JPH0641383U - 渦電流式減速装置 - Google Patents

渦電流式減速装置

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JPH0641383U
JPH0641383U JP8153392U JP8153392U JPH0641383U JP H0641383 U JPH0641383 U JP H0641383U JP 8153392 U JP8153392 U JP 8153392U JP 8153392 U JP8153392 U JP 8153392U JP H0641383 U JPH0641383 U JP H0641383U
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braking
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徹 桑原
雅幸 佐野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁石からの磁束を無駄なく通過させ、かつ丸
みをもつた磁束として制動ドラムへ伝達し、制動ドラム
の内部に流れる渦電流の抵抗を低減し、制動能力を高め
る。 【構成】 制動ドラム7の内部に断面長方形の内空部を
有する非磁性体からなる固定筒10を配設する。固定筒
10の制動ドラム7と対向する外周壁に周方向等間隔に
多数の強磁性板15を結合する。固定筒10の内部に支
持した磁性体からなる磁石支持筒14に、各強磁性板1
5に対向する磁石14aを結合する。磁石14aが強磁
性板15に全面的に重なる位置と重ならない位置とに磁
石支持筒14を駆動して制動と非制動の切換えを行う。
強磁性板15の磁石14aと対向する内面15bを、磁
石14aと同形の長方形にし、制動ドラム7の内周面と
対向する外面15aの角隅部20を切除し、周縁21,
22に丸みを付ける。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は大型車両などの摩擦ブレーキを補助する渦電流式減速装置、特にブロ ツク(直方体)状の磁石(ここでは永久磁石をいう)からの磁束を、強磁性板で 丸みをもつ磁束に変換して制動ドラムへ伝達し、渦電流が制動ドラムに流れやす くした渦電流式減速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特願平1-218498号公報などに開示される渦電流式減速装置は、磁石支持筒の外 周面に多数の磁石を周方向等間隔かつ外端の極性が周方向交互に異なるように結 合し、制動ドラムの内部へ突出する固定筒に、磁石支持筒を軸方向移動可能に支 持してなり、制動時、アクチユエータにより磁石支持筒を制動ドラムの内部へ突 出すると、固定筒の外周壁に配設した強磁性板を経て、磁石支持筒の磁石が制動 ドラムの内周面に対向接近し、回転する制動ドラムが磁石からの磁界を横切る時 、制動ドラムは渦電流に基づく制動トルクを受ける。非制動時、磁石支持筒を制 動ドラムの内部から引き出すと、磁石は制動ドラムに磁界を及ぼさなくなり、制 動ドラムは制動トルクを受けない。
【0003】 ところで、磁石からの磁束が磁石と同形の強磁性板を経て制動ドラムの内周面 へ達する時、磁束は強磁性板の中心部よりも周縁部に集束する性質を有するので 、図7に示すように、強磁性板15がブロツク(直方体)状のものであると、磁 束も強磁性板15の外形と同じ断面長方形に束ねられたものになる。断面長方形 に束ねられた磁界が制動ドラムへ到達すると、制動ドラムの内部に流れる渦電流 も長方形の流路zを描くことになり、角隅部aのところで渦電流の流れが悪くな り、結果的に制動ドラムに発生する制動トルクが減殺される。
