JPH10251169A - 光学異性体の吸着分離方法 - Google Patents

光学異性体の吸着分離方法

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JPH10251169A
JPH10251169A JP9051611A JP5161197A JPH10251169A JP H10251169 A JPH10251169 A JP H10251169A JP 9051611 A JP9051611 A JP 9051611A JP 5161197 A JP5161197 A JP 5161197A JP H10251169 A JPH10251169 A JP H10251169A
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JP
Japan
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zeolite
optically active
adsorption
separation
type zeolite
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JP9051611A
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Tetsuji Kitagawa
哲司 北川
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Toray Industries Inc
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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゼオライトを用いて光学異性体を吸着分離す
る。 【解決手段】 ベンゼン吸着容量が3重量%以上である
ゼオライトを含む吸着剤と光学活性化合物を含む脱着剤
を用いることで光学異性体を吸着分離することができ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学異性体の吸着分
離方法に関するものである。
【0002】光学異性体は、様々なケミカル製品として
例えば農薬、医薬、食品添加物さらにはこれら中間体と
して広く用いられている。
【0003】具体的には光学活性なアミノ酸類、アミノ
酸誘導体、カルボン酸類、カルボン酸誘導体、アミン含
有化合物、アルコール化合物、ヒドロキシカルボン酸、
ヒドロキシカルボン酸誘導体等である。
【0004】
【従来の技術】従来からゼオライトは幾何異性体の吸着
分離剤として工業的に広く利用されている。例えば、U
OP社のPAREXプロセスに代表されるSORBEX
の装置による吸着分離(D.B.Broughton,
Sepraration science and t
echnology,19,723−236p(198
4−1985))においては、フォージャサイト型ゼオ
ライト吸着分離剤を用いてp-キシレンなどの芳香族異性
体や異性化糖などが分離されている。
【0005】また、光学異性体の分離においては多糖誘
導体(セルロースやアミロースなどのエステルあるいは
カルバメートなど)や多糖誘導体をシリカゲルに担持し
たもの、シクロデキストリンの誘導体、シクロデキスト
リン誘導体をシリカゲルなどに担持したもの、ポリアク
リレート誘導体、ポリアクリレート誘導体をシリカゲル
などに担持したものなどが吸着分離剤として利用でき
る。多糖誘導体を用いた光学異性体の分離については、
八島、岡本により報告(Bull.Chem.Soc.
Jpn.,68,3289ー3307(1995)され
ている。
【0006】一方、脱着剤として類似な構造を有する化
合物を用いて、幾何異性体や光学異性体を吸着分離する
方法がフランス特許2593409号公報で開示されて
いる。
【0007】また、非対称結晶構造のゼオライトを吸着
剤として用いる光学異性体の分離方法としては特開昭6
