JP2001070704A - 液体に含まれる複数成分を分離する方法及び装置 - Google Patents
液体に含まれる複数成分を分離する方法及び装置Info
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Abstract
分離する際の分離性能を低下させずに、圧損の影響を軽
減できるようにする。 【解決手段】 クロマト分離法において、平均粒径が大
きい大粒径吸着剤を充填した一つの単位充填床と、平均
粒径が小さい小粒径吸着剤を充填した複数の単位充填床
を、液が無端に流れる閉鎖ループを形成するように接続
し、この閉鎖ループの系に対し、原料液を大粒径吸着剤
の単位充填床に供給しながら所定の成分を系外に抜き出
す操作と、各単位充填床のいずれかに脱離液を供給しな
がら所定の成分を系外に抜き出す操作とを、原料液,脱
離液の供給とのマスバランスをとりながら行なうように
した。
Description
代表的に適用される流体に含まれる複数成分を分離する
方法,装置に関し、例えば、澱粉糖精製の工程で用いら
れる麦芽糖製造用クロマト分離などに好適に用いられる
方法及び装置に関する。
吸着特性の差を利用して、クロマトグラフィーの手法に
より流体中に含まれる複数の成分を分離する方法(以下
「クロマト分離法」と略称する)は従来から工業的に利
用されている。このクロマト分離法は、基本的には、吸
着剤を充填した吸着剤充填床に分離しようとする二以上
の成分を含む原料液を供給し、この原料液を水等の脱離
剤(溶離剤)で下流側に流下させることで、上記各成分
の吸着剤に対する吸着性の違いにより、吸着性(親和
性)の弱い成分が相対的に速く流下し、他方吸着性の強
い成分は相対的に遅く流下することで各成分の画分を区
画することを原理としたものである。
成分の濃度,純度をできるだけ高く得ることが望まれる
ため、固体吸着剤の充填床に対して一過性で原料液を通
液して複数成分を分離回収するバッチ式のクロマト分離
法では不十分である場合が多く、上述した基本的なクロ
マト分離の操作を工夫した提案が種々されている。
形成するように直列循環式に連結して、原料液,脱離液
(溶離液)の供給位置、及び各成分の画分の抜き出し位
置を、単位充填床に対して液循環流通の下流側に切換え
ながら連続的に行なわせて分離を行なういわゆる擬似移
動層方式の方法(特開昭62−91205号公報、特開
平2−124895号公報等)、3以上の成分を分離す
るために一つの成分を抜き出す工程と残りの成分を抜き
出す工程を段階的に行なう方法(特公平7−24724
号公報等)など、原料液,脱離液(溶離液)の供給位置
や、各成分の画分の抜き出し位置を切換える擬似移動層
方式のクロマト分離の改良法に属する種々の方法が多数
提案されている。
プを形成するように無端形に連結し、上記の各液の供給
や各成分の抜き出しの位置を変更せずに、液を無端系内
で流しながら、供給した原料液中の各成分を分離する方
法(特開昭55−61903号公報等)も提案されてい
る。
の一端に供給し、多端から液を流出させるバッチ方式と
は、原理的にはクロマト分離法として共通しているが、
液を無端系の径路に流す点で異なっており、バッチ方式
に比べて工業的に重要な高い生産性、高濃度,高純度に
回収成分を分離できる点で優れている。
離法においては、その生産性を高くするために、通液速
度をできるだけ高く設定した状況で使用することが望ま
れ、したがって処理能力は、装置の全吸着剤容積の量に
対して比例的な関係にあるのが普通である。しかし、特
開平4−363102号公報で説明されているように、
例えば原料液が糖液等であると、無端循環系に供給され
た高濃度の糖原料液の粘度及び/又は浸透圧が高いとい
う性質から原料液を高い速度で移動させようとすると、
充填床に過大な圧力損失を生じさせることになって、装
置の適切な運転ができなくなる虞れがある。この様な問
題を解消するために、循還流量や供給流量を低くして、
供給された原料液をゆっくり展開する方法や、原料液濃
度を低く押さえて供給する方法が考えられているが、こ
れらの方法では、原料液供給充填床の圧損を低く押さえ
ることはできるが、反面において前者では処理時間が長
くなるという問題があり、後者では処理量が少なくなる
という問題がある。そこで上記特開平4−363102
号公報では、系内の原料液成分の濃度は原料液の供給時
に最大(従って圧損も最大)で、分離した成分を抜き出
す操作を行なうに従って経時的に低下することに着目
し、圧損の高い状態から低い状態に経時的に移行するこ
とに伴って系内の循環流量や脱離液の供給流量を経時的
に増加させる方法を提案し、これによって圧損による装
置停止などの不具合を避けつつ、処理量が少ないという
問題や処理時間が長くなる問題の改善を図っている。
地がある。すなわち上記方法は、限定された範囲内とは
いえ、系内で液を通液する速度を低下させる部分がある
ために、一定程度の処理時間の延長や処理量の低下を招
くことが避けられないからである。
るために系内液の温度を高く設定することも考えられる
が、一般に工業的な装置では可能な範囲で加温した状態
で処理効率を高めることが行われているので、それ以上
の温度上昇は、分離成分の熱分解などが考えられるため
採用は難しい。
よる複数成分の分離において、系内への原料液の供給か
ら、系外への各成分の抜き出しの途中で、通液される液
の状態(成分の濃度等)が各成分の分離や系外への抜き
出しにより経時的に変化することの影響、特に圧損の影
響を、分離性能を損なうことなくできるだけ軽減できる
