JPH0640812A - 安定な水中防汚剤 - Google Patents

安定な水中防汚剤

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JPH0640812A
JPH0640812A JP19564292A JP19564292A JPH0640812A JP H0640812 A JPH0640812 A JP H0640812A JP 19564292 A JP19564292 A JP 19564292A JP 19564292 A JP19564292 A JP 19564292A JP H0640812 A JPH0640812 A JP H0640812A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I): 【化1】 で表される高級脂肪族アミンのスルホン酸塩を有効成分
とするか、或いは上記式(I)の化合物に、N−フェニ
ルマレイミド化合物、3−イソチアゾロン化合物もしく
はその金属コンプレックス及びテトラアルキルチウラム
系化合物から選ばれた防汚有効成分の少くとも1種を配
合する水中防汚剤。 【効果】 水中、特に海中の付着生物が漁網、船底、海
水取水水路壁等に付着するのを長期間防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、付着生物、特に海中の
付着生物が漁網、船底、海水取水路壁等に付着するのを
長期間にわたって防止するための安定な水中防汚剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、養殖漁業や海洋施設の建設が盛ん
になり、付着生物の棲息域が拡大の一途をたどってい
る。このため、船舶の底部や水中構築物,養殖網,ブイ
あるいは定置網等は、海水中で長期間保持されるため、
フジツボやカサネカンザシ,ムラサキイガイ等の付着生
物が多く付着し、これらによって種々の障害を引き起こ
している。
【0003】従来より、漁網、船底、海水取水路などに
付着生物が付着しこれによる悪影響を生じるのを防ぐた
め、付着生物の付着を抑制する防汚剤が種々提案され、
実際にも使用されている。たとえば、有機スズ化合物、
有機又は無機の銅系化合物や有機塩素系化合物等の防汚
有効成分と特定のアクリル酸系ポリマーを含有する防汚
剤が提案されている。しかし、これらの防汚有効成分
は、海洋汚染の問題が生じるほど毒性が強く、生体に蓄
積する性質を持っている。このため、特に養殖業におい
て食用の養殖生物を扱う場合には、人体への影響が危惧
されるとともに、防汚剤を直接取り扱う作業者への影響
も危惧される。
【0004】安全性を高めるために、上記毒物の代わり
にポリイソシアナート化合物やカルボキシル基とキレー
ト化できる金属化合物を用いた防汚剤が提案されてい
る。しかし、これら安全性の高い防汚剤は、やはり長期
にわたっての防汚効果が十分とは言えなかった。そこ
で、安全性が高く、しかも、長期間にわたり防汚効果が
持続する防汚剤が望まれている。
【0005】この発明の出願人は、先に、低毒性であり
生分解性の良好な特定の高級脂肪族アミン化合物が優れ
た防汚効果を有することを見いだし、このアミン化合物
と特定のカルボキシル基含有共重合体とからなる膜形成
剤とを含有してなる持続性水中防汚剤をすでに提案して
いる(特開平1−103672号、特開平3−2524
62号及び特開平3−252463号公報参照)。
【0006】また、本発明において併用するN−フェニ
ルマレイミド化合物は、水中付着生物に対して有効であ
ることが、特開昭63−33304号公報,特開昭64
−90105号公報に記載されている。また、同様に3
−イソチアゾロン化合物の防汚性能についても特開昭5
3−12937,特開昭63−230607号公報に記
載されており公知である。なお、テトラアルキルチウラ
ム系化合物と高級脂肪族アミンとの併用は、特開平2−
40308号公報に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高級脂肪族ア
ミン化合物とカルボキシル含有重合体との反応生成物に
よる防汚剤では、ポリカルボン酸系共重合体がアミン化
合物を固定化する力が弱いためアミン化合物の溶出量を
充分に調節できず、漁網、船底、海水取水路などに塗布
することにより長期間海洋に浸漬した場合、浸漬直後の
アミン化合物の溶出量が大となり、時間の経過とともに
溶出量が減少する傾向にあった。このため、付着生物が
少ない海域においてはかなりの期間防汚効果を持続する
