JPH05226A - 有機物水溶液の脱水濃縮方法 - Google Patents

有機物水溶液の脱水濃縮方法

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Publication number
JPH05226A
JPH05226A JP3247109A JP24710991A JPH05226A JP H05226 A JPH05226 A JP H05226A JP 3247109 A JP3247109 A JP 3247109A JP 24710991 A JP24710991 A JP 24710991A JP H05226 A JPH05226 A JP H05226A
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JP
Japan
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gas
separation membrane
membrane module
permeated
organic matter
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Application number
JP3247109A
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English (en)
Inventor
Kohei Ninomiya
康平 二宮
Kazuki Yoneda
一樹 米田
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】分離膜モジュール4a,4bを2段以上の直列
で連結されているガス分離装置へ、有機物水溶液Aを蒸
発器1で蒸発させて得られた「有機物と水との混合蒸
気」Bを供給しガス分離操作を行わせるにあたり、1段
目の分離膜モジュールでガス分離膜を透過した水分の含
有率の高い透過ガスDのみを系外へ排出し、そして、2
段目以降の分離膜モジュールでガス分離膜を透過した
「有機物を少量含有する水分からなる透過ガス」Hを冷
却して得られた水溶液を蒸発器へ再び循環させ、そして
水分の少くなった最終段の分離膜の未透過ガスGを回収
する。 【効果】透過ガスとして系外へ排出される有機物のロス
を少なく抑え、また、比較的低い濃度の有機物水溶液
を、高い濃度の有機物に脱水濃縮する場合に、有機物水
溶液の処理量を増やす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、有機物水溶液を蒸発
器で蒸発させて得られた有機物と水との混合蒸気を、水
を選択的に透過するガス分離膜を内蔵する複数の分離膜
モジュールが前段のガス分離膜の未透過ガス側と後段の
ガス分離膜のガス供給側とで直列に連結されているガス
分離装置へ供給しながら、最初の分離膜モジュールから
透過ガスを系外へ排出し、そして、2段目以降の分離膜
モジュールから得られる有機物を含有する透過ガスを液
化して前記蒸発器へ供給して再循環使用しつつ、最後の
分離膜モジュールのガス分離膜の未透過側から、水分濃
度が極めて減少されている高濃度の有機物からなる未透
過ガスを高い回収率で効率的に得る濃縮方法に係わる。
【0002】
【従来技術の説明】従来技術として、有機物を含む水溶
液を気化させて有機物蒸気と水蒸気とを含む気体混合物
を生成させ、次いでこの混合蒸気をガス分離膜のガス供
給側に接触させた状態で水蒸気を選択的に透過させて除
去し、これによりガス分離膜の未透過ガス側から水蒸気
含有量が減少した有機物蒸気を主として含有する未透過
ガスを得る方法(蒸気透過法−1)が、特開昭63−2
67415号公報においてすでに提案されている。
【0003】また、有機物水溶液を蒸発器で気化させて
有機物蒸気及び水蒸気を含む気体混合物を生成する気体
