JPH063542B2 - 感光性平版印刷版の処理方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の処理方法

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JPH063542B2
JPH063542B2 JP363785A JP363785A JPH063542B2 JP H063542 B2 JPH063542 B2 JP H063542B2 JP 363785 A JP363785 A JP 363785A JP 363785 A JP363785 A JP 363785A JP H063542 B2 JPH063542 B2 JP H063542B2
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淳夫 米野
正文 上原
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    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
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Description

【発明の詳細な説明】 (1)発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明は、現像補充液補充装置を有する自動現像機を用
いて感光性平版印刷版を現像処理する方法に関するもの
である。
(従来技術) 自動現像機を用いて感光性平版印刷版(以下PS版とい
う)を処理する場合、一般には処理に伴って現像液の現
像活性は低下し、それと共にPS版の感度も変動する。
さらに処理し続けると、ついには現像不良を生じるとい
う欠点があった。この現像不良を起こす原因としては、
感光層の溶出に伴う現像液の疲労、すなわち処理疲労
と、空気中の炭酸ガスを吸収することによる現像液の疲
労、すなわち経時疲労とがある。
このような疲労を回復させるための補充方法として最
近、センサーを用いて現像液の疲労度などを測定し、そ
の結果に基づいて現像補充液を補充する方法が提案され
ている。
例えば、特開昭58‐95349号公報に示されるように、現
像液の劣化を現像ゾーン途中においたセンサーによりP
S版の感光層の溶出度合で測定し、現像補充液を補充す
る補充方法あるいは、特開昭59‐131930号公報に示され
るように現像液の劣化を現像液の電導度にて測定し、現
像補充液を補充する補充方法がある。
特開昭58‐95349号公報に示されている具体的な補充方
法は、PS版の処理時に現像液の劣化を測定し、現像液
の劣化がある所定のレベルに低下した時にある一定量の
現像補充液が補充されるようになっている。この時、現
像液の劣化の測定は現像処理されるPS版の非画像部の
感光層の溶出度合を交流インピーダンス計で電気抵抗値
として測定することにより行っている。
しかしながら、現像液の液活性の現像液の電気抵抗値又
は電導度(導電率と同意)との関係は、PS版の感光層
言い換えれば樹脂分を含んだ現像液と含まない現像液で
は異なっている。すなわち、PS版を処理して疲労した
現像液に補充液を補充して新液と同一の電気抵抗値又は
電導度に回復させた現像液は新液より液活性が低いので
ある。従って、現像液の劣化度を交流インピーダンス計
を用い、PS版の非画像部の溶出度合として測定する方
法においても、非画像部に対向する電極と該非画像部と
の間には現像液が介在するのであるから、測定されたイ
ンピーダンスが同一値であっても、新液とランニング液
とで現像液の液活性は異なることを本発明者らは見出し
た。ここで、液活性とは、現像液の感光層に対する溶出
能力であり、感光層の溶出速度で表される現像液の特性
である。
また、特開昭59‐131930号公報に示されている方法は、
現像疲労液の電導度を現像新液の電導度に回復させる方
法なので、前述の場合と同様に、現像液のランニングの
程度により補充のタイミングがずれることも本発明者ら
は見出した。
従って、このような現像補充液の補充方法では適切な補
充を行うことができず、被現像物の現像品質は劣化し、
また、新液による処理と補充された液による処理との間
で現像品質のばらつきが大になる問題がある。
