JPH063782A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JPH063782A
JPH063782A JP18061692A JP18061692A JPH063782A JP H063782 A JPH063782 A JP H063782A JP 18061692 A JP18061692 A JP 18061692A JP 18061692 A JP18061692 A JP 18061692A JP H063782 A JPH063782 A JP H063782A
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JP
Japan
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group
color
chemical
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represented
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Application number
JP18061692A
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English (en)
Inventor
Keiji Obayashi
慶司 御林
Yasuhiro Shimada
泰宏 嶋田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH063782A publication Critical patent/JPH063782A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】発色性、色再現性、鮮鋭性、色像保存性、及び
経時保存性の改良されたハロゲン化銀カラー写真感光材
料を提供する。 【構成】(Ia−9)または(IIIb)−1のシアンカプ
ラーと、(A−5)の非発色性で耐拡散性のカルボン酸
を含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料。 【化1】 【化2】 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発色性、画質、色画像
堅牢性ならびに感光材料の保存性が改良されたハロゲン
化銀カラー写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シアン色素画像を形成するためには、通
常は一般にナフトールまたはフェノール系カプラーが使
用されている。しかしながら、これらのカプラーは短波
長領域(緑色光から青色光の領域)において好ましくな
い吸収を有しているため、色再現性を著しく低下させる
という大きな問題があり、これを解決することが望まれ
ている。これに対し、特開昭63−141057号に提
示されているカプラーは、マゼンタカプラーとしては確
かに色像保存性の点で改良されてはいるがシアンカプラ
ーとして使用するのにはさらに色相の改良が必要であ
り、同時に芳香族第1級アミンカプラー現像薬酸化体と
のカップリング反応活性を高活性化することが必要であ
った。また、シアン色素像の色相を改良し、色再現性を
向上する目的で欧州特許第456,226A号にピロロ
ピラゾール型のカプラーが提示されている。これらのカ
プラーは発色性、色像保存性、発色色素の色相がかなり
改良されているもののさらなる改良が望まれ、また、色
再現性や鮮鋭性などの画質の改良や感光材料の保存性に
問題のあることが判明した。その他、本発明に類似する
シアンカプラーとしては、例えばピラゾール環と縮環し
含窒素6員環の複素環を形成した5員−6員縮環型カプ
ラーが特開昭64−46752号、同64−46753
号、特開平2−236545号、同2−190850
号、同2−232653号、同2−214857号に記
載されているが、これらに記載のシアンカプラーは共通
して熱・湿度及び光に対して色相の変化を起こさない発
色色像を形成するカプラーであって、得られる発色色像
は耐熱・湿性、耐光性に優れてることが記載されてい
る、これら色像堅牢性は改良されているものの芳香族第
1級アミンカプラー現像薬酸化体とのカップリング反応
活性が著しく低いという大きな問題のあることがわかっ
た。
【0003】なお、非発色性で耐拡散性のカルボン酸ま
たはその塩類をカラー感光材料に導入することは、例え
ば特公昭48−40422号、欧州特許第71,122
号、特開昭63−85629号、同63−85630
号、同63−85631号、同63−168649号、
同63−168650号に発色色素形成カプラーとの使
用が記載されているが、本発明に係るシアンカプラーと
の使用に関しては記載がなく、作用・効果については全
く類似することができない。
【0004】一方、画質に関しては、特に色再現性、鮮
鋭性を改良する方法の1つの手段として現像抑制剤もし
くはそのプレカーサー放出化合物(以下DIR化合物と
略称する)を使用することがよく知られている。このD
IR化合物にあっても、例えば特開昭51−14682
8号、同60−218645号、同61−156127
号、同63−37346号、特開平1−280755
号、同1−219747号、同2−230139号、欧
州特許第348,139A号、同第354,532号A
号及び同第403,019A号に記載されているように
現像抑制性化合物を2つのタイミング基を介して放出す
る化合物が知られている。また、欧州特許第464,6
12A号には本発明に係る化合物の1部が記載されてい
る。確かにこれらのタイミングDIR化合物を用いるこ
とにより、層間効果やエッジ効果が向上して色再現性及
び鮮鋭性がある程度改良されたが、実質的に現像抑制性
化合物の放出が1段であること、またその放出するタイ
ミングが好ましくないことにより、その効果はまだまだ
不充分なものであり、さらに感光材料の経時保存性を改
良しなければならないことがわかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
はより改良された発色性、優れた色再現性、鮮鋭性など
の画質、色像堅牢性を与え、さらに感光材料の経時保存
性を安定化したハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題達成のために本
発明者は検討を重ねた結果、以下に説明する手段によっ
て達成できた。 (1) 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳
剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料におい
て、下記化4に示される一般式(Ia)または一般式
(Ib)で表わされるシアンカプラー及び非発色性で耐
拡散性のカルボン酸またはその塩を含有することを特徴
とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式(Ia)
【0007】
【化4】
【0008】(式中、Zaは、−NH−又は−CH(R
13) −を表わし、Zb及びZcは、それぞれ−C
(R14)=又は−N=を表わす。R11、R12及びR
13は、それぞれハメットの置換基定数σp 値が0.20
以上の電子吸引性基を表わす。ただし、R11とR12のσ
p 値の和は、0.65以上である。R14及びR21は、そ
れぞれ水素原子又は置換基を表わす。但し、式中に2つ
のR14が存在する場合には、それらは同じであってもよ
いし、異なっていてもよい。R22は置換基を表わし、Z
2 は、含窒素6員複素環を形成するのに必要な非金属原
子群を表わす。但し、該複素環は少なくとも1つの解離
基を有する。X1 及びX2 は、それぞれ水素原子または
芳香族第一級アミンカラー現像主薬の酸化体とのカップ
リング反応により離脱する基を表わす。)
【0009】(2) 下記化5に示される一般式(1) または
化6に示される一般式(2) で表わされる化合物を含有す
ることを特徴とする上記(1) に記載のハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料。 一般式(1)
【0010】
【化5】
【0011】式中Aはカプラー残基または酸化還元基を
表わし、L1 およびL3 は2価のタイミング基を表わ
し、L2 は3価もしくはそれ以上の結合手を有するタイ
ミング基を表わし、PUGは写真性有用基を表わす。j
とnはそれぞれ独立に0、1または2を表わし、mは1
または2を表わし、sはL2 の価数から1を引いた数で
あり2以上の整数を表わす。またL1 、L2 もくしはL
3 が分子内に複数個存在するとき、それらは全て同じで
あっても異なっていても良い。また複数個存在するPU
Gは全て同じであっても異なっていても良い。 一般式(2)
【0012】
【化6】
【0013】式中、AとPUGは一般式(I)と同義で
ある。L4 は−OCO−基、−OSO−基、−OSO2
−基、−OCS−基、−SCO−基、−SCS−基また
は−WCR1112−基を表わす。ここでWは酸素原子、
硫黄原子または3級アミノ基(−NR13−)を表わし、
11およびR12はそれぞれ独立に水素原子または置換基
を表わし、R13は置換基を表わす。またR11、R12及び
13の各々が2価基を表わし、連結して環状構造を形成
する場合も含む。L5 は共役系に沿った電子移動により
PUGを放出する基もしくはL4 で定義される基を表わ
す。
【0014】以下、本発明について説明する。初めに本
発明の前記一般式(Ia)及び(Ib)で表わされるシ
アンカプラーについて詳しく述べる。一般式(Ia)に
おいて、Zaは−NH−又は−CH(R13)−を表わ
し、Zb及びZcは、それぞれ−C(R14)=又は−N
=を表わす。従って、本発明の一般式(Ia)で表わさ
れるシアンカプラーは、具体的には下記一般式(IIa)
〜(IXa)で表される。
【0015】
【化7】
【0016】(式中、R11、R12、R13、R14及びX1
は、一般式(Ia)におけるそれぞれと同義である。)
一般式(Ia)においては、一般式(IIa)、(IIIa)
又は(IVa) で表されるシアンカプラーが好ましく、特に
一般式(IIIa) で表されるシアンカプラーが好ましい。
【0017】R11、R12及びR13がいずれも0.20以
上の電子吸引性基であり、且つR11とR12のσp 値の和
が0.65以上である。R11とR12のσp 値の和として
は、好ましくは0.70以上であり、上限としては1.
8程度である。
【0018】R11、R12及びR13はそれぞれ、ハメット
の置換基定数σp 値が0.20以上の電子吸引性基であ
る。好ましくは、σp 値が0.35以上の電子吸引性基
であり、更に好ましくは、σp 値が0.60以上の電子
吸引性基である。上限としては1.0以下の電子吸引性
基である。ハメット則はベンゼン誘導体の反応又は平衡
に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935
年にL.P.Hammettにより提唱された経験則である
が、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット
則によりもとめられた置換基定数にはσp 値とσm 値が
あり、これらの値は多くの一般的な成書に記載がある
が、例えば、J.A.Dean編「Lange's Handbook of Ch
emistry 」第12版、1979年(Mc Graw-Hill) や
「化学の領域増刊」、122号、96〜103頁、19
79年(南江堂)に詳しい。本発明においてR11、R12
及びR13はハメットの置換基定数σp 値により規定され
るが、これらの成書に記載の文献既知の値がある置換基
にのみ限定されるという意味ではなくその値が文献未知
であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範
囲内に含まれる限り包含されることは勿論である。
【0019】σp 値が0.20以上の電子吸引性基であ
るR11、R12及びR13の具体例としては、アシル基、ア
シルオキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ
基、ジアルキルホスホノ基、ジアールホスホノ基、ジア
リールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリ
ールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリール
スルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、ス
ルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル
基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、
ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミ
ノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp 0.20以上の
他の電子吸引性基で置換されたアリール基、複素環基、
ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基があげ
られる。これらの置換基のうち更に置換基を有すること
が可能な基は、後述するR14で挙げるような置換基を更
に有してもよい。
【0020】R11、R12及びR13を更に詳しく述べる
と、σp 値が0.20以上の電子吸引性基としては、ア
シル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイ
ル、ベンゾイル、4−ドデシルオキシベンゾイル)、ア
シルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基
(例えば、カルバモイル、N−エチルカルバモイル、N
−フェニルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイ
ル、N−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル、
N−(4−n−ペンタデカンアミド)フェニルカルバモ
イル、N−メチル−N−ドデシルカルバモイル、N−
{3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピ
ル}カルバモイル)、アルコキシカルボニル基(例え
ば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、iso −
プロピルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボ
ニル、iso −ブチルオキシカルボニル、ブチルオキシカ
ルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオ
キシカルボニル、ジエチルカルバモイルエトキシカルボ
ニル、パーフルオロヘキシルエトキシカルボニル、2−
デシル−ヘキシロキシカルボニルメトキシカルボニ
ル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキ
シカルボニル、2,5−アミルフェノキシカルボニ
ル)、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基(例
えば、ジメチルホスホノ)、ジアリールホスホノ基(例
えば、ジフェニルホスホノ)、ジアリールホスフィニル
基(例えば、ジフェニルホスフィニル)、アルキルスル
フィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィ
ニル)、アリールスルフィニル基(例えば、3−ペンタ
デシルフェニルスルフィニル)、アルキルスルホニル基
(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル)、
アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、
トルエンスルホニル)、スルホニルオキシ基(メタンス
ルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、アシル
チオ基(例えば、アセチルチオ、ベンゾイルチオ)、ス
ルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、
N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシ
ルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ド
デシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイ
ル)、チオシアネート基、チオカルボニル基(例えば、
メチルチオカルボニル、フェニルチオカルボニル)、ハ
ロゲン化アルキル基(例えば、トリフロロメチル、ヘプ
タフロロプロピル)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば
トリフロロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ
基(例えばペンタフロロフェニルオキシ)、ハロゲン化
アルキルアミノ基(例えば、N,N−ジ−(トリフロロ
メチル)アミノ)、ハロゲン化アルキルチオ基(例え
ば、ジフロロメチルチオ、1,1,2,2−テトラフロ
ロエチルチオ)、σp 値が0.20以上の他の電子吸引
性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニト
ロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタ
クロロフェニル)、複素環基(例えば、2−ベンゾオキ
サゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニル−2−
ベンズイミダゾリル、5−クロロ−1−テトラゾリル、
1−ピロリル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭
素原子)、アゾ基(例えばフェニルアゾ)またはセレノ
シアネート基を表わす。
【0021】代表的な、電子吸引性基のσp 値を挙げる
と、シアノ基(0.66)、ニトロ基(0.78)、ト
リフルオロメチル基(0.54)、アセチル基(0.5
0)、トリフルオロメタンスルホニル(0.92)、メ
タンスルホニル基(0.72)、ベンゼンスルホニル基
(0.70)、メタンスルフィニル基(0.49)、カ
ルバモイル基(0.36)、メトキシカルボニル基
(0.45)、ピラゾリル基(0.37)、メタンスル
ホニルオキシ基(0.36)、ジメトキシホスホリル基
(0.60)、スルファモイル基(0.57)などであ
る。
【0022】R11、R12及びR13として好ましいものと
しては、σp 値が0.35以上の電子吸引性基であり、
アシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ア
ルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アル
キルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモ
イル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルキルオ
キシ基、ハロゲン化アルキルチオ基、ハロゲン化アリー
ルオキシ基、ハロゲン化アリール基、2個以上のニトロ
基で置換されたアリール基及び複素環基を挙げることが
できる。なかでもシアノ基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル、ハロゲン化アルキル基が好
ましく、シアノ基、無置換又は弗素原子、アルコキシカ
ルボニル基若しくはカルバモイル基で置換されたアルコ
キシカルボニル基、無置換又はアルキル基若しくはアル
コキシ基で置換されたアリールオキシカルボニル基がよ
り好ましい。本発明において更に好ましくは、R11、R
12及びR13の少なくとも1つがσp値が0.60以上の
電子吸引性基である。σp 値が0.60以上の電子吸引
性基としては、ニトロ基、シアノ基、アリールスルホニ
ル基が挙げられる。R11としては、特にシアノ基が好ま
しい。
【0023】R14は水素原子又は置換基(原子を含
む。)を表わし、置換基としてはハロゲン原子、脂肪族
基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、複素環オキシ基、アルキル・アリール若しくは
複素環チオ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ
基、シリルオキシ基、スルホニルオキシ基、アシルアミ
ノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ウレイド
基、スルファモイルアミノ基、アルケニルオキシ基、ホ
ルミル基、アルキル・アリール若しくは複素環アシル
基、アルキル・アリール若しくは複素環スルホニル基、
アルキル・アリール若しくは複素環スルフィニル基、ア
ルキル・アリール若しくは複素環オキシカルボニル基、
アルキル・アリール若しくは複素環オキシカルボニルア
ミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファ
モイル基、ホスホニル基、スルファミド基、イミド基、
アゾリル基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、
ニトロ基、スルホ基、無置換のアミノ基等をあげること
ができる。これらの基に含まれるアルキル基、アリール
基若しくは複素環基は、R14で例示したような置換基で
更に置換されていてもよい。
【0024】さらに詳しくは、R14は水素原子、ハロゲ
ン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、脂肪族基(例
えば、炭素数1〜36の直鎖、または分岐鎖アルキル
基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シク
ロアルキル基、シクロアルケニル基で、詳しくは例えば
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチ
ル、トリデシル、2−メタンスルホニルエチル、3−
(3−ペンタデシルフェノキシ)プロピル、3−{4−
{2−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フ
ェノキシ〕ドデカンアミド}フェニル}プロピル、2−
エトキシトリデシル、トリフルオロメチル、シクロペン
