JPH0639205A - 3成分分離用液体クロマト分離装置 - Google Patents

3成分分離用液体クロマト分離装置

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JPH0639205A
JPH0639205A JP4155786A JP15578692A JPH0639205A JP H0639205 A JPH0639205 A JP H0639205A JP 4155786 A JP4155786 A JP 4155786A JP 15578692 A JP15578692 A JP 15578692A JP H0639205 A JPH0639205 A JP H0639205A
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正雄 林谷
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賀敬 梶畠
Tatsuya Imura
達哉 井村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 3成分を効率よく分離することができる液体
クロマト分離装置を提供する。 【構成】 従来の擬似移動床式液体クロマト分離装置の
溶離液供給ライン808に、分取ラインとして、1個の
三方自動切替弁24及び1個の自動開閉弁26を備えた
バイパスライン28を接続し、かつ、任意の隣接するカ
ラム間に三方自動切替弁34、38を備えた分取用出口
ライン36、40を2系統接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3成分を効率よく分離
することができる液体クロマト分離装置、詳しくは、擬
似移動床式液体クロマトグラフィと分取式液体クロマト
グラフィとを組み合わせることにより、3成分分離を効
率よく行うことができる液体クロマト分離装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、化学反応(生化学反応)により得
られた反応物から目的物質を、高純度でしかも高回収率
で分離精製する技術が要求されており、膜分離、抽出、
晶析、液体クロマトなどさまざまな分離技術が利用され
ている。分離対象物質の種類、分離の難易度、処理条件
などを考慮してこれら分離技術を選定する必要がある
が、なかでも互いに混じり合わない2相(固定相と液
相)への親和力(分配)の差を利用した液体クロマトグ
ラフィによる分離が、装置・操作とも簡便であり食品・
化学分野などで幅広く利用されている。液体クロマト分
離装置は、その方式により回分式、循環式、擬似移動床
式の3種に大別されるが、分離の難しい系での分離や連
続的に大量分離を行う場合、擬似移動床式クロマトが適
している。
【0003】しかし、擬似移動床式クロマト分離は、2
成分(2成分とみなせる多成分)の分離を対象としてい
るので、そのままでは3成分を分離することができな
い。混合物中から3成分の分離を行う場合、従来の方式
では、(1) 分取式液体クロマト、(2) 擬似移動
床式液体クロマトの2段法、(3) 特開昭64−80
409号公報に記載されたような、2種類の充填材を交
互に組み合わせる方法、などが考えられる。
【0004】図5は、分取式液体クロマトグラフィによ
る分離の模式図を示している。クロマト充填材70を詰
めたカラム72に一定量の混合物74を注入した後、溶
離液を送入すると、混合物中の各成分と充填材との親和
力(分配)の弱い成分から順次カラム72より排出され
るので、希望する成分が流出するとき、これを分別回収
するものである。図5は、×印、△印、●印の成分の順
に、充填材との親和力が弱い場合を示している(●印が
最も弱い)。
【0005】図6は、従来の移動床による2成分分離の
概念図である。充填剤(固体収着剤)との親和力の強い
成分A(収着質)と、充填剤との親和力の弱い成分B
(非収着質)とを分離する場合、充填剤の詰まったカラ
ム(充填床)内の成分Aと成分Bとの移動速度を、それ
ぞれVa、Vbとする。図6に示すように、この中間の