(発明の目的) 本発明の目的は上記のごとき欠点を改良し、現像液のラ
ンニングの程度の多少にかかわらず、常に安定して適切
なタイミングで適切な量の現像補充液を補充し、現像液
の液活性を一定に維持することを可能にする現像補充液
の補充方法を提供することである。
(2) 発明の構成 本発明者等は鋭意研究した結果、現像液の劣化度をセン
サーで測定し、該センサーの測定値が予め定めた所定の
レベルの値になった時、該所定のレベルに対応する量の
現像補充液を、現像液の液活性を一定に保つように現像
液に補充する補充装置を有する現像工程において、PS
版の処理量の増加に伴い低下する前記現像液の劣化度に
応じて前記所定のレベルおよび/または該所定のレベル
に対応する現像補充液の量を変化させることによって本
発明の目的が達成されることを見出した。
前記現像液の劣化度を測定するセンサーとしては、従来
から知られる電導度測定計、インピーダンス計等が使用
することができる。
これらの計測器による測定値の「所定のレベル」とはP
S版の処理する現像液における電導度、インピーダンス
の測定値が、予め設定されているレベルのことであり、
この予め設定されたレベルはPS版の感度変動の許容範
囲内に位置する測定値が基準となる。例えば、現像液の
新液の電導度からの低下した電導度の値、所定枚数処理
した現像液に現像補充液を補充してPS版の感度変動の
許容範囲内の電動度に変化させた後(所定のレベルに対
応する現像補充液の補充量)、この電導度が変化しても
前記PS版の感度変動の許容範囲外になったとき現像補
充液を補充する測定値である。
従って、この測定値に応じて現像液の液活性を一定にす
るための現像補充液の補充量は変化する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の方法において現像処理の対象とする感光性平版
印刷版は光照射に応じて溶解性の変化する感光層が支持
体上に塗布されているものである。支持体としては紙:
プラスチックがラミネートされた紙:アルミニウム、亜
鉛、銅等の金属板;ポリエチレンテレフタレート、ポリ
プロピレン、三酢酸セルロースなどのプラスチックスフ
ィルム;およびクロム、ニッケル等の金属が蒸着もしく
はラミネートされた金属板、紙、プラスチックフィルム
等が含まれる。これらの支持体のうち、アルミニウム板
が好まし用いられる。
アルミニウム材としては、純アルミニウムの他アルミニ
ウムを主成分とする合金、例えばケイ素、マグネシウ
ム、鉄、銅、亜鉛、マンガン、ビスマス、ニッケル等を
含むアルミニウム合金を包含する。
アルミニウム材としては応、圧延法、溶融アルミニウム
めっきより製造された板状(箔状のものを含む)のアル
ミニウム材が使用できる。溶融アルミニウムめっきより
製造されたアルミニウム材は鋼板等の金属板に溶融アル
ミニウム浴でめっきして、厚さが7μm以上のアルミニ
ウム層を有する板である。
また、アルミニウム板の表面は砂目形状を形成させるこ
とが望ましい。砂目形状を形成させる方法としては、例
えば機械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げ
られる。さらに、砂目形状を形成させたアルミニウム板
は陽極酸化処理を施すことが望ましい。また、さらに封
孔処理、その他弗化ジルコニウム酸カリウム水溶液への
浸漬などによる表面処理を行うことが望ましい。
本発明に使用されるPS版の感光性組成物は必須成分と
して感光性物質を含んでおり、感光性物質としては、露
光またはその後の現像処理により、その物質的、化学的
性質が変化するもので、例えば露光により現像液に対す
る溶解性に差が生じるもの、露光の前後で分子間の接着
力に差が生じるもの、露光またはその後の現像処理によ
り水および油に対する親和性に差が生じるもの、更に電
子写真方式により画像部を形成できるもの等が使用でき
る。
その代表的なものとしては、例えば感光性ジアゾ化合
物、感光性アジド化合物、エチレン性不飽和二重結合を
有する化合物、酸触媒で重合を起すエポキシ化合物、酸
で分解するC‐O‐C‐基を有する化合物等が挙げられ
る。感光性ジアゾ化合物としては、露光によりアルカリ
可溶性に変化するポジ型のものとしてo−ナフトキノン
ジアジド化合物、露光により溶解性が減少するネガ型の
