JP2002241316A - 菊酸アルキルエステルの光学分割法 - Google Patents

菊酸アルキルエステルの光学分割法

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JP2002241316A JP2001041392A JP2001041392A JP2002241316A JP 2002241316 A JP2002241316 A JP 2002241316A JP 2001041392 A JP2001041392 A JP 2001041392A JP 2001041392 A JP2001041392 A JP 2001041392A JP 2002241316 A JP2002241316 A JP 2002241316A
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佳男 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性菊酸アルキルエステルの製造法を提
供すること。 【解決手段】 キラル固定相として多糖誘導体を用いる
クロマトグラフィー法により、菊酸アルキルエステルを
光学分割し、光学活性体を分取することを特徴とする光
学活性菊酸アルキルエステルの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、菊酸アルキルエス
テルの光学分割に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】菊酸
はピレスリン、アレスリン、フタルスリンなどの所謂ピ
レスロイドと称される低毒速効性殺虫剤の原料として有
用である。ところで菊酸には不斉炭素が2個あり、よっ
て4種類の異性体が存在する。幾何異性体であるシス体
およびトランス体は、それぞれ光学異性体である(+)
体ならびに(−)体として存在する。一般にピレスロイ
ドの殺虫効力に関しては、(+)トランス菊酸より誘導
されるものが最強であることが知られている。また、天
然の除虫菊から抽出される菊酸も(+)トランス構造を
有している。一方、ある種のピレスロイドにおいては
(+)シス菊酸も有効である。光学活性菊酸の工業的に
より有利な取得法が望まれる所以である。
【0003】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明者らは、鋭意検討した結果、菊酸アルキル
エステルを、多糖誘導体を用いるクロマトグラフィーに
付すことにより効率よく、目的とする光学活性体を得る
ことができることを見出し、本発明を完成した。すなわ
ち、本発明は、キラル固定相として多糖誘導体を用いる
クロマトグラフィー法により、菊酸アルキルエステルを
光学分割し、光学活性体を分取することを特徴とする光
学活性菊酸アルキルエステルの製造法を提供するもので
ある。
【0004】
【発明の実施の形態】本発明方法により光学分割される
菊酸アルキルエステルのアルキル基は、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、t−ブチル等の低級アルキル基が
挙げられる。
【0005】本発明において用いられるキラル固定相で
ある分離剤は、多糖誘導体である。一般に、かかる多糖
誘導体は、光学的に活性なものであることが好ましく、
合成多糖類、天然多糖類および修飾された天然多糖類を
用いることができる。多糖の具体的な例としては、セル
ロ−ス、アミロ−ス、β−1,4−キトサン、キチン、
β−1,4−マンナン、β−1,4−キシラン、イヌリ
ン、α−1,3−グルカン、β−1,3−グルカンなど
を挙げることができ、好ましくは、セルロ−ス、アミロ
−スが挙げられる 多糖誘導体としては、多糖のヒドロキシル基上の水素原
子の全部または一部が、−C(O)R 、−C(O)NH(R) 、−C
(O)N(R)(R) および−R のような他の置換基で置換され
たものが好ましい。ここで、R は、C1〜C3の脂肪族基、
C3〜C10の脂環式基またはC4〜C20 の芳香族もしくはヘ
テロ芳香族であって、そのR 自体は置換基で任意に置換
されていてもよい。より好ましい多糖誘導体としては、
アシル化多糖、カルバモイル化多糖が挙げられる。上記
の分離剤である多糖誘導体は、公知の反応によって容易
に得ることができる。
【0006】アシル化多糖の好ましいアシル基として
は、アセチル、ベンゾイル、メチルベンゾイル、ジメチ
ルベンゾイル、クロロベンゾイル、ジクロロベンゾイル
基が挙げられる。
【0007】カルボモイル化多糖の好ましいカルボモイ
