JP4603114B2 - 液体に含まれる複数成分を分離する方法及び装置 - Google Patents

液体に含まれる複数成分を分離する方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、擬似移動層方式に代表的に適用される流体に含まれる複数成分を分離する方法,装置に関し、例えば、澱粉糖精製の工程で用いられる麦芽糖製造用クロマト分離などに好適に用いられる方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体吸着剤を用い、この吸着剤に対する吸着特性の差を利用して、クロマトグラフィーの手法により流体中に含まれる複数の成分を分離する方法(以下「クロマト分離法」と略称する)は従来から工業的に利用されている。このクロマト分離法は、基本的には、吸着剤を充填した吸着剤充填床に分離しようとする二以上の成分を含む原料液を供給し、この原料液を水等の脱離剤(溶離剤)で下流側に流下させることで、上記各成分の吸着剤に対する吸着性の違いにより、吸着性(親和性)の弱い成分が相対的に速く流下し、他方吸着性の強い成分は相対的に遅く流下することで各成分の画分を区画することを原理としたものである。
【0003】
しかし、工業的には分離回収しようとする成分の濃度,純度をできるだけ高く得ることが望まれるため、固体吸着剤の充填床に対して一過性で原料液を通液して複数成分を分離回収するバッチ式のクロマト分離法では不十分である場合が多く、上述した基本的なクロマト分離の操作を工夫した提案が種々されている。
【0004】
例えば、多数の単位充填床を閉鎖ループを形成するように直列循環式に連結して、原料液,脱離液(溶離液)の供給位置、及び各成分の画分の抜き出し位置を、単位充填床に対して液循環流通の下流側に切換えながら連続的に行なわせて分離を行なういわゆる擬似移動層方式の方法(特開昭62−91205号公報、特開平2−124895号公報等)、3以上の成分を分離するために一つの成分を抜き出す工程と残りの成分を抜き出す工程を段階的に行なう方法(特公平7−24724号公報等)など、原料液,脱離液(溶離液)の供給位置や、各成分の画分の抜き出し位置を切換える擬似移動層方式のクロマト分離の改良法に属する種々の方法が多数提案されている。
【0005】
また、単位吸着剤充填床の複数を閉鎖ループを形成するように無端形に連結し、上記の各液の供給や各成分の抜き出しの位置を変更せずに、液を無端系内で流しながら、供給した原料液中の各成分を分離する方法(特開昭55−61903号公報等)も提案されている。
【0006】
これらの方法は、原料液,脱離液を充填床の一端に供給し、多端から液を流出させるバッチ方式とは、原理的にはクロマト分離法として共通しているが、液を無端系の径路に流す点で異なっており、バッチ方式に比べて工業的に重要な高い生産性、高濃度,高純度に回収成分を分離できる点で優れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、クロマト分離法においては、その生産性を高くするために、通液速度をできるだけ高く設定した状況で使用することが望まれ、したがって処理能力は、装置の全吸着剤容積の量に対して比例的な関係にあるのが普通である。しかし、特開平4−363102号公報で説明されているように、例えば原料液が糖液等であると、無端循環系に供給された高濃度の糖原料液の粘度及び/又は浸透圧が高いという性質から原料液を高い速度で移動させようとすると、充填床に過大な圧力損失を生じさせることになって、装置の適切な運転ができなくなる虞れがある。この様な問題を解消するために、循還流量や供給流量を低くして、供給された原料液をゆっくり展開する方法や、原料液濃度を低く押さえて供給する方法が考えられているが、これらの方法では、原料液供給充填床の圧損を低く押さえることはできるが、反面において前者では処理時間が長くなるという問題があり、後者では処理量が少なくなるという問題がある。そこで上記特開平4−363102号公報では、系内の原料液成分の濃度は原料液の供給時に最大(従って圧損も最大)で、分離した成分を抜き出す操作を行なうに従って経時的に低下することに着目し、圧損の高い状態から低い状態に経時的に移行することに伴って系内の循環流量や脱離液の供給流量を経時的に増加させる方法を提案し、これによって圧損による装置停止などの不具合を避けつつ、処理量が少ないという問題や処理時間が長くなる問題の改善を図っている。
【0008】
しかし、かかる提案の方法も更に改善の余地がある。すなわち上記方法は、限定された範囲内とはいえ、系内で液を通液する速度を低下させる部分があるために、一定程度の処理時間の延長や処理量の低下を招くことが避けられないからである。
【0009】
なお以上のこととは別に、粘度を低下させるために系内液の温度を高く設定することも考えられるが、一般に工業的な装置では可能な範囲で加温した状態で処理効率を高めることが行われているので、それ以上の温度上昇は、分離成分の熱分解などが考えられるため採用は難しい。
【0010】
本発明は、上記のようなクロマト分離法による複数成分の分離において、系内への原料液の供給から、系外への各成分の抜き出しの途中で、通液される液の状態(成分の濃度等)が各成分の分離や系外への抜き出しにより経時的に変化することの影響、特に圧損の影響を、分離性能を損なうことなくできるだけ軽減できるようにした液体に含まれる複数成分を分離する新規な方法、及び装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記の目的を達成するために本発明者は種々の検討を行った結果、圧損は吸着剤の粒径の大きさに影響されることが見出され、また、吸着剤の分離性能もその粒径の大きさに影響されることが見出されたのであり、しかも、前者の圧損は吸着剤の粒径が大きい方が低減できるのに対し、後者の分離性能は、吸着剤の粒径が大きくなると低下することが分かった。
【0012】
そこで、圧損の影響が大きい原料液供給位置の単位充填床の吸着剤に平均粒径の大きな吸着剤を用い、一方、装置全体の分離性能の低下を抑制するために、他の単位充填床には平均粒径が小さく分離性能のよい吸着剤を用いることとした上記特許請求の範囲の各請求項に記載した本発明をなすに至ったのである。
