JPH06157358A - 光学活性ベータ遮断薬の製造法 - Google Patents

光学活性ベータ遮断薬の製造法

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JPH06157358A
JPH06157358A JP4304150A JP30415092A JPH06157358A JP H06157358 A JPH06157358 A JP H06157358A JP 4304150 A JP4304150 A JP 4304150A JP 30415092 A JP30415092 A JP 30415092A JP H06157358 A JPH06157358 A JP H06157358A
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JP4304150A
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English (en)
Inventor
Hirokazu Ikeda
浩和 池田
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、ベータ遮断薬のラセミ体
を効率よく分離して光学活性なベータ遮断薬を製造する
方法を提供することにある。 【構成】 この発明のベータ遮断薬の製造法は、光学分
割用充填剤が充填された複数のカラムを無端状に連結し
て循環流路を形成し、この循環流路内で流体を一方向に
強制循環させ、循環している流体の流れ方向に沿ってカ
ラム内に流体を導入する導入口及びカラム内から流体を
抜き出す抜き出し口を交互に配置し、かつ、循環流路内
を循環している流体の流れ方向に前記導入口及び抜き出
し口の位置を間欠的に移動させ、ベータ遮断薬のラセミ
体を含んだ溶液及び溶離液を導入口からこの循環路に導
入し、同時に非吸着質に富む溶液及び吸着質に富む溶液
を抜き出し口から抜き出すことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は光学活性ベータ遮断薬
の製造法に関し、更に詳しくは、ベータ遮断薬のラセミ
体を光学分割し、高い純度で光学活性なベータ遮断薬を
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】生体に
作用を及ぼす種々の化学物質が知られているが、その中
でもカテコールアミンは平滑筋や心臓循環器系に種々の
作用を及ぼすことが知られている。これらの作用のうち
β受容体を介して起こる作用を特異的に抑制する薬物が
ベータ遮断薬薬と称されている。そして、ベータ遮断薬
は、臨床上は、狭心症や不整脈の治療を初めとして高血
圧症、甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、心臓神経症から
精神神経科領域、麻酔科領域に至るまで非常に高範囲に
治療薬として使用されている。
【0003】かかるベータ遮断薬としては、後記式
(5)で示されるのが大部分であり、β炭素が不整炭素
であるので光学異性体が存在し、一般にベータ遮断作用
は左旋性の異性体と結びついた作用であることが知られ
ている。そして、従来から公知の方法ではベータ遮断薬
のラセミ体を光学活性体に分割するのは極めて困難であ
るところ、最近クロマトグラフィー法による光学分割法
が種々提案されている(例えば、特開昭61−1612
26号、特公平4−24342号公報等を参照)。
【0004】しかしながら、工業的見地からすると、回
分式クロマトグラフィー法は大量の溶離液を必要として
いて高コストになる等の問題があった。
【0005】又、ベータ遮断薬の光学活性体を光学活性
な原料を用いて製造する方法が種々提案されているが
(例えば、特公昭46−43775号、特公昭57−3
0113号、特開昭55−11543号、特開昭57−
9781号、特開昭57−32254号公報等を参
照)、工業的には高コストであったり、純度が不十分で
ある等の問題があり、現在のところ臨床上はラセミ体が
やむなく用いられている。
【0006】かかる現状から、光学活性な左遷性の異性
体のみを治療薬として用いることは投与量が少なくて済
み、副作用の低減といった観点から、ベータ遮断薬の光
学活性体を高純度で単離することが望まれている。
【0007】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ための請求項1に記載の発明は、光学分割用充填剤が充
填された複数のカラムを無端状に連結して循環流路を形
成し、この循環流路内で流体を一方向に強制循環させ、
