JPH0639206A - 擬似移動床式液体クロマト分離装置 - Google Patents

擬似移動床式液体クロマト分離装置

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JPH0639206A
JPH0639206A JP4155787A JP15578792A JPH0639206A JP H0639206 A JPH0639206 A JP H0639206A JP 4155787 A JP4155787 A JP 4155787A JP 15578792 A JP15578792 A JP 15578792A JP H0639206 A JPH0639206 A JP H0639206A
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Hayamizu Ito
速水 伊東
Masao Hayashidani
正雄 林谷
Yoshitaka Kajihata
賀敬 梶畠
Tatsuya Imura
達哉 井村
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成分分離を効率よく行うことができる、経済
性に優れた擬似移動床式液体クロマト分離装置を提供す
る。 【構成】 装置を構成する4つのゾーンのうち、少なく
とも1つのゾーンの単位充填床(カラム)の本数が、他
のゾーンのカラムの本数と異なるようにする。さらに
は、ゾーン2のカラム本数とゾーン1のカラム本数との
比、及びゾーン3のカラム本数とゾーン4のカラム本数
との比が1.0を越え5.0以下、望ましくは2.0〜
3.0となるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各ゾーンの単位充填床
(カラム)の本数を最適化することにより、成分分離を
効率よく行うことができる、経済性に優れた擬似移動床
式液体クロマト分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生態調節機能性(食品では第3次
機能)に富む物質のみを混合物中から効率よく、しかも
大量に分離精製するニーズがあり、膜分離・超臨界抽出
・液体クロマト等、分離対象に応じた様々な分離プロセ
スが提案されている。中でも、互いに混じり合わない2
相(固定相と液相)への親和力の差を利用した液体クロ
マトが装置・操作とも簡便であり多くの分野で利用され
ている。本出願人は、連続的に、しかも大量処理を効率
的に行う液体クロマトグラフィの一種である擬似移動床
式液体クロマト分離装置を開発し、既に特願平2−25
3944として特許出願している。このクロマト分離装
置は、数本からなるカラムより構成され、これを4つの
ゾーンに分割し、原料液供給口、溶離液供給口、抜き出
し口(ラフィネート、エクストラクト)を一定時間毎に
流体の循環方向に1カラムずつ切り替え、充填材を擬似
的に移動させる機能を持たせ、2成分(多成分とみなせ
る2成分)分離を行っている。これらの変数(流量・時
間)設定には、各ゾーンでの充填材相と溶離液相への速
度比を用いた手法があるが、一般的に各ゾーンを構成す
るカラム数は同数であり、ゾーン内のカラム数の最適化
についての十分な検討はなされていない。
【0003】図3は、従来の移動床による2成分分離の
概念図である。充填剤(固体収着剤)との親和力の強い
成分A(収着質)と、充填剤との親和力の弱い成分B
(非収着質)とを分離する場合、充填剤の詰まったカラ
ム(充填床)内の成分Aと成分Bとの移動速度を、それ
ぞれVa、Vbとする。図3に示すように、この中間の
速度Vsで充填剤を流体の流れ方向と逆方向に移動させ
ると、成分BはVb−Vsの速度で流体移動方向に、成
分AはVs−Vaの速度で充填剤移動方向にそれぞれ移
動するから、A、Bの2成分の連続分離が可能となる。
これは移動床式としてよく知られている。しかし、充填
剤を実際に移動させることは、充填剤の摩耗、空隙率の
変化等を起こすので困難である。擬似移動床式では、1
本のカラムを数本ないし十数本に分割し、それぞれのカ
ラムの入口、出口を一定周期で液流れ方向に移動させる
ことにより、実際に充填剤を移動させることなしに、上
述の機能を達成できるので、移動床式の欠点を取り除き
