JP2532275B2 - 感光性平版印刷版自動現像機の現像補充液補充方法 - Google Patents

感光性平版印刷版自動現像機の現像補充液補充方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動現像機を用いて感光性平版印刷版を多
数枚現像する場合の現像補充液の補充方法に関するもの
であり、更に詳しくは、自動現像機において感光性平版
印刷版を多数枚処理することによっておこる現像液の劣
化を、現像補充液を自動的に補充する際に、現像補充原
液と現像希釈水とに分離されたタンクを配備した現像補
充液補充装置から自動的に補充する自動現像機の現像補
充液補充方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、感光性平版印刷版を多数枚現像することによる
現像液の劣化を、補充液を補充することにより回復させ
ることは公知の技術である。
例えば、特開昭56-115039号公報に記載されたごと
く、炭酸ガスによる疲労回復のための経時補充、および
感光性印刷版の処理による疲労回復のための処理補充に
より長期のランニング現像を可能にした技術、特開昭58
-95349号公報に記載されたごとく、自動現像機の現像ゾ
ーンの途中の位置にセンサーを設け、該センサーによっ
て検出された感光性組成物の溶出度合が所定のレベルに
低下した時、補充装置が自動的に作動し、一定量の現像
補充液が現像液に添加される技術、特開昭61-61164号に
記載されているごとく現像液の電導度を測定し、この測
定値が予めプログラムされた設定値以下になったら補充
装置が作動し、現像補充液が補充される技術、さらに現
像液の電導度又はインピーダンスを測定することにより
現像液の疲労を検知し、予めプログラムしてある指示に
従って自動的に現像補充液を該現像液に添加して該劣化
を補償すると共に、該現像液からの経時による水の蒸発
量に相当する水を連続的又は間歇的に添加する技術等が
挙げられる。
いづれの方法においても、補充液補充装置のタンクは
作業性の点より現像補充原液仕込タンクと現像希釈水仕
込タンクに分離され、補充液補充装置により、現像タン
クに仕込まれた現像液の液面に補充する方法が取られる
ようになった。しかし、現像補充原液と現像希釈水、さ
らに現像タンクに仕込まれた現像液の比重の違いによ
り、現像タンク中で十分混合されないため、現像液組成
が変化し、正確な補償が達成出来なかった。すなわち、
比重の小さい現像希釈水は、現像液と十分に混合される
ことなく液面を移動してオーバーフローしてしまい、一
方比重の大きい現像補充原液は、現像液と十分に混合さ
れることなく現像タンクの底部に移動するため、局部的
に濃度の高い液が循環され、その結果、調子再現性の悪
い印刷版が得られることがあった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、前記従来技術の欠点を改良すること
である。即ち、自動現像機を用いて感光性平版印刷版を
多数枚現像するとき、現像液の活性度を常に新液の状態
に保つことができる現像液補充方法を提供することであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはこれらの目的を達成すべく鋭意研究を重
ねた結果、本発明の目的は、ディップ現像ゾーンを有す
る自動現像機を用いて、画像露光した感光性平版印刷版
を現像する際の現像液の劣化を現像補充原液と現像希釈
水とを補充することにより回復させる方法であって、現
像補充原液と現像希釈水とを別々に添加し、かつ該希釈
水を現像タンク内現像液循環系により攪拌させながら補
充することを特徴とする補充方法により達成される。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明に使用される自動現像装置はPS版を搬送する方
式のもので現像ゾーンについては通常の水平搬送型で現
像液スプレー、ブラシ等を設けたものが用いられるが、
特に、ディップ現像ゾーンを有するものが好ましい。さ
らに必要に応じて水洗ゾーン(ため水循環を含む)、リ
