JPH0639256U - インサート部材供給装置 - Google Patents

インサート部材供給装置

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JPH0639256U
JPH0639256U JP8100292U JP8100292U JPH0639256U JP H0639256 U JPH0639256 U JP H0639256U JP 8100292 U JP8100292 U JP 8100292U JP 8100292 U JP8100292 U JP 8100292U JP H0639256 U JPH0639256 U JP H0639256U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多数のインサート部材を金型に自動的に供給
するインサート部材供給装置を提供する。 【構成】 ボックスパレットA内は複数段の仕切板80
で棚状に仕切られ、その上に複数のインサート部材10
が載置される。第1搬送装置1の電磁石40が水平往復
動かつ上下動可能に仕切板上のインサート部材を吸着し
第2搬送装置100の振動コンベア7まで搬送する。振
動コンベア7上のインサート部材は1列にベルトコンベ
ア9上に載置され該ベルトコンベアに設けた脱磁器8に
より脱磁が行われる。電磁石で吸着されたインサート部
材を載置していた仕切板は仕切板取出し装置2の鏃部3
Aにより突き刺されて排出される。 【効果】 インサート部材のサイズに無関係に汎用性あ
るボックスパレットの使用が可能であり、作業効率が向
上し、磁力による鋳造の影響を受けない。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はインサート部材供給装置に関し、特にボックスパレット内に仕切板を 介して多量に収容されたインサート部材を搬送装置を介して順次金型内に自動供 給可能なインサート部材供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】 従来より金型内に予め鋳鉄製シリンダライナ等のインサート部材を挿入してお き、アルミニウムまたはアルミニウム合金溶湯を金型内に充填し、例えばシリン ダブロック等の鋳造品を鋳造するためのインサート成形法が実施されている。そ して金型内にインサート部材を完全自動化のもとで供給挿入するためのインサー ト部材供給装置が提案されている。
【0004】 例えば特開昭64−53753号公報記載の発明では、内部にインサート部材 を整列させて収納するボックスパレットが設けられており、該内部は格子状の仕 切により仕切られている。ボックスパレットはパレット台車に載置され、1方向 に移動可能である。またパレット内で整列された1列のインサート部材を同時に 把持するための複数の把持ヘッドが、パレット台車の進行方向に移動可能な昇降 機構に上下動可能に設けられている。該インサート部材は次工程の搬送装置に順 次搬送され、最後に金型に挿入されてダイカストマシンによる射出成形が行われ る。
【0005】 また特開昭62ー16861号公報記載の発明では、金型キャビティ内に回転 子鉄心を自動挿入するために、2個の電磁式チャックが用いらている。電磁式チ ャックにより回転子鉄心を吸着して金型の所定位置に位置させ、電源OFFによ り該鉄心はチャックから離脱されるよう構成されている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかし特開昭64−53753号記載の発明では、パレットが格子状の仕切り によって内部を仕切る構成であるため、特別なボックスパレットが必要であり、 インサート部材の大きさの変更にも対応できないため、ボックスパレットは汎用 性に欠け、るという欠点がある。またインサート部材をボックスパレットに並べ 換える作業が必要であり、該インサート部材は搬送中の傷発生防止のため段ボー ル等の仕切板に油紙を敷き5〜6段に仕切られているため、この仕切板の除去が 必要となり、上記並べ換え作業が非常に煩雑となる。更にインサート部材の積極 的な脱磁が行われていないため、インサート部材加工時に発生する磁気が残留し 、鋳造後仕上げ加工時に発生する切粉がインサート部材に付着して、後処理が非 常に煩雑となる。加えてインサート部材の大きさが変わると把持ヘッドのピッチ の変更と把持ヘッドの調整が必要となり、汎用性に乏しく調整作業も難しい。
