JPH0634898B2 - 有機物・水系混合溶液の濃縮・脱水装置 - Google Patents
有機物・水系混合溶液の濃縮・脱水装置Info
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- JPH0634898B2 JPH0634898B2 JP62313782A JP31378287A JPH0634898B2 JP H0634898 B2 JPH0634898 B2 JP H0634898B2 JP 62313782 A JP62313782 A JP 62313782A JP 31378287 A JP31378287 A JP 31378287A JP H0634898 B2 JPH0634898 B2 JP H0634898B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、含水エタノールのような有機物・水系混合
溶液を膜分離処理して、有機物を濃縮、分離、脱水する
装置に関する。
溶液を膜分離処理して、有機物を濃縮、分離、脱水する
装置に関する。
従来技術およびその問題点 従来、有機物・水系の混合物から当該有機物を濃縮、分
離、脱水する装置としては、蒸留塔や抽出塔のように気
液平衡関係を利用する物理化学的手法による装置、シリ
カゲル・臭化リチウム、塩化リチウムなどの吸水性物質
を用いる化学的手法による装置があった。
離、脱水する装置としては、蒸留塔や抽出塔のように気
液平衡関係を利用する物理化学的手法による装置、シリ
カゲル・臭化リチウム、塩化リチウムなどの吸水性物質
を用いる化学的手法による装置があった。
しかし、これらの方法はいずれもつぎのような問題を有
していた。
していた。
まず、上述の物理化学的手法による装置の場合について
説明する。第9図にエタノール・水系の気液平衡関係
(系の圧力760mmHg)と、酢酸・水系の気液平衡関係
(系の圧力400mmHg)とをそれぞれ示す。いま蒸留で
これら2つのの系各成分をそれぞれ濃縮・分離しようと
すると、エタノール・水系においては第9図中のA点に
共沸点が存在するため、蒸留塔の段数を増加させても、
この混合物は共沸点の濃度までしか濃縮されない。また
酢酸・水系混合物の場合、気液間の組成比があまり大き
く変化しないため、蒸留塔での濃縮には非常に多くの段
数が必要であり、そのため設備費および装置の運転費が
高くついた。このような例としては、ほかにイソプロパ
ノール・水系、アセトン・水系、ジオキサン・水系など
の混合溶液がある。
説明する。第9図にエタノール・水系の気液平衡関係
(系の圧力760mmHg)と、酢酸・水系の気液平衡関係
(系の圧力400mmHg)とをそれぞれ示す。いま蒸留で
これら2つのの系各成分をそれぞれ濃縮・分離しようと
すると、エタノール・水系においては第9図中のA点に
共沸点が存在するため、蒸留塔の段数を増加させても、
この混合物は共沸点の濃度までしか濃縮されない。また
酢酸・水系混合物の場合、気液間の組成比があまり大き
く変化しないため、蒸留塔での濃縮には非常に多くの段
数が必要であり、そのため設備費および装置の運転費が
高くついた。このような例としては、ほかにイソプロパ
ノール・水系、アセトン・水系、ジオキサン・水系など
の混合溶液がある。
一方、上述の化学的手法による装置の場合には、エタノ
ール・水系のように化学的性質に多くの類似点を有する
成分系では、一方の成分(ここでは水)のみを除去する
ことは極めて困難であった。さらに系に添加された吸水
性物質を除去する工程が必要となる上に、連続操作とす
るためには、吸収ないし吸着した水分を脱着させて、吸
水性物質を再生する装置が必要となり工程がはなはだ複
雑なものとなった。
ール・水系のように化学的性質に多くの類似点を有する
成分系では、一方の成分(ここでは水)のみを除去する
ことは極めて困難であった。さらに系に添加された吸水
性物質を除去する工程が必要となる上に、連続操作とす
るためには、吸収ないし吸着した水分を脱着させて、吸
水性物質を再生する装置が必要となり工程がはなはだ複
雑なものとなった。
この発明は、上述の如き実情に鑑み、上記物理化学的手
法および化学的手法の各問題点をすべて解決して、有機