チル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロ
ピル)、アリール基(好ましく炭素数6〜36、例えば
フェニル、ナフチル、4−ヘキサデコキシフェニル、4
−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニ
ル、4−テトラデカンアミドフェニル、3−(2,4−
tert−アミルフェノキシアセトアミド)フェニル)、複
素環基(例えば3−ピリジル、2−フリル、2−チエニ
ル、2−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチア
ゾリル)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、
2−メトキシエトキシ、2−ドデシルオキシエトキシ、
2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基
(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−te
rt−ブチルフェノキシ、2,4−ジ−tert−アミルフェ
ノキシ、2−クロロフェノキシ、4−シアノフェノキ
シ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカル
バモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイルフェノ
キシ)、複素環オキシ基(例えば、2−ベンズイミダゾ
リルオキシ、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、
2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アルキル・アリー
ル若しくは複素環チオ基(例えばメチルチオ、エチルチ
オ、オクチルチオ、テトラデシルチオ、2−フェノキシ
エチルチオ、3−フェノキシプロピルチオ、3−(4−
tert−ブチルフェノキシ)プロピルチオ、フェニルチ
オ、2−ブトキシ−5−tert−オクチルフェニルチオ、
3−ペンタデシルフェニルチオ、2−カルボキシフェニ
ルチオ、4−テトラデカンアミドフェニルチオ、2−ベ
ンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,
3,4−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチ
オ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ヘキサデ
カノイルオキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N
−エチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイ
ルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリ
ルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、スルホニル
オキシ基(例えば、ドデシルスルホニルオキシ)、アシ
ルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、テ
トラデカンアミド、2−(2,4−tert−アミルフェノ
キシアセトアミド、2−〔4−(4−ヒドロキシフェニ
ルスルホニル)フェノキシ)〕デカンアミド、イソペン
タデカンアミド、2−(2,4−ジ−t−アミルフェノ
キシ)ブタンアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基
(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ドデシルアミ
ノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルア
ミノ)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、
2−クロロアニリノ、2−クロロ−5−テトラデカンア
ミドアニリノ、N−アセチルアニリノ、2−クロロ−5
−〔α−2−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキ
シ)ドデカンアミド〕アニリノ、2−クロロ−5−ドデ
シルオキシカルボニルアニリノ)、ウレイド基(例え
ば、メチルウレイド、フェニルウレイド、N,N−ジブ
チルウレイド、ジメチルウレイド)、スルファモイルア
ミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルア
ミノ、N−メチル−N−デシルスルファモイルアミ
ノ)、アルケニルオキシ基(例えば2−プロペニルオキ
シ)、ホルミル基、アルキル・アリール若しくは複素環
アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、2,4−ジ−
tert−アミルフェニルアセチル、3−フェニルプロパノ
イル、4−ドデシルオキシベンゾイル)、アルキル・ア
リール若しくは複素環スルホニル基(例えば、メタンス
ルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、
トルエンスルホニル)、スルフィニル基(例えば、オク
タンスルフィニル、ドデシルスルフィニル、ドデカンス
ルフィニル、フェニルスルフィニル、3−ペンタデシル
フェニルスルフィニル、3−フェノキシプロピルスルフ
ィニル)、アルキル・アリール若しくは複素環オキシカ
ルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブトキシカ
ルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオ
キシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、2−ペン
タデシルオキシカルボニル)、アルキル・アリール若し
くは複素環オキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシ
カルボニルアミノ、テトラデシルオキシカルボニルアミ
ノ、フェノキシカルボニルアミノ、2,4−ジ−tert−
ブチルフェノキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド
基(例えば、メタンスルホンアミド、ヘキサデカンスル
ホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンス
ルホンアミド、オクタデカンスルホンアミド、2−メト
キシ−5−tert−ブチルベンゼンスルホンアミド)、カ
ルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,
N−ジブチルカルバモイル、N−(2−ドデシルオキシ
エチル)カルバモイル、N−メチル−N−ドデシルカル
バモイル、N−〔3−(2,4−ジ−tert−アミルフェ
ノキシ)プロピル〕カルバモイル)、スルファモイル基
(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロ
ピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチ
ル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルフ
ァモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)、ホスホ
ニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキ
シホスホニル、フェニルホスホニル)、スルファミド基
(例えばジプロピルスルファモイルアミノ)、イミド基
(例えば、N−サクシンイミド、ヒダントイニル、N−
フタルイミド、3−オクタデセニルスクシンイミド)、
アゾリル基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、3−
クロロ−ピラゾール−1−イル、トリアゾリル)、ヒド
ロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、ニトロ基、スルホ
基、無置換のアミノ基などが挙げられる。
【0025】R14として好ましくは、アルキル基、アリ
ール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、アシルアミ
ノ基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイル
アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキ
シカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オ
キシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アリ
ールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チ
オ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アシル基、アゾ
リル基を挙げることができる。更に好ましくはアルキル
基、アリール基であり、より好ましくは、少なくとも一
つのアルコキシ基、スルホニル基、スルファモイル基、
カルバモイル基、アシルアミド基又はスルホンアミド基
を置換基として有するアルキル基若しくはアリール基で
ある。特に好ましくは、少なくとも一つのアシルアミド
基又はスルホンアミド基を置換基として有するアルキル
基若しくはアリール基である。
【0026】一般式(Ib)におけるR21、R22におけ
る置換基としては、前述のR14における置換基を挙げる
ことができる。一般式(Ib)においてはR21、R22
うち少なくとも一方がハメットの置換基定数σp 値が
0.20以上の電子吸引性基であることが好ましく、さ
らに好ましくは、σp 値が0.35以上、より好ましく
は0.60以上の電子吸引性基である。特に好ましく
は、R21、R22のうち少なくとも一方がシアノ基であ
る。ハメットの置換基定数σp 値がそれぞれの電子吸引
性基については前述のR11で述べた通りである。一般式
(Ib)におけるZ2 は、含窒素6員複素環を形成する
のに必要な非金属原子群を表わす。但し、該複素環は少
なくとも1つの解離基を有する。該含窒素6員複素環を
構成するための4つの2価の連結基としては、−NH
−、−N(R)−、−N=、−CH(R)−、−CH
=、−C(R)=、−CO−、−S−、−SO−、−S
2 −などが挙げられる。(Rは、置換基を表わし、R
14で挙げた置換基が挙げられる。)解離基としては、−
NH−、−CH(R)−など酸性プロトンを有するもの
が挙げられ、好ましくは水中のpKaは3〜12の値を
持つものである。
【0027】一般式(Ib)で表されるカプラーは、好
ましくは、下記一般式(IIb)〜(XIXb)で表されるもので
ある。
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】式中、R21、R22及びX2 は、一般式(I
b)におけるそれぞれと同義である。R23、R25
26、R27及びR28はそれぞれ水素原子又は置換基を表
わし、R24は置換基を表わす。EXGはハメットの置換
基定数σp 値が0.35以上の電子吸引性基を表わ
す。)一般式(Ib)においては、一般式(IIb)、(III
b)又は(VIIIb) で表されるカプラーが好ましい。R23
24、R25、R26、R27及びR28の置換基はR14で挙げ
たものと同様である。EXGの電子吸引性基としては、
前述のR11で挙げた通りである。
【0032】X1 及びX2 は、それぞれ水素原子若しく
は該カプラーが芳香族第1級アミンカラー現像主薬の酸
化体と反応したとき、離脱する基(以下、単に「離脱
基」と呼ぶ)を表わし、該離脱基は、ハロゲン原子、芳
香族アゾ基、酸素・窒素・イオウ若しくは炭素原子を介
してカップリング位を結合するアルキル基、アリール基
若しくは複素環基、アルキル若しくはアリールスルホニ
ル基、アリールスルフィニル基、アルキル・アリール若
しくは複素環カルボニル基又は窒素原子でカップリング
位と結合する複素環基であり、例えば、ハロゲン原子、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ア
ルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基、アシルア
ミノ基、アルキルもしくはアリールスルホンアミド基、
アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボ
ニルオキシ基、アルキル・アリールもしくはヘテロ環チ
オ基、カルバモイルアミノ基、アリールスルフォニル
基、アリールスルホニル基、5員もしくは6員の含窒素
ヘテロ環基、イミド基、アリールアゾ基などがあり、こ
れらの離脱基に含まれるアルキル基、アリール基若しく
は複素環基は、R14での置換基で更に置換されていても
よく、これらの置換基が2つ以上のときは同一でも異な
っていてもよく、これらの置換基がさらにR14で挙げた
置換基を有していてもよい。
【0033】離脱基はさらに詳しくは、ハロゲン原子
(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルコ
キシ基(例えば、エトキシ、ドデシルオキシ、メトキシ
エチルカルバモイルメトキシ、カルボキシプロピルオキ
シ、メチルスルホニルエトキシ、エトキシカルボニルメ
トキシ)、アリールオキシ基(例えば、4−メチルフェ
ノキシ、4−クロロフェノキシ、4−メトキシフェノキ
シ、4−カルボキシフェノキシ、3−エトキシカルボキ
シフェノキシ、3−アセチルアミノフェノキシ、2−カ
ルボキシフェノキシ)、アシルオキシ基(例えば、アセ
トキシ、テトラデカノイルオキシ、ベンゾイルオキ
シ)、アルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基
(例えば、メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニ
ルオキシ)、アシルアミノ基(例えば、ジクロルアセチ
ルアミノ、ヘプタフルオロブチリルアミノ)、アルキル
もしくはアリールスルホンアミド基(例えば、メタンス
ルホンアミノ、トリフルオロメタンスルホンアミノ、p
−トルエンスルホニルアミノ)、アルコキシカルボニル
オキシ基(例えば、エトキシカルボニルオキシ、ベンジ
ルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニ
ルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、
アルキル・アリールもしくはヘテロ環チオ基(例えば、
エチルチオ、2−カルボキシエチルチオ、ドデシルチ
オ、1−カルボキシドデシルチオ、フェニルチオ、2−
ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、テトラゾリ
ルチオ)、アリールスルホニル基(例えば、2−ブトキ
シ−5−tert−オクチルフェニルスルホニル)、アリー
ルスルフィニル基(例えば、2−ブトキシ−5−tert−
オクチルフェニルスルフィニル)、カルバモイルアミノ
基(例えば、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェ
ニルカルバモイルアミノ)、5員もしくは6員の含窒素
ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリ
アゾリル、テトラゾリル、1,2−ジヒドロ−2−オキ
ソ−1−ピリジル)、イミド基(例えば、スクシンイミ
ド、ヒダントイニル)、アリールアゾ基(例えば、フェ
ニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ)などである。も
ちろんこれらの基はさらにR14の置換基で挙げた基で置
換されていてもよい。また、炭素原子を介して結合した
離脱基として、アルデヒド類又はケトン類で四当量カプ
ラーを縮合して得られるビス型カプラーがある。本発明
の離脱基は、現像抑制剤、現像促進剤など写真的有用基
を含んでいてもよい。好ましい離脱基は、ハロゲン原
子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルもしく
はアリールチオ基、アリールスルホニル基、アリールス
ルフィニル基、カップリング活性位に窒素原子で結合す
る5員もしくは6員の含窒素ヘテロ環基であり、特にア
リールチオ基が好ましい。
【0034】一般式(Ia)又は(Ib)で表されるシ
アンカプラーは、母核上のそれぞれの置換基が一般式
(Ia)又は(Ib)で表されるシアンカプラー残基を
含有していて二量体以上の多量体を形成していたり、高
分子鎖を含有していて単重合体若しくは共重合体を形成
していてもよい。高分子鎖を含有している単重合体若し
くは共重合体とは一般式(Ia)又は(Ib)で表され
るシアンカプラー残基を有する付加重合体エチレン型不
飽和化合物の単独もしくは共重合体が典型例である。こ
の場合、一般式(Ia)又は(Ib)で表されるシアン
カプラー残基を有するシアン発色繰り返し単位は重合体
中に1種類以上含有されていてもよく、共重合成分とし
てアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイ
ン酸エステル類の如き芳香族一級アミン現像薬の酸化生
成物とカップリングしない非発色性のエチレン型モノマ
ーの1種または1種以上を含む共重合体であってもよ
い。以下に本発明のカプラーの具体例を示すが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】
【化20】
【0045】
【化21】
【0046】
【化22】
【0047】
【化23】
【0048】
【化24】
【0049】上記の化合物例にて用いられている置換基
は以下のものである。
【0050】
【化25】
【0051】
【化26】
【0052】
【化27】
【0053】
【化28】
【0054】
【化29】
【0055】
【化30】
【0056】
【化31】
【0057】本発明化合物及びその中間体の合成方法
は、公知の方法によって合成することができる。例え
ば、J.Am.Chem.Soc.,80,5332(1958)、J.Am.Chem., 81
号,2452(1959) 、J.Am.Chem.Soc.,112,2465(1990) 、Or
g.Synth.,I 270(1941)、J.Chem.Soc.,5149(1962)、Hetr
ocyclic.,27 号,2301(1988) 、Rec.Trav.chim.,80,1075
(1961)などに記載の方法、それらに引用されている文献
又は類似の方法によって合成することができる。次に具
体的に合成例を示す。 (合成例1)例示化合物(Ia−9)の合成 下記ルートにより例示化合物(Ia−9)を合成した。
【0058】
【化32】
【0059】2−アミノ−4−シアノ−3−メトキシカ
ルボニルピロール(1a)(66.0g、0.4mol )
のジメチルアセトアミド(300ml))溶液に、室温にて
3,5−ジクロロベンゾイルクロライド(2a)(8
3.2g、0.4mol)を加え、30分間攪拌する。水を
加え酢酸エチルで2回抽出する。有機層を集め、水およ
び飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。
減圧下溶媒を留去し、アセトニトリル(300ml) から
再結晶すると、化合物(3a)(113g、84%)を
得た。
【0060】(3a)(101.1g、0.3mol )の
ジメチルホルムアミド(200ml)溶液に水酸化カリウ
ム(252g、4.5mol )の粉末を室温にて加えよく
攪拌する。水冷下、ヒドロキシルアミン−o−スルホン
酸(237g、2.1mol )を、温度が急激に上がらな
いように注意し、少しずつ添加し、添加後30分攪拌す
る。0.1N塩酸水溶液を滴下し、pH試験紙を見なが
ら中和する。酢酸エチルで3回抽出し、有機層を水およ
び飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。
減圧下溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(展開
溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製すると化
合物(4a)(9.50g、9%)が得られた。
【0061】(4a)(7.04g、20mmol) のアセ
トニトリル(30ml)溶液に室温にて四塩化炭素(9c
c)を加え、続いてトリフェニルホスフィン(5.76
g、22mmol) を加え8時間加熱還流する。冷却後、水
を加え酢酸エチルで3回抽出する。有機層を水および飽
和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧
下溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製す
ると(5a)(1.13g、17%)が得られた。得られ
た(5a)1.8gと12.4gの(6a)をスルホラ
ン2.0mlに溶解し、更に1.5gのチタニウムイソプ
ロポキシド1.5gを添加した。反応温度を110℃に
保ち、1.5時間反応させた後、酢酸エチルを加え水洗
浄した。酢酸エチル層を乾燥後、留去し、残渣をカラム
クロマトグラフィーで精製することにより目的の例示化
合物(Ia−9)を1.6g得た。融点は97〜98℃
であった。 (合成例2)例示化合物(IIIb) −1の合成
【0062】
【化33】
【0063】2−アミノアセトフェノン塩酸塩とマロノ
ニトリルをアルカリ存在下縮合させることにより容易に
得られる2−アミノ−3−シアノ−4−フェニルプロー
ル(化合物a)18.3gとエトキシエチリデンマロン
酸ジエチル25.3gをエタノール300mlに分散し、
これにナトリウムメチラート28%、メタノール溶液2
2.0mlを加え、5時間加熱還流した。冷却後、酢酸エ
チルを加え、水洗した後、有機溶媒を濃縮し、析出した
結晶を濾取し、化合物bを11.6g得た。次いで、こ
れにファインオキソコール1600 50ml 、Ti(O-i-Pr)
4 2.0gを加え、油浴温度130−140℃にて6時
間加熱した。冷却後、シリカゲルクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)にて精製し、カプラ
ー(IIIb)−1 14.7gを淡黄色の油状物として得た。
【0064】本発明の一般式(Ia)及び(Ib)で表
わされるシアンカプラーは単独で複数の層に使用するこ
とができる。感光性ハロゲン化銀乳剤層や非感光性層に
