JP2648366B2 - 擬似移動層による分離方法 - Google Patents
擬似移動層による分離方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は擬似移動層による分離・濃縮方法に関する。
(従来の技術) ガスおよび液体クロマトグラフィーは有力な分離、分
析手段として広く利用されている。しかしながら、一般
に実験室等で用いられている固定式のものは、回分操作
方式であり、大量の物質の分離・精製に適用するには連
続化する必要がある。連続化する方式の理想的な方式は
移動層を用いるものである。
析手段として広く利用されている。しかしながら、一般
に実験室等で用いられている固定式のものは、回分操作
方式であり、大量の物質の分離・精製に適用するには連
続化する必要がある。連続化する方式の理想的な方式は
移動層を用いるものである。
移動層による吸着分離は第2図に模式的に示すよう
に、固体の吸着剤と溶離液とが向流で移動しているカラ
ムの中央からA成分とB成分とを含む原液を供給する。
この場合、A成分が吸着剤に対し吸着性が高く、B成分
が低いと仮定すると、A成分は吸着剤の流れと共に第2
図の右の方向へ移動し、B成分は溶離液の流れと共に左
の方向へ移動する。A成分は右側の取り出し口から取り
出し、B成分は左側の取り出し口から取り出すと分離が
できる。
に、固体の吸着剤と溶離液とが向流で移動しているカラ
ムの中央からA成分とB成分とを含む原液を供給する。
この場合、A成分が吸着剤に対し吸着性が高く、B成分
が低いと仮定すると、A成分は吸着剤の流れと共に第2
図の右の方向へ移動し、B成分は溶離液の流れと共に左
の方向へ移動する。A成分は右側の取り出し口から取り
出し、B成分は左側の取り出し口から取り出すと分離が
できる。
しかしながら、移動層方式では固体の吸着剤を移動さ
せなければならず、現実的には克服すべき問題点が多
い。そこで、吸着剤を動かさずに原液供給口、溶離液供
給口と取り出し口の方を所定の周期で移動させる方式を
とったのが擬似移動層(ジャーナル・オブ・ケミカル・
エンジニアリング・オブ・ジャパン,16,p400−406,198
3)である。
せなければならず、現実的には克服すべき問題点が多
い。そこで、吸着剤を動かさずに原液供給口、溶離液供
給口と取り出し口の方を所定の周期で移動させる方式を
とったのが擬似移動層(ジャーナル・オブ・ケミカル・
エンジニアリング・オブ・ジャパン,16,p400−406,198
3)である。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者等はこの擬似移動層を用いる分離方法を検討
し、単なる分離に留まらず、濃縮も可能にする操作方法
を提供することを目的とする。
し、単なる分離に留まらず、濃縮も可能にする操作方法
を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 即ち、本発明は特定成分とその他の成分を含む混合物
より特定成分を分離するにあたり、該特定成分を選択的
に吸着する吸着剤を充填した複数の充填塔を液体通路で
直列に連結すると共に、最前の充填塔と最後の充填塔も
液体通路で結合して無端状とし、液体が一方向に流れる
充填塔群において、 溶離液供給口(a)、特定成分の取り出し口(b)、
原液供給口(c)およびその他の成分取り出し口(d)
を液体の流れの方向に沿って、所定間隔でこの順序で配
置し、(a)、(b)、(c)および(d)を下流側に
間欠的に逐次移動させ、かつ、原液供給流量より特定成
分取り出し流量およびその他の成分の取り出し流量の少
なくとも一方を小さくするとともに、原液の溶媒組成中
での特定成分またはその他の成分の吸着剤に対する吸着
性より溶離液中でのそれを小さくすることを特徴とする
擬似移動層による分離方法を提供する。
より特定成分を分離するにあたり、該特定成分を選択的
に吸着する吸着剤を充填した複数の充填塔を液体通路で
直列に連結すると共に、最前の充填塔と最後の充填塔も
液体通路で結合して無端状とし、液体が一方向に流れる
充填塔群において、 溶離液供給口(a)、特定成分の取り出し口(b)、