ようにした液体に含まれる複数成分を分離する新規な方
法、及び装置を提供することを目的としてなされたもの
である。
成するために本発明者は種々の検討を行った結果、圧損
は吸着剤の粒径の大きさに影響されることが見出され、
また、吸着剤の分離性能もその粒径の大きさに影響され
ることが見出されたのであり、しかも、前者の圧損は吸
着剤の粒径が大きい方が低減できるのに対し、後者の分
離性能は、吸着剤の粒径が大きくなると低下することが
分かった。
置の単位充填床の吸着剤に平均粒径の大きな吸着剤を用
い、一方、装置全体の分離性能の低下を抑制するため
に、他の単位充填床には平均粒径が小さく分離性能のよ
い吸着剤を用いることとした上記特許請求の範囲の各請
求項に記載した本発明をなすに至ったのである。
分離する方法の特徴は、吸着剤に対する吸着性が異なる
二以上の成分を含む原料液を通液する吸着剤の単位充填
床であって、平均粒径が相対的に大きい吸着剤を充填し
た少なくとも一つの大粒径吸着剤の単位充填床及び平均
粒径が相対的に小さい吸着剤を充填した複数の小粒径吸
着剤の単位充填床を、液がこれらの単位充填床に渡って
無端に流れる閉鎖ループを形成するように接続し、この
閉鎖ループの系に対し、原料液を大粒径吸着剤の単位充
填床に供給する操作と、前記の各単位充填床のいずれか
に脱離液を供給する操作と、ポンプにより原料液及び脱
離液を前記無端の閉鎖ループの系内を一方向に流す操作
とを行なって、閉鎖ループ内に供給された原料液に含ま
れる吸着性の異なる成分を該閉鎖ループ系内の液の流れ
の方向に分離して富豊化し、該富豊化した成分の画分液
を前記各成分の富豊化した画分が存在する単位充填床か
ら前記原料液及び/又は脱離液の供給とのマスバランス
をとりながら閉鎖ループの外に抜き出す操作を行なうこ
とを特徴とする。
に含まれる成分に対してクロマト分離機能をもった剤を
いい、構成物質として言えば、樹脂,シリカゲルあるい
は合成吸着剤等を例示的に挙げることができる。そして
具体的には、従来知られているクロマト分離法で用いら
れている吸着剤(分離剤,収着剤,脱着剤,充填剤等と
称されることもある)を特に制限されることなく使用す
ることができる。
に対する「吸着性」(この吸着性は場合によって各成分
の吸着剤に対する「親和性」等と称される場合もある)
が異なるというのは、要するに、物理的,化学的特性に
よって各成分が吸着剤と接触しながら移動する際の移動
速度が異なることをいい、このことによって、原料液が
閉鎖ループ内を移動することで、該原料液に含まれてい
る吸着剤に対する移動速度の異なる成分がその移動(流
れ)方向に分離する。
じ吸着剤が充填されている一つの単位をいい、工業的な
装置として言えば、吸着剤充填塔と称されるような、一
定の耐圧容器で構成されるカラム(タンク,塔)に充填
された状態の吸着剤をいう。
される単位充填床の吸着剤の平均粒径が大径であり、他
の単位充填床の平均粒径が小径であるというのは、これ
らの相対的な関係における大小を言うもので、これらの
比は、複数の単位充填床の中で原料液を供給する単位充
填床の数、したがって大粒径吸着剤と小粒径吸着剤の量
比等に影響されるので必ずしも一律に決まるものではな
いが、吸着剤全体量に対して大粒径吸着剤を50%以下
とした場合においては、一般的には1.1〜2であり、
好ましくは1.1〜1.7、より好ましくは1.1〜
1.5であることがよい。この比が1.1未満では、圧
損抑制の作用が十分でなく、反対に比が2以上では分離
性能の低下が大きくなる。小粒径吸着剤の大きさは、原
料液、分離目的成分等に応じて分離に適したものが用い
られる。
占める割合は、用いるクロマト分離法の操作方式に従っ
て実質的にその割合が決まる場合もあるが、一般的には
無端連結される単位充填床の数分の1(1単位充填床に
のみ大粒径吸着剤を充填の場合)以上で、50%(無端
連結される単位充填床の半数に大粒径吸着剤を充填の場
合)以下とされるのがよい場合が多い。
ず大粒径吸着剤が充填されていることが必要であるが、
反対に大粒径吸着剤の充填された単位充填床が、常に原
料液を供給する単位充填床である必要はない。つまり、
圧損が問題となる単位充填床においては小粒径吸着剤よ
りも大粒径吸着剤が充填されていることが好ましいから
であり、例えば、多数の単位充填床のうちの一つの単位
充填床のみに原料液を供給する形式のクロマト分離法に
おいて、原料液を供給する単位充填床とこれに続く一つ
の単位充填床(これには原料液を直接供給することはな
い)に大粒径吸着剤を充填することも可能である。
5号公報等に代表される一般的な擬似移動層方式のクロ
マト分離法を基本としてこれを上記のように変更して適
用できる他、3以上の成分を分離するために一つの成分
を抜き出す工程と残りの成分を抜き出す工程を切換えて
行なう方法(特公平7−24724号公報等)などの変
更した態様の擬似移動層方式のクロマト分離法にも適用
でき、更に閉鎖ループの系を使用するクロマト分離法で
あれば、擬似移動層方式以外のものにも適用できる。こ
こでいう擬似移動層方式以外のクロマト分離法として
は、例えば特開昭55−61903号記載の方法を例示
することができる。より具体的にその一例を挙げれば、
4塔の吸着剤塔(単位充填床)を閉鎖ループの系を形成
するように無端に接続すると共に、第1塔の塔頂からの
脱離液の供給、第3塔の塔頂からの原料液の供給、及び
第1塔の塔末からの分離した一つの成分を含む画分液の
抜き出し、第3塔の塔末からの分離した他の成分を含む
画分液の抜き出し、をそれぞれ可能に設け、第3塔の塔
頂から原料液を供給しかつ同塔の塔末から吸着性の弱い