循環している流体の流れ方向に沿ってカラム内に流体を
導入する導入口及びカラム内から流体を抜き出す抜き出
し口を交互に配置し、かつ、循環流路内を循環している
流体の流れ方向に前記導入口及び抜き出し口の位置を間
欠的に移動させ、ベータ遮断薬のラセミ混合物を含んだ
溶液及び溶離液を導入口からこの循環路に導入し、同時
に非吸着質に富む溶液及び吸着質に富む溶液を抜き出し
口から抜き出すことを特徴とする光学活性ベータ遮断薬
の製造法である。
【0008】請求項2に記載の発明は、前記光学分割用
充填剤が、多糖エステル誘導体の粒子、多糖カルバメー
ト誘導体の粒子、及び多糖エステル誘導体及び/または
多糖カルバメート誘導体を担体に担持してなる粒子より
なる群から選択される少なくとも一種である前記請求項
1に記載の光学活性ベータ遮断薬の製造法である。
【0009】請求項3に記載の発明は、前記多糖エステ
ル誘導体及び前記多糖カルバメート誘導体が、多糖にお
ける水酸基またはアミノ基上の水素原子の一部もしくは
全部を下記式(1)、(2)、(3)及び(4)のいず
れかで示される原子団の少なくとも一種と置換してなる
前記請求項2に記載の光学活性ベータ遮断薬の製造法で
ある。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】ただし、式中、Rはヘテロ原子を含んでも
良い芳香族炭化水素基であり、非置換であっても、また
は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアル
コキシル基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、シアノ
基、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアシル基、炭素数1
〜8のアシルオキシ基、ヒドロキシル基、炭素数1〜1
2のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基及び
炭素数1〜8のアルキルアミノ基よりなる群から選択さ
れる少なくとも一種の基もしくは原子によって置換され
ていても良い。Xは炭素数1〜4の炭化水素基であり、
二重結合または三重結合を含んでいても良い。
【0015】請求項4に記載の発明は、ベータ遮断薬の
ラセミ体が下記式(5)で示される化合物のラセミ体で
ある前記請求項1〜3のいずれかに記載の光学活性ベー
タ遮断薬の製造法である。
【0016】
【化5】
【0017】ただし、式中、R1 はヘテロ原子を含んで
も良い芳香族炭化水素基であり、R2 は水素原子または
メチル基を表す。
【0018】以下、この発明について詳説する。
【0019】A.擬似移動床 この発明の方法は、擬似移動床方式を使用して光学活性
ベータ遮断薬を製造する。
【0020】この発明の方法で使用される前記擬似移動
床方式は、光学分割用充填剤が充填された複数のカラム
を無端状に連結して循環流路を形成し、この循環流路内
で流体を一方向に強制循環させ、循環している流体の流
れ方向に沿ってカラム内に流体を導入する導入口及びカ
ラム内から流体を抜き出す抜き出し口を交互に配置し、
かつ、循環流路内を循環している流体の流れ方向に前記
導入口及び抜き出し口の位置を間欠的に移動させ、光学
分割するべきラセミ体を含んだ溶液及び溶離液を導入口
からこの循環路に導入し、同時に非吸着質に富む溶液及
び吸着質に富む溶液を抜き出し口から抜き出すことから
なる。
【0021】この擬似移動床方式においては、例えば図
1に示すように、液体を循環させる液体通路中に、複数
の(例えば12基あるいは8基の)単位カラムに区分さ
れると共に各単位カラムが直列に配列された擬似移動床
が使用される。液体通路中では一方向に液体が循環す
る。なお、擬似移動床における単位カラムの数について
は上記数に限定されるものではなく、実施スケールや反
応工学的見地等から任意に選定することができる。
【0022】この擬似移動床には、液体の流通方向に沿
って、溶離液導入口、充填剤に吸着容易な光学異性体を
含有する液(エクストラクト)を抜き出すエクストラク
ト抜き出し口、ラセミ体含有液導入口および充填剤に吸
着困難な光学異性体を含有する液(ラフィネート)を抜
き出すラフィネート抜き出し口がこの順に設けられると
共に、これらを充填床内の流体の流通方向にそれらの位
置を間欠的に逐次移動することができるようになってい
る。
【0023】図1に示す擬似移動床では、3基の単位カ
ラム毎に溶離液導入口、エクストラクト抜き出し口、ラ
セミ体含有液導入口およびラフィネート抜き出し口が設