原液供給口(c)およびその他の成分取り出し口(d)
を液体の流れの方向に沿って、所定間隔でこの順序で配
置し、(a)、(b)、(c)および(d)を下流側に
間欠的に逐次移動させ、かつ、原液供給流量より特定成
分取り出し流量およびその他の成分の取り出し流量の少
なくとも一方を小さくするとともに、原液の溶媒組成中
での特定成分またはその他の成分の吸着剤に対する吸着
性より溶離液中でのそれを小さくすることを特徴とする
擬似移動層による分離方法を提供する。
分離と濃縮の方法として第1溶離液、第2溶離液の2
種類の溶離液を用いる方法(特開昭64−85106号公報)
が提案されている。この方法は溶離液を2種類必要とす
ると同時に第1区画の最後列の塔の出口と第2区画の最
前列の塔の入り口との間の液体通路を遮断し、溶離液供
給口を第1区画及び第2区画各々の最前列の塔の入り口
の2ケ所設ける必要があること、またその他の成分の取
り出し口より得られるその他の成分の濃度は通常の擬似
移動層型吸着分離操作同様希釈されるという問題を有し
ている。
種類の溶離液を用いる方法(特開昭64−85106号公報)
が提案されている。この方法は溶離液を2種類必要とす
ると同時に第1区画の最後列の塔の出口と第2区画の最
前列の塔の入り口との間の液体通路を遮断し、溶離液供
給口を第1区画及び第2区画各々の最前列の塔の入り口
の2ケ所設ける必要があること、またその他の成分の取
り出し口より得られるその他の成分の濃度は通常の擬似
移動層型吸着分離操作同様希釈されるという問題を有し
ている。
本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
第1図は本発明の方法で使用される擬似移動層装置の
1例を示したものである。ある時間における溶離液供給
口、特定成分の取り出し口、原液供給口およびその他の
成分の取り出し口は各々(a),(b),(c)および
(d)である、この他に溶離液取り出し口(e)を必要
に応じて設けてもよい。溶離液取り出し口(e)を設け
る場合、(e)と(a)の間は、例えば電磁弁Sをもっ
て遮断する必要がある。これら(a)、(b)、(c)
および(e)は電磁弁(D1〜12、F1〜12,E1〜12、R1〜
12、Ef1〜12およびS1〜12)および弁開閉制御装置等、
あるいはロータリーバルブ方式等の公知の手段により、
液体の流れの方向に間欠的に逐次移動する。
1例を示したものである。ある時間における溶離液供給
口、特定成分の取り出し口、原液供給口およびその他の
成分の取り出し口は各々(a),(b),(c)および
(d)である、この他に溶離液取り出し口(e)を必要
に応じて設けてもよい。溶離液取り出し口(e)を設け
る場合、(e)と(a)の間は、例えば電磁弁Sをもっ
て遮断する必要がある。これら(a)、(b)、(c)
および(e)は電磁弁(D1〜12、F1〜12,E1〜12、R1〜
12、Ef1〜12およびS1〜12)および弁開閉制御装置等、
あるいはロータリーバルブ方式等の公知の手段により、
液体の流れの方向に間欠的に逐次移動する。
充填塔C1〜12には特定成分を選択的に吸着する吸着剤
が充填されている。
が充填されている。
本発明の方法では原液中の溶媒組成における特定成分
及びその他の成分の吸着剤に対する吸着性より、溶離液
中の特定成分およびその他の成分の吸着剤に対する吸着
性が小さくなるようにする。原液中の特定成分およびそ
の他の成分の吸着剤に対する吸着性をqFとし、溶離液中
のそれをqDとした場合、qF/qD>1、好ましくは1<qF/
qD<10,000、より好ましくは1<qF/qD<100を満足する
ように原液の溶媒および溶離液を選択する。この条件を
満足する液を原液供給口及び溶離液供給口より供給する
ことで装置内に溶媒組成の分布を形成する。
及びその他の成分の吸着剤に対する吸着性より、溶離液
中の特定成分およびその他の成分の吸着剤に対する吸着
性が小さくなるようにする。原液中の特定成分およびそ
の他の成分の吸着剤に対する吸着性をqFとし、溶離液中
のそれをqDとした場合、qF/qD>1、好ましくは1<qF/
qD<10,000、より好ましくは1<qF/qD<100を満足する