混合物生成工程と、該気体混合物生成工程で得られた気
体混合物を70℃以上の温度にて気体分離膜の一方の側
に供給し、且つその際該気体分離膜の他方の側を減圧に
保持することにより上記気体混合物中の水蒸気を上記気
体分離膜の他方の側に選択的に透過させて、上記気体混
合物を高濃度有機物と水蒸気高含量気体混合物とに分離
する気体混合物調節分離工程と、該気体混合物調節分離
工程で分離された水蒸気高含量気体混合物を凝縮させて
上記気体混合物生成工程における蒸発器に返送する返送
工程とを具備することを特徴とする有機物水溶液の濃縮
方法(蒸気透過法−2)が、特開昭63−175602
号公報において提案されている。
【0004】また、窒素富化ガスの製法において、1段
目の分離膜モジュールで膜を透過した窒素濃度の低いガ
スを系外へ排出し、2段目以降の分離膜モジュールで膜
を透過した窒素濃度の高いガスを1段目の供給ラインへ
再び返送することにより高濃度の窒素ガスを得る方法が
特開平2−307812号公報において提案されてい
る。この方法では、酸素と窒素とを主として含有する原
料混合ガス(例えば、空気など)を圧縮機で圧縮して分
離膜モジュールに供給し、2段目以降の分離膜モジュー
ルで膜を透過したガスは再び圧縮機へ返送される。
【0005】
【本発明の解決すべき問題点】前記蒸気透過法−1は、
分離膜モジュールを1段で使用しており、減圧に保たれ
たガス分離膜の透過側(2次側)に透過した物質を系外
へ排出してしまうために、ガス分離膜を透過した物質が
水分濃度の低いものであった場合、有機物の透過ロス分
が大きくなるという問題点を有している。また、前記蒸
気透過法−2は、分離膜モジュールを1段で使用してお
り、減圧に保たれたガス分離膜の透過側(2次側)に透
過した物質を再び蒸発器へ返送しているので、水と有機
物とを分離するためは、蒸発器などに水を系外へ排出す
る手段を設けなければならないという問題点を有してい
る。
【0006】従って、この発明の目的は、上述の問題点
を解決し、水分を選択的に透過するガス分離膜を使用す
る簡単な方法で、比較的低い濃度の有機物水溶液から、
高い濃度の有機物を高い回収率で効果的に得ることので
きる、工業的な脱水濃縮方法を提供することである。
【0007】
【問題点を解決する手段】この出願の発明者等は、有機
物水溶液を蒸発器で蒸発させて得た混合蒸気を、複数の
分離膜モジュールの直列に連結されているガス分離装置
に供給し、1段目の分離膜モジュールでガス分離膜を透
過した物質(透過ガス)を系外に排出し、2段目以降で
ガス分離膜を透過した物質(透過ガス)を液化して再び
蒸発器及び1段目の分離膜モジュールへ循環させながら
分離操作を行って、最後段の分離膜モジュールから未透
過ガスとして高濃度の物質を得る方法」を採用すること
によって、前記目的が達成し得ることを見出し、この発
明を完成した。
【0008】すなわち、この発明は、有機物水溶液を蒸
発器で蒸発させて得られた有機物と水との混合蒸気を、
前段の分離膜モジュール内のガス分離膜の未透過ガス側
と後段の分離膜モジュール内のガス分離膜のガス供給側
とが未透過ガス用導管でそれぞれ直列に連結されてい
て、水を選択的に透過するガス分離膜をそれぞれ内蔵し
ている複数個の分離膜モジュールからなるガス分離装置
の最初の分離膜モジュールのガス分離膜のガス供給側へ
供給し、そして、そのガス分離装置において、前段の分
離膜モジュールでガス分離膜を透過しなかった未透過ガ
スを未透過ガス用導管経由で次々と後段の分離膜モジュ
ールのガス分離膜のガス供給側へ供給しながら、最後の
分離膜モジュールのガス分離膜の未透過ガス側から実質
的に水分濃度が減少された有機物からなる未透過ガスを
回収すると共に、最初の分離膜モジュールのガス分離膜
の透過ガス側から得られた水分濃度の高い透過ガスを系
外へ排出し、そして、2段目以降の分離膜モジュールの