2成分(又は2成分とみなせる多成分)の連続分離が可
能になる。
【0004】擬似移動床は、図4に示すように、通常4
つの帯域(ゾーン)からなっている。一次精製帯域(ゾ
ーン1)は充填材との親和力の弱い成分B(非収着質)
を回収し溶離液(脱着剤流体)を再生するために、吸着
帯域(ゾーン2)は充填材との親和力の強い成分A(収
着質)と成分Bとを分離しラフィネート(非収着質に富
む流体)として成分Bを回収するために、二次精製帯域
(ゾーン3)は成分Bを脱着させ成分Aを精製するため
に、脱着帯域(ゾーン4)は精製された成分Aを脱着さ
せエクストラクト(収着質に富む流体)として回収する
ために設けられている。
【0005】図5は、本出願人が開発し、既に特願平2
−253944として特許出願した擬似移動床式液体ク
ロマト分離装置の概略フローを示している。図5におい
て、一例として12個の単位充填床(カラム)11〜2
2は、循環導管601〜612で連絡されている。原料
液は原料液ポンプ41、原料液導管807及びこれに連
絡している原料液導入分岐管401〜412を経て各単
位充填床に導入される。原料液導入分岐管401〜41
2には二方電磁弁VF1〜VF12が設けられている。
脱着剤流体(溶離液)は溶離液ポンプ47、溶離液導管
808、循環ポンプ46、循環導管810、溶離液導入
分岐管501〜512を経て各単位充填床に導入され
る。この分岐管501〜512にも二方電磁弁VD1〜
VD12が設けられている。収着質に富む流体(エクス
トラクト)は、エクストラクト抜出分岐管201〜21
2、エクストラクト導管805、エクストラクトポンプ
43を経て各単位充填床から抜き出される。これらの分
岐管201〜212には二方電磁弁VE1〜VE12が
設けられている。一方、非収着質に富む流体(ラフィネ
ート)は、ラフィネート抜出分岐管301〜312、ラ
フィネート導管806、ラフィネートポンプ45を経て
各単位充填床から抜き出される。これらの分岐管301
〜312にも二方電磁弁VR1〜VR12が設けられて
いる。
【0006】エクストラクト抜出分岐管201〜212
とラフィネート抜出分岐管301〜212とをそれぞれ
接続する導管には、それぞれ三方電磁弁VT1〜VT1
2が設けられ、これらの三方電磁弁VT1〜VT12の
一方は、導管901〜912を介して溶離液ポンプ47
が接続された循環導管810に接続されている。ラフィ
ネートポンプ45、エクストラクトポンプ43、原料液
ポンプ41及び循環ポンプ46は、いずれも流量が設定
値(一定)となるように制御される。また、循環ポンプ
46の背圧が設定値(一定)となるように、溶離液ポン
プ47及び背圧弁48が制御される。
【0007】擬似移動床では、同時に4個の側流口が作
動し、充填床はその機能上、これらの側流口により4個
の帯域(ゾーン)、すなわち、原料液導入口から非収着
質に富む流体(ラフィネート)の抜出口までの間を占め
る収着帯域(ゾーン2)、非収着質に富む流体の抜出口
から脱着剤流体(溶離液)導入口までの間を占める一次
精製帯域(ゾーン1)、脱着剤流体導入口から収着質に
富む流体(エクストラクト)の抜出口までの間を占める
脱着帯域(ゾーン4)、収着質に富む流体の抜出口から
原料液導入口までの間を占める二次精製帯域(ゾーン
3)の4個の帯域(ゾーン)からなっている。
【0008】擬似移動床は、上記のように、通常4ゾー
ンより構成される。溶離液供給口とラフィネート抜出口
間をゾーン1、ラフィネート抜出口と原料液供給口間を
ゾーン2、原料液供給口とエクストラクト抜出口間をゾ
ーン3、エクストラクト抜出口と溶離液供給間をゾーン
4に設定している。各ゾーンの機能について混合成分
(成分A、B、充填剤への収着の度合を示す分配係数A
>B)の分離を例として示すと、つぎのようになる。 ゾーン1:非収着成分Bの回収(ゾーン4への流入防
止) ゾーン2:強収着成分Aの分離精製 ゾーン3:弱収着成分Bの分離精製 ゾーン4:強収着成分Aの回収(ゾーン1への流入防
止) 擬似移動床クロマトでは、各ゾーン内での液流速、すな
わち原料液供給量、溶離液供給量、ラフィネート、エク
ストラクトの抜き出し流量や充填材の移動速度に相当す
る入口・出口を切り替える時間などの操作因子があり、
目的に合った分離を達成するためには、これらを適切に
選定する必要がある。橋本らは充填剤相と液相によって