【0013】
本願請求項1の液体に含まれる複数成分を分離する方法の特徴は、吸着剤に対する吸着性が異なる二以上の成分を含む原料液を通液する吸着剤の単位充填床であって、平均粒径が相対的に大きい吸着剤を充填した少なくとも一つの大粒径吸着剤の単位充填床及び平均粒径が相対的に小さい吸着剤を充填した複数の小粒径吸着剤の単位充填床を、液がこれらの単位充填床に渡って無端に流れる閉鎖ループを形成するように接続し、この閉鎖ループの系に対し、原料液を大粒径吸着剤の単位充填床に供給する操作と、前記の各単位充填床のいずれかに脱離液を供給する操作と、ポンプにより原料液及び脱離液を前記無端の閉鎖ループの系内を一方向に流す操作とを行なって、閉鎖ループ内に供給された原料液に含まれる吸着性の異なる成分を該閉鎖ループ系内の液の流れの方向に分離して富豊化し、該富豊化した成分の画分液を前記各成分の富豊化した画分が存在する単位充填床から前記原料液及び/又は脱離液の供給とのマスバランスをとりながら閉鎖ループの外に抜き出す操作を行なうことを特徴とする。
【0014】
上記において、吸着剤というのは、原料液に含まれる成分に対してクロマト分離機能をもった剤をいい、構成物質として言えば、樹脂,シリカゲルあるいは合成吸着剤等を例示的に挙げることができる。そして具体的には、従来知られているクロマト分離法で用いられている吸着剤(分離剤,収着剤,脱着剤,充填剤等と称されることもある)を特に制限されることなく使用することができる。
【0015】
原料液に含まれている複数の成分の吸着剤に対する「吸着性」(この吸着性は場合によって各成分の吸着剤に対する「親和性」等と称される場合もある)が異なるというのは、要するに、物理的,化学的特性によって各成分が吸着剤と接触しながら移動する際の移動速度が異なることをいい、このことによって、原料液が閉鎖ループ内を移動することで、該原料液に含まれている吸着剤に対する移動速度の異なる成分がその移動(流れ)方向に分離する。
【0016】
「単位充填床」というのは、基本的には同じ吸着剤が充填されている一つの単位をいい、工業的な装置として言えば、吸着剤充填塔と称されるような、一定の耐圧容器で構成されるカラム(タンク,塔)に充填された状態の吸着剤をいう。
【0017】
本発明の特徴的な構成である原料液が供給される単位充填床の吸着剤の平均粒径が大径であり、他の単位充填床の平均粒径が小径であるというのは、これらの相対的な関係における大小を言うもので、これらの比は、複数の単位充填床の中で原料液を供給する単位充填床の数、したがって大粒径吸着剤と小粒径吸着剤の量比等に影響されるので必ずしも一律に決まるものではないが、吸着剤全体量に対して大粒径吸着剤を50%以下とした場合においては、一般的には1.1〜2であり、好ましくは1.1〜1.7、より好ましくは1.1〜1.5であることがよい。この比が1.1未満では、圧損抑制の作用が十分でなく、反対に比が2以上では分離性能の低下が大きくなる。小粒径吸着剤の大きさは、原料液、分離目的成分等に応じて分離に適したものが用いられる。
【0018】
また吸着剤全体量に対して大粒径吸着剤が占める割合は、用いるクロマト分離法の操作方式に従って実質的にその割合が決まる場合もあるが、一般的には無端連結される単位充填床の数分の1(1単位充填床にのみ大粒径吸着剤を充填の場合)以上で、50%(無端連結される単位充填床の半数に大粒径吸着剤を充填の場合)以下とされるのがよい場合が多い。
【0019】
なお、原料液を供給する単位充填床には必ず大粒径吸着剤が充填されていることが必要であるが、反対に大粒径吸着剤の充填された単位充填床が、常に原料液を供給する単位充填床である必要はない。つまり、圧損が問題となる単位充填床においては小粒径吸着剤よりも大粒径吸着剤が充填されていることが好ましいからであり、例えば、多数の単位充填床のうちの一つの単位充填床のみに原料液を供給する形式のクロマト分離法において、原料液を供給する単位充填床とこれに続く一つの単位充填床(これには原料液を直接供給することはない)に大粒径吸着剤を充填することも可能である。
【0020】
この発明の方法は、特開昭62−91205号公報等に代表される一般的な擬似移動層方式のクロマト分離法を基本としてこれを上記のように変更して適用できる他、3以上の成分を分離するために一つの成分を抜き出す工程と残りの成分を抜き出す工程を切換えて行なう方法(特公平7−24724号公報等)などの変更した態様の擬似移動層方式のクロマト分離法にも適用でき、更に閉鎖ループの系を使用するクロマト分離法であれば、擬似移動層方式以外のものにも適用できる。ここでいう擬似移動層方式以外のクロマト分離法としては、例えば特開昭55−61903号記載の方法を例示することができる。より具体的にその一例を挙げれば、4塔の吸着剤塔(単位充填床)を閉鎖ループの系を形成するように無端に接続すると共に、第1塔の塔頂からの脱離液の供給、第3塔の塔頂からの原料液の供給、及び第1塔の塔末からの分離した一つの成分を含む画分液の抜き出し、第3塔の塔末からの分離した他の成分を含む画分液の抜き出し、をそれぞれ可能に設け、第3塔の塔頂から原料液を供給しかつ同塔の塔末から吸着性の弱い成分を抜き出す第1工程、液の供給・抜き出しを行なわずに第1塔〜第4塔の方向に液を無端循環させる第2工程、第1塔の塔頂から脱離液を供給しかつ同塔の塔末から吸着性の強い成分を抜き出す第3工程、脱離液を第1塔の塔頂から供給しかつ第3塔の塔末から吸着性の弱い成分を抜き出す第4工程、の四つの工程をこの順序で繰り返し行なう方法において、上記第3塔に充填する吸着剤を、他の塔に充填する吸着剤よりも平均粒径が大きいものとして構成することができる。
【0021】
尚、脱離液の供給は、小粒径吸着剤充填の単位充填床のみならず、大粒径吸着剤充填の単位充填床にも供給できることは当然であり、また原料液の供給時に同時に他の単位充填床に脱離液を供給することもできる。
【0022】
この発明によれば、分離性能の大きな低下を招くことなく、原料液供給時の圧損発生に伴う不具合を防ぐことができるという効果が奏される。