ガス分離膜の透過ガス側から得られた有機物を含有する
透過ガスを冷却し凝縮し液化させて、再び、前記蒸発器
へ供給して循環使用することを特徴とする有機物水溶液
の脱水濃縮方法に関する。
【0009】以下、この発明の有機物水溶液の脱水濃縮
方法について図面も参考にしてさらに詳述する。図1
は、この発明の脱水濃縮方法を実施する装置のフローを
概略例示するフロー図であり、図2は、公知の濃縮方法
(この出願の比較例で使用する方法)に係わるフローを
概略例示するフロー図である。
【0010】この発明の濃縮方法では、図1に示すよう
に、まず、有機物水溶液を、適当な蒸発器1で蒸発させ
て、有機物と水との混合蒸気を生成させ、その結果得ら
れた混合蒸気を、複数の分離膜モジュール4a、4b、
・・・などが直列に連結されたガス分離装置4へ供給し
て、第2番目以降の分離膜モジュール4b、・・・など
の透過ガスを冷却し凝縮して液化して、その水溶液を前
記蒸発器1へ供給して循環使用しながら、最後の分離膜
モジュール(図1では4aである。)から高い濃度の有
機物からなる未透過ガスを回収し、最初の分離膜モジュ
ール4aから水蒸気を高い含量割合で有する透過ガスを
排出して、有機物を比較的低い濃度(特に5〜80重量
%、更に20〜75重量部)で含有する水溶液から有機
物を高い濃度で含有する未透過ガスと、水分濃度の高い
透過ガスとに分離するのである。
【0011】また、この発明の濃縮方法において適用さ
れる有機物水溶液は、沸点が常圧で150℃以下、特に
130℃以下の有機物を約5〜80重量%の割合で含有
する水溶液である。このような有機物としては、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル類、及びギ酸エチル、酢酸エチル等の
エステル類などを挙げることができる。
【0012】また、この発明の方法で有機物水溶液を気
化させるのに用いられる蒸発器としては、有機物水溶液
の蒸発において、通常、使用されている蒸発缶(リボイ
ラーとも呼ぶ。)であればよく、特に、蒸発器には水分
を分離して系外へ排出する手段を設ける必要はないが、
その分離・排出手段が設けられていても支障はなく、さ
らに、前記の蒸発器は、棚段塔、泡鐘塔、充填塔などの
精留手段が結合されていてもよい。
【0013】また、この発明の方法で用いられる分離膜
モジュール4に設けられるガス分離膜としては、耐熱
性、耐溶剤性に優れた性質を有し、且つ水蒸気の選択透
過性が優れている材料で形成されているガス分離膜が好
ましく、特に、芳香族ポリイミド製のガス分離膜(非対
称性ガス分離膜)が、高温、高圧において脱水濃縮操作
できるので好ましい。
【0014】前記のガス分離膜は、例えば、水蒸気の透
過速度〔PH0〕が約1×10−2〜1×10−4
(STP)/cm・秒・cmHg程度であって、
しかも、水蒸気の透過速度〔PHO〕に対するエタノ
ール蒸気の透過速度〔PCOH〕の速度比(PH
O/PCOH)が80〜1000、特に100
〜500程度であり、更に50〜200℃で使用可能で
あるという耐熱性を有するガス分離膜(非対称性中空糸
膜)であることが好ましい。
【0015】この発明の方法に使用するガス分離モジュ
ールは、多数本のガス分離中空糸膜(外径500μm程
度)を中空糸の集合体(糸束)の形にして、その糸束の
両末端を硬化性樹脂で結束して熱硬化し裁断して製作さ
れるものを使用することができる。
【0016】ガス分離装置4における各分離膜モジュー
ル4a、4b、・・・を多段で使用する際に、分離膜モ
ジュールをより多い段数で直列に使用する方が、高い純
度のアルコールなどの有機物を得ることができるが、前
記の段数が多くなるとガス分離膜の未透過側(1次側)
の圧力損失がしだいに大きくなり、ガス分離膜の性能が
低下するということが生じる傾向があるため、この発明
では、有機物の回収率を効果的に挙げるために2〜5