速度Vsで充填剤を流体の流れ方向と逆方向に移動させ
ると、成分BはVb−Vsの速度で流体移動方向に、成
分AはVs−Vaの速度で充填剤移動方向にそれぞれ移
動するから、A、Bの2成分の連続分離が可能となる。
これは移動床式としてよく知られている。しかし、充填
剤を実際に移動させることは、充填剤の摩耗、空隙率の
変化等を起こすので困難である。擬似移動床式では、1
本のカラムを数本ないし十数本に分割し、それぞれのカ
ラムの入口、出口を一定周期で液流れ方向に移動させる
ことにより、実際に充填剤を移動させることなしに、上
述の機能を達成できるので、移動床式の欠点を取り除き
2成分(又は2成分とみなせる多成分)の連続分離が可
能になる。
【0006】擬似移動床は、図7に示すように、通常4
つの帯域(ゾーン)からなっている。一次精製帯域(ゾ
ーン1)は充填材との親和力の弱い成分B(非収着質)
を回収し溶離液(脱着剤流体)を再生するために、吸着
帯域(ゾーン2)は充填材との親和力の強い成分A(収
着質)と成分Bとを分離しラフィネート(非収着質に富
む流体)として成分Bを回収するために、二次精製帯域
(ゾーン3)は成分Bを脱着させ成分Aを精製するため
に、脱着帯域(ゾーン4)は精製された成分Aを脱着さ
せエクストラクト(収着質に富む流体)として回収する
ために設けられている。
【0007】図8は、本出願人が開発し、既に特願平2
−253944として特許出願した擬似移動床式液体ク
ロマト分離装置の概略フローを示している。図8におい
て、一例として12個の単位充填床(カラム)11〜2
2は、循環導管601〜612で連絡されている。原料
液は原料液ポンプ41、原料液導管807及びこれに連
絡している原料液導入分岐管401〜412を経て各単
位充填床に導入される。原料液導入分岐管401〜41
2には二方電磁弁VF1〜VF12が設けられている。
脱着剤流体(溶離液)は溶離液ポンプ47、溶離液導管
808、循環ポンプ46、循環導管810、溶離液導入
分岐管501〜512を経て各単位充填床に導入され
る。この分岐管501〜512にも二方電磁弁VD1〜
VD12が設けられている。収着質に富む流体(エクス
トラクト)は、エクストラクト抜出分岐管201〜21
2、エクストラクト導管805、エクストラクトポンプ
43を経て各単位充填床から抜き出される。これらの分
岐管201〜212には二方電磁弁VE1〜VE12が
設けられている。一方、非収着質に富む流体(ラフィネ
ート)は、ラフィネート抜出分岐管301〜312、ラ
フィネート導管806、ラフィネートポンプ45を経て
各単位充填床から抜き出される。これらの分岐管301
〜312にも二方電磁弁VR1〜VR12が設けられて
いる。
【0008】エクストラクト抜出分岐管201〜212
とラフィネート抜出分岐管301〜212とをそれぞれ
接続する導管には、それぞれ三方電磁弁VT1〜VT1
2が設けられ、これらの三方電磁弁VT1〜VT12の
一方は、導管901〜912を介して溶離液ポンプ47
が接続された循環導管810に接続されている。ラフィ
ネートポンプ45、エクストラクトポンプ43、原料液
ポンプ41及び循環ポンプ46は、いずれも流量が設定
値(一定)となるように制御される。また、循環ポンプ
46の背圧が設定値(一定)となるように、溶離液ポン
プ47及び背圧弁48が制御される。擬似移動床では、
同時に4個の側流口が作動し、充填床はその機能上、こ
れらの側流口により4個の帯域(ゾーン)、すなわち、
原料液導入口から非収着質に富む流体(ラフィネート)
の抜出口までの間を占める収着帯域(ゾーン2)、非収
着質に富む流体の抜出口から脱着剤流体(溶離液)導入
口までの間を占める一次精製帯域(ゾーン1)、脱着剤
流体導入口から収着質に富む流体(エクストラクト)の
抜出口までの間を占める脱着帯域(ゾーン4)、収着質
に富む流体の抜出口から原料液導入口までの間を占める
二次精製帯域(ゾーン3)の4個の帯域(ゾーン)から
なっている。
【0009】つぎに、図8における電磁弁の開閉サイク
ルの一例について、単位充填床が12本の場合について
説明する。分離パターンは、一次精製帯域(ゾーン
1)、吸着帯域(ゾーン2)、二次精製帯域(ゾーン