【0007】 また特開昭62ー16861号の発明でもインサート部材を金型に装着するた めに電磁石を使用しているが、積極的な脱磁行程がないため上記した残留磁気に 起因した問題点がある。
【0008】 そこで本考案は、従来のボックスパレットの使用が可能であり、インサート部 材の並べ換えが不要で、仕切板等の回収が容易であり、インサート部材の大小に 係わらず調整が不要であり、鋳造後のインサート部材への切粉の付着の生じない 、汎用性に富み作業性を向上させるインサート部材供給装置を提供することを目 的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本考案は、ボックスパレットに収容された多数のイ ンサート部材を金型に自動的に供給するインサート部材供給装置において、(a )それぞれの上面に複数のインサート部材を載置するために該ボックスパレット の内部を複数段に棚状に仕切る複数の仕切板と、(b)それぞれの該仕切板上に 載置された該インサート部材を一括して吸着し搬送するための電磁石を有する第 1搬送装置と、(c)該電磁石により搬送された該インサート部材を載置搬送す るためのコンベアと、該コンベア上に設けられて該コンベア上で搬送されている 該インサート部材の脱磁を行う脱磁器を有する第2搬送装置と、(d)該ボック スパレットに併設され、該電磁石により搬送された該インサート部材を載置して いた該仕切板を順次取除くための仕切板取出し装置とを有するインサート部材供 給装置を提供している。
【0010】
【作用】
上記構成を有する本考案のインサート部材供給装置によれば、ボックスパレッ トの内部は複数の仕切板により複数段に棚状に仕切られ、該仕切板上に複数のイ ンサート部材が載置されている。第1搬送装置の電磁石により、最上段にある複 数のインサート部材が吸着され第2搬送装置のコンベアまで吸着搬送される。そ して該インサート部材は該コンベア上を搬送されるが、その過程で脱磁器により 脱磁処理を受け、内部の磁力が完全に取除かれる。また最上段の仕切板上にある インサート部材が全て第1搬送装置により搬送されると、仕切板取出し装置が作 動し該最上段の仕切板はボックスパレットから取除かれ、2段目の仕切板上に載 置された複数のインサート部材が電磁石と直接対向配置可能となる。
【0011】
【実施例】
本発明によるインサート部材供給装置の1実施例について図1乃至図6に基づ き説明する。図1は、該装置を示す側面図であり、その主要部はインサート部材 供給ステーション6、第1搬送装置1、仕切板取出し装置2により構成され、更 に第2搬送装置100、第3搬送装置200、ロボット供給用テーブル22、排 紙ステーション90が設けられている。
【0012】 (1)インサート部材供給ステーション6 インサート供給ステーション6には、シリンダライナ等のインサート部材10 を収容するためのボックスパレットAが設置される。またボックスパレットAを 内部に収容するための断面U字状のガイド枠6aが設けられており、ガイド枠6 aの内部幅Wは、ボックスパレットAの幅とほぼ同一寸法に形成されている。ガ イド枠6aの前部にはパレット検知部6bが設けられ、該検知部6bは検知板6 cと該検知板6cと連動するよう取付けたリミットスイッチ6d、6eにより構 成されている。
【0013】 ボックスパレットA内には複数のインサート部材10を仕切るために鉛直方向 に所定間隔を隔てて水平方向に延びる複数の仕切板80が設けられている(図3 )。インサート部材10としてのシリンダライナはフランジ部が設けられ、該ラ イナの軸が鉛直方向に指向するように整列され、また仕切板80で仕切られた互 いに隣接するシリンダライナは同軸的に配列されている。そして仕切板80は、 段ボール板80a、80b、80c、80d、80d,80eとそれらの上側に それぞれ敷設された油紙81a、81b、81c、81d、81dとにより構成 される。本実施例ではボックスパレットAは仕切板80により5段に仕切られ、 各段に100個づつ合計で500個のインサート部材10が収納されている。
【0014】 (2)第1搬送装置1 第1搬送装置1は、ボックスパレットA内のインサート部材10を後述する第 2搬送装置100の振動コンベア7まで搬送するための装置である。図1におい て、第1搬送装置には、ガイド枠6aの周囲に立設配置された4本の支柱50が 設けられ、支柱50上には1対レール50a,50bが水平方向に敷設されてい る。レール50a、50b上には、該インサート部材供給ステーション6の上方 位置に摺動部30aを介してインサート部材搬送装置取付部30が移動可能(図 2のI−K方向)に載置されている。
