JP3306813B2 - 擬似移動床クロマト分離法 - Google Patents
擬似移動床クロマト分離法Info
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Description
分離法に関し、更に詳しくは、濃縮工程の省略及び単位
カラム段数を実質的に増大させることができ、分離効率
及び運転効率に優れた擬似移動床クロマト分離法に関す
る。
異性体混合物等の複数成分を含有する原料溶液から特定
の成分を工業的に分離する手段として、クロマト分離法
が一般に用いられていた。クロマト分離法には回分方式
及び擬似移動床方式があり、いずれの場合にも、通常、
イオン交換樹脂、ゼオライト、シリカゲル等の吸着剤及
び水系又は有機溶媒系の溶剤である溶離液が用いられ
る。このクロマト分離法に従い、吸着剤が充填されてい
る単位カラム中に原料溶液を溶離液と共に通過させる
と、原料溶液に含まれる特定の成分及び他の成分と吸着
剤との吸着性の差を利用して、前記特定の成分を含有す
る液と含有しない液とを分離することができる。そし
て、前記特定の成分を含有する液を回収し濃縮すると前
記特定の成分を得ることができる。
は、用いる溶離液の単位カラム中における拡散速度の向
上に限界があるので、単位カラム段数を増加させて分離
効率の向上を図るというのが困難である。また、分離し
た液に含まれる目的成分の濃度が低いので、この液を濃
縮しなければならず、したがって目的成分を含有する希
薄溶液を一時的に貯留するタンクを必要とし、又、この
希薄溶液を濃縮する濃縮装置を必要とするなど、工業的
見地からすると効率的でなく、大規模な分離を行なうに
は、大規模かつ大型の装置群を必要とするという問題が
ある。
濃縮工程の省略及び単位カラム段数の向上を図ることが
でき、分離効率及び運転効率に優れる擬似移動床クロマ
ト分離法を提供することを目的とする。
くこの発明者らが鋭意検討した結果、擬似移動床方式の
クロマト分離法により複数成分を含有する原料から分離
対象成分の分離を行なう際に、溶離液として超臨界流体
を用いると、濃縮工程の省略及び単位カラム段数の実質
的増大を図ることができ、効率よく分離を行なうことが
できることを見出し、この発明に到達した。
項1に記載の発明は、固体吸着剤が充填された複数のカ
ラムを無端状に連結して循環流路を形成し、この循環流
路内で流体を一方向に強制循環させ、循環している流体
の流れ方向に沿ってカラム内に超臨界流体を導入する第
1導入口、カラムから吸着質に富む流体を抜き出す第1
抜き出し口、分割するべき光学異性体混合物又はジアス
テレオマー混合物からなる原料を含んだ流体をカラム内
に導入する第2導入口及び非吸着質に富む流体をカラム
内から抜き出す第2抜き出し口をこの順に配置し、かつ
循環流路内を循環している流体の流れ方向に沿って前記
第1導入口、第1抜き出し口、第2導入口及び第2抜き
出し口を間欠的に移動させることにより、光学異性体混
合物又はジアステレオマー混合物からなる原料を吸着質
と非吸着質とにそれぞれ分離することを特徴とする擬似
移動床クロマト分離法である。
学異性体分離用充填剤である前記請求項1に記載の擬似
移動床クロマト分離法である。
セルロースエステル誘導体若しくはセルロースカルバメ
ート誘導体の粒子、又はこれらを担体に担持させた充填
剤である前記請求項1に記載の擬似移動床クロマト分離
法である。
は、アルコール類、有機酸、アミン類、アルデヒド類及
びエーテル類から選択される少なくとも一種である前記
請求項1に記載の擬似移動床クロマト分離法であり、 請
求項5に記載の発明は、前記各カラムそれぞれは、その
出口側に逆止弁を装着してなる前記請求項1に記載の擬
似移動床クロマト分離法であり、 請求項6に記載の発明
は、前記循環流路は、その循環流路内を循環している流
体の流れ方向に沿って前記第1導入口、第1抜き出し