ものとして芳香族ジアゾニウム塩等が挙げられる。
本発明の方法が適用されるPS版の上記により形成され
る感光層には更に染料、可塑剤、プリントアウト性能を
与える成分などの添加剤を加えることができる。かかる
組成を有する感光層は適当な用材の溶液を使用して支持
体上に塗布される。
支持体上に設けられる上記感光層の塗布量は0.1〜7g
/m2が好ましく、より好ましくは0.5〜3g/m2であ
る。
PS版は一般的には透明原図を通してカーボンアーク
灯、水銀灯、メタルハライドランプ、タングステンラン
プ等の活性光線豊富な光源により露光され、次いで湿式
処理による現像処理工程にて現像される。
本発明において使用される現像液は、PS版に用いる感
光性組成物の種類等により種々変化しうるが、好ましく
はアルカリ剤および有機溶媒の少なくとも一つを含有す
るものである。
アルカリ剤としてはケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウ
ム、ケイ酸リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム、第三リン酸
ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウ
ム、第二リン酸カリウム、第三リン酸アンモニウム、第
二リン酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭酸
ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アン
モニウムなどのような無機アルカリ剤、モノ‐、ジ‐、
またはトリエタノールアミン、モノ‐、ジ‐、またはト
リメチルアミン、モノ‐、ジ‐、またはトリエチルアミ
ン、モノ‐、またはジイソプロピルアミン、n‐ブチル
アミン、モノ‐、ジ‐、またはトリイソプロパノールア
ミン、エチレンイミン、エチレンジイミン等の有機アミ
ン化合物等が挙げられる。
特に支持体の親水性表面の上に設けられる感光性組成物
がネガ型のジアゾ化合物を含有する場合(以下ネガ型ジ
アゾPS版と記す。)には、現像液は有機溶媒を含有す
るアルカリ性水溶液であることが好ましく、有機溶媒と
しては20℃における水に対する溶解度が10重量%以下で
あることがPS版の現像性、インキ着肉性、保水性向上
の点で好ましい。20℃における水に対する溶解度が10重
量%以下の有機溶媒としての一部を例示するならば、例
えば酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミ
ル、酢酸ベンジル、アセト酢酸エチル、エチレングリコ
ールモノブチルアセテート、マロン酸エチル、乳酸ブチ
ル、レブリン酸ブチルのようなカルボン酸エステル、エ
チルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノンのようなケトン類、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、エチレングリコールモノブチルフェニル
エーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、
エチレングリコールモノ‐n‐ヘキシルエーテル、エチ
レングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリ
コールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、エ
トキシエトキシエタノール、メチルフェニルカルビノー
ル、n‐アミルアルコール、メチルアミルアルコール、
4‐フェニル‐1‐ブタノール、β‐フェネチルアルコ
ール、3‐フェニル‐1‐プロパノールのようなアルコ
ール類、キシレンのようなアルキル置換芳香族炭化水
素、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、モ
ノクロルベンゼンのようなハロゲン化炭化水素などがあ
る。これらの有機溶媒は一種以上用いてもよい。これら
有機溶媒の中では、エチレングリコールモノフェニルエ
ーテルとベンジルアルコールが特に有効である。また、
これら有機溶媒の現像液中における含有量は、好ましく
は1〜20重量%であり、特に2〜10重量%のときに、よ