成分を抜き出す第1工程、液の供給・抜き出しを行なわ
ずに第1塔〜第4塔の方向に液を無端循環させる第2工
程、第1塔の塔頂から脱離液を供給しかつ同塔の塔末か
ら吸着性の強い成分を抜き出す第3工程、脱離液を第1
塔の塔頂から供給しかつ第3塔の塔末から吸着性の弱い
成分を抜き出す第4工程、の四つの工程をこの順序で繰
り返し行なう方法において、上記第3塔に充填する吸着
剤を、他の塔に充填する吸着剤よりも平均粒径が大きい
ものとして構成することができる。
単位充填床のみならず、大粒径吸着剤充填の単位充填床
にも供給できることは当然であり、また原料液の供給時
に同時に他の単位充填床に脱離液を供給することもでき
る。
を招くことなく、原料液供給時の圧損発生に伴う不具合
を防ぐことができるという効果が奏される。
粒径吸着剤の単位充填床に対して、その液流通の下流に
小粒径吸着剤の単位充填床を一又は複数接続したことを
特徴とする。
つで構成される擬似移動層装置において、大粒径吸着剤
充填の単位充填床と小粒径吸着剤充填の単位充填床を一
つおきに交互に接続し、原料液の供給を無端接続された
単位充填床のうちの大粒径吸着剤充填の単位充填床に供
給するが、小粒径吸着剤充填の単位充填床には供給しな
いようにし、この他は、原料液及び脱離液の供給位置、
及び各成分の系外への抜き出し位置を、経時的に循還流
の流れの下流側に順次切換えるという一般的な擬似移動
層方式の操作を行なうことができる。
鎖ループの系が、一つの大粒径吸着剤の単位充填床と、
複数の小粒径吸着剤の単位充填床とを無端に接続して構
成され、大粒径吸着剤の単位充填床に原料液を供給しな
がら、富豊化した成分の画分液を閉鎖ループの外に抜き
出す操作を行う工程と、大粒径吸着剤の単位充填床への
原料液供給を停止し、かつ他のいずれかの単位充填床に
脱離液を供給しながら富豊化した成分の画分液を閉鎖ル
ープの外に抜き出す操作を行う工程とを行なうことを特
徴とする。
るために一つの成分を抜き出す工程と、残りの成分を抜
き出す工程を切換えて行なう方法として実施される。す
なわち、吸着剤が充填された単位充填床の多数個を用い
て閉鎖ループ系の循環流路を形成し、かつこの循環流路
が循環、遮断可能に設けられている系であって、吸着剤
に対する吸着性の異なる3以上の成分を含む原料液を前
記多数個の単位充填床に通液することにより、吸着剤に
対する吸着性の弱い成分から強い成分に順次に分れた吸
着帯域を形成している系に対し、吸着性の弱い成分のう
ちで予め選んだ成分が形成している吸着帯域よりも上流
の位置において上記系の循環を実質的に遮断しながら、
この遮断された位置の下流に大粒径吸着剤を充填した単
位充填床を配置して原料液を供給すると共に、遮断位置
の上流で吸着帯域を形成している成分のうちで予め定め
た成分の富化した画分を該系から抜き出す第1の工程
と、原料液を供給することなく上記系を循環させなが
ら、上記第1の工程で残留した吸着帯域に分けられてい
る各成分の富化した画分を、二成分系の擬似移動床の方
法に従って脱着液を供給しながら各別に抜き出す第2の
工程と、の各工程を1サイクルとして繰返すようにして
構成することができる。
次のサイクルにおいて抜き出す各成分の吸着帯域の分布
を形成させると共に、既に吸着帯域が形成されている成
分のうちの吸着性が中間的として分類される成分(以下
「中間成分」という)の富化した画分の少なくとも一つ
を系外に抜き出す工程であり、これにより、短時間に大
量の中間成分を原料液により押し出すことができる。
なわずに系内で流体の循環を行なわせながら、「擬似移
動層の方法」に従って前記中間成分以外の目的とする各
成分の富化した画分を各別に系外に抜き出す操作を行な
うと共に、第1の工程で新しく系に供給された原料液に
含まれている各成分を吸着剤に対する吸着性の弱い成分
から強い成分に順次分かれた吸着帯域を形成させるため
の工程である。ここで脱離液を供給しながら各成分を各
別に抜き出すために用いられる「擬似移動層の方法」と
は、原料液の供給を行なわない点を除外すれば一般的な
擬似移動層の方法として周知の例、例えば特開昭62−
91205号の特に第2頁右上欄2行目〜左下欄末行及
び第3図で説明される方法を、原料液の供給を行なわな
い点と、原料液の供給を行なわないために、第1区画と
第4区画を同一区画と考えてもよい点を除いてそのまま
実施することができる。具体的には、ポンプ等により系
内で液体を循環させながら、所定の成分が分布している
吸着帯域の上流から脱離液を供給すると共に吸着帯域の
下流から成分の富化された画分を抜き出し、これを吸着
帯域の移動に合せて順次に循環流の下流に移行させる操
作を、前記中間成分以外の複数の成分に対して各別に行
なうことで実施できる。
ずれかの単位充填床に脱離液を供給しながら富豊化した
成分の画分液を閉鎖ループの外に抜き出す操作を行う工
程は、脱離液の供給及び前記画分液の抜き出し位置を所
定時間毎に液流通の下流側の単位充填床に切り換える操
作を含むことを特徴とする。
の濃度,純度が富豊化した適切な位置から常に系外に抜
き出すことができる。なお、脱離液は、大粒径吸着剤及
び小粒径吸着剤のいずれを充填した単位充填床にも供給
することができる。
鎖ループの系が、二以上の大粒径吸着剤の単位充填床
と、これらの各大粒径吸着剤の単位充填床の下流に配置
した一ないし複数の小粒径吸着剤の単位充填床とを無端
に接続して構成され、一つの大粒径吸着剤の単位充填床
に原料液を供給しながら富豊化した成分の画分液を閉鎖
ループの外に抜き出す操作を行なう工程と、該大粒径吸
着剤の単位充填床に対する原料液の供給を停止し、かつ