けられている。これらの導入口および抜き出し口を間欠
的に逐次移動するには、例えばロータリーバルブ、電磁
弁等が使用される。 B.光学分割用充填剤 また、各単位カラムには、光学分割用充填剤が収容され
る。この光学分割用充填剤は、ベータ遮断薬のラセミ体
を光学分割することができるのであれば、特に制限なく
様々の充填剤を使用することができる。この発明におい
て好ましい光学分割用充填剤としては、多糖エステル誘
導体の粒子、多糖カルバメート誘導体の粒子、及び多糖
エステル誘導体及び/または多糖カルバメート誘導体を
担体に担持してなる粒子よりなる群から選択される少な
くとも一種を挙げることができる。
【0024】前記多糖エステル誘導体及び多糖カルバメ
ート誘導体における多糖としては、天然多糖、天然物変
性多糖及び合成多糖、またはオリゴ糖のいずれかを問わ
ず、光学活性であれば特に制限がない。
【0025】多糖の具体例としては、α−1,4−グル
カン(アミロース、アミノペクチン)、β−1,4−グ
ルカン(セルロース)、α−1,6−グルカン(デキス
トラン)、β−1,3−グルカン(カードラン、ジソフ
ィランなど)、α−1,3−グルカン、β−1,2−グ
ルカン(Crawn Gall多糖)、α−1,6−マ
ンナン、β−1,4−マンナン、β−1,2−フラクタ
ン(イヌリン)、β−2,6−フラクタン(レバン)、
β−1,4−キシラン、β−1,3−キシラン、β−
1,4−キトサン、β−1,4−N−アセチルキトサン
(キチン)、プルラン、アガロース、アルギン酸等を挙
げることができる。
【0026】これら多糖の数平均重合度(1分子中に含
まれるピラノースあるいはフラノース環の平均数)の上
限は2,000、好ましくは500以下であることが、
取り扱いの容易さにおいて、好ましい。
【0027】オリゴ糖としては、マルトース、マルトテ
トラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオー
ス、マルトヘプタオース、イソマルトース、エルオー
ス、パラチノース、マルチトール、マルトトリイソトー
ル、マルトテトライトール、イソマルチトール、α−シ
クロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シク
ロデキストリン等を挙げることができる。
【0028】多糖エステル誘導体または多糖カルバメー
ト誘導体は、多糖の有する水酸基またはアミノ基上の水
素原子の一部または全部を下記の式(1)、(2)、
(3)及び(4)のいずれかで示される原子団の少なく
とも一種と置換してなる化合物である。
【0029】
【化1】
【0030】
【化2】
【0031】
【化3】
【0032】
【化4】
【0033】ただし、式中、Rはヘテロ原子を含んでも
良い芳香族炭化水素基であり、非置換であっても、また
は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアル
コキシル基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、シアノ
基、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアシル基、炭素数1
〜8のアシルオキシ基、ヒドロキシル基、炭素数1〜1
2のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基及び
炭素数1〜8のアルキルアミノ基よりなる群から選択さ
れる少なくとも一種の基もしくは原子によって置換され
ていても良い。
【0034】前記芳香族炭化水素基としては、フェニル
基、ナフチル基、フェナントリル基、アントラシル基、
インデニル基、インダニル基、フリル基、チオニル基、
ピリル基、ベンゾフリル基、ベンズチオニル基、インジ
ル基、ピリジル基、ピリミジル基、キノリル基、イソキ
ノリル基などを挙げることができる。これらの中でも特
に好ましいのは、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基
なである。
【0035】Xは炭素数1〜4の炭化水素基であり、二
重結合または三重結合を含んでいても良い。Xとして
は、メチレン基、エチレン基、エチリデン基、エテニレ
ン基、エチニレン基、1,2−または1,3−プロピレ
ン基、1,1−または2,2−プロピリジン基等を挙げ
ることができる。
【0036】なお、上記原子団による置換度は30%以
上であり、好ましくは50%以上であり、更に好ましく
は80%以上である。
【0037】上記の置換基を有することのある多糖誘導
体は、糖の水酸基あるいはアミノ基に酸クロライド、あ
