流動性をコントロールしてゴム成分の分散を良好にせしめる。
本発明における熱可塑性エラストマー組成物に用いる官能基を有する、ジエンから誘導される繰り返し単位を含む(共)重合体(d)成分は、エラストマー組成物を溶融処理する際に、主として(a)成分等に有機過酸化物の存在下にグラフト重合し、エラストマー組成物中の低分子量物のブリードアウトの抑制効果を発揮すると同時に極性基含有樹脂との相溶性を向上させる。
本発明における成分(d)の官能基としては、水酸基、イソシアネート基、カルボキシ基、エポキシ基、アクリロイル基、アミノ基、メルカプト基が挙げられ、特に水酸基が好ましい。ジエンから誘導される繰り返し単位を含む(共)重合体としては、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、液状スチレン−ブタジエン共重合体、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、液状ポリクロロプレンが挙げられ、特に液状ポリブタジエンが好ましい。また、上記化合物の水素添加物も使用できる。
官能基を有する、ジエンから誘導される繰り返し単位を含む(共)重合体、及び/又は、その水素添加物としては、例えば、末端に水酸基を有するポリブタジエンとして、商品名:R−45HT(商標)(出光石油化学株式会社)、末端に水酸基を有するポリブタジエンの水素添加化合物として、商品名:ポリテールH(商標)(三菱化学株式会社)が挙げられ、その中でも末端に水酸基を有するポリブタジエンが好ましい。
また、液状ポリブタジエンの数平均分子量は、1,000〜5,000が好ましく、更に好ましくは2,000〜4,000である。数平均分子量が1,000未満では、得られる熱可塑性エラストマー組成物の耐熱変形性が低下し、5,000を超えると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の相溶性が低下する。
配合量が1重量部未満では熱可塑性エラストマー組成物は、柔軟性や成形性が改良されない。アロイ化物においては、相溶性の低下により剥離や変形及びフローマークが成形品に生じやすくなる。
本発明における熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じて、不飽和グリシジル化合物又はその誘導体成分(e)を配合することができる。成分(e)は、変性剤として使用されるものであり、好ましくは分子中にオレフィンと共重合し得る不飽和基とグリシジル基とを有するグリシジル化合物が用いられ、特に好ましくはグリシジルメタクリレート(GMA)が使用される。該変性剤により、エラストマー成分(a)における水添ブロック共重合体のソフト成分、共重合体ゴム成分、さらには、必要に応じて配合されるパーオキシド架橋型オレフィン系樹脂等の成分が変性され、極性基を有する樹脂との相溶性が向上する。
本発明における熱可塑性エラストマー組成物においては、必要に応じて、不飽和カルボン酸又はその誘導体成分(f)を配合することができる。成分(f)は、変性剤として使用されるものであり、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ジカルボン酸又はその誘導体、例えば、酸、ハライド、アミド、イミド、無水物、エステル誘導体等が挙げられる。特に好ましくは無水マレイン酸(MAH)が用いられる。該変性剤により、成分(a)及び必要に応じて配合される成分(h)のパーオキシド分解型オレフィン系樹脂、好ましくはポリプロピレン等又は必要に応じて配合する(i)成分が変性され、極性基を有する樹脂との相溶性を向上させる。
本発明における熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じて、エステル系架橋助剤成分(g)を用いることができる。成分(g)は、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の上記の(c)有機過酸化物による架橋処理に際して配合することができ、これにより均一、かつ、効率的な架橋反応を行うことができる。また、多量に配合することにより、非芳香族系ゴム用軟化剤、特に、低分子量パラフィン系オイル等を適度に架橋し、熱可塑性エラストマー組成物及びアロイ化物からのブリードアウトを抑制することができる。
本発明における熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じて、パーオキシド分解型オレフィン系樹脂成分(h)を配合することができる。成分(h)は、得られる熱可塑性エラストマー組成物のゴム分散を良好にし、かつ成形品の外観を良好にすると共に、硬度及び収縮率の調整に効果を有するものである。該成分は、パーオキシドの存在下に加熱処理することによって熱分解して分子量を減じ、溶融時の流動性が増大するオレフィン系の重合体又は共重合体であり、例えば、アイソタクチックポリプロピレンやプロピレンと他のα−オレフィン、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどとの共重合体を挙げることができる。
本発明における熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じて、オレフィン系共重合体ゴム成分(i)を配合することができる。成分(i)は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等のα−オレフィンが共重合してなるエラストマーあるいはこれらと非共役ジエンとが共重合してなるオレフィン系共重合体ゴムが挙げられる。
