JPH0638299B2 - 案内溝付光デイスクの製造方法 - Google Patents

案内溝付光デイスクの製造方法

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JPH0638299B2 JP61202317A JP20231786A JPH0638299B2 JP H0638299 B2 JPH0638299 B2 JP H0638299B2 JP 61202317 A JP61202317 A JP 61202317A JP 20231786 A JP20231786 A JP 20231786A JP H0638299 B2 JPH0638299 B2 JP H0638299B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、光学式情報記録ディスクの製造方法に関し、
特にプリアドレスピット及び案内溝(プリグルーブ)部
を有する案内溝付光ディスク等の異なる深さのピットを
有する光ディスクの製造方法に関する。
背景技術 従来から追記型光ディスクとして第7図に示すような構
造のものが知られている。図示するように、かかる光デ
ィスクはサブストレート11上に情報記録層12を担持
させ、スペーサ13を介し内部に空間14を保つように
保護板15と該サブストレート11を貼着した構造を有
している。
また、第8図(a)は第7図の円Xに示す光ディスクの
部分拡大断面図であって、透明なサブストレート11に
プリアドレスピット111及び案内溝112が同心状に
並設されて、プリアドレスピット111及び案内溝11
2の上に例えば有機系色素からなる情報記録層12が形
成されている様子を示している。第8図(b)はサブス
トレート11のレーザ光照射面側から見た第8図(a)
に対応する正面図である。このように、追記型光ディス
クでは、サブストレート11の上にプリアドレスピット
部PA及び案内溝部PGを予め形成しておいて、後に、
レーザ光によって案内溝部PG上の情報記録層12を穿
孔し所定情報をピット113の形で追記している。
通常、追記型光ディスクのプリアドレスピット及び案内
溝部が設けられたサブストレートにおいては、反射した
レーザ光のコントラストが最大となるようにプリアドレ
スピット111の深さをλ/4nとし、トラッキング信
号が最も大きくなるように案内溝112の深さをλ/8
nとして異なる深さのプリアドレスピット及び案内溝が
設けられている。λは再生レーザ光の波長を示し、nは
サブストレートの屈折率を示している。
かかる案内溝等を有するサブストレートは、記録原盤と
しての円形ガラス板上にフォトレジスト層を形成し、レ
ーザ光で該フォトレジスト層を選択的に感光させた後、
現像処理したものを母型として作成し、該母型を基にN
i等の金属スタンパーを作成し、このスタンパーを用い
てPMMA等を材料として大量に複製され得られるもの
である。
かかるスタンパー用母型の作成方法においては、プリア
ドレスピット及び案内溝の底部が丸くならない所定形状
のサブストレートを正確に作成するため、第5図に示す
ように、感光前のガラス原盤1上に中間層を設けずに異
なる分光感度を有する2種類のフォトレジストを塗布し
て第1及び第2フォトレジスト層2、3を形成し、その
後、レーザ光で該フォトレジスト層を選択的に感光させ
ている。かかる方法では、2種類のフォトレジストの溶
剤が異なるゆえに、特に第2フォトレジスト層3の溶剤
が第1フォトレジスト層2を冒さないことが絶対条件で
ある。このため、これらフォトレジストの選択の幅が著
しく制限されるという問題点があった。
上記の問題点を解決するために特願昭59−02301
0の明細書に開示されているように、第6図に示す溶剤
に冒されない珪素酸化物等の無機物質からなる中間層4
を第1及び第2フォトレジスト層2、3の間に設ける製
造方法が開発されている。
しかしながら、かかる従来方法においても、珪素酸化物
からなる中間層4としてSiO又はSiO膜が使用さ
れ、該中間層を第1フォトレジスト層2上に形成するに
は真空蒸着装置またはスパッタリング装置の様な大型で
高価な装置が必要となるという問題点があった。
発明の概要 本発明の目的は、上記問題点を解消することであり、案
内溝及びプリアドレスピットとの深さ及び幅を自由にか
つ正確に設定できる案内溝付光ディスクの製造方法を提
供することである。