【0023】
請求項2の発明は、上記発明において、大粒径吸着剤の単位充填床に対して、その液流通の下流に小粒径吸着剤の単位充填床を一又は複数接続したことを特徴とする。
【0024】
この発明は、例えば、全単位充填床数が八つで構成される擬似移動層装置において、大粒径吸着剤充填の単位充填床と小粒径吸着剤充填の単位充填床を一つおきに交互に接続し、原料液の供給を無端接続された単位充填床のうちの大粒径吸着剤充填の単位充填床に供給するが、小粒径吸着剤充填の単位充填床には供給しないようにし、この他は、原料液及び脱離液の供給位置、及び各成分の系外への抜き出し位置を、経時的に循還流の流れの下流側に順次切換えるという一般的な擬似移動層方式の操作を行なうことができる。
【0025】
請求項3の発明は、上記発明において、閉鎖ループの系が、一つの大粒径吸着剤の単位充填床と、複数の小粒径吸着剤の単位充填床とを無端に接続して構成され、大粒径吸着剤の単位充填床に原料液を供給しながら、富豊化した成分の画分液を閉鎖ループの外に抜き出す操作を行う工程と、大粒径吸着剤の単位充填床への原料液供給を停止し、かつ他のいずれかの単位充填床に脱離液を供給しながら富豊化した成分の画分液を閉鎖ループの外に抜き出す操作を行う工程とを行なうことを特徴とする。
【0026】
この発明は例えば、3以上の成分を分離するために一つの成分を抜き出す工程と、残りの成分を抜き出す工程を切換えて行なう方法として実施される。すなわち、吸着剤が充填された単位充填床の多数個を用いて閉鎖ループ系の循環流路を形成し、かつこの循環流路が循環、遮断可能に設けられている系であって、吸着剤に対する吸着性の異なる3以上の成分を含む原料液を前記多数個の単位充填床に通液することにより、吸着剤に対する吸着性の弱い成分から強い成分に順次に分れた吸着帯域を形成している系に対し、吸着性の弱い成分のうちで予め選んだ成分が形成している吸着帯域よりも上流の位置において上記系の循環を実質的に遮断しながら、この遮断された位置の下流に大粒径吸着剤を充填した単位充填床を配置して原料液を供給すると共に、遮断位置の上流で吸着帯域を形成している成分のうちで予め定めた成分の富化した画分を該系から抜き出す第1の工程と、原料液を供給することなく上記系を循環させながら、上記第1の工程で残留した吸着帯域に分けられている各成分の富化した画分を、二成分系の擬似移動床の方法に従って脱着液を供給しながら各別に抜き出す第2の工程と、の各工程を1サイクルとして繰返すようにして構成することができる。
【0027】
上記第1の工程は、原料液を供給しながら次のサイクルにおいて抜き出す各成分の吸着帯域の分布を形成させると共に、既に吸着帯域が形成されている成分のうちの吸着性が中間的として分類される成分(以下「中間成分」という)の富化した画分の少なくとも一つを系外に抜き出す工程であり、これにより、短時間に大量の中間成分を原料液により押し出すことができる。
【0028】
また上記第2の工程は、原料液の供給を行なわずに系内で流体の循環を行なわせながら、「擬似移動層の方法」に従って前記中間成分以外の目的とする各成分の富化した画分を各別に系外に抜き出す操作を行なうと共に、第1の工程で新しく系に供給された原料液に含まれている各成分を吸着剤に対する吸着性の弱い成分から強い成分に順次分かれた吸着帯域を形成させるための工程である。ここで脱離液を供給しながら各成分を各別に抜き出すために用いられる「擬似移動層の方法」とは、原料液の供給を行なわない点を除外すれば一般的な擬似移動層の方法として周知の例、例えば特開昭62−91205号の特に第2頁右上欄2行目〜左下欄末行及び第3図で説明される方法を、原料液の供給を行なわない点と、原料液の供給を行なわないために、第1区画と第4区画を同一区画と考えてもよい点を除いてそのまま実施することができる。具体的には、ポンプ等により系内で液体を循環させながら、所定の成分が分布している吸着帯域の上流から脱離液を供給すると共に吸着帯域の下流から成分の富化された画分を抜き出し、これを吸着帯域の移動に合せて順次に循環流の下流に移行させる操作を、前記中間成分以外の複数の成分に対して各別に行なうことで実施できる。
【0029】
請求項4の発明は、上記発明において、いずれかの単位充填床に脱離液を供給しながら富豊化した成分の画分液を閉鎖ループの外に抜き出す操作を行う工程は、脱離液の供給及び前記画分液の抜き出し位置を所定時間毎に液流通の下流側の単位充填床に切り換える操作を含むことを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、目的成分の画分液をその濃度,純度が富豊化した適切な位置から常に系外に抜き出すことができる。なお、脱離液は、大粒径吸着剤及び小粒径吸着剤のいずれを充填した単位充填床にも供給することができる。
【0031】
請求項5の発明は、上記発明において、閉鎖ループの系が、二以上の大粒径吸着剤の単位充填床と、これらの各大粒径吸着剤の単位充填床の下流に配置した一ないし複数の小粒径吸着剤の単位充填床とを無端に接続して構成され、一つの大粒径吸着剤の単位充填床に原料液を供給しながら富豊化した成分の画分液を閉鎖ループの外に抜き出す操作を行なう工程と、該大粒径吸着剤の単位充填床に対する原料液の供給を停止し、かつ他のいずれかの単位充填床に脱離液を供給しながら富豊化した成分の画分液を閉鎖ループの外に抜き出す操作を行なう工程とを、一つの大粒径吸着剤の単位充填床に原料液を供給する工程を行なった後、液の供給及び抜き出し位置を経時的に液流通下流側の単位充填床に順次に切換え、再び上記の一つの大粒径吸着剤の単位充填床への原料液の供給を開始するまでを一サイクルとして繰り返すことを特徴とする。
【0032】
この発明によれば、例えば、全単位充填床数が八つで、大粒径吸着剤の単位充填床が二つである場合には、第1と第5の単位充填床を大粒径吸着剤の単位充填床として一サイクル中に2回の原料液供給を行なうことができる。
【0033】
請求項6の発明は、上記の各発明において、原料液を大粒径吸着剤の単位充填床に供給する操作と並行して、他の単位充填床に脱離液を供給する操作を行なうことを特徴とする。