物・水系混合溶液から有機物を簡便な操作で安価に濃
縮、分離さらには脱水することができる装置を提供する
ことを目的とする。
法および化学的手法の各問題点をすべて解決して、有機
物・水系混合溶液から有機物を簡便な操作で安価に濃
縮、分離さらには脱水することができる装置を提供する
ことを目的とする。
問題点の解決手段 この発明は、上記目的の達成のために、有機物・水系混
合溶液を蒸気化する蒸気発生器と、蒸気発生器から来る
蒸気を膜分離する少なくとも1基の膜分離器と、膜分離
器に配された製品抜出し管に設けられた製品凝縮器と、
膜分離器から蒸気発生器に配された還流管に必要に応じ
て設けられた水蒸気凝縮器と、還流管に設けられるかも
しくは複数基の膜分離器の間に設けられた圧縮機と、膜
分離器の2次側に設けられた真空手段とを備えている、
有機物・水系混合溶液の濃縮・脱水装置である。
合溶液を蒸気化する蒸気発生器と、蒸気発生器から来る
蒸気を膜分離する少なくとも1基の膜分離器と、膜分離
器に配された製品抜出し管に設けられた製品凝縮器と、
膜分離器から蒸気発生器に配された還流管に必要に応じ
て設けられた水蒸気凝縮器と、還流管に設けられるかも
しくは複数基の膜分離器の間に設けられた圧縮機と、膜
分離器の2次側に設けられた真空手段とを備えている、
有機物・水系混合溶液の濃縮・脱水装置である。
蒸気発生器としては、充填塔形式のものが一般的である
が、蒸留塔、ストリッパー、フラッシュ蒸発器なども使
用できる。
が、蒸留塔、ストリッパー、フラッシュ蒸発器なども使
用できる。
膜分離器は、水選択透過膜を有するものでも、有機物選
択透過膜を有するものでもよい。また膜分離器の膜面積
が大きいか、または膜の分離性能が優れている場合に
は、膜分離器を1基設けて分離工程を1段で行なうこと
ができるが、膜面積が小さい場合や分離性能が低い場合
には膜分離器を複数基設けて、多段膜分離を行なうこと
もできる。さらに上記の2つの形式の膜分離器を組合せ
て直列に設置してもよい。
択透過膜を有するものでもよい。また膜分離器の膜面積
が大きいか、または膜の分離性能が優れている場合に
は、膜分離器を1基設けて分離工程を1段で行なうこと
ができるが、膜面積が小さい場合や分離性能が低い場合
には膜分離器を複数基設けて、多段膜分離を行なうこと
もできる。さらに上記の2つの形式の膜分離器を組合せ
て直列に設置してもよい。
真空手段としては、真空ポンプ、エジェクタなどが用い
られる。
られる。
また対象となる有機物・水系混合溶液の代表例として
は、メタノール・水系、エタノール・水系、プロパノー
ル・水系のようなアルコール・水系混合溶液、アセト
ン、水系のようなケトン・水系混合溶液、酢酸・水系の
ような有機酸・水系混合溶液が挙げられる。
は、メタノール・水系、エタノール・水系、プロパノー
ル・水系のようなアルコール・水系混合溶液、アセト
ン、水系のようなケトン・水系混合溶液、酢酸・水系の
ような有機酸・水系混合溶液が挙げられる。
実施例 つぎに、この発明の実施例について図面を基に具体的に
説明する。以下の実施例では、混合溶液の例としてエタ
ノール・水系混合液が用いられている。
説明する。以下の実施例では、混合溶液の例としてエタ
ノール・水系混合液が用いられている。
実施例1(参考) 第1図において、濃縮・脱水装置は、有機物・水系混合
溶液を蒸気化する蒸気発生器(1) と、蒸気発生器(1) か
ら来る蒸気を膜分離する膜分離器(2) と、膜分離器に配
された製品抜出し管に設けられた製品凝縮器(3) と、膜
分離器(2) から蒸気発生器(1) に配管された還流管に設
けられた水蒸気凝縮器(4) と、膜分離器(2) の2次側に
設けられた真空ポンプ(5) とを備えている。
溶液を蒸気化する蒸気発生器(1) と、蒸気発生器(1) か
ら来る蒸気を膜分離する膜分離器(2) と、膜分離器に配
された製品抜出し管に設けられた製品凝縮器(3) と、膜
分離器(2) から蒸気発生器(1) に配管された還流管に設
けられた水蒸気凝縮器(4) と、膜分離器(2) の2次側に
設けられた真空ポンプ(5) とを備えている。
還流管には凝縮器(4) の後流側に液ポンプ(6) が設けら
れている。この実施例では、蒸気発生器(1) として、塔