ル基としては、フェニルカルバモイル、メチルフェニル
カルバモイル、ジメチルフェニルカルバモイル、クロロ
フェニルカルバモイル、ジクロロフェニルカルバモイ
ル、α−フェニルエチルカルバモイル基が挙げられる。
【0008】好ましい分離剤としては、シリカゲルなど
の担体に担持させたセルロース トリス(4−メチルベ
ンゾエート)、セルロース トリスベンゾエート、セル
ローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメー
ト)、アミロース トリス[α−フェニルエチルカルバ
メート]、アミロース トリス(3,5−ジメチルフェ
ニルカルバメート)などを挙げることができ、より好ま
しくは、セルロース トリス(4−メチルベンゾエー
ト)が挙げられる。
【0009】本発明の実施方法としては、種々のクロマ
トグラフィー法を利用することができるが、まず、キラ
ル固定相として多糖誘導体からなる分離剤を充填したカ
ラムを用いたクラマトグラフィー法を採用することがで
きる。その中でも液体クロマトグラフィーを採用する場
合には、分離剤である多糖誘導体は、カラムに直接充填
するかまたは適当な担体にあらかじめ担持させた後に充
填することができる。すなわち、分離剤の耐圧性を改善
し、溶媒置換による膨潤または収縮を防止し、かつ理論
段数を増大するために、多糖またはその誘導体は担体に
担持させて用いるのが好ましい。そのような担体として
は、多孔性の無機担体および有機担体の両者を採用する
ことができる。多孔性有機担体の好ましい例としては、
ポリスチレン、ポリアクリルアミドおよびポリアクリレ
ートのようなポリマー物質が挙げられ、そして多孔性無
機担体の好ましい例としては、シリカ、アルミナ、マグ
ネシア、二酸化チタン、ガラス、ケイ酸塩およびカオリ
ンのような合成物質と天然物質が挙げられるが、多くの
場合、多孔性無機担体が好ましい。多糖またはその誘導
体に対する担体の親和性を改善するために、担体に表面
処理を行ってもよい。そのような表面処理方法として
は、有機シラン化合物を用いるシラン処理法およびプラ
ズマ重合による表面処理法が採用できる。
【0010】本発明方法においては、採用するクロマト
グラフィーの種類により、分離剤および担体の形態とし
て種々のものを用いることができる。例えば、液体クロ
マトグラフィーによる分離には、分離剤としては粉状の
ものでも差し支えないが、通常は粒状の分離剤が好まし
いので、用いる多糖またはその誘導体は、ビーズ状に成
形することが好ましい。その場合の粒径は使用するカラ
ムまたはプレートの大きさにしたがって変えることがで
き、通常1μm 〜10mmであるが、なかでも1〜300 μm
が好ましい。この場合、粒子は多孔性のものが一般に好
ましい。
【0011】分離剤を担体に担持させる場合には、該担
体の大きさ(粒径)は、使用されるカラムに従って変え
ることができるが、通常1μm 〜10mmであり、なかでも
1〜300 μm が好ましい。この場合、粒子は多孔性のも
のが一般に好ましく、平均細孔径は通常10オンク゛スト
ローム〜100 μm であるが、なかでも50オンク゛ストロ
ーム〜10000 オンク゛ストロームが好ましい。ここで、
担体に担持される多糖誘導体の量は、担体に対して、通
常、1〜100重量%であり、好ましくは5〜50重量
%である。
【0012】使用される溶媒としては、各種の溶媒を利
用することができる。そのような溶媒としては、水、ヘ
キサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素
類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエス
テル類、アセトン等のケトン類、アセトニトリル、ジク
ロルエタンまたはこれらを適宜混合したものが挙げられ
る。
【0013】なお、多糖誘導体を担体に担持させる手段
としては、化学的方法または物理的方法を用いることが
できる。例えば、物理的方法としては、多糖誘導体を
溶媒に溶解した溶液を担体と共に十分に混合し、ついで
常圧下ないし減圧下に加熱もしくは空気流または窒素気
流によって溶媒を留去する方法。多糖誘導体を溶媒に
溶解した溶液を担体と共に十分に混合し、ついでその混
合物を撹拌してから、その溶媒に対して相溶性でない液
体中に分散させてその溶液を拡散させる方法等が挙げら
れる。この場合、多糖誘導体を担体上に結晶化させる目
的で、熱処理などの手段を加えることも可能である。さ
らに、担持させる際に少量の溶媒を添加して多糖または
その誘導体を膨潤または溶解し、ついで、その溶媒を留
去して多糖誘導体の担持状態と分割特性を変化させるこ