ように原液の溶媒および溶離液を選択する。この条件を
満足する液を原液供給口及び溶離液供給口より供給する
ことで装置内に溶媒組成の分布を形成する。
本発明を達成するには、更にもう一つ重要な条件が必
要である。つまり原液供給流量より各取り出し口の流量
を小さくしなければならない。この条件を特定成分とそ
の他の成分の分離の条件下で達成できれば各々の成分の
高濃度での回収が可能となる。
要である。つまり原液供給流量より各取り出し口の流量
を小さくしなければならない。この条件を特定成分とそ
の他の成分の分離の条件下で達成できれば各々の成分の
高濃度での回収が可能となる。
本発明は擬似移動層型吸着分離操作において、原液濃
度より高濃度で成分を分離回収できるという従来の技術
より画期的な操作方法を示すものであり、本発明に使用
できる吸着剤と溶媒組成の組合せについては特に限定す
るものではないが、通常の固定層回分式のクロマトグラ
フィーにより分離されるもので、なおかつ溶離液の溶媒
組成を替えることにより成分の溶出時間が変化する組合
せであればよい。例えばイオン交換樹脂を吸着剤として
用い、水素イオン濃度等溶媒中の各種イオン濃度を替え
るイオン交換クロマトグラフィー、或はODS及びスチレ
ンジビニルベンゼン共重合物で代表される疎水性吸着剤
と親水性の溶離液の組合せによる逆相クロマトグラフィ
ーで、この場合溶離液の疎水性を増加すれば成分の吸着
性は減少する。従って本発明の方法においては、原液中
の溶媒より溶離液の溶媒の疎水性を増加させればよい。
その他順相クロマトグラフィー、アフィニティークロマ
トグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、吸着クロマ
トグラフィー等に本発明は用いることができる。また本
発明の方法を用いて分離される成分についても、特に限
定するものではなく、特定成分或はその他の成分とは少
なくとも1成分以上の成分を含有する。
度より高濃度で成分を分離回収できるという従来の技術
より画期的な操作方法を示すものであり、本発明に使用
できる吸着剤と溶媒組成の組合せについては特に限定す
るものではないが、通常の固定層回分式のクロマトグラ
フィーにより分離されるもので、なおかつ溶離液の溶媒
組成を替えることにより成分の溶出時間が変化する組合
せであればよい。例えばイオン交換樹脂を吸着剤として
用い、水素イオン濃度等溶媒中の各種イオン濃度を替え
るイオン交換クロマトグラフィー、或はODS及びスチレ
ンジビニルベンゼン共重合物で代表される疎水性吸着剤
と親水性の溶離液の組合せによる逆相クロマトグラフィ
ーで、この場合溶離液の疎水性を増加すれば成分の吸着
性は減少する。従って本発明の方法においては、原液中
の溶媒より溶離液の溶媒の疎水性を増加させればよい。
その他順相クロマトグラフィー、アフィニティークロマ
トグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、吸着クロマ
トグラフィー等に本発明は用いることができる。また本
発明の方法を用いて分離される成分についても、特に限
定するものではなく、特定成分或はその他の成分とは少
なくとも1成分以上の成分を含有する。
(作用) 本発明の擬似移動層の作用について、第2図に基づい
て説明する。第2図は移動層を示すものであるが、擬似
移動層は理論的には移動層と同じと考えられるのでこれ
を用いる。第2図において、溶離液の流量をVD、原液供
給流量をVF、A成分取り出し口流量をVE、B成分取り出
し口流量をVRとすると、第1区画の流量はVD、第2区画
の流量はVD−VE、第3区画の流量はVD−VE+VF、第4区
画の流量はVD−VE+VF−VRである。流量と移動速度は次
の式が成り立つ。
て説明する。第2図は移動層を示すものであるが、擬似
移動層は理論的には移動層と同じと考えられるのでこれ
を用いる。第2図において、溶離液の流量をVD、原液供
給流量をVF、A成分取り出し口流量をVE、B成分取り出
し口流量をVRとすると、第1区画の流量はVD、第2区画
の流量はVD−VE、第3区画の流量はVD−VE+VF、第4区