底部にヒータ(7) を備えた充填塔形式のもが用いられて
いる。
れている。この実施例では、蒸気発生器(1) として、塔
底部にヒータ(7) を備えた充填塔形式のもが用いられて
いる。
上記構成の装置において、混合溶液が蒸気発生器(1) の
塔頂部に供給されると、この溶液は塔底部のヒータ(7)
によって発生させられた水蒸気と気液接触し、混合溶液
とほぼ平衡な蒸気になる。
塔頂部に供給されると、この溶液は塔底部のヒータ(7)
によって発生させられた水蒸気と気液接触し、混合溶液
とほぼ平衡な蒸気になる。
こうして生成された混合蒸気はついで膜分離器(2) の1
次側に送られる。膜分離器(2) は水選択透過膜(2a)を有
しており、その2次側は真空ポンプ(5) で1次側より減
圧状態にされている。そのため混合蒸気のうち水蒸気が
主として2次側へ透過し、水蒸気凝縮器(4) で凝縮され
る。生成した凝縮水は液ポンプ(6) で再び蒸気発生器
(1) へ還流される。真空ポンプ(5) から出る排気は系外
へ排出される。
次側に送られる。膜分離器(2) は水選択透過膜(2a)を有
しており、その2次側は真空ポンプ(5) で1次側より減
圧状態にされている。そのため混合蒸気のうち水蒸気が
主として2次側へ透過し、水蒸気凝縮器(4) で凝縮され
る。生成した凝縮水は液ポンプ(6) で再び蒸気発生器
(1) へ還流される。真空ポンプ(5) から出る排気は系外
へ排出される。
また、膜分離器(2) の1次側では、水蒸気の透過に伴っ
て混合蒸気が徐々に濃縮されていき、得られたエタノー
ル濃縮蒸気が製品抜出し管の製品凝縮器(3) で凝縮さ
れ、製品として濃縮エタノールが得られる。
て混合蒸気が徐々に濃縮されていき、得られたエタノー
ル濃縮蒸気が製品抜出し管の製品凝縮器(3) で凝縮さ
れ、製品として濃縮エタノールが得られる。
蒸気発生器(1) の塔底からは低濃度のアルコールを含み
ほとんど水からなる缶出液が系外へ排出される。
ほとんど水からなる缶出液が系外へ排出される。
実施例2 第2図において、この実施例では膜分離器(2) から蒸気
発生器(1) への還流管に、実施例1の水蒸気凝縮器(4)
および液ポンプ(6) の代わりに、圧縮機(8) が設けられ
ている。そして膜分離器(2) の2次側から出た膜透過物
すなわち水蒸気は蒸気状態でそのまま圧縮機(8) で蒸気
発生器(1) へ戻される。この実施例のその他の構成は実
施例1のものと同じである。
発生器(1) への還流管に、実施例1の水蒸気凝縮器(4)
および液ポンプ(6) の代わりに、圧縮機(8) が設けられ
ている。そして膜分離器(2) の2次側から出た膜透過物
すなわち水蒸気は蒸気状態でそのまま圧縮機(8) で蒸気
発生器(1) へ戻される。この実施例のその他の構成は実
施例1のものと同じである。
実施例3(参考) この実施例では、第10図および第11図に示すよう
に、分離膜の1次側すなわち供給側の有機物濃度が低い
範囲で、有機物の透過阻止率が高くかつ透過物すなわち
水の透過速度が速く、1次側の有機物濃度が高くなるに
つれて、有機物の透過阻止率が低下するとともに、透過
速度も急激に遅くなるような特性を有する混合溶液が適
用される。
に、分離膜の1次側すなわち供給側の有機物濃度が低い
範囲で、有機物の透過阻止率が高くかつ透過物すなわち
水の透過速度が速く、1次側の有機物濃度が高くなるに
つれて、有機物の透過阻止率が低下するとともに、透過
速度も急激に遅くなるような特性を有する混合溶液が適
用される。
第3図において、膜分離工程は多段化さ、水選択透過膜
(12a) を有する第1膜分離器(12)の1次側に、さらに水
選択透過膜(22a) を有する第2膜分離器(22)が接続され
ている。そして第2膜分離器(22)の2次側から蒸気発生
器(1) への還流管に水蒸気凝縮器(4) および液ポンプ
(6) が設けられ、第2膜分離器(22)の1次側に配された
製品抜出し管に製品凝縮器(3) が設けられている。また
第1および第2膜分離器(12)(22)の各2次側は弁(9)(1
0) を介して真空ポンプ(5) に接続されている。
(12a) を有する第1膜分離器(12)の1次側に、さらに水
選択透過膜(22a) を有する第2膜分離器(22)が接続され