るいはイソシアネートを反応させる方法により製造する
ことができる。
【0038】この発明の方法では、上記多糖エステル誘
導体及び/または多糖カルバメート誘導体の粒子を、光
学分割用充填剤として使用することができる。この場
合、多糖エステル誘導体及び多糖カルバメート誘導体の
粒子の大きさとしては、使用するカラムの大きさによっ
て相違するが、通常1μm〜1mmであり、好ましくは
5μm〜300μmである。多糖エステル誘導体及び多
糖カルバメート誘導体の粒子は無孔質であっても良い
が、多孔質であるのが好ましい。多孔質である場合、そ
の細孔径は、10Å〜100μmであり、好ましくは1
0Å〜5,000Åである。
【0039】この発明の方法では、上記多糖エステル誘
導体及び/または多糖カルバメート誘導体を担体に担持
した粒子を光学分割用充填剤として使用することもでき
る。
【0040】前記担体としては、上記多糖エステル誘導
体または多糖カルバメート誘導体を担持することができ
るのであれば有機担体及び無機担体のいずれであっても
良い。有機担体としては、ポリスチレン、ポリアクリル
アミド、ポリアクリレート等などの高分子物質を挙げる
ことができる。無機担体としては、シリカゲル、アルミ
ナ、マグネシア、ガラス、カオリン、酸化チタン、ケイ
酸塩、ケイソウ土などを挙げることができる。これらの
担体は、担体自身の表面を改質するための適当な処理が
施されていても良い。
【0041】これら担体は、通常1μm〜1mmであ
り、好ましくは5μm〜300μmである。この担体は
無孔質であっても良いが、多孔質であるのが好ましい。
多孔質である場合、その細孔径は、10Å〜100μm
であり、好ましくは100Å〜5,000Åである。
【0042】担体に担持させる前記多糖エステル誘導体
及び/または多糖カルバメート誘導体の担持量は、担体
に対して通常1〜100重量%、好ましくは5〜50重
量%である。担持量が1重量%未満では、β−遮断薬の
光学分割を有効に行えないことがあり、また、100重
量%を越えても多く担持させるに見合う技術的効果を奏
することのできないことがある。
【0043】C.ベータ遮断薬のラセミ体− ベータ遮断薬のラセミ体はベータ遮断薬のDL混合物で
ある。ここで、ベータ遮断薬としては、下記式(5)で
示される化合物を挙げることができる。
【0044】
【化5】
【0045】ただし、式中、R1 はヘテロ原子を含んで
も良い芳香族炭化水素基であり、R2 は水素原子または
メチル基を表す。
【0046】このR1 の具体例としては、置換フェニル
基、1−ナフチル基、下記式(6)及び式(7)で示さ
れる基を挙げることができる。
【0047】
【化6】
【0048】
【化7】
【0049】この発明の方法に使用されるベータ遮断薬
の具体例として、たとえば以下の化合物を挙げることが
できる。
【0050】
【化8】
【0051】
【化9】
【0052】
【化10】
【0053】
【化11】
【0054】D.溶離液 溶離液としては、例えばメタノール、エタノール、イソ
プロパノール等のアルコール類、ヘキサン等の炭化水素
類などの有機溶媒及び炭化水素類とアルコール類の混合
溶媒を挙げることができる。いずれの溶離液が好ましい
かは、光学分割しようとするベータ遮断薬の種類に応じ
て適宜に決定される。
【0055】E.擬似移動床方式における工程 この発明では、擬似流動床方式によるベータ遮断薬のラ
セミ体の吸着分離は、基本工程として、以下に示す吸着
工程、濃縮工程、脱着工程および溶離液回収工程を連続
的に循環して行われることにより実現される。
【0056】(1) 吸着工程 ベータ遮断薬のラセミ体が光学分割用充填剤と接触し、
光学分割用充填剤に吸着容易な光学活性体(吸着質)が
吸着され、吸着困難な一方の光学活性体(非吸着質)が
ラフィネート分として溶離液と共に回収される。
【0057】(2) 濃縮工程 吸着質を吸着した光学分割用充填剤は後述するエクスト
ラクトの一部と接触し、光学分割用充填剤上に残存して
いる非吸着質が追い出され、吸着質が濃縮される。
【0058】(3) 脱着工程 濃縮された吸着質を含む光学分割用充填剤は溶離液と接
触させられ、吸着質が光学分割用充填剤から追い出さ
れ、溶離液を伴ってエクストラクト分として擬似流動床
から排出される。
【0059】(4) 溶離液回収工程 実質的に溶離液のみを吸着した光学分割用充填剤は、ラ
フィネート分の一部と接触し、光学分割用充填剤に含ま
れる溶離液の一部が溶離液回収分として回収される。
【0060】図面を参照して更に詳述すると以下の通り
である。
【0061】図1において1〜12で示すのは、光学分
割用充填剤の収容された単位カラムであり、相互に液体