【0034】
この発明によれば、各成分の抜き出しを効率的に行なうことができ、生産性の向上を図ることができる。
【0035】
請求項7の液体に含まれる複数成分を分離する装置の発明は、吸着剤に対する吸着性が異なる二以上の成分を含む原料液を通液する吸着剤を充填した複数の単位充填床からなり、平均粒径が相対的に大きい吸着剤を充填した少なくとも一つの大粒径吸着剤の単位充填床、及び平均粒径が相対的に小さい吸着剤を充填した複数の小粒径吸着剤の単位充填床を、液がこれらの単位充填床に渡って無端に流れるように接続した閉鎖ループの系と、原料液を前記大粒径吸着剤の単位充填床に供給するように接続された原料液供給手段と、前記単位充填床の少なくともいずれか一つ以上に脱離液を供給する脱離液供給手段と、液を閉鎖ループの系内で一方向に流通させるためのポンプ手段と、液の流通により原料液に含まれる成分が吸着性の違いにより該液流れの方向に分離富豊化したときにこの富豊化した成分の画分が存在する単位充填床から該成分の画分液を前記閉鎖ループの外に抜き出す液抜出手段とを備えたことを特徴とする。
【0036】
上記構成において、原料液,脱離液の供給手段は、一般的には各液毎に共用される液供給管に、開閉バルブを介設した各単位充填床への枝管を分岐させることで構成することができる。同様に各成分の液抜出手段は、開閉バルブを介設した各単位充填床からの液排出管を各成分別の共用排出管に合流接続させることで構成することができる。
【0037】
この発明によれば、基本的には、従来の擬似移動層装置の構成のままで、各単位充填床に充填する吸着剤の平均粒径を選定することで、上述した本願の各方法発明を好適に実施することができる。
【0038】
請求項8の発明は、上記装置発明において、液抜出手段は、原料液に含まれる各成分毎の液抜出手段を有することを特徴とする。
【0039】
上記構成において、分離目的の成分とそれ以外の成分は、液抜出手段が別々に設けられるのは当然であるが、本発明によれば、それぞれの成分毎に液抜出手段を設けることで複数の成分をそれぞれ分離することができる。
【0040】
請求項9の発明は、上記装置発明において、上記原料液供給手段は、大粒径吸着剤の単位充填床への原料液の供給/停止を切換える供給・停止切換手段を有することを特徴とする。
【0041】
この発明によれば、大粒径吸着剤を充填した単位充填床に対し、簡単な操作で原料液の供給/停止をすることができる。
【0042】
請求項10の発明は、上記装置発明において、上記脱離液供給手段は、閉鎖ループの系に対する供給位置を、液流通の下流側の単位充填床に切換える供給位置切換手段を有することを特徴とする。
【0043】
上記構成において、脱離液を供給する液供給手段は、小粒径吸着剤充填の単位充填床のみならず、大粒径吸着剤充填の単位充填床にも接続することができる。脱離液は基本的に圧損等の不具合は関係しないからである。したがって、脱離液の供給位置を切換える場合には、必要に応じて大粒径吸着剤充填の単位充填床を含めて、順次に切換えることができる。
【0044】
請求項11の発明は、上記装置発明において、液抜出手段は、閉鎖ループからの抜き出し位置を、液流通の下流側の単位充填床に切換える抜出位置切換手段を有することを特徴とする。
【0045】
この発明において、液の抜き出しは各成分が良好に富豊化した状態の単位充填床から行なうことができ、各単位充填床に充填されている吸着剤の粒径に影響されない。したがって、液の抜き出し位置を切換える場合には、必要に応じて大粒径吸着剤充填の単位充填床を含めて、順次に切換えることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施形態に限定されないことは当然である。
【0047】
実施形態1
図1は、本発明を実施するのに用いられる擬似移動層式クロマト分離装置の構成概要を示した図である。
【0048】
この図1において、1〜10は各々吸着剤を充填した単位充填塔(床)であり、糖類の分離を行う場合を例としていえば、本例では1,3,5,7,9の単位充填塔に平均粒径の大きな強酸性陽イオン交換樹脂を充填し、2,4,6,8,10の単位充填塔に平均粒径の小さな強酸性陽イオン交換樹脂を充填して、2種の異なる吸着剤の単位充填塔を交互に配置した。そしてこれらの各単位充填塔1〜10の間を、配管20により直列に接続して順次に液の流通が可能に連結しており、最後段の単位充填塔10の塔末は最前段の単位充填塔1の塔頂に流体通路配管21を介し連結することで、全体として無端循環の閉鎖ループの系を構成させている。
【0049】
なお、19は流体通路21の途中に介設されている循環用のポンプであり、上記循環系内で液を図の矢印に示す一方向に流すようになっている。なお、液の流通流量は、図示しない制御装置により設定値に制御できるようになっている。このポンプ19は各単位充填塔の間のどこに設置してもよいしまた必要により何台設けてもよい。
【0050】
上記の各充填塔群の間の配管20,21には、大粒径吸着剤を充填した単位充填塔1,3,5,7,9にその塔頂(始端部)から原料液Fを供給するために循環系に対する原料液供給手段が接続されている。すなわち、上記の単位充填塔1,3,5,7,9に接続する配管20,21それぞれに、原料液Fの供給弁1F,3F,5F,7F,9Fを介して共通の原料液供給管30が連結されていると共に、この原料液供給管30には原料液供給ポンプ15が連結されている。また全単位充填塔1〜10にはその塔頂に接続された配管20,21それぞれに、脱離液供給弁1D〜10Dを介して共通の脱離液供給配管31が連結されていると共に、この脱離液供給管31には脱離液供給ポンプ16が連結されている。
【0051】
また上記の各充填塔群の間の配管20,21には、各単位充填塔の塔末(終端部)から所定の成分を含む画分の液を循環系の外に抜出すための液抜出し手段が接続されている。すなわち、上記単位充填塔間の配管20,21それぞれに、吸着剤に対する吸着性の弱い成分(以下「A区分液」という)の抜出し弁1A〜10Aを介して共通のA区分液抜出し管12が連結されている。また同様に、上記単位充填塔間の配管20,21それぞれに、吸着剤に対する吸着性の強い成分(以下「C区分液」という)の抜出し弁1C〜10Cを介して共通のC区分液抜出し管13が連結されている。