ている。そして第2膜分離器(22)の2次側から蒸気発生
器(1) への還流管に水蒸気凝縮器(4) および液ポンプ
(6) が設けられ、第2膜分離器(22)の1次側に配された
製品抜出し管に製品凝縮器(3) が設けられている。また
第1および第2膜分離器(12)(22)の各2次側は弁(9)(1
0) を介して真空ポンプ(5) に接続されている。
上記構成の装置において、エタノール含量10wt%のエ
タノール・水系混合溶液は蒸気発生器(1) で蒸気化さ
れ、エタノール含量40%の混合蒸気が生成せられる。
この混合蒸気はまず第1膜分離器(12)の1次側に送ら
れ、ここでエタノール含量80wt%まで濃縮される。得
られた濃縮蒸気はついで第2膜分離器(22)の1次側へ送
られ、ここでエタノール含量99.5wt%に濃縮され、
製品エタノールが得られる。
タノール・水系混合溶液は蒸気発生器(1) で蒸気化さ
れ、エタノール含量40%の混合蒸気が生成せられる。
この混合蒸気はまず第1膜分離器(12)の1次側に送ら
れ、ここでエタノール含量80wt%まで濃縮される。得
られた濃縮蒸気はついで第2膜分離器(22)の1次側へ送
られ、ここでエタノール含量99.5wt%に濃縮され、
製品エタノールが得られる。
他方、第2膜分離器(22)の2次側から出たエタノール含
量15wt%の水蒸気は水蒸気凝縮器(4) で凝縮され、凝
縮水は液ポンプ(6) で蒸気発生器(1) へ戻される。水蒸
気凝縮器(4) に残った排気は第1膜分離器(12)の2次側
から出る排気とともに系外へ廃棄される。この排気のエ
タノール含量は0〜1wt%である。蒸気発生器(1) の塔
底から出る缶出液のエタノール含量も0〜1wt%であ
る。
量15wt%の水蒸気は水蒸気凝縮器(4) で凝縮され、凝
縮水は液ポンプ(6) で蒸気発生器(1) へ戻される。水蒸
気凝縮器(4) に残った排気は第1膜分離器(12)の2次側
から出る排気とともに系外へ廃棄される。この排気のエ
タノール含量は0〜1wt%である。蒸気発生器(1) の塔
底から出る缶出液のエタノール含量も0〜1wt%であ
る。
この実施例のその他の構成は実施例1のものと同じであ
る。
る。
こうして、この実施例では、有機物の透過阻止率が高い
組成範囲では透過物が廃棄せられるので、プロセスが簡
略化され、経済性が高められる。
組成範囲では透過物が廃棄せられるので、プロセスが簡
略化され、経済性が高められる。
実施例4(参考) 第4図において、この実施例では膜分離器として有機物
選択透過膜(32a) を有する膜分離器(32)が設けられてい
る。そして膜分離器(32)の1次側から蒸気発生器(1) へ
配された還流管に水蒸気凝縮器(4) および液ポンプ(6)
が設けられ、他方、膜分離器(32)の2次側には製品凝縮
器(3) および真空ポンプ(5) が設けられている。
選択透過膜(32a) を有する膜分離器(32)が設けられてい
る。そして膜分離器(32)の1次側から蒸気発生器(1) へ
配された還流管に水蒸気凝縮器(4) および液ポンプ(6)
が設けられ、他方、膜分離器(32)の2次側には製品凝縮
器(3) および真空ポンプ(5) が設けられている。
上記構成の装置では、膜分離器(32)の1次側に残った水
蒸気が凝縮されて、凝縮水が蒸気発生器(1) へ戻され
る。他方、膜分離器(32)の2次側へ透過した有機物はや
はり凝縮されて生成した濃縮液が製品アルコールとして
得られる。
蒸気が凝縮されて、凝縮水が蒸気発生器(1) へ戻され
る。他方、膜分離器(32)の2次側へ透過した有機物はや
はり凝縮されて生成した濃縮液が製品アルコールとして
得られる。
この実施例のその他の構成は実施例1のものと同じであ
る。
る。
実施例5 第5図において、この実施例では膜分離器(32)から蒸気
発生器(1) への還流管に、実施例4の水蒸気凝縮器(4)
および液ポンプ(6) の代わりに、圧縮機(8) が設けられ
ている。そして膜分離器(32)の1次側から出た水蒸気は
そのまま圧縮機(8) で蒸気発生器(1) へ戻される。
発生器(1) への還流管に、実施例4の水蒸気凝縮器(4)
および液ポンプ(6) の代わりに、圧縮機(8) が設けられ
ている。そして膜分離器(32)の1次側から出た水蒸気は