3)、脱着帯域(ゾーン4)がいずれも3本ずつとな
る。単位充填床が12本であるので、12通りのステッ
プが行われることになる。一例として、ステップ1(工
程1)を図8に、ステップ2(工程2)を図9に、ステ
ップ3(工程3)を図10に示す。この場合の各電磁弁
の開閉状態は表1に示す通りである。なお、図8〜図1
0において、太い実線は液が流れている部分を示し、黒
塗りの弁は閉状態を示している。
【0010】
【表1】
【0011】図8のステップ1において、原料液は充填
床17に供給され、充填床18、19を循環する。この
間に収着質に富む物質は充填剤に吸着され、非収着質に
富む流体が充填床19からラフィネートとして抜き出さ
れる。すなわち、充填床17〜19は吸着帯域(ゾーン
2)となる。一方、溶離液を含む循環流体は充填床11
に供給され、充填床12、13を循環する。この間に充
填剤に吸着されていた収着質は脱着し、収着質に富む流
体が充填床13からエクストラクトとして抜き出され
る。すなわち、充填床11〜13は脱着帯域(ゾーン
4)となる。充填床20〜22へは循環流体が循環さ
れ、この間に非収着質は充填剤に吸着され、収着質も非
収着質も含まない流体となり、充填床22から抜き出さ
れる。すなわち、充填床20〜22は一次精製帯域(ゾ
ーン1)となる。充填床14〜16へは循環流体が循環
され、この間に充填剤に吸着されていた非収着質は脱着
され、一方、収着質は充填剤に吸着され精製される。す
なわち、充填床14〜16は二次精製帯域(ゾーン3)
となる。
【0012】図9のステップ2においては、ステップ1
における状態が充填床1本分左側にずれて切り替えら
れ、充填床12〜14が脱着帯域(ゾーン4)、充填床
15〜17が二次精製帯域(ゾーン3)、充填床18〜
20が吸着帯域(ゾーン2)、充填床21、22、11
が一次精製帯域(ゾーン1)となる。
【0013】図10のステップ3においては、ステップ
2における状態がさらに充填床1本分左側にずれて切り
替えられ、充填床13〜15が脱着帯域(ゾーン4)、
充填床16〜18が二次精製帯域(ゾーン3)、充填床
19〜21が吸着帯域(ゾーン2)、充填床22、1
1、12が一次精製帯域(ゾーン1)となる。以下、図
示していないが、充填床1本分づつ左側にずれて切り替
えられ、ステップ12まで行われ、これらの動作が繰り
返される。いずれのステップにおいても、循環ポンプ4
6の吸引導管は一次精製帯域(ゾーン1)の最終段充填
床の出口に接続され、循環ポンプ46の吐出導管は脱着
帯域(ゾーン4)の第1段充填床の入口に接続されるこ
とになる。このため、循環ポンプ46に導入される液の
物性変化が小さくなり、安定運転を行うことができる。
特に、一次精製帯域(ゾーン1)と脱着帯域(ゾーン
4)との間は、粘度が最も低くなり好適である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】混合物から3成分分離
を行う場合、分取式クロマトグラフィにおいて目的にあ
った十分な分離を達成するためには、一般に溶離液が多
量に必要であり、これに伴い、製品が希釈されるため濃
縮コストが大にとなるなどの問題がある。また連続式の
液体クロマトグラフィである擬似移動床式クロマトグラ
フィは、溶離液が少なくてすむ等の利点はあるが、分離
が2成分(2成分とみなせる多成分)に限定されるの
で、混合物中から3成分分離を行うためには、擬似移動
床式液体クロマト分離を2段にて行う必要があり、設備
費が大となるなどの欠点を持っていた。また、特開昭6
4−80409公報記載の方法では、成分に対する親和
力の異なる充填材を詰めたカラムを交互に配置し、擬似
移動床式液体クロマトによる3成分分離を達成している
が、分離対象物質に適した充填材を選定することは困難
であり特殊なケースのみ適用にかぎられていた。その
為、適用範囲の広く、かつ、効率のよい3成分分離技術
が望まれていた。本発明は、上記の諸点に鑑みなされた
もので、擬似移動床式液体クロマトグラフィと分取式液
体クロマトグラフィとを組み合わせることにより、混合
物中から3成分を効率よく分離することができる液体ク