ともできる。
【0014】本発明に用いる分離剤としての多糖または
その誘導体は、化学的に同一ないし同種の誘導体間にお
いても、分子量、結晶化度および配向のような物理特性
の差によって、個々の分割特性が変化する。したがっ
て、所望の分割特性を得る目的で、担持させようとする
担体を目的とする用途に合う形態に調整した後、または
この様な形態に加工するステップ中において、多糖また
はその誘導体を含む系に対して、熱処理もしくはエッチ
ング処理のような物理的または化学的処理に付してもよ
い。
【0015】本発明方法におけるクロマトグラフィーの
具体的な手段としては、上記の液体クロマトグラフィー
の他に、擬似移動床吸着システムによるクロマトグラフ
ィー法が挙げられる。
【0016】擬似移動床方式とは、固体吸着体が収容さ
れており、かつ前端と後端との間が流体通路で結合され
ていて床内を流体が循環し得る様になっている充填床
に、床内の流体の流れ方向に沿って脱離液流体導入口、
吸着質流体出口を設け、一定時間毎に各導入口及び抜出
口を順次下流のそれと切り換えることにより、原料流体
を固体吸着剤に相対的に吸着されやすい成分(吸着質成
分)及び相対的に吸着されがたい成分(非吸着質成分)
に分離する方式を意味し、このような擬似移動床技術は
公知である(例えば、特公昭42-15681号参照)。
【0017】以下、本発明の擬似移動床方式を用いる光
学活性菊酸アルキルエステルの分離方法の実施態様につ
いて説明する。すなわち、本発明では内部に充填剤とし
て光学活性な多糖誘導体(セルロース、アミロースのエ
ステルやカルバメート)をシリカゲル等に担持させたも
のなど、いわゆる光学分割用充填剤を収容し、かつ前端
と後端とが流体通路で結合されたループ状になっていて
液体が一方向に循環している充填床に、原料である菊酸
アルキルエステル含有液及び脱離液として有機溶剤、例
えばメタノール、イソプロパノール等のアルコール類や
ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類を導入し、同時に充
填床から1種類の光学活性体を含有する液とその他の種
類の光学活性体を含有する液を抜き出すことからなり、
充填床には脱離液導入口、吸着されやすい光学活性体を
含有する液(エクストラクト)の抜出口、菊酸アルキル
エステル含有液導入口、吸着されにくい光学活性体を含
有する液(ラフィネート)の抜出口を流体の流れ方向に
沿ってこの順序で配置し、かつこれらを床内の流体の流
れ方向にそれらの位置を間欠的に逐次移動することによ
りなる擬似移動床方式を用いることができる。
【0018】本発明の擬似移動床方式による吸着分離
は、基本的操作として次に示す吸着操作、濃縮操作、脱
着操作及び脱離液回収操作が連続的に循環して実施され
る。
【0019】(1) [吸着操作] 菊酸アルキルエステルが充填剤と接触し、吸着されやす
い光学活性体(強吸着成分)が吸着され、吸着されにく
い他の光学活性体(弱吸着成分)がラフィネート流れと
して脱離液とともに回収される。 (2) [濃縮操作] 強吸着成分を吸着した充填剤は後で述べるエクストラク
トの一部と接触させられ、充填剤上に残存している弱吸
着成分が追い出され、強吸着成分が濃縮される。 (3) [脱着操作] 濃縮された強吸着成分を含む充填剤は脱離液と接触させ
られ、強吸着成分が充填剤から追い出され、脱離液を伴
ってエクストラクト流れとして回収される。 (4) [脱離液回収操作] 実質的に脱離液のみを吸着した充填剤は、ラフィネート
流れの一部と接触し、充填剤に含まれる脱離液の一部が
脱離液回収流れとして回収される。
【0020】以下、図面に基づいて本発明の擬似移動床
方法を説明する。図1は、本発明で使用する擬似移動床
の一例を示す模式図である。図1においては擬似移動床
の主要部である充填床の内部は8個の単位充填床に区分
されているが、それらの数や大きさは菊酸アルキルエス
テル含有液の組成、濃度、流量、圧損、装置の大きさな
どの要因によって決まるものであり、限定されるもので
はない。
【0021】図において1〜8は充填剤の入った室(吸
着室)であり、相互に連結されている。9は脱離液供給
ライン、10はエクストラクト抜出ライン、11は菊酸
アルキルエステル含有液供給ライン、12はラフィネー
ト抜出ライン、13はリサイクルライン、14はポンプ
を示す。
【0022】図1に示した状態では、吸着室1〜2で脱
着操作、吸着室3〜4で濃縮操作、吸着室5〜6で吸着
操作、吸着室7〜8で脱離液回収操作がそれぞれ行われ
ている。このような擬似移動床では、一定時間間隔ごと
にバルブ操作により各供給液及び抜出ラインを液流れ方