他のいずれかの単位充填床に脱離液を供給しながら富豊
化した成分の画分液を閉鎖ループの外に抜き出す操作を
行なう工程とを、一つの大粒径吸着剤の単位充填床に原
料液を供給する工程を行なった後、液の供給及び抜き出
し位置を経時的に液流通下流側の単位充填床に順次に切
換え、再び上記の一つの大粒径吸着剤の単位充填床への
原料液の供給を開始するまでを一サイクルとして繰り返
すことを特徴とする。
数が八つで、大粒径吸着剤の単位充填床が二つである場
合には、第1と第5の単位充填床を大粒径吸着剤の単位
充填床として一サイクル中に2回の原料液供給を行なう
ことができる。
て、原料液を大粒径吸着剤の単位充填床に供給する操作
と並行して、他の単位充填床に脱離液を供給する操作を
行なうことを特徴とする。
率的に行なうことができ、生産性の向上を図ることがで
きる。
する装置の発明は、吸着剤に対する吸着性が異なる二以
上の成分を含む原料液を通液する吸着剤を充填した複数
の単位充填床からなり、平均粒径が相対的に大きい吸着
剤を充填した少なくとも一つの大粒径吸着剤の単位充填
床、及び平均粒径が相対的に小さい吸着剤を充填した複
数の小粒径吸着剤の単位充填床を、液がこれらの単位充
填床に渡って無端に流れるように接続した閉鎖ループの
系と、原料液を前記大粒径吸着剤の単位充填床に供給す
るように接続された原料液供給手段と、前記単位充填床
の少なくともいずれか一つ以上に脱離液を供給する脱離
液供給手段と、液を閉鎖ループの系内で一方向に流通さ
せるためのポンプ手段と、液の流通により原料液に含ま
れる成分が吸着性の違いにより該液流れの方向に分離富
豊化したときにこの富豊化した成分の画分が存在する単
位充填床から該成分の画分液を前記閉鎖ループの外に抜
き出す液抜出手段とを備えたことを特徴とする。
手段は、一般的には各液毎に共用される液供給管に、開
閉バルブを介設した各単位充填床への枝管を分岐させる
ことで構成することができる。同様に各成分の液抜出手
段は、開閉バルブを介設した各単位充填床からの液排出
管を各成分別の共用排出管に合流接続させることで構成
することができる。
似移動層装置の構成のままで、各単位充填床に充填する
吸着剤の平均粒径を選定することで、上述した本願の各
方法発明を好適に実施することができる。
て、液抜出手段は、原料液に含まれる各成分毎の液抜出
手段を有することを特徴とする。
以外の成分は、液抜出手段が別々に設けられるのは当然
であるが、本発明によれば、それぞれの成分毎に液抜出
手段を設けることで複数の成分をそれぞれ分離すること
ができる。
て、上記原料液供給手段は、大粒径吸着剤の単位充填床
への原料液の供給/停止を切換える供給・停止切換手段
を有することを特徴とする。
た単位充填床に対し、簡単な操作で原料液の供給/停止
をすることができる。
て、上記脱離液供給手段は、閉鎖ループの系に対する供
給位置を、液流通の下流側の単位充填床に切換える供給
位置切換手段を有することを特徴とする。
給手段は、小粒径吸着剤充填の単位充填床のみならず、
大粒径吸着剤充填の単位充填床にも接続することができ
る。脱離液は基本的に圧損等の不具合は関係しないから
である。したがって、脱離液の供給位置を切換える場合
には、必要に応じて大粒径吸着剤充填の単位充填床を含
めて、順次に切換えることができる。
て、液抜出手段は、閉鎖ループからの抜き出し位置を、
液流通の下流側の単位充填床に切換える抜出位置切換手
段を有することを特徴とする。
が良好に富豊化した状態の単位充填床から行なうことが
でき、各単位充填床に充填されている吸着剤の粒径に影
響されない。したがって、液の抜き出し位置を切換える
場合には、必要に応じて大粒径吸着剤充填の単位充填床
を含めて、順次に切換えることができる。
基づいて説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限
り以下の実施形態に限定されないことは当然である。
クロマト分離装置の構成概要を示した図である。
を充填した単位充填塔(床)であり、糖類の分離を行う
場合を例としていえば、本例では1,3,5,7,9の
単位充填塔に平均粒径の大きな強酸性陽イオン交換樹脂
を充填し、2,4,6,8,10の単位充填塔に平均粒
径の小さな強酸性陽イオン交換樹脂を充填して、2種の
異なる吸着剤の単位充填塔を交互に配置した。そしてこ
れらの各単位充填塔1〜10の間を、配管20により直
列に接続して順次に液の流通が可能に連結しており、最
後段の単位充填塔10の塔末は最前段の単位充填塔1の
塔頂に流体通路配管21を介し連結することで、全体と
して無端循環の閉鎖ループの系を構成させている。
れている循環用のポンプであり、上記循環系内で液を図
の矢印に示す一方向に流すようになっている。なお、液
の流通流量は、図示しない制御装置により設定値に制御
できるようになっている。このポンプ19は各単位充填
塔の間のどこに設置してもよいしまた必要により何台設
けてもよい。
は、大粒径吸着剤を充填した単位充填塔1,3,5,
7,9にその塔頂(始端部)から原料液Fを供給するた
めに循環系に対する原料液供給手段が接続されている。
すなわち、上記の単位充填塔1,3,5,7,9に接続
する配管20,21それぞれに、原料液Fの供給弁1
F,3F,5F,7F,9Fを介して共通の原料液供給
管30が連結されていると共に、この原料液供給管30
には原料液供給ポンプ15が連結されている。また全単
位充填塔1〜10にはその塔頂に接続された配管20,
21それぞれに、脱離液供給弁1D〜10Dを介して共