ロマトグラフィを提供することを目的とするものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的を達
成するために、本発明の液体クロマト分離装置は、図1
〜図3に示すように、固体収着剤が充填されていて、直
列に配列されている4個以上の単位充填床(カラム)1
1〜22からなっており、これらの単位充填床の前端と
後端とが流路で連結されて無端状になっている充填床内
に、循環ポンプ46により流体を一方向に循環させ、こ
の循環している流体に原料液及び溶離液を導入し、同時
に、単位充填床から非収着質に富む流体及び収着質に富
む流体を抜き出し、充填床内に導入され又は充填床から
抜き出される上記の流体の導入口及び抜出口を、循環し
ている流体の流れ方向に沿って交互に配置し、かつ、充
填床を循環している流体の流れ方向に充填床の導入口及
び抜出口の位置を間欠的に移動させるように構成されて
いる擬似移動床式液体クロマト分離装置において、溶離
液供給ライン808に三方自動切替弁24及び自動開閉
弁26を備えたバイパスライン28を接続し、任意の隣
接する充填床間に三方自動切替弁34、38を備えた分
取用出口ライン36、40を2系統接続したことを特徴
としている。
【0016】また、上記の装置において、溶離液供給ラ
イン808の出口側に設けた三方自動切替弁24を介し
て設けたバイパスライン28により、溶離液供給ポンプ
47及び循環ポンプ46を用いて、一次精製帯域から吸
着帯域、脱着帯域から二次精製帯域の2方向から同時に
分取を行うようにする。また、原料供給ライン807か
ら原料と溶離液とを切り替えて供給できるように、原料
供給ライン807に三方自動切替弁30を介して溶離液
供給ライン32を接続する。図1はステップ1の状態を
示し、図2はステップ2の状態を示し、図3はステップ
3の状態を示している。なお、太い実線は液が流れてい
る部分を示し、黒塗りの弁は閉状態を示している。ま
た、図8と同じ配管、電磁弁には、図8と同じ数字、記
号を付けている。自動切替弁、自動開閉弁としては、電
磁弁、空気圧や油圧等の流体圧により作動する弁が用い
られるが、本例では、電磁弁を用いる場合について説明
している。
【0017】図4は、本発明の分離システムでの分離工
程(運転条件)をステップ1〜3について示している。
グラフの横軸は擬似移動床式クロマトを構成する各カラ
ムを示し、縦軸は各成分の濃度(g /l )を示してい
る。なお、図4の工程(ステップ)1、2、3は、次工
程に移行する直前のカラム内濃度分布を示している。図
4において、原料としてA、B、Cの3成分の混合物を
用いた。この場合、充填材に対する親和力(分配の度
合)はA>B>Cである。以下、工程1〜工程3につい
て説明する。 工程1 原料を供給しながら擬似移動床の通常運転を行いエクス
トラクト出口から成分Aを、ラフィネート出口から成分
Cを抜き出す。運転条件としては、分離ポイントをC成
分とB成分に設定するならば、成分Bがエクストラクト
出口から検出されないことを尺度として、原料を供給す
る。なお、上記の通常運転とは、図7、図8及び図9に
示した原料供給、テーソーベント(溶離液)供給、循環
液供給、エクストラクト、ラフィネート抜出し口の位置
を無端状になっている充填床内を循環ポンプ46により
循環する流体の流れ方向に一定時間毎に1カラムずつバ
ルブ切替えにより移動させることである。 工程2 三方自動切替弁30を切り替えることにより、原料供給
を止め、代わって溶離液供給ライン32、原料供給ライ
ン807より、液(溶離液については組成・流量変更可
能)を供給しながら擬似移動床式液体クロマトの前記し
た操作と同様の通常運転を行う。この工程では、工程1
と同様それぞれの出口からA成分、C成分を抜き出しな
がら3成分の分離精製を実施する。 工程3 原料供給口より液(溶離液については組成・流量変更可
能)の供給を止め、溶離液ポンプ出口側に設けた三方自
動切替弁24及び開閉弁26並びに新たに溶離液供給ラ
イン808に設置した分取ライン28を通して、溶離液
供給ポンプ47と循環ポンプ46を用い一次精製帯域か
ら吸着帯域(すなわちゾーン1からゾーン2)、脱着帯
域から二次精製帯域(すなわちゾーン4からゾーン3)