【0015】 図1、図3において、該取付部30の上側には4個のガイド32を構成するガ イドケース32aと油圧シリンダ34が立設して設けらている。該油圧シリンダ 34のロッド34aは、該取付部30と該取付部30の下方に設けられたエアシ リンダ取付板36とを貫通し、該取付板36の下方に位置する電磁石取付板39 に固定されている。又4個のガイドケース32a内をガイドロッド33が鉛直方 向に移動可能に設けられ、該ガイドロッド33は該取付部30を貫通して該エア ーシリンダ取付板36に固設されている。そして該取付板36と1列のインサー ト部材10を吸着するための電磁石40とが4個のエアーシリンダ37a、37 b(不図示)、38a、38b(不図示)により電磁石取付板39を介して連結 されている。
【0016】 このように構成することにより、電磁石40は油圧シリンダ34の作動により ガイドロッド33a、33bの案内を受けつつ図1のH−G方向に下降上昇自在 とされ、またエアーシリンダ37a、37b(不図示)、38a、38b(不図 示)の作動により、電磁石40は所定角度傾斜可能となる。例えばエアーシリン ダ38a、38bをエアーシリンダ37a、37bより大きく伸張させることで 、後述する振動コンベア7の傾斜に対応した電磁石40の傾斜が得られる。また インサート部材搬送装置取付部30はレール50a、50b上に摺動可能に設け られているので、電磁石40は所望の1列のインサート部材10に対向可能な位 置に位置させることができる。なお図1において、油圧シリンダ34のフレキシ ブルチューブや電気配線を収納するためにチェーンベア35が設けられている。
【0017】 図3において、段数検知センサ取付部材82が図示せぬ架設部材に固設されて おり、該段数検知センサ取付部材82にはボックスパレットA内の仕切板80の それぞれの段に対応した位置に段数検知センサ82a、82b、82c、82d 、 82、83eが取付けられている。これらのセンサは電磁石40が通過する前は ON状態に保たれ、電磁石40が通過するとOFFに切替わるよう構成されてい る。エアシリンダ38aのシリンダロッドと連動して検出ロッド38が設けられ ており、また電磁石取付板36の下側には位置検知センサ取付ロッド36aが下 方に延びて固設されている。そして該位置検知センサ取付ロッド36aには位置 検知センサ36bが該検出ロッド36aに接触可能に取付けられている。
【0018】 (3)第2搬送装置100 第2搬送装置100はインサート部材10を1個づつ整列させ、該インサート 部材10を1個づつ後述する第3搬送装置200に搬送するための装置であり、 振動コンベア7、光電管ケース13、横転インサート部材収納部14、リミット スイッチ16、脱磁器8、確認センサ11及びインサート上昇装置12等から構 成される。
【0019】 振動コンベア7はインサート部材供給ステーション6に隣接して設けられ、上 記した一対のレール50a、50bが該振動コンベア7の上方にまで延設されて いる。そして振動コンベア7は、第2搬送装置1の電磁石40によって搬送され たインサート供給部材10を図示しないシリンダーの振動により一方向(図1の P方向)に移動可能なように所定角度傾斜させて設置されている。振動コンベア 7の両側面には、光電管の発光部と受光部をそれぞれ複数個収納した光電管ケー ス13、13が設置されている。該光電管13、13は、振動コンベア7上のイ ンサート部材落下域にインサート部材10が残存していないことを確認するため に設けられる。
【0020】 振動コンベア7の前部7aの側面部には、横転インサート部材収納部14が設 けられており、振動コンベア上で横転したインサート部材10は該横転インサー ト部材収納部14に自然落下して除去される。また振動コンベア7の前部7aは 、インサート部材10正立した状態で1個づつ通過可能な幅を有するように形成 されている。
【0021】 振動コンベア7に連接してベルトコンベア9が設けられている。ベルトコンベ ア9には、該振動コンベア7の先端部近傍に個々のインサート部材10の通過を 検知するインサート部材通過検知センサー(リミットスイッチ)16が設けられ ている。更にベルトコンベア9上には、脱磁器8及びインサート部材確認センサ ー11(リミットスイッチ)が設けてある。