通の脱離液供給配管31が連結されていると共に、この
脱離液供給管31には脱離液供給ポンプ16が連結され
ている。
1には、各単位充填塔の塔末(終端部)から所定の成分
を含む画分の液を循環系の外に抜出すための液抜出し手
段が接続されている。すなわち、上記単位充填塔間の配
管20,21それぞれに、吸着剤に対する吸着性の弱い
成分(以下「A区分液」という)の抜出し弁1A〜10
Aを介して共通のA区分液抜出し管12が連結されてい
る。また同様に、上記単位充填塔間の配管20,21そ
れぞれに、吸着剤に対する吸着性の強い成分(以下「C
区分液」という)の抜出し弁1C〜10Cを介して共通
のC区分液抜出し管13が連結されている。
5F,7F,9F、脱離液供給弁1D〜10D、A区分
液抜出し弁1A〜10A、C区分液抜出し弁1C〜10
Cの各弁は、擬似移動層式のクロマト分離の操作(すな
わち液の供給位置と抜出し位置を液の循環方向に間欠的
に移動させることで吸着剤を見掛け上、液の流れとは反
対方向に移動させる操作)が行われるように、図示しな
い弁開閉制御装置によって所定のシーケンスプログラム
に従って開閉制御される。但し、上述のように原料液
は、大粒径吸着剤を充填した充填塔1,3,5,7,9
に対してのみ行われる。
料液に含まれる分離しようとする成分を各画分に分離さ
せる操作は次のように行われる。
Fを介して原料液Fを単位充填塔5に供給すると共に、
同時に脱離液Dを脱離液供給弁10Dを介して供給す
る。これにより吸着性の弱い成分が富化された画分の液
(A区分液)と吸着性の強い成分が富化された画分の液
(C区分液)が、循環流の方向に分かれるので、A区分
液をA区分液抜出し弁7Aから抜出し、かつC区分液を
C区分液抜出し弁1Cから抜出す。
停止し、脱離液Dの供給位置、及びA区分液の抜出し位
置を、それぞれの富化画分の移動に合わせて順次に循環
流の下流側に一塔分づつ切換え移行させる操作を行う。
これにより、A区分液は循環流の流れで下流側に進み、
他方、弁の切換えで見掛け上循環流の流れとは反対方向
に吸着剤が移動することにより、C区分液は循環流の上
流側に見掛け上移動する。したがって、脱離液は脱離液
供給弁1Dを介して単位充填塔1に供給され、A区分液
は単位充填塔8からA区分液抜出し弁8Aを介して抜出
される。なおこの場合において、C区分液を抜き出す操
作を並行して行なってもよく、これを行なう場合には、
単位充填塔2からC区分液抜出し弁2Cを介して抜出し
を行なえばよい。
て、1サイクルの擬似移動層式のクロマト分離操作を終
了する。もちろんこの操作は、1サイクルで終了せずに
複数サイクルに渡って連続して行うことができる。
本の単位充填塔を用いているがこれに限定されるもので
はない。
う擬似移動層装置の構成概要を示した図であり、この図
2において、6は大粒径吸着剤を充填した単位充填塔
(床)で、他方1〜5及び7〜10は各々小粒径吸着剤
を充填した単位充填塔であり、吸着性の強さがC>B>
Aの順の陽イオン交換樹脂が充填されて構成されてい
る。
列に接続した配管20により無端循環の液流通が可能な
閉鎖ループの系に連結されており、最後段の単位充填塔
10の塔末は最前段の単位充填塔1の塔頂に流体通路の
配管21を介して連結されている。
れている循環用のポンプで、図示しない制御装置により
流量を設定値に制御できるようになっている。
であり、図示しない制御装置によって開閉が制御され
る。
塔5〜6の間に設けられた上記遮断弁Zとその下流の単
位充填塔6の間の配管には、原料液Fの供給弁fを介し
て原料液供給管30が連結されていると共に、原料液供
給管30には原料液供給ポンプ15が連結されている。
また該遮断弁Zと単位充填塔6の間の配管には、脱離液
供給弁6Dを介して共通の脱離液供給配管31が連結さ
れている。
塔5の間の配管には、液を系外に抜出すための液抜出し
用の配管(3本)が連結されている。すなわち、それぞ
れの富化された成分を分画して抜出すことができるよう
に、それぞれ吸着剤に対する吸着性の弱い成分(A成
分)の抜出し弁5A、吸着性の強い成分(C成分)の抜
出し弁5C、及び吸着性が中間の成分(B成分)の抜出
し弁5Bを介して、それぞれ各々の成分についての共通
配管12、13、14に連結されている。
10の間は、上記共通の脱離液供給配管31が各脱離液
供給弁1D、2D、3D、4D、5D、7D、8D、9
D、10Dを介して各単位充填塔に脱離液を供給できる
ように連結されており、これらの各供給弁は、上記供給
弁6D及び原料液の供給弁fと共に、不図示の制御装置
により開閉が制御されるようになっている。
10の間には、上記共通の液抜出配管12が、各A区分
液抜出弁1A、2A、3A、4A、6A、7A、8A、
9A、10Aを介して各単位充填塔から成分Aの画分を
抜出しできるように連結され、同様にして共通の液抜出
配管14が、各C区分液抜出弁1C、2C、3C、4
C、6C、7C、8C、9C、10Cを介して各単位充
填塔から成分Cの画分を抜出しできるように連結されて
いる。すなわち、これらの液抜出用の配管は単位充填塔
1〜5の間のものにおいては成分A、成分Cの抜出し弁
1A〜5A及び1C〜5Cを介して共通の抜出し配管1
2、14に接続され、また、単位充填塔6〜10の間の
ものにおいては成分A、成分Cの抜出し弁6A〜10A
及び6C〜10Cを介して共通の抜出し配管12、14
に接続され、これら抜出し弁は不図示の制御装置により
開閉が制御されるようになっている。
料液から分離回収目的の成分が吸着性の中間の上記B成
分である場合には、このB成分を高純度に分離する操作
は次のように行われる。