そのまま圧縮機(8) で蒸気発生器(1) へ戻される。
この実施例のその他の構成は実施例4のものと同じであ
る。
る。
実施例6(参考) 第6図おいて、この実施例では、膜分離器(32)から蒸気
発生器(1) への還流管に、実施例4の水蒸気凝縮器(4)
および液ポンプ(6) も、実施例5の圧縮機(8) も設けら
れていない。そして膜分離器(32)の1次側から出た水蒸
気はそのまま蒸気発生器(1) へ戻される。
発生器(1) への還流管に、実施例4の水蒸気凝縮器(4)
および液ポンプ(6) も、実施例5の圧縮機(8) も設けら
れていない。そして膜分離器(32)の1次側から出た水蒸
気はそのまま蒸気発生器(1) へ戻される。
この実施例のその他の構成は実施例4のものと同じであ
る。
る。
実施例7 第7図において、この実施例では、水選択透過膜を有す
る膜分離器と、有機物選択透過膜を有する膜分離器とが
直列に設置されている。
る膜分離器と、有機物選択透過膜を有する膜分離器とが
直列に設置されている。
有機物選択透過膜(42a) を有する第1膜分離器(42)の2
次側には、さらに水選択透過膜(52a) を有する第2膜分
離器(52)が接続され、この接続管に圧縮機(8) が設けら
れている。そして第2膜分離器(52)の2次側から蒸気発
生器(1) への還流管に水蒸気凝縮器(4) および2基の液
ポンプ(6)(16) が設けられ、第2膜分離器(52)の1次側
に配された製品抜出し管に製品凝縮器(3) が設けられて
いる。また第1膜分離器(42)の1次側から還流管への短
絡管にも水蒸気凝縮器(14)が設けられ、第1および第2
膜分離器(42)(52)の各2次側はそれぞれ弁(9)(10) を介
して真空ポンプ(5) に接続されている。
次側には、さらに水選択透過膜(52a) を有する第2膜分
離器(52)が接続され、この接続管に圧縮機(8) が設けら
れている。そして第2膜分離器(52)の2次側から蒸気発
生器(1) への還流管に水蒸気凝縮器(4) および2基の液
ポンプ(6)(16) が設けられ、第2膜分離器(52)の1次側
に配された製品抜出し管に製品凝縮器(3) が設けられて
いる。また第1膜分離器(42)の1次側から還流管への短
絡管にも水蒸気凝縮器(14)が設けられ、第1および第2
膜分離器(42)(52)の各2次側はそれぞれ弁(9)(10) を介
して真空ポンプ(5) に接続されている。
上記構成の装置において、エタノール含量10wt%のエ
タノール・水系混合溶液は蒸気発生器(1) で蒸気化さ
れ、エタノール含量40%の混合蒸気が生成せられる。
この混合蒸気はまず第1膜分離器(42)の1次側に送ら
れ、ここでエタノール含量80wt%の透過物が得られ
る。得られた濃縮蒸気はついで圧縮された後、第2膜分
離器(52)の1次側へ送られ、ここでエタノール含量9
9.5wt%に濃縮され、製品エタノールが得られる。
タノール・水系混合溶液は蒸気発生器(1) で蒸気化さ
れ、エタノール含量40%の混合蒸気が生成せられる。
この混合蒸気はまず第1膜分離器(42)の1次側に送ら
れ、ここでエタノール含量80wt%の透過物が得られ
る。得られた濃縮蒸気はついで圧縮された後、第2膜分
離器(52)の1次側へ送られ、ここでエタノール含量9
9.5wt%に濃縮され、製品エタノールが得られる。
他方、第2膜分離器(52)の2次側から出たエタノール含
量15wt%の水蒸気および第1膜分離器(42)の1次側に
残ったエタノール含量10wt% の水蒸気は、それぞれ水
蒸気凝縮器(4)(14) で凝縮され、凝縮水は液ポンプ(6)
(16) で蒸気発生器(1) へ戻される。水蒸気凝縮器(4)
に残った排気は第1膜分離器(42)の2次側から出る排気
とともに系外へ廃棄される。蒸気発生器(1) の塔底から
出る缶出液のエタノール含量は0〜1wt%である。
量15wt%の水蒸気および第1膜分離器(42)の1次側に
残ったエタノール含量10wt% の水蒸気は、それぞれ水
蒸気凝縮器(4)(14) で凝縮され、凝縮水は液ポンプ(6)
(16) で蒸気発生器(1) へ戻される。水蒸気凝縮器(4)
に残った排気は第1膜分離器(42)の2次側から出る排気
とともに系外へ廃棄される。蒸気発生器(1) の塔底から