【0022】 脱磁器8は、ベルトコンベア9上で搬送されるインサート部材10が該脱磁器 8を通過する間に脱磁されるように、ベルトコンベア9を覆うように設けられて いる。脱磁器8は電磁石40で吸着されたインサート部材10に残存する磁力を 完全に取り除くために設けられている。即ちインサート部材10は電磁石40に よる吸着により極性を与えられるが、振動コンベア7上に落下させるときの電源 オフのみでは、インサート部材10の磁力は完全に取り除かれない。よって脱磁 器8を設け、電磁石40とは逆極性磁力を印加することでインサート部材10に 残存する磁力を完全に取り去ることとしたのである。インサート部材確認センサ ー11はスイッチ部11aと受け部11bからなり(図5参照)、ベルトコンベ ア9の進行方向端部に設けられている。
【0023】 インサート部材確認センサー11で確認されたインサート部材10を後述する 第3搬送装置200のインサート部材ストックコンベア15に1個づつ搬送する ため、インサート部材上昇装置12がベルトコンベア9の進行方向端部に設けら れている。該インサート部材上昇装置12は、鉛直方向に延びるガイドレール1 2aと、該ガイドレール12a上を摺動可能で該インサート部材10を挟持する ための挟持アーム12bを有している。
【0024】 (4)第3搬送装置200 第3搬送装置200はインサート部材10をストックすると共に位置決めする ための装置であり、インサートストックコンベア15、引渡し確認センサー17 、方向・径判別部18、不良インサート部材排出部19、ストッパー20、及び インサート位置決め装置21、シュータ23等により構成される。
【0025】 インサート部材ストックコンベア15は、インサート部材上昇装置12により 搬送されたインサート部材10をストックするためのコンベアーであり該ベルト コンベア9の上方に連設されている。該ストックコンベア15は、ストックコン ベア取付枠15aと15b(図4)に取り付けられている。そしてインサート部 材上昇装置12からのインサート部材10の引渡しを確認する引渡し確認センサ ー17と、方向・径判別部18と、不良インサート部材排出部19及びストッパ ー20とインサート部材位置決め装置21は該インサート部材ストックコンベア 15上に設けられている。
【0026】 該方向・径判別部18と不良インサート部材排出部19について特に図4に基 づき説明する。方向・径判別部18は、センサー取付枠18a、18bと、該セ ンサー取付枠18a、18bに固設された方向判別用位置センサー18c、18 dと、インサート部材10の径判別用位置センサー18e、18f、18g、1 8hとにより構成される。センサー取付枠18a、18bの一端はピン18iに よりストックコンベア取付枠15a、15bに連結されている。方向判別用位置 センサー18c、18dは、インサート部材10のフランジ部を検知し、フラン ジ部が上側にあるような正常な正立状態の場合はON信号を制御部(不図示)へ 出力し、フランジ部が下側にある場合はOFF状態となり異常を検知するよう構 成されている。
【0027】 また径判別用位置センサー18g、18hは、インサート部材10の直径が正 常な場合はON信号を制御部(不図示)に出力し、直径が下限値を越えるとOF F状態となり異常を検出するように構成される。この場合他の径判別センサー1 8e、18fは常にOFF信号を制御部(不図示)に出力している。一方径判別 用位置センサー18e、18fは、インサート部材10の直径が上限値を越えた 場合だけON信号を制御部(不図示)に出力するよう構成される。従って、径判 別位置センサー18g、18hがON信号を出力し、径判別位置センサー18e 、18fがOFF状態になっている場合には、インサート部材10の直径は正常 と判別され、径判別位置センサー18g、18hと径判別位置センサー18e、 18fが共にOFF状態の場合(下限値を越えた場合)と、径判別位置センサー 18g、18hと径判別位置センサー18e、18fが共にON信号を出力して いる場合(上限値を越えた場合)は、インサート部材10の直径は異常と判別さ れる。
【0028】 不良インサート部材排出部19は、方向・径判別部18の下流側に設けられ、 方向・径判別部18で異常が検出されたときに制御部(不図示)からの信号によ り作動するように構成されている。該不良インサート部材排出部19は、エアシ リンダ19aと押出板19bとにより構成される。方向・径判別部18でインサ ート部材10の方向(上下方向)と直径の異常が検出されると、一定時間後に制 御部(不図示)から不良インサート部材排出部19に作動信号が出力され、エア シリンダ19aが作動してインサート部材10が押出され、インサート部材10 はシュータ23を通じてインサート部材ストックコンベア15から排出される構 成となっている。