画の流量はVD−VE+VF−VRである。流量と移動速度は次
の式が成り立つ。
移動速度(v)=流量(V)/q(但し、qは吸着性を示
す。) また、吸着剤の移動速度は充填塔の長さ(L)/切換
時間(T)となる。今、qF、qDの吸着性を示す液を原液
供給口、容離液供給口より供給すると装置内において、
第1区画、第2区画ではqDの吸着性を示す溶媒組成とな
り第3区画、第4区画ではqDとqFを示す液が混合し、q
FDの吸着性を示す溶媒組成となる。そこで、A成分をA
成分取り出し口から流出させる条件は: 第1区画におけるA成分の移動速度 =VD/qD>L/T ……(1) 第2区画におけるA成分の移動速度 =(VD−VE)/qD<L/T ……(2) 第3区画におけるA成分の移動速度 =(VD−VE+VF)/qFD<L/T ……(3) 第4区画におけるA成分の移動速度 =(VD−VE+VR)/qFD<L/T ……(4) (但し、qDは第1および第2区画での溶媒に特定の係数
であり、qFDは第3および第4区画での溶媒に特定の係
数である。) ここで、qF=qD=qFD>0とすると、(1)と(3)
の式から (−VE+VF)/qD<L/T−VD/qD<0 故にVF<VEとなる。
す。) また、吸着剤の移動速度は充填塔の長さ(L)/切換
時間(T)となる。今、qF、qDの吸着性を示す液を原液
供給口、容離液供給口より供給すると装置内において、
第1区画、第2区画ではqDの吸着性を示す溶媒組成とな
り第3区画、第4区画ではqDとqFを示す液が混合し、q
FDの吸着性を示す溶媒組成となる。そこで、A成分をA
成分取り出し口から流出させる条件は: 第1区画におけるA成分の移動速度 =VD/qD>L/T ……(1) 第2区画におけるA成分の移動速度 =(VD−VE)/qD<L/T ……(2) 第3区画におけるA成分の移動速度 =(VD−VE+VF)/qFD<L/T ……(3) 第4区画におけるA成分の移動速度 =(VD−VE+VR)/qFD<L/T ……(4) (但し、qDは第1および第2区画での溶媒に特定の係数
であり、qFDは第3および第4区画での溶媒に特定の係
数である。) ここで、qF=qD=qFD>0とすると、(1)と(3)
の式から (−VE+VF)/qD<L/T−VD/qD<0 故にVF<VEとなる。
またB成分をB成分取り出し口から流出させる条件
は: 第1区画におけるB成分の移動速度 =VD/qD>L/T ……(5) 第2区画におけるB成分の移動速度 =(VD−VE)/qD>L/T ……(6) 第3区画におけるB成分の移動速度 =(VD−VE+VF)/qFD>L/T ……(7) 第4区画におけるB成分の移動速度 =(VD−VE+VF−VR)/qFD<L/T ……(8) ここで、qF=qD=qFD>0では、(6)と(8)の式
より (VF−VR)/qD<L/T−(VD−VE)/qD<0 故にVF<VRとなる。
は: 第1区画におけるB成分の移動速度 =VD/qD>L/T ……(5) 第2区画におけるB成分の移動速度 =(VD−VE)/qD>L/T ……(6) 第3区画におけるB成分の移動速度 =(VD−VE+VF)/qFD>L/T ……(7) 第4区画におけるB成分の移動速度 =(VD−VE+VF−VR)/qFD<L/T ……(8) ここで、qF=qD=qFD>0では、(6)と(8)の式
より (VF−VR)/qD<L/T−(VD−VE)/qD<0 故にVF<VRとなる。
これは各区画の溶媒組成が同じであれば、A成分、B
成分は原液よりも流量が多いので、希釈された状態で出
てくることを意味する。即ち、通常分離とともに濃縮す
ることは不可能であることが解る。
成分は原液よりも流量が多いので、希釈された状態で出
てくることを意味する。即ち、通常分離とともに濃縮す
ることは不可能であることが解る。
ところが、VF>VE(原液供給流量>A成分取り出し口
流量)、VF>VR(原液供給流量>B成分取り出し口流
量)でqF>qFD>qD(原液中の吸着性より溶離液中の吸
着性が低い)の条件を選定して、擬似移動層による分離
ができれば、濃縮が可能となることが解った。
流量)、VF>VR(原液供給流量>B成分取り出し口流