口、第2導入口及び第2抜き出し口を間欠的に移動させ
るロータリーバルブを備えて成る前記請求項1又は請求
項5に記載の擬似移動床クロマト分離法である。
分離法つき詳細に説明する。
複数成分を含有する原料を含んだ流体(A)から目的成
分を、擬似移動床(B)を用いて分離する。
なく、例えば医薬、農薬、食品、飼料、香料等の分野で
使用される各種の化合物、例えば医薬品のサリドマイ
ド、クロロキン、有機リン系の農薬であるEPN、化学
調味料であるグルタミン酸モノナトリウム塩、香料であ
るメントール等、を含有する溶液を挙げることができ
る。
ステル類、アミン類、アミド化合物、カルボン酸類、ア
ミノ酸等の光学異性体の混合物、例えばアミノ酸の光学
活性な酒石酸エステル、アミン類の光学活性なカンファ
ースルホン酸エステル等のジアステレオマーの混合物な
どを含有する溶液を挙げることができる。
ial Dictionary of Drug Names)の1980年版に記載
された医薬品、あるいは「農薬便覧」(The Pesticide
Manual, 1979)に記載の農薬なども光学分割するべき原
料として挙げることができる。
学異性体の混合物、又はジアステレオマーの混合物等を
含有する溶液を、好ましい複数成分を含有する原料の流
体として挙げることができる。
着剤を充填した複数の単位カラムを無端状に連結して循
環流路を形成すると共にこの循環流路内で超臨界流体を
一方向に強制循環させ、前記循環流路に、前記単位カラ
ム内に溶離流体としての超臨界流体を導入する第1導入
口と前記単位カラム内から吸着質に富む流体(以下、エ
クストラクトと称する。)を抜き出す第1抜出口都、複
数成分を含有する原料を含有する流体を超臨界流体と共
に導入する第2導入口と、非吸着質に富む流体(以下、
ラフィネートと称する。)を抜き出す第2抜出口とをこ
の順に配置し、前記超臨界流体の流れ方向に前記第1及
び第2導入口及び前記第1及び第2抜出口の位置を間欠
的に移動させると共に、前記原料を超臨界流体と共に前
記第2導入口から前記循環流路に導入し、同時に前記ラ
フィネート及び前記エクストラクトを前記第1及び第2
抜出口から抜き出すことからなる。
特に制限はなく、実施スケールや反応工学的見地等から
適宜選定することができる。例えば、図1に示すような
8基の単位カラム(2a〜2h)を用い、これを直列に
連結してもよい。
臨界流体を導入する第1導入口及び原料を導入する第2
導入口があり、前記抜出口としては、エクストラクトを
抜き出す第1抜出口及びラフィネートを抜き出す第2抜
出口がある。
方向に沿って、第1導入口、第1抜出口、第2導入口及
び第2抜出口がこれらの順に設けられると共に、これら
を前記超臨界流体の流れの方向にそれらの位置を間欠的
に逐次移動することができるようになっている。例え
ば、図1に示す擬似移動床においては、8基の単位カラ
ム(2a〜2h)毎に前記第1導入口、第1抜出口、第
2導入口、及び第2抜出がこの順に設けらると共に、こ
れらを第1〜5ロータリーバルブA〜E及び電磁弁であ
る逆止弁(7a〜7h)により、これらの位置を超臨界
流体の流れの方向に間欠的に逐次移動することができる
ように設計されている。
ては、溶離流体が超臨界状態を維持することのできる圧
力であり、通常60気圧以上であり、好ましくは70気
圧以上である。また、流路内における超臨界流体の温度
は、通常30℃以上であり、好ましくは40℃以上であ
る。
離流体を超臨界状態に維持することができなくなり、気
体を循環させることになって分離効率が低下することが
ある。また、温度が、前記範囲よりも低いとこれまた分
離効率が低下することがある。
きる臨界温度及び臨界圧力以上における、気体とも液体
とも言えない臨界状態の流体をいう。この超臨界流体と
しては、例えば、二酸化炭素、亜酸化窒素、アンモニ
ア、二酸化硫黄、ハロゲン化水素、硫化水素、メタン、
エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、ハロゲン化
炭化水素等を用いることができる。
等を考慮すると、二酸化炭素を用いるのが好ましい。二
酸化炭素を超臨界流体として用いる場合には、二酸化炭
素の臨界温度31.3℃よりも高い温度、かつ臨界圧力
79.9気圧よりも高い圧力の条件下で使用する。
加えることができる。
メタノール、2−プロパノール等のアルコール類、酢
酸、プロピオン酸等の有機酸、ジエチルアミン、モノエ
タノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、アセ
トアルデヒド等のアルデヒド類、テトラヒドロフラン、
エチルエーテル等のエーテル類を挙げることができる。
中の特定の成分との吸着性があれば特に制限はなく、例
えば、シリカゲル、イオン交換樹脂、ゼオライト、シリ
カゲル等の担体の表面に化学修飾したもの、あるいはポ
リマーをコーティングしたものなどを挙げることができ
る。前記シリカゲル等の担体の表面に化学修飾した固体
吸着剤としては、例えばODS等を挙げることができ
る。
て、光学異性体分離用充填剤を好ましく用いることがで
きる。
えば、光学活性な化合物、光学分割能を有する低分子化
合物、又は蛋白質若しくはその誘導体等を、シリカゲル
等の担体に担持させた固体吸着剤、あるいはシリカゲル
等の担体を使用せずにこれらをそのまま粒状にした固体
吸着剤を挙げることができる。
多糖エステル誘導体、多糖カルバメート誘導体、ポリア
クリレート誘導体、又はポリアミド誘導体を挙げること
ができる。
ート誘導体における多糖としては、天然多糖、天然物変
性多糖及び合成多糖、又はオリゴ糖のいずれかを問わ
ず、光学活性であれば特に制限がない。
グルカン(アミロース、アミノペクチン)、β−1,4
−グルカン(セルロース)、α−1,6−グルカン(デ
キストラン)、β−1,3−グルカン(カードラン、ジ
ソフィランなど)、α−1,3−グルカン、β−1,2
−グルカン(Crawn Gall多糖)、α−1,6
−マンナン、β−1,4−マンナン、β−1,2−フラ
クタン(イヌリン)、β−2,6−フラクタン(レバ
ン)、β−1,4−キシラン、β−1,3−キシラン、
β−1,4−キトサン、β−1,4−N−アセチルキト
サン(キチン)、プルラン、アガロース、アルギン酸等
を挙げることができる。
アミロース、β−1,4−キシラン、β−1,4−キト
サンキチンである。
まれるピラノースあるいはフラノース環の平均数)の上
限は2,000、好ましくは500以下であることが、
取り扱いの容易さにおいて、好ましい。
トテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオ
ース、マルトヘプタオース、イソマルトース、エルオー
ス、パラチノース、マルチトール、マルトトリイソトー
ル、マルトテトライトール、イソマルチトール、α−シ
クロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シク
ロデキストリン等を挙げることができる。
ート誘導体は、多糖の有する水酸基又はアミノ基上の水
素原子の一部又は全部を下記の式(1)、(2)、
(3)及び(4)のいずれかで示される原子団の少なく
とも一種と置換してなる化合物である。
よい芳香族炭化水素基であり、非置換であっても、又は
炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコ
キシル基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、シアノ
基、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアシル基、炭素数1
〜8のアシルオキシ基、ヒドロキシル基、炭素数1〜1
2のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基及び
炭素数1〜8のジアルキルアミノ基よりなる群から選択
される少なくとも一種の基あるいは原子によって置換さ
れていてもよい。
基、ナフチル基、フェナントリル基、アントラシル基、
インデニル基、インダニル基、フリル基、チオニル基、
ピリル基、ベンゾフリル基、ベンズチオニル基、インジ
ル基、ピリジル基、ピリミジル基、キノリル基、イソキ
ノリル基などを挙げることができる。これらの中でも特
に好ましいのは、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基
である。
重結合又は三重結合を含んでいてもよい。Xとしては、
メチレン基、エチレン基、エチリデン基、エテニレン
基、エチニレン基、1,2−又は1,3−プロピレン
基、1,1−又は2,2−プロピリジン基等を挙げるこ
とができる。
上であり、好ましくは50%以上であり、更に好ましく
は80%以上である。
体は、糖の水酸基あるいはアミノ基に酸クロライド、あ
るいはイソシアネートを反応させる方法により製造する
ことができる。
ては、例えばクラウンエーテル又はその誘導体やシクロ
デキストリン又はその誘導体を挙げることができる。
ば、各種の抗体蛋白、α1 −酸性糖蛋白、種々の血清ア
ルブミン、卵蛋白、及びこれらの誘導体等を挙げること
ができる。
物、光学分割能を有する低分子化合物、又は蛋白質若し
くはその誘導体の粒子を、光学異性体分離用充填剤とし
て使用することができる。この場合、光学活性な化合
物、光学分割能を有する低分子化合物、又は蛋白質若し
くはその誘導体の粒子の大きさとしては、使用するカラ
ムの大きさによって相違するが、通常1μm〜1mmで
あり、好ましくは5μm〜300μmである。
る低分子化合物、又は蛋白質若しくはその誘導体の粒子
は、無孔質であってもよいが、多孔質であるのが好まし
い。多孔質である場合、その細孔径は、10Å〜100
μmであり、好ましくは10Å〜5,000Åである。
物、光学分割能を有する低分子化合物、又は蛋白質若し
くはその誘導体を担体に担持した粒子を光学異性体分離
用充填剤として使用することもできる。
物、光学分割能を有する低分子化合物、又は蛋白質若し
くはその誘導体を担持することができるのであれば有機
担体及び無機担体のいずれであってもよい。
リアクリルアミド、ポリアクリレート等などの高分子物
質を挙げることができる。
ミナ、マグネシア、ガラス、カオリン、酸化チタン、ケ
イ酸塩、ケイソウ土などを挙げることができる。
ル、アルミナ、ケイ酸塩等である。
るための適当な処理が施されていてもよい。
り、好ましくは5μm〜300μmである。この担体は
無孔質であってもよいが、多孔質であるのが好ましい。
多孔質である場合、その細孔径は、10Å〜100μm
であり、好ましくは100Å〜5,000Åである。
光学分割能を有する低分子化合物、蛋白質又はその誘導
体の担持量は、担体に対して通常1〜100重量%であ
り、好ましくは5〜50重量%である。担持量が1重量
%未満では、複数成分を含有する原料溶液の光学分割を
有効に行えないことがあり、また、100重量%を越え
ても多く担持させるに見合う技術的効果を奏することの
できないことがある。
ルロースエステル誘導体、セルロースカルバメート誘導
体の粒子又はこれらをシリカゲルに担持させた固体吸着
剤が好ましい。
業(株)製 CHIRALCEL OA(登録商標)、CHIRALCEL OB
(登録商標)、CHIRALCEL OC(登録商標)、CHIRALCEL
OD(登録商標)、CHIRALCEL OJ(登録商標)、CHIRALCE
L OG(登録商標)、CHIRALCEL OF(登録商標)、CHIRAL
PAK AS(登録商標)、CHIRALPAK AD(登録商標)、CROW