1−122226号公報で開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これまでの工業的な吸
着分離プロセスでは、ゼオライトを用いたキシレン異性
体などの幾何異性体の分離が知られているが、ゼオライ
トを用いて光学異性体を分離しようとする試みは知られ
ていない。
【0009】さらに、多糖誘導体などをシリカゲルに担
持した吸着分離剤を利用した光学異性体の分離について
は、これら吸着分離剤は機械的強度が弱く、工業的な分
離プロセスでは用いることが困難であった。さらにこれ
ら吸着剤は製造工程が長いため、非常に高価なものにな
り、また多糖誘導体が担持されているだけであるため、
長期の利用においては多糖誘導体が溶出してしまう問題
があった。また、数多くの光学異性体をすべて分離でき
る吸着分離剤がないため、様々な新しい吸着分離剤およ
び分離システムの研究が行われている。
【0010】フランス特許2593409号公報で開示
された吸着分離方法は分離概念としては新規なものであ
った。本特許によれば、もはや吸着剤を選択しなくとも
吸着剤のみの改良で良い分離能が得られると記載されて
いるが必ずしもそうではなく、吸着分離剤を改良する等
の余地がまだ残されている。
【0011】特開昭61−122226号公報で開示さ
れている光学異性体の分割方法についても分離手法は新
しいものの、工業的な生産プロセスにおける分離系につ
いてはまだまだ問題がある。
【0012】このような様々な問題点に対して、新規な
吸着分離システムによる異なった分離方法が望まれてい
た。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、光学異性
体の吸着分離方法について鋭意研究した結果、ベンゼン
吸着容量が3重量%以上であるゼオライトを含む吸着剤
と光学活性化合物を含む脱着剤を用いれば、光学異性体
を吸着分離法により分離できることを見出した。
【0014】すなわち本発明は、ベンゼン吸着容量が3
重量%以上であるゼオライトを含む吸着剤と光学活性化
合物を含む脱着剤を用いる光学異性体の吸着分離方法に
関するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】なお、本文中において光学異性体と記載し
た場合は、複数の光学活性化合物からなる異性体群の混
合物を指し、光学活性化合物と記載した場合は一つの光
学活性な化合物を指す。
【0017】本発明におけるゼオライトとは、いわゆる
モレキュラ・シーブとも言われるものであり、結晶性の
3次元的に規則的な空間を有する無機多孔体である。一
般的にゼオライトとはフォージャサイト型ゼオライトや
β型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、ペンタシ
ル型ゼオライト等の結晶性アルミノシリケートや結晶性
アルミノホスフェート、シリカアルミノホスフェート等
を指す。本発明におけるこれらゼオライトについては、
ALTAS OF ZEOLITE STRUCTUR
E TYPES(W.M.Meier、D.H.Ols
on著、Butterworths、1987)に詳し
く記載されている。ゼオライトは規則的な空間が分子ふ
るい効果を有するため、例えばキシレン異性体の分離、
窒素・酸素の分離などに工業的に利用されているが、光
学異性体の吸着分離は知られていない。本発明における
ゼオライトは、光学異性体を吸着分離するために用いら
れる。従来の光学異性体分離用吸着剤として、光学活性
なセルロース誘導体やシクロデキストリン誘導体などの
光学活性化合物をシリカゲルなどに担持させたものなど
が挙げられるが、これらはすべて吸着剤に担持した光学
活性化合物と分離しようとする光学異性体との間の相互
作用の相違を利用したものである。すなわち、これら既
存の光学異性体分離用吸着剤は、それ自体が光学活性で
あるが故に光学異性体を分離できるものである。本発明
におけるゼオライトは、光学異性体分離用吸着剤、広く
言えば光学異性体分離用吸着媒体であるが、上述した既
存の光学異性体分離用吸着剤とは異なり、特に光学活性
である必要はない。ゼオライトそれ自体の結晶構造が非
対称であっても良いが、非対称な結晶構造を持たなくて