出る缶出液のエタノール含量は0〜1wt%である。
この実施例のその他の構成は実施例1のものと同じであ
る。なお、温度、圧力などの操作条件によっては、複数
の凝縮器(3)(4)(14)の冷却水を共用することもできる。
る。なお、温度、圧力などの操作条件によっては、複数
の凝縮器(3)(4)(14)の冷却水を共用することもできる。
実施例8(参考) 第8図において、この実施例では真空手段としてエジェ
クタ(15)を用い、この高圧作動流体としての水を製品凝
縮器(3) の冷却水として共用する。また、この水を水蒸
気凝縮器(4) の冷却水として共用することもでき、逆に
これら凝縮器(3)(4)の冷却水をエジェクタ(15)へ導い
て、その高圧作動流体として共用することもできる。
クタ(15)を用い、この高圧作動流体としての水を製品凝
縮器(3) の冷却水として共用する。また、この水を水蒸
気凝縮器(4) の冷却水として共用することもでき、逆に
これら凝縮器(3)(4)の冷却水をエジェクタ(15)へ導い
て、その高圧作動流体として共用することもできる。
この実施例のその他の構成は実施例1のものと同じであ
る。
る。
エジェクタの使用およびエジェクタの水と凝縮器の冷却
水の共用は、他の実施例のプロセスにおいてもちろん可
能である。
水の共用は、他の実施例のプロセスにおいてもちろん可
能である。
発明の効果 この発明による装置は、有機物・水系混合溶液を蒸気化
する蒸気発生器と、蒸気発生器から来る蒸気を膜分離す
る少なくとも1基の膜分離器と、膜分離器に配された製
品抜出し管に設けられた製品凝縮器と、膜分離器から蒸
気発生器に配された還流管に必要に応じて設けられた水
蒸気凝縮器と、膜分離器の2次側に設けられた真空手段
とを備えているので、本書冒頭で述べたような蒸留によ
る場合の多大な設備費および装置の運転費や、吸水性物
質を用いる化学的方法の場合の吸水性物質の除去および
再生の工程を全く必要とすることなく、有機物・水系混
合溶液から有機物を簡便な操作で安価に濃縮、分離さら
には脱水することができる。
する蒸気発生器と、蒸気発生器から来る蒸気を膜分離す
る少なくとも1基の膜分離器と、膜分離器に配された製
品抜出し管に設けられた製品凝縮器と、膜分離器から蒸
気発生器に配された還流管に必要に応じて設けられた水
蒸気凝縮器と、膜分離器の2次側に設けられた真空手段
とを備えているので、本書冒頭で述べたような蒸留によ
る場合の多大な設備費および装置の運転費や、吸水性物
質を用いる化学的方法の場合の吸水性物質の除去および
再生の工程を全く必要とすることなく、有機物・水系混
合溶液から有機物を簡便な操作で安価に濃縮、分離さら
には脱水することができる。
またこの発明の装置によれば、装置の立ち上り、停止お
よび定常運転が容易となり、処理すべき混合溶液が少量
であってもこれに支障なく処理でき、装置のコンパクト
化を果たすことができる。
よび定常運転が容易となり、処理すべき混合溶液が少量
であってもこれに支障なく処理でき、装置のコンパクト
化を果たすことができる。
さらに、膜分離器から蒸気発生器に配された還流管もし
くは複数基の膜分離器の間には圧縮機が設けられている
ので、膜分離器で生じた蒸気を蒸気発生器もしくは別の
膜分離器へ蒸気状態でスムーズに輸送することができ
る。
くは複数基の膜分離器の間には圧縮機が設けられている
ので、膜分離器で生じた蒸気を蒸気発生器もしくは別の
膜分離器へ蒸気状態でスムーズに輸送することができ
る。
第1図から第8図まではいずれもこの発明の実施例を示
すフローシートである。第9図はエタノール・水系混合
溶液の気液平衡関係と、酢酸・水系混合溶液の気液平衡
関係とをそれぞれ示すグラフである。第10図は膜透過
法における1次側の有機物組成と2次側の有機物組成の
関係を示すグラフである。第11図は膜透過法における
1次側の有機物組成と透過速度の関係を示すグラフであ
る。 (1) ……蒸気発生器、(2)(12)(22)(32)(42)(52) ……膜
分離器、(3) ……製品凝縮器、(4)(14) ……水蒸気凝縮
器、(5) ……真空ポンプ、(15)……エジェクタ、(6)(1
6) ……液ポンプ、(7) ……ヒータ、(8) ……圧縮機、
(9)(10) ……弁。