段、特に2〜4段程度とすることが好適である。
【0017】また、この発明の方法で用いられるガス分
離装置において、分離膜モジュール内のガス分離膜の透
過側(2次側)は、選択的に透過させる水分の分圧につ
いて、供給側の水分圧より低い水分圧になるように圧力
の調製をすればよいが、例えば、ガス分離膜の供給側の
全圧より低い全圧にして分離操作してもよく、さらに、
図1に示すように、分離膜モジュール4a及び4bの各
ガス分離膜の供給側を常圧より加圧しておき、各ガス分
離膜の透過側を真空ポンプ7a及び7bを使用して、常
圧よりかなり減圧して(特に約10〜200mmHg程
度に減圧して)ガス分離操作することが好ましい。
【0018】前述のように、分離膜モジュールのガス分
離膜の透過ガス側を減圧に保持する手段としては、前述
のように通常の真空ポンプのみを用いる方法で行うこと
ができるが、さらに、図1に示すように、そのガス分離
膜を透過した水蒸気高含量気体混合物(透過ガス)を冷
却器5a及び5bにより冷媒で間接的に冷却して水分な
どを凝縮させることにより、分離膜モジュールの透過側
の減圧度を維持する方法で行うことが好適であり、ま
た、この場合に、前述の真空ポンプによる減圧を併用す
ることもできる。
【0019】すなわち、前記の分離膜モジュールにおけ
るガス分離膜の透過ガス側を、冷却器での透過ガスの凝
縮により減圧する方法では、最初に一度だけ真空ポンプ
を駆動してガス分離膜の透過側(2次側)を充分なレベ
ルに減圧にしておけば、その後は、水蒸気高含量気体混
合物(透過ガス)が冷却器で凝縮することにより充分に
減圧が達成されるので、分離膜モジュールの透過側の減
圧度を維持するために真空ポンプを常時駆動する必要が
なく、真空ポンプの動力費が低減されて有効である。そ
の場合に、冷却器に通す冷媒としては、ガス分離膜の透
過側(2次側)の圧力に応じて選択され、2次側の圧力
が50mmHg程度以上では工業用水、水道水等を使用
すると良く、50mmHg程度以下では、フロン、アン
モニア冷媒、冷却水等を使用すると良い。
【0020】この発明の有機物水溶液の脱水濃縮方法の
実施態様を、図1に示すフロー図を参照しながら各工程
順に説明する。この発明の方法では、まず、有機物水溶
液を原料供給ラインAより蒸発器1に供給する。蒸発器
1に供給された有機物水溶液は、熱源導入ラインKより
蒸発器に供給されるスチーム等の熱源により加熱されて
気化して、有機物蒸気及び水蒸気を含む混合蒸気とな
る。
【0021】次いで、前述のようにして生成した混合蒸
気を、所定の圧力及び温度に調節した後、前記分離膜モ
ジュール4a及び4bからなるガス分離装置4へ供給し
て、ガス分離操作を行って、高い濃度の有機物からなる
未透過ガスと、水蒸気を高い含量率で含有する透過ガス
とに分離することが好ましい。
【0022】ガス分離装置4へ供給する混合蒸気の圧力
及び温度は、蒸発器1に供給するスチーム等の熱源及び
バルブ2を調節することにより変えることができる。ま
た、前記混合蒸気は、ガス分離装置4へ供給する前に、
過熱器3による昇温操作を行うことにより、該混合蒸気
が分離膜モジュール内で凝縮しないような範囲にまでそ
の混合蒸気の圧力・温度を高めることができ、そして、
その結果、分離膜モジュール4a及び4bにおける水蒸
気の透過量が多くなり、分離膜モジュール4a及び4b
において未透過ガス中の有機物を極めて高い濃度にする
ことができ、実質的に水分を除去できるので好適であ
る。
【0023】この発明の方法では、これらの点を考慮す
ると、上記ガス分離装置4へ供給する混合蒸気は、その
圧力が760mmHg〜5000mmHgであって、そ
の温度が50〜200℃、特に70〜160℃程度にす
ることが好ましい。この発明の方法では、上述のように
して圧力及び温度が調節された混合蒸気をラインB経由
により分離膜モジュール4aのガス分離膜の供給ガス側