向に吸着室1室分だけそれぞれ移動させる。このような
操作を順次行うことによって光学異性体の混合物の分離
処理が連続的に効率よく達成される。
【0023】
【発明の効果】本発明の分割法によって、目的とする光
学活性菊酸アルキルエステルを光学純度よくかつ効率よ
く得ることができる。
【0024】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。 [実施例1]ラセミ体のトランス菊酸エチルについてそ
の液体クロマトグラフィーを以下の条件で行った。 カラム:キラル固定相としてセルロース トリス(4−
メチルベンゾエート)をシリカゲルに担持させた充填材
よりなる CHIRALCEL OJ (ダイセル化学工業株式会社
製 ) 4.6mm(内径)x250mm(長さ)、移動相:ヘキサ
ン、流量:0.5 ml/分、温度:24℃、注入量:4 μl
(3000 ppm)。その結果、トランス菊酸エチルの(−)
体、(+)体ならびに標準物質としての1,3,5−トリ−
t−ブチルベンゼンの保持時間(t1、t2、t0)は、
それぞれ8.49、24.09および6.80分であった。これより
トランス菊酸エチルの分離係数(α=(t2−t0)/
(t1−t0))は10.23と計算できた。
【0025】[実施例2]キラル固定相としてセルロー
ス トリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)をシ
リカゲルに担持させた充填材よりなるカラム CHIRALCE
L OD(ダイセル化学工業株式会社製 )を用いて実施例
1と同様の液体クロマトグラフィーを行った。トランス
菊酸エチルの(−)体、(+)体ならびに標準物質とし
ての1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼンの保持時間は、
それぞれ13.44、17.25、および6.25分であった。これよ
りトランス菊酸エチルの分離係数は、1.53と計算でき
た。
【0026】[実施例3]キラル固定相としてセルロー
ス トリス(ベンゾエート)をシリカゲルに担持させた
充填材よりなるカラム CHIRALCEL OB(ダイセル化学工
業株式会社製 )を用いて実施例1と同様の液体クロマ
トグラフィーを行った。トランス菊酸エチルの(−)
体、(+)体ならびに標準物質としての1,3,5−トリ−
t−ブチルベンゼンの保持時間は、それぞれ9.17、9.8
3、および6.31分であった。これよりトランス菊酸エチ
ルの分離係数は、1.23と計算できた。
【0027】[実施例4]キラル固定相としてアミロー
ス トリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)をシ
リカゲルに担持させた充填材よりなるカラム CHIRALPA
K AD(ダイセル化学工業株式会社製 )を用いて実施例
1と同様の液体クロマトグラフィーを行った。トランス
菊酸エチルの(−)体、(+)体ならびに標準物質とし
ての1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼンの保持時間は、
それぞれ10.89、11.10、および6.33分であった。これよ
りトランス菊酸エチルの分離係数は、1.05と計算でき
た。
【0028】[実施例5]キラル固定相としてアミロー
ス トリス(S−α−フェニルエチルカルバメート)をシ
リカゲルに担持させた充填材よりなるカラム CHIRALPA
K AS(ダイセル化学工業株式会社製 )を用いて実施例
1と同様の液体クロマトグラフィーを行った。トランス
菊酸エチルの(−)体、(+)体ならびに標準物質とし
ての1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼンの保持時間は、
それぞれ9.40、10.01、および6.24分であった。これよ
りトランス菊酸エチルの分離係数は、1.19と計算でき
た。
【0029】[実施例6]ラセミ体のトランス菊酸メチ
ルについてその液体クロマトグラフィーを以下の条件で
行った。 カラム:キラル固定相としてセルロース トリス(4−
メチルベンゾエート)をシリカゲルに担持させた充填材
よりなる CHIRALCEL OJ (ダイセル化学工業株式会社
製 ) 4.6mm(内径)x250mm(長さ)、移動相:ヘキサ
ン、流量:0.5 ml/分、温度:24℃、注入量:4 μl
(3000 ppm)。その結果、トランス菊酸メチルの(−)
体、(+)体ならびに標準物質としての1,3,5−トリ−
t−ブチルベンゼンの保持時間は、それぞれ10.13、22.
