JPH0634821Y2 - 籾摺選別風選機における除塵装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本考案は、脱ぷ部の後行程に吸引選別風路を備えた風選
部を設け、この風選部の後行程に玄米と籾の混合米を選
別する混合米選別部とこの混合米選別部で選別された玄
米を仕上風選する玄米風選部を順次具備するとともに、
前記吸引選別風路の始端側をこの玄米風選部に連通させ
て構成する籾摺選別風選機における除塵装置に関するも
のである。

(ロ)従来の技術 従来、脱ぷ部の後行程に吸引選別風路を備えた風選部を
設け、この風選部の後行程に玄米と籾の混合米を選別す
る混合米選別部を設けるものにおいて、吸引選別風路の
始端側に混合米選別部を連通させて風選部における風選
作用と混合米選別部の除塵作用とを兼用させるものは、
例えば、実開昭55−13605号公報に開示されて知られて
いるところである。

(ハ)考案が解決しようとする課題 しかし、この同公報に開示されている構成のものでは混
合米選別部で穀粒から除去された塵埃が吸引風に乗って
吸引選別風路を吹きぬけるようになるから、吸引風は吸
引選別風路に至る前に既に汚染されていて脱ぷ部からの
摺落物を風選する吸引選別風路における風選作用を低下
させる欠点をもっている。

それ故に、本考案にあっては、脱ぷ部の後行程に吸引選
別風路を備えた風選部を設け、この風選部の後行程に玄
米と籾の混合米を選別する混合米選別部とこの混合米選
別部で選別された玄米を仕上風選する玄米風選部を順次
具備し、前記吸引選別風路を吹きぬける吸引風でこの混
合米選別部で選別された玄米を仕上風選するようにし、
その構成のもので前記の吸引選別風路での風選作用を低
下させることのないものにするとともに、玄米風選部で
玄米中から除去された塵埃の機外排出を効果的に行わせ
ることできるものを簡単な構成の付加によって提供せん
とするを目的として考案されたものである。

(ニ)課題を解決するための手段 そこで本考案は、上記の目的を遂行するために、脱ぷ部
の後行程に吸引選別風路を備えた風選部を設け、この風
選部の後行程に玄米と籾の混合米を選別する混合米選別
部とこの混合米選別部で選別された玄米を仕上風選する
玄米風選部を順次具備するとともに、前記吸引選別風路
の始端側をこの玄米風選部に連通させて構成する籾摺選
別風選機において、前記吸引選別風路の終端側に単一の
吸引ファンを設け、その始端側を玄米風選部の吸引風路
に連通し、この吸引風路の終端側と前記吸引選別風路の
始端側との間に塵埃分離室を設け、この塵埃分離室の底
部を強制排出装置を介して吸引ファンの排塵側に連結す
る籾穀排出パイプに連通させ、前記玄米風選部で玄米中
から除去された塵埃をこの塵埃分離室で吸引風から分離
して籾穀排出パイプにより機外に排塵させる構成にする
ものである。

(ホ)作用 この構成によると、脱ぷ部からの摺落物は風選部の吸引
選別風路で風選され、籾穀、粃等の軽量物は機外に排出
されて玄米と籾の混合米が得られ、この混合米は混合米
選別部に供給されて玄米と籾に選別される。そして、選
別された玄米は吸引選別風路を吹きぬける吸引風が作用
する玄米風選部で風選され玄米中に混入する塵埃は玄米
から除去され吸引風に乗って塵埃分離室に至り、塵埃は
ここで沈滞下降して吸引風から分離し、塵埃が取り除か
れて浄化された吸引風が吸引選別風路を吹風ぬけて摺落
物を風選するようになり、吸引選別風路の風選作用は良
好になって混合米選別部に供給される混合米中に塵埃が
混入せず玄米と籾の選別により結果をもたらし、また、
塵埃分離室内に沈滞下降した塵埃は強制排出装置により
籾穀排出パイプ内に繰り出され籾穀と共に機外に排塵さ
れるようになる。