(1次側)へ供給する。
【0024】上記混合蒸気を分離膜モジュール4aのガ
ス分離膜の供給側(1次側)に供給する際には分離膜モ
ジュール4aのガス透過側(2次側)を減圧に保持する
ことが、ガス分離膜の供給側と透過側との間の水蒸気の
分圧差を充分に確保できるので好ましい。また、分離膜
モジュール4aの透過側(2次側)の減圧度が高いほど
水蒸気の透過量は大きくなる傾向があり、また、ガス分
離膜を透過した透過ガス(水蒸気を高い含量率で含有す
る透過ガス)がガス分離モジュール4aの内部で凝縮し
ない程度の減圧度以上とすることが好ましい。その場合
に、分離膜モジュール4aの2次側の系の圧力は、その
必要な減圧度を確保するために、200mmHg以下、
特に好ましくは100mmHg以下にすることが好まし
い。
【0025】分離膜モジュール4aにおける2次側の減
圧の保持は、前記の冷却器5aを用いる方法、即ち、分
離膜モジュール4aの2次側に透過した水蒸気高含量気
体混合物(透過ガス)を冷却器5a内部に流通している
冷媒で間接的に冷却して凝縮させる減圧方法によって行
うことが好ましく、この方法では、前述したように、最
初に一度だけ真空ポンプ7aを駆動してガス分離膜4a
の2次側を減圧しておけば、その後はその減圧度を維持
するために真空ポンプ7aを常時駆動する必要がないの
で好適である。
【0026】上述のようにして、混合蒸気を分離膜モジ
ュール4aの1次側に供給し且つその際に該分離膜モジ
ュール4aの2次側を減圧に保持することにより上記混
合蒸気中の水蒸気が分離膜モジュール4aの2次側に選
択的に透過し、その結果、前記混合蒸気は、高い濃度の
有機物(未透過ガス)と、水蒸気を高い含量率で含有す
る透過ガスとに効果的に分離される。
【0027】前記の分離膜モジュール4aの透過ガス
は、ラインDより冷却器5aに移送され、冷却器5aで
凝縮させて、有機物を低い含有率で含有している水溶液
とすることができる。次いで、この有機物を低含有率で
含有している水溶液をラインE経由により減圧タンク6
aに移送し、そして、該減圧タンク6aから排出ライン
Fより系外へ排出するのである。
【0028】この発明では、一方、分離膜モジュール4
aの未透過ガス(有機物の濃縮された混合蒸気)は、そ
のままラインCより2段目の分離膜モジュール4bの供
給ガス側(1次側)へ供給され、更に、1段目の分離膜
モジュール4aでのガス分離操作と同様のガス分離操作
で、高い濃度の有機物からなる未透過ガスと、水蒸気を
高い含量率で含有する透過ガスとに分離される。
【0029】前述の2段目の分離膜モジュール4bの透
過ガスは、ラインH経由により冷却器5bに移送され、
冷却器5bで凝縮させて有機物を低い含量率で含有する
水溶液とするのであり、次いで、この有機物低含量の水
溶液をラインI経由により減圧タンク6bに移送し、そ
して、該減圧タンク6bから循環ラインJ経由により蒸
発器1の供給ラインへ再び循環され使用されるのであ
る。
【0030】而して、前記の分離膜モジュール4bの未
透過側から得られた高い濃度の有機物からなる未透過ガ
スは、未透過ガス(濃縮有機物)の取り出しラインGよ
り高い回収率で得られる。
【0031】
【実施例】
実施例1 この実施例では、第1図に示すフローシートに従って、
分離膜モジュール4aおよび4bを、未透過側(1次
側)の直列で、2段に連結したガス分離装置4で採用し
て、エタノール水溶液の脱水濃縮を8時間行った例であ
る。
【0032】エタノール濃度60重量%のエタノール水
溶液を、毎時215.3kgの供給速度で原料供給ライ
ンAより、「蒸発器1(熱源導入ラインKより約150
℃のスチームを供給している)」に供給して、蒸発器1
の蒸気取り出しラインのバルブ2を調整することによ
り、温度:117℃及び圧力:2100mmHgまで昇
温及び昇圧された「エタノール蒸気と水蒸気との混合蒸
気」を蒸発器1から流出させ、更に、その混合蒸気を過