NPAK CR(+)(登録商標)、CHIRALCEL CA-1(登録商
標)、CHIRALCEL OK(登録商標)、CHIRALPAK WH(登録
商標)、CHIRALPAK WM(登録商標)、CHIRALPAK WE(登
録商標)、CHIRALPAK OT(+) (登録商標)、CHIRALPAK
OP(+) (登録商標)等を好適例として挙げることができ
る。
しようとする成分の種類、擬似移動床内に流通する溶媒
の体積流通速度等に応じて様々に変化するのであるが、
通常1〜100μmであり、好ましくは5〜100μm
である。もっとも、擬似移動床内での圧損を小さく抑制
するのであれば、20〜100μmに固体吸着剤の平均
粒径を調整しておくのが好ましい。前記平均粒径が上記
範囲内にあると擬似移動床における圧損を少なくするこ
とができ、例えば10kgf/cm2 以下に抑制するこ
ともできる。一方、前記平均粒径が大きくなればなるほ
ど吸着理論段数は低下する。したがって、実用的な吸着
理論段数が達成されることだけを考慮するなら、前記固
体吸着剤の平均粒径は、通常20〜50μmである。
含有する原料溶液の吸着分離は、基本工程として、以下
に示す吸着工程(1)、濃縮工程(2)、脱着工程
(3)及び溶離液回収工程(4)を連続的に循環して行
う。
着剤に吸着容易な光学活性体(吸着質)が吸着され、吸
着困難な一方の光学活性体(非吸着質)がラフィネート
分として超臨界流体と共に回収される。
の一部と接触し、固体吸着剤上に残存している非吸着質
が追い出され、吸着質が濃縮される。
超臨界流体と接触させられ、吸着質が固体吸着剤から追
い出され、超臨界流体を伴ってエクストラクト分として
擬似流動床から排出される。
ィネート分の一部と接触し、固体吸着剤に含まれる超臨
界流体の一部が超臨界流体回収分として回収される。
照しながら更に詳述すると以下の通りである。
着剤が充填された単位カラムであり、相互に液体通路で
連結されている。13で示されるのは第1導入口に結合
された超臨界流体供給ライン、14で示されるのは第1
抜出口に結合されたエクストラクト抜き出しライン、1
5で示されるのは複数成分を含有する原料を含有する流
体を供給するための、第2導入口に結合された供給ライ
ン、16で示されるのは第2抜出口に結合されたラフィ
ネート抜き出しライン、17で示されるのは循環流路、
18で示されるのは循環ポンプである。
イン13〜16の配置状態では、単位カラム1〜3によ
り脱着工程、単位カラム4〜6により濃縮工程、単位カ
ラム7〜9により吸着工程、単位カラム10〜12によ
り超臨界流体回収工程がそれぞれ行われる。
例えばバルブ操作により超臨界流体供給ライン、複数成
分を含有する原料溶液の供給ライン及び各抜き出しライ
ンを溶媒の流通方向に単位カラム1基分だけ移動させ
る。
〜4により脱着工程、単位カラム5〜7により濃縮工
程、単位カラム8〜10により吸着工程、単位カラム1
1〜1により超臨界流体回収工程がそれぞれ行われるよ
うになる。このような動作を順次に行うことにより、各
工程が単位カラム1基づつずれていき、複数成分を含有
する原料溶液の分離処理が連続的に効率よく達成され
る。
たエクストラクトには、分離対象たる成分が90%以上
の高い割合で含有される。また、具体的には、例えば光
学活性体混合物の分離の場合、分離対象たる光学活性体
を95%以上あるいは98%以上もの高い光学純度でエ
クストラクト中に含有し、ラフィネートにおいても前記
と同様の高い光学純度で他の光学活性体を溶媒中に含有
している。
動床としては、前記図2に示されるものに限定されず、
種々の擬似移動床を使用することができる。
が、この発明はこれら実施例に何ら限定されるものでは
なく、この発明の目的を害しない範囲で適宜に変形して
実施することができる。
ス トリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)