運ばれる溶質の速度比をパラメータとして導入し、その
有用性について示している(J.Chem.Eng.J
apan.16、400(1983)参照)。
【0009】つぎに、図5における電磁弁の開閉サイク
ルの一例について、単位充填床が12本の場合について
説明する。分離パターンは、一次精製帯域(ゾーン
1)、吸着帯域(ゾーン2)、二次精製帯域(ゾーン
3)、脱着帯域(ゾーン4)がいずれも3本ずつとな
る。単位充填床が12本であるので、12通りのステッ
プが行われることになる。一例として、ステップ1(工
程1)を図5に、ステップ2(工程2)を図6に、ステ
ップ3(工程3)を図7に示す。この場合の各電磁弁の
開閉状態は表1に示す通りである。なお、図5〜図7に
おいて、太い実線は液が流れている部分を示し、黒塗り
の弁は閉状態を示している。
【0010】
【表1】
【0011】図5のステップ1において、原料液は充填
床17に供給され、充填床18、19を循環する。この
間に収着質に富む物質は充填剤に吸着され、非収着質に
富む流体が充填床19からラフィネートとして抜き出さ
れる。すなわち、充填床17〜19は吸着帯域(ゾーン
2)となる。一方、溶離液を含む循環流体は充填床11
に供給され、充填床12、13を循環する。この間に充
填剤に吸着されていた収着質は脱着し、収着質に富む流
体が充填床13からエクストラクトとして抜き出され
る。すなわち、充填床11〜13は脱着帯域(ゾーン
4)となる。充填床20〜22へは循環流体が循環さ
れ、この間に非収着質は充填剤に吸着され、収着質も非
収着質も含まない流体となり、充填床22から抜き出さ
れる。すなわち、充填床20〜22は一次精製帯域(ゾ
ーン1)となる。充填床14〜16へは循環流体が循環
され、この間に充填剤に吸着されていた非収着質は脱着
され、一方、収着質は充填剤に吸着され精製される。す
なわち、充填床14〜16は二次精製帯域(ゾーン3)
となる。
【0012】図6のステップ2においては、ステップ1
における状態が充填床1本分左側にずれて切り替えら
れ、充填床12〜14が脱着帯域(ゾーン4)、充填床
15〜17が二次精製帯域(ゾーン3)、充填床18〜
20が吸着帯域(ゾーン2)、充填床21、22、11
が一次精製帯域(ゾーン1)となる。
【0013】図7のステップ3においては、ステップ2
における状態がさらに充填床1本分左側にずれて切り替
えられ、充填床13〜15が脱着帯域(ゾーン4)、充
填床16〜18が二次精製帯域(ゾーン3)、充填床1
9〜21が吸着帯域(ゾーン2)、充填床22、11、
12が一次精製帯域(ゾーン1)となる。以下、図示し
ていないが、充填床1本分づつ左側にずれて切り替えら
れ、ステップ12まで行われ、これらの動作が繰り返さ
れる。いずれのステップにおいても、循環ポンプ46の
吸引導管は一次精製帯域(ゾーン1)の最終段充填床の
出口に接続され、循環ポンプ46の吐出導管は脱着帯域
(ゾーン4)の第1段充填床の入口に接続されることに
なる。このため、循環ポンプ46に導入される液の物性
変化が小さくなり、安定運転を行うことができる。特
に、一次精製帯域(ゾーン1)と脱着帯域(ゾーン4)
との間は、粘度が最も低くなり好適である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】現在、擬似移動床クロ
マトにて目的に合った分離を達成するために、各ゾーン
内での液流速、すなわち原料液供給量、溶離液供給量、
ラフィネート、エクストラクトの抜き出し流量や充填材
の移動速度に相当する流体の導入口、抜出し口の切替時
間などの操作因子を設定する際に、充填剤相と液相によ
って運ばれる成分の速度比が用いられている。しかし通
常、擬似移動床クロマトのゾーンを構成するカラム数に
ついては同一本数で分離が行われ、ゾーンを構成するカ
ラム数については最適化されているとは言えない。その
ため、経済性に優れたシステムを構築するには、擬似移
動床クロマトのゾーン内のカラム本数を最適に設定する
必要がある。本発明は、上記の諸点に鑑みなされたもの
で、ゾーンを構成するカラム本数を最適化するようにし
て、経済性に優れた擬似移動床式液体クロマト分離装置
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的を達