【0029】 方向と直径が正常なインサート部材10を一定間隔でインサート部材位置決め 装置21に供給するために、インサート部材位置決め装置21の上流側にはスト ッパー20が設けられている。該ストッパー20は、制御部(不図示)からの信 号により一定時間間隔で開閉し、一定間隔でインサート部材10を通過させるよ う構成されている。
【0030】 インサート部材位置決め装置21は、ストッパー20により例えば3個に数規 制されたインサート部材10a、10b、10cを位置決めするために設けられ ている。該位置決め装置21は、回転軸板21eと、エアシリンダ21dと、ガ イドロッド21gと、ガイド21b、21cと、挟持用爪21fと、回転枠21 aとにより構成される。エアシリンダ21dとガイド21b、21cは回転軸板 21eに固設され、ガイドロッド21gはガイド21b、21c内を摺動可能に 設けられている。ガイドロッド21gの一端に挟持用爪21fが設けられ、エア シリンダ21dの作用により該挟持用爪21fは前後方向に移動可能に設けられ 、回転枠21aと挟持用爪21fとの間でインサート部材10が挟持されるよう 構成されている。
【0031】 (5)ロボット供給用テーブル22 ロボット供給用テーブル22は、第3搬送装置200で位置決めされたインサ ート部材10を再度より正確に位置決めするために、インサート位置決め装置2 1に併設配置されている。該テーブル22はインサート部材10と嵌合するため の3個の凸部22a、22b、22cが設けられており、該ロボット供給用テー ブル22上に順次供給されるインサート部材10と嵌合することで、該インサー ト部材10の最終的な位置決めが行われる。そして図示せぬロボットアームが設 けられ、ロボット供給用テーブル22上で正確に位置決めされた3個のインサー ト部材10a、10b、10cを3個づつ(2セット計6個)チャッキングして 図示しない鋳造機の金型に装着するよう構成されている。
【0032】 (6)仕切板取出し装置2 図1、図2において、仕切板取出し装置2はインサート供給ステーション6に 併設して設けられており、仕切板取出し装置取付板5と、該仕切板取出し装置取 付板5に固定された紙取出し部3と紙押え部4とにより主に構成される。支柱6 0、60、60、60上にはレール60a、60bが架設されており、該仕切板 取出し装置取付板5は、摺動片5a、5bを介してレール60a、60b上をP −O方向に移動可能に取付けられている。
【0033】 該紙取出し部3は、油圧シリンダ3Bと、鏃部3Aからなる。油圧シリンダ3 Bは仕切板取出し装置取付板5上に設置され、そのシリンダロッド3jは該取付 板5を下方に貫通して鉛直方向に往復動可能に設けられている。また鏃部3Aは ロッド部3jの下端部に固設されている。鏃部3Aは、該シリンダロッド3jの 下端に固設された鏃取付板3iと、該鏃取付板3iに固設された先端部3e、3 f、3g(不図示)、3f(不図示)を有した4本の鏃3a、3b(6図)、3 c(不図示)、3d(不図示)を有し、油圧シリンダ3Bの動作により鉛直方向 (m−n方向)に移動可能に構成されている。
【0034】 一方紙押え部4は、仕切板取出し装置取付板5の他端に設けられており、エア シリンダ4aと該エアシリンダ4aの先端部に固設した紙押え板4bとを有する 。紙取出し部3の鏃部3Aと紙押え部4の紙押え板4bは、油圧シリンダ3Bと エアシリンダ4aの独立作動により、それぞれ独立して昇降可能である。
【0035】 該仕切板取出し装置2の下方には排紙ステーション90が設けられており、該 排紙ステーション90は図示しない支柱に固設された壁部材90a、90b、9 0cにより画成されている。そして画成された領域にボックスパレットBが収納 可能に構成されている。また該仕切板取出し装置2の上昇限位置と前記排紙ステ ーション90の間には、鏃部3Aで突き刺した仕切板80である例えば最上階の ダンボール板80aと油紙81aを掻き落とすために、押え板取付け用支柱71 a、71bに支持された押え板70a、70bが設けられている(図6)。
【0036】 次に本実施例によるインサート部材供給装置の動作について説明する。 5段の仕切板80(ダンボール板80a〜80eと油紙81a〜81e)を用 意し、各段に100個づつ合計で500個のインサート部材10を収納したボッ クスパレットAを作業者が図示せぬハンドリフトによりインサート供給ステーシ ョン6にセットする(図1、図2、図3)。ボックスパレットAの位置はインサ ート供給ステーション6の前方に設けられたパレット検知部6bによって検知さ れる。ボックスパレットAが適切な位置にセットされればランプが点灯するので 、作業者は図示せぬインサート部材供給スタートボタンをONする。ランプが点 灯しない場合は、点灯するまでボックスパレットの位置調整が行われる。