を担体としてシリカゲルに担持させてなる光学異性体分
離用充填剤(ダイセル化学工業(株)製、CHIPAL
CEL OD(登録商標);粒子径20μm)を内部に
充填した内径1cm、長さ25cmの単位カラム8本を
直列に連結してなる擬似移動床装置に、トランス−スチ
ルベンオキシドを1.5ml/min(ラセミ体濃度1
0mg/ml)で供給し、以下の条件にて擬似移動床装
置を運転した。
/cm2 結果としては、エクストラクト抜出口からは(+)−ト
ランス−スチルベンオキシドが5.1mg/min(光
学純度96%ee)で、またラフィネート抜出口からは
(−)−トランス−スチルベンオキシドが4.9mg/
min(光学純度99%ee)で得ることができた。
ス トリ(P−メチルベンゾエート)を担体としてシリ
カゲルに担持させてなる光学異性体分離用充填剤(ダイ
セル化学工業(株)製、CHIPALCEL OJ(登
録商標);粒子径20μm)を内部に充填した内径1c
m、長さ25cmの単位カラム8本を直列に連結してな
る擬似移動床装置に、α−トリチルベンジルアルコール
を2.5ml/min(ラセミ体濃度12mg/ml)
で供給し、以下の条件にて擬似移動床装置を運転した。
/cm2 結果としては、エクストラクト抜出口からは(+)−α
−トリチルベンジルアルコールが6.3mg/min
(光学純度90.5%ee)で、またラフィネート抜出
口からは(−)−α−トリチルベンジルアルコールが
5.7mg/min(光学純度99%ee)で得ること
ができた。
ができると共にカラムの段数を向上させることができ、
分離効率及び運転効率に優れる擬似移動床クロマト分離
法を提供することができる。
を用いる、この発明の擬似移動床クロマト分離法を示す
概略説明図である。
床を用いる、この発明の擬似移動床クロマト分離法を示
す概略説明図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 固体吸着剤が充填された複数のカラムを
無端状に連結して循環流路を形成し、この循環流路内で
流体を一方向に強制循環させ、循環している流体の流れ
方向に沿ってカラム内に超臨界流体を導入する第1導入
口、カラムから吸着質に富む流体を抜き出す第1抜き出
し口、分割するべき光学異性体混合物又はジアステレオ
マー混合物からなる原料を含んだ流体をカラム内に導入
する第2導入口及び非吸着質に富む流体をカラム内から
抜き出す第2抜き出し口をこの順に配置し、かつ循環流
路内を循環している流体の流れ方向に沿って前記第1導
入口、第1抜き出し口、第2導入口及び第2抜き出し口
を間欠的に移動させることにより、光学異性体混合物又
はジアステレオマー混合物からなる原料を吸着質と非吸
着質とにそれぞれ分離することを特徴とする擬似移動床
クロマト分離法。 - 【請求項2】 固体吸着剤が光学異性体分離用充填剤で
ある前記請求項1に記載の擬似移動床クロマト分離法。 - 【請求項3】 固体吸着剤が、セルロースエステル誘導
体若しくはセルロースカルバメート誘導体の粒子、又は
これらを担体に担持させた充填剤である前記請求項1に
記載の擬似移動床クロマト分離法。 - 【請求項4】 前記超臨界流体は、アルコール類、有機
酸、アミン類、アルデヒド類及びエーテル類から選択さ
れる少なくとも一種である前記請求項1に記載の擬似移
動床クロマト分離法。 - 【請求項5】 前記各カラムそれぞれは、その出口側に
逆止弁を装着してなる前記請求項1に記載の擬似移動床
クロマト分離法。 - 【請求項6】 前記循環流路は、その循環流路内を循環
している流体の流れ方向に沿って前記第1導入口、第1
抜き出し口、第2導入口及び第2抜き出し口を間欠的に
移動させるロータリーバルブを備えて成る前記請求項1
又は請求項5に記載の擬似移動床クロマト分離法。
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