にある遮断弁Zの下流にある原料液供給弁fを介して原
料液Fを単位充填層6に供給すると共に、同時に脱離液
Dを脱離液供給弁1Dを介して供給することにより、遮
断弁Zの上流から、B成分を抜出弁5Bを介して抜き出
す。なおこの際同時に、A成分の富豊化画分を抜出弁8
Aから抜出すことができ、更に必要に応じてC成分の富
豊化画分を抜出弁2Cを介して抜き出すこともできる。
原料液Fの供給を停止して、系内で流体の循環を行なわ
せながら、擬似移動床の方法に従って脱離液Dの供給、
C成分の画分液の抜き出し、A成分の画分液の抜き出し
を行ない、この脱離液の供給位置、各画分液の抜き出し
位置を、それぞれの富豊化画分の移動に合わせて順次に
下流に一塔分づつ移行させる操作を行う。
し位置の切換えを9回行なって終了し、第1工程に戻
る。そしてこれを一サイクルとして繰り返し行なう。
断弁Zを一ヶ所にだけ設けているが、これは二ヶ所以上
に設けることもでき、この場合には、遮断弁と共に設け
られる原料液の供給口から原料液が供給される単位充填
塔には、大粒径吸着剤が充填される。
化糖)から果糖を分離した。この装置において用いた単
位充填塔1〜10は、吸着剤層高:1.6m、全吸着剤
量:150リットルとした。
を充填し、単位充填塔2,4,6,8,10には小粒径
吸着剤を充填した。使用した吸着剤は、大粒径吸着剤は
アンバーライト(登録商標:以下同じ)CR1320
(平均粒径330μm、水分含有率52%、クロマト分
離用強酸性カチオン交換樹脂:ロームアンドハース社
製)で、小粒径吸着剤はアンバーライトCG−6000
(平均粒径280μm、水分含有率52%;クロマト分
離用強酸性カチオン交換樹脂:ロームアンドハース社
製)であり、実施形態1の運転方法に従い下記条件で実
施した。なお、(大粒径吸着剤)/(小粒径吸着剤)の
比は1.18である。
給位置、各成分の抜き出し位置を順次循環の下流側に切
換えながら(但し、原料液の供給位置は5F,7F,9
F,1F,3F)第10工程まで行なって第1工程に戻
るまでを1サイクルとして、20サイクルの運転を行な
った。
5kg/cm2であった。
は、以下の通りであった。
着剤である上記アンバーライトCG−6000を全単位
充填塔1〜10に充填し、実施例1と同じ方法で運転を
行なった。ただし、実施例1と同じ各流速(原料液の供
給速度を含む全ての工程の全ての流速を言う:以下にお
いて同じ)で通液を行なうと圧損が大きくなりすぎるた
め、装置保護のために実施例1の各流速の90%の流速
で運転した。運転時における平均塔内圧力と、回収果糖
の純度等は以下の通りであった。
うに、原料液を供給する単位充填塔(図1の例では単位
充填塔1,3,5,7,9)に充填する吸着剤に平均粒
径の大きなものを用いることで、分離性能を比較例1と
同じレベルに維持したまま、通液による圧力損失を制御
することができ、より速い流速で液を流すことができる
ことが確認された。したがって、同じ処理量であれば装
置を小型化できるという効果が奏される。
麦芽糖を分離した。この装置において用いた単位充填塔
1〜10は、吸着剤層高:1.6m、全吸着剤量:15
0リットルとした。
1320(平均粒径330μm、水分含有率52%;ク
ロマト分離用強酸性カチオン交換樹脂:ロームアンドハ
ース社製)で、小粒径吸着剤はアンバーライトCG−6
000(平均粒径280μm、水分含有率52%;クロ
マト分離用強酸性カチオン交換樹脂:ロームアンドハー
ス社製)であり、実施形態2の運転方法に従い下記条件
で実施した。なお(大粒径吸着剤)/(小粒径吸着剤)
の比は1.18である。
し位置を順次循環の下流側に切換えながら第10工程ま
で行なって第1工程に戻るまでの一サイクルを行なっ
た。
の通りであった。
着剤である上記アンバーライトCG−6000を全単位
充填塔1〜10に充填し、実施例2と同じ方法で運転を
行なった。ただし、実施例2と同じ各流速で通液を行な
うと圧損が大きくなりすぎるため、装置保護のために実
施例2の90%の流速で運転した。運転時における平均
塔内圧力と、回収麦芽糖の純度等は以下の通りであっ
た。
るように、原料液を供給する単位充填塔(図2の例では
単位充填塔6のみ)に充填する吸着剤に平均粒径の大き
なものを用いることで、分離性能を比較例2と同じレベ
ルに維持したまま、通液による圧力損失を抑制すること
ができ、より速い流速で液を流すことができることが確
認された。したがって、同じ処理量であれば装置を小型
化できるという効果が奏される。
記原料液からトコール誘導体を分離した。なお使用した
吸着剤は、大粒径吸着剤はクロマト分離用シリカゲル
(平均粒径300μm)、小粒径吸着剤はクロマト分離
用シリカゲル(平均粒径150μm)であり、脱離液に
はトルエンを使用した。なお(大粒径吸着剤)/(小粒
径吸着剤)の比は2.00である。
し位置を順次循環の下流側に切換えながら第10工程ま
で行なって第1工程に戻るまでの一サイクルを行なっ
た。
通りであった。
た 回収トコール誘導体純度:99%、回収率:99% 比較例3 全単位充填塔1〜10に、上記実施例3の小粒径吸着剤
であるクロマト分離用シリカゲル(平均粒径150μ
m)を充填した他は、実施例3と同じ方法で運転を行な
った。ただし、実施例3と同じ流速で通液を行なうと圧
損が大きくなりすぎるため、装置保護のために実施例3
の90%の流速で運転した。運転時における平均塔内圧
力と、回収トコール誘導体の純度等は以下の通りであっ
た。
るように、原料液を供給する単位充填塔6に平均粒径の
大きな吸着剤を充填することで、分離性能を比較例3と