り好ましい結果を得る。
また、ネガ型ジアゾPS版用の現像液中に含まれるアル
カリ剤の好ましい含有量は0.0005〜4重量%で好ましく
は0.5〜2重量%である。
さらに該ネガ型ジアゾPS版の現像液にはアニオン界面
活性剤、水溶性亜流酸塩、可溶化剤等を含有させること
が現像性向上の上で好ましい。
アニオン界面活性剤としては、特界昭57‐5045号公報に
記載されている高級アルコール硫酸エステル類、脂肪族
アルコールリン酸エステル塩類、アルキルアリールスル
ホン酸塩類、アルキルアミドスルホン酸塩類、二塩基脂
肪酸エステルのスルホン酸塩類、アルキルナフタレンス
ルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルム
アルデヒド縮合物などが挙げられる。これらの中で特に
ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ブチルナフタ
レンスルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物は
現像時に感光性組成物層の親水性表面からの分離溶解性
が強いため好ましい。これらのアニオン界面活性剤は現
像液成分中の含有量として0.5〜10重量%が好ましく、
さらに好ましくは1〜5重量%である。
水溶性亜流硫酸塩は感光性組成物の副反応による親水性
表面への固着、残留を防ぎ、現像性を向上させる効果を
もつものであり、具体例としては悪硫酸のアルカリまた
はアルカリ土類金属が好ましく、例えば亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸マグネシ
ウムなどがある。亜硫酸塩の現像液組成物中における好
ましい含有量は0.05〜4重量%でより望ましくは0.1〜
1重量%である。
可溶化剤は前述の20℃の水に対する溶解度が10%以下の
有機溶媒の溶解を補助するものであるため、より水易溶
性の有機溶媒であるものが好ましく、低分子のアルコー
ル類、ケトン類、ラクタム類を用いるのが良い。具体的
には、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、メトキシブタノール、エトキシブタ
ノール、4‐メトキシ‐4‐メチルブタノール、N‐メ
チルピロリドンなどが好ましい。可溶化剤の使用量とし
ては、現像液中30重量%以下とすることが好ましい。
また、支持体と親水性表面の上にポジ型のジアゾ化合物
を含む感光性組成物を設ける場合(以下ポジ型ジアゾP
S版と記す。)、現像液はアルカリ性の水性溶液である
ことが好ましく、アルカリ剤として好ましくはケイ酸カ
リウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン
酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸カリ
ウム、第二リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム等が挙げられる。これらの中でもケイ酸カリウム、
ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウムのケイ酸アルカリを
含有する現像液は現像階調性が良好なため最も好まし
く、ケイ酸アルカリの組成がモル比で〔SiO2〕/〔M〕
=0.5〜1.5(ここに〔SiO2〕、〔M〕はそれぞれSiO2
モル濃度と総アルカリ金属のモル濃度を示す。)であ
り、かつSiO2を0.8〜8重量%含有する現像液が好まし
く用いられる。このケイ酸アルカリ組成のうち、特にモ
ル比で〔SiO2〕/〔M〕=0.5〜0.75であり、かつSiO2
が0.8〜4重量%の現像液は、低濃度のため現像廃液の
中和が容易なことから好ましく用いられ、一方0.75を越
え1.3までのモル比であり、かつSiO2が1〜8重量%の
現像液は緩衝力が高く、処理能力が高いことから好適に
用いられる。
また、ポジ型ジアゾPS版の現像液中に、特開昭50‐51
324号公報に記されるようにアニオン性界面活性剤およ
び両面界面活性剤のうち少なくとも一つ含有させること
により、または特開昭55‐95946号後報、同56-142528号
公報に記されるように高分子電解質を含有させることに
より、感光性組成物への濡水性を高めたり、階調性をさ