ものの、高温水域や付着生物が多い海域においての長期
間(たとえば6ヶ月)の防汚効果は、まだ充分満足でき
るものではなかった。その上より広範囲の生物スペクト
ラムを持たせるために、N−フェニルマレイミド化合
物,3−イソチアゾロン誘導体,テトラアルキルチウラ
ム系化合物等の公知の防汚成分と高級脂肪族アミン化合
物との配合を検討したが、両者を有機溶媒中で混合する
と反応してゲル化したり、結晶物が析出したり、また有
害なガスを発生させたりして、製品の長期保存性が悪
く、その上防汚効力も著しく低下した。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の発明者らは、
この観点より、高級脂肪族アミン化合物の防汚持続性向
上と他の防汚成分を配合した製品の長期間安定性につい
て研究した結果、高級脂肪族アミン化合物のスルホン酸
中和塩を有効成分として配合した防汚剤が、長期間にわ
たり持続的に防汚効果を発揮すること、及び、他の防汚
成分との配合によってもゲル化、結晶物の析出やガスの
発生が認められないことを確認し、この発明を完成させ
た。
【0009】かくして、この発明によれば、一般式
(I):
【0010】
【化6】 [式中、R1 は炭素数12〜20の飽和または不飽和の
脂肪族炭化水素基を、R 2 は水素原子または炭素数1〜
6アルキル基を、R3 は水素原子、炭素数1〜6のアル
キル基、炭素数12〜20の飽和もしくは不飽和の脂肪
族炭化水素基、または炭素数1〜6のアルキル基で置換
されていてもよいアミノ基で置換された炭素数1〜6の
アルキル基を、R4 はアミノ基、ヒドロキシル基、ニト
ロ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素
数1〜20のアルキル基、または炭素数1〜20のアル
キル基、アミノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基もしくは
ハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基を示
す。]で表される高級脂肪族アミンのスルホン酸塩を有
効成分として配合することを特徴とする水中防汚剤が提
供される。
【0011】さらにこの発明は、一般式(I):
【0012】
【化7】 [式中R1,R2,R3 及びR4 は上記1と同意義を示
す。]で表される高級脂肪族アミンのスルホン酸塩に、
下記一般式(II):
【0013】
【化8】 [式中、X1,X2 は同一または異なって水素原子、ハロ
ゲン原子を、Yは同一または異なってハロゲン原子、炭
素数1〜4のアルキルを、nは1〜3の整数を示す。]
で表されるN−フェニルマレイミド化合物、一般式(II
I):
【0014】
【化9】 [式中、R5 及びR6 は同一または異なって水素原子ま
たはハロゲン原子、R7は水素原子または炭素数1〜1
8のアルキル基を表す。]で表される3−イソチアゾロ
ン化合物もしくはその金属コンプレックス、及び一般式
(IV):
【0015】
【化10】 [式中、R8 〜R11は夫々炭素数1〜4のアルキル基を
示し、Xは−S−,−S−S−,または−S−Zn−S
−,−S−Cu−S−を表す。]で表されるテトラアル
キルチウラム系化合物から選ばれた公知の防汚成分の少
くとも1種を配合することを特徴とする安定な水中防汚
剤を提供する。
【0016】この発明の一般式(I)で表される高級脂
肪族アミンのアルキルスルホン酸あるいはアリールスル
ホン酸化合物との中和塩のアクリル樹脂製剤は、高級脂
肪族アミンのみのアクリル樹脂製剤に較べて長期間にわ
たる有効な防汚効果が得られた。これは、アルキルスル
ホン酸あるいはアリールスルホン酸中のスルホン酸基が
樹脂へのアミン化合物の固定化及びアミン化合物の溶出
量を調整する役割を果たすためと考えられる。また、こ
の発明の一般式(I)で表される高級脂肪族アミンのア
ルキルスルホン酸あるいはアリールスルホン酸化合物と
の中和塩と、一般式(II)で表されるN−フェニルマレ
イミド化合物、一般式(III)で表される3−イソチアゾ
ロン化合物もしくはその金属コンプレックス、または一
般式(IV)で表されるテトラアルキルチウラム系化合物
の少くとも一種とを配合することにより、ゲル化や結晶
の析出がなく、また有害なガスの発生もなく、長期間安
定に製品が保存できるとともに、広範囲な付着生物に対
して有効な防汚効力の相乗効果が発揮される。
【0017】この発明の一般式(I)で表わされる高級
脂肪族アミンの具体例としては、ドデシルアミン,テト