用いることができる。好ましくは赤感性ハロゲン化銀乳
剤層及び隣接する非感光性層である。より好ましくは赤
感性ハロゲン化銀乳剤層である。赤感性ハロゲン化銀乳
剤層が感度の異なる複数の層から構成されるときはその
いずれの層にも用いることができる。本発明の一般式
(Ia)及び一般式(Ib)で表わされるシアンカプラ
ーの感光材料への導入は、後述する公知の分散方法のい
ずれを適用しても導入することができるが、水中油滴分
散法を用いた分散物を添加する方法が好ましい。この時
使用する高沸点有機溶媒は本発明のシアンカプラーの全
重量に対し1×10-3〜5の重量比の範囲である。好ま
しくは1×10-2〜2の範囲であり、より好ましくは5
×10-2〜1の重量比の範囲である。
【0065】本発明の一般式(Ia)及び一般式(I
b)で表わされるシアンカプラーの感光材料への塗布量
は、構成する層の1層につき、1×10-4〜3g/m2
範囲である。好ましくは1×10-3〜2g/m2であり、
より好ましくは1×10-2〜1g/m2の範囲である。感
光性ハロゲン化銀乳剤層の場合は、層中のハロゲン化銀
1モル当り1×10-3〜2モルの範囲である。好ましく
は1×10-2〜1モルであり、より好ましくは2×10
-2〜5×10-1モルの範囲である。
【0066】次に、本発明の前記非発色性でかつ耐拡散
性のカルボン酸類について詳しく述べる。本発明におい
て用いられる前記非発色性でかつ耐拡散性のカルボン酸
類は下記一般式(II)で表わされる。
【0067】一般式(A) (R12−COO- n n+12は一般式(A)の化合物に耐拡散性を与えている置
換基を表わし、Mn+は水素イオン、金属イオンまたはア
ンモニウムイオンを表わし、nは1〜4の整数を表わ
す。
【0068】一般式(A)の化合物に耐拡散性を付与す
るR12で表わされる基は、総炭素数8から40、好まし
くは12から32で、直鎖ないし分岐鎖のアルキル基
(例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、
iso−ブチル、n−ペンチル、n−ヘプチル、n−ノ
ニル、n−ウンデシル、n−トリデシル)、アルケニル
基(例えばアリル、デセニル、ドデセニル、オレイ
ル)、シクロアルキル基(例えばシクロプロピル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル)、アルキ
ニル基(例えばプロパルギル)、アラルキル基(例えば
ベンジル、フェネチル)、シクロアルケニル基(例えば
シクロペンテニル、シクロヘキセニル)、アリール基
(例えばフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル)また
は複素環基(すなわちヘテロ原子として窒素原子、酸素
原子またはイオウ原子のうち少なくとも1個の原子を環
の構成要素とする5ないし7員環の単環または縮合環の
複素環基で、例えば2−ピリジル、4−ピリジル、2−
キノリル、2−フリル基、2−チエニル、4−ピラゾリ
ル、4−イミダゾリル)を表わし、これらは総炭素数が
8から40の範囲になるように置換されており、置換基
の数は1個でも複数個でもよい。(ただしこれらの基の
うち炭素数が8以上のものは置換されていなくてもよ
い。)これらの基への置換基の例として、ハロゲン原子
(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ
基、スルホ基、メルカプト基、アルコキシ基(例えばメ
トキシ、エトキシ、ドデシルオキシ)、アリールオキシ
基(例えばフェノキシ、2,4−ジ−tert−ペンチルフ
ェノキシ、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキ
シ、3−ペンタデシルフェノキシ、2−クロロ−4−te
rt−ペンチルフェノキシ、2−シアノフェノキシ、4−
tert−オクチルフェノキシ、4−ドデシルオキシフェノ
キシ)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチ
オ、ドデシルチオ)、アリールチオ基(例えばフェニル
チオ、4−ドデシルフェニルチオ、4−オクチルオキシ
フェニルチオ)、アルキルスルホニル基(メチルスルホ
ニル、ベンジルスルホニル、ドデシルスルホニル)、ア
リールスルホニル基(例えばフェニルスルホニル、p−
トリルスルホニル、4−ドデシルフェニルスルホニル、
4−ドデシルオキシフェニルスルホニル)、カルボンア
ミド基(例えばアセトアミド、ベンズアミド、N−フェ
ニルアセトアミド、テトラデカンアミド)、スルホンア
ミド基(例えばメチルスルホンアミド、フェニルスルホ
ンアミド、p−トリルスルホンアミド、ヘキサデシルス
ルホンアミド)、アミノ基(例えばアミノ、ジメチル、
ピロリジノ、ピペリジノ、ドデシルアミノ、アニリ
ノ)、カルバモイル基(例えばカルバモイル、N,N−
ジメチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル)、
アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、
エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ドデ
シルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基
(例えばフェノキシカルボニル、p−tert−ブチルフェ
ノキシカルボニル)、アシルオキシ基(例えばアセトキ
シ)、スルファモイル基(例えばスルファモイル、ジメ
チルスルファモイル、ジヘキシルスルファモイル)、ア
シル基(例えばアセチル、ベンゾイル)、イミド基(例
えばコハク酸イミド)、ウレイド基(例えば3,3−ジ
メチルウレイド)、アルコキシカルボニルアミノ基(例
えばエトキシカルボニルアミノ)、アリール基(例えば
フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、α−ナ
フチル、β−ナフチル)及び複素環基(例えば1−イミ
ダゾリル、1−ピラゾリル、2−ピリジル、4−ピリジ
ル、2−キノリル、2−フリル、2−チエニル、1−ベ
ンゾトリアゾリル、フタルイミド)等がある。
【0069】R12 がアリール基、複素環基またはアラ
ルキル基のときこれらの基への置換基としては前記置換
基群の他にアルキル基(例えばメチル、エチル、iso
−プロピル、tert−ブチル、tert−ペンチル、tert−ヘ
キシル、1,1,3,3−テトラメチルブチル)、アル
ケニル基(例えばアリル、ヘキセニル、オレイル)、ア
ルキニル基(例えばプロパルギル)及びシクロアルキル
基(例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル)を例として挙げることができる。
【0070】一般式(II)で表わされる化合物のR12
しては、置換フェノキシ基で置換されたアルキル基また
はカルボンアミド基もしくはアルコキシ基で置換された
アリール基が好ましい。Mn+は周期表の第I族のイオン
(たとえばH+ 、Na+ 、K+ 、Cs+ )、第II族のイ
オン(たとえばMg2+、Ca2+、Ba2+)、第VIII族の
イオン(たとえばFe2+、Fe3+、Co2+、Co3+、N
2+)、およびアンモニウムイオン(R13)(R14)
(R15)(R16) N+ として表わされる)から選ぶことが
できるが、好ましくは周期表の第I族のイオン、第II族
のイオン、およびアンモニウムイオンである。特に好ま
しくはH+ 、Na+ 、K+ 、およびNH4 + であり、最
も好ましいのはH+ である。
【0071】ここでR13、R14、R15、R16は水素原
子、アルキル基(たとえばメチル基、エチル基、t−ブ
チル基など)、置換アルキル基、アラルキル基(たとえ
ばベンジル、フェネチル)、置換アラルキル基、アリー
ル基(たとえばフェニル、ナフチル)および置換アリー
ル基を表わし、R13からR16までの炭素数は20を越え
ることはなく、またR13からR16の間で環を形成してい
てもよく、また同じでも異なってもよい。ここでアルキ
ル基、アラルキル基、アリール基の置換基としては、ニ
トロ基、水酸基、シアノ基、スルホ基、アルコキシ基
(たとえばメトキシ)、アリールオキシ基(たとえばフ
ェノキシ)、アシルオキシ基(たとえばアセトキシ)、
カルボンアミド基(たとえばアセトアミド)、スルホン
アミド基(たとえばメチルスルホンアミド)、スルファ
モイル基(たとえばメチルスルファモイル)、ハロゲン
原子(たとえばフッ素、塩素、臭素)、カルボキシ基、
カルバモイル基(たとえばメチルカルバモイル)、アル
コキシカルボニル基(たとえばメトキシカルボニル)、
スルホニル基(たとえばメチルスルホニル)が挙げられ
る。この置換基が2つ以上あるときは同じでも異なって
もよい。
【0072】次に一般式(A)で表わされる化合物のう
ち好ましい具体例を示すがこれらに限定するものではな
い。
【0073】
【化34】
【0074】
【化35】
【0075】
【化36】
【0076】
【化37】
【0077】
【化38】
【0078】
【化39】
【0079】
【化40】
【0080】本発明のこれら非発色性で耐拡散性のカル
ボン酸類を、本発明の前記一般式(Ia)または(I
b)で表わされるシアンカプラー、後述する一般式(1)
または(2) で表わされる化合物と使用することにより、
前記シアンカプラーが有する高い発色性、シアン色素像
の改良された分光吸収特性、色像堅牢性を保存し、後述
するDIR化合物の画質、色像堅牢性、感光材料の経時
保存性改良効果を示すと共に、特に感光材料の経時保存
性をさらに改良するという優れた効果を示すものであ
る。
【0081】本発明の非発色性で耐拡散性のカルボン酸
類は感光材料を構成するいかなる層にも使用することが
できるが、一般式(Ia)または(Ib)で表わされる
シアンカプラー及び一般式(1) または(2) で表わされる
化合物を含有する層に用いることが好ましい。これらは
個々に分散された分散物が同一層内に共存してもよい
が、カルボン酸類と前記シアンカプラー、後述するDI
R化合物が混合された状態で分散された分散物として赤
感性乳剤層に使用することが最も好ましい。
【0082】本発明の非発色性で耐拡散のカルボン酸類
の使用量は、1層当り1×10-4〜0.5g/m2の範囲
である。好ましくは5×10-4〜0.3g/m2であり、
より好ましくは1×10-3〜0.1g/m2、さらに好ま
しくは2×10-3〜5×10-2g/m2の範囲である。本
発明のカルボン酸類は同一層に含有する上記本発明のシ
アンカプラーに対しては重量比で1×10-3〜10倍の
範囲であり、好ましくは5×10-3〜2倍、より好まし
くは1×10-2〜1の重量比の範囲である。本発明のカ
ルボン酸類は同一化合物を2層以上に使用することがで
きるし、2種以上を併用することもできる。さらに後述
する従来の公知の高沸点有機溶媒及び/または低沸点有
機溶媒と使用することができる。
【0083】次に一般式(1) および一般式(2) で示され
る化合物について詳しく述べる。
【0084】一般式(1) においてAは詳しくはカプラー
残基または酸化還元基を表わす。
【0085】Aで表わされるカプラー残基としては、例
えばイエローカプラー残基(例えばアシルアセトアニリ
ド、マロンジアニリドなどの開鎖ケトメチレン型カプラ
ー残基)、マゼンタカプラー残基(例えば5−ピラゾロ
ン型、ピラゾロトリアゾール型またはイミダゾピラゾー
ル型などのカプラー残基)、シアンカプラー残基(例え
ばフェノール型、ナフトール型、ヨーロッパ公開特許第
249,453号に記載のイミダゾール型または同30
4,001号に記載のピラゾロピリミジン型などのカプ
ラー残基)および無呈色カプラー残基(例えばインダノ
ン型またはアセトフェノン型などのカプラー残基)が挙
げられる。また、米国特許第4,315,070号、同
4,183,752号、同4,174,969号、同
3,961,959号、同5,171,223号または
特開昭52−82423号に記載のヘテロ環型のカプラ
ー残基であってもよい。
【0086】Aが酸化還元基を表わすとき、酸化還元基
とは、現像主薬酸化体によりクロス酸化されうる基であ
り、例えばハイドロキノン類、カテコール類、ピロガロ
ール類、1,4−ナフトハイドロキノン類、1,2−ナ
フトハイドロキノン類、スルホンアミドフェノール類、
ヒドラジド類またはスルホンアミドナフトール類が挙げ
られる。これらの基は具体的には例えば特開昭61−2
30135号、同62−251746号、同61−27
8852号、米国特許第3,364,022号、同3,
379,529号、同3,639,417号、同4,6
84,604号またはJ.Org.Chem.,29,588(1
964)に記載されているものである。
【0087】一般式(1) において、L1 は好ましくは以
下のものが挙げられる。 (1) ヘミアセタールの開裂反応を利用する基 例えば米国特許第4,146,396号、特開昭60−
249148号および同60−249149号に記載が
あり下記一般式で表わされる基である。ここで*印は一
般式(I) で表わされる化合物のAまたはL1 と結合する
位置を表わし、**印はL1 またはL2 と結合する位置
を表わす。 一般式(T−1) *−(W−CR11(R12) )t −** 式中、Wは酸素原子、イオウ原子または−NR13−基を
表わし、R11およびR 12は水素原子または置換基を表わ
し、R13は置換基を表わし、tは1または2を表わす。
tが2のとき、2つの−W−CR11(R12) −は同じも
のもしくは異なるものを表わす。R11およびR12が置換
基を表わすときおよびR13の代表的な例は各々R15基、
15CO−基、R15SO2 −基、R15(R16) NCO−
基またはR15(R16) NSO2 −基が挙げられる。ここ
でR15は脂肪族基、芳香族基または複素環基を表わし、
16は水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を
表わす。R11、R12及びR13の各々が2価基を表わし、
連結し、環状構造を形成する場合も包含される。一般式
(T−1)で表わされる基の具体的例としては下記「化
41」ないし「化43」で表されるような基が挙げられ
る。
【0088】
【化41】
【0089】
【化42】
【0090】
【化43】
【0091】(2) 分子内求核置換反応を利用して開裂反
応を起こさせる基 例えば米国特許第4,248,292号に記載のあるタ
イミング基が挙げられる。下記一般式で表わすことがで
きる。 一般式(T−2) *−Nu−Link−E−** 式中、Nuは求核基を表わし、酸素原子またはイオウ原
子が求核種の例であり、Eは求電子基を表わし、Nuよ
り求核攻撃を受けて**印との結合を開裂できる基であ
りLinkはNuとEとが分子内求核置換反応すること
ができるように立体的に関係づける連結基を表わす。一
般式(T−2)で表わされる基の具体例としては例えば
下記「化44」および「化45」で表わされるものであ
る。
【0092】
【化44】
【0093】
【化45】
【0094】(3) 共役系に沿った電子移動反応を利用し
て開裂反応を起こさせる基 例えば米国特許第4,409,323号、同第4,42
1,845号、特開昭57−188035号、同58−
98728号、同58−209736号、同58−20
9737号、同58−209738号等に記載があり、
下記「化46」で示される一般式(T−3)で表わされ
る基である。
【0095】
【化46】
【0096】式中、*印、**印、W、R11、R12およ
びtは(T−1)について説明したのと同じ意味を表わ
す。ただし、R11とR12とが結合してベンゼン環または
複素環の構成要素となってもよい。また、R11もしくは
12とWとが結合してベンゼン環または複素環を形成し
てもよい。また、Z1 とZ2 はそれぞれ独立に炭素原子
または窒素原子を表わし、xとyは0または1を表わ
す。Z1 が炭素原子のときxは1であり、Z1 が窒素原
子のときxは0である。Z2 とyとの関係もZ1とxと
の関係と同じである。また、tは1または2を表わし、
tが2のとき2つの−[Z1 (R11) x =Z2 (R12)
y ]−は同じでも異なっていてもよい。また**印に隣
接する−CH2 −基は炭素数1ないし6のアルキル基ま
たはフェニル基で置換されても良い。
【0097】下記「化47」ないし「化50」に(T−
3)の具体例を挙げる。
【0098】
【化47】
【0099】
【化48】
【0100】
【化49】
【0101】
【化50】
【0102】(4) エステルの加水分解による開裂反応を
利用する基 例えば西独公開特許第2,626,315号に記載のあ
る連結基であり以下の基が挙げられる。式中*印および
**印は一般式(T−1)について説明したのと同じ意
味である。 一般式(T−4) *−OCO−** 一般式(T−5) *−SCS−** (5) イミノケタールの開裂反応を利用する基 例えば米国特許第4,546,073号に記載のある連
結基であり、下記「化51」で表わされる一般式(T−
6)で表わされる基である。
【0103】
【化51】
【0104】式中、*印、**印およびWは一般式(T
−1)において説明したのと同じ意味であり、R14はR
13と同じ意味を表わす。一般式(T−6)で表わされる
基の具体的例としては下記「化52」で表わされる基が
挙げられる。
【0105】
【化52】
【0106】一般式(1) において、L1 として好ましく
は(T−1)〜(T−5)で示されるものであり、特に
好ましくは(T−1)(T−3)および(T−4)であ
る。
【0107】一般式(1) において、jは好ましくは0ま
たは1である。
【0108】一般式(1) において、L2 で示される基は
3価以上のタイミング基を表わし、好ましくは次の一般
式(T−L1 )もしくは(T−L2 )で表わされるもの
である。 一般式(T−L1 ) *−W−[Z1 (R11x =Z2 (R12y t −CH
2 −** 式中W、Z1 、Z2 、R11、R12、x、yおよびtは一
般式(T−3)について説明したのと同じ意味を表わ
す。また*印は一般式(1) 中のA−(L1)j −と結合す
る位置を、**印は−(L3)n −PUGと結合する位置
を表わす。ただし複数個存在するR11またはR12のうち
の少なくとも1つは置換もしくは無置換のメチレン基で
−(L3)n −PUGと結合する基を表わす。
【0109】一般式(T−L1 )として好ましくはWが
窒素原子を表わす場合であり、さらに好ましくはWとZ
2 が結合して5員環を形成する場合であり、特に好まし
くはイミダゾール、もしくはピラゾール環を形成する場
合である。 一般式(T−L2 ) *−N−(Z3 −**)2 式中*印と**印は一般式(T−L1 )と同義である。
3 基は置換基もしくは無置換のメチレン基を表わし、
2つのZ3 基は同じであっても異なっていても良い。ま
た2つのZ3 基が結合して環を形成しても良い。
【0110】下記「化53」ないし「化59」に一般式
(T−L1 )および(T−L2 )の具体例を挙げるが本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0111】
【化53】
【0112】
【化54】
【0113】
【化55】
【0114】
【化56】
【0115】
【化57】
【0116】
【化58】
【0117】
【化59】
【0118】但し、ここで具体例に挙げた基はさらに置
換基を有していてもよく、そのような置換基としては例
えばアルキル基(例えばメチル、エチル、イソプロピ
ル、t−ブチル、ヘキシル、メトキシメチル、メトキシ
エチル、クロロエチル、シアノエチル、ニトロエチル、
ヒドロキシプロピル、カルボキシエチル、ジメチルアミ
ノエチル、ベンジル、フェネチル)、アリール基(例え
ばフェニル、ナフチル、4−ヒドロキシフェニル、4−
シアノフェニル、4−ニトロフェニル、2−メトキシフ
ェニル、2,6−ジメチルフェニル、4−カルボキシフ
ェニル、4−スルホフェニル)、ヘテロ環基(例えば2
−ピリジル、4−ピリジル、2−フリル、2−チエニ
ル、2−ピロリル)、ハロゲン原子(例えばクロロ、ブ
ロモ)、ニトロ基、アルコキシ基(例えばメトキシ、エ
トキシ、イソプロポキシ)、アリールオキシ基(フェノ
キシ)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、イソプロ
ピルチオ、t−ブチルチオ)、アリールチオ基(例えば
フェニルチオ)、アミノ基(例えばアミノ、ジメチルア
ミノ、ジイソプロピルアミノ)、アシルアミノ基(例え
ばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、スルホンアミ
ド基(例えばメタンスルホンアミド、ベンゼンスルホン
アミド)、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカル
ボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル)、アリールオキシカルボニル(例えばフェノキシ
カルボニル)もしくはカルバモイル基(例えばN−エチ
ルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)が挙げら
れる。
【0119】中でも好ましくはアルキル基、ニトロ基、
アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、アシルアミ
ノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、お
よびカルバモイル基である。
【0120】また一般式(T−L1 )で**印に隣接す
る−CH2 −基は炭素数1ないし6のアルキル基または
フェニル基で置換されていても良い。
【0121】一般式(1) においてmは好ましくは1であ
る。
【0122】式(1) においてL3 で表わされる基はL1
と同義である。
【0123】一般式(1) においてnは好ましくは0また
は1であり、特に好ましくは0である。
【0124】式(1) においてPUGで表わされる写真性
有用基は詳しくは現像抑制剤、色素、カブラセ剤、現像
薬、カプラー、漂白促進剤、定着促進剤などである。好
ましい写真性有用基の例は米国特許第4,248,96
2号に記載のある写真性有用基(該特許中、一般式PU
Gで表わされるもの)、特開昭62−49353号に記
載のある色素(該明細書中、カプラーより放出される離
脱基の部分)、米国特許第4,477,563号に記載
のある現像抑制剤、および特開昭61−201247お
よび特開平2−55号等に記載のある漂白促進剤(該明
細書中、カプラーより放出される離脱基の部分)が挙げ
られる。本発明において、写真性有用基として特に好ま
しいものは現像抑制剤である。
【0125】現像抑制剤として好ましくは下記「化6
0」ないし「化65」に示す一般式(INH−1)〜
(INH−13)で表わされる基である。
【0126】
【化60】
【0127】
【化61】
【0128】
【化62】
【0129】一般式(INH−6)中R21は水素原子ま