らに高めることができ、好ましく用いられる。かかる界
面活性剤の添加量は特に制限はないが、0.003〜3重量
%が好ましく、特に0.006〜1重量%の濃度が好まし
い。さらに該ケイ酸アルカリのアルカリ金属として全ア
ルカリ金属中、カリウムを20モル%以上含むことが、現
像液中での不溶物発生が少ないために好ましく、より好
ましくはカリウムを90モル%以上含むことであり、最も
好ましくはカリウムが100モル%の場合である。
感光性組成物がネガ型であるかポジ型であるかにかかわ
らず、本発明に使用される現像液には消泡剤を含有させ
ることができる。好適な消泡剤には有機シラン化合物が
挙げられる。
本発明に用いられる自動現像機としては、現像処理工程
の他に必要ならば現像処理工程後、現像停止処理工程、
不感脂化処理工程のそれぞれ個々の処理工程、ならびに
現像停止処理工程とそれに引続く不感脂化処理工程、さ
らには現像停止処理工程と不感脂化処理工程とを組み合
わせた処理工程等を有するものを包含する。
このような処理工程の例としては、例えば特開昭54‐80
02号公報に記載がある。
本発明における現像液の劣化度を測定するセンサーとし
ては、例えば現像液のpHを測定するpH計、特開昭58
‐95349号公報に記載されているような現像ゾーン途中
に設けPS版非画像部の溶出度合を測定する為の電気的
センサー、あるいは特開昭59‐131930号公報に記載され
ているような現像液の電導度を測定する電導度計などが
挙げられる。
これらの中で好ましいセンサーとしては、現像液の劣化
度をPS版非画像部の溶出度合等として測定するために
現像ゾーン途中に設けた電気的センサーが挙げられる。
さらに、このとき、電気的センサーによりPS版非画像
部の溶出度合等をインピーダンスとして測定することが
好ましい。また、この場合のセンサーは、センサーの一
方の電極ともう一方の電極との距離が0.1mm〜30cmが好
ましく、より好ましくは0.1mm〜15cmである。また2つ
の電極の位置関係は、PS版搬送方向に対して平行方
向、垂直方向あるいはPS版をはさんで上下方向いずれ
の位置でもよい。また、PS版と電極との距離は10mm以
下が好ましく、より好ましくは5mm以下である。また、
PS版と電極とが平行に並ぶ部分での電極の面積は1cm
2〜20cm2が望ましいが、より好ましくは2cm2〜10cm2
ある。さらにこの時、少なくとも一方の電極はPS版の
感光層を有する側に位置する必要があり、また、少なく
とも一方の電極はインピーダンス測定時に現像液中に浸
っている必要がある。
さらに、現像ゾーン途中の位置に設けたセンサーの位置
は、現像ゾーンの挿入部から現像の進む方向へ現像ゾー
ンの1/20進行した位置から1/2進行した位置までの
範囲に設けることが好ましい。
本発明は、処理により疲労した現像液に対する補充量又
は補充の時期を決める疲労のレベルを前記のようなセン
サーによる測定値だけで決めると液活性を一定に維持す
る目的に対して不充分であることを見出し、センサーに
よる測定値に更に処理量の因子を加味して決めることに
より、該目的に対して顕著に改善されること見出したこ
とに基くものである まず、センサーによる測定値及び処理量によって補充す
べき疲労レベルを変える場合について述べる。
例えば、現像液の劣化度を測定するセンサーとして電導
度計を用い、補充量を一定とし、補充すべき電導度のレ
ベルを処理量の関数として決める場合には次のような方
法が挙げられる。
新液を用いてPS版を多数枚処理してゆき、感度変動の
許容限度(例えばステップタブレットで0.5段感度が低
下する)まで疲労したときの電導度の低下量(a)、及び
このときの適切補充量(p)(新液の感度に回復させるの
に必要な補充量)を実験的に求める。
次いで、この適切補充量の補充がなされた現像液を用い
て上記と同様にPS版を多数枚処理してゆき、補充され
た後の処理現像液の電導度から感度変動の許容限度まで
疲労したときの電導度の低下量(a−α1)を求める。
このα1の値を用い、第n回目の補充を行う電導度のレ
ベルを新液の電導度からa−(n-1)α1だけ低下した電
導度とし、このレベルに達したときに補充量pの補充を
行う。
更に補充の精度を上げるには、α1,α2…αnを順次上
記に準じて実験的に求めればよい。
例えば、現像液の劣化度を測定するセンサーとしてイン