量)でqF>qFD>qD(原液中の吸着性より溶離液中の吸
着性が低い)の条件を選定して、擬似移動層による分離
ができれば、濃縮が可能となることが解った。
通常の擬似移動層型吸着分離操作では各区画の吸着性
は同一の吸着平衡関係で表現されるが、本発明において
は、原液中の溶媒組成と溶離液の溶媒組成が異なるた
め、擬似移動層装置内に溶媒組成の分布が形成され、そ
の結果第1区画、第2区画と第3区画、第4区画の吸着
性は異なる吸着平衡関係で表現される。従って特定成分
とその他の成分の分離を達成せしめる条件はそのまま各
区画の液流量の条件とはならない。つまり本発明におい
ては、第1区画、第2区画に形成せしめた溶媒組成は吸
着剤に対する各成分の吸着性を低くするため各成分の移
動速度がより大きく、第1区画及び第2区画においては
液流量を大きくせずとも特定成分およびその他の成分の
移動速度を大きくすることが可能であり、従って特定成
分とその他の成分の分離条件下で第1区画の液流量を第
3区画より小さく、また第2区画の液流量を第4区画よ
り小さくすることができる。このことから原液供給流量
より各取り出し流量を小さくでき、本発明の方法を用い
れば特定成分及びその他の成分を連続的に分離しかつ原
液中の濃度より高濃度で回収することが可能となる。当
然のことながら、特定成分或はその他の成分どちらか一
方の濃縮分離も可能である。
は同一の吸着平衡関係で表現されるが、本発明において
は、原液中の溶媒組成と溶離液の溶媒組成が異なるた
め、擬似移動層装置内に溶媒組成の分布が形成され、そ
の結果第1区画、第2区画と第3区画、第4区画の吸着
性は異なる吸着平衡関係で表現される。従って特定成分
とその他の成分の分離を達成せしめる条件はそのまま各
区画の液流量の条件とはならない。つまり本発明におい
ては、第1区画、第2区画に形成せしめた溶媒組成は吸
着剤に対する各成分の吸着性を低くするため各成分の移
動速度がより大きく、第1区画及び第2区画においては
液流量を大きくせずとも特定成分およびその他の成分の
移動速度を大きくすることが可能であり、従って特定成
分とその他の成分の分離条件下で第1区画の液流量を第
3区画より小さく、また第2区画の液流量を第4区画よ
り小さくすることができる。このことから原液供給流量
より各取り出し流量を小さくでき、本発明の方法を用い
れば特定成分及びその他の成分を連続的に分離しかつ原
液中の濃度より高濃度で回収することが可能となる。当
然のことながら、特定成分或はその他の成分どちらか一
方の濃縮分離も可能である。
(発明の効果) 本発明によれば、擬似移動層型吸着分離操作の後の濃
縮工程でのエネルギーが低減可能であり、分離精製工程
全体の変動費及び設備費を従来に比べ低減することがで
きる。
縮工程でのエネルギーが低減可能であり、分離精製工程
全体の変動費及び設備費を従来に比べ低減することがで
きる。
(実施例) 以下に本発明の効果をより明確にするために実施例に
より本発明を具体的に説明する。しかし本発明はこれに
限定されるものではない。
より本発明を具体的に説明する。しかし本発明はこれに
限定されるものではない。
実施例 本実施例ではオレイン酸とγ−リノレン酸の分離につ
いて示す。内径1.25cm、長さ12cmの充填塔12本のそれぞ
れの末端を次の充填塔の頂部と電磁弁S1〜S12を介して
配管で無端状に連結し、各電磁弁の上流に電磁弁を有す
る液流出管(E,R,Ef)を3本分岐して連結し、下流には
電磁弁を有する液流入管(D,F)を2本分岐して連結し
た実験装置を用い、吸着剤としてはODS−H(オルガノ
製)を用い各充填塔に14ml充填した。溶離液は液流入管
Dより、原液は液流入管Fより供給し、吸着性の強いオ
レイン酸は液流出管Eより、吸着性の弱いγ−リノレン
酸は液流出管Rより取り出す。従って本実施例の場合、
特定成分はオレイン酸であり、その他の成分はγ−リノ
レン酸である。各液入出口の一定時間毎の切り替えは、
D,F,E,R,Efの電磁弁の開閉の位置を液流れ下流に1塔づ
つ移動させることで行った。本実施例では(e)と
(a)の間は遮断し、溶離液取り出し口を設けた。従っ
てこの位置も一定時間毎に液流れ下流に移動した。