も何ら問題はなく、非対称な結晶構造を持たないゼオラ
イトが好ましい。分離しようとする光学異性体は、ゼオ
ライトの規則的な細孔内における光学活性化合物と分離
しようとする光学異性体間の相互作用の相違により吸着
分離される。すなわち、本発明のコンセプトはゼオライ
トと光学活性化合物と分離しようとする光学異性体を接
触させることにより、ゼオライトの規則的な空間を利用
して、光学異性体を吸着分離することにある。本発明に
おいてゼオライトを利用することのメリットは光学異性
体を吸着分離する際に規則的な空間を提供できることあ
る。本発明におけるゼオライトは、3次元的に形成され
る空間が効率よく利用されるように細孔の開口環酸素数
が10原子以上であることが好ましく、12原子以上で
あることが特に好ましい。なお、ゼオライトの開口環酸
素数とは、ゼオライト骨格中で分子が通過できる細孔を
形成する骨格部分の酸素の数をいう。なお、開口環酸素
数については、ALTAS OF ZEOLITE S
TRUCTURE TYPES(W.M.Meier、
D.H.Olson著、Butterworths、1
987)に詳しく記載されている。また、ゼオライトが
結晶性アルミノシリケートである場合は、シリカ/アル
ミナ比が2以上であることが好ましい。何故なら、通常
のアルミノシリケートは、シリカ/アルミナ比が小さい
と十分に大きな細孔を形成しにくくなるためである。特
に本発明において用いるゼオライトは、フォージャサイ
ト型ゼオライト、β型ゼオライトおよびペンタシル型ゼ
オライトが好ましく、フォージャサイト型ゼオライト及
びβ型ゼオライトがより好ましく、フォージャサイト型
ゼオライトY及びフォージャサイト型ゼオライトXが特
に好ましい。ゼオライトは、工業的な利用においては通
常シリカやアルミナ、ベントンなどのバインダを用いて
成型した後使用することが好ましい。本発明では、成型
したゼオライトでも粉末状のゼオライトでもかまわない
が、特に成型したものが好ましい。成型品の好ましい粒
子径は5〜500メッシュであり、より好ましくは10
〜250メッシュであり、10〜100メッシュが特に
好ましい。
【0018】本発明におけるベンゼン吸着容量とは、吸
着剤が重量当たり吸着しうるベンゼンの重量を指す。吸
着容量の測定方法は、慶伊著”吸着”(共立出版、昭和
40年)に詳細に記載されており、いろいろな方法が記
載されているが、本発明では、McBain−Bakr
のバネばかりを用いた吸着天秤により室温で測定した値
をベンゼン吸着容量として採用する。
【0019】本発明ではベンゼン程度の大きさの分子が
吸着できかつ吸着容量の大きなゼオライトを用いること
により吸着分離能の効率向上することを見いだした。本
発明におけるベンゼン吸着容量は3重量%以上であるこ
とが必要であり、3〜50重量%がより好ましく、11
〜50重量%がさらに好ましく、15〜40重量%が特
に好ましい。ベンゼン吸着容量が小さすぎると吸着分離
の効率が悪くなり、また大きすぎると、すなわちゼオラ
イト細孔内の空間が広すぎると、分離しようとする光学
異性体と脱着剤として用いる光学活性化合物の相互作用
が曖昧になるため吸着選択性がでにくくなる。
【0020】分離しようとする光学異性体としてはアミ
ノ酸、光学活性アミン、光学活性カルボン酸、光学活性
ヒドロキシカルボン酸、光学活性炭化水素、光学活性ア
ルコール又はこれらの誘導体が好ましいが、光学活性ア
ミン、光学活性カルボン酸又はその誘導体がより好まし
く、特に光学活性アミンが好ましい。
【0021】本発明においてベンゼン吸着容量が3重量
%以上であるゼオライトと光学活性化合物と分離しよう
とする光学異性体を接触させる方法としては、工業的に
行われている全ての吸着分離方法の恩恵を享受すること
が可能であるが、特に光学活性化合物を、光学活性化合
物を含む脱着剤として利用して吸着分離する方法が好ま
しい。
【0022】本発明における光学活性化合物を含む脱着
剤とは、以下の2つの機能を有するものである。第一の
機能は、ゼオライトに吸着している光学異性体を溶出で
きることである。すなわち、脱着剤として用いる分子の
一部またはすべてがゼオライト細孔内に入ることができ