ピーダンス計を用い、補充量を一定とし、補充すべきイ
ンピーダンス値のレベルを処理量の関数として決める場
合には次のような方法が挙げられる。
新液を用いてPS版を多数枚処理してゆき、感度変動の
許容限度(例えばステップタブレットで0.5段感度が低
下する)まで疲労したときのインピーダンス値の増大値
(b)、及びこのとき適切補充量(p)(新液の感度に回復さ
せるのに必要な補充量)を実験的に求める。
次いで、この適切補充量と補充がなされた現像液を用い
て上記と同様にPS版の多数枚処理してゆき、補充され
た現像液のインピーダンス値から感度変動の許容限度ま
で疲労したときのインピーダンス値の増大値(b+
γ1)を求める。
このγ1の値を用い、第n回目の補充を行うインピーダ
ンス値のレベルを新液のインピーダンス値からb+(n
−1)γ1だけ増大したインピーダンス値とし、このレ
ベルに達したときに補充量pの補充を行う。
更に補充の精度を上げるには、γ1,γ2…γnを順次上
記に準じて実験的に求めればよい。
次に、センサーによる測定値及び処理量によって補充量
を変える場合について説明する。
例えば、上記と同様、現像液の劣化度をセンサーとして
電導度計を用いて測定し、補充すべき電導度の低下量の
レベルを一定とし一回当りの補充量を処理量に応じて変
える場合には次のような方法が挙げられる。
新液を用いてPS版を多数枚処理してゆき、感度変動の
許容感度まで疲労したときの電導度の低下量(a)、及び
このときの適切補充量(p)(新液の感度の回復させるに
必要な補充量)を実験的に求める。
次いで、この適切補充量の補充がなされた液を用いて上
記と同様にPS版を多数枚処理してゆき、電導度が補充
された現像液の電導度からaだけ低下した液の感度を新
液の感度に戻すに必要な補充量p+β1を実験的に求め
る。このβ1の値を用い、第n回目の補充の補充量をp
+(n-1)β1とする。更に補充の精度を上げたいときは
β1,β2、…βnを順次上記に準じて実験的に求める。
例えば、上記と同様、現像液の劣化度をセンサーとして
インピーダンス計を用いて測定し、補充すべきインピー
ダンス値の増大量のレベルを一定とし一回当りの補充量
を処理量に応じて変える場合には次のような方法が挙げ
られる。
新液を用いてPS版を多数枚処理してゆき、感度変動の
許容限度まで疲労したときのインピーダンス値の増大量
(b)、及びこのときの適切補充量(p)(新液の感度に回復
させるに必要な補充量)を実験的に求める。
次いで、この適正補充量の補充がなされた液を用いて上
記と同様にPS版を多数枚処理してゆき、インピーダン
ス値が補充された現像液のインピーダンス値からbだけ
増大した液の感度を新液の感度に戻すに必要な補充量p
+σ1を実験的に求める。このσ1の値を用い、第n回目
の補充の補充量をp+(n−1)σ1とする。更に補充
の精度を上げたいときはσ1、σ2…σnを順次上記に準
じて実験的に求める。
次に、センサーによる測定値及び処理量によって補充す
べき疲労レベル及び補充量の両者を変える場合について
センサーを電導度計とする例で説明する。
新液を用いてPS版を多数枚処理してゆき、感度変動の
許容限度まで疲労したときの電動度の低下量(a)、及び
このときの適切補充量(p)(上記と同義)を実験的に求
める。
次いで、適切補充量の補充がなされた液を用いてPS版
を多数枚処理してゆき、前記と同様にして感度変動の許
容限度まで疲労したときの電動度の低下(a−α1)、
及び適切補充量(p+β1)(上記と同議)を実験的に
求め、以下、前記に準じて第n回目の補充時期を決める
電導度レベルと補充量とを求める。
次に、センサーによる測定値及び処理量によって補充す
べき疲労レベル及び補充量の両者を変える場合について
センサーをインピーダンス計とする例で説明する。
新液を用いてPS版を多数枚処理してゆき、感度変動の
許容限度まで疲労したときのインピーダンス値の増大量
(b)、及びこのときの適切補充量(p)(上記と同義)を実
験的に求める。
次いで、適切補充量の補充がなされた液を用いてPS版
を多数枚処理してゆき、前記と同様にして感度変動の許
容限度まで疲労しときのインピーダンス値の増大(b+
γ1)、及び適切補充量(p+σ1)(上記と同義)を実験
的に求め、以下、前記に準じて第n回目の補充時期を決