通路で連結されている。13で示されるのは溶離液供給
ライン、14で示されるのはエクストラクト抜き出しラ
イン、15で示されるのはベータ遮断薬のラセミ体含有
液供給ライン、16で示されるのはラフィネート抜き出
しライン、17で示されるのはリサイクルライン、18
で示されるのは循環ポンプである。
【0062】図1に示される単位カラム1〜12と各ラ
イン13〜16の配置状態では、単位カラム1〜3によ
り脱着工程、単位カラム4〜6により濃縮工程、単位カ
ラム7〜9により吸着工程、単位カラム10〜12によ
り溶離液回収工程がそれぞれ行われる。
【0063】かかる擬似移動床では、一定時間間隔毎に
例えばバルブ操作により溶離液供給ライン、ラセミ体含
有液供給ラインおよび各抜き出しラインを溶媒の流通方
向に単位カラム1基分だけ移動させる。
【0064】したがって、第2段階では、単位カラム2
〜4により脱着工程、単位カラム5〜7により濃縮工
程、単位カラム8〜10により吸着工程、単位カラム1
1〜1により溶離液回収工程がそれぞれ行われるように
なる。このような動作を順次に行うことにより、各工程
が単位カラム1基づつずれていき、ベータ遮断薬のラセ
ミ体の分離処理が連続的に効率よく達成される。
【0065】上記した擬似移動床方式により抜き出され
たエクストラクトには90%以上、具体的には例えば9
5%以上、あるいは98%以上もの高い光学純度で光学
活性体を溶媒中に含有し、ラフィネートにおいても前記
と同様の高い光学純度で他の光学活性体を溶媒中に含有
している。
【0066】−擬似移動床の他の態様− 本発明の方法で使用される擬似移動床は前記図1に示さ
れるものに限定されず、図2に示す擬似移動床を使用す
ることもできる。
【0067】図2に示される単位カラム1〜8と各ライ
ン13〜16の配置の状態では、単位カラム1で溶離液
回収工程、単位カラム2〜5で吸着工程、単位カラム6
〜7で濃縮工程、単位カラム8では脱着工程がそれぞれ
実行される。
【0068】このような擬似移動床では、一定時間間隔
毎にバルブ操作することにより各供給液及び抜き出しラ
インを液流れ方向に単位カラム1基分だけそれぞれ移動
させる。したがって、次の単位カラムの配置状態では、
単位カラム2で溶離液回収工程、単位カラム3〜6で吸
着工程、単位カラム7〜8で濃縮工程、単位カラム1で
脱着工程がそれぞれ実行される。このような工程を順次
に行うことによって光学異性体の混合物の分離処理が連
続的に効率良く達成される。
【0069】なお、図1において、19で示すのは、エ
クストラクトを濃縮する第1の流下型薄膜蒸発器19で
あり、20で示すのはこの濃縮物を更に濃縮する第2流
下型薄膜蒸発器であり、21で示すのは更にこの濃縮物
を濃縮する強制型薄膜蒸発器であり、22で示されるの
は、回収された溶媒を一時貯留する回収槽であり、23
で示されるのは、蒸発器により濃縮された光学異性体含
有濃縮液を貯留する貯留槽であり、24で示すのはラフ
ィネートを加熱するラセミ化槽であり、25で示すのは
回収槽22に貯留された溶媒を必要な純度にまで高める
蒸留装置である。
【0070】一方、ラフィネートには、エクストラクト
に含まれる光学活性体の対掌体である他の光学活性体と
溶媒とを含有している。このラフィネートからの溶媒の
回収も前記エクストラクトから溶媒を回収するのと同様
に行うことができる。
【0071】
【実施例】以下にこの発明の実施例について説明する
が、この発明はこれら実施例に限定されるものではな
く、この発明の要旨の範囲で適宜に変形して実施するこ
とができる。
【0072】(実施例1)セルロース トリス(3,5
−ジメチルフェニルカルバメート)を担体としてシリカ
ゲルに担持させてなる光学分割用充填剤(ダイセル化学
工業株式会社製、CHIPALCEL OD、粒子径2
0μm)を充填した内径1cm、長さ25cmのカラム
を8本連結してなる擬似移動床装置に、プロプラノール
を0.5ml/分(ラセミ体濃度10.7mg/ml)
で供給した。以下の条件にて、擬似移動床装置を運転し
た。
【0073】 溶離液;n−ヘキサンと2−プロパノールとの混合液 n−ヘキサン/2−プロパノール容量比=8/2 溶離液の供給速度;6ml/分 吸着質に富む流体の抜き出し口の流量;5.1ml/分 非吸着質に富む流体の抜き出し口の流量;1.4ml/
分 カラムの切り替え時間;16.5分 温度;室温 その結果を表1に示した。
【0074】
【表1】
【0075】なお、生産性とは、単位充填剤量(ここで
は1l)についての、1時間当りの光学活性体の生産量
(単位g)をいう。
【0076】(比較例1)前記実施例におけるのと同様