【0004】 そこで、鎖線で示す強磁性板15Aのように、磁石の端面よりも狭い円形また は長円形とすれば、強磁性板15Aは磁石の全面を覆えなくなり、磁束洩れが生 じる。また、鎖線で示す強磁性板15Bのように、磁石を覆う円形または長円形 とすれば、制動ドラムにおける渦電流の流れは改善されるが、強磁性板相互の周 方向間隙tが縮小され、磁束の短絡損失が生じる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の目的は上述の問題に鑑み、磁石からの磁束を無駄なく通過させ、かつ 丸みをもつた磁束として制動ドラムへ伝達し、制動ドラムの内部に流れる渦電流 の抵抗を低減し、制動能力を高める、渦電流式減速装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案の構成は制動ドラムの内部に断面長方形の 内空部を有する非磁性体からなる固定筒を配設し、固定筒の制動ドラムと対向す る外周壁に周方向等間隔に多数の強磁性板を結合し、固定筒の内部に支持した磁 性体からなる可動の磁石支持筒に、各強磁性板に対向するブロツク状の磁石を結 合し、磁石が強磁性板に全面的に重なる位置と重ならない位置とに磁石支持筒を 駆動して制動と非制動の切換えを行う渦電流式減速装置において、前記強磁性板 は磁石と対向する内面を磁石と同形の長方形にし、制動ドラムの内周面と対向す る外面の少なくとも前端の2角隅部を切除し、外面の前端側周縁に丸みを付けた ものである。
【0007】
【作用】
各強磁性板の磁石と対向する内面は、磁石の外形と一致する長方形をなすので 、磁石からの磁界を洩れなく誘引する。
【0008】 一方、強磁性板の制動ドラムの内周面に対向する外面の前端縁は角のない丸み をもつから、強磁性板を経て制動ドラムへ到達する磁束の前半部は丸みをもつも のになり、制動ドラムの内部を流れる渦電流の抵抗が減じ、渦電流の強さが大に なり、それだけ制動力が増大する。
【0009】
【実施例】
図1は本考案に係る渦電流式減速装置の側面断面図、図2は同渦電流式減速装 置の正面断面図である。渦電流式減速装置は例えば車両用変速機の後端部に配設 されるもので、変速機の出力回転軸1に結合される制動ドラム7と、断面長方形 の内空部を有する固定筒10と、固定筒10の内空部にあつて制動ドラム7の内 部へ突出可能の磁石支持筒14とからなる。変速機の出力回転軸1の端部に取付 フランジ2がスプライン嵌合され、かつ外れないようにナツト1aにより締結さ れる。取付フランジ2は周知の駐車ブレーキの制動ドラム3と、減速装置の制動 ドラム7のボス部5とを重ね合され、複数のボルト4とナツトにより結合される 。ボス部5から放射状に延びる多数のスポーク6の外端部に、導体である制動ド ラム7の端縁部が結合される。制動ドラム7は外周面に多数の冷却フイン8を備 えられる。
【0010】 固定筒10の外端壁に、複数(好ましくは3個)のアクチユエータAが周方向 等間隔に支持される。アクチユエータAはシリンダ16に嵌合したピストン17 から延びるロツド18の端部を、磁石支持筒14に結合される。固定筒10は好 ましくは磁性体からなる断面C字形をなす環状の枠部分10aと、非磁性体から なる断面逆L字形の枠部分10bとを多数のボルトにより結合して構成される。 制動ドラム7の内部へ突出する枠部分10bは、外周壁に周方向等間隔に設けた 多数の開口9に、各磁石14aに対応する強磁性板(ポールピース)15を結合 される。
【0011】 磁性体からなる磁石支持筒14は、固定筒10の断面長方形の内空部、具体的 には固定筒10の内周壁に摺動可能かつ回動不能に外嵌される。磁石支持筒14 の外周面は、各強磁性板15と対向しかつ極性が周方向に1つずつ(2つずつで もよい)交互に異なるよう、多数の磁石14aを結合される。
【0012】 図3〜5に示すように、本考案によれば、各強磁性板15の内面15bは磁石 と同形の長方形をなし、制動ドラム7と対向する外面15aはループ状、つまり 角のない丸みをもつ周縁21,22で囲まれる。具体的には、ブロツク(直方体 )状をなす強磁性板15の外面15aの角隅部20を、切除面22aで示すよう に除去し、外面15aの周縁21,22に丸みを設ける。
【0013】 次に、本考案による渦電流式減速装置の作動について説明する。制動時、図示 してない流体源の加圧流体がアクチユエータAの左端室へ供給されると、ピスト ン17とロツド18により、磁石支持筒14が図1に示すように制動ドラム7の 内部へ突出される。磁石14aが強磁性板15を経て制動ドラム7の内周面へ磁 界を及ぼす。この時、磁石14aと強磁性板15を挟んで、制動ドラム7と磁石 支持筒14の間に磁気回路yが生じる。回転する制動ドラム7が磁石14aから の磁界ないし磁束を横切る時、制動ドラム7は渦電流に基づく制動トルクを発生 する。
