JPH0638368Y2 - 陰極線管装置のフィルタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はCRTディスプレイ、オシロスコープ、CRTモニタ
等の陰極線管（CRT）装置の管面の前に装着するための
フィルタに関するものである。

［従来の技術］ CRTディスプレイにおいて目の保護等の目的のために使
用されているフィルタ及び管面には、高電圧の影響によ
って空気中のチリやホコリが付着し易いので、時々フィ
ルタを取り外して掃除しなければならない。このため、
第５図に示すように目の保護用フィルタ１はCRT2の管面
３の前に配置された一般にベーゼルと呼ばれている枠４
と管面３との間に着脱自在に装着されている。第５図に
はフィルタ１の取り外し中の状態が示されているので、
平板状フィルタ１の対向する２辺の内の上側の辺のみが
溝状のはめ込み部５に挿入され、下側の辺は溝状のはめ
込み部６に挿入されていないが、使用時には下側のはめ
込み部６にもフィルタ１の下辺部分を挿入する。はめ込
み部５、６からフィルタ１が振動等で離脱することを防
ぐために、フィルタ１を常に下方に押圧するためのバネ
７がフレーム８に取り付けられている。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、フィルタ１を取り外す時には、バネ５に抗し
てフィルタ１を上方向に押し上げ、フィルタ１の下端部
を下側のはめ込み部６から離脱させ、フィルタ１の下端
と枠４との間に生じた僅かな隙間に指の爪やピンセット
等の先を入れ、フィルタ１の下端を前方に引き出すこと
が必要である。このため、フィルタ１の取り外しの作業
性が悪いばかりでなく、爪を傷めたり、CRT管面３に傷
をつける恐れがあった。

そこで、本考案の目的は、取り外しを容易に行うことが
できるフィルタを提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するための本考案は、実施例を示す図面
の符号を参照して説明すると、陰極線管装置の略四角形
の管面部分の対向する２辺に沿って設けられた第１及び
第２のはめ込み部５、６に着脱自在にはめ込むためのフ
ィルタであって、弾性変形可能に形成されており、前記
第１及び第２のはめ込み部５、６にはめ込まれる第１及
び第２の辺部９、10と、前記第１及び第２のはめ込み部
５、６にはめ込まれない第３及び第４の辺部11、12とを
有しており、前記管面部分に取付けられていない状態に
おいて前記第１の辺部９から前記第２の辺部10に向って
円弧状に湾曲しているが、前記第３の辺部11から前記第
４の辺部12に向っては湾曲しておらず、前記第１の辺部
９から前記第２の辺部10に向う円弧状の湾曲をなくすよ
うに弾性変形させて前記第１及び第２の辺部９、10を前
記第１及び第２のはめ込み部５、６にはめ込むように形
成されていると共に、前記第１の辺部９を前記第１のは
め込み部５に対してはめ込んだ状態で前記第２の辺部10
を前記第２のはめ込み部６から離脱させた時に前記第２
の辺部10が前記弾性変形の復元力によって前記管面部分
から離間するように形成されていることを特徴とするフ
ィルタに係わるものである。

［作用］ 第１の辺部９を第１のはめ込み部５に対してはめ込んだ
状態で第２の辺部10を第２のはめ込み部６から離脱させ
ると、第２の辺部10が弾性変形の復元力で管面部分から
外側に離間するので、第２の辺部10を摘んでフィルタを
管面部分から容易に取り外すことができる。

［実施例］ 次に、第１図〜第４図を参照して本考案の一実施例に係
わるCRTディスプレイのフィルタを説明する。但し、第
２図〜第４図において第５図と実質的に同一の部分には
同一の符号を付してその説明を省略する。

この実施例のフィルタ1aは弾性を有する合成樹脂によっ
て全体としては平面形状略四角状に形成されており、４
つの辺部９、10、11、12を有する。しかし、このフィル
タ1aは非装着状態において全くの平板ではなく、円弧状
に湾曲している。即ち、このフィルタ1aは辺部９からこ
れに対向する辺部10に向って円弧に湾曲し、円筒の一部
に相当する湾曲面を有している。この湾曲面の最大の高
さははめ込み部５、６の溝の幅よりも大きい。

このフィルタ1aをCRT2の管面３の前に装着する時には、
フィルタ1aの湾曲突出面を管面３に対向配置し、フィル
タ1aの辺部９を上側のはめ込み部５に挿入し、バネ７を
押し上げると共に下側の辺部10を管面３に押し当てるよ
うに押圧して湾曲を解消させるようにフィルタ1aを弾性
変形させ、下側の辺部10を下側のはめ込み部６に挿入す
る。これにより、フィルタ1aの装着作業は終了する。

フィルタ1aを装着した状態においては、はめ込み部５、
６がフィルタ1aの対向する２つの辺部９、10を押えてい
る。フィルタ1aは湾曲状態に戻ろうとする力を有してい
るので、はめ込み部５、６に対してガタツキのないしっ
かりした状態に保持される。なお、バネ７によるフィル
タ1aの下方への押圧は従来と同様に与えられているの
で、フィルタ1aが振動等で容易に離脱することはない。

フィルタ1aを取り外す時には、バネ７に抗してフィルタ
1aを押し上げる。これにより、フィルタ1aの下側の辺部
10がはめ込み部６から離脱すると、フィルタ1aが円弧状
に戻るために第４図に示すように下側の辺部10が前方に
飛び出す。そこで、フィルタ1aの下側の辺部10を摘んで
フィルタ1aを押し下げて上側の辺部９をはめ込み部５か
ら離脱させ、完全に取り外す。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば取り外し易いフィ
ルタを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係わるCRTディスプレイ用
フィルタを示す斜視図、 第２図は第１図のフィルタを装着したCRTディスプレイ
を示す正面図、 第３図は第２図のIII-III線に対応する部分の断面図、 第４図は第３図のフィルタをCRTディスプレイから取り
外す時の状態を示す断面図、 第５図は従来のフィルタをCRTディスプレイから取り外
す時の状態を示す断面図である。 1a……フィルタ、２……CRT、３……管面、４……枠、
5,6……はめ込み部、７……バネ、9,10,11,12……辺
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】陰極線管装置の略四角形の管面部分の対向
   する２辺に沿って設けられた第１及び第２のはめ込み部
   （５、６）に着脱自在にはめ込むためのフィルタであっ
   て、 弾性変形可能に形成されており、 前記第１及び第２のはめ込み部（５、６）にはめ込まれ
   る第１及び第２の辺部（９、10）と、前記第１及び第２
   のはめ込み部（５、６）にはめ込まれない第３及び第４
   の辺部（11、12）とを有しており、 前記管面部分に取付けられていない状態において前記第
   １の辺部（９）から前記第２の辺部（10）に向って円弧
   状に湾曲しているが、前記第３の辺部（11）から前記第
   ４の辺部（12）に向っては湾曲しておらず、 前記第１の辺部（９）から前記第２の辺部（10）に向う
   円弧状の湾曲をなくすように弾性変形させて前記第１及
   び第２の辺部（９、10）を前記第１及び第２のはめ込み
   部（５、６）にはめ込むように形成されていると共に、
   前記第１の辺部（９）を前記第１のはめ込み部（５）に
   対してはめ込んだ状態で前記第２の辺部（10）を前記第
   ２のはめ込み部（６）から離脱させた時に前記第２の辺
   部（10）が前記弾性変形の復元力によって前記管面部分
   から離間するように形成されていることを特徴とするフ
   ィルタ。