(ヘ)実施例 以下、本考案について実施例図により具体的に説明す
る。

この例図に示す籾摺選別風選機は風選部（Ｂ）の側方に
粒形選別部（Ｄ）を設け、この風選部（Ｂ）と粒形選別
部（Ｄ）の上方に脱ぷ部（Ａ）と揺動選別による混合米
選別部（Ｃ）とを配設して一体的に組成したものであっ
て、 ホッパーに投入される籾は籾昇降機（１）によって揚上
され籾タンク（２）に一旦貯えられたのち脱ぷ部（Ａ）
の頭部（３）内に落下し一対の脱ぷロール（４）で摺り
落とされる。この摺り落とされたものは風選部（Ｂ）の
吸引ファン（５）によって起風される吸引風が吹きぬけ
る吸引選別風路（６）で風選され、籾穀は吸引ファン
（５）から籾穀排出パイプ（25）により機外に排出さ
れ、粃は粃取り出口（７）から取り出される。

そして、この籾穀と粃が除去された玄米と籾の混合米は
混合米横送樋（８）内に内装される混合米コンベヤ
（９）で後側の混合米昇降機（10）に送られ揚上されて
混合米タンク（11）に貯えられ、この貯えられた混合米
は混合米選別部（Ｃ）の供給ホッパー（12）に落入して
多段に重合せる選別板（13）に等分に供給され、この選
別板（13）の斜め上下の揺動運動によって玄米と籾に選
別される。この選別板（13）の流下側でその揺下側から
落下する籾は籾出口（14）から風選部（Ｂ）の籾横送樋
（15）に落下しこの籾横送樋（15）内を後側に送られ前
記の籾昇降機（１）に返され、揺下側と揺上側の中間部
から落下する未選別状態の混合米は混合米出口（16）か
ら落ちて流出樋（17）から前記吸引選別風選（６）の始
端側に落入し混合米横送樋（８）に返されて再び混合米
昇降機（10）によって混合米タンク（11）に貯えられ
る。

また、前記の揺上側から落下する玄米は玄米出口（18）
と前記粒形選別部（Ｄ）の間に設ける後述するような玄
米風選部（Ｅ）で風選され、この風選されたものが粒形
選別部（Ｄ）に供給されてその目抜き回転選別胴（19）
（19）によって良玄米とくず米に選別されるのである。

前述の玄米風選部（Ｅ）の前壁（20）には吸入口（21）
が開口され、この吸入口（21）は前記玄米風選部（Ｅ）
と吸引選別風路（６）の間に設ける塵埃分離室（ａ）に
風道（22）を通して連通し、塵埃分離室（ａ）の上部に
は前記吸引選別風路（６）の始端側が連通していて前記
吸引ファン（５）によって起風される吸引風は吸入口
（21）から外気を吸入して風道（22）をとおり塵埃分離
室（ａ）の上部を経て吸引選別風路（６）を吹きぬける
ようになって玄米風選部（Ｅ）内には前記吸引風が作用
する吸引風路（23）が形成されるのである。

そして、前記の塵埃分離室（ａ）の底部は強制排出装置
（24）（この実施例のものはロータリーバルブであ
る。）を介して前記吸引ファン（５）の排塵側に連結す
る籾穀排出パイプ（25）の途中部に連通されている。

したがって、吸引ファン（５）によって起風される吸引
風は第２図と第１図に矢印(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)で示すよう
に順次吸送されて吹きぬけるようになり、玄米出口（1
8）から落下する玄米は吸引風路（23）で風選され玄米
中に混入する塵埃は玄米から除去され吸引風に乗って風
道（22）をとおり塵埃分離室（ａ）に至る。

この塵埃分離室（ａ）で塵埃は吸引風から分離して沈滞
下降し塵埃分離室（ａ）の底部から強制排出装置（24）
によって籾穀排出パイプ（25）内に繰り出され、前記の
排出される籾穀と一緒になって機外に排出されるととも
に、塵埃分離室（ａ）で塵埃が取り除かれて浄化された
吸引風が吸引選別風路（６）を吸引ファン（５）側に吹
き抜けて脱ぷ部（Ａ）からの摺落物を風選するのであ
る。