【0052】
また、上記した原料液供給弁1F,3F,5F,7F,9F、脱離液供給弁1D〜10D、A区分液抜出し弁1A〜10A、C区分液抜出し弁1C〜10Cの各弁は、擬似移動層式のクロマト分離の操作(すなわち液の供給位置と抜出し位置を液の循環方向に間欠的に移動させることで吸着剤を見掛け上、液の流れとは反対方向に移動させる操作)が行われるように、図示しない弁開閉制御装置によって所定のシーケンスプログラムに従って開閉制御される。但し、上述のように原料液は、大粒径吸着剤を充填した充填塔1,3,5,7,9に対してのみ行われる。
【0053】
以上のように構成された装置において、原料液に含まれる分離しようとする成分を各画分に分離させる操作は次のように行われる。
【0054】
まず、第1工程において、原料液供給弁5Fを介して原料液Fを単位充填塔5に供給すると共に、同時に脱離液Dを脱離液供給弁10Dを介して供給する。これにより吸着性の弱い成分が富化された画分の液(A区分液)と吸着性の強い成分が富化された画分の液(C区分液)が、循環流の方向に分かれるので、A区分液をA区分液抜出し弁7Aから抜出し、かつC区分液をC区分液抜出し弁1Cから抜出す。
【0055】
次に第2工程において、原料液Fの供給は停止し、脱離液Dの供給位置、及びA区分液の抜出し位置を、それぞれの富化画分の移動に合わせて順次に循環流の下流側に一塔分づつ切換え移行させる操作を行う。これにより、A区分液は循環流の流れで下流側に進み、他方、弁の切換えで見掛け上循環流の流れとは反対方向に吸着剤が移動することにより、C区分液は循環流の上流側に見掛け上移動する。したがって、脱離液は脱離液供給弁1Dを介して単位充填塔1に供給され、A区分液は単位充填塔8からA区分液抜出し弁8Aを介して抜出される。なおこの場合において、C区分液を抜き出す操作を並行して行なってもよく、これを行なう場合には、単位充填塔2からC区分液抜出し弁2Cを介して抜出しを行なえばよい。
【0056】
以上の操作を、順次に第10工程まで行って、1サイクルの擬似移動層式のクロマト分離操作を終了する。もちろんこの操作は、1サイクルで終了せずに複数サイクルに渡って連続して行うことができる。
【0057】
なお、本例で図1により示した装置は10本の単位充填塔を用いているがこれに限定されるものではない。
【0058】
実施形態2
図2は原料液に含まれるA,B,Cの3成分分離を行なう擬似移動層装置の構成概要を示した図であり、この図2において、6は大粒径吸着剤を充填した単位充填塔(床)で、他方1〜5及び7〜10は各々小粒径吸着剤を充填した単位充填塔であり、吸着性の強さがC>B>Aの順の陽イオン交換樹脂が充填されて構成されている。
【0059】
これらの各単位充填塔1〜10の間は、直列に接続した配管20により無端循環の液流通が可能な閉鎖ループの系に連結されており、最後段の単位充填塔10の塔末は最前段の単位充填塔1の塔頂に流体通路の配管21を介して連結されている。
【0060】
なお、19は流体通路21の途中に介設されている循環用のポンプで、図示しない制御装置により流量を設定値に制御できるようになっている。
【0061】
Zは単位充填塔5と6の間に設けた遮断弁であり、図示しない制御装置によって開閉が制御される。
【0062】
そして、上記の充填塔群のうちの単位充填塔5〜6の間に設けられた上記遮断弁Zとその下流の単位充填塔6の間の配管には、原料液Fの供給弁fを介して原料液供給管30が連結されていると共に、原料液供給管30には原料液供給ポンプ15が連結されている。また該遮断弁Zと単位充填塔6の間の配管には、脱離液供給弁6Dを介して共通の脱離液供給配管31が連結されている。
【0063】
一方、上記遮断弁Zとその上流の単位充填塔5の間の配管には、液を系外に抜出すための液抜出し用の配管(3本)が連結されている。すなわち、それぞれの富化された成分を分画して抜出すことができるように、それぞれ吸着剤に対する吸着性の弱い成分(A成分)の抜出し弁5A、吸着性の強い成分(C成分)の抜出し弁5C、及び吸着性が中間の成分(B成分)の抜出し弁5Bを介して、それぞれ各々の成分についての共通配管12、13、14に連結されている。
【0064】
また、上記各単位充填塔1〜5の間、7〜10の間は、上記共通の脱離液供給配管31が各脱離液供給弁1D、2D、3D、4D、5D、7D、8D、9D、10Dを介して各単位充填塔に脱離液を供給できるように連結されており、これらの各供給弁は、上記供給弁6D及び原料液の供給弁fと共に、不図示の制御装置により開閉が制御されるようになっている。
【0065】
また、上記各単位充填塔1〜5の間、6〜10の間には、上記共通の液抜出配管12が、各A区分液抜出弁1A、2A、3A、4A、6A、7A、8A、9A、10Aを介して各単位充填塔から成分Aの画分を抜出しできるように連結され、同様にして共通の液抜出配管14が、各C区分液抜出弁1C、2C、3C、4C、6C、7C、8C、9C、10Cを介して各単位充填塔から成分Cの画分を抜出しできるように連結されている。すなわち、これらの液抜出用の配管は単位充填塔1〜5の間のものにおいては成分A、成分Cの抜出し弁1A〜5A及び1C〜5Cを介して共通の抜出し配管12、14に接続され、また、単位充填塔6〜10の間のものにおいては成分A、成分Cの抜出し弁6A〜10A及び6C〜10Cを介して共通の抜出し配管12、14に接続され、これら抜出し弁は不図示の制御装置により開閉が制御されるようになっている。
【0066】
以上のように構成された装置において、原料液から分離回収目的の成分が吸着性の中間の上記B成分である場合には、このB成分を高純度に分離する操作は次のように行われる。
【0067】
まず、第1工程において、閉じられた状態にある遮断弁Zの下流にある原料液供給弁fを介して原料液Fを単位充填層6に供給すると共に、同時に脱離液Dを脱離液供給弁1Dを介して供給することにより、遮断弁Zの上流から、B成分を抜出弁5Bを介して抜き出す。なおこの際同時に、A成分の富豊化画分を抜出弁8Aから抜出すことができ、更に必要に応じてC成分の富豊化画分を抜出弁2Cを介して抜き出すこともできる。