ラデシルアミン,ヘキサデシルアミン,オクタデシルア
ミン,オレイルアミン,牛脂アルキルアミン,及びヤシ
アルキルアミン等の第1級アミン;ジ(ドデシル)アミ
ン,ジ(オクタデシル)アミン,ジ(オレイル)アミ
ン,ジ(牛脂アルキル)アミン,ジ(ヤシアルキル)ア
ミン,ドデシルオクタデシルアミン,ドデシルメチルア
ミン,ドデシルエチルアミン,ヘキサデシルブチルアミ
ン,ヘキサデシルメチルアミン,オクタデシルメチルア
ミン,牛脂アルキルメチルアミン,硬化牛脂アルキルメ
チルアミン,ヤシアルキルメチルアミン等の第2級アミ
ン;ドデシルジメチルアミン,ヘキサデシルジメチルア
ミン,オクタデシルジメチルアミン,ヤシアルキルジメ
チルアミン,牛脂アルキルジメチルアミン,硬化牛脂ア
ルキルジメチルアミン,ジドデシルメチルアミン,ジオ
クタデシルメチルアミン,ドデシルヘキサデシルメチル
アミン,牛脂アルキルジエチルアミン,ヤシアルキルジ
ヘキシルアミン等の第3級アミン;ドデシルエチレンジ
アミン,ヘキサデシルエチレンジアミン,オクタデシル
エチレンジアミン,オレイルエチレンジアミン,牛脂ア
ルキルエチレンジアミン等のN−モノ置換エチレンジア
ミン;ドデシルトリメチレンジアミン,ヘキサデシルト
リメチレンジアミン,オクタデシルトリメチレンジアミ
ン,オレイルトリメチレンジアミン,ヤシアルキルトリ
メチレンジアミン,牛脂アルキルトリメチレンジアミ
ン,硬化牛脂アルキルトリメチレンジアミン等のような
N−モノ置換トリメチレンジアミン等が挙げられる。
【0018】これらのアミン類の内、”ヤシアルキル‥
‥アミン”、”牛脂アルキル‥‥アミン、”硬化牛脂ア
ルキル‥‥アミンとは、そのアミンがヤシ油もしくはヤ
シ脂肪、牛脂等から公知の手段により製造された炭素数
12〜20の範囲の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素
基のものがその主要成分を占めるアミンの混合物(混合
アルキルアミン)であることを意味する。高級脂肪族ア
ミンとしては、上記化合物のうちのいずれか1つを単独
で使用したり、あるいは2以上を併用したりする。
【0019】高級脂肪族アミン化合物と反応させるアル
キルスルホン酸としては、メタンスルホン酸,エタンス
ルホン酸,ブタンスルホン酸,オクチルスルホン酸,ラ
ウリルスルホン酸,ビニルスルホン酸,メタリルスルホ
ン酸,アリルスルホン酸,プロペニルスルホン酸,2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸,2−
メクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ヘプ
タデカフルオロオクタンスルホン酸、2−ブロモエタン
スルホン酸、2−アミノエタンスルホン酸、3−ヒドロ
キシプロパンスルホン酸等が挙げられ、アリールスルホ
ン酸には、スチレンスルホン酸,ラウリルベンゼンスル
ホン酸,p−トルエンスルホン酸,4−アミノーベンゼ
ンスルホン酸,クレゾールスルホン酸,p−フェノール
スルホン酸,o−クロロ−p−トルイジン−m−スルホ
ン酸,2−アミノ−5−メチル−ベンゼンスルホン酸、
1−ナフチルアミン−8−スルホン酸、1−ナフチルア
ミン−4−スルホン酸、4−ヒドロキシ−ナフタレンス
ルホン酸、2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸等が
挙げられる。
【0020】次にこの発明において、一般式(II)で表
されるN−フェニルマレイミド化合物の具体例として
は、2,3−ジクロロ−N−(2,6−ジエチルフェニ
ル)マレイミド,2,3−ジクロロ−N−(2−メチル
−6−エチルフェニル)マレイミド,2,3−ジクロロ
−N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド,
2,3−ジクロロ−N−フェニルマレイミド,2,3−ジ
ブロモ−N−フェニルマレイミド,2−クロロ−N−
(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド,2−クロロ
−N−(2−メチル−6−エチルフェニル)マレイミ
ド,2−ブロム−N−(2,6−ジエチルフェニル)マ
レイミド,2−クロロ−N−(4−クロロフェニル)マ
レイミド,2−クロロ−N−フェニルマレイミド等が挙
げられる。 また、一般式(III)で表される3−イソチ
アゾロン化合物またはその金属塩コンプレックスの具体
例としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾ
リン−3−オン、5−クロロ−2−n−オクチル−4−
イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−メ
チル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロ
ロ−2−nオクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、
4,5−ジクロロ−2−ラウリル−4−イソチアゾリン
−3−オン、4,5−ジクロロ−2−エチルヘキシル−
4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチ
ル−4−イソチアゾリン−3−オン・塩化マグネシウ
ム、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3
−オン・塩化亜鉛、4,5−ジクロロ−2−メチル−4
−イソチアゾリン−3−オン・塩化鉄、4,5−ジクロ
ロ−2−ラウリル−4−イソチアゾリン−3−オン等が
挙げられる。
【0021】さらに、一般式(IV)で表されるテトラア
ルキルチウラム系化合物の具体例としては、テトラメチ
ルチウラムジスルフィド,テトラエチルチウラムジスル
フィド,テトライソプロピルチウラムジスルフィド,テ
トラ−n−プロピルチウラムジスルフィド,テトラ−n
−ブチルチウラムジスルフィド,テトラメチルチウラム
モノスルフィド,テトラエチルチウラムモノスルフィ
ド,ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛,ジエチルジチオ
カルバミン酸亜鉛,ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛,
ジエチルジチオカルバミン酸銅等が挙げられる。
【0022】この発明で一般式(I)で表される高級脂
肪族アミン化合物のスルホン酸塩は、高級脂肪族アミン
化合物とスルホン酸とを公知の方法で中和させることに
より容易に合成される。この場合、高級脂肪族アミン化
合物の1モルに対してスルホン酸を0.8〜1.2モル、
好ましくは0.9モル〜1.1モルの範囲で反応させるの
が好ましい。
【0023】次に、高級脂肪族アミン化合物のアルキル
スルホン酸あるいはアリールスルホン酸中和塩と併用す
る他の防汚化合物との配合割合は、高級脂肪族アミン化
合物1に対し、併用する他の防汚化合物を0.05〜1
0の範囲で、好ましくは0.1〜8の範囲である。本発
明における高級脂肪族アミン化合物のスルホン酸塩化合
物或は配合する防汚成分群を用いて、漁網防汚剤や防汚
塗料にする場合は、通常液状の形態で用いる。即ち、本
発明の防汚成分群に塗膜形成剤、可塑剤、溶剤、着色顔
料等を適宜選択して配合し、溶解、分散、混練等の操作
により、安定な水中防汚剤ができる。
【0024】塗膜形成剤としての天然樹脂や合成樹脂に
はロジン,ボイル油,塩化ゴム,ポリブテン,塩化ビニ
ル樹脂,アクリル樹脂,エポキシ樹脂等が挙げられる。
可塑剤としては、フタル酸ジオクチル,アジピン酸ジオ
クチル,リン酸トリクレジル,リン酸トリオクチル等が
挙げられる。液状の形態にするために用いる有機溶媒と
しては、メタノール,エタノール,キシレン,トルエ
ン,シクロヘキサノン,灯油,メチルイソブチルケト
ン,酢酸ブチル,ジメチルホルムアミド,ナフサ,エチ
レングリコールモノエチルエーテル,プロピレングリコ
ールモノエチルエーテル等があげられるが、これ以外に
も塗料の分野で用いられる種々の溶媒が使用でき、若干
の水が含まれていても差し支えない。
【0025】漁網用防汚剤として使用する場合の防汚成
分は、防汚剤中に10〜30重量%,樹脂分は5〜30
重量%,可塑剤は0〜10重量%等を有機溶媒に溶解あ
るいは分散させた液状型にし、全固形分濃度は25〜6
0重量%とするのが造膜性、造膜強度等の点で好まし
い。一方、本発明の防汚塗料は、防汚成分群に塗膜形成
剤、可塑剤、溶剤と他に顔料を配合し分散液の形態で調
製される。顔料としては、タルク,チタン白,黄鉛,紺
青,ベンガラ,フタロシアニンブルー等が挙げられる。
【0026】防汚塗料としての配合は、防汚成分が10
〜40重量%,樹脂分が5〜40重量%,可塑剤が0〜
10重量%,顔料分が10〜30重量%を有機溶媒と混
練りして製剤化する。 本発明の水中防汚剤は、各種の
海水系構造物用として有用であり、浸漬、スプレー、ハ
ケ塗り等により塗布するのが好適である。このようにし
て防汚対象物に塗布された本発明の防汚剤は、乾燥によ
り防汚膜を形成し、長期間の防汚効果を発揮する。