ンスゾーン、不感脂化ゾーン及び乾燥ゾーンを有するこ
とが出来る。
本発明に使用される現像補充液補充装置は、現像補充
原液タンク、現像補充液希釈水タンクを備え、さらにタ
イマーを組み込んだ送液ポンプ、現像する版、現像液、
現像補充液、水分蒸発等に対応した種々のプログラムを
組み込んだ、マイコン等を備えたものが好ましい。
このような装置の例としては、特開昭56-115039号公
報に記載されたごとく、炭酸ガスによる疲労回復のため
の経時補充、および感光性印刷版の処理による疲労回復
のための処理補充を行う補充装置、特開昭58-95349号公
報に記載されたごとく、自動現像機の現像ゾーンの途中
の位置にセンサーを設け、該センサーによって検出され
た感光性組成物の溶出度合が所定のレベルに低下した
時、補充装置が自動的に作動し、一定量の現像補充液が
現像液に添加される補充装置、特開昭61-61164号に記載
されているごとく現像液の電導度を測定し、この測定値
が予めプログラムされた設定値以下になったら補充装置
が作動し、現像補充液が補充される補充装置、現像液の
電導度又はインピーダンスを測定することにより現像液
の疲労を検知し、予めプログラムしてある指示に従って
自動的に現像補充液を該現像液に添加して該劣化を補償
すると共に、該現像液からの経時による水の蒸発量に相
当する水を連続的又は間歇的に添加する補充装置等が挙
げられる。
本発明方法において現像補充原液と、現像希釈水との
均一なミキシングは、スタティクミキサーを使用して現
像補充原液と該希釈水を混合する方法及びジョロを設け
て現像補充原液と該希釈水をジョロに供給し、さらに現
像タンク内現像液の一部を混合または、現像タンク内循
環系を利用して攪拌する方法さらには、現像補充原液と
該希釈水を個別に添加し、該希釈水を現像タンク内現像
液循環系によりタンク内現像液と混合する方法等により
達成出来る。具体的な方法としては、以下のものが挙げ
られる。
第3図に示すように、現像希釈水タンク16及び現像補
充原液用タンク17から補充ポンプ12、13より、スタティ
クミキサー28にそれぞれの処理液が供給され、現像補充
原液と、現像希釈水が均一に混合されて、現像タンク内
へ供給される。それぞれの補充時間はほぼ、同一時間で
スタティクミキサー28に補充を終了することが好まし
い。又一回の補充に要する時間は劣化の回復時間の関係
から短かい方が好ましく、1分以内が好ましい。スタテ
ィクミキサー28は均一に混合された現像補充液が、現像
タンク内現像液の活性度の回復に有効に作用するように
オーバーフロー配管27の位置より、離れた位置に配置す
ることが望ましい。スタティクミキサー28を使用しない
方法としては、第4図に示すごとく、現像希釈水補充管
26を循環ポンプ10の吸い込み口31の近くに配置し、現像
補充原液17と該希釈水16をそれぞれの補充ノズル25、24
より補充管26に供給することにより、好ましい補充が達
成できる。第5図に示すごとく現像液の一部を現像液循
環ポンプ30により補充管26に供給する方法はさらに好ま
しい。
次に現像補充原液17と現像希釈水16をタンク内で均一
にミキシングする方法としては第6図に示すごとく現像
補充原液17を補充ノズル25より現像タンク内現像液面へ
供給し、現像希釈水16の補充管26を循環ポンプ10の吸込
み口31の近くに配置し、強制的に現像液と攪拌すること
で現像補充原液17と現像希釈水16を均一に混合すること
が出来る。さらに好ましくは第7図に示すごとく、現像
希釈水16の補充管26をタンク側面にセットしポンプ吸込
口31を補充管26の下にセットすることが好ましい。いず
れのばあいにおいても、現像補充原液17と希釈水16は、
ほぼ同一時間で補充を終了することが好ましい。また補
充時間は現像液の回復時間の関係から短かい方が好まし
く1分以内が良い。又ポンプの吸込口31、スプレー8の
位置は、均一に混合した現像補充液がタンク内現像液の
活性度の回復に有効に作用するようにオーバーフロー27
の位置より、離れた位置にすることが好ましい。
本発明に用いる感光性印刷版は光照射によって溶解性