の二方向へ成分Bを分取(それぞれの分取流量の変更
可)する。なお、分取方向としては、ゾーン1に蓄積し
たC成分をゾーン2へ、またゾーン3内のB成分を原料
供給口へ移動させることにより、次工程での擬似移動床
の運転の効率アップのため選定しているが、これを限定
するものではない。分取出口についても、一例としてカ
ラム15番と16番の間に2ケ所設置したが、これに限
るものではない。これらの工程を繰り返し、混合物から
の3成分(2成分とみなせる多成分)分離の達成が可能
となる。
【0018】また、表2に示す組成の糖混合物を糖濃度
60wt%(固形分基準)で供給したときの分取式クロマ
ト、本発明の擬似移動床式クロマトと特願平2−253
944の擬似移動床式クロマト2段での混合物からの3
成分(G画分、G2画分、G3<画分)の分離を試み
た。なお、Gはグルコースを表わす。
【0019】
【表2】
【0020】その結果を表3〜表5に示す(分取式、本
発明の擬似移動床式、従来の擬似移動床2段については
樹脂(充填材)あたりの固形分処理量は同等とした。)
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】分取式クロマトを用いた分離では、表3に
示すように、G画分中のG成分の純度69.7%、回収
率54.3%、G2画分中のG2成分の純度80.8
%、回収率51.5%、G3<画分中のG3<純度は9
3.1%、回収率は66.0%であり、それぞれの画分
中の製品濃度は0.27、16.15、9.76(g /
l )であった。一方、本発明の擬似移動床式クロマトを
用いた分離では、表4に示すように、G画分中のG成分
の純度68.9%、回収率82.8%、G2画分中のG
2成分の純度96.5%、回収率89.6%、G3<画
分中のG3<純度は93.5%、回収率は97.9%で
あり、それぞれの画分中の製品濃度は1.75、31.
47、30.92(g /l )であった。
【0025】また、従来の擬似移動床式クロマトの2段
の分離では、表5に示すように、第一段階でG画分とG
2、G3<画分の分離をした後得られたG2とG3<画
分を濃縮機により糖濃度60wt%(固形分基準)し第二
段階に導入し、G2画分とG3<画分の分離を試みた。
その結果、G画分中のG成分の純度68.5%、回収率
85.1%、G2画分中のG2成分の純度89.8%、
回収率89.1%、G3<画分中のG3<純度は92.
3%、回収率は92.0%であり、それぞれの画分中の
製品濃度は4.13、48.3、55.7(g /l )で
あった。分離された画分の製品濃度が、本発明による擬
似移動床式クロマト分離より大きいのは第1段階で分離
された成分を濃縮機により濃縮している為である。以上
より、従来の擬似移動床式クロマトに分取ラインと取り
出し口を設置した擬似移動床式クロマトと分取式クロマ
トとを組み合わせた本発明のシステムにより、分取式ク
ロマトより効率よく、また従来の擬似移動床式クロマト
2段法に比べ設備費が非常に安価にて、混合物中から3
成分の分離を達成できた。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて説
明する。 実施例1 表2に示す糖混合物を調製し、エバポレータにて糖濃度
(固形分基準)60wt%に濃縮し、図1に示すフローの
擬似移動床式液体クロマトに導入した。使用した擬似移
動床式液体クロマト分離試験装置はジャケット付きステ
ンレスカラム12本(内径3.67cm、高さ75cm)か
ら構成され、各カラムにNa型スチレン系強酸性陽イオ
ン交換樹脂(架橋度6%、平均粒子径320μm 、ダウ
エックス登録商標;XHC−306)を塩化ナトリウム
存在下のもとでにスラリー充填した。また、ジャケット
内を温水循環することに60度に保温した。工程1〜工
程3の運転条件はつぎの通りであった。 工程1の運転条件 原料濃度;771.6g /l (比重1.286として6
0wt%) 切替時間;15分/サイクル デソーベント流量/フィード流量=7.0 ラフィネート流量/エクストラクト流量=1.286 循環流量;30.0ml/min . デソーベント(溶離液)としては、1/1000規定の