また、前記の混合米横送樋（８）は第３図〜第５図に示
すような構成にし、粃取り出口（７）を手前側に付設す
る粃横送樋（39）は第６図〜第９図に示すように構成し
ているのである。

すなわち、第３図〜第５図に示す混合米横送樋（８）は
その後側を前記混合米昇降機（10）に連通していて、そ
の底部は横幅のほぼ全幅にわたって残粒排出口（29）を
開口し、この残粒排出口（29）と合致する通口（30）と
無孔部から成る弧状の開閉板（31）をこの底部の下側に
そって摺動可能にし残粒排出口（29）を開放または閉塞
自在に構成するとともに、この混合米横送樋（８）の下
側部には残粒取出管（32）を一体に取付け前記開閉板
（31）を摺動して残粒排出口（29）に通口（30）を合致
させると混合米横送樋（８）の底部と全面的に連通する
ようにするとともに、その後側は前記混合米昇降機（1
0）に連通させているのである。

（33）は混合米横送樋（８）と残粒取出管（32）が連通
している手前側が、混合米昇降機（10）の底部に連通す
る流入口であり、（34）はこの混合米横送樋（８）に内
装された混合米コンベヤ（９）の手前側に取付けた跳ね
だし羽根であって、この混合米コンベヤ（９）は混合米
昇降機（10）側からベルト（35）によって駆動してい
る。

（36）はコンプレッサーで、このコンプレッサー（36）
と前記残粒排出管（29）の後側とをパイプ（37）により
連通してあり、（38）はバルブを示してある。

これによって、籾摺選別作業の終了時に混合米横送樋
（８）内の底部に残留する穀粒を排出するときは、開閉
板（31）を摺動して通口（30）を残粒排出口（29）に合
致させると、残留する穀粒は残粒取出管（32）内に落下
するのでバルブ（38）を操作してコンプレッサー（36）
の圧搾空気をパイプ（37）をとおして残粒取出管（32）
の後側に噴出させれば落下している穀粒は手前側に吹き
送られて流入口（33）から混合米昇降機（10）の底部に
流入して取り出されるようになる。

また、第６図〜第９図に示す粃取り出口（７）を付設す
る粃横送樋（39）は風選部（Ｂ）を構成する前壁（40）
側に、この粃横送樋（39）を抜差し自在にする取出口
（41）が開口してあって機外への取り出しが可能になっ
ていて、粃取り出口（７）がわにはこの取出口（41）を
閉塞するに足る大きさの鍔板（42）を、後側にはこの粃
横送樋（39）の断面よりやや大なる大きさの鍔板（43）
をそれぞれ一体に固設している。（44）（44）は前壁
（40）と後壁（45）とを連結する２本のガイド棒で前記
粃横送樋（39）を抜差しするとき後側の鍔板（43）をこ
のガイド棒（44）（44）にのせて摺動させるように構成
している。

なお、（46）は前後の鍔板（42）（43）を前壁（40）と
後壁（45）によって締付ける取付ボルトである。

これによって、取付ボルト（46）を取り外すと粃横送樋
（39）はその後側の鍔板（43）がガイト棒（44）（44）
上を摺動して機外に抜き出したり、機内に差し込めるよ
うになっている。