【0037】 インサート部材供給スタートボタンがONすると、まず振動コンベア7の両側 に設けられた光電管ケース13、13内の光電管により振動コンベア7上のイン サート部材落下域に前工程でのインサート部材10が残存してないか否かが確認 される。光電管により残存するインサート部材10がないことを確認すると、第 1搬送装置1の油圧シリンダ34が作動し、電磁石40が下降し最上段の100 個のインサート部材10を吸着する(図3)。
【0038】 吸着後電磁石40は上昇し上昇限に達した後、第1搬送装置1はレール50a ,50b上をI方向(図2)へ走行する。そして第1搬送装置1が振動コンベア 7上で停止した後、再び油圧シリンダ34が作動し電磁石40が下降して振動コ ンベア7と所定の距離を保った位置で停止する。
【0039】 次に、2個のエアシリンダ38aと38b(不図示)が作動し、電磁石40を 振動コンベア7の傾斜角度に合わせて傾斜させた後、電磁石40をオフしてイン サート部材10を振動コンベア7上に落下させる。落下させた後、油圧シリンダ 34が作動して電磁石40が上昇限まで上昇し、第1搬送装置1は、K方向(図 2)に走行してボックスパレットA上の元の位置に復帰して待機する。
【0040】 振動コンベア7のインサート部材10の落下域からインサート部材10がなく なったことを光電管により検知すると、油圧シリンダ34が作動し、再び電磁石 40が下降する。この時最上段の仕切板80上に取り残しや転倒したインサート 部材がある場合には、上述した電磁石4による吸着工程から第1搬送装置1の復 帰動作までの動作が繰返し実行される。
【0041】 図3において電磁石40が下降すると位置検出センサ36bに検出ロッド38 が接触して位置検出センサ36bがオンする。そして1段目の仕切板80上にイ ンサート部材部材10が依然介在しているならば所定時間内に電磁石40は1段 目の段数検知センサ82aに到達し得ず該センサ82aのOFFが維持される。 よって上述した電磁石40による吸着、搬送、落下、復帰動作が繰り返される。
【0042】 一方1段目の段数検知センサ82aが所定時間内にONされた場合には、最上 段のインサート部材10は一つ残らず搬出されたと判断され、電磁石40は上昇 した後I方向(図2)に走行し、振動コンベア7上で待機する。なおON状態と なった1段目の段数検知センサ82aは、所定時間経過後回路が遮断され,セン サとしての作用が停止する。そして第1搬送装置1が振動コンベア7上で待機状 態になった後、仕切板取出し装置2がO方向(図1)に走行し、紙取出し部3の 鏃部3AがボックスパレットAの真上に達した位置で停止する。このとき紙押え 部4の紙押え板4bは、ボックスパレットBの真上に位置している。
【0043】 なお上記した段数検知センサ82aと同様に、位置検知センサ36bのON動 作後に段数検知センサ82b、82c、82dが動作し、2段目以降のインサー ト部材部材10が同様に振動コンベア7上に搬送される。段数検知センサ82b 、82c、82dがそれぞれON状態に切替わった後所定時間経過するとこれら センサは回路が遮断されてセンサとしての作用が停止する。
【0044】 次に紙取出し部3の油圧シリンダ3Bが作動して鏃部3Aがn方向(図1)に 下降し、最上端の仕切板80である段ボール板80aと油紙81aを鏃3a,3 b,3c(不図示),3d(不図示)で突き刺した後該鏃部3Aは停止する。そ の後鏃部3Aが、所定の位置までm方向(図1)に上昇した後、仕切板取出し装 置2がP(図1)方向に走行し、鏃部3AがボックスパレットBの真上の位置で 停止する。次に紙取出し部3の油圧シリンダ3Bが作動し、矢鏃部3Aがm方向 に上昇する。その上昇途中でダンボール板80aと油紙81aは、2本の押さえ 板70a,70bにより上方への移動を阻止され、鏃3a、3b、3c、3dの 先端部3e,3f,3g,3hから掻き落とされる(図6)。そして鏃部3Aは そのまま上昇限まで上昇し停止する。
【0045】 掻き落とされたダンボール板80aと油紙81aは、ボックスパレットBに向 かって落下しするがボックスパレットBの上部に引掛って止まることがある。こ のダンボール紙80aと油紙81aは、次の紙取出しサイクルで鏃部3Aが2段 目のダンボール板81bと油紙82bを突き刺して下降するとき、同時にボック スパレットB上にある紙押さえ部4のエアシリンダ4aが作動して、紙押さえ板 4bが下降し、前工程でボックスパレットBに引掛っているダンボール板80a と油紙81aをボックスパレットBの中に押し込むことができる。