成するために、本発明の液体クロマト分離装置は、固体
収着剤が充填されていて、直列に配列されている多数の
単位充填床(カラム)11〜22からなっており、これ
らの単位充填床の前端と後端とが流路で連結されて無端
状になっている充填床内に、循環ポンプ46により流体
を一方向に循環させ、この循環している流体に原料液及
び溶離液を導入し、同時に、単位充填床から非収着質に
富む流体及び収着質に富む流体を抜き出し、充填床内に
導入され又は充填床から抜き出される上記の流体の導入
口及び抜出口を、循環している流体の流れ方向に沿って
交互に配置し、かつ、充填床を循環している流体の流れ
方向に充填床の導入口及び抜出口の位置を間欠的に移動
させるように構成されて、擬似移動床がつぎの4つのゾ
ーン、すなわち、 (1) ゾーン1:溶離液供給口とラフィネート抜出口
との間、 (2) ゾーン2:ラフィネート抜出口と原料液供給口
との間、 (3) ゾーン3:原料液供給口とエクストラクト抜出
口との間、 (4) ゾーン4:エクストラクト抜出口と溶離液供給
口との間、 からなる擬似移動床式液体クロマト分離装置において、
少なくとも1つのゾーンの単位充填床(カラム)の本数
が、他のゾーンの単位充填床の本数と異なることを特徴
としている。
【0016】また、本発明のクロマト分離装置は、ゾー
ン2の単位充填床(カラム)本数とゾーン1の単位充填
床本数との比(ゾーン2/ゾーン1)、及びゾーン3の
単位充填床本数とゾーン4の単位充填床本数との比(ゾ
ーン3/ゾーン4)が1.0を越え5.0以下、望まし
くは、2.0〜3.0であることを特徴としている。上
記の比が1.0以下の場合は、分離された成分の回収は
十分に行なえるものの、混合成分の分離精製が十分に達
成出来ないという不都合があり、一方、上記の比が5.
0を越える場合は、混合成分の分離精製が十分に達成出
来るものの、分離した成分の回収が十分に出来ないとい
う不都合がある。
【0017】図5〜図7に示す擬似移動床式クロマト分
離装置を用い、上記のカラム本数比1.0から5.0に
て、表2に示す組成のグルコース・フラクトース混合物
からのグルコースとフラクトースの成分分離、並びに表
3に示す組成のオリゴ糖混合物から2糖以上画分と3糖
以上画分の分離を、充填材の移動速度を一定として行っ
た。なお、Gはグルコース、Fはフラクトースを示して
いる。
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】図1、図2に、それぞれカラム本数比での
充填材1リットルあたりの1日の固形分処理量を示す
が、カラム本数比が1、すなわちすべてのゾーン内のカ
ラム数が同数を基準とすれば、カラム本数比が2から3
になるようにゾーン内のカラム本数を設定し、分離を行
うことにより、グルコースとフラクトースの分離では約
1.05倍、オリゴ糖混合物から2糖以上画分と3糖以
上画分の分離では約1.2倍と、大幅な原料処理能力の
増大がみられた。以上より、擬似移動床式クロマトのゾ
ーンを構成するカラム本数を、カラム本数比が1.0〜
5.0、望ましくは1.5から4.0、さらに望ましく
は2.0から3.0で設定することにより、従来のゾー
ン内のカラム数が同数である分離に比べて効率よく分離
できることがわかった(実施例1と比較例1、実施例2
と比較例2を比べる。)。一例として本出願人が開発
し、特許出願している特願平2−253944にて効果
についてのべているが、擬似移動床式クロマトにはこれ
に限定するものではない。また、同時に出願している3
成分分離用液体クロマト分離装置へも本技術は適用可能
である。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて説
明する。 実施例1 前述の表2に記載した成分組成をもつグルコース、フラ
クトース混合物を調製し、エバポレータにて糖濃度(固
形分基準)60wt%に濃縮し、図5〜図7に示す擬似移
動床式液体クロマトに導入した。使用した擬似移動床式
液体クロマト分離試験装置は、ジャケット付きステンレ
スカラム8本(内径4.50cm、高さ75cm)から構成
され、各カラムにCa型スチレン系強酸性陽イオン交換
樹脂(架橋度6%、平均粒子径320μm 、ダウエック
ス登録商標;XHC−306)を充填した。また、ジャ