本発明の案内溝付光ディスクの製造方法は、記録原盤上
に第1フォトレジスト層を形成する工程と、第1フォト
レジスト層上に中間樹脂層を形成する中間樹脂層形成工
程と、該中間樹脂層上に第1フォトレジスト層と異なる
分光感度を有する第2フォトレジスト層を形成する工程
と、第1及び第2フォトレジスト層の各々に対応する波
長の光によって各々のフォトレジスト層を選択的に感光
させる工程と、現像工程と、エッチング工程とを含む異
なる深さのピットを有する光ディスクを製造する方法で
あって、かかる中間樹脂層形成工程は第1フォトレジス
ト層上に有機溶媒難溶性樹脂の溶液を塗布し、加熱硬化
させて中間樹脂層を形成することを特徴とする。
実 施 例 以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
先ず、第1図(a)に示す如く、表面研磨し洗浄された
ガラス原盤1を用意し、該ガラス原盤上に分光感度が短
波長側にあるフォトレジスト、例えば、ヘキスト社製の
AZ5214を適宜に有機溶剤を用いて溶液の形とし
て、スピンコート法で塗布し乾燥させて第1フォトレジ
スト層2を形成する。
次に、第1図(b)に示す如く、第1フォトレジスト層
2上に濃度10g/のポリビニルアルコール水溶液を
スピンコート法で塗布し、その後、加熱し乾燥させるベ
ーキング処理を行ない、有機溶媒難溶性の樹脂層である
膜厚200Å〜300Åの透明な中間樹脂層4′を形成
する。かかる中間樹脂層の膜厚は、ガラス原盤を回転さ
せるスピンナの振切り回転数と該ポリビニルアルコール
水溶液の濃度とで調整される。
次に、第1図(c)に示す如く、中間樹脂層4上に分光
感度が長波長側にあるフォトレジスト、例えば、ヘキス
ト社のAZ1350を適宜に有機溶剤を用いて溶液の形
として、スピンコート法で塗布し乾燥させて第2フォト
レジスト層3を形成する。このようにして、ガラス原盤
1上に、第1フォトレジスト層2上に中間樹脂層4′を
介して第2フォトレジスト層3が形成される。
次に、第1図(d)に示す如く、第1及び第2フォトレ
ジスト層の各々に対応する波長のレーザ光、例えばKr
レーザ光、Arレーザ光によって各々のフォトレジスト
層を選択的に感光させる。第1フォトレジスト層2及び
第2フォトレジスト層3のレーザ光波長対分光感度は第
4図に示す如くである。曲線Aは第1フォトレジスト層
2の分光感度を示し、曲線Bは第2フォトレジスト層3
の分光感度を示している。長波長レーザ光源にArレー
ザ光(λ=458nm)を、短波長レーザ光源にKrレ
ーザ光(λ=407nmまたは413nm)を用いAr
レーザ光により案内溝を、Krレーザ光によりプリアド
レスピットを形成させるべく各々のフォトレジストを露
光させる。ここで第2フォトレジスト層3はKr,Ar
レーザ光で共に露光されるが、第1フォトレジスト層2
はKrレーザ光でしか露光されない。このとき、フォト
レジスト層の露光部分の溶解度は光分解反応により変化
する。
次に、第1図(e)に示す如く、このようにして露光さ
れた記録原盤を現像処理すると第2フォトレジスト層3
の露光部分が除去された状態となる。
次に、第1図(f)に示す如く、残された第2フォトレ
ジスト層3をマスクとしてアルカリ水溶液を用いてアル
カリ可溶性の中間樹脂層4′をエッチング処理して除去
する。この結果、案内溝およびプリアドレスピットにな
るべき部分の深さは中間樹脂層4′の厚さ分だけ深くな
る。
次に、第1図(g)に示す如く、さらにもう一度、現像
処理すると第1フォトレジスト層2の内でKrレーザ光
で露光されたプリアドレスピットになるべき露光部分だ
けが除去されて、プリアドレスピットの深さが案内溝の
深さよりも深くなる。この深くなる量は第2フォトレジ
スト層3の厚さと中間樹脂層4′の厚さとの和である。
このようにして、所定の異なった深さのプリアドレスピ
ット及び案内溝部を有するサブストレートを作成するた
めのスタンパーの母型が作成される。
この後、公知の方法によって作成された母型に基づいて
スタンパーを作成し、プリアドレスピット及び案内溝部
が設けられた光ディスクが複製される。
本発明による案内溝付光ディスクの製造方法では、中間
樹脂層4′が第2フォトレジスト層3を第1フォトレジ
スト層2上に塗布する際に、第2フォトレジスト層3の
有機溶剤で第1フォトレジスト層2が冒されないように
仕切り用の薄膜として設けられている。
また、中間樹脂層4′は、所定の案内溝部及びプリアド