【0068】
次に第2工程において、遮断弁Zを開き、原料液Fの供給を停止して、系内で流体の循環を行なわせながら、擬似移動床の方法に従って脱離液Dの供給、C成分の画分液の抜き出し、A成分の画分液の抜き出しを行ない、この脱離液の供給位置、各画分液の抜き出し位置を、それぞれの富豊化画分の移動に合わせて順次に下流に一塔分づつ移行させる操作を行う。
【0069】
この第2工程の操作は、液の供給,抜き出し位置の切換えを9回行なって終了し、第1工程に戻る。そしてこれを一サイクルとして繰り返し行なう。
【0070】
なお本例においては、循環流路の途中に遮断弁Zを一ヶ所にだけ設けているが、これは二ヶ所以上に設けることもでき、この場合には、遮断弁と共に設けられる原料液の供給口から原料液が供給される単位充填塔には、大粒径吸着剤が充填される。
【0071】
【実施例】
実施例1
図1に示す装置を用いて、下記組成の果糖原料液(異性化糖)から果糖を分離した。この装置において用いた単位充填塔1〜10は、吸着剤層高:1.6m、全吸着剤量:150リットルとした。
【0072】
果糖原料液
麦芽糖純度: 5%
葡萄糖純度: 50%
果糖純度 : 45%
固形分濃度: 60%
なお、単位充填塔1,3,5,7,9には大粒径吸着剤を充填し、単位充填塔2,4,6,8,10には小粒径吸着剤を充填した。使用した吸着剤は、大粒径吸着剤はアンバーライト(登録商標:以下同じ)CR1320(平均粒径330μm、水分含有率52%、クロマト分離用強酸性カチオン交換樹脂:ロームアンドハース社製)で、小粒径吸着剤はアンバーライトCG−6000(平均粒径280μm、水分含有率52%;クロマト分離用強酸性カチオン交換樹脂:ロームアンドハース社製)であり、実施形態1の運転方法に従い下記条件で実施した。なお、(大粒径吸着剤)/(小粒径吸着剤)の比は1.18である。
【0073】
運転条件
操作温度: 60℃
第1工程(原料供給工程)
原料供給量: 1.02リットル/工程
工程時間 : 9.6分/工程
脱離液(水)供給量: 3.60リットル/工程
吸着性の弱い成分の画分液抜出量: 2.70リットル/工程
吸着性の強い成分(果糖)の画分液抜出量: 1.92リットル/工程
最速循環流量: 68.25リットル/Hr
第2工程
工程時間 : 9.6分/工程
脱離液(水)供給量: 3.60リットル/工程
吸着性の弱い成分の画分液抜出量: 1.68リットル/工程
吸着性の強い成分(果糖)の画分液抜出量: 1.92リットル/工程
最速循環流量: 68.25リットル/Hr
以上の第1工程と第2工程を交互に原料液と脱離液の供給位置、各成分の抜き出し位置を順次循環の下流側に切換えながら(但し、原料液の供給位置は5F,7F,9F,1F,3F)第10工程まで行なって第1工程に戻るまでを1サイクルとして、20サイクルの運転を行なった。
【0074】
以上の操作における平均塔内圧力は、3.5kg/cm2であった。
【0075】
また、回収された果糖画分の純度と回収率は、以下の通りであった。
【0076】
回収果糖純度:85%、回収率:93%。
【0077】
比較例1
上記実施例1と同じ装置を用い、吸着剤として小粒径吸着剤である上記アンバーライトCG−6000を全単位充填塔1〜10に充填し、実施例1と同じ方法で運転を行なった。ただし、実施例1と同じ各流速(原料液の供給速度を含む全ての工程の全ての流速を言う:以下において同じ)で通液を行なうと圧損が大きくなりすぎるため、装置保護のために実施例1の各流速の90%の流速で運転した。運転時における平均塔内圧力と、回収果糖の純度等は以下の通りであった。
【0078】
平均塔内圧力: 4.0kg/cm2
平均果糖純度: 85%、回収率: 93%
以上の実施例1及び比較例1の結果の対比から分かるように、原料液を供給する単位充填塔(図1の例では単位充填塔1,3,5,7,9)に充填する吸着剤に平均粒径の大きなものを用いることで、分離性能を比較例1と同じレベルに維持したまま、通液による圧力損失を制御することができ、より速い流速で液を流すことができることが確認された。したがって、同じ処理量であれば装置を小型化できるという効果が奏される。
【0079】
実施例2
図2に示す装置を用いて、下記組成の麦芽糖原料液から麦芽糖を分離した。この装置において用いた単位充填塔1〜10は、吸着剤層高:1.6m、全吸着剤量:150リットルとした。
【0080】
麦芽糖原料液
3糖類以上: 25%
麦芽糖純度: 70%
葡萄糖純度: 5%
固形分濃度: 60%
使用した吸着剤は、大粒径吸着剤はアンバーライトCR1320(平均粒径330μm、水分含有率52%;クロマト分離用強酸性カチオン交換樹脂:ロームアンドハース社製)で、小粒径吸着剤はアンバーライトCG−6000(平均粒径280μm、水分含有率52%;クロマト分離用強酸性カチオン交換樹脂:ロームアンドハース社製)であり、実施形態2の運転方法に従い下記条件で実施した。なお(大粒径吸着剤)/(小粒径吸着剤)の比は1.18である。
【0081】
運転条件
操作温度: 60℃
第1工程(原料供給工程)
原料液供給量: 5.49リットル
工程時間: 12.0分
脱離液(水)供給量: 7.88リットル
吸着性の弱い成分(3糖類以上)の画分液抜出量: 3.49リットル
吸着性の中間の成分の画分液(3糖類と麦芽糖の混合部分)抜出量: 9.88リットル
第2工程
脱離液(水)供給量: 3.00リットル
工程時間: 15.4分
吸着性の弱い成分の画分液抜出量: 2.24リットル
吸着性の強い成分(麦芽糖)の画分液抜出量: 0.76リットル
最速循環流量: 32.11リットル/Hr
以上の第2工程を、脱離液の供給位置、各成分の抜き出し位置を順次循環の下流側に切換えながら第10工程まで行なって第1工程に戻るまでの一サイクルを行なった。
【0082】
以上の操作における平均塔内圧力は、以下の通りであった。
【0083】
原液供給時: 4kg/cm2
第2工程以降: 2.5kg/cm2
また、回収された麦芽糖は、以下の通りであった。