【0014】 強磁性板15の磁石14aと対向する内面15aは、磁石14aの外形と一致 する長方形をなすので、磁石14aからの磁束を洩れなく誘引する。一方、強磁 性板15の制動ドラム7の内周面と対向する外面15bは、角のない丸みをもつ ループで囲まれるから、強磁性板15を経て制動ドラム7へ到達する磁束は丸み をもつもの(包絡断面がループ状のもの)になり、制動ドラム7の内部を流れる 渦電流の抵抗が減じ、渦電流の強さが大になり、それだけ制動力が増大する。
【0015】 非制動時、アクチユエータAの流体圧回路が切り換わり、磁石支持筒14は制 動ドラム7から引退し、磁石14aは制動ドラム7の内周面へ磁界を及ぼさなく なる。
【0016】 図6に示す実施例では、磁石支持輪14の回転方向xに関して、強磁性板15 の前端の角隅部を切除して外面15aの前端縁だけに丸みをもつ周縁21を形成 し、後端縁は切除しないで角隅のままとする。
【0017】 制動ドラム7の回転に対して、磁石14aから強磁性板15を経て制動ドラム 7へ到達する磁束は、制動ドラム7の回転方向xと反対方向へ流れる(湾曲する )ので、強磁性板15の後端縁では磁束に丸みをもたせないで、磁束が湾曲して も効果的に制動ドラム7へ到達するようにし、制動能力を高める。
【0018】 なお、上述の実施例では、磁石支持筒が制動ドラムに対し突出・引退し、制動 状態と非制動状態を切り換える形式の渦電流式減速装置について述べたが、本考 案はこれに限定されるものではなく、磁石支持筒が正逆回動し、非制動状態と制 動状態を切り換える形式の渦電流式減速装置(特願平1-218498号公報参照)にも 適用できる。
【0019】
【考案の効果】
本考案は上述のように、強磁性板の磁石と対向する内面は磁石と同形の長方形 とし、制動ドラムの内周面と対向する外面は少なくとも前端の2角隅部を切除し て、外面の前端側周縁に丸みを付けたものであり、制動時、強磁性板の内面は磁 石と全面的に重なり、磁石からの磁束を洩れなく誘引する。一方、強磁性板の外 面の前端縁は丸みをもつから、強磁性板を経て制動ドラムへ到達する磁束が丸み をもつものになり、制動ドラムの内部を流れる渦電流の抵抗が減じ、渦電流の強 さが大になり、それだけ制動力が増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る渦電流式減速装置の側面断面図で
ある。
【図2】同渦電流式減速装置の正面断面図である。
【図3】同渦電流式減速装置の強磁性板の斜視図であ
る。
【図4】同強磁性板についての図5の線V−Vによる正
面断面図である。
【図5】同強磁性板の平面図である。
【図6】同強磁性板の変更実施例を示す正面断面図であ
る。
【図7】強磁性板の望ましい形状を説明するために、強
磁性板を配列方向に展開して示す平面図である。
【符号の説明】
1:回転軸 7:制動ドラム 10:固定筒 14:磁
石支持筒 14a:磁石 15:強磁性板 15a:外面 15b:内面 20:
角隅部 21,22:周縁 21a,22a:切除面

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】制動ドラムの内部に断面長方形の内空部を
    有する非磁性体からなる固定筒を配設し、固定筒の制動
    ドラムと対向する外周壁に周方向等間隔に多数の強磁性
    板を結合し、固定筒の内部に支持した磁性体からなる可
    動の磁石支持筒に、各強磁性板に対向するブロツク状の
    磁石を結合し、磁石が強磁性板に全面的に重なる位置と
    重ならない位置とに磁石支持筒を駆動して制動と非制動
    の切換えを行う渦電流式減速装置において、前記強磁性
    板は磁石と対向する内面を磁石と同形の長方形にし、制
    動ドラムの内周面と対向する外面の少なくとも前端の2
    角隅部を切除し、外面の前端側周縁に丸みを付けたこと
    を特徴とする渦電流式減速装置。
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JP2005312231A (ja) * 2004-04-23 2005-11-04 Isuzu Motors Ltd 渦電流式減速装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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