【0027】なお、本発明以外の防汚成分としては、ナ
フテン酸銅,オレイン酸銅,ジンクピリチオン,2−チ
オシアノメチルチオベンゾチアゾール,テトラクロロイ
ソフタロニトリル,5−クロロ−2,4,6−トリフルオ
ロイソフタロニトリル等を適宜併用することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により説明す
るが、これにより本発明は限定されるものではない。 参考例1〔N,Nジメチルオクタデシルアミンと2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との中和
塩の合成〕 N,Nジメチルオクタデシルアミンと2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸との反応は、温度
計、攪拌機及び還流冷却器を備えたセパラブルフラスコ
にキシレン100g、2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸0.2モル、tert−ブチルカテ
コール0.001モルを加えて、攪拌しながらN,N−ジ
メチルオクタデシルアミン0.2モルを内温60℃以下
に保ちながら徐々に滴下し、滴下終了後1時間攪拌を続
けた。
【0029】参考例2〔N,Nジメチルオクタデシルア
ミンとp−スチレンスルホン酸との中和塩の合成〕 N,N−ジメチルヘキサデシルアミンとp−スチレンス
ルホン酸との反応は、上記、参考例1と同装置を用いて
行った。温度計、攪拌機及び還流冷却器を備えたセバラ
ブルフラスコにエタノール50gとN,N−ジメチルヘ
キサデシルアミン0.2モルを加えて攪拌しながら塩酸
0.2モルを室温にて徐々に滴下し、滴下終了後p−ス
チレンスルホン酸ソーダの0.2モルを純水200mlに
溶解したものを徐々に滴下し、30分間攪拌後1時間放
置し、目的の沈澱物を得た。
【0030】実施例1〜10 上記反応物に表1に示すアクリル樹脂、可塑剤及び溶剤
と併用防汚化合物を加えて、この発明の実施例である漁
網防汚用製剤品1〜10を、また比較製剤品11〜18
を製剤した。これらの製剤品を3ケ月間20℃で保管
し、結晶析出の有無、有害ガス発生の有無等の安定性を
調べた。その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表1〜4中、漁網防汚剤の配合に用いた化
合物の略号は次の通りである。 〔高級脂肪族アミン化合物〕 A:N,N−ジメチルオクタデシルアミン B:ジドデシルアミン C:ヘキサデシルアミン D:牛脂アルキルトリメチレンジアミン E:N,N−ジメチルヘキサデシルアミン F:ドデシルメチルアミン G:ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド H:ドデシルアミン 〔有機酸化合物〕 a:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸 b:スチレンスルホン酸 c:メタリルスルホン酸 d:オクチルスルホン酸 e:ラウリルベンゼンスルホン酸 f:4−アミノベンゼンスルホン酸 g:1−ナフチルアミン−4−スルホン酸 h:酢酸 i:ラウリン酸 j:オクチル酸 〔併用防汚化合物〕 ア:2,3−ジクロロ−N−(2,6−ジエチルフェニ
ル)マレイミド イ:2,3−ジクロロ−N−(2−メチル−6−エチル
フェニル)マレイミド ウ:テトラエチルチウラムジスルフィド エ:4,5−ジクロロ−2−N−オクチルイソチアゾリ
ン−3−オン *1:ガス発生 *2:ゲル化 *3:沈澱物生成
【0034】試験例1 試験網として、ポリエチレン製(100本,4節,40
cm×60cm)の養殖用網を用いて行った。各防汚剤(3
ケ月間20℃で保管したもの)に試験網を浸漬して、網
に防汚剤を付着させ、3日間風乾させた。そして8月よ
り、三重県礫浦湾内の筏より海面下1.0〜1.5mの深
さに吊して、カサネカンザシや他の付着生物に対する防
汚効力を3ケ月後と6ケ月後に観察した。その試験結果
は表2に示す通りである。即ち、表2では付着した生物
重量(湿重量)と付着生物の付着状況を示した。
【0035】
【表3】
【0036】表中の+++,++,+,−はムラサキイ
ガイ等の付着程度を示す。 +++:著しく付着している。 ++:付着し養殖用としては使用できない。 +:わずかに付着している程度で養殖用としては十分に
使用出来る。 −:付着なし。
【0037】実施例19〜28 参考例1及び参考例2で得られた反応物をボールミル中