同じレベルに維持したまま、通液による圧力損失を抑制
することができ、より速い流速で液を流すことができる
ことが確認された。したがって、本例によっても、同じ
処理量であれば装置を小型化できるという効果が奏され
ることが分かる。
塔6により平均粒径の大きなクロマト分離用強酸性陽イ
オン交換樹脂(平均粒径340μm、水分含有率45
%)を充填した他は、実施例2と同様に装置を構成し、
実施例2と同じ麦芽糖原料液を用い、同じ方法で運転を
行なった。なお(大粒径吸着剤)/(小粒径吸着剤)の
比は1.21である。
糖の純度等は以下の通りであった。
る単位充填塔に充填する吸着剤を、分離性能の大きな低
下を招かない範囲で小粒径吸着剤の平均粒径に比べてよ
り大きいものを選定し、また膨潤の少ない(水分含有率
の低い)硬い吸着剤を選定することで、系内流速を一層
速くすることができることが確認された。従って、この
ことにより装置をよりコンパクトにすることができる。
料液から分離しようとする成分を二つ以上の画分に分け
る擬似移動層式のクロマト分離方法において、平均粒径
が違う二以上の異なる吸着剤を用いることにより、全体
としての分離性能を損なうことなく、原料液の供給量の
増加、純度・回収率の向上を図ることができるという効
果が得られる。
同じ生産性であれば吸着剤の量の削減、脱離液の使用量
の削減、処理時間の短縮などを実現できるという効果が
あり、また分離目的の成分の純度・回収率を向上できる
という効果が得られる。
小型化を実現できるという効果も奏される。
離回収擬似移動層式クロマト分離装置の実施形態1の構
成概要を示した図。
離回収擬似移動層式クロマト分離装置の実施形態2の構
成概要を示した図。
液) B:B区分液(中間に流出する成分の含有率が高い液) C:C区分液(最後に流出する成分の含有率が高い液) D:脱離液 F:原料液 Z:遮断弁 12:A区分液の抜出し配管 13:B区分液の抜出し配管 14:C区分液の抜出し配管 15:原料液供給ポンプ 16:脱離液供給ポンプ 19:循環ポンプ 20,21:配管 30:原料液供給配管 31:脱離液供給配管
Claims (11)
- 【請求項1】 吸着剤に対する吸着性が異なる二以上の
成分を含む原料液を通液する吸着剤の単位充填床であっ
て、平均粒径が相対的に大きい吸着剤を充填した少なく
とも一つの大粒径吸着剤の単位充填床及び平均粒径が相
対的に小さい吸着剤を充填した複数の小粒径吸着剤の単
位充填床を、液がこれらの単位充填床に渡って無端に流
れる閉鎖ループを形成するように接続し、この閉鎖ルー
プの系に対し、原料液を大粒径吸着剤の単位充填床に供
給する操作と、前記の各単位充填床のいずれかに脱離液
を供給する操作と、ポンプにより原料液及び脱離液を前
記無端の閉鎖ループの系内を一方向に流す操作とを行な
って、閉鎖ループ内に供給された原料液に含まれる吸着
性の異なる成分を該閉鎖ループ系内の液の流れの方向に
分離して富豊化し、該富豊化した成分の画分液を、前記
各成分の富豊化した画分が存在する単位充填床から前記
原料液及び/又は脱離液の供給とのマスバランスをとり
ながら閉鎖ループの外に抜き出す操作を行なうことを特
徴とする液体に含まれる複数成分を分離する方法。 - 【請求項2】 前記大粒径吸着剤の単位充填床の液流通
の下流には小粒径吸着剤の単位充填床が一又は複数接続
されていることを特徴とする請求項1に記載した液体に
含まれる複数成分を分離する方法。 - 【請求項3】 前記閉鎖ループの系が、一つの大粒径吸
着剤の単位充填床と、複数の小粒径吸着剤の単位充填床
とを無端に接続して構成され、大粒径吸着剤の単位充填
床に原料液を供給しながら、富豊化した成分の画分液を
閉鎖ループの外に抜き出す操作を行う工程と、大粒径吸
着剤の単位充填床への原料液供給を停止し、かつ他のい
ずれかの単位充填床に脱離液を供給しながら富豊化した
成分の画分液を閉鎖ループの外に抜き出す操作を行う工
程と、を行なうことを特徴とする請求項1に記載した液
体に含まれる複数成分を分離する方法。 - 【請求項4】 前記いずれかの単位充填床に脱離液を供
給しながら富豊化した成分の画分液を閉鎖ループの外に
抜き出す操作を行う工程は、脱離液の供給及び前記画分
液の抜き出し位置を所定時間毎に液流通の下流側の単位
充填床に切り換える操作を含むことを特徴とする請求項
3に記載した液体に含まれる複数成分を分離する方法。 - 【請求項5】 前記閉鎖ループの系が、二以上の大粒径
吸着剤の単位充填床と、これらの各大粒径吸着剤の単位
充填床の下流に配置した一ないし複数の小粒径吸着剤の
単位充填床とを無端に接続して構成され、一つの大粒径
吸着剤の単位充填床に原料液を供給しながら富豊化した
成分の画分液を閉鎖ループの外に抜き出す操作を行なう
工程と、該大粒径吸着剤の単位充填床に対する原料液の
供給を停止し、かつ他のいずれかの単位充填床に脱離液
を供給しながら富豊化した成分の画分液を閉鎖ループの
外に抜き出す操作を行なう工程とを、一つの大粒径吸着
剤の単位充填床に原料液を供給する工程を行なった後、
液の供給及び抜き出し位置を経時的に液流通下流側の単
位充填床に順次に切換え、再び前記の一つの大粒径吸着
剤の単位充填床への原料液の供給を開始するまでを一サ
イクルとして繰り返すことを特徴とする請求項1に記載
した液体に含まれる複数成分を分離する方法。 - 【請求項6】 前記原料液を大粒径吸着剤の単位充填床
に供給する操作と並行して、他の単位充填床に脱離液を
供給する操作を行なうことを特徴とする請求項1ないし
5のいずれかに記載した液体に含まれる複数成分を分離