る化合物でなければならない。第二の機能は、光学活性
化合物を含んでいることである。本発明では、光学活性
化合物の光学活性点がゼオライト細孔内で分離しようと
する光学異性体を識別するため分離が可能となる。脱着
剤は、光学活性化合物と溶媒からなるものが用いられ
る。ただし溶媒については必須構成要素ではなく、光学
活性化合物が脱着剤そのものであってもよい。光学活性
化合物としては、アミノ酸、光学活性アミン、光学活性
カルボン酸、光学活性ヒドロキシカルボン酸、光学活性
炭化水素、光学活性アルコール又はこれらの誘導体が好
ましいが、光学活性アミン、光学活性カルボン酸又はそ
の誘導体がより好ましい。溶媒としては、特に限定がな
いが光学活性化合物を十分に溶解できるものが好まし
く、水、メタノールやエタノール等のアルコール、ベン
ゼンやトルエンなどの芳香族化合物、n−ヘキサン、石
油エーテル等の脂肪族炭化水素等様々なものが使用可能
である。脱着剤中の光学活性化合物の濃度は、濃ければ
濃いほど良く、好ましい濃度としては1重量%以上、よ
り好ましくは10重量%以上であり、40重量%以上が
特に好ましい。
【0023】本発明の方法を用いた吸着分離するための
技術は、いわゆるクロマトグラフィ法による回分方式
や、これを連続化した移動床または擬似移動床による吸
着分離方法が好ましい。特に擬似移動床による連続的吸
着分離技術が、工業的なプロセスとして好ましい。擬似
移動床方式による吸着分離の基本操作としては以下の吸
着操作、濃縮操作、脱着操作を連続的に循環して実施す
る。
【0024】(1)吸着操作:分離対象物は吸着分離剤
と接触し、弱吸着成分を選択的に残して強吸着成分が吸
着される。強吸着成分はエクストラクト成分として脱着
剤とともに回収される。
【0025】(2)濃縮操作:弱吸着成分を多く含むラ
フィネートはさらに吸着剤と接触させられ強吸着成分が
選択的に吸着されて、ラフィネート中の弱吸着成分が高
純化される。
【0026】(3)脱着操作:高純化された弱吸着成分
はラフィネートとして回収され、一方、強吸着成分は脱
着剤により吸着剤から追い出され脱着剤を伴ってエクス
トラクト成分として回収される。
【0027】なお、この方法ではエクストラクトから得
られる成分を高純度化する事もできる。また、目的とし
ない異性体は回収した後、異性化(光学異性体の場合は
ラセミ化)して吸着分離物として返還することもでき
る。
【0028】
【実施例】次に本発明の効果を実施例を挙げて説明す
る。
【0029】実施例では、吸着分離能を液相中の光学異
性体のR体/S体比・PR/Sをもとに次式で表される液相
中のR体の光学異性体の偏り度BReeにより表す。
【0030】BRee(%) = (PR/S-1)×100/(PR/S+1) このBReeの絶対値が大きければ大きいほど吸着分離能
は高い。また、BReeの値が正の値であればR体が液相
中に多く存在することになり、吸着剤であるゼオライ
ト、すなわち固相中にはS体が多く吸着されていること
になる。逆に、BReeの値が負の値であればS体が液相
中に多く存在することになり、吸着剤であるゼオライ
ト、すなわち固相中にはR体が多く吸着されていること
になる。
【0031】本実施例におけるバッチ式での評価結果は
静的な条件で測定したものであるが、この流通式など別
の評価方法で得られる吸着分離能を実質評価しているの
ものと見なすことができる。すなわちBReeの絶対値が
大きなものは流通式によっても大きな差を見出すことが
できる。このため、BReeに差異の得られたものは実質
回分方式や移動床方式によるクロマトグラフィ法によ
り、分離可能である。
【0032】(ベンゼン吸着容量の測定)各種ゼオライ
トのベンゼン吸着容量を慶伊著”吸着”(共立出版、昭
和40年)に記載のMcBain−Bakrのバネばか
りを用いた吸着天秤により室温で測定した。それぞれの
ゼオライトは、初期に真空減圧下、350℃で2時間脱
水した後分析を行った。ゼオライトはフォージャサイト
型ゼオライトNaY、ペンタシル型ゼオライト、β型ゼ
オライトNaβ、A型ゼオライトを使用した。フォージ
ャサイト型ゼオライトNaY(シリカ/アルミナ=4.