ケット内を温水循環することにより60度に保温した。
カラム本数比を3.0にて、すなわち各ゾーンのカラム
数を1、3、3、1本にて以下の操作条件で、グルコー
スとフラクトースの分離を実施した。 擬似移動床式クロマトの操作条件 原料濃度;771.6g /l (比重1.286として6
0wt%) 分離ポイント;G/F 切替時間;22.5分/サイクル デソーベント流量/フィード流量=1.818 ラフィネート流量/エクストラクト流量=0.867 循環流量;43.0ml/min . デソーベント(溶離液)としては、水を使用した。 パルス試験により実施したグルコース、フラクトースの
分配係数は、0.58、0.38であり、この操作によ
って得られたエクストラクト、ラフィネートの組成は表
4に示すとおりであった。
【0022】
【表4】
【0023】比較例1 前述の表2に記載した成分組成をもつグルコース、フラ
クトース混合物を調製し、エバポレータにて糖濃度(固
形分基準)60wt%に濃縮し図5〜図7に示す擬似移動
床式液体クロマトに導入した。使用した擬似移動床式液
体クロマト分離試験装置は、ジャケット付きステンレス
カラム12本(内径3.67cm、高さ75cm)から構成
され、各カラムにCa型スチレン系強酸性陽イオン交換
樹脂(架橋度6%、平均粒子径320μm 、ダウエック
ス登録商標;XHC−306)を充填した。また、ジャ
ケット内を温水循環することにより60度に保温した。
カラム本数比を1.0にて、すなわち各ゾーン3本にて
以下の操作条件で、グルコースとフラクトースの分離を
実施した。 擬似移動床式クロマトの操作条件 原料濃度;771.6g /l (比重1.286として6
0wt%) 分離ポイント;G/F 切替時間;15分/サイクル デソーベント流量/フィード流量=1.898 ラフィネート流量/エクストラクト流量=0.867 循環流量;43.0ml/min . デソーベント(溶離液)としては、水を使用した。パル
ス試験により実施したグルコース、フラクトースの分配
係数は、0.58、0.38であり、この操作によって
得られたエクストラクト、ラフィネートの組成は表5に
示すとおりであった。
【0024】
【表5】
【0025】実施例2 前述の表3に示した成分組成を持つ糖混合物を調製し、
予めエバポレータにて糖濃度(固形分基準)60wt%に
濃縮したのち、図5〜図7に示す擬似移動床式クロマト
に導入し、以下の条件にて分離を行った。なお装置は、
ジャケット付きステンレスカラム(内径4.50cm、高
さ75cm)12本から構成され、カラム内にNa型スチ
レン系強酸性陽イオン交換樹脂(架橋度6%、平均粒子
径320μm 、ダウエックス登録商標;XHC−30
6)を塩化ナトリウム存在下のもとでにスラリー充填し
た。また、ジャケット内を温水循環することにより60
度に保温した。カラム本数比を3.0にて、すなわち各
ゾーンのカラム数を1、3、3、1本にて以下の操作条
件で、オリゴ糖混合物から2糖以上画分と3糖以上画分
の分離を実施した。 擬似移動床式クロマトの操作条件 原料濃度;771.6g /l (比重1.286として6
0wt%) 分離ポイント;2糖以下/3糖以上 切替時間;22.5分/サイクル デソーベント流量/フィード流量=3.454 ラフィネート流量/エクストラクト流量=1.04 循環流量;35.0ml/min . デソーベント(溶離液)としては、1/1000規定の
苛性ソーダを含有する水を使用した。パルス試験で求め
た各成分の分配係数を表6に示す。
【0026】
【表6】
【0027】この操作によって得られたエクストラク
ト、ラフィネートの組成は表7に示すとおりであった。
【0028】
【表7】
【0029】比較例2 前述の表3に示した成分組成を持つ糖混合物を調製し、
予めエバポレータにて糖濃度(固形分基準)60wt%に
濃縮したのち、図5〜図7に示す擬似移動床式クロマト
に導入し、以下の条件にて分離を行った。なお装置は、
ジャケット付きステンレスカラム(内径3.67cm、高
さ75cm)12本から構成され、カラム内にNa型スチ
レン系強酸性陽イオン交換樹脂(架橋度6%、平均粒子
径320μm 、ダウエックス登録商標;XHC−30
6)を塩化ナトリウム存在下のもとでにスラリー充填し
た。また、ジャケット内を温水循環することにより60
度に保温した。カラム本数比を1.0にて、すなわち各