熱器3で130℃まで昇温して、ラインB経由により分
離膜モジュール4aのガス分離膜の供給側(1次側)へ
供給してガス分離操作を行った。
【0033】分離膜モジュール4aは、芳香族ポリイミ
ド製のガス分離膜〔非対称性中空糸膜、その中空糸膜の
外径:500μm、中空糸膜の水蒸気透過速度PH
O:1×10−3cm(STP)/cm・秒・c
mHg、エタノール蒸気と水蒸気との透過速度比(PC
OH/PHO):300〕を束ねて得られた糸
束(有効膜面積:約130mm)が内蔵されているも
のを用いた。前記の分離膜モジュール4aの透過側(2
次側)は100mmHgに減圧してガス分離操作を行っ
た。
【0034】分離膜モジュール4aのガス分離膜を透過
した透過ガスは、エタノール濃度が5.0重量%であ
り、毎時86.1kgの抜き出し速度でラインD経由に
より冷却器5aに流入させ、透過ガスをその冷却器5a
で間接的に冷却して凝縮し、その凝縮液をラインE経由
により減圧タンク6aに受入れて最終的に排出ラインF
より系外へ排出した。
【0035】なお、真空ポンプ7aは、最初に60秒間
駆動させて分離膜モジュール4aの透過側(2次側)の
系内を100mmHgに減圧し、その後、透過ガスの冷
却器5aによる冷却・凝縮操作を行って、前記の分離膜
モジュール4aの透過側(2次側)を100mmHgに
維持した。
【0036】一方、分離膜モジュール4aを透過しなか
った未透過ガスは、ラインC経由によりそのままの状態
で分離膜モジュール4bの供給側(1次側)に供給し
た。分離膜モジュール4bは、分離膜モジュール4aと
同様のものを用いた。分離膜モジュール4bの透過側
(2次側)は、100mmHgに減圧し、減圧度の維持
方法として、分離膜モジュール4aの場合と同様の方法
を用いた。
【0037】分離膜モジュール4bを透過した混合蒸気
は、エタノール濃度が60.7重量%であり、毎時8.
2kgの抜き出し速度でラインH経由により冷却器5b
に流入させ、冷却器5bで間接的に冷却して凝縮し、そ
の凝縮液は、ラインIより減圧タンク6bに受け入れて
循環ラインJ経由により蒸発器1への供給ラインAへ再
び輸送した。
【0038】分離膜モジュール4bの未透過ガスとして
は、未透過ガス取出しラインGより、エタノール濃度9
9.0重量%である濃縮エタノール(未透過ガス)が毎
時121.0kgの割合で得られた。この実施例では、
分離膜モジュール4aの透過ガスとして、系外へ排出さ
れたエタノールのロスは供給されたエタノール量に対し
て約3.4%であった。
【0039】比較例1 この比較例は、エタノール水溶液の脱水濃縮方法を、第
2図に示すフローシートに従って、分離膜モジュール
(1段)で8時間適用した例である。
【0040】エタノール濃度60重量%のエタノール水
溶液を、毎時126.1kgの供給速度で、原料供給ラ
インAより「蒸発器1(熱源導入ラインKより約150
℃のスチームを供給している)」に供給した。実施例1
と同様の方法でエタノールと水との混合物を蒸発して混
合蒸気を生成させ、そして、その混合蒸気を昇温、昇圧
して、その後、ラインBより分離膜モジュール4aの供
給側(1次側)に供給した。分離膜モジュール4aは、
実施例1のときと同じものを用いた。分離膜モジュール
4aの2次側の圧力は実施例1と同様の方法を用いて1
00mmHgに減圧した。
【0041】分離膜モジュール4aのガス分離膜を透過
した透過ガスは、エタノール濃度が8.9重量%であ
り、毎時54.6kgの抜き出し速度でラインD経由に
より冷却器5aに流入させて、冷却器5aで間接的に冷
却して凝縮し、そして、凝縮液はラインEより減圧タン
ク6aを経由して排出ラインFより系外へ排出した。
【0042】分離膜モジュール4aの未透過ガスとし
て、未透過ガス取出しラインGより、エタノール濃度9
9.0重量%に濃縮された濃縮エタノールが毎時71.
