JPH0636350Y2 - キヤブオ−バ−型自動車用過給式内燃機関における吸気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、キャブオーバー型の自動車に搭載される過給
式の内燃機関において、該内燃機関に対する排気ターボ
過給機等の過給機からの過給空気を、前記内燃機関にお
ける吸気マニホールドに導くたの吸気装置に関するもの
である。

〔従来の技術とその問題点〕

自動車に搭載される過給式内燃機関は、例えば実開昭58
−102736号公報等に記載されているように該内燃機関の
一側面に排気ターボ過給機等の過給機を、他側面に吸気
マニホールドを設け、前記過給機からの吸気配管を、内
燃機関の上部を迂回して前記吸気マニホールドに接続し
た構成にしている。

そして、このように内燃機関の一側面における過給機か
らの吸気配管を内燃機関の上部を迂回して内燃機関の他
側面における吸気マニホールドに接続する場合、その吸
気配管は、過給機と吸気マニホールドとの間の寸法誤差
が大きい点、当該吸気配管における熱膨脹の吸収の点、
及び当該吸気配管が内燃機関の上部を迂回するために曲
がりくねったものになる点等を考慮して、ゴム又は合成
樹脂等のフレキシブルホースにて構成するのが通例であ
った。

しかし、内燃機関の上部を迂回して過給機と吸気マニホ
ールドとを接続する吸気配管を、フレキシブルホースに
構成することは、このフレキシブルホースの外径は相当
大径になるから、内燃機関を座席に下部に配設したいわ
ゆるキャブオーバー型の自動車に適用した場合におい
て、内燃機関と座席との間に前記フレキシブルホースを
配設することは座席の高さが、内燃機関の上部を迂回す
るフレキシブルホースが径大になる分だけ高くしなけれ
ばならない点に問題がある。

しかも、このフレキシブルホースを高温の内燃機関に接
触しないように支持しなければならないから、その支持
構造が複雑になるのであり、その上、このフレキシブル
ホースは高価であるから、前記支持構造が複雑になるこ
とと相俟って著しくコスト高になるのである。特に、吸
気マニホールド側の過給空気に対するインタークーラを
備えている場合には、前記フレキシブルホースの吸気配
管は、更に長いものとなるから、前記コスト高の問題は
一層拡大するのであった。

本考案は、このように過給機と吸気マニホールドとを接
続する吸気配管を内燃機関の上部を迂回して配設したも
のを、キャブオーバー型の自動車に適用する場合の問題
を解消することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

このため本考案は、座席の下部における車体フレームに
搭載した内燃機関の一側面に排気ターボ過給機等の過給
機を、他側面に吸気マニホールドを備え、前記過給機と
吸気マニホールドとの間を内燃機関の上部を迂回する吸
気配管にて接続して成る吸気装置において、前記吸気配
管のうち少なくとも内燃機関の上部を迂回する部分を、
金属製のパイプにて構成し、該金属製パイプの一端と前
記過給機との間、及び金属製パイプの他端と前記吸気マ
ニホールドとの間を各々フレキシブルホースにて接続す
る一方、前記金属製パイプを、防振ゴムを介して前記車
体フレームに取付けた構成にしたものである。

〔考案の作用・効果〕

このように過給機から吸気マニホールドへの吸気配管の
うち内燃機関の上部を迂回する部分を、金属製のパイプ
にて構成したことにより、吸気配管が内燃機関の上部を
迂回する部分の直径を、小径にすることができる一方、
この金属製パイプと過給機及び吸気マニホールドとの間
をフレキシブルホースにて構成したことにより、過給機
と吸気マニホールドとの間における大きい寸法誤差、及
び金属製パイプの熱膨脹は、金属製パイプの両端におけ
るフレキシブルホースにて吸収できるのであり、また、
フレキシブルホースは、前記金属製パイプの過給機及び
吸気マニホールドとの間に使用するのみで良く、更に、
前記金属製パイプを、自動車における車体フレームに取
付けることによって、その両端におけるフレキシブルホ
ースも同時に支持できて、両フレキシブルホースに対す
る支持構造を省略することができるのである。

従って本考案によると、キャブオーバー型の自動車にお
いて、内燃機関の上部における座席の高さを低くできる
と共に、過給機と吸気マニホールドとを繋ぐ吸気配管
に、高価なフレキシブルホースを使用する量を低減でき
ると共に、その支持構造を簡略化できるから、製造コス
トを、従来の場合とは比較にならない程著しく軽減でき
るのであり、しかも、過給機から吸気マニホールドへの
吸気配管の一部に金属製パイプを使用したことにより、
この金属製パイプ箇所において、過給空気の冷却を図る
ことができるから、この分だけ内燃機関に対する空気の
充填効率を向上でき、また、インタークーラを使用する
場合には、当該インタークーラの容量を小型化できるの
である。その上、前記金属製パイプを車体フレームに取
付けるに際して防振ゴムを使用したことにより、過給機
における高周波の騒音が前記金属製パイプを介してフレ
ームに伝達してこもり音が増大することを低減できるか
ら、過給機から吸気マニホールドへの吸気配管として金
属製パイプを使用したことによる騒音の増大を回避でき
る等の効果を有する。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を図面について説明するに、図面に
おいて符号１は、キャブオーバー型自動車においてその
前後方向に延びる左右一対のサイドフレーム1aを複数本
のクロスフレーム1bにて一体的に連結することによって
構成した車体フレームを示し、該車体フレーム１の前部
上面には、キャビン（図示せず）の床を形成するフロワ
ーパネル２が設けられ、このフロワーパネル２の後部に
は、上面に操縦座席３を備えた座席支持部材４を設け
て、この座席支持部材４の下部にエンジンルーム５を形
成する。