【0084】
回収麦芽糖純度:95%、回収率:80%
比較例2
上記実施例2と同じ装置を用い、吸着剤として小粒径吸着剤である上記アンバーライトCG−6000を全単位充填塔1〜10に充填し、実施例2と同じ方法で運転を行なった。ただし、実施例2と同じ各流速で通液を行なうと圧損が大きくなりすぎるため、装置保護のために実施例2の90%の流速で運転した。運転時における平均塔内圧力と、回収麦芽糖の純度等は以下の通りであった。
【0085】
平均塔内圧力
原液供給時: 4.5kg/cm2
第2工程以降: 3.0kg/cm2
回収麦芽糖純度:95%、回収率:80%
以上の実施例2及び比較例2の試験結果の対比から分かるように、原料液を供給する単位充填塔(図2の例では単位充填塔6のみ)に充填する吸着剤に平均粒径の大きなものを用いることで、分離性能を比較例2と同じレベルに維持したまま、通液による圧力損失を抑制することができ、より速い流速で液を流すことができることが確認された。したがって、同じ処理量であれば装置を小型化できるという効果が奏される。
【0086】
実施例3
実施例2と同じ装置を用いて、トコール誘導体を含む下記原料液からトコール誘導体を分離した。なお使用した吸着剤は、大粒径吸着剤はクロマト分離用シリカゲル(平均粒径300μm)、小粒径吸着剤はクロマト分離用シリカゲル(平均粒径150μm)であり、脱離液にはトルエンを使用した。なお(大粒径吸着剤)/(小粒径吸着剤)の比は2.00である。
【0087】
誘導体原料液
トコール誘導体純度: 40%
ステロール: 30%
その他: 30%
固形分濃度: 40%
運転条件
操作温度: 40℃
第1工程(原料供給工程)
原料液供給量: 14.07リットル
工程時間: 30.02分
脱離液供給量: 103.18リットル
吸着性の弱い成分の画分液抜出量: 4.69リットル
トコール誘導体画分液の抜出量: 112.56リットル
第2工程
脱離液供給量: 43.66リットル
工程時間: 41.40分
吸着性の弱い成分の画分液抜出量: 3.23リットル
吸着性の強い成分の画分液抜出量: 40.43リットル
最速循環流量: 77.35リットル/Hr
以上の第2工程を、脱離液の供給位置、各成分の抜き出し位置を順次循環の下流側に切換えながら第10工程まで行なって第1工程に戻るまでの一サイクルを行なった。
【0088】
以上の操作における平均塔内圧力は以下の通りであった。
【0089】
原液供給時: 4.5kg/cm2
第2工程以降: 3kg/cm2
また、回収されたトコール誘導体は、以下の通りであった
回収トコール誘導体純度:99%、回収率:99%
比較例3
全単位充填塔1〜10に、上記実施例3の小粒径吸着剤であるクロマト分離用シリカゲル(平均粒径150μm)を充填した他は、実施例3と同じ方法で運転を行なった。ただし、実施例3と同じ流速で通液を行なうと圧損が大きくなりすぎるため、装置保護のために実施例3の90%の流速で運転した。運転時における平均塔内圧力と、回収トコール誘導体の純度等は以下の通りであった。
【0090】
平均塔内圧力
原液供給時: 5.0kg/cm2
第2工程以降: 4.0kg/cm2
回収トコール誘導体純度:99%、回収率:99%
以上の実施例3及び比較例3の試験結果の対比から分かるように、原料液を供給する単位充填塔6に平均粒径の大きな吸着剤を充填することで、分離性能を比較例3と同じレベルに維持したまま、通液による圧力損失を抑制することができ、より速い流速で液を流すことができることが確認された。したがって、本例によっても、同じ処理量であれば装置を小型化できるという効果が奏されることが分かる。
【0091】
実施例4
上記実施例2と同じ装置を用い、吸着剤として単位充填塔6により平均粒径の大きなクロマト分離用強酸性陽イオン交換樹脂(平均粒径340μm、水分含有率45%)を充填した他は、実施例2と同様に装置を構成し、実施例2と同じ麦芽糖原料液を用い、同じ方法で運転を行なった。なお(大粒径吸着剤)/(小粒径吸着剤)の比は1.21である。
【0092】
運転時における平均塔内圧力と、回収麦芽糖の純度等は以下の通りであった。
【0093】
平均塔内圧力
原液供給時: 3.5kg/cm2
第2工程以降: 2.2kg/cm2
また、回収された麦芽糖は、以下の通りであった。
【0094】
回収麦芽糖純度:95%、回収率:80%
この実施例4と比較例2との対比から、原料液を供給する単位充填塔に充填する吸着剤を、分離性能の大きな低下を招かない範囲で小粒径吸着剤の平均粒径に比べてより大きいものを選定し、また膨潤の少ない(水分含有率の低い)硬い吸着剤を選定することで、系内流速を一層速くすることができることが確認された。従って、このことにより装置をよりコンパクトにすることができる。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば、二以上の成分を含む原料液から分離しようとする成分を二つ以上の画分に分ける擬似移動層式のクロマト分離方法において、平均粒径が違う二以上の異なる吸着剤を用いることにより、全体としての分離性能を損なうことなく、原料液の供給量の増加、純度・回収率の向上を図ることができるという効果が得られる。
【0096】
また、本発明のクロマト分離法によれば、同じ生産性であれば吸着剤の量の削減、脱離液の使用量の削減、処理時間の短縮などを実現できるという効果があり、また分離目的の成分の純度・回収率を向上できるという効果が得られる。
【0097】
更にこれらを通じて、クロマト分離装置の小型化を実現できるという効果も奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】原料液に含まれる二成分をクロマト分離して分離回収擬似移動層式クロマト分離装置の実施形態1の構成概要を示した図。
【図2】原料液に含まれる三成分をクロマト分離して分離回収擬似移動層式クロマト分離装置の実施形態2の構成概要を示した図。
【符号の説明】
1〜10:単位充填塔
1A〜10A:A区分液の抜出し弁
5B:B区分液の抜出し弁
1C〜10C:C区分液の抜出し弁
1D〜10D:脱離液供給弁