める電導度レベルと補充量とを求める。
また、その他のセンサーの場合も前記と同様の方法で求
めることができる。
本発明において、補充する現像補充液の量は補充する現
像補充液の活性度により異なるが、1回の補充量は現像
液の仕込母液量40当り10以下が好ましく、より好ま
しくは仕込母液量40当り4以下である。
本発明の補充方法に併せて、外気温度の変化やシャワー
流速の変化などによる空気中の炭酸ガスの吸収度合の変
化を検知し、それに伴って変化する空気中の炭酸ガスの
吸収による疲労に対応する量の補充液を補充し、PS版
の処理の有無にかかわらず現像液活性を常に一定に保つ
ようにすることが望ましい。
(実施例) 以下、実施例で本発明を更に具体的に説明する。
実施例 1 ナフトキノン1,2‐ジアジド‐5‐スルホニルクロラ
イドとレゾルシン‐ベンズアルデヒド樹脂とのエステル
化物(特開昭56‐1044号公報の実施例−1に記載のも
の)3重量部、クレゾールノボラック樹脂、9重量部お
よびビクトリア・ビュア・ブルー・BOH(保土谷化学
工業株式会社製染料)0.12重量部をメチルセロソルブ10
0重量部に溶解し感光液を調製した。厚さ0.3mmの砂目立
てしたアルミニウム板を硫酸中で陽極酸化し、約2.5g
/m2の酸化皮膜をつくり、よく洗浄した後乾燥し、その
上に上記感光液を塗布乾燥し、約2.8g/m2の感光層を
有するPS版を得た。
このようにして得られたポジ型感光性平版印刷版を1003
×800mmの大きさに裁断したものを多数枚用意し、これ
らに透明陽画を通して80cmの距離から2KWのメタルハ
ライドランプを用いて60秒間露光した。
一方、珪酸カリウム水溶液(SiO2含量26重量%、K2O含
量13重量%)、水酸化カリウム水溶液(48重量%水溶
液)および純水を用いてSiO2とK2Oとの比率(〔SiO2
/〔KO〕)が1.78でK2Oのモル濃度が3.90モル/
の現像液、ならびにSiO2とK2Oとの比率(〔SiO2〕/〔K
2O〕)が0.88で、K2Oのモル濃度が7.79モル/の補充
液を調製した。
次に第1図に示す自動現像機を用いて前記露光済みのP
S版の処理を行った。
第1図において、1は搬送ローラ、2は絞りローラ、3
は串ローラ、4は受ローラ、5はブラシローラである。
ポンプ7から送られる現像液はシャワーパイプ6からP
S版上で供給される。
8は電導度測定用ガラスセル(型名、CG-201PL、東
亜電波製)で、現像タンク11中の現像液の電導度を常時
測定できるようにした。該セルから得られた信号は電導
度計本体(東亜電波製CM‐30ET)とこれに接続した
制御装置9により補充装置10を制御するようにした。測
定された電導度値と補充の関係は電導度が新液から3mS
低下すると1200mlの現像補充液が補充されるようにし、
次は補充後の電導度値から2.9mS低下すると1200mlの現
像補充液が補充されるようにした。以下同様に2.8mS,
2.7mS…というように設定し、現像補充液は常に一定量1
200mlが補充されるように設定した。また自動現像機の
作動中はPS版の処理とは無関係に1時間枚に35mlの補
充液が補充され、自動現像機の作動を休止した場合は15
時間につき300mlの補充液が補充されるようにした。
前記現像液を40仕込み、現像液温度を25℃に設定した
ところ、電導度値は62.3mSを示した。また、搬送ローラ
の速度を調節し、全現像時間が40秒間になるように設定
した。
このように設定し、前記露光済みのPS版を2週間かけ
て約1500枚処理したところ、すべて新しく調液した現像
液で処理したものとほぼ同一の感度を示す平版印刷版が
得られた。
比較例1 実施例1で使用した装置を用い、電導度値と補充の関係
を電導度値が新液から3.0mS低下すると1200mlの現像補
充液が補充されるようにし、次も補充後の電導度値から
3.0mS低下すると1200mlの現像補充液が補充されるよう
に設定した。このように補充後の電導度値から常に3.0m
S低下すると1200mlの現像補充液が補充されるように設
定した。この設定以外はすべて実施例1と同じ条件で処
理を行ったところ、処理枚数の増加と共に、仕上がった
PS版の感度は徐々に低下し、約800枚目のPS版の処
理した時点で地汚れの出る版が生じた。
実施例2 実施例1で用いたPS版、現像液、現像補充液及び第2