が変化する感光層をアルミニウム板、亜鉛板、鉄板、ク
ロムメッキした鉄板、紙板、プラスチック板等の基板上
に0.05〜5g/m2塗設したものである。感光層としては、
オルトナフトキノンジアジド化合物、ジアゾニウム塩化
合物、アジド化合物、光重合性化合物、光架橋性化合物
等、そして必要に応じてアルカリ可溶性バインダーを含
む感光層が好ましく適用される。
特に本発明の補充方法に最適の感光性プレートはアル
ミニウム板上にオルトキノンジアジド化合物からなる感
光層を有するポジ型感光性平版印刷板である。
本発明に用いる現像液としては感光性プレートの感光
層を容易に溶出又は除去せしめるもので、たとえばオル
トキノンジアジド化合物からなる感光層の場合には、特
開昭54-62004号、特開昭55-22759号、特開昭55-115045
号、特開昭57-54938号各公報に記載されている様な、珪
酸ソーダあるいは珪酸カリの水溶液が用いられる。この
場合に補充する現像補充液は特開昭50-144502号、特開
昭54−62004号、特開昭55-22759号各公報に示される様
に元の現像液よりアルカリ度の高い強い現像液を使用す
るのが好ましい。補充量は補充する現像補充液の強さに
よって一定ではないが、管理の容易さから1回の現像補
充原液と希釈水の補充量は現像液の仕込量20l当り5mlか
ら5lの範囲が適当である。もっとも管理のよい補充量は
現像液の仕込量20l当り20mlから2lの範囲である。
感光層の光のあたったところが硬化するネガ型ジアゾ
ニウム化合物の場合には感光層に用いるバインダーによ
って現像液の組成は大巾に変ってくる。たとえばバイン
ダーがアルカリ可溶性樹脂の場合には、特開昭50-21601
号、特開昭53-44202号、特開昭57-192951号公報等に記
載されているように現像液の主成分はアルカリ剤にな
る。このアルカリ剤は、感光性プレートを処理するにつ
れ消費され、現像液の活性度は低下する。この様な場合
現像補充液としてアルカリ剤を添加することによって現
像液の活性度を回復させることが出来る。この他のアジ
ド系感光層、光架橋型感光性樹脂系感光層および光重合
系感光層からなる感光性プレートをそれぞれの現像液で
処理する場合、処理することによって消費される現像液
中の成分を補充によって補い現像液の活性度を回復させ
る。いずれの場合でも本発明では、感光性印刷版を処理
することによって起こる現像液の劣化を、前述の現像補
充液補充装置を用いて、現像補充原液と現像希釈水とに
分離されたタンクを配備した該現像補充液補充装置か
ら、該現像補充原液と、該希釈水をミキシングしながら
現像タンクに補充するか、又は該現像補充液と該希釈水
を個別に添加し、且つ該希釈水を現像タンク内現像液と
攪拌させながら補充することによって現像液の活性度が
一定に保たれる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、
本発明がこれらにより限定されるものではない。
実施例1 特公昭43-28403号公報の実施例1に記載されているア
セトンとピロガロールの縮重合により得られるポリヒド
ロキシフェニルのナフトキノン−1,2−ジアジド−5−
スルホン酸エステル1重量部、ノボラック型フェノール
ホルムアルデヒド樹脂2重量部とクリスタルバイオレッ
ト0.02重量部を20重量部のエチレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、10重量部のエチレングリコール
モノメチルエーテル、10重量部のメチルエチルケトンに
溶解して感光液を調製した。厚さ0.3mmの砂目立された
アルミニウム板を硫酸中で陽極酸化し、約2.4g/m2の酸
化皮膜をつくり、よく洗浄した後乾燥し、その上に上記
感光液を塗布乾燥し約2.5g/m2の感光層を有する感光性
プレートを得た。
このポジ型感光性プレートを透明陽画フイルムを通し
て1mの距離から3KWのメタルハライドランプを用いて60
秒間露光した。第1図に示す現像ゾーンを有する自動現
像機を用いて露光したプレートを現像した。現像タンク
11には珪酸カリウム(SiO2/K2O=1.24)3.0重量%水溶