いて示す。内径1.25cm、長さ12cmの充填塔12本のそれぞ
れの末端を次の充填塔の頂部と電磁弁S1〜S12を介して
配管で無端状に連結し、各電磁弁の上流に電磁弁を有す
る液流出管(E,R,Ef)を3本分岐して連結し、下流には
電磁弁を有する液流入管(D,F)を2本分岐して連結し
た実験装置を用い、吸着剤としてはODS−H(オルガノ
製)を用い各充填塔に14ml充填した。溶離液は液流入管
Dより、原液は液流入管Fより供給し、吸着性の強いオ
レイン酸は液流出管Eより、吸着性の弱いγ−リノレン
酸は液流出管Rより取り出す。従って本実施例の場合、
特定成分はオレイン酸であり、その他の成分はγ−リノ
レン酸である。各液入出口の一定時間毎の切り替えは、
D,F,E,R,Efの電磁弁の開閉の位置を液流れ下流に1塔づ
つ移動させることで行った。本実施例では(e)と
(a)の間は遮断し、溶離液取り出し口を設けた。従っ
てこの位置も一定時間毎に液流れ下流に移動した。
本実施例においては、溶離液としてメタノール水溶液
を用いた。原液と溶離液の溶媒組成は水分含量を変え
た。本吸着剤では溶離液の親水性が増加する程、つまり
水分含量が増加するほど吸着性が大きくなる。本実施例
で用いた原液はオレイン酸10g/、γ−リノレン酸1g/
を含む水分含量12.3重量%のメタノール溶液であり、
溶離液としては水分含量6.2重量%のメタノール溶液を
用いた。以下本実施例の操作条件を記す。
を用いた。原液と溶離液の溶媒組成は水分含量を変え
た。本吸着剤では溶離液の親水性が増加する程、つまり
水分含量が増加するほど吸着性が大きくなる。本実施例
で用いた原液はオレイン酸10g/、γ−リノレン酸1g/
を含む水分含量12.3重量%のメタノール溶液であり、
溶離液としては水分含量6.2重量%のメタノール溶液を
用いた。以下本実施例の操作条件を記す。
原液供給流量 0.278ml/min 溶離液供給流量 1.279ml/min オレイン酸取り出し口流量 0.232ml/min γ−リノレン酸取り出し口流量 0.214ml/min 溶離液取り出し口流量 1.111ml/min 液入出口切り替え時間 20min 本実施例の操作条件は、原液供給流量よりオレイン酸
及びγ−リノレン酸の取り出し口流量を小さく設定し
た。つまり両成分を連続分離しかつ原液より高濃度で得
る条件に設定した。
及びγ−リノレン酸の取り出し口流量を小さく設定し
た。つまり両成分を連続分離しかつ原液より高濃度で得
る条件に設定した。
本実施例の結果を第3図、第4図に示す。第3図はオ
レイン酸取り出し口の液濃度の経時変化を示したもので
あり、99.9%以上の純度のオレイン酸が得られ、また定
常状態での濃度は原液の1.2倍であった。第4図はγ−
リノレン酸取り出し口の液濃度の経時変化を示したもの
である。取り出し液中にオレイン酸は検出されなかっ
た。定常状態でのγ−リノレン酸流出濃度は源液の1.25
倍であった。また第5図には定常状態における水分含量
の分布を示す。これより第1、第2区画と第3、第4区
画の水分含量は異なり第1、第2区画の方が低い。
レイン酸取り出し口の液濃度の経時変化を示したもので
あり、99.9%以上の純度のオレイン酸が得られ、また定
常状態での濃度は原液の1.2倍であった。第4図はγ−
リノレン酸取り出し口の液濃度の経時変化を示したもの
である。取り出し液中にオレイン酸は検出されなかっ
た。定常状態でのγ−リノレン酸流出濃度は源液の1.25
倍であった。また第5図には定常状態における水分含量
の分布を示す。これより第1、第2区画と第3、第4区
画の水分含量は異なり第1、第2区画の方が低い。
以上より、本発明の方法に基づいて実施した結果、オ
レイン酸とγ−リノレン酸を連続的に分離しかつ両成分
を原液濃度より高濃度で得ることができた。
レイン酸とγ−リノレン酸を連続的に分離しかつ両成分
を原液濃度より高濃度で得ることができた。
第1図は本発明の方法で使用する擬似移動層の1例の模
式図を示す。 第2図は本移動層の原理を示す図である。 第3図及び第4図はそれぞれオレイン酸、γ−リノレン
酸取り出し口の液濃度の経時変化を示したグラフであ
る。 第5図は定常状態における装置内の水分含量の分布を示