苛性ソーダを含有する水溶液を使用した。そして、サイ
クル11までこの運転を行った。 工程2の運転条件 原料の代わりに、デソーベント(溶離液)をサイクル1
2から36まで供給した。その他の運転条件は工程1と
同じであった。 工程3の運転条件 溶離液供給ポンプと循環ポンプを用いて、カラム22下
部からカラム16上部の方向に流量21.33ml/min
.、カラム11上部からカラム15下部の方向へ流量
32.0ml/min .にて30分間分取した。この工程1
から工程3の操作を繰り返して得られたそれぞれの画分
の組成は表4に示すとおりであった。
【0027】比較例1 ジャケット付きステンレスカラム(内径3.67cm、高
さ75cm)にNa型スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂
(架橋度6%、平均粒子径320μm 、ダウエックス登
録商標;XHC−306)を塩化ナトリウム存在下のも
とでにスラリー充填した。これらのカラムを直列に接続
し、予めエバポレータにて糖濃度(固形分基準)60wt
%に濃縮した表2記載の糖混合物をSV=0.2(l /
h )、LV=1.8(m /h )の条件下のもとで分画し
た。また、分離温度はジャケット内を温水循環し60度
に保温した。1サイクルの分取時間は112分であり、
G画分の分取時間を46分間(67分から112分)、
G2画分の分取時間13分(38分から51分)、また
G3<画分は31分(0から31分)それぞれ分取し
た。各成分の分画結果を表3に示す。なお0分とはG3
<画分が検出された時間を基準としている。
【0028】比較例2 特願平2−253944に記載の擬似移動床式クロマト
に予めエバポレータにて糖濃度(固形分基準)60wt%
に濃縮した表2記載の糖混合物を導き、以下の条件にて
分離を行った。なお装置は、ジャケット付きステンレス
カラム(内径3.67cm、高さ75cm)12本から構成
され、カラム内にNa型スチレン系強酸性陽イオン交換
樹脂(架橋度6%、平均粒子径320μm 、ダウエック
ス登録商標;XHC−306)を塩化ナトリウム存在下
のもとでにスラリー充填した。運転(操作)条件はつぎ
のとおりであった。 擬似移動床式クロマト(一段)の操作条件 原料濃度;771.6g /l (比重1.286として6
0wt%) 分離ポイント;G/G2< 切替時間;15分/サイクル デソーベント流量/フィード流量=21.7 ラフィネート流量/エクストラクト流量=3.67 循環流量;33.3ml/min . デソーベント(溶離液)としては、1/1000規定の
苛性ソーダを含有する水溶液を使用した。この操作によ
って得られたエクストラクト、ラフィネートの組成は表
6のとおりであった。
【0029】
【表6】
【0030】ついで、ラフィネート画分を糖濃度60wt
%に濃縮した後、2段目の擬似移動床式クロマトに導入
し、G2とG3<の分離を行った。操作条件を下記に示
す。 擬似移動床式クロマト(二段)の操作条件 原料濃度;771.6g /l (比重1.286として6
0wt%) 分離ポイント;G2/G3< 切替時間;15分/サイクル デソーベント流量/フィード流量=13.8 ラフィネート流量/エクストラクト流量=1.13 循環流量;30.5ml/min . デソーベント(溶離液)としては、1/1000規定の
苛性ソーダを含有する水溶液を使用した。この操作によ
って得られたエクストラクト、ラフィネートの組成は表
7のとおりであった。なお、回収率はトータルシステム
としての値を示す。
【0031】
【表7】
【0032】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 従来の擬似移動床式液体クロマト分離装置の溶
離液供給ラインに、分取ラインとして、1個の三方自動
切替弁及び1個の自動開閉弁を備えたバイパスラインを
接続し、かつ、任意の隣接するカラム間に三方自動切替
弁を備えた抜き出し口2箇所を設けて、擬似移動床式ク
ロマトグラフィと分取式クロマトグラフィとの両機能を
組み合わせることにより、3成分分離を容易に行うこと
ができる。 (2) 従来の擬似移動床式液体クロマト分離装置に付