たは、置換もしくは無置換の炭化水素基(例えばメチ
ル、エチル、プロピル、フェニル)を表わす。
【0130】
【化63】
【0131】
【化64】
【0132】
【化65】
【0133】式中*は一般式(1) で表わされる化合物の
2 もしくはL3 で表わされる基と結合する位置を表わ
す。
【0134】また**は置換基と結合する位置を表わ
し、置換基としては置換もしくは無置換のアルキル基、
アリール基、ヘテロ環基、アルキルチオ基、アルキルま
たはアリールオキシカルボニル基等が挙げられ、写真処
理時に処理液中で分解する基がこれら置換基中に含まれ
ていることが好ましい。
【0135】具体的に置換または無置換のアルキル基と
しては例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキ
シル、デシル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘ
キシル、2−メチルチオエチル、ベンジル、4−メトキ
シベンジル、フェネチル、1−メトキシカルボニルエチ
ル、プロピルオキシカルボニルメチル、2−(プロピル
オキシカルボニル)エチル、ブチルオキシカルボニルメ
チル、ペンチルオキシカルボニルメチル、2−シアノエ
チルオキシカルボニルメチル、2,2−ジクロロエチル
オキシカルボニルメチル、3−ニトロプロピルオキシカ
ルボニルメチル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル
メチル、2,5−ジオキソ−3,6−ジオキサデシルで
表わされる基等が挙げられる。
【0136】置換もしくは無置換のアリール基としては
例えばフェニル、ナフチル、4−メトキシカルボニルフ
ェニル、4−エトキシカルボニルフェニル、2−メチル
チオフェニル、3−メトキシカルボニルフェニル、4−
(2−シアノエチルオキシカルボニル)−フェニル等が
挙げられる。
【0137】置換もしくは無置換のヘテロ環基としては
4−ピリジル、3−ピリジル、2−ピリジル、2−フリ
ル、2−テトラヒドロピラニル、等が挙げられる。置換
もしくは無置換のアルキルチオ基としてはメチルチオ、
t−ブチルチオ、1−メトキシカルボニルエチルチオ等
が挙げられる。置換もしくは無置換のアルキルまたはア
リールオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニ
ル、ブトキシカルボニルメトキシカルボニル、イソペン
チルオキシカルボニルメトキシカルボニル、N−ヘキシ
ルカルバモイルメトキシカルボニル、フェノキシカルボ
ニル等が挙げられる。
【0138】これらの中でINH(現像抑制剤)として
好ましくは一般式(INH−1)、(INH−2)、
(INH−3)、(INH−4)、(INH−9)およ
び(INH−12)であり、特に好ましくは(INH−
1)、(INH−2)および(INH−3)である。
【0139】またINHと結合する置換基として好まし
くはアルキル基または置換もしくは無置換のフェニル基
またはアルキルもしくはアリールオキシカルボニル基で
ある。
【0140】一般式(1) で表わされる化合物として特に
好ましくは以下一般式(1a)もしくは(1b)で表わ
される化合物である。
【0141】一般式(1a) A(L1)j − W−[Z 1(R11)x =Z2(R12) y t −CH2 −P
UG 一般式(1b) A−L1−N −(Z3 −PUG)2 式中の記号は一般式(1)、(T−L1 )および(T−L
2 )と同義である。一般式(1a)においてjは0また
は1が好ましい。一般式(1a)および(1b)におい
てL1 としては−OC(=O)−基が好ましく、またP
UGとしては現像抑制剤が好ましい。
【0142】但し複数の写真性有用基が異なる機能のも
のである場合、タイミング基は分子内求核置換を利用す
るものではない。
【0143】またここで写真性有用基の機能とは現像抑
制剤、色素、カブラセ剤、現像薬、カプラー、漂白促進
剤、もしくは定着剤等が示す機能を意味する。
【0144】さらに、同一化合物中から放出されるふた
つ以上のPUGは同一現像抑制剤であることが特に好ま
しい。
【0145】次に一般式(2) で表わされる化合物につい
て説明する。一般式(2) においてAとPUGは一般式
(2) と同義である。L4 は−OCO−基、−OSO−
基、−OSO2 −基、−OCS−基、−SCO−基、−
SCS−基または−WCR1112基を表わす。ここで
W、R11およびR12は一般式(1) で表わされる化合物の
1の説明における一般式(T−1)中の定義と同義で
ある。
【0146】L4 が−WCR1112−基を表わすときの
好ましい例としてはWが酸素原子または3級アミノ基を
表わすときであり、さらに好ましくはL4 が−OCH2
−基またはWとR11もしくはR12が環を形成する基を表
わす場合である。
【0147】またL4 が−WCR1112−以外の基を表
わす場合好ましくは−OCO−基、−OSO−基、−O
SO2 −基であり、特に好ましくは−OCO−基であ
る。
【0148】L5 で表わされる基は、共役系に沿った電
子移動でPUGを放出する基もしくはL4 で定義される
基を表わす。共役系に沿った電子移動でPUGを放出す
る基は一般式(1) のL1 の説明の中の一般式(T−3)
で表わされる基と同義である。L5 として好ましくは共
役系に沿った電子移動によりPUGを放出する基であ
り、さらに好ましくは窒素原子でL4 と結合しうる基で
ある。
【0149】一般式(2) で表わされる化合物のうち好ま
しいものは下記「化66」で示される一般式(3) もしく
は下記「化67」で示される一般式(4) で表わされる化
合物である。
【0150】
【化66】
【0151】式中Aは一般式(1) と同義である。R101
とR102 はそれぞれ独立に水素原子もしくは置換基を表
わす。R103 とR104 はそれぞれ独立に水素原子もしく
は置換基を表わす。INHは現像抑制能を有する基を表
わす。R105 は無置換のフェニル基、1級アルキル基、
アルキルチオ基、アリール基以外の基で置換された1級
アルキル基または−CO2 C(R101)(R108)CO2
106 で表わされる基をを表わす。但しR101 〜R104
うち少なくとも1つは水素原子以外の置換基である。
【0152】
【化67】
【0153】一般式(4) においてA、INH、およびR
105 は一般式(3) と同義である。
【0154】R111 、R112 およびR113 はそれぞれ水
素原子もしくは有機残基を表わし、R111 、R112 およ
びR113 の任意の2つが2価基となって連結し環を形成
しても良い。
【0155】一般式(3) で表わされる化合物について更
に詳しく説明する。
【0156】一般式(3)においてAは一般式(1) と同義
である。R101 およびR102 はそれぞれ独立に水素原子
もしくは置換基を表わす。置換基として具体的には例え
ばアリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−メトキ
シフェニル、p−ヒドロキシフェニル、p−ニトロフェ
ニル、o−クロロフェニル)、アルキル基(例えばメチ
ル、エチル、イソプロピル、プロピル、tert−ブチル、
tert−アミル、イソブチル、sec −ブチル、オクチル、
メトキシメチル、1−メトキシエチル、2−クロロエチ
ル、ニトロメチル、2−シアノエチル、2−カルバモイ
ルエチル、2−ジメチルカルバモイルエチル)、ハロゲ
ン原子(例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、
アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、イソプロピ
ルオキシ、プロピルオキシ、tert−ブチルオキシ、イソ
ブチルオキシ、ブチルオキシ、オクチルオキシ、2−メ
トキシエトキシ、2−クロロエトキシ)、アリールオキ
シ基(例えばフェノキシ、ナフトキシ、またはp−メト
キシフェノキシ)、アルキルチオ基(例えばメチルチ
オ、エチルチオ、イソプロピルチオ、プロピルチオ、te
rt−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec −ブチルチオ、
オクチルチオまたは2−メトキシエチルチオ)アリール
チオ基(例えばフェニルチオ、ナフチルチオ、またはp
−メトキシフェニルチオ)、アミノ基(例えばアミノ、
メチルアミノ、フェニルアミノ、ジメチルアミノ、ジエ
チルアミノ、ジイソプロピルアミノ、またはフェニルメ
チルアミノ)、カルバモイル基(例えばカルバモイル、
メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチル
カルバモイル、ジイソプロピルカルバモイル、エチルカ
ルバモイル、イソプロピルカルバモイル、tert−ブチル
カルバモイル、フェニルカルバモイルまたはフェニルメ
チルカルバモイルなど)、スルファモイル基(例えばス
ルファモイル、メチルスルファモイル、エチルスルファ
モイル、イソプロピルスルファモイル、フェニルスルフ
ァモイル、オクチルスルファモイル、ジメチルスルファ
モイル、ジエチルスルファモイル、ジイソプロピルスル
ファモイル、ジヘキシルスルファモイル、またはフェニ
ルメチルスルファモイル)、アルコキシカルボニル(例
えばメトキシカルボニル、プロピルオキシカルボニル、
イソプロピルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカ
ルボニル、tert−アミルオキシカルボニル、またはオク
チルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル
(例えばフェノキシカルボニルまたはp−メトキシフェ
ノキシカルボニル)、アシルアミノ基(例えばアセチル
アミノ、プロパノイルアミノ、ペンタノイルアミノ、N
−メチルアセチルアミノ、またはベンゾイルアミノ)、
スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド、エタ
ンスルホンアミド、ペンタンスルホンアミド、ベンゼン
スルホンアミドまたはp−トルエンスルホンアミド)、
アルコキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシカルボ
ニルアミノ、イソプロピルオキシカルボニルアミノ、te
rt−ブトキシカルボニルアミノまたはヘキシルオキシカ
ルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基
(例えばフェノキシカルボニルアミノ)、ウレイド基
(例えば3−メチルウレイド、または3−フェニルウレ
イド)、シアノ基もしくはニトロ基などが挙げられる。
【0157】R101 とR102 は同じでも異なっていても
良いが、両者の式量の和が120未満であることが好ま
しい。また好ましい置換基としてアルキル基、ハロゲン
原子、アルコキシ基が挙げられ、好ましくはアルキル基
である。
【0158】一般式(3) においてR103 とR104 で表わ
される基はそれぞれ独立に水素原子もしくはアルキル基
を表わす。アルキル基としては例えばメチル、エチル、
イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ヘキシル、
または2−メトキシエチルが挙げられる。R103 および
104 として好ましくは水素原子、メチル基、もしくは
エチル基であり、特に好ましくは水素原子である。
【0159】一般式(3) においてR105 で表わされる基
は無置換のフェニル基もしくは1級アルキル基、アルキ
ルチオ基、アリール基以外の基で置換された1級アルキ
ル基または−CO2 C(R107 )(R108 )CO2
106 で表わされる基を表わす。アルキル基としては例え
ばエチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、
イソペンチル、2−メチルブチル、ヘキシル、2−メチ
ルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチ
ル、2−エチルブチル、ヘプチル、またはオクチルなど
が挙げられる。置換基としては、ハロゲン原子、アルコ
キシ基、アルキルチオ基、アミノ基、カルバモイル基、
スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、アシルア
ミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニルアミ
ノ基、ウレイド基、シアノ基もしくはニトロ基が挙げら
れ、それぞれの基の具体例としてはR101 およびR102
の置換基で挙げられたものの中でアリール基を含む基を
除いたものなどが挙げられる。
【0160】またR106 は炭素数3ないし6の無置換ア
ルキル基(例えばプロピル、ブチル、イソブチル、ペン
チル、イソペンチル、ヘキシル)を表わす。R107 、R
108は水素原子、炭素数1ないし8の無置換のアルキル
基(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル)を表わし、R
107 、R108 は同じであっても異なっていてもよい。
【0161】さらにR105 は2種以上の置換基で置換さ
れていてもよい。R105 の置換基として好ましくはフル
オロ、クロロ、アルコキシ基、カルバモイル基、アルコ
キシカルボニル基、シアノ基もしくはニトロ基である。
これらのうちで特に好ましくはアルコキシカルボニル基
である。
【0162】またR105 として好ましくはフェニル基、
もしくは炭素数2ないし6の1級無置換アルキル基、−
CO2 C(R107 )(R108 )CO2 106 においてR
106が炭素数3ないし6の無置換のアルキル基でしかも
107 、R108 がともに水素原子からなる基または先程
105 の好ましい置換基として挙げた基により置換され
た1級アルキル基である。特に好ましくは炭素数3ない
し5の1級無置換アルキル基またはアルコキシカルボニ
ル基で置換された1級アルキル基である。
【0163】一般式(3) においてINHで表わされる基
は現像抑制剤を有する基を表わし、その具体例は一般式
(1) のPUGの説明で挙げた一般式(INH−1)〜
(INH−13)である。その好ましい範囲等も一般式
(1) と同じである。
【0164】次に一般式(4) で表わされる化合物につい
て詳しく説明する。
【0165】まずR111 、R112 およびR113 それぞれ
が水素原子もしくは1価の有機基を表わす場合について
説明する。
【0166】R112 およびR113 が1価の有機基を表わ
す場合、有機基としてはアルキル基(例えばメチル、エ
チル)もしくはアリール基(例えばフェニル)が好まし
い。R112 およびR113 としては好ましくは少なくとも
いずれかが水素原子である場合であり、特に好ましくは
112 とR113 が水素原子であるときである。
【0167】R111 は有機基を表わし好ましくは以下に
挙げる基である。アルキル基(例えばメチル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec −ブチ
ル、ネオペンチル、ヘキシル)、アリール基(例えばフ
ェニル)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル)、
スルホニル基(例えばメタンスルホニル、ベンゼンスル
ホニル)、カルバモイル基(例えばエチルカルバモイ
ル、フェニルカルバモイル)、スルファモイル基(例え
ばエチルスルファモイル、フェニルスルファモイル)、
アルコキシカルボニル基(例えばエトキシカルボニル、
ブトキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基
(例えばフェノキシカルボニル、4−メチルフェノキシ
カルボニル)、アルコキシスルホニル基(例えばブトキ
シスルホニル、エトキシスルホニル)、アリールオキシ
スルホニル基(例えばフェノキシスルホニル、4−メト
キシフェノキシスルホニル)、シアノ基、ニトロ基、ニ
トロソ基、チオアシル基(例えばチオアセチル、ネオベ
ンゾイル)、チオカルバモイル基(例えばエチルチオカ
ルバモイル)、イミドイル基(例えばN−エチルイミド
イル)、アミノ基(例えばアミノ、ジメチルアミノ、メ
チルアミノ)、アシルアミノ基(例えばホルミルアミ
ノ、アセチルアミノ、N−メチルアセチルアミノ)、ア
ルコキシ基(例えばメトキシ、イソプロピルオキシ)、
またはアリールオキシ基(例えばフェノキシ)である。
【0168】また、これらの基は更に置換基を有してい
てもよく、置換基としてはR111 として挙げた基のほか
ハロゲン原子(例えばフルオロ、クロロ、ブロモ)、カ
ルボキシル基、スルホ基が挙げられる。
【0169】R111 としては水素原子以外の原子の数が
15以下であることが好ましい。
【0170】またR111 として更に好ましくは置換もし
くは無置換のアルキル基もしくはアリール基であり、特
に好ましくは置換もしくは無置換のアルキル基である。
【0171】次にR111 、R112 およびR113 で表わさ
れる基において、これらのうちの任意の2つが2価基と
なって連結し環を形成する場合について説明する。
【0172】形成する環の大きさとしては4ないし8員
環が好ましく、より好ましくは4ないし6員環を形成す
る場合である。
【0173】2価基として好ましくは以下に挙げる基で
ある。
【0174】−C(=O)−N(R114)−、−SO2
N(R114)−、−(CH2)3−、−(CH2)4 −、−
(CH2)5 −、−C(=O)−(CH2)2 −、−C(=
O)−N(R114)−C(=O)−、−SO2 −N(R
114)−C(=O)−、−C(=O)−C(R114)(R
115 )−、−(CH2)2 −O−CH2 −である。
【0175】ここでR114 およびR115 は水素原子もし
くはR111 が1価の有機基を表わす場合と同義であり、
114 とR115 は同じであっても異なっていてもよい。
【0176】R111 、R112 、R113 のうち2価基とし
て参与しない残りの基は水素原子もしくは1価の有機基
を表わし、有機基の具体例等は環を形成しない場合に示
したR111 、R112 、R113 の場合と同じである。
【0177】R111 、R112 、R113 のうちの任意の2
つが結合し環を形成する場合、好ましくはR112 とR
113 のいずれかが水素原子であり、残りのR112 ないし
113がR111 と環を形成する場合であり、更に好まし
くは先ほど挙げた2価基の左端が一般式(4) の窒素原子
と結合し、右端が炭素原子と結合する場合である。
【0178】またR111 、R112 、R113 として好まし
くは環を形成せず、それぞれが水素原子もしくは1価の
有機基を表わず場合である。
【0179】一般式(1) および(2) においてAとPUG
で表わされる基を除いた残基の式量は64以上240以
下であることが好ましく、更に好ましくは70以上20
0以下であり、特に好ましくは90以上180以下であ
る。
【0180】以下に本発明の一般式(1) 〜(4) で表わさ
れる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらによって
限定されるものではない。
【0181】なお、一般式(1) においてAがカプラー残
基を表わすものについては(CA)を頭につけた番号
で、一般式(2) 〜(4) においてAがカプラー残基を表わ
すものについては(CB)を頭につけた番号で、一般式
(1) 〜(4) においてAが酸化還元基を表わすものについ
ては(SA)を頭につけた番号で示した。
【0182】
【化68】
【0183】
【化69】
【0184】
【化70】
【0185】
【化71】
【0186】
【化72】
【0187】
【化73】
【0188】
【化74】
【0189】
【化75】
【0190】
【化76】
【0191】
【化77】
【0192】
【化78】
【0193】
【化79】
【0194】
【化80】
【0195】
【化81】
【0196】
【化82】
【0197】
【化83】
【0198】
【化84】
【0199】
【化85】
【0200】
【化86】
【0201】
【化87】
【0202】
【化88】
【0203】
【化89】
【0204】
【化90】
【0205】
【化91】
【0206】
【化92】
【0207】
【化93】
【0208】
【化94】
【0209】
【化95】
【0210】
【化96】
【0211】
【化97】
【0212】
【化98】
【0213】
【化99】
【0214】
【化100】
【0215】
【化101】
【0216】
【化102】
【0217】本発明の化合物の合成は例えば米国特許第
4,847,383号、同4,770,990号、同
4,684,604号、同4,886,736号、特開
昭60−218645号、同61−230135号、特
願平2−37070号、同2−170832号、および
同2−251192号に記載の方法もしくは類似の方法
を利用することができる。
【0218】以下に具体的合成例について述べる。 (合成例1) 例示化合物(CA−1)の合成 下記「化103」に示す合成ルートにより合成した。
【0219】
【化103】
【0220】上記「化103」で表わされるCA−1a
(3.40g)を塩化チオニル(30ml)中60℃で1
時間反応させた後過剰の塩化チオニルを減圧下留去し
た。この残渣をCA−1b(7.48g)とジイソプロ
ピルエチルアミン(10.5ml)のジメチルホルムアミ
ド溶液(0℃)に加え1時間攪拌した。その後この溶液
を水(500ml)中にあけ生じた結晶を濾取することに
よりCA−1cを粗結晶として9.8g得た。構造はN
MRにより確認した。
【0221】CA−1c(3.20g)とCA−1d
(1.38g)を1,2−ジクロロエタン(30ml)中
で1時間反応させた。そこに、CA−1e(3.20
g)の酢酸エチル(20ml)溶液を水冷下加え、続いて
ジイソプロピルエチルアミン(4.5ml)を加えた後1
時間攪拌した。
【0222】1規定塩酸で反応を止め、クロロホルム
(30ml)を加え反応液を希釈した。その後反応液を水
で3回水洗し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥した。
有機溶媒を留去して得られた油状物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン=1:5)
にて精製することにより例示化合物CA−1を1.20
gを得た。構造はNMRにより確認した。m.p.13
3.0〜134.0℃。 (合成例2) 例示化合物(CA−12)の合成 下記「化104」に示す合成ルートにより合成した。
【0223】
【化104】
【0224】CA−12a(10.7g)と37%ホル
マリン水溶液(30ml)を酢酸(100ml)中70℃で
5時間反応させた後溶媒を減圧下留去した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサ
ン2:1)にて精製することによりCA−12bを6.