したグラフである。
式図を示す。 第2図は本移動層の原理を示す図である。 第3図及び第4図はそれぞれオレイン酸、γ−リノレン
酸取り出し口の液濃度の経時変化を示したグラフであ
る。 第5図は定常状態における装置内の水分含量の分布を示
したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−88274(JP,A) 特開 昭63−20008(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】特定成分とその他の成分を含む混合物より
特定成分を分離するにあたり、該特定成分を選択的に吸
着する吸着剤を充填した複数の充填塔を液体通路で直列
に連結すると共に、最前の充填塔と最後の充填塔も液体
通路で結合して無端状とし、液体が一方向に流れる充填
塔群において、 溶離液供給口(a)、特定成分の取り出し口(b)、原
液供給口(c)およびその他の成分取り出し口(d)を
液体の流れの方向に沿って、所定間隔でこの順序で配置
し、(a)、(b)、(c)および(d)を下流側に間
欠的に逐次移動させ、かつ 原液供給流量より特定成分取り出し流量およびその他の
成分の取り出し流量の少なくとも一方を小さくするとと
もに、原液の溶媒組成中での特定成分またはその他の成
分の吸着剤に対する吸着性より溶離液中でのそれを小さ
くすることを特徴とする擬似移動層による分離方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15525689A JP2648366B2 (ja) | 1989-06-16 | 1989-06-16 | 擬似移動層による分離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15525689A JP2648366B2 (ja) | 1989-06-16 | 1989-06-16 | 擬似移動層による分離方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0321303A JPH0321303A (ja) | 1991-01-30 |
JP2648366B2 true JP2648366B2 (ja) | 1997-08-27 |
Family
ID=15601943
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15525689A Expired - Lifetime JP2648366B2 (ja) | 1989-06-16 | 1989-06-16 | 擬似移動層による分離方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2648366B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007064944A (ja) * | 2005-09-02 | 2007-03-15 | Japan Organo Co Ltd | クロマト分離方法 |
EP3029021A1 (en) * | 2013-07-31 | 2016-06-08 | Bizen Chemical Co., Ltd. | Method for separating fat-soluble material by simulated moving bed chromatography, and device for same |
JP2015030685A (ja) * | 2013-07-31 | 2015-02-16 | 備前化成株式会社 | 逆相カラムを用いる擬似移動層クロマトグラフィーによる脂溶性物質の分離法およびそのための装置 |
-
1989
- 1989-06-16 JP JP15525689A patent/JP2648366B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0321303A (ja) | 1991-01-30 |
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