すフローシートである。第9図はエタノール・水系混合
溶液の気液平衡関係と、酢酸・水系混合溶液の気液平衡
関係とをそれぞれ示すグラフである。第10図は膜透過
法における1次側の有機物組成と2次側の有機物組成の
関係を示すグラフである。第11図は膜透過法における
1次側の有機物組成と透過速度の関係を示すグラフであ
る。 (1) ……蒸気発生器、(2)(12)(22)(32)(42)(52) ……膜
分離器、(3) ……製品凝縮器、(4)(14) ……水蒸気凝縮
器、(5) ……真空ポンプ、(15)……エジェクタ、(6)(1
6) ……液ポンプ、(7) ……ヒータ、(8) ……圧縮機、
(9)(10) ……弁。
Claims (1)
- 【請求項1】有機物・水系混合溶液を蒸気化する蒸気発
生器と、蒸気発生器から来る蒸気を膜分離する少なくと
も1基の膜分離器と、膜分離器に配された製品抜出し管
に設けられた製品凝縮器と、膜分離器から蒸気発生器に
配された還流管に必要に応じて設けられた水蒸気凝縮器
と、還流管に設けられるかもしくは複数基の膜分離器の
間に設けられた圧縮機と、膜分離器の2次側に設けられ
た真空手段とを備えている、有機物・水系混合溶液の濃
縮・脱水装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62313782A JPH0634898B2 (ja) | 1987-12-10 | 1987-12-10 | 有機物・水系混合溶液の濃縮・脱水装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62313782A JPH0634898B2 (ja) | 1987-12-10 | 1987-12-10 | 有機物・水系混合溶液の濃縮・脱水装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01155928A JPH01155928A (ja) | 1989-06-19 |
JPH0634898B2 true JPH0634898B2 (ja) | 1994-05-11 |
Family
ID=18045461
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62313782A Expired - Lifetime JPH0634898B2 (ja) | 1987-12-10 | 1987-12-10 | 有機物・水系混合溶液の濃縮・脱水装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0634898B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9025237B2 (en) | 2012-04-05 | 2015-05-05 | Seiko Epson Corporation | Electrophoresis particle, method of manufacturing electrophoresis particle, electrophoresis dispersion liquid, electrophoresis sheet, electrophoresis device and electronic apparatus |
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JP2610063B2 (ja) * | 1990-10-19 | 1997-05-14 | 宇部興産株式会社 | 蒸気乾燥方法及びその装置 |
JP2601941B2 (ja) * | 1990-10-19 | 1997-04-23 | 宇部興産株式会社 | 低級アルコールの回収法及び回収装置 |
JP2610062B2 (ja) * | 1990-10-19 | 1997-05-14 | 宇部興産株式会社 | 蒸気乾燥法及びその装置 |
JP2883222B2 (ja) * | 1991-03-28 | 1999-04-19 | 新エネルギー・産業技術総合開発機構 | アルコールの脱水濃縮方法 |