液からなる現像液を16l仕込んだ。現像補充原液タンク1
7の現像補充原液は希釈水タンク16の水により、上記現
像液よりもインピーダンス値が低い珪酸カリウム(SiO2
/K2O=1.24)6.5重量%水溶液となるように補充ポンプ
12、13の吐出量を調整した。現像希釈水補充管26をポン
プ10の吸込口31の上部にセットし、現像補充原液を補充
ノズル25より現像タンク内現像液面に滴下した。現像タ
ンク11の現像液を循環ポンプ10によってスプレー管8よ
りスプレー循環する循環系に検出センサー14をセット
し、ここで測定された交流インピーダンス値Xをコント
ローラ15により下記の演算式に代入して補正インピーダ
ンス値Yを求め、この補正インピーダンス値Yが最終の
インピーダンス値Cよりも0.5Ω・cm以上高くなったと
き現像補充原液17と希釈水16が補充ポンプ12、13により
全体で500ml補充されるようにした。
Y=X−(−axn+b−c) =X−(−6xn+6) b=21 Ω・cm c=15 Ω・cm a=21-15=6 水の補充は、自動現像機を設置した室の温度および相
対湿度がそれぞれ25℃、50%であった為、予め実験的に
求めておいた水蒸発量から、自動現像機運転中は50ml/
時間、停止中は10ml/時間の割合で補充されるようにコ
ントローラー15に入力し、自動現像機の運転中は4時間
ごとに200mlの水を、また停止中は4時間ごとに40mlの
水が添加された。
以上のようにして1003mm×800mmのプレートを約6ケ
月間処理した。12000枚処理後も安定な網点再現性を有
する印刷版が得られた。
比較例1 実施例1と同じ装置にて、但し、現像希釈水補充ノズ
ル24を使用し、ポンプ吸込口31をタンク中央部に配置し
現像補充原液17と現像希釈水16の補充を現像タンク内現
像液液面に滴下しながら行い、感光性プレートの現像を
行なったところ、1003mm×800mmのプレートを約1ケ月
間、2,000枚処理したところで網点再現性が悪くなっ
た。
〔発明の効果〕
本発明方法によれば、比重の小さい現像希釈水と比重
の大きい現像補充原液が十分に混合されてから現像液に
補充されるため、あるいは比重の小さい現像希釈水が、
比重の大きい現像補充原液と共に現像液循環系に効率よ
く導入され、十分に混合されてから現像液に補充される
ため、自動現像機を用いて感光性平版印刷版を多数枚現
像するとき、現像液の活性度の維持状態が従来方法と比
較して改善され、安定した現像が達成出来るようになっ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法に用いられる自動現像機の1例
を示す概略断面図である。 第2図は、従来の自動現像機の1例を示す概略断面図で
ある。 第3図〜第7図は、本発明の他の実施態様を示す概略断
面図である。 1、3、4、5、6……搬送ロール 2、7……ガイドロール 8、9……スプレー 10、21……循環ポンプ 11……現像タンク 12、13……補充ポンプ 14……現像液インピーダンス値検出センサー 15……補充コントローラー 16……希釈水 17……現像補充原液 18……フイルター 23……浮ぶた 24……現像希釈水補充ノズル 25……現像補充原液補充ノズル 26……現像希釈水補充管 27……オーバーフロー用配管 28……スタティクミキサー 29……現像液循環補充ノズル 30……現像液循環ポンプ 31……ポンプ吸込口 A……現像ゾーン B……リンスゾーン

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディップ現像ゾーンを有する自動現像機を
    用いて、画像露光した感光性平版印刷版を現像する際の
    現像液の劣化を現像補充原液と現像希釈水とを補充する
    ことにより回復させる方法であって、現像補充原液と現
    像希釈水とを別々に添加し、かつ該希釈水を現像タンク
    内現像液循環系により攪拌させながら補充することを特
    徴とする補充方法。
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