8(mol/mol))及びA型ゼオライトはは東ソー
社製のものを用いた。ペンタシル型ゼオライト(シリカ
/アルミナ=20(mol/mol))は特公昭60−
35284号公報に記載されている方法で合成したもの
である。β型ゼオライトNaβは以下のようにして調整
した。PQコーポレーション製CP−806β25(シ
リカ/アルミナ=25(mol/mol))を500℃
で2時間焼成した後、10gを秤とり、100ml飽和
塩化ナトリウム水溶液へ加えた。80℃で1時間保温し
た後、塩化ナトリウム水溶液を濾過により除去した。こ
の操作によるイオン交換を5回イオンを行った後、水洗
を3回行い120℃で乾燥した。得られた結果は以下の
実施例と対応させてを表に示した。
【0033】
【表1】
【0034】(吸着分離性能の評価) 実施例1 500℃で2時間焼成したβ型ゼオライトNaβを1.
0g秤量し、α−ピネン2.0g(アルドリッチ社製)
とRS−フェニルエチルアミン(東京化成社製)1.0
gを加え、70℃で1時間保温した後上澄み液のRS−
フェニルエチルアミンのR/S比を分析した。R/S分
析は高速液体クロマトグラフィ法によりCHIRALC
EL CR(+)(ダイセル社製)カラムを用いて行っ
た。得られた結果を表に示した。上澄み液のR/S比に
差異が見られることから、Naβを吸着剤として用い、
(−)−α−ピネン(アルドリッチ社製)を脱着剤とし
て用いれば、固液間でRS−フェニルエチルアミンの光
学的差異を持たせることが可能であることが分かった。
このことから、回分式や擬持移動床方式を用いれば、連
続的に片方の異性体に富んだ液を得ることも可能であ
る。本実施例から、シリカ/アルミナ比が2以上で、開
口環酸素数が10原子以上で、かつベンゼン吸着量が3
%以上あるゼオライトを用いれば光学異性体を分離でき
ることが分かった。
【0035】実施例2 実施例1と同様の方法でNaβをペンタシル型ゼオライ
トに変えて、吸着分離能を評価した。実施例1と同様に
差異が見られた。得られた結果を表に示した。
【0036】比較例1 実施例1と同様の方法でNaβをA型ゼオライトに変え
て、吸着分離能を評価した。上澄み液に差異は見られな
かった。ベンゼンを吸着できない本ゼオライトは、ゼオ
ライト内部の細孔が利用できないため、実施例のような
効果が得られなかったと考えられる。シリカ/アルミナ
比が1で、開口環酸素数が8原子で、かつベンゼンを吸
着しないゼオライトを用いた場合には光学異性体を分離
できないことが分かる。得られた結果を表に示した。
【0037】実施例3 実施例1と同様の方法でNaβをフォージャサイト型ゼ
オライトNaYに変え、(−)−α−ピネンを(+)−
d−リモネン(アルドリッチ社製)に変えて、吸着分離
能を評価した。実施例1と同様に差異が見られた。得ら
れた結果を表に示した。
【0038】実施例4 実施例1と同様の方法でNaβをフォージャサイト型ゼ
オライトNaYに変え、(−)−α−ピネンを100重
量%L−プロリン(味の素社製)水溶液(水100gに
対して100gのL−プロリンを溶解させた水溶液)に
変えて、吸着分離能を評価した。実施例1と同様に差異
が見られた。得られた結果を表に示した。
【0039】比較例2 実施例4と同様の方法でNaYをA型ゼオライトに変え
て、吸着分離能を評価した。上澄み液に差異は見られな
かった。比較例1と同様に分離能は得られなかった。結
果を表に示した。
【0040】実施例5 実施例1と同様の方法でNaβをフォージャサイト型ゼ
オライトNaYに変え、(−)−α−ピネンを100重
量%D−プロリン水溶液(アルドリッチ社製)に変え
て、吸着分離能を評価した。実施例4と逆の差異が見ら
れた。得られた結果を表に示した。
【0041】実施例6 実施例4と同様の方法で室温で吸着分離能を評価した。
実施例5に比べ大きな差異が見られた。得られた結果を
表に示した。
【0042】実施例7 実施例4と同様の方法でフォージャサイト型ゼオライト
NaYをフォージャサイト型ゼオライトNaX(シリカ
/アルミナ=2.5(mol/mol))(東ソー社
製)に変えて吸着分離能を評価した。実施例1と同様に
差異が見られた。
【0043】得られた結果を表に示した。
【0044】実施例8 実施例7と同様の方法で室温で吸着分離能を評価した。