4g(収率53%)得た。
【0225】次にCA−12b(3.2g)とCA−1
2c(2.1g)をクロロホルム(40ml)に懸濁さ
せ、そこにヨウ化亜鉛(5.7g)を加え室温で2時間
反応させた。1N塩酸で反応を止めクロロホルム40ml
で希釈した後反応液を水で2回洗浄した。有機層を硫酸
ナトリウムで乾燥、濃縮後得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン1:
4)にて精製することにより例示化合物(CA−12)
を4.1g(収率25%)得た。構造はNMR、マス、
元素分析により確認した。 (合成例3) 例示化合物(CB−2)の合成 下記「化105」で表わされる合成ルートにより合成し
た。
【0226】
【化105】
【0227】CB−2a(10mmol)をクロロホルム
(30ml)に、懸濁させそこに塩化チオニル(20mmo
l)を加え50℃で1時間反応させた後溶媒を留去す
る。ここで得られた残渣をCB−2b(10mmol)とジ
イソプロピルエチルアミン(20mmol)のジメチルホル
ムアミド(30ml)溶液に加え1時間反応させた後氷水
(200ml)中にあける。クロロホルム50mlを加え攪
拌した後水相を分離し、有機層を水(100ml)で更に
2回洗浄した後硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮することに
よりCB−2cを得た。
【0228】得られたCB−2cをクロロホルム(30
ml)に溶かし、そこにクロロ炭酸ニトロフェニル(10
mmol)を加え1時間反応させた後CB−2b(10mmo
l)の酢酸エチル(50ml)溶液を加え、更にジイソプ
ロピルエチルアミン(50mmol)を加えた後1時間反応
させる。1N塩酸(10ml)を加え反応を止めた後酢酸
エチル(10ml)で希釈する。有機層を水で洗浄後硫酸
ナトリウムで乾燥、濃縮する。得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル−ヘ
キサン1:3)にて精製することにより例示化合物CB
−2を1.94g(収率23%収率)得る。m.p.1
01.5〜102.5℃。 (合成例4) 例示化合物(CB−3)の合成 下記「化106」で表わされる合成ルートにて合成し
た。
【0229】
【化106】
【0230】(CB−3a)を原料として例示化合物C
B−2と同様の方法により合成することができる。収率
31%。m.p.68.0〜69.0℃。 (合成例5) 例示化合物(CB−11)の合成 下記「化107」で表わされる合成ルートにて合成し
た。
【0231】
【化107】
【0232】(CB−11a)200gと(CB−11
b)34.7gを酢酸エチル(500ml)に溶解し、そ
こにジイソプロピルエチルアミン(142ml)を加え4
時間攪拌した。析出した結晶を濾取し酢酸エチルで洗浄
することにより(CB−11c)を176g(75%)
得た。
【0233】(CB−11c)53.6gとパラホルム
アルデヒド(27.9g)を1,2−ジクロロエタン
(500ml)と酢酸(54ml)の混合液中還流下4時間
反応させた。室温に冷却後反応液を水洗し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後濃縮した。得られた残渣をクロロホル
ムを溶出液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製することにより(CB−11d)を23.2
g(41.2%)得た。
【0234】(CB−11d)23.2gと(CB−1
1e)6.78gをクロロホルム(250ml)に溶解
し、そこに沃化亜鉛26.88gを加え3時間攪拌し
た。1N塩酸を加えた後反応液を水洗した。有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後、得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサ
ン1:4)にて精製することにより例示化合物(CB−
11)を7.0g得た(23.9%)。m.p.11
7.0〜118.5℃。 (合成例6) 例示化合物(CB−13)の合成 合成例5と同様の方法により合成した。m.p.61.
5〜63.0℃ (合成例7) 例示化合物(CB−19)の合成 特開昭60−218645号の合成例2と同様の方法に
より合成することができる。収率7%。m.p.115
℃。 (合成例8) 例示化合物(SA−5)の合成 下記「化108」に表わされる合成ルートにより合成し
た。
【0235】
【化108】
【0236】SA−5a(特開昭61−230135号
に記載の方法と同様の方法にて合成した)の11.6g
を水冷下塩化チオニル30mlに加え50℃で更に1時間
反応させた。過剰の塩化チオニルを減圧下留去し析出し
た結晶を少量の氷冷したクロロホルムで洗浄することに
よりSA−5bを粗結晶として得た。次にSA−5b1
3.1gをSA−5c 7.2gとトリエチルアミン1
2.1gのN,N,−ジメチルホルムアミド(100m
l)溶液に0℃で加え、その後室温で1時間さらに反応
させた。
【0237】2N塩酸60mlと氷水300mlの水溶液に
反応混合物をあけ、更に酢酸エチル300mlを加え攪拌
した。その液を分液ロートに移し油層をとり、水で数回
洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製
(酢酸エチル−ヘキサン=1/4〜1/1(v/v)を溶出
液として用いた)することにより例示化合物SA−5を
アモルファスとして3.7g得た。
【0238】本発明の一般式(1) または(2) で表わされ
る化合物は感光材料中のいかなる層に添加してもよい
が、感光性乳剤層および/またはその隣接層に添加する
ことが好ましく、赤感光性乳剤層および/または緑感光
性乳剤層に添加することが特に好ましい。同一の感色性
層が感度の異なる2層以上に分かれている場合には、最
高感度層、最低感度層および中間感度層のいずれの層に
添加してもよい。
【0239】またその感光材料中への総添加量は0.0
01〜1.0g/m2であり、好ましくは0.010〜
0.5g/m2、より好ましくは0.020〜0.40g
/m2、更に好ましくは0.030〜0.30g/m2であ
る。
【0240】一般式(1) と一般式(2) の化合物を併用す
る場合、その混合割合は任意に選ぶことができ、特にそ
の制限はない。また、一般式(1) または一般式(2) の化
合物と本発明以外の現像抑制剤放出型化合物を目的に応
じて併用することもできる。
【0241】本発明の一般式(1) または一般式(2) で表
わされる化合物は、本発明の前記一般式(Ia)及び
(Ib)で表わされるシアンカプラーと用いることによ
り画質、特に鮮鋭性、色再現性の改良にその効果を発現
するとともに、色像堅牢性、感光材料の経時保存性をも
改良する。さらに、本発明の非発色性で耐拡散性のカル
ボン酸と併せて使用することにより、上記諸性能をさら
に改良することができ、カラー現像処理、特に酸化力の
低下した漂白液を用いたときの発色濃度低下を防止する
効果を示す。
【0242】本発明の感光材料は、支持体上に青感色性
層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少
なくとも1層が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳
剤層および非感光性層の層数および層順に特に制限はな
い。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性
は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤
層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化
銀写真感光材料であり、該感光性層は青色光、緑色光、
および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層で
あり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料において
は、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤
感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。し
かし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同
一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順
をもとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間および
最上層、最下層には各種の中間層等の非感光性層を設け
てもよい。該中間層には、特開昭61-43748号、同59-113
438 号、同59-113440 号、同61-20037号、同61-20038号
明細書に記載されるようなカプラー、DIR化合物等が
含まれていてもよく、通常用いられるように混色防止剤
を含んでいてもよい。各単位感光性層を構成する複数の
ハロゲン化銀乳剤層は、西独特許第 1,121,470号あるい
は英国特許第923,045 号に記載されるように高感度乳剤
層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いることがで
きる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低くなる
様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤層の間
には非感光性層が設けられていてもよい。また、特開昭
57-112751 号、同62- 200350号、同62-206541 号、62-2
06543 号等に記載されているように支持体より離れた側
に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置
してもよい。具体例として支持体から最も遠い側から、
低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高
感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL) /高感
度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、ま
たはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/
GL/RL/RHの順等に設置することができる。また特公昭
55-34932 号公報に記載されているように、支持体から
最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列
することもできる。また特開昭56-25738号、同62-63936
号明細書に記載されているように、支持体から最も遠い
側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列すること
もできる。また特公昭49-15495号公報に記載されている
ように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中
層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層
を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配
置し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光度
の異なる3層から構成される配列が挙げられる。このよ
うな感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開
昭59-202464 号明細書に記載されているように、同一感
色性層中において支持体より離れた側から中感度乳剤層
/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよ
い。その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤
層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤
層などの順に配置されていてもよい。 また、4層以上
の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。色再現性を
改良するために、米国特許第4,663,271 号、同第 4,70
5,744号,同第 4,707,436号、特開昭62-160448 号、同6
3- 89850 号の明細書に記載の、BL,GL,RLなどの主感光
層と分光感度分布が異なる重層効果のドナー層(CL) を
主感光層に隣接もしくは近接して配置することが好まし
い。上記のように、それぞれの感光材料の目的に応じて
種々の層構成・配列を選択することができる。
【0243】本発明に用いられる写真感光材料の写真乳
剤層に含有される好ましいハロゲン化銀は約30モル%以
下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もしく
はヨウ塩臭化銀である。特に好ましいのは約2モル%か
ら約10モル%までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしくは
ヨウ塩臭化銀である。写真乳剤中のハロゲン化銀粒子
は、立方体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を
有するもの、球状、板状のような変則的な結晶形を有す
るもの、双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいは
それらの複合形でもよい。ハロゲン化銀の粒径は、約
0.2μm以下の微粒子でも投影面積直径が約10μmに至
るまでの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散
乳剤でもよい。本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳
剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)N
o.17643 (1978年12月), 22〜23頁,“I. 乳剤製造(Emu
lsion preparation and types)”、および同No.18716
(1979年11月), 648 頁、同No.307105(1989年11月),863
〜865 頁、およびグラフキデ著「写真の物理と化
学」,ポールモンテル社刊(P.Glafkides, Chemie et P
hisique Photographique, PaulMontel, 1967)、ダフィ
ン著「写真乳剤化学」,フォーカルプレス社刊(G.F. D
uffin,Photographic Emulsion Chemistry (Focal Pres
s, 1966))、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗
布」、フォーカルプレス社刊(V. L. Zelikman et al.,
Making and Coating Photographic Emulsion, Focal Pr
ess, 1964) などに記載された方法を用いて調製するこ
とができる。
【0244】米国特許第 3,574,628号、同 3,655,394号
および英国特許第 1,413,748号などに記載された単分散
乳剤も好ましい。また、アスペクト比が約3以上である
ような平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子
は、ガトフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アン
ド・エンジニアリング(Gutoff, PhotographicScience
and Engineering )、第14巻 248〜257頁(1970年);
米国特許第 4,434,226号、同 4,414,310号、同 4,433,0
48号、同 4,439,520号および英国特許第 2,112,157号な
どに記載の方法により簡単に調製することができる。結
晶構造は一様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲ
ン組成からなるものでもよく、層状構造をなしていても
よい、また、エピタキシャル接合によって組成の異なる
ハロゲン化銀が接合されていてもよく、また例えばロダ
ン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接合さ
れていてもよい。また種々の結晶形の粒子の混合物を用
いてもよい。上記の乳剤は潜像を主として表面に形成す
る表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも
表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよ
いが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像
型のうち、特開昭 63-264740号に記載のコア/シェル型
内部潜像型乳剤であってもよい。このコア/シェル型内
部潜像型乳剤の調製方法は、特開昭 59-133542号に記載
されている。この乳剤のシェルの厚みは、現像処理等に
よって異なるが、3〜40nmが好ましく、5〜20nmが特に好
ましい。
【0245】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロー
ジャーNo.17643、同No.18716および同No.307105 に記載
されており、その該当箇所を後掲の表にまとめた。本発
明の感光材料には、感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子サイ
ズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、粒子の形状、感度
の少なくとも1つの特性の異なる2種類以上の乳剤を、
同一層中に混合して使用することができる。米国特許第
4,082,553号に記載の粒子表面をかぶらせたハロゲン化
銀粒子、米国特許第 4,626,498号、特開昭 59-214852号
に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロ
イド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/ または実質
的に非感光性の親水性コロイド層に好ましく使用でき
る。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子
とは、感光材料の未露光部および露光部を問わず、一様
に( 非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のこ
とをいう。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化
銀粒子の調製法は、米国特許第 4,626,498号、特開昭 5
9-214852号に記載されている。粒子内部がかぶらされた
コア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核を形成するハ
ロゲン化銀は、同一のハロゲン組成をもつものでも異な
るハロゲン組成をもつものでもよい。粒子内部または表
面をかぶらせたハロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化
銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれをも用いることがで
きる。これらのかぶらされたハロゲン化銀粒子の粒子サ
イズには特別な限定はないが、平均粒子サイズとしては
0.01〜0.75μm、特に0.05〜0.6μmが好ましい。また、
粒子形状については特に限定はなく、規則的な粒子でも
よく、また、多分散乳剤でもよいが、単分散( ハロゲン
化銀粒子の重量または粒子数の少なくとも95%が平均粒
子径の±40%以内の粒子径を有するもの)であることが
好ましい。
【0246】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において実質的に現像されない
ハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされてい
ないほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の
含有率が 0〜 100モル%であり、必要に応じて塩化銀お
よび/または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化
銀を 0.5〜10モル%含有するものである。微粒子ハロゲ
ン化銀は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平均値)
が0.01〜0.5μm が好ましく、0.02〜 0.2μm がより好
ましい。微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロゲン
化銀と同様の方法で調製できる。この場合、ハロゲン化
銀粒子の表面は、化学的に増感される必要はなく、また
分光増感も不要である。ただし、これを塗布液に添加す
るのに先立ち、あらかじめトリアゾール系、アザインデ
ン系、ベンゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化
合物または亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加してお
くことが好ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層
に、コロイド銀を好ましく含有させることができる。本
発明の感光材料の塗布銀量は、6.0g/m2 以下が好まし
く、4.5g/m2 以下が最も好ましい。
【0247】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記の3つのリサーチ・ディスクロージャーに記載され
ており、下記の表に関連する記載箇所を示した。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1. 化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2. 感度上昇剤 648 頁右欄 3. 分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 4. 増 白 剤 24頁 647頁右欄 868頁 5. かぶり防止 24 〜25頁 649頁右欄 868〜870頁 剤、安定剤 6. 光吸収剤、 25 〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター 〜650頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 7. ステイン 25 頁右欄 650頁左欄 872頁 防止剤 〜右欄 8. 色素画像 25頁 650頁左欄 872頁 安定剤 9. 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 10. バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 11. 可塑剤、 27頁 650頁右欄 876頁 潤滑剤 12. 塗布助剤、 26 〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 表面活性剤 13. スタチツク 27頁 650頁右欄 876〜877頁 防止剤 14. マツト剤 878〜879頁
【0248】また、ホルムアルデヒドガスによる写真性
能の劣化を防止するために、米国特許 4,411,987号や同
第 4,435,503号に記載されたホルムアルデヒドと反応し
て、固定化できる化合物を感光材料に添加することが好
ましい。本発明の感光材料に、米国特許第 4,740,454
号、同第 4,788,132号、特開昭62-18539号、特開平1-28
3551号に記載のメルカプト化合物を含有させることが好
ましい。本発明の感光材料に、特開平1-106052号に記載
の、現像処理によって生成した現像銀量とは無関係にか
ぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤またはそれら
の前駆体を放出する化合物を含有させることが好まし
い。本発明の感光材料に、国際公開WO88/04794号、特表
平1-502912号に記載された方法で分散された染料または
EP 317,308A 号、米国特許 4,420,555号、特開平1-2593
58号に記載の染料を含有させることが好ましい。本発明
には種々のカラーカプラーを使用することができ、その
具体例は前出のリサーチ・ディスクロージャーNo.1764
3、VII −C〜G、および同No.307105 、VII −C〜G