の光学分割用充填剤を充填した内径1cm、長さ25c
mのカラムに溶離液n−ヘキサン/2−プロパノール=
8/2v/v%を流速2.3ml/分、温度、室温の条
件下、プロプラノロール7.655mg/mlの濃度の
溶液を1ml注入し、得られたピークを分画して光学純
度回収率などを得た。
【0077】その結果を表1に示した。
【0078】
【発明の効果】この発明によると、ベータ遮断薬のラセ
ミ体を連続的に効率よく分離し、高い光学純度で光学活
性なベータ遮断薬を、少ない溶媒使用量で製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の方法を実施する一例装置を示す
説明図である。
【図2】図2は本発明の方法を実施する他の装置を示す
説明図である。
【符号の説明】
1〜12 単位充填床 13 脱離液供給ライン 14 エクストラクト抜き出しライン 15 光学異性体混合物含有液供給ライン 16 ラフィネート抜き出しライン 17 リサイクルライン 18 循環ポンプ 19 第1流下型薄膜蒸発器 20 第2流下型薄膜蒸発器 21 強制型薄膜蒸発器 22 回収槽 23 貯留槽 24 ラセミ化槽 25 蒸留装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 209/08 9284−4C 215/22 237/20 311/08 7252−4C C08B 37/00 Z 7329−4C // A61K 31/135 ABU 9283−4C 31/165 ABN 9283−4C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学分割用充填剤が充填された複数のカ
    ラムを無端状に連結して循環流路を形成し、この循環流
    路内で流体を一方向に強制循環させ、循環している流体
    の流れ方向に沿ってカラム内に流体を導入する導入口及
    びカラム内から流体を抜き出す抜き出し口を交互に配置
    し、かつ、循環流路内を循環している流体の流れ方向に
    前記導入口及び抜き出し口の位置を間欠的に移動させ、
    ベータ遮断薬のラセミ体を含んだ溶液及び溶離液を導入
    口からこの循環路に導入し、同時に非吸着質に富む溶液
    及び吸着質に富む溶液を抜き出し口から抜き出すことを
    特徴とする光学活性ベータ遮断薬の製造法。
  2. 【請求項2】 前記光学分割用充填剤が、多糖エステル
    誘導体の粒子、多糖カルバメート誘導体の粒子、及び多
    糖エステル誘導体及び/または多糖カルバメート誘導体
    を担体に担持してなる粒子よりなる群から選択される少
    なくとも一種である前記請求項1に記載の光学活性ベー
    タ遮断薬の製造法。
  3. 【請求項3】 前記多糖エステル誘導体及び前記多糖カ
    ルバメート誘導体が、多糖における水酸基またはアミノ
    基上の水素原子の一部もしくは全部を下記式(1)、
    (2)、(3)及び(4)のいずれかで示される原子団
    の少なくとも一種と置換してなる前記請求項2に記載の
    光学活性ベータ遮断薬の製造法。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 ただし、式中、Rはヘテロ原子を含んでも良い芳香族炭
    化水素基であり、非置換であっても、または炭素数1〜
    12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、
    炭素数1〜12のアルキルチオ基、シアノ基、ハロゲン
    原子、炭素数1〜8のアシル基、炭素数1〜8のアシル
    オキシ基、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルコキ
    シカルボニル基、ニトロ基、アミノ基及び炭素数1〜8
    のアルキルアミノ基よりなる群から選択される少なくと
    も一種の基もしくは原子によって置換されていても良
    い。Xは炭素数1〜4の炭化水素基であり、二重結合ま
    たは三重結合を含んでいても良い。
  4. 【請求項4】 ベータ遮断薬のラセミ体が下記式(5)
    で示される化合物のラセミ体である前記請求項1〜3の
    いずれかに記載の光学活性ベータ遮断薬の製造法。 【化5】 ただし、式中、R1 はヘテロ原子を含んでも良い芳香族
    炭化水素基であり、R2 は水素原子またはメチル基を表
    す。
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