本発明における熱可塑性エラストマー組成物には、必要に応じて、無機充填剤成分(j)を配合することができる。成分(j)は、熱可塑性エラストマー組成物から得られる成形品の圧縮永久歪みなど一部の物性を改良する効果のほかに、増量による経済上の利点を有する。成分(j)としては、ウォラストナイト、緑泥石、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、珪藻土、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、マイカ、クレー、酸化チタン、カーボンブラック、ガラス繊維、中空ガラスバルーン、炭素繊維、チタン酸カルシウム繊維、天然けい酸、合成けい酸(ホワイトカーボン)等が挙げられる。これらのうち、炭酸カルシウム、ウォラストナイト、緑泥石、タルクが特に好ましい。
なお、本発明における熱可塑性エラストマー組成物は、上記の成分の他に、さらに必要に応じて、各種のブロッキング防止剤、シール性改良剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶核剤、着色剤等を含有することも可能である。ここで、酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−p−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、4,4−ジヒドロキシジフェニル、トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン等のフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。このうちフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤が特に好ましい。酸化防止剤は、上記の成分(a)〜(i)の合計100重量部に対して、0〜3.0重量部が好ましく、特に好ましくは0.1〜1.0重量部である。
例えば、鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体(鹸化EVA)、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)等が挙げられる。鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体(鹸化EVA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を含有する場合の配合量は、成分(a)100重量部に対し、0.1〜100重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜50重量部である。
本発明における熱可塑性エラストマー組成物は、上記成分(a)〜(d)、又は必要に応じて成分(e)〜(j)等を加えて、各成分を同時にあるいは任意の順に加えて溶融混練することにより製造することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記で得られた熱可塑性エラストマー組成物とポリアセタール樹脂(以下、POMということがある)とを含有する組成物である。また、必要に応じて、さらに、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(以下、COPEということがある)を含有する組成物である。本発明で用いる熱可塑性エラストマー組成物は、極性基を有する樹脂との相溶性が良好で、極性基を有する樹脂の柔軟性、押出成形性、射出成形性等を耐熱性の低下、耐油性の低下及び低分子量物のブリードを伴わないで樹脂組成物を形成することができる。
また、オキシメチレン基以外の他の単位との共重合においては、コポリマー、ターポリマー、ブロックコポリマーのいずれでもよく、又、線状のみならず分岐、架橋構造を有するものであってもよく、さらに、その末端も特に限定されず、その重合度、分岐、架橋度に関しても特に制限はなく、溶融成形加工性を有するものであればよい。さらに、側鎖にニトリル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、アミド基等の官能基を有する変性ポリアセタール共重合体等であってもよい。また、環状エーテルや環状ホルマール由来の構造を含んでいても良い。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、上記の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法と同様の方法で製造することができる。すなわち、熱可塑性エラストマー組成物とPOM、必要に応じてCOPE、更に上記の熱可塑性エラストマー組成物で用いた酸化防止剤等の任意成分を加えて溶融混練することにより製造することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物であるアロイ化物は、柔軟性に富み、耐熱変形性、成形加工性に優れ、特に耐油性、耐磨耗性、高温での機械的特性に優れているため、電線・電気部品、工業機械部品、医療機器部品、食品関連部品、自動車部品、建材等の成形加工に使用することができる。
さらに、本発明で用いる熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(COPE)を10〜1000重量部配合した組成物は、POMとの熱融着性に優れ、種々の複合成形体を形成することができる。
複合成形体の具体的な製品としては、例えば、シフトノブグリップ、ドアグリップ、電動ノコグリップ等が挙げられる。
(1)共役ジエンブロック部分の水素添加率の測定:試料をNMRサンプル管(5mmφ)に採取し、重水素化クロロホルムを添加後、充分に溶解し、核磁気共鳴装置(NMR)日本電子製GSX−400型を用い常温、400MHz、3029回の積算にて1H−NMR測定を行った。
(2)比重:JIS K 7112に準拠し、試験片はゲル状または固体サンプルを用いて測定を行った。
(3)硬度:JIS K 6253に準拠し、デュロメータ硬さ・タイプA(表中 数字の後に「A」と表記)、タイプD(表中、数字の後に「D」と表記)にて測定した。試験片は6.3mm厚プレスシートを用いた。