1F,3F,5F,7F,9F,f:原料液供給弁
A:A区分液(1番目に流出する成分の含有率が高い液)
B:B区分液(中間に流出する成分の含有率が高い液)
C:C区分液(最後に流出する成分の含有率が高い液)
D:脱離液
F:原料液
Z:遮断弁
12:A区分液の抜出し配管
13:B区分液の抜出し配管
14:C区分液の抜出し配管
15:原料液供給ポンプ
16:脱離液供給ポンプ
19:循環ポンプ
20,21:配管
30:原料液供給配管
31:脱離液供給配管

Claims (11)

  1. 吸着剤に対する吸着性が異なる二以上の成分を含む原料液を通液する吸着剤の単位充填床であって、平均粒径が相対的に大きい吸着剤を充填した少なくとも一つの大粒径吸着剤の単位充填床及び平均粒径が相対的に小さい吸着剤を充填した複数の小粒径吸着剤の単位充填床からなり、吸着剤全体量に対して大粒径吸着剤が50vol%以下で、大粒径吸着剤と小粒径吸着剤の平均粒径の比が1.1〜2であるところの単位充填床を、液がこれらの単位充填床に渡って無端に流れる閉鎖ループを形成するように接続し、この閉鎖ループの系に対し、原料液を大粒径吸着剤の単位充填床に供給する操作と、前記の各単位充填床のいずれかに脱離液を供給する操作と、ポンプにより原料液及び脱離液を前記無端の閉鎖ループの系内を一方向に流す操作とを行なって、閉鎖ループ内に供給された原料液に含まれる吸着性の異なる成分を該閉鎖ループ系内の液の流れの方向に分離して富豊化し、該富豊化した成分の画分液を、前記各成分の富豊化した画分が存在する単位充填床から前記原料液及び/又は脱離液の供給とのマスバランスをとりながら閉鎖ループの外に抜き出す操作を行なうことを特徴とする液体に含まれる複数成分を分離する方法。
  2. 前記大粒径吸着剤の単位充填床の液流通の下流には小粒径吸着剤の単位充填床が一又は複数接続されていることを特徴とする請求項1に記載した液体に含まれる複数成分を分離する方法。
  3. 前記閉鎖ループの系が、一つの大粒径吸着剤の単位充填床と、複数の小粒径吸着剤の単位充填床とを無端に接続して構成され、大粒径吸着剤の単位充填床に原料液を供給しながら、富豊化した成分の画分液を閉鎖ループの外に抜き出す操作を行う工程と、大粒径吸着剤の単位充填床への原料液供給を停止し、かつ他のいずれかの単位充填床に脱離液を供給しながら富豊化した成分の画分液を閉鎖ループの外に抜き出す操作を行う工程と、を行なうことを特徴とする請求項1に記載した液体に含まれる複数成分を分離する方法。
  4. 前記いずれかの単位充填床に脱離液を供給しながら富豊化した成分の画分液を閉鎖ループの外に抜き出す操作を行う工程は、脱離液の供給及び前記画分液の抜き出し位置を所定時間毎に液流通の下流側の単位充填床に切り換える操作を含むことを特徴とする請求項3に記載した液体に含まれる複数成分を分離する方法。
  5. 前記閉鎖ループの系が、二以上の大粒径吸着剤の単位充填床と、これらの各大粒径吸着剤の単位充填床の下流に配置した一ないし複数の小粒径吸着剤の単位充填床とを無端に接続して構成され、一つの大粒径吸着剤の単位充填床に原料液を供給しながら富豊化した成分の画分液を閉鎖ループの外に抜き出す操作を行なう工程と、該大粒径吸着剤の単位充填床に対する原料液の供給を停止し、かつ他のいずれかの単位充填床に脱離液を供給しながら富豊化した成分の画分液を閉鎖ループの外に抜き出す操作を行なう工程とを、一つの大粒径吸着剤の単位充填床に原料液を供給する工程を行なった後、液の供給及び抜き出し位置を経時的に液流通下流側の単位充填床に順次に切換え、再び前記の一つの大粒径吸着剤の単位充填床への原料液の供給を開始するまでを一サイクルとして繰り返すことを特徴とする請求項1に記載した液体に含まれる複数成分を分離する方法。
  6. 前記原料液を大粒径吸着剤の単位充填床に供給する操作と並行して、他の単位充填床に脱離液を供給する操作を行なうことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載した液体に含まれる複数成分を分離する方法。
  7. 吸着剤に対する吸着性が異なる二以上の成分を含む原料液を通液する吸着剤を充填した複数の単位充填床からなり、平均粒径が相対的に大きい吸着剤を充填した少なくとも一つの大粒径吸着剤の単位充填床、及び平均粒径が相対的に小さい吸着剤を充填した複数の小粒径吸着剤の単位充填床からなり、吸着剤全体量に対して大粒径吸着剤が50vol%以下で、大粒径吸着剤と小粒径吸着剤の平均粒径の比が1.1〜2であるところの単位充填床を、液がこれらの単位充填床に渡って無端に流れるように接続した閉鎖ループの系と、原料液を前記大粒径吸着剤の単位充填床に供給するように接続された原料液供給手段と、前記単位充填床の少なくともいずれか一つ以上に脱離液を供給する脱離液供給手段と、液を閉鎖ループの系内で一方向に流通させるためのポンプ手段と、液の流通により原料液に含まれる成分が吸着性の違いにより該液流れの方向に分離富豊化したときにこの富豊化した成分の画分が存在する単位充填床から該成分の画分液を前記閉鎖ループの外に抜き出す液抜出手段とを備えたことを特徴とする液体に含まれる複数成分を分離する装置。
  8. 前記液抜出手段は、原料液に含まれる各成分毎の抜出手段を有することを特徴とする請求項7に記載した液体に含まれる複数成分を分離する装置。
  9. 前記原料液供給手段は、大粒径吸着剤の単位充填床への原料液の供給/停止を切換える供給・停止切換手段を有することを特徴とする請求項7又は8に記載した液体に含まれる複数成分を分離する装置。
  10. 前記脱離液供給手段は、閉鎖ループの系に対する供給位置を、液流通の下流側の単位充填床に切換える供給位置切換手段を有することを特徴とする請求項7ないし9のいずかに記載した液体に含まれる複数成分を分離する装置。
  11. 前記液抜出手段は、閉鎖ループからの抜き出し位置を、液流通の下流側の単位充填床に切換える抜出位置切換手段を有することを特徴とする請求項7ないし10のいずれかに記載した液体に含まれる複数成分を分離する装置。
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