【0046】 鏃部3Aが上昇限まで上昇して停止した後、振動コンベア7上で待機している 第一搬送装置1はK方向(図2)に走行し、インサート部材供給ステーション6 のボックスパレットAの真上で停止し、前記の光電管でインサート部材落下域に インサート部材がなければ、油圧シリンダ34が作動して電磁石40が下降し2 段目のインサート部材10の吸着動作を開始する。
【0047】 このようにして第1搬送装置1によりボックスパレットA内のインサート部材 10を1段づつ振動コンベア7上に自動的に搬送した後、仕切板取出し装置2に より1段ずつ、ダンボール板80aと油紙81aをボックスパレットB中に自動 的に排紙する。そしてボックスパレットA内のインサート部材10と仕切板80 がなくなるまで上述の動作を繰り返す。
【0048】 一方振動コンベア7上に落下したインサート部材10は、該振動コンベア7の 先端部7aで1列に整列される。(図1参照)そして、振動コンベア7上で横転 したインサート部材10は前述のように横転インサート部材収納部14に自然落 下し除去される。整列されたインサート部材10は、リミットスィッチ16によ り検知され、ベルトコンベア9により1個づつ脱磁器8に供給されインサート部 材に電磁石40とは逆極性が印加されることで脱磁処理される。脱磁処理が完了 したインサート部材10は、ベルトコンベア9によりさらに前進し、インサート 確認センサ11に接触する。
【0049】 インサート部材確認センサ11が作動すると、インサート部材上昇装置12の 挟持アーム12bがインサート部材10のフランジ部の下側を挟持し、ガイドレ ール12aに沿って上昇する。上昇限まで達すると挟持アーム12bは矢印C方 向(図2の時計方向)に90度回転し、挟持アーム12bを開放してインサート 部材10をインサートストックコンベア15上に載置し、一定時間経過後挟持ア ーム12bは逆方向に90度回転し、所定の位置までガイドレール12aに沿っ て下降して待機する。
【0050】 一方インサート部材10が、インサート部材ストックコンベア15上に載置さ れると同時にリミットスィッチ17が作動し、乗せ換えが完了したことを検知す る。なお、インサート部材確認センサ11でインサート部材10を確認後、一定 時間経過してリミットスィッチ17が作動しない場合には、異常が発生したもの と判断し、図示しない制御部の信号により装置全体が停止する。装置が停止した 場合には、異常発生の原因となるインサート部材を取り除いた後運転を再開する 。
【0051】 インサート部材ストックコンベア15上のインサート部材10は、方向・径判 別部18でインサート部材10の方向と直径が判別される。即ち引き渡し確認セ ンサ17により、インサート部材10がストックコンベア15上に引き渡された ことを確認後、方向判別用位置センサー18c、18dにより、インサート部材 10のフランジ部が検知され、フランジ部が上側にあるような正常な正立状態の 場合はON信号を制御部(不図示)へ出力し、フランジ部が下側にある場合はO FF状態となり異常が検知される。また径判別用位置センサー18g、18h1 8e、18fによりインサート部材の直径が判定される。即ち径判別位置センサ ー18g、18hがON信号を出力し、径判別位置センサー18e、18fがO FF状態になっている場合には、インサート部材10の直径は正常と判別され、 径判別位置センサー18g、18hと径判別位置センサー18e、18fが共に OFF状態の場合(下限値を越えた場合)と、径判別位置センサー18g、18 hと径判別位置センサー18e、18fが共にON信号を出力している場合(上 限値を越えた場合)は、インサート部材10の直径は異常と判別される。
【0052】 そして方向・径判別部18でインサート部材10の方向(上下方向)と直径の 異常が検出されると、一定時間後に制御部(不図示)から不良インサート部材排 出部19に作動信号が出力され、エアシリンダ19aが作動してインサート部材 10が押出され、インサート部材10はシュータ23を通じてインサート部材ス トックコンベア15から排出される。一方正常なインサート部材10はインサー ト部材位置決め装置21にストッパ20により所定間隔をおいて順次供給される 。