レスピット部を刻設するためのレーザ光を照射した時
に、第2フォトレジスト層3を通過した該レーザ光が第
1フオトレジスト層2に到達するようにレーザ光を遮ら
ない充分な透光性を有する樹脂層でなければならない。
実施例ではポリビニルアルコールを用いているが、例え
ば、ポリアクリルアミド、メチルセルロースなどのポリ
マーを中間樹脂層4′として用いることもできる。
これらのポリマーは水溶性でである故に、かかる樹脂溶
液をスピン塗布することにより容易に薄膜を形成できる
ものである。しかし、該ポリマーは室温程度の水にはそ
の溶解度が低い故に容易には溶けない。しかしながら、
これらのポリマーはアルカリ水溶液に溶かすことがで
き、また、ほぼ30℃以上の温水に容易にも溶解するも
のである。また更に、これらのポリマーは、中間樹脂層
4′形成後、フォトレジストの塗布に用いられる有機溶
剤に対して難溶性を示すものである。
第1図(b)に示す如く、この樹脂薄膜である中間樹脂
層4′を形成後、加熱、乾燥させるためにベーキング処
理を行なうが、ベーキング温度を種々変化させることに
よって中間樹脂層4′のエッチング処理時間をコントロ
ールすることができる。
第2図は、本実施例における膜厚200Å〜300Åの
中間樹脂層4′をアルカリ水溶液によりエッチングした
場合のベーキング温度に対するエッチング処理時間の関
係を示すグラフである。図示するように曲線Aはアルカ
リ水溶液によるエッチング処理時間の変化を示してい
る。ベーキング温度が高い程エッチング処理時間を要す
ることが分る。しかし、ベーキング温度90℃〜130
℃にてエッチング処理時間が5秒〜50秒かかる程度の
ベーキング温度範囲で実用可能であることが分った。こ
のベーキング温度範囲を越える高い温度では既に形成さ
れている第1フォトレジスト層2の感度を減少させ確実
な感光が出来なくなり、更に該温度範囲より低いベーキ
ング温度の場合では第1図(f)のエッチング工程で中
間樹脂層4′が速く溶解してしまうので該中間樹脂層が
過剰に削られピットの形状を正確に形成できなくなるな
どスタンパーを形成する際に障害となる。特に、ベーキ
ング温度としては100℃〜110℃が適していること
が確認されている。
第3図は、本実施例における膜厚200〜300Åの中
間樹脂層4′をアルカリ水溶液によりエッチングした場
合のエッチング処理時間に対する残膜率の関係を示すグ
ラフである。曲線Aはベーキング温度130℃によるエ
ッチング処理時間に関する残膜率の変化を示し、曲線B
はベーキング温度90℃によるエッチング処理時間に関
する残膜率の変化を示している。アルカリ水溶液の濃
度、温度等の他の要素もあるが、エッチング時間を種々
変化させることによって中間樹脂層4′の残膜率をある
程度コントロールすることができる。このようにベーキ
ング温度、エッチング処理時間等を制御することにより
案内溝及びプリアドレスピットの形状を調整できる。
本実施例の第1及び第2フォトレジスト層2,3では、
樹脂としてフェノールノボラック樹脂を、感光剤として
キノンジアジド系エステルを用いているポジ型フォトレ
ジストを使用しているが、フォトレジストとしてネガ型
のものも第1及び第2フォトレジスト層として使用でき
る。
この実施例の中間樹脂層薄膜はアルカリ水溶液に溶解す
るため、第1及び第2フォトレジスト層2、3が同一の
アルカリ性現像液を使用して露光部分を除去する場合で
あれば、現像工程は1種類の現像液で行なわれ、製造工
程が著しく簡略化され得る。
また、この実施例の中間樹脂層薄膜は水溶性であるが、
室温程度の水では溶解度が低いため殆ど溶解しない。し
かし水温を温度30℃〜80℃の範囲に上げたものでは
エッチング処理することも可能であることを見出した。
本実施例における膜厚200〜300Åの中間樹脂層
4′をかかる温度範囲の水によりエッチング処理した場
合、アルカリ水溶液による処理の場合とほぼ同様な作用
にてエッチング可能であることが確認された。かかる水
によるエッチング処理において、かかる温度範囲の上限
が80℃であるのはそれ以上の温度になると2種類のフ
ォトレジストが剥離してしまうためであり、かかる温度
範囲の下限が30℃であるのはそれ以下の温度になると
中間樹脂層の溶解度が低いためエッチング作用が発揮さ
れないためである。第3図には比較のために23℃の水
によりエッチング処理した場合のエッチング処理時間に
対する残膜率の関係を曲線Cにて示しているが、23℃