に記載された特許に記載されている。イエローカプラー
としては、例えば米国特許第3,933,501 号、同第 4,02
2,620号、同第 4,326,024号、同第 4,401,752号、同第
4,248,961号、特公昭 58-10739 号、英国特許第 1,425,
020号、同第 1,476,760号、米国特許第 3,973,968号、
同第 4,314,023号、同第4,511,649 号、欧州特許第 24
9,473A 号、等に記載のものが好ましい。
【0249】マゼンタカプラーとしては5-ピラゾロン系
及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特許
第 4,310,619号、同第 4,351,897号、欧州特許第 73,63
6号、米国特許第 3,061,432号、同第 3, 725,067 号、
リサーチ・ディスクロージャーNo.24220(1984年6
月)、特開昭60-33552号、リサーチ・ディスクロージャ
ーNo.24230(1984年6月)、特開昭60-43659号、同61-7
2238号、同60-35730号、同55-118034 号、同60-185951
号、米国特許第4,500,630 号、同第4,540,654 号、同第
4,556,630号、国際公開WO88/04795号等に記載のものが
特に好ましい。シアンカプラーとしては、本発明の前記
一般式(Ia)及び(Ib)と併用することができるカ
プラーとしてはフェノール系及びナフトール系カプラー
が挙げられ、米国特許第 4,052,212号、同第 4,146,396
号、同第 4,228,233号、同第 4,296,200号、同第 2,36
9,929号、同第 2,801,171号、同第 2,772,162号、同第
2,895,826 号、同第 3,772,002号、同第 3,758,308号、
同第 4,334,011号、同第 4,327,173号、西独特許公開第
3,329,729 号、欧州特許第 121,365A号、同第 249,453A
号、米国特許第 3,446,622号、同第 4,333,999号、同第
4,775,616号、同第 4,451,559号、同第 4,427,767号、
同第 4,690,889号、同第 4,254, 212号、同第 4,296,1
99号、特開昭 61-42658 号等に記載のものが好ましい。
さらに、特開昭64-553号、同64-554号、同64-555号、同
64-556に記載のピラゾロアゾール系カプラーや、米国特
許第4,818,672 号に記載のイミダゾール系カプラーも使
用することができる。ポリマー化された色素形成カプラ
ーの典型例は、米国特許第 3,451,820号、同第 4,080,2
11号、同第 4,367,282号、同第 4,409,320号、同第 4,5
76, 910 号、英国特許 2,102,137号、欧州特許第341,18
8A号等に記載されている。
【0250】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第 4,366,237号、英国特許第 2,12
5,570号、欧州特許第 96,570 号、西独特許(公開)第
3,234,533号に記載のものが好ましい。発色色素の不要
吸収を補正するためのカラード・カプラーは、リサーチ
・ディスクロージャーNo.17643のVII −G項、同No.307
105 のVII −G項、米国特許第4,163,670 号、特公昭57
-39413号、米国特許第4,004,929 号、同第4,138,258
号、英国特許第1,146,368号に記載のものが好ましい。
また、米国特許第 4,774,181号に記載のカップリング時
に放出された蛍光色素により発色色素の不要吸収を補正
するカプラーや、米国特許第 4,777,120号に記載の現像
主薬と反応して色素を形成しうる色素プレカーサー基を
離脱基として有するカプラーを用いることも好ましい。
カップリングに伴って写真的に有用な残基を放出する化
合物もまた本発明で好ましく使用できる。現像抑制剤を
放出するDIRカプラーは、本発明の前記一般式(1) 及
び(2) で表わされる化合物のほかに前述のRD 17643、VI
I −F項及び同No.307105 、VII −F項に記載された特
許、特開昭57-151944 号、同57-154234号、同60-184248
号、同63-37346号、同63-37350号、米国特許 4,248,96
2号、同4,782,012 号に記載されたものを併用すること
ができる。R.D.No.11449、同 24241、特開昭61-201247
号等に記載の漂白促進剤放出カプラーは、漂白能を有す
る処理工程の時間を短縮するのに有効であり、特に、前
述の平板状ハロゲン化銀粒子を用いる感光材料に添加す
る場合に、その効果が大である。現像時に画像状に造核
剤もしくは現像促進剤を放出するカプラーとしては、英
国特許第 2,097,140号、同第 2,131,188号、特開昭59-1
57638 号、同59-170840号に記載のものが好ましい。ま
た、特開昭 60-107029号、同 60-252340号、特開平1- 4
4940号、同 1-45687号に記載の現像主薬の酸化体との酸
化還元反応により、かぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン
化銀溶剤等を放出する化合物も好ましい。
【0251】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、米国特許第4,130,427号等に記
載の競争カプラー、米国特許第 4,283,472号、同第 4,3
38,393号、同第 4,310,618号等に記載の多当量カプラ
ー、特開昭60-185950 号、特開昭62-24252号等に記載の
DIRレドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー
放出カプラー、DIRカプラー放出レドックス化合物も
しくはDIRレドックス放出レドックス化合物、欧州特
許第173,302A号、同第313,308A号に記載の離脱後復色す
る色素を放出するカプラー、米国特許第 4,555,477号等
に記載のリガンド放出カプラー、特開昭63-75747号に記
載のロイコ色素を放出するカプラー、米国特許第4,774,
181 号に記載の蛍光色素を放出するカプラー等が挙げら
れる。
【0252】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。水中油滴分散法
に用いられる高沸点溶媒の例は米国特許第 2,322,027号
などに記載されている。水中油滴分散法に用いられる常
圧での沸点が175 ℃以上の高沸点有機溶剤の具体例とし
ては、フタル酸エステル類(ジブチルフタレート、ジシ
クロヘキシルフタレート、ジ-2- エチルヘキシルフタレ
ート、デシルフタレート、ビス(2,4-ジ-t- アミルフェ
ニル)フタレート、ビス(2,4-ジ-t- アミルフェニル)
イソフタレート、ビス(1,1-ジエチルプロピル)フタレ
ートなど)、リン酸またはホスホン酸のエステル類(ト
リフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、
2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリシクロ
ヘキシルホスフェート、トリ-2- エチルヘキシルホスフ
ェート、トリドデシルホスフェート、トリブトキシエチ
ルホスフェート、トリクロロプロピルホスフェート、ジ
-2-エチルヘキシルフェニルホスホネートなど)、安息
香酸エステル類(2-エチルヘキシルベンゾエート、ドデ
シルベンゾエート、2-エチルヘキシル-p-ヒドロキシベ
ンゾエートなど) 、アミド類(N,N-ジエチルドデカンア
ミド、N,N-ジエチルラウリルアミド、N-テトラデシルピ
ロリドンなど) 、アルコール類またはフェノール類(イ
ソステアリルアルコール、2,4-ジ-tert-アミルフェノー
ルなど)、脂肪族カルボン酸エステル類(ビス(2-エチ
ルヘキシル)セバケート、ジオクチルアゼレート、グリ
セロールトリブチレート、イソステアリルラクテート、
トリオクチルシトレートなど)、アニリン誘導体(N,N-
ジブチル-2- ブトキシ-5-tert-オクチルアニリンな
ど)、炭化水素類(パラフィン、ドデシルベンゼン、ジ
イソプロピルナフタレンなど)などが挙げられる。また
補助溶剤としては、沸点が約30℃以上、好ましくは50℃
以上約 160℃以下の有機溶剤などが使用でき、典型例と
しては酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2-エトキシエ
チルアセテート、ジメチルホルムアミドなどが挙げられ
る。ラテックス分散法の工程、効果および含浸用のラテ
ックスの具体例は、米国特許第 4,199,363号、西独特許
出願(OLS)第 2,541,274号および同第2,541,230 号など
に記載されている。
【0253】本発明のカラー感光材料中には、フェネチ
ルアルコールや特開昭 63-257747号、同 62-272248号、
および特開平 1-80941号に記載の1,2-ベンズイソチアゾ
リン-3-オン、n-ブチル p-ヒドロキシベンゾエート、
フェノール、4-クロル -3,5-ジメチルフェノール、2-フ
ェノキシエタノール、2-(4-チアゾリル)ベンズイミダ
ゾール等の各種の防腐剤もしくは防黴剤を添加すること
が好ましい。本発明は種々のカラー感光材料に適用する
ことができる。一般用もしくは映画用のカラーネガフィ
ルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィル
ム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよびカラー
反転ペーパーなどを代表例として挙げることができる。
本発明に使用できる適当な支持体は、例えば、前述のR
D.No.17643の28頁、同No.18716の 647頁右欄から 648
頁左欄、および同No.307105 の 879頁に記載されてい
る。本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の全親水性
コロイド層の膜厚の総和が28μm 以下であることが好ま
しく、23μm 以下がより好ましく、18μm 以下が更に好
ましく、16μm 以下が特に好ましい。また膜膨潤速度T
1/2 は30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましい。
膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した
膜厚を意味し、膜膨潤速度T1/2 は、当該技術分野にお
いて公知の手法に従って測定することができる。例え
ば、エー・グリーン(A.Green)らによりフォトグラフィ
ック・サイエンス・アンド・エンジニアリング (Photog
r.Sci.Eng.),19卷、2号,124 〜129 頁に記載の型のス
エロメーター(膨潤計)を使用することにより、測定で
き、T1/2 は発色現像液で30℃、3 分15秒処理した時に
到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚とし、飽和膜厚
の1/2 に到達するまでの時間と定義する。膜膨潤速度T
1/2 は、バインダーとしてのゼラチンに硬膜剤を加える
こと、あるいは塗布後の経時条件を変えることによって
調整することができる。また、膨潤率は 150〜400 %が
好ましい。膨潤率とは、さきに述べた条件下での最大膨
潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚に従っ
て計算できる。本発明の感光材料は、乳剤層を有する側
の反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性コ
ロイド層(バック層と称す)を設けることが好ましい。
このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染料、
紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バインダ
ー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤等を含有さ
せることが好ましい。このバック層の膨潤率は150〜500
%が好ましい。
【0254】本発明に従ったカラー写真感光材料は、前
述のRD.No.17643の28〜29頁、同No.18716の 651左欄
〜右欄、および同No.307105 の880 〜881 頁に記載され
た通常の方法によって現像処理することができる。本発
明の感光材料の現像処理に用いる発色現像液は、好まし
くは芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分とする
アルカリ性水溶液である。この発色現像主薬としては、
アミノフェノール系化合物も有用であるが、p-フェニレ
ンジアミン系化合物が好ましく使用され、その代表例と
しては3-メチル-4- アミノ-N,Nジエチルアニリン、3-メ
チル-4- アミノ-N- エチル-N- β- ヒドロキシエチルア
ニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N- β-メタン
スルホンアミドエチルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N
- エチル- β- メトキシエチルアニリン、4-アミノ-3-
メチル-N- メチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリ
ン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプ
ロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-
(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- エチ
ル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-
アミノ-3- メチル-N- プロピル-N-(3-ヒドロキシプロピ
ル)アニリン、4-アミノ-3- プロピル -N-メチル-N-(3-
ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N
- メチル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ
-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリ
ン、4-アミノ-3- メチル-N- プロピル-N-(4-ヒドロキシ
ブチル)アニリン、4-アミノ-3- エチル-N- エチル-N-
(3-ヒドロキシ-2- メチルプロピル)アニリン、4-アミ
ノ-3- メチル-N,N- ビス(4- ヒドロキシブチル)アニリ
ン、4-アミノ-3- メチル-N,N- ビス(5- ヒドロキシペン
チル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N-(5-ヒドロキシ
ペンチル)-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミ
ノ-3- メトキシ-N-エチル-N-(4-ヒドロキシブチル)ア
ニリン、4-アミノ-3- エトキシ-N,N- ビス(5- ヒドロキ
シペンチル)アニリン、4-アミノ-3- プロピル-N-(4-ヒ
ドロキシブチル)アニリン、及びこれらの硫酸塩、塩酸
塩もしくはp-トルエンスルホン酸塩などが挙げられる。
これらの中で、特に、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N
-β-ヒドロキシエチルアニリン、4-アミノ-3- メチル-
N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-ア
ミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロキシブチル)ア
ニリン、及びこれらの塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩
もしくは硫酸塩が好ましい。これらの化合物は目的に応
じ2種以上併用することもできる。発色現像液は、アル
カリ金属の炭酸塩、ホウ酸塩もしくはリン酸塩のような
pH緩衝剤、塩化物塩、臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミ
ダゾール類、ベンゾチアゾール類もしくはメルカプト化
合物のような現像抑制剤またはカブリ防止剤などを含む
のが一般的である。また必要に応じて、ヒドロキシルア
ミン、ジエチルヒドロキシルアミン、亜硫酸塩、N,N-ビ
スカルボキシメチルヒドラジンの如きヒドラジン類、フ
ェニルセミカルバジド類、トリエタノールアミン、カテ
コールスルホン酸類の如き各種保恒剤、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコールのような有機溶剤、ベンジ
ルアルコール、ポリエチレングリコール、四級アンモニ
ウム塩、アミン類のような現像促進剤、色素形成カプラ
ー、競争カプラー、1-フェニル-3-ピラゾリドンのよう
な補助現像主薬、粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、
アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノ
カルボン酸に代表されるような各種キレート剤、例え
ば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチ
レントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢
酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、1-ヒドロキシエチ
リデン-1,1- ジホスホン酸、ニトリロ-N,N,N-トリメチ
レンホスホン酸、エチレンジアミン-N,N,N,N- テトラメ
チレンホスホン酸、エチレンジアミン- ジ(o- ヒドロ
キシフェニル酢酸) 及びそれらの塩を代表例として挙げ
ることができる。
【0255】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1-フェニ
ル-3- ピラゾリドンなどの3-ピラゾリドン類またはN-メ
チル-p- アミノフェノールなどのアミノフェノール類な
ど公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用
いることができる。これらの発色現像液及び黒白現像液
のpHは9〜12であることが一般的である。またこれらの
現像液の補充量は、処理するカラー写真感光材料にもよ
るが、一般に感光材料1平方メートル当たり3l 以下で
あり、補充液中の臭化物イオン濃度を低減させておくこ
とにより 500ml以下にすることもできる。補充量を低減
する場合には処理槽の空気との接触面積を小さくするこ
とによって液の蒸発、空気酸化を防止することが好まし
い。処理槽での写真処理液と空気との接触面積は、以下
に定義する開口率で表わすことができる。即ち、 開口率=〔処理液と空気との接触面積(cm2) 〕÷〔処理
液の容量(cm3) 〕 上記の開口率は、0.1 以下であることが好ましく、より
好ましくは 0.001〜0.05である。このように開口率を低
減させる方法としては、処理槽の写真処理液面に浮き蓋
等の遮蔽物を設けるほかに、特開平 1-82033号に記載さ
れた可動蓋を用いる方法、特開昭 63-216050号に記載さ
れたスリット現像処理方法を挙げることができる。開口
率を低減させることは、発色現像及び黒白現像の両工程
のみならず、後続の諸工程、例えば、漂白、漂白定着、
定着、水洗、安定化などの全ての工程において適用する
ことが好ましい。また、現像液中の臭化物イオンの蓄積
を抑える手段を用いることにより補充量を低減すること
もできる。発色現像処理の時間は、通常2〜5分の間で
設定されるが、高温高pHとし、かつ発色現像主薬を高濃
度に使用することにより、更に処理時間の短縮を図るこ
ともできる。
【0256】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理
方法でもよい。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理
すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、又は
漂白定着処理後漂白処理することも目的に応じ任意に実
施できる。漂白剤としては、例えば鉄(III )などの多
価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等が
用いられる。代表的漂白剤としては鉄(III )の有機錯
塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリア
ミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイ
ミノ二酢酸、1,3-ジアミノプロパン四酢酸、グリコール
エーテルジアミン四酢酸、などのアミノポリカルボン酸
類もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩など
を用いることができる。これらのうちエチレンジアミン
四酢酸鉄(III )錯塩、及び1,3-ジアミノプロパン四酢
酸鉄(III )錯塩を始めとするアミノポリカルボン酸鉄
(III )錯塩は迅速処理と環境汚染防止の観点から好ま
しい。さらにアミノポリカルボン酸鉄(III )錯塩は漂
白液においても、漂白定着液においても特に有用であ
る。これらのアミノポリカルボン酸鉄(III )錯塩を用
いた漂白液又は漂白定着液のpHは通常 4.0〜8である
が、処理の迅速化のためにさらに低いpHで処理すること
もできる。
【0257】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる:米国特許第 3,893,858号、西独特許第1,290,812
号、同2,059,988 号、特開昭53-32736号、同53-57831
号、同53-37418号、同53-72623号、同53-95630号、同53
-95631号、同53-104232 号、同53-124424 号、同53-141
623 号、同53-28426号、リサーチ・ディスクロージャー
No.17129号(1978年7月)などに記載のメルカプト基ま
たはジスルフィド基を有する化合物;特開昭50-140129
号に記載のチアゾリジン誘導体;特公昭45-8506 号、特
開昭52-20832号、同53-32735号、米国特許第3,706,561
号に記載のチオ尿素誘導体;西独特許第1,127,715 号、
特開昭58-16,235 号に記載の沃化物塩;西独特許第966,
410 号、同2,748,430 号に記載のポリオキシエチレン化
合物類;特公昭45-8836 号記載のポリアミン化合物;そ
の他特開昭49-40,943 号、同49-59,644 号、同53-94,92
7 号、同54-35,727 号、同55-26,506 号、同58-163,940
号記載の化合物;臭化物イオン等が使用できる。なかで
もメルカプト基またはジスルフィド基を有する化合物が
促進効果が大きい観点で好ましく、特に米国特許第3,89
3,858 号、西独特許第1,290,812 号、特開昭53-95,630
号に記載の化合物が好ましい。更に、米国特許第4,552,
834 号に記載の化合物も好ましい。これらの漂白促進剤
は感材中に添加してもよい。撮影用のカラー感光材料を
漂白定着するときにこれらの漂白促進剤は特に有効であ
る。漂白液や漂白定着液には上記の化合物の他に、漂白
ステインを防止する目的で有機酸を含有させることが好
ましい。特に好ましい有機酸は、酸解離定数(pKa)が2
〜5である化合物で、具体的には酢酸、プロピオン酸、
ヒドロキシ酢酸などが好ましい。定着液や漂白定着液に
用いられる定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸
塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物
塩等をあげることができるが、チオ硫酸塩の使用が一般
的であり、特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用
できる。また、チオ硫酸塩とチオシアン酸塩、チオエー
テル系化合物、チオ尿素などの併用も好ましい。定着液
や漂白定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩、重亜硫酸
塩、カルボニル重亜硫酸付加物あるいは欧州特許第 294
769A号に記載のスルフィン酸化合物が好ましい。更に、
定着液や漂白定着液には液の安定化の目的で、各種アミ
ノポリカルボン酸類や有機ホスホン酸類の添加が好まし
い。本発明において、定着液または漂白定着液には、pH
調整のために pKaが6.0〜9.0の化合物、好ましくは、イ
ミダゾール、1-メチルイミダゾール、1-エチルイミダゾ
ール、2-メチルイミダゾールの如きイミダゾール類を0.