(ト)考案の効果 本考案は以上説明したように、脱ぷ部の後行程に吸引選
別風路を備えた風選部を設け、この風選部の後行程に玄
米と籾の混合米を選別する混合米選別部とこの混合米選
別部で選別された玄米を仕上風選する玄米風選部を順次
具備するとともに、前記吸引選別風路の始端側をこの玄
米風選部に連通させて構成する籾摺選別風選機におい
て、前記吸引選別風路の終端側に単一の吸引ファンを設
け、その始端側を玄米風選部の吸引風路に連通し、この
吸引風路の終端側と前記吸引選別風路の始端側との間に
塵埃分離室を設け、この塵埃分離室の底部を強制排出装
置を介して吸引ファンの排塵側に連結する籾穀排出パイ
プに連通させ、前記玄米風選部で玄米中から除去された
塵埃をこの塵埃分離室で吸引風から分離して籾穀排出パ
イプにより機外に排塵させる構成にしたのでるから、 脱ぷ部からの摺落物を選別する吸引風でもって、混合米
選別部で選別された玄米を風選するものでありながら、
とくに混合米選別部で選別された玄米は吸引選別風路を
吹きぬける吸引風が作用する玄米風選部で風選され玄米
中に混入する塵埃は玄米から除去され吸引風にのって塵
埃分離室に至り、ここで沈滞下降して吸引風から分離
し、塵埃が取除かれて汚染されていた吸引風は浄化され
吸引選別風路を吹きぬけて脱ぷ部からの摺落物を風選す
るようになるから、この脱ぷ部からの摺落物の風選作用
を向上させて混合米選別部に供給される混合米中に塵埃
が混入せず玄米と籾の選別によい結果をもたらすのであ
る。

また、風選部の吸引選別風路の終端側に設ける単一の吸
引ファンによって起風される吸引風が玄米風選部の吸引
風路を吸送されこの吸送される風が塵埃分離室の上部を
経て風選部の吸引選別風路を吹きぬけて、その吸引風路
と吸引選別風路の間に塵埃分離室を設けるものであり、
その上、塵埃分離室に沈滞下降した塵埃が強制排出装置
によって籾穀排出パイプに繰り出され籾穀と共に機外に
排塵されるようにしたのであるから、簡単な構成の付加
によって風選部での風選作用を低下させることなく、か
つ、玄米風選部で玄米中から除去された塵埃の機外への
排出を効果的に行わせるものになる。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案を示す実施例図にして、第１図はその要部
を切欠いで示す全体の前面図、第２図は玄米風選部の縦
断側面図、第３図は混合米横送樋を示し、第４図は第３
図におけるＡ−Ａ線の断面図、第５図は同Ｂ−Ｂ線の断
面図、第６図は粃横送樋を示し、第７図は第６図のＣ−
Ｃ線の断面図、第８図は粃横送樋の前面図、第９図は同
作用の説明図である。 （Ａ）…脱ぷ部、（６）…吸引選別風路 （Ｂ）…風選部、（Ｃ）…混合米選別部 （Ｅ）…玄米風選部、（ａ）…塵埃分離室 （23）…吸引風路、（５）…吸引ファン （24）…強制排出装置、（25）…籾穀排出パイプ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−28464（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−28467（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−12139（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−209263（ＪＰ，Ａ) 実公 平５−23219（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭45−28274（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】脱ぷ部（Ａ）の後行程に吸引選別風路
   （６）を備えた風選部（Ｂ）を設け、この風選部（Ｂ）
   の後行程に玄米と籾の混合米を選別する混合米選別部
   （Ｃ）とこの混合米選別部（Ｃ）で選別された玄米を仕
   上風選する玄米風選部（Ｅ）を順次具備するとともに、
   前記吸引選別風路（６）の始端側をこの玄米風選部
   （Ｅ）に連通させて構成する籾摺選別風選機において、
   前記吸引選別風路（６）の終端側に単一の吸引ファン
   （５）を設け、その始端側を玄米風選部（Ｅ）の吸引風
   路（23）に連通し、この吸引風路（23）の終端側と前記
   吸引選別風路（６）の始端側との間に塵埃分離室（ａ）
   を設け、この塵埃分離室（ａ）の底部を強制排出装置
   （24）を介して吸引ファン（５）の排塵側に連結する籾
   穀排出パイプ（25）に連通させ、前記玄米風選部（Ｅ）
   で玄米中から除去された塵埃をこの塵埃分離室（ａ）で
   吸引風から分離して籾穀排出パイプ（25）により機外に
   排塵させる構成にしたことを特徴とする籾摺選別風選機
   における除塵装置。