(4)引張強さ:JIS K 6251に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、3号ダンベル型試験片に打ち抜いて使用した。引張速度は500mm/分とした。(室温及び100℃で測定)
(5)100%伸び応力:JIS K 6251に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、3号ダンベル型試験片に打ち抜いて使用した。引張速度は500mm/分とした。
(6)破断伸び:JIS K 6251に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、3号ダンベル型試験片に打ち抜いて使用した。引張速度は500mm/分とした。
(7)体積変化率:JIS K 6258に準拠し、試験片は1mm厚プレスシートを、3号ダンベル型試験片に打ち抜いて使用した。IRM#903号油を使用し、120℃×72時間の重量変化を測定した。
(8)射出成形性:型締め圧120トンの射出成形機を用い、成形温度220℃、金型温度40℃、射出速度55mm/秒、射出圧力600kg/cm2、保圧圧力400kg/cm2、射出時間6秒、冷却時間45秒で13.5×13.5×2mmのシートを成形した。デラミネーション、表層剥離、変形及び著しく外観を悪化させるようなフローマークの有無を目視により判断し、次の基準で評価した。
○:良い
×:悪い
(9)押出成形性:50mm×1mmのシートを押出成形し、ドローダウン性、表面外観や形状を観察し、次の基準で評価した。
○:良い
×:悪い
(10)耐ブリード性:折り曲げてクリップで固定した押出シートを室温と110℃の雰囲気で168時間放置し、低分子量物のブリード及びブルーミングの有無を目視により観察し、次の基準で評価した。
○:良い
×:悪い
図1〜3において、長さ150mm、巾25mm、厚さ4mmのポリアセタール樹脂(POM)製樹脂板3を下記の射出条件で射出成形にて作成した。樹脂板作成に使用した樹脂は次のとおりである。(樹脂板の射出条件は、使用した樹脂メーカーの推奨射出条件に準拠した。)
射出成形機:日精樹脂工業社製FS−120
成形温度:200〜260℃
金型温度:20〜50℃
射出速度:40〜90mm/秒
射出圧力:1000〜1700kg/cm2
保圧圧力:400〜600kg/cm2
射出時間:4〜10秒
冷却時間:30〜60秒
成形温度:200℃、又は、240℃
射出温度:40℃
射出速度:55mm/秒
射出圧力:1400kg/cm2
保圧圧力:0kg/cm2
射出時間:6秒
冷却時間:45秒
(1)高水添率水添ブロック共重合体成分(a−1):セプトン4077(SEPS;クラレ株式会社製)、スチレン含有量:30重量%、数平均分子量:260,000、重量平均分子量:320,000、分子量分布:1.23、水素添加率:90%以上
(2)低水添率水添ブロック共重合体成分(a−2):タフテックPシリーズJT90C(SBBS;旭化成株式会社製)、スチレン含有量;30重量%、数平均分子量;99,000、重量平均分子量;110,000、分子量分布;1.11、ブタジエンブロックの水素添加率:75.1%、(1,2−ブタジエンの水素添加率92.7%、1,4−ブタジエンの水素添加率61.0%)
(3)ゴム用軟化剤成分(b):PW90(商標;出光石油化学株式会社製)、数平均分子量980
(4)有機過酸化物成分(c):パーヘキサTMH(1,1−ビス(t―ヘキシルパーオキシ)―3,3,5―トリメチルシクロヘキサン;日本油脂株式会社製)
(5)官能基を有する、ジエンから誘導される繰り返し単位を含む(共)重合体成分(d):末端水酸基含有液状ポリブタジエンR−45HT(出光石油化学株式会社製)、官能基として水酸基(0.83mol/kg)と共重合反応性不飽和二重結合(1,4結合:80%)を含有、数平均分子量2800
(6)不飽和グリシジル化合物成分(e):グリシジルメタクリレート(GMA)(日本油脂株式会社製)
(7)不飽和カルボン酸成分(f):無水マレイン酸(MAH)(日本油脂株式会社製)
(8)エステル系架橋助剤成分(g):TMPT(Trimethylol Propane Trimethacrylate;新中村化学株式会社製)分子量:338、
(9)パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂成分(h):PP−BC8(ポリプロピレン(PP);日本ポリケム株式会社製)、結晶化度;Tm166℃、△Hm;82mJ/mg、MFR;1.8g/10分
(10)エチレン−ブテン共重合体ゴム成分(i):エスプレンN0441(EBR;住友化学工業株式会社製)
(11)炭酸カルシウム成分(j):NS400(三共精粉株式会社製)
(12)ヒンダードフェノール/フォスファイト/ラクトン系複合酸化防止剤成分(k):HP2215(チバスペシャリティケミカルズ製)
(13)ポリアセタール樹脂(POM):ジュラコンM−90(ポリプラスチックス株式会社製)比重:1.41、曲げ弾性率:2650MPa
(14)ポリエステル系熱可塑性エラストマー(COPE):ハイトレル4056(東レ・デュポン株式会社製)、比重:1.15、曲げ弾性率:63MPa
表1に示す量の各成分を用い、L/Dが47の二軸押出機に投入して、混練温度180℃、スクリュー回転数350rpmで溶融混練をして、熱可塑性エラストマー組成物(E−1〜E−10)を得、ペレット化した。次に、得られたペレットを射出成形して試験片を作成し、夫々の試験に供した。評価結果を表1に示す。
E−7及びE−8は、成分(c)の配合量を本発明の範囲外にしたものである。成分(c)が少な過ぎると、架橋を十分に達成できず、得られる熱可塑性エラストマー組成物の製造性やペレット形状が悪化する。成分(c)が多過ぎても機械特性が低下し、得られる熱可塑性エラストマー組成物の成形加工性やペレット形状が悪くなる。