ゾーン3本にて以下の操作条件で、オリゴ糖混合物から
2糖以上画分と3糖以上画分の分離を実施した。 擬似移動床式クロマトの操作条件 原料濃度;771.6g /l (比重1.286として6
0wt%) 分離ポイント;2糖以下/3糖以上 切替時間;15分/サイクル デソーベント流量/フィード流量=4.08 ラフィネート流量/エクストラクト流量=1.08 循環流量;35.0ml/min . デソーベント(溶離液)としては、1/1000規定の
苛性ソーダを含有する水を使用した。パルス試験で求め
た各成分の分配係数を表8に示す。
【0030】
【表8】
【0031】この操作によって得られたエクストラク
ト、ラフィネートの組成は表9に示すとおりであった。
【0032】
【表9】
【0033】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 擬似移動床式クロマトを構成するゾーンのカラ
ム数を異なるようにし、さらには、カラム数の選定に、
カラム数の比を導入することにより、最適な条件下で分
離操作が可能となった。 (2) 本発明の装置は、食品分野に限らず、医薬品、
化学品分野に適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】グルコース・フラクトース分離におけるカラム
本数比依存性を示すグラフである。
【図2】オリゴ糖混合物から2糖以下画分と3糖以下画
分分離におけるカラム本数比依存性を示すグラフであ
る。
【図3】一般の移動床による2成分分離の概念図であ
る。
【図4】擬似移動床式連続液体クロマト分離装置の一般
的な構成を示す説明図である。
【図5】従来の擬似移動床式液体クロマト分離装置の一
例で、ステップ1の状態を示す概念説明図である。
【図6】図5に続くステップ2の状態を示す概念説明図
である。
【図7】図6に続くステップ3の状態を示す概念説明図
である。
【符号の説明】
11 単位充填床(カラム) 22 単位充填床(カラム) 41 原料液ポンプ 43 エクストラクトポンプ 45 ラフィネートポンプ 46 循環ポンプ 47 溶離液ポンプ 48 背圧弁
フロントページの続き (72)発明者 梶畠 賀敬 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 井村 達哉 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体収着剤が充填されていて、直列に配
    列されている多数の単位充填床(11)〜(22)から
    なっており、これらの単位充填床の前端と後端とが流路
    で連結されて無端状になっている充填床内に、循環ポン
    プ(46)により流体を一方向に循環させ、この循環し
    ている流体に原料液及び溶離液を導入し、同時に、単位
    充填床から非収着質に富む流体及び収着質に富む流体を
    抜き出し、充填床内に導入され又は充填床から抜き出さ
    れる上記の流体の導入口及び抜出口を、循環している流
    体の流れ方向に沿って交互に配置し、かつ、充填床を循
    環している流体の流れ方向に充填床の導入口及び抜出口
    の位置を間欠的に移動させるように構成されて、擬似移
    動床がつぎの4つのゾーン、すなわち、 (1) ゾーン1:溶離液供給口とラフィネート抜出口
    との間、 (2) ゾーン2:ラフィネート抜出口と原料液供給口
    との間、 (3) ゾーン3:原料液供給口とエクストラクト抜出
    口との間、 (4) ゾーン4:エクストラクト抜出口と溶離液供給
    口との間、 からなる擬似移動床式液体クロマト分離装置において、 少なくとも1つのゾーンの単位充填床の本数が、他のゾ
    ーンの単位充填床の本数と異なることを特徴とする擬似
    移動床式液体クロマト分離装置。
  2. 【請求項2】 ゾーン2の単位充填床本数とゾーン1の
    単位充填床本数との比、及びゾーン3の単位充填床本数
    とゾーン4の単位充填床本数との比が1.0を越え5.
    0以下であることを特徴とする請求項1記載の擬似移動
    床式液体クロマト分離装置。
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