の水では殆どエッチング処理不可能であることが分る。
このように、水温を30℃〜80℃の温度範囲に保った
水によるエッチング処理の場合であれば、フォトレジス
ト毎の異なった現像液による現像処理が容易に確実に行
なえるようになる。
また、本実施例によれば、水又はアルカリ水溶液による
エッチング処理の後の通常の洗浄工程においても、室温
程度ではかかる中間樹脂層のポリマー自体の溶解度が低
く、さらに中間樹脂層形成工程における加熱処理の温度
を制御することが出来る故に、ガラス原盤上に形成され
たプリアドレスピット及び案内溝の内部壁に露出する中
間樹脂層が洗浄水に浸蝕されず正確な形状のプリアドレ
スピット及び案内溝が得られる。
発明の効果 以上のように、本発明によれば、中間樹脂層が樹脂であ
るので溶液形態で塗布し、加熱、硬化させ、第1フォト
レジスト層上にスピンコート法等よって容易に薄膜を形
成できる故に、大型で高価な真空蒸着装置またはスパッ
タリング装置の様な装置が不要となる。
また、本発明によれば、分光感度の異なる2種類のフォ
トレジストを有機溶媒難溶性樹脂の中間樹脂層を介して
形成し、それぞれ独立に露光し現像して除去しているの
で、従来よりも数多くの種々のフォトレジストを組合せ
て積層させることが出来る故に案内溝及びプリアドレス
ピットとの深さ及び幅を自由にかつ正確に設定できる案
内溝付光ディスクの製造方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による製造方法を説明するための記録原
盤の概略部分断面図、第2図はアルカリ水溶液による中
間樹脂層のベーキング温度とエッチング時間との関係を
示すグラフ、第3図はアルカリ水溶液による中間樹脂層
のエッチング時間と残膜率との関係を示すグラフ、第4
図は本実施例に用いた2種類のフォトレジストの分光感
度を示すグラフ、第5図及び第6図は従来の製造方法に
おける記録原盤の概略部分断面図、第7図は追加型光デ
ィスクの概部分切欠斜視図、第8図は追加型光ディスク
を説明するための説明図である。 主要部分の符号の説明 1……記録原盤 2……第1フォトレジスト層 3……第2フォトレジスト層 4……中間層 4′……中間樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝下 俊彦 山梨県中巨摩郡田富町西花輪2680番地 パ イオニアビデオ株式会社内 (72)発明者 林 毅 山梨県中巨摩郡田富町西花輪2680番地 パ イオニアビデオ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−45957(JP,A) 特開 昭57−212635(JP,A) 特開 昭60−133552(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録原盤上に第1フォトレジスト層を形成
    する工程と、第1フォトレジスト層上に中間樹脂層を形
    成する中間樹脂層形成工程と、前記中間樹脂層上に第1
    フォトレジスト層と異なる分光感度を有する第2フォト
    レジスト層を形成する工程と、第1及び第2フォトレジ
    スト層の各々に対応する波長の光によって各々のフォト
    レジスト層を選択的に感光させる工程と、現像工程と、
    エッチング工程とを含む異なる深さのピットを有する光
    ディスクを製造する方法であって、前記中間樹脂層形成
    工程は第1フォトレジスト層上に有機溶媒難溶性樹脂溶
    液を塗布し、加熱硬化させて中間樹脂層を形成すること
    を特徴とする光ディスクの製造方法。
  2. 【請求項2】前記中間樹脂層は水溶性樹脂からなること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
  3. 【請求項3】前記中間樹脂層はアルカリ可溶性樹脂から
    なることを特徴とする特許請求の範囲第1項又は第2項
    記載の製造方法。
  4. 【請求項4】前記中間樹脂層はポリビニルアルコール、
    ポリアクリルアミド、及びメチルセルロースから選ばれ
    る1の樹脂からなることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の製造方法。
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