JPS6129473Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、機体の一側に脱部を設け、該脱
部の他側に揺動選穀部を配設し、その下方に屑米
分離機を内蔵してなる籾摺機に係り、詳しくは上
記揺動選穀部の仕上米取出口に設けた切換移送体
を、下方に回動して屑米分離機に連通する状態
と、上方に回動して玄米移送体に連通して玄米を
機外に取出す状態と、混合米移送体に連通して籾
の混入している玄米を混合米に返流させる状態と
に切換可能に構成し、もつて切換移送体の切換操
作により混合米に対する選別性能を良好にし、籾
の混入しない玄米のみを機外に取出すことができ
るようにすると共に、必要に応じては仕上玄米か
ら屑米を分離除去し、精粒を取出すことができる
ようにした籾摺機に関するものである。

本考案の構成を図面に示された一実施例につい
て説明すれば、１は機体の一側に配設された籾摺
機の脱部であつて、該脱部１の他側には屑米
分離機２が機筐３に内蔵されており、該機筐３の
上方には揺動選穀部４が上記屑米分離機２側を揺
上側Ｙとなし、かつ高位となるように前記脱部
１の一側下部に装備されたモータ５に無端帯５ａ
によつて連動連結されたクランク軸６に連結した
揺動腕３ａ，３a′を介して揺動自在に吊架されて
いる。

７，７は上記脱部１の上部に前記モータ５に
無端帯５ｂを介して回転自在に軸架された左右一
対の脱ロールであつて、該脱ロール７，７の
上方には籾供給ホツパー８が設けられ、下方には
下端側に選別網９ａを形成した流穀板９が斜設さ
れており、その下方には混合米移送ラセン１０が
設けられている。１０ａは混合米回収樋である。
１１は脱部１と屑米分離機２を内蔵した機筐３
との間に設けられた吸引風車であつて、該吸引風
車１１を介して脱部１と屑米分離機２とが連通
されている。

１３は前記揺動選穀部４の機枠であつて、該機
枠１３の幅員方向一半部には揺動方向対向面１３
ａ，１３ｂ間に粗雑面となよつている揺動選別板
１４が多段状に架設されており、また幅員方向他
半部には揺動選別板１４と直交して揺下側Ｘ近傍
部位に仕切板１５が立設され、該仕切板１５と揺
下側Ｘの機枠面１３ａとの対向間に籾選別域Ａが
区画形成されている。また、上記仕切板１５より
揺上側Ｙ方向には仕切板１６が立設され、該仕切
板１６と仕切板１５との間には混合米域Ｂが区画
形成され、さらに仕切板１６と揺上側Ｙの機枠面
１３ｂ間には玄米選別域Ｃが区画形成されてい
る。そして、前記籾選別域Ａの揺下側Ｘ下部には
段付状の籾移送体１７が脱部１側に延設され、
その移送終端部は籾樋１８を介して籾供給ホツパ
ー８の上方開放部に臨んでいる。１９は仕切板１
５との間に形成した混合米流下口２０を介して揺
動選別板１４と平行に揺上側Ｙ方向の仕切板１６
下方まで延設された段付状の混合米移送体であつ
て、その基端部と前記仕切板１５との間に形成さ
れた混合米流下口２０の直下方には混合米流下樋
２１が設けられており、その流下端部は前記脱
部１の下部に装備した混合米移送ラセン１０を介
して混合米昇降機２２の下端部に連通しており、
該混合米昇降機２２の上端部は混合米流入樋２２
ａを介して混合米タンク２３の上方開放部に臨ん
でいる。２４は混合米タンク２３の流下口２３ａ
と前記揺上側Ｙ機枠面１３ｂの上半部との間に連
通形成された混合米供給樋であつて、混合米は揺
動選穀部４内に多段状に架設した揺動選別板１４
向に流入するようになつている。

２５は前記混合米段付移送体１９の揺上移送方
向終端部に連接して揺上側Ｙの機枠面１３ｂまで
延設された段付状の切換移送体であつて、その揺
上移送方向終端部は前記機枠面１３ｂの下半部に
開口した仕上米取出口１３ｃを介して機枠面１３
ｂの内方から機外へ延設された段付状の玄米移送
体２６の基端部内面に重合し、枢支軸２７を介し
て上下回動自在に枢支されており、該切換移送体
２５を下方に回動したときは、その下方に設けた
屑米分離用ホツパー２８を介して屑米分離機２に
連通する状態となり、また、上方に回動したとき
は玄米移送体２６に連通して玄米を機外に取出す
状態となり、また、その移送始端部を混合米移送
体１９の移送終端部に連通したときは、籾の混入
している玄米を混合米に返流させることができる
ように切換可能に構成されている。

２９は上記切換移送体２５の切換装置であつ
て、該切換装置２９は案内孔３０ａを穿設したガ
イド板３０の上端部を前記玄米移送体２６の側板
２６ａに固定すると共に、長孔３０ａには連杆３
１を遊嵌してその一端を前記枢支軸２７に連結
し、他端には蝶ナツト３２が螺着されている。