する方法。 - 【請求項7】 吸着剤に対する吸着性が異なる二以上の
成分を含む原料液を通液する吸着剤を充填した複数の単
位充填床からなり、平均粒径が相対的に大きい吸着剤を
充填した少なくとも一つの大粒径吸着剤の単位充填床、
及び平均粒径が相対的に小さい吸着剤を充填した複数の
小粒径吸着剤の単位充填床を、液がこれらの単位充填床
に渡って無端に流れるように接続した閉鎖ループの系
と、原料液を前記大粒径吸着剤の単位充填床に供給する
ように接続された原料液供給手段と、前記単位充填床の
少なくともいずれか一つ以上に脱離液を供給する脱離液
供給手段と、液を閉鎖ループの系内で一方向に流通させ
るためのポンプ手段と、液の流通により原料液に含まれ
る成分が吸着性の違いにより該液流れの方向に分離富豊
化したときにこの富豊化した成分の画分が存在する単位
充填床から該成分の画分液を前記閉鎖ループの外に抜き
出す液抜出手段とを備えたことを特徴とする液体に含ま
れる複数成分を分離する装置。 - 【請求項8】 前記液抜出手段は、原料液に含まれる各
成分毎の抜出手段を有することを特徴とする請求項7に
記載した液体に含まれる複数成分を分離する装置。 - 【請求項9】 前記原料液供給手段は、大粒径吸着剤の
単位充填床への原料液の供給/停止を切換える供給・停
止切換手段を有することを特徴とする請求項7又は8に
記載した液体に含まれる複数成分を分離する装置。 - 【請求項10】 前記脱離液供給手段は、閉鎖ループの
系に対する供給位置を、液流通の下流側の単位充填床に
切換える供給位置切換手段を有することを特徴とする請
求項7ないし9のいずかに記載した液体に含まれる複数
成分を分離する装置。 - 【請求項11】 前記液抜出手段は、閉鎖ループからの
抜き出し位置を、液流通の下流側の単位充填床に切換え
る抜出位置切換手段を有することを特徴とする請求項7
ないし10のいずれかに記載した液体に含まれる複数成
分を分離する装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25299399A JP4603114B2 (ja) | 1999-09-07 | 1999-09-07 | 液体に含まれる複数成分を分離する方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25299399A JP4603114B2 (ja) | 1999-09-07 | 1999-09-07 | 液体に含まれる複数成分を分離する方法及び装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001070704A true JP2001070704A (ja) | 2001-03-21 |
JP4603114B2 JP4603114B2 (ja) | 2010-12-22 |
Family
ID=17245016
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25299399A Expired - Lifetime JP4603114B2 (ja) | 1999-09-07 | 1999-09-07 | 液体に含まれる複数成分を分離する方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4603114B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008104978A (ja) * | 2006-10-26 | 2008-05-08 | Nippon Rensui Co Ltd | 擬似移動床の運転方法 |
JP2009294084A (ja) * | 2008-06-05 | 2009-12-17 | Japan Organo Co Ltd | クロマト分離装置 |
JP2015520667A (ja) * | 2012-04-23 | 2015-07-23 | メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMerck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung | クロマトグラフィー法 |
-
1999
- 1999-09-07 JP JP25299399A patent/JP4603114B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008104978A (ja) * | 2006-10-26 | 2008-05-08 | Nippon Rensui Co Ltd | 擬似移動床の運転方法 |
JP2009294084A (ja) * | 2008-06-05 | 2009-12-17 | Japan Organo Co Ltd | クロマト分離装置 |
JP2015520667A (ja) * | 2012-04-23 | 2015-07-23 | メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMerck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung | クロマトグラフィー法 |
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JP4603114B2 (ja) | 2010-12-22 |
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