1〜10モル/l 添加することが好ましい。
【0258】脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は1分〜3
分、更に好ましくは1分〜2分である。また、処理温度
は25℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃である。好ましい
温度範囲においては、脱銀速度が向上し、かつ処理後の
ステイン発生が有効に防止される。脱銀工程において
は、攪拌ができるだけ強化されていることが好ましい。
攪拌強化の具体的な方法としては、特開昭 62-183460号
に記載の感光材料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる
方法や、特開昭 62-183461号の回転手段を用いて攪拌効
果を上げる方法、更には液中に設けられたワイパーブレ
ードと乳剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳
剤表面を乱流化することによってより攪拌効果を向上さ
せる方法、処理液全体の循環流量を増加させる方法が挙
げられる。このような攪拌向上手段は、漂白液、漂白定
着液、定着液のいずれにおいても有効である。攪拌の向
上は乳剤膜中への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果と
して脱銀速度を高めるものと考えられる。また、前記の
攪拌向上手段は、漂白促進剤を使用した場合により有効
であり、促進効果を著しく増加させたり漂白促進剤によ
る定着阻害作用を解消させることができる。本発明の感
光材料に用いられる自動現像機は、特開昭 60-191257
号、同 60-191258号、同 60-191259号に記載の感光材料
搬送手段を有していることが好ましい。前記の特開昭 6
0-191257号に記載のとおり、このような搬送手段は前浴
から後浴への処理液の持込みを著しく削減でき、処理液
の性能劣化を防止する効果が高い。このような効果は各
工程における処理時間の短縮や、処理液補充量の低減に
特に有効である。
【0259】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には水
洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充
方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の
関係は、Journ-al ofthe Society of Motion Picture a
nd Tele- vision Engineers 第64巻、P. 248〜253 (195
5年5月号)に記載の方法で、求めることができる。前
記文献に記載の多段向流方式によれば、水洗水量を大幅
に減少し得るが、タンク内における水の滞留時間の増加
により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材
料に付着する等の問題が生じる。本発明のカラー感光材
料の処理において、このような問題が解決策として、特
開昭62-288,838号に記載のカルシウムイオン、マグネシ
ウムイオンを低減させる方法を極めて有効に用いること
ができる。また、特開昭57-8,542号に記載のイソチアゾ
ロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシアヌ
ール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリ
アゾール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」(1986年)
三共出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技
術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌
防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることも
できる。本発明の感光材料の処理における水洗水のpH
は、4〜9であり、好ましくは5〜8である。水洗水
温、水洗時間も、感光材料の特性、用途等で種々設定し
得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜10分、好ましくは
25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選択される。更に、本発
明の感光材料は、上記水洗に代り、直接安定液によって
処理することもできる。このような安定化処理において
は、特開昭57-8543 号、同58-14834号、同60-220345 号
に記載の公知の方法はすべて用いることができる。ま
た、前記水洗処理に続いて、更に安定化処理する場合も
あり、その例として、撮影用カラー感光材料の最終浴と
して使用される、色素安定化剤と界面活性剤を含有する
安定浴を挙げることができる。色素安定化剤としては、
ホルマリンやグルタルアルデヒドなどのアルデヒド類、
N-メチロール化合物、ヘキサメチレンテトラミンあるい
はアルデヒド亜硫酸付加物などを挙げることができる。
この安定浴にも各種キレート剤や防黴剤を加えること
もできる。
【0260】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。自動現像機などを用いた処理におい
て、上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、
水を加えて濃縮補正することが好ましい。本発明のハロ
ゲン化銀カラー感光材料には処理の簡略化及び迅速化の
目的で発色現像主薬を内蔵しても良い。内蔵するために
は、発色現像主薬の各種プレカーサーを用いるのが好ま
しい。例えば米国特許第 3,342,597号記載のインドアニ
リン系化合物、同第 3,342,599号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.14,850 及び同No.15,159 に記載のシッフ
塩基型化合物、同13,924号記載のアルドール化合物、米
国特許第 3,719,492号記載の金属塩錯体、特開昭53-135
628 号記載のウレタン系化合物を挙げることができる。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、必要に応じ
て、発色現像を促進する目的で、各種の1-フェニル-3-
ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型的な化合物は特
開昭56-64339号、同57-144547号、および同58-115438号
等に記載されている。本発明における各種処理液は10℃
〜50℃において使用される。通常は33℃〜38℃の温度が
標準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時間
を短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理液
の安定性の改良を達成することができる。
【0261】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、特公平2-32615 号、実公平3-39784 号などに記載さ
れているレンズ付きフイルムユニットに適用した場合
に、より効果を発現しやすく有効である。
【0262】
【実施例】以下に、本発明を実施例により、更に詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0263】実施例1 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体(厚さ10
0ミクロン)に次の第1層から第4層を塗布して試料1
01を作製した。第1層塗布側のポリエチレンには酸化
チタン(4g/m2)を白色顔料として、また微量(0.
003g/m2)の群青を青み付け染料として含む。支持
体の表面の色度はL* 、a* 、b* 系で88.0、−
0.20、−0.75であった。
【0264】(感光層組成)以下に、成分と塗布量(g
/m2)を示す。ハロゲン化銀については銀換算の塗布量
を示す。
【0265】 第1層(アンチハレーション層) 黒色コロイド銀 ………0.10 混色防止剤(Cpd−A) ………0.05 Solv−1 ………0.10 ゼラチン ………1.00
【0266】 第2層(中間層) ゼラチン ………0.70
【0267】 第3層(感光性層) 臭化銀(平均粒子サイズ0.40μ、粒子サイズ分布10μ、 八面体粒子) ………0.43 ゼラチン ………1.50 比較カプラー(A) ………0.28 紫外線吸収剤(1) ………0.11 退色防止剤(Cpd−B) ………0.07 分散媒 ………0.30 Solv−2 ………0.14
【0268】 第4層(保護層1) ゼラチン ………1.00 紫外線吸収剤(2) ………0.40 分散媒 ………0.05 Solv−3 ………0.20
【0269】 第5層(保護層2) 微粒子沃臭化銀(臭化銀99モル%、平均粒子サイズ0.05μ) ………0.01 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体 (分子量50,000) ………0.01 ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒子サイズ2.4μ) と酸化けい素(平均粒子サイズ5μ)、等量混合物 ………0.05 ゼラチン ………0.20 ゼラチン硬膜剤 ………0.12
【0270】乳剤の調製法 臭化カリウムと硝酸銀の水溶液をゼラチン水溶液に激し
く攪拌しながら65℃で15分を要して同時に添加し、
平均粒径が0.23μの八面体臭化銀粒子を得た。この
際、銀1モル当り0.3gの3,4−ジメチル−1,3
−チアゾリン−2−チオンを添加した。この乳剤に銀1
モル当り6mgのチオ硫酸ナトリウムと7mgの塩化金酸
(4水塩)を順次加え、75℃で80分間加熱すること
により化学増感処理を行なった。こうして得た粒子をコ
アとして、第1回目と同様な沈澱環境で更に成長させ、
最終的に平均粒径が0.4μの八面体単分散コア/シェ
ル臭化銀乳剤を得た。粒子サイズの変動係数は約10%
であった。この乳剤に銀1モル当り1.5mgのチオ硫酸
ナトリウムと1.5mgの塩化金酸(4水塩)を加え、6
0℃で60分間加熱して化学増感処理を行ない内部潜像
型ハロゲン化銀乳剤を得た。各感光層には、造核剤とし
てExZK−1とExZK−2をハロゲン化銀に対しそ
れぞれ10-3、10-2重量%、造核促進剤としてCpd
−C、D、Eを各々10-2重量%用いた。更に各層には
乳剤分散助剤としてアルカノールXC(Du Pont社) 及び
アルキルベゼンスルホン酸ナトリウムを、塗布助剤とし
てコハク酸エステル及びMagefac F-120(大日本インキ社
製)を用いた。ハロゲン化銀及びコロイド銀含有層には
安定剤としてCpd−Fを用いた。この試料を試料番号
101とした。以下に実施例に用いた化合物を示す。
【0271】
【化109】
【0272】
【化110】
【0273】
【化111】
【0274】
【化112】
【0275】続いて試料102以降は表1に示すように
第3層の感光性層に使用した比較カプラーを他の比較カ
プラーもしくは本発明のシアンカプラーに等モル量置き
換え、さらに本発明の非発色、耐拡散性カルボン酸もし
くはその比較化合物(1) を試料112〜116、118
〜130に添加して試料101〜136を作製した。な
お、本発明のシアンカプラーを2種混合使用の場合は
1:1の等モル量の混合比であり、カルボン酸の添加に
際しては添加量に応じてSolv−2を減じた。
【0276】作製した試料101〜136は下記に示す
カラー現像処理を施し、以下に示す性能について調べ
た。 (1) 写真性(感度) 白光の階調露光を与え、処理済みの試料はその反射濃度
を測定し特性曲線からカブリ+0.3の露光を与える露
光量の逆数の対数値を求め、試料101を基準にとって
その差(△S)で示した。 (2) 色像堅牢性 白光の階調露光を与えた試料の現像処理済み試料はその
反射濃度を測定してから60℃、相対湿度70%条件下
に30日間保存してから再度濃度測定を行いテスト開始
前のカブリ+1.0の反射濃度を与える露光量の点のテ
スト終了後の濃度を読み取り、色像残存率としてテスト
開始前の濃度に対するテスト終了後の濃度の百分率を求
めた。 (3) 感材の経時保存性 各試料を2組準備し、1つの組は5℃、相対湿度30%
の条件下に5日間保存し、もう1つの組は50℃、相対
湿度70%の条件下に同じく5日間保存した。保存後両
試料に白光露光を与えて同時にカラー現像処理を行い、
(1) と同様の方法で感度を求め、両条件における同一試
料間の感度差を求めた。値が大きい程感度の変動が大き
いことを示す。 (4) 色再現性(色濁り) 白光の階調露光を与えてカラー現像処理した試料はその
シアン発色色像のR濃度とG濃度を同時に測定した。R
濃度で測定した特性曲線上のカブリ+1.0の濃度を与
える露光量の点におけるG濃度を読み、カブリ部分のG
濃度値を減じた値を色濁りとし、色再現性評価の1つの
尺度として求めた。数値が小さい程シアン発色色像中の
緑色光吸収成分が小さく色再現上好ましいことを意味す
る。
【0277】なお、使用した比較カプラー及び比較化合
物は化113、化114に示す。また得られた結果は表
1及び表2にまとめて示す。
【0278】
【化113】
【0279】
【化114】
【0280】
【表1】
【0281】
【表2】
【0282】以下、上記諸性能を調べるために用いたカ
ラー現像処理を示す。
【0283】 処理工程 時間 温度 リンク容量 補充量 発色現像 135秒 38℃ 28リットル 240ミリリットル/m2 漂白定着 40秒 35℃ 11リットル 320ミリリットル/m2 水洗 (1) 40秒 35℃ 7リットル − 水洗 (2) 40秒 35℃ 7リットル 320ミリリットル/m2 乾 燥 30秒 80℃
【0284】各処理液の組成は以下の通りであった。 〔発色現像液〕 D−ソルビット 0.15g ナフタレンスルホン酸ナトリウム・ホルマリン縮合物 0.15g ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)五ナトリウム塩 1.8 g ジエチレントリアミン五酢酸 0.5 g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 0.15g ジエチレングリコール 12.0ミリリットル ベンジルアルコール 13.5ミリリットル 臭化カリウム 0.70g ベンゾトリアゾール 0.003g 亜硫酸ナトリウム 2.8g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 3.0g トリエタノールアミン 6.0g 4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕 アニリン硫酸・1/2水塩 4.2g 炭酸カリウム 30.0g 蛍光増白剤(ジアミノスチルベン系) 1.3g 水を加え 1000ミリリットル pH(25℃)(KOHまたは硫酸でpH調整) 10.35
【0285】 〔漂白定着液〕 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム・2水塩 4.0g エチレンジアミン4酢酸・Fe(III) ・アンモニウム・2水塩 55.0g チオ硫酸アンモニウム(750g/リットル) 168ミリリットル p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 30.0g 亜硫酸アンモニウム 35.0g 5−メルカプト−1,3,4−トリアゾール 0.5g 硝酸アンモニウム 10.0g 水を加えて 1000ミリリットル pH(25℃)(アンモニア水または酢酸でpH調整) 6.20
【0286】 〔水洗水〕 塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02g 脱イオン水(導電率5μs/cm以下) 1000ミリリットル pH 6.5
【0287】表1及び表2の結果から、本発明のシアン
カプラーに本発明の非発色性で耐拡散性のカルボン酸を
用いることにより、高い写真性の感度をさらに高めるこ
とができ、比較カプラーに比べ良好な感光材料の経時保
存性、色像堅牢性、色再現性をさらに優れたものにする
ことが試料112〜116、118〜134と比較試料
101〜111、117、135、136とを比べると
明らかである。
【0288】特に、本発明のシアンカプラーに非発色・
耐拡散性カルボン酸を用いたとき、上記諸性能の改良効
果の大きいことが試料101、106〜110と試料1
11〜116、117〜122から知ることができる。
また、本発明の非発色・耐拡散性カルボン酸にかえて比
較化合物(1) を用いた試料135、136では上記諸性
能の改良効果は殆ど発現せず、本発明のカルボン酸もし
くはその塩によって改良効果の現れることが試料11
4、120、129〜134との対比から明らかであ
る。
【0289】実施例2 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、
下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カラー
感光材料である試料201を作製した。 (感光層組成)各層に使用する素材の主なものは下記の
ように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収
剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機
溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬
化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を
示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示
す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀
1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0290】(試料201) 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.18 ゼラチン 1.00 ExM−1 0.18 ExF−1 2.0×10-3 HBS−1 0.20
【0291】
【0292】第3層(低感度赤感乳剤層) 乳剤A 銀 0.25 乳剤B 銀 0.25 ExS−1 6.9×10-5 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 3.1×10-4 比較カプラー(F) 0.23 ExC−2 0.030 ExC−3 0.020 比較化合物(a) 0.020 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 HBS−4 0.050 ゼラチン 0.60
【0293】第4層(中感度赤感乳剤層) 乳剤D 銀 0.60 ExS−1 3.5×10-4 ExS−2 1.6×10-5 ExS−3 5.1×10-4 比較カプラー(F) 0.19 ExC−1 0.060 ExC−2 0.0070 ExC−3 0.025 比較化合物(a) 0.010 Cpd−2 0.023 HBS−1 0.10 HBS−3 0.10 ゼラチン 0.65
【0294】第5層(高感度赤感乳剤層) 乳剤E 銀 1.00 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.0×10-4 ExS−3 3.4×10-4 比較カプラー(F) 0.11 ExC−2 0.045 ExC−4 0.020 比較化合物(a) 0.032 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.10 ゼラチン 0.80
【0295】第6層(中間層) Cpd−1 0.10 HBS−1 0.50 ゼラチン 0.70
【0296】第7層(低感度緑感乳剤層) 乳剤C 銀 0.35 ExS−4 3.0×10-5 ExS−5 2.1×10-4 ExS−6 8.0×10-4 ExM−1 0.010 ExM−2 0.33 ExM−3 0.086 ExY−1 0.015 HBS−1 0.30 HBS−4 0.15 本発明の例示化合物(A−5) 0.010 ゼラチン 0.90
【0297】第8層(中感度緑感乳剤層) 乳剤D 銀 0.60 ExS−4 3.2×10-5 ExS−5 2.2×10-4 ExS−6 8.4×10-4 ExM−2 0.13 ExM−3 0.030 ExY−1 0.018 HBS−1 0.10 HBS−3 0.080 本発明の例示化合物(A−5) 8.0×10-3 ゼラチン 0.60
【0298】第9層(高感度緑感乳剤層) 乳剤E 銀 1.00 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−5 0.005 ExM−1 0.030 ExM−4 0.040 ExM−5 0.019 Cpd−3 0.040 HBS−1 0.25 HBS−2 0.10 ゼラチン 0.90
【0299】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.030 Cpd−1 0.16 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60
【0300】第11層(低感度青感乳剤層) 乳剤C 銀 0.18 ExS−7 8.6×10-4 ExY−1 0.020 ExY−2 0.022 ExY−3 0.050 ExY−4 0.020 ExC−5 0.010 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.10
【0301】第12層(中感度青感乳剤層) 乳剤D 銀 0.30 ExS−7 7.4×10-4 ExC−5 7.4×10-4 ExY−2 0.050 ExY−3 0.10 HBS−1 0.050 ゼラチン 0.50
【0302】第13層(高感度青感乳剤層) 乳剤F 銀 0.80 ExS−7 4.0×10-4 ExY−2 0.10 ExY−3 0.10 ExY−4 0.010 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.50
【0303】第14層(第1保護層) 乳剤G 銀 0.20 UV−4 0.11 UV−5 0.17 HBS−1 5.0×10-2 ゼラチン 0.50
【0304】第15層(第2保護層) H−1 0.40 B−1(直径 1.7 μm) 5.0×10-2 B−2(直径 1.7 μm) 0.10 B−3 0.10 S−1 0.20 ゼラチン 0.70