加する構成が、きわめて簡素である。 (3) 本発明の装置は、食品分野に限らず、医薬品、
化学品分野等に適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体クロマト分離装置の一実施例で、
ステップ1(工程1)の状態を示す概念説明図である。
【図2】図1に続くステップ2(工程2)の状態を示す
概念説明図である。
【図3】図2に続くステップ3(工程3)の状態を示す
概念説明図である。
【図4】図1〜図3のステップ(工程)における成分
A、B、Cの状態を示すグラフである。
【図5】従来の分取式液体クロマトグラフィによる分離
の模式図である。
【図6】一般の移動床による2成分分離の概念図であ
る。
【図7】擬似移動床式連続液体クロマト分離装置の一般
的な構成を示す説明図である。
【図8】従来の擬似移動床式液体クロマト分離装置の一
例で、ステップ1の状態を示す概念説明図である。
【図9】図8に続くステップ2の状態を示す概念説明図
である。
【図10】図9に続くステップ3の状態を示す概念説明
図である。
【符号の説明】
11 単位充填床(カラム) 22 単位充填床(カラム) 24 三方自動切替弁(電磁弁) 26 自動開閉弁(電磁弁) 28 バイパスライン 30 三方自動切替弁(電磁弁) 32 溶離液供給ライン 34 三方自動切替弁(電磁弁) 36 分取用出口ライン 38 三方自動切替弁(電磁弁) 40 分取用出口ライン 41 原料液ポンプ 43 エクストラクトポンプ 45 ラフィネートポンプ 46 循環ポンプ 47 溶離液ポンプ 48 背圧弁 807 原料供給ライン 808 溶離液供給ライン
フロントページの続き (72)発明者 梶畠 賀敬 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 井村 達哉 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体収着剤が充填されていて、直列に配
    列されている4個以上の単位充填床(11)〜(22)
    からなっており、これらの単位充填床の前端と後端とが
    流路で連結されて無端状になっている充填床内に、循環
    ポンプ(46)により流体を一方向に循環させ、この循
    環している流体に原料液及び溶離液を導入し、同時に、
    単位充填床から非収着質に富む流体及び収着質に富む流
    体を抜き出し、充填床内に導入され又は充填床から抜き
    出される上記の流体の導入口及び抜出口を、循環してい
    る流体の流れ方向に沿って交互に配置し、かつ、充填床
    を循環している流体の流れ方向に充填床の導入口及び抜
    出口の位置を間欠的に移動させるように構成されている
    擬似移動床式液体クロマト分離装置において、 溶離液供給ライン(808)に三方自動切替弁(24)
    及び自動開閉弁(26)を備えたバイパスライン(2
    8)を接続し、 任意の隣接する充填床間に三方自動切替弁(34)、
    (38)を備えた分取用出口ライン(36)、(40)
    を2系統接続したことを特徴とする3成分分離用液体ク
    ロマト分離装置。
  2. 【請求項2】 溶離液供給ライン(808)の出口側に
    設けた三方自動切替弁(24)を介して設けたバイパス
    ライン(28)により、溶離液供給ポンプ(47)及び
    循環ポンプ(46)を用いて、一次精製帯域から吸着帯
    域、脱着帯域から二次精製帯域の2方向から同時に分取
    を行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の3成
    分分離用液体クロマト分離装置。
  3. 【請求項3】 原料供給ライン(807)から原料と溶
    離液とを切り替えて供給できるように、原料供給ライン
    (807)に三方自動切替弁(30)を介して溶離液供
    給ライン(32)を接続したことを特徴とする請求項1
    又は2記載の3成分分離用液体クロマト分離装置。
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