図中符号６は、前記エンジンルーム５内に、前記車体フ
レーム１に搭載して配設した内燃機関を示し、該内燃機
関６には、その左側面に排気ターボ過給機７が、右側面
に横型気化器８付き吸気マニホールド９が各々取付けら
れている。

図中符号10は、過給空気を空冷によって冷却するたのイ
ンタークーラを示し、該インタークーラ10は、前記両サ
イドフレーム1aのうち右側のサイドフレーム1aの上部に
取付けられ、このインタークーラ10の一端における出口
管10aは、ゴム又は合成樹脂製のフレキシブルホース11
を介して前記横型気化器８に接続され、インタークーラ
10の他端には入口管10bを備えている。

図中符号12は、前記排気ターボ過給機７と、前記インタ
ークーラ10における入口管10bとの間を、前記内燃機関
６の上部を迂回して接続する吸気配管を示し、該吸気配
管12の途中における一部、つまり当該吸気配管12が内燃
機関６の上部を迂回する部分を、金属製のパイプ13にて
構成し、該金属製パイプ13の一端をゴム又は合成樹脂製
のフレキシブルホース14を介して前記排気ターボ過給機
７に接続する一方、金属製パイプ13の他端を同じくゴム
又は合成樹脂製のフレキシブルホース15を介して前記イ
ンタークーラ10における入口管10bに接続する。

そして、前記金属製パイプ13を、前記座席支持部材４か
ら突設した左右一対のブラケット16に対して、円筒状の
防振ゴム17を介してボルト18にて締結することによって
取付ける。

こように吸気配管12のうち内燃機関６の上部を迂回する
部分を、金属製パイプ13にて構成すると、吸気配管12の
うち内燃機関６の上部を迂回する部分の直径を、吸気配
管12の全体をゴム又は合成樹脂製のフレキシブルホース
にて構成する場合よりも小径にできるから、この分だけ
座席３の高さを低くすることができる。この場合におい
て、金属製パイプ13の上面又は下面を、第３図及び第４
図に示すように部分的又は全体に平面状13aに潰し変形
することにより、座席３の高さをより低くできる。

また、前記吸気配管12のうち少なくとも内燃機関６の上
部を迂回する部分を、金属製パイプ13にて構成したこと
により、吸気配管12における金属製パイプ13と排気ター
ボ過給機７との接続部、及びインタークーラ10との接続
部に対してゴム又は合成樹脂製のフレキシブルホース1
4,15を使用するのみで良く、また、前記金属製パイプ13
を座席支持部材４等の車体フレーム１側に防振ゴム17を
介して取付けたことにより、前記両フレキシブルホース
14,15を同時に支持できる共に、当該金属製パイプ13か
ら車体フレーム１側への騒音の伝達を低減できるのであ
り、更に、吸気配管12の一部を金属製パイプ13にて構成
したことにより、当該金属製パイプ13箇所において過給
空気を冷却することができるのである。

なお、前記実施例は、インタークーラを使用する場合を
示したが、本考案はインタークーラを使用しない場合に
も適用できることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はキャブオーバー
型自動車における車体フレームの平面図、第２図は第１
図の側面図、第３図は第１図の要部拡大図、第４図は第
３図のIV−IV視側面図である。 １……車体フレーム、６……内燃機関、７……排気ター
ボ過給機、９……吸気マニホールド、10……インターク
ーラ、10a……インタークーラの出口管、10b……インタ
ークーラの入口管、12……吸気配管、13……金属製パイ
プ、14,15……フレキシブルホース、16……ブラケッ
ト、17……防振ゴム、18……ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】座席の下部における車体フレームに搭載し
   た内燃機関の一側面に排気ターボ過給機等の過給機を、
   他側面に吸気マニホールドを備え、前記過給機と吸気マ
   ニホールドとの間を内燃機関の上部を迂回する吸気配管
   にて接続して成る吸気装置において、前記吸気配管のう
   ち少なくとも内燃機関の上部を迂回する部分を、金属製
   のパイプにて構成し、該金属製パイプの一端と前記過給
   機との間、及び金属製パイプの他端と前記吸気マニホー
   ルドとの間を各々フレキシブルホースにて接続する一
   方、前記金属製パイプを、防振ゴムを介して前記車体フ
   レームに取付けたことを特徴とするキャブオーバー型自
   動車用過給式内燃機関における吸気装置。