図に示す自動現像機を用いて露光済みのPS版の実施例
1と同様に処理した。
第2図において、10'は補充装置、13,13′はステンレ
ス製の電極板で、その大きさは厚さ1mmの1cm×2cmで
ある。その設置位置は搬送され感光性平版印刷版の3mm
上方で、該PS版の幅方向の端から3cmの位置であり、
その位置は常に非画像部が通過するようにした。また、
搬送ローラの速度を調節し、全現像時間が40秒間になる
ように設定した。このとき、13の電極板の中心位置まで
の現像時間は5秒、すなわち挿入されるPS版が5秒後
に通過する位置に13の電極板の中心がくるようにした。
もう一方の電極板13′は現像時間が10秒である位置に設
けた。14は交流インピーダンス計とそれに接続した制御
スイッチであり、10KHzの交流の定電流を被測定物に流
し、被測定物のインピーダンスを測定した。測定された
インピーダンス値に応じて補充装置10′を作動させ、あ
る所定量の補充液が補充されるようにした。15はPS
版、16はPS版15上に供給された現像液である。インピ
ーダンス値と補充液量の関係は下記の表1のように設定
した。表1においてXは測定されたインピーダンスを示
す。
また、設定スイッチは処理枚数が500枚未満の時はスイ
ッチAを押し、処理枚数が500枚以上1000枚未満の時は
スイッチBを押し、処理枚数が1000枚以上の時はスイッ
チCを押し、制御装置14の設定値を変化させるようにし
た。最初設定スイッチはAにセットした。
また、自動現像機の作動中はRS版の処理とは無関係に
1時間毎に35mlの現像補充液が補充され、自動現像機の
作動を休止した場合は15時間につき300mlの現像補充液
が補充されるようにした。このようにして1枚目の露光
済みのPS版を処理したところ、現像時間5〜10秒の位
置で非画像部の感光層はほぼ溶出し、交流インピーダン
ス計のインピーダンス値は18Ωを示した。引き続き前記
露光済みのPS版の処理していき、499枚処理した時点
で設定スイッチをBにセットし、さらに999枚処理した
時点で設定スイッチをCにセットした、このようにして
合計約1500枚の露光済みのPS版を2週間かけて処理し
たところ、すべて新しく調液した現像液で処理したもの
とほぼ同一の感度を示し、かつ安定な網点再現性を有す
る平版印刷版が得られた。
比較例2 実施例2で使用した装置を用い、インピーダンス値と補
充の関係をインピーダンス値が26Ω以上の値を示した時
に420mlの補充液を補充するようにのみ設定した。この
設定以外はすべて実施例2と同じ条件で1500枚のPS版
の処理を行ったところ、仕上ったPS版の感度にバラッ
キが生じ、網点再現性も悪かった。また、地汚れの出る
版も生じた。
(3) 発明の効果 PS版の自動現像機を用いて多数枚処理するとき、液活
性の変動が改善され、仕上り品質の変動が改善される。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明の実施例に用いた自動現像機
の概略断面図である。 1…搬送ローラ 2…絞りローラ 3…串ローラ 4…受ローラ 5…ブラシローラ 6…シャワーパイプ 7…ポンプ 8…電導度測定用ガラスセル 9…制御装置 10…補充装置 11…現像タンク 12…現像補充液タンク 13,13′…電極板 14…交流インピーダンス計及び制御スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−95349(JP,A) 特開 昭55−33183(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】現像液の劣化度をセンサーで測定し、該セ
    ンサーの測定値が予め定めた所定のレベルの値になった
    時、該所定のレベルに対応する量の現像補充液を、現像
    液の液活性を一定に保つように現像液に補充する補充装
    置を有する現像工程において、感光性平版印刷版の処理
    量の増加に伴い低下する前記現像液の劣化度に応じて前
    記所定のレベルおよび/または該所定のレベル対応する
    現像補充液の量を変化させ、現像液の液活性を一定にす
    ることを特徴とする感光性平版印刷版の処理方法。
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