へ入れ、表3に示す顔料、可塑剤、溶剤等を配合し、こ
の発明の実施例である防汚塗料用製剤品19〜28を、
また比較製剤品29〜36を製剤した。これらの製剤品
を3ケ月間20℃で保管し、結晶析出の有無、有害ガス
発生の有無等の安定性を調べた。その結果を表3に示
す。
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】 なお、表3中配合に用いた化合物の略号は表1と同様で
ある。
【0040】試験例2 試験板として7cm×20cmの硬質塩ビ板を用いて行っ
た。各塗料製剤化したもの(3ケ月間20℃で保管した
もの)を、塗布量が約2.0Kg/m2 となるように2回
塗布した。そして、8月より1年間、三重県礫浦湾内に
筏より海面下 1.5〜2.0mの深さに吊して、カサネ
カンザシや他の付着生物に対する防汚効果を6ケ月後と
12ケ月後に観察した。その試験結果は表4に示す通り
である。即ち、表4では付着した生物重量(湿重量)と
付着生物の構成割合(%)を示した。
【0041】
【表6】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、本発明の水中防汚剤
は、長期間保存しても安定であり、かつ長期間にわたっ
て安定な防汚性能を発揮し、付着生物による障害を極め
て効率よく防止することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 大器 大阪市東淀川区東淡路2丁目10番15号 株 式会社片山化学工業研究所内 (72)発明者 熊谷 弘夫 大阪市東淀川区東淡路2丁目10番15号 株 式会社片山化学工業研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 [式中、R1 は炭素数12〜20の飽和または不飽和の
    脂肪族炭化水素基を、R 2 は水素原子または炭素数1〜
    6アルキル基を、R3 は水素原子、炭素数1〜6のアル
    キル基、炭素数12〜20の飽和もしくは不飽和の脂肪
    族炭化水素基、または炭素数1〜6のアルキル基で置換
    されていてもよいアミノ基で置換された炭素数1〜6の
    アルキル基を、R4 はアミノ基、ヒドロキシル基、ニト
    ロ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素
    数1〜20のアルキル基、または炭素数1〜20のアル
    キル基、アミノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基もしくは
    ハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基を示
    す。]で表される高級脂肪族アミンのスルホン酸塩を有
    効成分として配合することを特徴とする水中防汚剤。
  2. 【請求項2】 一般式(I): 【化2】 [式中R1,R2,R3 及びR4 は請求項1と同意義を示
    す。]で表される高級脂肪族アミンのスルホン酸塩に、
    下記一般式(II): 【化3】 [式中、X1,X2 は同一または異なって水素原子、ハロ
    ゲン原子を、Yは同一または異なってハロゲン原子、炭
    素数1〜4のアルキルを、nは1〜3の整数を示す。]
    で表されるN−フェニルマレイミド化合物、一般式(II
    I): 【化4】 [式中、R5 及びR6 は同一または異なって水素原子ま
    たはハロゲン原子、R7は水素原子または炭素数1〜1
    8のアルキル基を表す。]で表される3−イソチアゾロ
    ン化合物もしくはその金属コンプレックス、及び一般式
    (IV): 【化5】 [式中、R8 〜R11は各々炭素数1〜4のアルキル基を
    示し、Xは−S−,−S−S−,または−S−Zn−S
    −,−S−Cu−S−を表す。]で表されるテトラアル
    キルチウラム系化合物から選ばれた防汚有効成分の少く
    とも1種を配合することを特徴とする安定な水中防汚
    剤。
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JP2014159581A (ja) * 2008-08-13 2014-09-04 Akzo Nobel Coatings Internatl Bv 塩の基を有するポリマーおよび該ポリマーを含む防汚コーティング組成物

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