JPH05226A (ja) * | 1991-06-21 | 1993-01-08 | Ube Ind Ltd | 有機物水溶液の脱水濃縮方法 |
JP2003093828A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-04-02 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 分離膜モジュールを備えた蒸留装置、および蒸留塔 |
EP1541217A4 (en) * | 2002-08-30 | 2011-10-26 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | SEPARATOR, REACTOR AND PROCESS FOR PRODUCING AROMATIC CARBOXYLIC ACID |
JP2004089882A (ja) * | 2002-08-30 | 2004-03-25 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 混合物の分離装置、分離方法及び芳香族カルボン酸の製造方法 |
JP2004089883A (ja) * | 2002-08-30 | 2004-03-25 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 反応装置及び化合物の製造方法 |
US6986802B2 (en) * | 2003-08-28 | 2006-01-17 | Bp Corporation North America Inc. | Selective separation of fluid compounds utilizing a membrane separation process |
CN1324804C (zh) * | 2004-03-12 | 2007-07-04 | 台达电子工业股份有限公司 | 马达装置及其控制方法 |
JP2007275690A (ja) * | 2006-04-03 | 2007-10-25 | Ngk Insulators Ltd | 有機液体水溶液からの有機液体分離回収方法 |
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JP6196807B2 (ja) | 2013-05-17 | 2017-09-13 | 学校法人早稲田大学 | 水溶性有機物の濃縮方法及び水溶性有機物の濃縮装置 |
JP6816372B2 (ja) * | 2016-03-25 | 2021-01-20 | 三菱ケミカル株式会社 | エタノールの回収方法 |
JP2024065124A (ja) * | 2021-03-11 | 2024-05-15 | 三菱ケミカル株式会社 | 水溶性化合物の分離方法及び装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63258601A (ja) * | 1987-04-15 | 1988-10-26 | Ube Ind Ltd | 有機物水溶液の濃縮方法 |
-
1987
- 1987-12-10 JP JP62313782A patent/JPH0634898B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9025237B2 (en) | 2012-04-05 | 2015-05-05 | Seiko Epson Corporation | Electrophoresis particle, method of manufacturing electrophoresis particle, electrophoresis dispersion liquid, electrophoresis sheet, electrophoresis device and electronic apparatus |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01155928A (ja) | 1989-06-19 |
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