【0053】 ストッパー20の開閉動作により3個のインサート部材10a、10b、10 cがインサート位置決め装置21に供給されると、所定時間経過後に制御部(不 図示)からエアシリンダ21dに作動信号が出力され、挟持用爪21fが前進し て3個のインサート供給部材10a、10b、10cを挟持する。そして回転軸 板21eが180度回転して隣接するロボット供給用テーブル22上にインサー ト部材10a,10b、10cを搬送する。上記回転軸板21eの180度回転 後に制御部(不図示)からの作動信号によりエアシリンダ21dが再び作動して 挟持用爪21fを開放する。すると3個のインサート部材は、ロボット供給用テ ーブル22上に設けられた3個の凸部22a、22b、22cに嵌合され、より 正確に位置決めされる。そして図示せぬロボットアームにより、ロボット供給用 テーブル22上で正確に位置決めされた3個のインサート部材10a、10b、 10cが3個づつ(2セット計6個)チャッキングされ鋳造のショットサイクル に合わせて連続的に図示せぬ鋳造機の金型に装着される。
【0054】 上記動作が繰り返され、5段目までのインサート部材10が全て振動コンベア 7上に搬送され、電磁石40が下降すると段検知センサ82eがONして所定時 間経過すると段数検知センサ82a〜82dの遮断された回路が元の状態に復帰 される。そして、電磁石40が上昇し走行して振動コンベア7上の所定位置に達 すると、ボックスパレットA内のインサート部材10の搬送動作は完了したこと となり、上述して方法により新しいボックスパレットAがインサート部材供給ス テーション6にセットされる。そしてインサート部材供給スタートボタンを操作 して供給動作が開始される。
【0055】 尚、本考案は上記実施例に何等限定されること無く、実用新案登録請求の範囲 に記載された技術的事項の範囲内で種々の変更改良が可能である。
【0056】
【考案の効果】
(1)複数の仕切板を用いてボックスパレット内部を単に複数段棚上に仕切るだ けで多数のインサート部材を複数段に収容しているので、特別なパレットを使用 する必要がなく汎用性のある通常のボックスパレットが使用できる。 (2)上記(1)の効果により、インサート部材の並べ換えの必要がなくなると 共にインサート部材の大きさが変更されても何ら調整作業が必要なくなるので作 業性、作業効率の向上を図ることができる。 (3)仕切板が仕切板取出し装置により自動的に除去され別のボックスパレット に順次回収されるので、作業性と作業効率が著しく向上する。 (4)脱磁器を設けたので、インサート部材に残留する磁気が確実に除去でき、 鋳造後の仕上げ加工時におけるインサート部材への切粉の付着が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の主要部を示す側面図。
【図2】図1のII−II断面平面図
【図3】図2のIII−III断面図であり、電磁石4
0がインサート部材10を吸着した状態を示す。
【図4】図2のIV−IV断面図
【図5】インサート部材確認部11の詳細図
【図6】仕切板取出し装置2の紙取出部の紙取出し状態
を説明するための側面図
【符号の説明】
1 第1搬送装置 2 仕切板取出し装置 6 インサート部材供給ステーション 7 コンベアをなす振動コンベア 8 脱磁器 9 コンベアをなすベルトコンベア A ボックスパレット 10 インサート部材 40 電磁石 80 仕切板 80a〜80e 仕切板をなす段ボール板 81a〜81e 仕切板をなす油紙 100 第2搬送装置

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボックスパレットに収容された多数のイ
    ンサート部材を金型に自動的に供給するインサート部材
    供給装置において、 それぞれの上面に複数のインサート部材を載置するため
    に該ボックスパレットの内部を複数段に棚状に仕切る複
    数の仕切板と、 それぞれの該仕切板上に載置された該インサート部材を
    一括して吸着し搬送するための電磁石を有する第1搬送
    装置と、 該電磁石により搬送された該インサート部材を載置搬送
    するためのコンベアと、該コンベア上に設けられて該コ
    ンベア上で搬送されている該インサート部材の脱磁を行
    う脱磁器を有する第2搬送装置と、 該ボックスパレットに併設され、該電磁石により搬送さ
    れた該インサート部材を載置していた該仕切板を順次取
    除くための仕切板取出し装置とを有することを特徴とす
    るインサート部材供給装置。
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