09、および6.80分であった。これよりトランス菊酸メチ
ルの分離係数は4.59と計算できた。
【0030】[実施例7]ラセミ体のトランス菊酸エチ
ルとラセミ体のシス菊酸エチルとの混合物(シス/トラ
ンス=35/65)についてその液体クロマトグラフィーを
以下の条件で行った。 カラム:キラル固定相としてセルロース トリス(4−
メチルベンゾエート)をシリカゲルに担持させた充填材
よりなる CHIRALCEL OJ (ダイセル化学工業株式会社
製 ) 4.6mm(内径)x250mm(長さ)、移動相:ヘキサ
ン、流量:0.5 ml/分、温度:24℃、注入量:4 μl
(3000 ppm)。その結果、トランス菊酸エチルの(−)
体、(+)体ならびに標準物質としての1,3,5−トリ−
t−ブチルベンゼンの保持時間は、それぞれ9.44、26.5
6および6.80分であった。これよりトランス菊酸エチル
の分離係数は7.48と計算できた。また、シス菊酸エチル
の(−)体および(+)体の保持時間はそれぞれ10.2
5、および11.61分であった。
【0031】[実施例8]ラセミ体のトランス菊酸エチ
ルについてその分取液体クロマトグラフィーを以下の条
件で行った。 カラム:キラル固定相としてセルロース トリス(4−
メチルベンゾエート)をシリカゲルに担持させた充填材
よりなる CHIRALCEL OJ (ダイセル化学工業株式会社
製 ) 4.6mm(内径)x250mm(長さ)、移動相:ヘキサ
ン、流量:1.5 ml/分、温度:24℃、注入量:1.0m
g。これを5回繰り返した。分取した溶離液を濃縮する
ことにより(+)トランス菊酸エチル (2.2mg、光学
純度98%)が得られた(回収率88%)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する擬似移動床の一例を示す模式
図である。
【符号の説明】
1〜8:吸着室 9 :脱離液供給ライン 10 :エクストラクト抜出ライン 11 :菊酸アルキルエステル含有液供給ライン 12 :ラフィネート抜出ライン 13 :リサイクルライン 14 :ポンプ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キラル固定相として多糖誘導体を用いるク
    ロマトグラフィー法により、菊酸アルキルエステルを光
    学分割し、光学活性体を分取することを特徴とする光学
    活性菊酸アルキルエステルの製造法。
  2. 【請求項2】菊酸アルキルエステルのアルキル基が、メ
    チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
    ブチル、sec−ブチルまたはt−ブチルである請求項1
    記載の製造法。
  3. 【請求項3】多糖誘導体の多糖が、セルロースまたはア
    ミロースである請求項1または2記載の製造法。
  4. 【請求項4】多糖誘導体が、アシル化多糖またはカルバ
    モイル化多糖である請求項3記載の製造法。
  5. 【請求項5】アシル化多糖のアシル基が、アセチル、ベ
    ンゾイル、メチルベンゾイル、ジメチルベンゾイル、ク
    ロロベンゾイル、またはジクロロベンゾイルである請求
    項4記載の製造法。
  6. 【請求項6】カルボモイル化多糖のカルボモイル基が、
    フェニルカルバモイル、メチルフェニルカルバモイル、
    ジメチルフェニルカルバモイル、クロロフェニルカルバ
    モイル、ジクロロフェニルカルバモイル、またはα−フ
    ェニルエチルカルバモイルである請求項4記載の製造
    法。
  7. 【請求項7】多糖誘導体が、セルローストリス(4−メ
    チルベンゾエート)である請求項1または2記載の製造
    法。
  8. 【請求項8】光学分割の方法が、カラムを用いるクロマ
    トグラフィーである請求項1〜7のいずれかに記載の製
    造法。
  9. 【請求項9】光学分割の方法が、擬似移動床吸着システ
    ムを用いたクロマトグラフィーである請求項1〜7のい
    ずれかに記載の製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004123735A (ja) * 2002-09-11 2004-04-22 Nippon Zoki Pharmaceut Co Ltd 光学活性(s)−ヒダントイン誘導体
JP2004123736A (ja) * 2002-09-11 2004-04-22 Nippon Zoki Pharmaceut Co Ltd 光学活性(r)−ヒダントイン誘導体

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JP2004123735A (ja) * 2002-09-11 2004-04-22 Nippon Zoki Pharmaceut Co Ltd 光学活性(s)−ヒダントイン誘導体
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