【0305】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために W−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−17及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
イリジウム塩、ロジウム塩が含有されている。
【0306】
【表3】
【0307】表3において、 (1)乳剤A〜Fは特開平2-191938号の実施例に従い、
二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時
に還元増感されている。 (2)乳剤A〜Fは特開平3-237450号の実施例に従い、
各感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナトリウ
ムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施されて
いる。 (3)平板状粒子の調製には特開平1-158426号の実施例
に従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子および粒子構造を有する正常晶粒子に
は特開平3-237450号に記載されているような転位線が高
圧電子顕微鏡を用いて観察されている。 (5)乳剤A〜Gは沃臭化銀乳剤である。
【0308】
【化115】
【0309】
【化116】
【0310】
【化117】
【0311】
【化118】
【0312】
【化119】
【0313】
【化120】
【0314】
【化121】
【0315】
【化122】
【0316】
【化123】
【0317】
【化124】
【0318】
【化125】
【0319】
【化126】
【0320】
【化127】
【0321】
【化128】
【0322】
【化129】
【0323】
【化130】
【0324】試料201に続いて以下の試料を作製し
た。 (試料202、203の作製)試料201の第3層〜第
5層赤感乳剤層に使用した比較化合物(a)をそれぞれ
比較化合物(b)、本発明の例示化合物CB−2に等モ
ル量置き換えて試料を作製した。 (試料204〜207の作製)試料203の第3層〜第
5層赤感乳剤層に使用した比較カプラー(F)をそれぞ
れ比較カプラー(B)〜(E)に等モル量置き換えて試
料を作製した。比較化合物(b)の化学構造式を化13
1に示す。なお比較カプラー(B)〜(E)はは実施例
1に記載のカプラーに同じである。
【0325】
【化131】
【0326】(試料208〜210の作製)試料201
〜203の赤感乳剤層の第3層と第4層に本発明の非発
色・耐拡散性のカルボン酸として例示化合物(A−2
8)をそれぞれ5.0×10-3g/m2になるよう、また
第5層に同じく2.5×10-3g/m2になるよう添加し
て試料を作製した。なお、(A−28)の添加による増
量分はHBS−1を減量した。 (試料211〜213、214〜216の作製)試料2
08〜210の第3層〜第5層の赤感乳剤層に使用した
シアンカプラーの比較カプラー(F)を、試料211〜
213には本発明のシアンカプラーIa−9に、試料2
14〜216には(IIIb)−1にそれぞれ等モル量置き
換えて試料を作製した。 (試料217〜238の作製)以下第3層〜第5層の赤
感乳剤層のシアンカプラー、DIR化合物及び非発色・
耐拡散性カルボン酸を変更して試料を作製した。これら
の変更は先の試料201〜216を含め表4及び表5に
示す。なお試料221及び225に使用したDIR化合
物CA−1の添加量のみは0.8倍モル量にしたがシア
ンカプラーを含めDIR化合物は等モル量の置き換えで
ある。比較化合物(2) は化131に示す。
【0327】
【表4】
【0328】
【表5】
【0329】これら作製した試料201〜238は下記
に示す処理を実施し、以下に示す諸性能について調べ
た。
【0330】
【0331】次に、処理液の組成を示す。 (発色現像液) (単位g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 炭酸カリウム 30.0 臭化カリウム 1.4 ヨウ化カリウム 1.5mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 4−〔N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノ〕− 2−メチルアニリン硫酸塩 4.5 水を加えて 1.0リットル pH 10.05
【0332】 (漂白液) (単位g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄ナトリウム三水塩 100.0 エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 10.0 3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール 0.08 臭化アンモニウム 140.0 硝酸アンモニウム 30.0 アンモニア水(27%) 6.5ミリリットル 水を加えて 1.0リットル pH 6.0
【0333】 (定着液) (単位g) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.5 亜硫酸アンモニウム 20.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル) 290.0ミリリットル 水を加えて 1.0リットル pH 6.7
【0334】 (安定液) (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル) ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0リットル pH 8.5
【0335】調べた諸性能は以下の通りである。 (1) 写真性 白光の階調露光を与え、処理後その濃度測定を行い、シ
アン濃度の特性曲線から最小濃度+0.2の濃度を与え
る露光量の逆数の対数値を求め、試料201を基準にと
ってその差(△S1)を算出した。さらに、最小濃度+
0.2の濃度を与える露光量の点から高露光量側へlogE
=1.5の露光量を与える点における濃度を読み取り最
小濃度値を減じた値の濃度を求め、同じく試料201に
対する濃度比(D1%)を算出した。 (2) 色像堅牢性 白光の階調露光を与えて処理した試料の濃度測定を行
い、続いて60℃、相対湿度70%の条件下に30日間
保存してから再度濃度測定を実施し、そのシアン濃度に
ついてテスト開始前の最小濃度+1.0の濃度を与える
露光量の点におけるテスト終了後の濃度を読み取り、テ
スト開始前の濃度に対するテスト終了後の濃度百分率を
色像残存率(D2%)として求めた。 (3) 色再現性 赤色分解フィルターを付し、階調露光を与えて処理を行
い、得られたシアン色像のR濃度及びB濃度を測定し、
R濃度の最小濃度+1.0の濃度を与える露光量の点に
おけるB濃度を求め、最小濃度部のB濃度値を減じた値
を色濁りとし、色再現性評価の1つの尺度とした。値が
小さい程シアン色像中のイエロー成分が少ないことを表
わし、シアン色像の彩度が高く、色再現性に優れている
ことを示す。
【0336】結果はまとめて表6及び表7に示す。
【0337】
【表6】
【0338】
【表7】
【0339】表6及び表7の結果から、前記本発明のシ
アンカプラー、本発明のDIR化合物及び非発色・耐拡
散性カルボン酸を使用した試料213、216〜236
は、他の比較試料に比べ感度、発色濃度が高く優れた発
色性を示すこと、色像堅牢性にも優れていくこと、発色
色像の短波長領域の青色光領域における吸収が小さく色
濁りが良化して色再現性に優れていることが明らかであ
る。
【0340】なお、本発明の前記一般式(Ia)及び
(Ib)で表わされるシアンカプラーに類似の比較カプ
ラー(B)〜(E)を使用した試料204〜207は試
料238と比べ発色性が著しく低いことがわかる。ま
た、本発明の非発色・耐拡散性カルボン酸の使用は比較
のシアンカプラーに用いた場合、色像堅牢性を劣化する
傾向が見られるが、本発明のシアンカプラーに対しては
同一添加量ではむしろ良化させるという驚くべき結果を
与えることが試料201〜203と208〜210、試
料213、229〜232と238の比較から知ること
ができる。さらに、非発色・耐拡散性のカルボン酸であ
ることが、本発明の課題解決に重要な効果を発現するこ
とは、試料213、233〜236と比較試料237と
の対比から明らかである。
【0341】実施例3 実施例2で作製した試料201〜238において、発色
性の低い試料205〜207を除外し、他の試料につい
てカプラー塗布量や増感色素添加量の調整を行い、階調
が全試料ほぼ同一になるよう再塗布して試料を作製し
た。これらの試料を用いて、以下の性能について調べ
た。なおカラー現像処理については実施例2で使用した
処理を用いた。
【0342】(1) 鮮鋭性 白光でもってMTFパターンを通して露光を与え、シア
ン色像のMTF値(25サイクル/mm)を測定し、鮮鋭
度の比較を行った。 (2) 感材の保存性 試料を2組準備し、1つの組は40℃、相対湿度80%
条件下に7日間保存し、もう1つの組は5℃、相対湿度
30%の条件下に同期間保存したのち、この両組に白光
の階調露光を与えて同時に処理を行った。処理済みの試
料は実施例2の(1) に記載した方法に従って感度を求
め、試料を高温・高湿の条件に保存したときと、低温・
低湿の条件に保存したときの写真性の感度の変動(△S
2)を同一試料間で調べた。 (3) 処理安定性 白光の階調露光を与え、実施例2で用いた処理の漂白液
にスチールウールを接触させて漂白液中の2価の鉄イオ
ン濃度が全鉄イオン濃度の3%になるよう調整した液を
使用して、実施例2と同じ処理方法で他は変更しない処
理を行い、処理終了後にただちに濃度測定を行い特性曲
線を得た。続いて濃度測定の終了した試料は実施例2で
用いた漂白液の新液で5分(38℃)、水洗を5分(2
4℃)行ってから再度濃度測定を実施した。
【0343】これら2つの処理を行って得られた特性曲
線のシアン濃度について、再漂白処理を実施した特性曲
線上の最小濃度+1.0の濃度を与える露光量の点にお
ける最初に処理を行った特性曲線上の濃度値を読み取り
その濃度差(△D2)を求めた。これらの結果は表8及び
表9に示す。
【0344】
【表8】
【0345】
【表9】
【0346】表8及び表9の結果から、本発明のシアン
カプラー、DIR化合物及び非発色・耐拡散性カルボン
酸を使用した試料213、216〜236は比較試料の
試料201〜204、208〜212、214、21
5、237、238に比べ感光材料の経時保存性、酸化
力の低下した漂白液処理における安定した処理適性及び
鮮鋭性に優れていることが明らかである。
【0347】本発明のシアンカプラーとDIR化合物に
本発明の非発色・耐拡散性カルボン酸を使用することに
より上記諸性能の改良効果の大きいことが試料213、
216〜236と試料237あるいは試料236の比較
からわかる。また、本発明のシアンカプラー及び本発明
のDIR化合物で良好な改良効果を示すことは、試料2
13、216と試料210、試料213、216と試料
208、209、211、212との対比から知ること
ができる。
【0348】実施例4 実施例2で作製した試料213を基本にして表10に示
すように第3層〜第5層の赤感乳剤層に使用した本発明
のシアンカプラー、DIR化合物及び非発色・耐拡散性
カルボン酸を変更して試料401〜408を作製した。
【0349】
【表10】
【0350】作製したこれら試料は下記に示すカラー現
像処理を行って、実施例2に記載の及び実施例3に記載
の保存性と鮮鋭性の諸性能について調べた。なお処理は
像様露光を与えた試料を発色現像液の補充量がタンク容
量の3倍量補充されるまで連続処理を行ったのち、諸性
能を調べる試料の処理を実施した。このとき実施例1で
作製した試料201を同時に処理した。処理工程及び処
理液組成を以下に示す。また比較カプラーG及びHは化
132に示す。
【0351】 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量 タンク容量 発色現像 2分45秒 40.5℃ 100ミリリットル 10リットル 漂 白 50秒 40.5℃ 140ミリリットル 5リットル 漂白定着 50秒 40.5℃ − 5リットル 定 着 50秒 40.5℃ 420ミリリットル 5リットル 水 洗 30秒 40.5℃ 980ミリリットル 3.5リットル 水 洗(1) 20秒 40.5℃ − 3リットル 水 洗(2) 20秒 40.5℃ 560ミリリットル 3リットル 乾 燥 1分30秒 40.5℃ * 補充量は感光材料1m2当たりの量 安定液は(2) から(1) への向流方式であり、水洗水のオ
ーバーフロー液は全て定着浴へ導入した。漂白定着浴へ
の補充は、自動現像機の漂白槽の上部並びに定着槽の上
部に切りかきを設け、漂白槽、定着槽への補充液の供給
により発生するオーバーフロー液の全てが漂白定着浴に
流入されるようにした。尚、現像液の漂白工程への持ち
込み量、漂白液の漂白定着工程への持ち込み量、漂白定
着液の定着工程への持ち込み量及び定着液の水洗工程へ
の持ち込み量は感光材料1m2あたりそれぞれ65ミリリ
ットル、50ミリリットル、50ミリリットル、50ミ
リリットルであった。また、クロスオーバーの時間はい
ずれも6秒であり、この時間は前工程の処理時間に包含
される。
【0352】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 2.1 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホ スホン酸 3.3 3.3 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.1 炭酸カリウム 37.5 39.0 臭化カリウム 6.0 − 沃化カリウム 1.3mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒド ロキシエチル)アミノ〕アニリン硫酸塩 6.0 15.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 10.05 10.25
【0353】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄 アンモニウム一水塩 130 195 臭化アンモニウム 70 105 硝酸アンモニウム 14 21 ヒドロキシ酢酸 50 75 酢酸 40 60 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH〔アンモニア水で調製〕 4.4 4.4
【0354】(漂白定着タンク液)上記漂白タンク液と
下記定着タンク液の15対85(容量比)混合液。 (pH7.0)
【0355】 (定着液) タンク液(g) 補充液(g) 亜硫酸アンモニウム 19 57 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル) 280 ミリリットル 840 ミリリットル イミダゾール 15 45 エチレンジアミン四酢酸 15 45 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH〔アンモニア水、酢酸で調製〕 7.4 7.45
【0356】(水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交
換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−
120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同ア
ンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに
通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg
/リットル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール
酸ナトリウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム150
mg/リットルを添加した。この液のpHは6.5〜7.
5の範囲にあった。
【0357】 (安定液)タンク液、補充液共通 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル) ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0リットル pH 8.5
【0358】結果はまとめて表11に示す。
【0359】
【化132】
【0360】
【表11】
【0361】表11の結果から、本発明のシアンカプラ
ー、DIR化合物及び非発色・耐拡散性カルボン酸のこ
れらを種々変更もしくは混合使用しても高い発色性を与
え、感光材料の経時安定性に優れ、高い色像堅牢性を示
すとともに色再現性、鮮鋭性の画質に優れていることが
試料401〜408と試料201の比較から明らかであ
る。
【0362】実施例5 実施例4で作製した試料401〜408及び実施例2の
試料201を用い、実施例4で使用した発色現像液のカ
ラー現像主薬、2−メチル−4−〔N−エチル−N−
(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン硫酸塩を4
−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(4−ヒドロ
キシブチル)アニリン硫酸塩に等モル量置き換え、発色
現像時間を2分15秒にして処理を行い実施例4と同様
の性能評価を実施した。
【0363】得られた結果は実施例4の結果と同傾向を
示し、本発明のシアンカプラー、DIR化合物及び非発
色性カルボン酸を使用することにより、写真性、感材の
保存性、色像堅牢性に優れていることが確認できた。こ
の中にあって色像堅牢性、色再現性(色濁り)は実施例
4で得られた結果よりもむしろ本実施例で得られた結果
のほうが比較試料201との対比で差が大きく、改良効
果の大きいことが認められた。
【0364】実施例6 実施例2で作製した試料201及び実施例4で作製した
試料401〜408を特公平2−32615号、実公平
3−39784号に記載の方法に従ってレンズ付フィル
ムユニットを作製した。これら9種のレンズ付フィルム
ユニットは同一条件で種々の被写体を撮影し、実施例5
のカラー現像処理を行ってカラーネガを得た。これらの
カラーネガを用い、富士ミニラボチャンピオン、プリン
タープロセッサーFA−140(富士写真フイルム株式
会社製)を使用してフジカラーペーパー、スーパーF
A、Type II に焼付け、プリントを得た(この時のカラ
ー現像処理はCP−43FAを使用した。)
【0365】これら9種の試料からプリントして得られ
たそれぞれの絵柄を試料間で比較観察したところ、本発
明の構成からなる試料401〜408は比較試料201
に比べ被写体の繊細な部分の描写に優れかつ色の彩度特
にシアン、青色の色再現の改良されていることが確認で
きた。また、先のカラーネガである試料201、401
〜408を50℃、相対湿度70%の条件下に3ヵ月間
保存したが、試料401〜408は試料201に比べ明
らかにシアン色像の劣化の程度の小さいことを確認する
ことができた。少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳
剤層に、化1に示される一般式(Ia)または一般式
(Ib)で表わされるシアンカプラー、化2に示される
一般式(1) または化3に示される一般式(2) で表わされ
る化合物及び非発色性で耐拡散性のカルボン酸を含有さ
せることにより、高い感度と発色濃度を与え、色像堅牢
性に優れ、色再現性と鮮鋭性の優れた画像を与え、感光
材料の経時安定性及び処理安定性に優れたハロゲン化銀
カラー写真感光材料を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材
    料において、下記化1に示される一般式(Ia)または
    一般式(Ib)で表わされるシアンカプラー及び非発色
    性で耐拡散性のカルボン酸またはその塩を含有すること
    を特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。 【化1】 (式中、Zaは、−NH−又は−CH(R13) −を表わ
    し、Zb及びZcは、それぞれ−C(R14)=又は−N
    =を表わす。R11、R12及びR13は、それぞれハメット
    の置換基定数σp 値が0.20以上の電子吸引性基を表
    わす。ただし、R11とR12のσp 値の和は、0.65以
    上である。R14及びR21は、それぞれ水素原子又は置換
    基を表わす。但し、式中に2つのR14が存在する場合に
    は、それらは同じであってもよいし、異なっていてもよ
    い。R22は置換基を表わし、Z2 は、含窒素6員複素環
    を形成するのに必要な非金属原子群を表わす。但し、該
    複素環は少なくとも1つの解離基を有する。X1 及びX
    2 は、それぞれ水素原子または芳香族第一級アミンカラ
    ー現像主薬の酸化体とのカップリング反応により離脱す
    る基を表わす。)
  2. 【請求項2】 下記化2に示される一般式(1) または化
    3に示される一般式(2) で表わされる化合物を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー
    写真感光材料。 【化2】 式中Aはカプラー残基または酸化還元基を表わし、L1
    およびL3 は2価のタイミング基を表わし、L2 は3価
    もしくはそれ以上の結合手を有するタイミング基を表わ
    し、PUGは写真性有用基を表わす。jとnはそれぞれ
    独立に0、1または2を表わし、mは1または2を表わ
    し、sはL2 の価数から1を引いた数であり2以上の整
    数を表わす。またL1 、L2 もくしはL3 が分子内に複
    数個存在するとき、それらは全て同じであっても異なっ
    ていても良い。また複数個存在するPUGは全て同じで
    あっても異なっていても良い。 【化3】 式中、AとPUGは一般式(I)と同義である。L4
    −OCO−基、−OSO−基、−OSO2 −基、−OC
    S−基、−SCO−基、−SCS−基または−WCR11
    12−基を表わす。ここでWは酸素原子、硫黄原子また
    は3級アミノ基(−NR13−)を表わし、R11およびR
    12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表わし、R
    13は置換基を表わす。またR11、R12及びR13の各々が
    2価基を表わし、連結して環状構造を形成する場合も含
    む。L5 は共役系に沿った電子移動によりPUGを放出
    する基もしくはL4 で定義される基を表わす。
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