E−9及びE−10は、成分(d)の配合量を本発明の範囲外にしたものである。成分(d)が少な過ぎると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の製造性が悪化する。成分(d)が多過ぎると、得られる熱可塑性エラストマー組成物から軟化剤がブリードアウトしやすく、剥離や変形及びフローマークが成形品に生じ易くなる。さらに、加工時の発生ガスが顕著になる。
表1の熱可塑性エラストマー組成物(E−1〜E−4)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(COPE)を表2に示す割合でブレンドし、L/Dが47の二軸押出機に投入して、混練温度220℃、スクリュー回転数350rpmで溶融混練をして、熱可塑性樹脂組成物を得、ペレット化した。次に、得られたペレットを射出成形して試験片を作成し、夫々の試験に供した。評価結果を表2に示す。
POM単独の場合及びCOPE単独の場合について、実施例と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
熱可塑性エラストマーとして、E−4〜E−10を用いる以外は、実施例2と同様にして、熱可塑性樹脂組成物を得、その評価を行った。その結果を表2に示す。
一方、本発明の範囲外の熱可塑性エラストマー組成物(E−5〜E−10)は、POM、COPEとの相溶性に劣り、それを用いたPOM、COPEとの熱可塑性樹脂組成物は、成形性又は耐ブリード性が悪化し、POMとの熱融着性に劣った(比較例3〜8)。
2 熱可塑性エラストマー組成物製板
3 ポリアセタール樹脂製板
4 紙
A 熱融着部分
Claims (10)
- 下記熱可塑性樹脂組成物からなる成形体と、ポリアセタール樹脂からなる成形体とを熱融着して得られる複合成形体。
熱可塑性樹脂組成物:
(a)芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体の共役ジエンブロックを水素添加して得られる水添ブロック共重合体及び/又は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体とからなるエラストマー100重量部に対して、
(b)ゴム用軟化剤5〜300重量部、
(c)有機過酸化物0.01〜3重量部、及び
(d)水酸基、イソシアネート基、カルボキシ基、エポキシ基、アクリロイル基、アミノ基およびメルカプト基から選択された官能基を有する、ジエンから誘導される繰り返し単位を含む(共)重合体1〜80重量部
を含有する組成物を溶融混練して得られる熱可塑性エラストマー組成物100重量部と、
ポリアセタール樹脂10〜1500重量部とを含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 - (a)が、(a−1)芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体の共役ジエンブロックを90%以上水素添加して得られる水添ブロック共重合体5〜95重量%と(a−2)芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体の共役ジエンブロックを90%未満水素添加して得られる水添ブロック共重合体95〜5重量%からなる混合物であることを特徴とする請求項1に記載の複合成形体。
- (a−1)水添ブロック共重合体のポリスチレン換算の数平均分子量が30,000〜500,000の範囲であり、(a−2)水添ブロック共重合体のポリスチレン換算の数平均分子量が10,000〜500,000の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の複合成形体。
- 熱可塑性エラストマー組成物が、さらに、(a)成分100重量部に対して、(e)不飽和グリシジル化合物又はその誘導体1〜20重量部を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合成形体。
- 熱可塑性エラストマー組成物が、さらに、(a)成分100重量部に対して、(f)不飽和カルボン酸又はその誘導体1〜20重量部を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合成形体。
- 熱可塑性エラストマー組成物が、さらに、(a)成分100重量部に対して、(g)エステル系架橋助剤0.02〜10重量部を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合成形体。
- 熱可塑性エラストマー組成物が、さらに、(a)成分100重量部に対して、(h)パ−オキサイド分解型オレフィン系樹脂1〜200重量部を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合成形体。
- 熱可塑性エラストマー組成物が、さらに、(a)成分100重量部に対して、(i)オレフィン系共重合体ゴム1〜200重量部を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合成形体。
- 熱可塑性エラストマー組成物が、さらに、(a)成分100重量部に対して、(j)無機充填剤1〜200重量部を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の複合成形体。
- 熱可塑性樹脂組成物が、さらに、熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対し、ポリエステル系熱可塑性エラストマー10〜1000重量部を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合成形体。
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JP2007015438A JP4652349B2 (ja) | 2007-01-25 | 2007-01-25 | 複合成形体 |
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