5kgの割合で得られた。この比較例では、分離膜モジ
ュール4aの透過ガスとして、系外へ排出されたエタノ
ールのロスが供給されたエタノール量に対して約6.4
%であった。
【0043】
【本発明の作用効果】この発明の有機物水溶液の脱水濃
縮方法は、分離膜モジュールを2段以上の直列で連結し
て使用して、各分離膜モジュールのガス分離膜を透過し
た物質(透過ガス)をすべて系外へ排出するのではな
く、1段目の分離膜モジュールでガス分離膜を透過した
『水分の含有率の高い透過ガス』を系外へ排出し、2段
目以降の分離膜モジュールでガス分離膜を透過した『有
機物を少量含有する水分からなる透過ガス』を冷却して
得られた水溶液を蒸発器へ再び循環させて再利用するこ
とにより、透過ガスとして系外へ排出される有機物のロ
スを少なく抑え、有機物の回収率を上げることができ、
また、比較的低い濃度の有機物水溶液を、高い濃度の有
機物にまで脱水濃縮する場合に、有機物水溶液の処理量
を増やすことができ、効率的に有機物を回収することが
できるという利点を有する。
【0044】従って、この発明の有機物水溶液の脱水濃
縮方法によれば、分離膜モジュールを1段で使用した場
合に比べて、99重量%以上の高い濃度の有機物であっ
てもより高い回収率で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施するためのフローを概略例示す
るフロー図である。
【図2】比較例の脱水濃縮方法のフローを概略例示する
フロー図である。 1:蒸発器 2:バルブ 3:過熱器 4a及び4b:分離膜モジュール 5a及び5b:冷却器 6a及び6b:減圧タンク 7a及び7b:真空ポンプ A:原料供給ライン B:1段目の分離膜モジュールへの供給ライン C:2段目の分離膜モジュールへの供給ライン D及びE:1段目の透過側(2次側)ライン F:排出ライン G:未透過ガス抜出しライン H及びI:2段目の透過側(2次側)ライン J:循環ライン

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】有機物水溶液を蒸発器で蒸発させて得られ
    た有機物と水との混合蒸気を、前段の分離膜モジュール
    内のガス分離膜の未透過ガス側と後段の分離膜モジュー
    ル内のガス分離膜のガス供給側とが未透過ガス用導管で
    それぞれ直列に連結されていて、水を選択的に透過する
    ガス分離膜をそれぞれ内蔵している複数個の分離膜モジ
    ュールからなるガス分離装置の最初の分離膜モジュール
    のガス分離膜のガス供給側へ供給し、そして、そのガス
    分離装置において、前段の分離膜モジュールでガス分離
    膜を透過しなかった未透過ガスを未透過ガス用導管経由
    で次々と後段の分離膜モジュールのガス分離膜のガス供
    給側へ供給しながら、最後の分離膜モジュールのガス分
    離膜の未透過ガス側から実質的に水分濃度が減少された
    有機物からなる未透過ガスを回収すると共に、最初の分
    離膜モジュールのガス分離膜の透過ガス側から得られた
    水分濃度の高い透過ガスを系外へ排出し、そして、2段
    目以降の分離膜モジュールのガス分離膜の透過ガス側か
    ら得られた有機物を含有する透過ガスを冷却し凝縮し液
    化させて、再び、前記蒸発器へ供給して循環使用するこ
    とを特徴とする有機物水溶液の脱水濃縮方法。
JP3247109A 1991-06-21 1991-06-21 有機物水溶液の脱水濃縮方法 Pending JPH05226A (ja)

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