実施例7と同様に差異が見られた。得られた結果を表に
示した。
【0045】実施例9 実施例1と同様の方法でβ型ゼオライトNaβをフォー
ジャサイト型ゼオライトBaX(シリカ/アルミナ=
2.5(mol/mol))に変え、(−)−α−ピネ
ンを42重量%d−カンファースルホン酸・アンモニア
水溶液に換えて吸着分離能を評価した。BaXはNaX
(シリカ/アルミナ=2.5(mol/mol))(東
ソー社製)をイオン交換することにより調整した。調整
方法は、NaXに対し重量当たり20倍量の硝酸バリウ
ム(和光純薬社製)飽和水溶液で5回に分けてイオン交
換した後、水洗したものを用いた。d−カンファースル
ホン酸は東京化成社製のものを用い、アンモニア水は、
和光純薬社製の25〜28%アンモニア含有品を用い
た。実施例1と同様に差異が見られた。得られた結果を
表に示した。
【0046】実施例10 実施例9と同様の方法でフォージャサイト型ゼオライト
BaX(シリカ/アルミナ=2.5(mol/mo
l))をフォージャサイト型ゼオライトNaYに変えて
吸着分離能を評価した。得られた結果を表に示した。
【0047】実施例11 実施例9と同様の方法でフォージャサイト型ゼオライト
BaX(シリカ/アルミナ=2.5(mol/mo
l))をフォージャサイト型ゼオライトNaXに変えて
吸着分離能を評価した。得られた結果を表に示した。
【0048】実施例12 実施例4で行った系について流通式による評価を行っ
た。成型したNaYを長さ1m、内径4.75mmのス
テンレスカラムに充填し、60℃のオイルバス中におい
てL−プロリン/水=1(重量比)の脱着剤を約0.6
4g/minの流量で流した。NaYの成型は、ゼオラ
イト粉末(NaY)に対してアルミナ換算で15重量%
のアルミナゾル200(日産化学社製)を混練りした
後、約50メッシュに押し出し成型した後、500℃で
2時間焼成したものを用いた。脱着剤を流している状態
で分離原料であるRS−フェニルエチルアミン、1.5
gをカラム入り口に導入した。出口側からの流出する液
を取り出し分析を行ったところ、約15分後にBRee
45%のRS−フェニルエチルアミンを得ることができ
た。このことから、動的な分離系においても光学異性体
を本発明法により分離することができることが分かっ
た。
【0049】
【発明の効果】ベンゼン吸着容量が3重量%以上である
ゼオライトを含む吸着剤と光学活性化合物を含む脱着剤
を用いることで光学異性体の吸着分離することができ
た。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベンゼン吸着容量が3重量%以上である
    ゼオライトを含む吸着剤と光学活性化合物を含む脱着剤
    を用いる光学異性体の吸着分離方法。
  2. 【請求項2】 ゼオライトの細孔の開口環酸素数が10
    原子以上であることを特徴とする請求項1記載の吸着分
    離方法。
  3. 【請求項3】 ゼオライトがアルミノシリケートであり
    そのシリカ/アルミナ比(mol/mol)が2以上で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の吸着分
    離方法。
  4. 【請求項4】 ゼオライトがフォージャサイト型ゼオラ
    イトおよび/またはβ型ゼオライトである請求項1〜3
    のいずれかに記載の吸着分離方法。
  5. 【請求項5】 分離しようとする光学異性体が窒素含有
    化合物あるいはカルボン酸またはその誘導体であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の吸着分離
    方法。
  6. 【請求項6】 脱着剤に含まれる光学活性化合物の濃度
    が、1重量%以上であることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載の吸着分離方法。
  7. 【請求項7】 吸着分離方法が回分式または移動床方式
    または擬似移動床方式である請求項1〜6のいずれかに
    記載の吸着分離方法。
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