尚、図中３３は屑米分離機２の選別網筒体であ
つて、その下部には屑米移送ラセン３４が設けら
れている。そして、上記選別網筒体３３と屑米移
送ラセン３４は前記モータ５に連動連結した無端
帯５ｃおよび５ｄを介して回転自在に構成されて
いる。３５は精粒取出樋、３６は屑米取出口であ
る。

次に叙上の如く構成した本考案の作用について
説明する。いま、籾を脱して玄米を回収するに
あたつては、先ず作業者が籾を籾供給ホツパー８
内に投入する。そして、モータ５を駆動して籾摺
機の各部に駆動させると、投入された籾は左右一
対の脱ロール７，７間を通過する過程で外皮が
脱され、流穀板９から下方に落下する過程で比
重の最も軽い塵芥等の夾雑物は吸引風車１１によ
つて起風された吸引風によつて速かに機外に排出
され、比重の重い混合米は混合米回収樋１０ａに
落下し、混合米移送ラセン１０を介して混合米昇
降機２２の下端部に移送され、さらに該混合米昇
降機２２により揚上されて混合米流入樋２２ａを
介して混合米タンク２３に流入され、該混合米タ
ンク２３の流下口２３ａから図示しない定量調節
装置によつて定量づつ混合米供給樋２４上に落下
し、該混合米供給樋２４から揺動選穀部４内の各
揺動選別板１４間に供給される。

上記揺動選穀部４内に供給された混合米は、揺
動選穀部４の揺動運動によつて比重選別され、し
かも、揺下側Ｘから揺上側Ｙ方向へ斜上に揺上げ
ながら揺送されるので、その揺送過程において比
重の最も重い籾は最下方に沈下し仕切板１５と揺
下側Ｘの機枠面１３ａ対向間に形成された籾選別
域Ａで選別されて籾移送体１７上に落下し、その
先端部から籾樋１８を介して籾供給ホツパー８に
還元されて再び脱に供され、また、混合米は仕
切板１５と１６間に区画形成された混合米域Ｂで
選別されて混合米移送体１９上に落下し、その流
下端部から混合米流下口２０を介して混合米流下
樋２１に流下して混合米回収樋１０ａに落入し、
混合米移送ラセン１０を介して混合米昇降機２２
により揚上されて混合米タンク２３に還元され、
混合米供給樋２４から再び揺動選穀部４内に供給
されて選別され、さらに混合米移送体１９の移送
終端部から切換移送体２５によつて揺上側Ｙの機
枠面１３ｂ方向に移送される過程では、仕切板１
６と機枠面１３ｂとの間に形成された玄米選別域
Ｃで混合米から玄米が分離選別され、該玄米は仕
上米取出口１３ｃから玄米移送体２６に移送され
て機外で取出される。

ところで、上記一連の籾摺過程において、特に
本考案では、上記仕上米取出口１３ｃに設けた切
換移送体２５を枢支軸２７を介して上下方向回動
自在に枢支したから、蝶ナツト３２を弛めて切換
移送体２５を下方に回動してセツトすれば、屑米
分離用ホツパー２８を介して屑米分離機２と連通
するので、仕上米を屑米と精粒とに分離選別する
ことができ、また、切換移送体２５を上方に回動
してセツトすれば、玄米移送体２６に連通した状
態で、混合米から分離選別された切換移送体２５
上の玄米を仕上米取出口１３ｃから玄米移送体２
６側に円滑に流下させることができる。この場
合、上記玄米中に籾が混入していて、仕上米とし
て不十分なときは、切換移送体２５を下方に回動
して混合米移送体１９に連通させれば、籾の混入
している玄米を混合米移送体１９側に返流させる
ことができるので、混合米移送体１９上の混合米
と合流して再び比重選別することができ、したが
つて、玄米移送体２６から機外に取出された玄米
中には籾の全く混入しない玄米のみを回収するこ
とができるに至つたのである。

これを要するに本考案は、高位に設けた混合米
タンクと、下部に設けた屑米分離機との間に揺動
選穀部を設け、該揺動選穀部の仕上米取出口に切
換移送体を設けると共に、該切換移送体を下方に
回動して屑米分離機に連通する状態と、上方に回
動して玄米移送体に連通して籾の混入している玄
米を混合米に返流させる状態とに切換可能に構成
したから、上記切換移送体を混合米移送体に連通
している状態から、これを単に上方または下方に
切換え回動操作するのみで、混合米から分離選別
された玄米を機外に取出し、または屑米を分離除
去して精粒を取出すことができるものでありなが
ら、特に機外に取出すべき玄米中に籾が混入して
仕上米として不十分なときは、玄米を機外に取出
すべく切換移送体を上方に回動した位置から、こ
れを下方に回動して混合米移送体に連通させれ
ば、上記玄米を混合米移送体側に返流して再選別
させることができ、したがつて、混合米に対する
選別性能を著しく向上させて籾の全く混入しない
玄米のみを機外に取出すことができる極めて有用
な実用的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る籾摺機の一実施例を示すも
のであつて、第１図は籾摺機の全体正面図、第２
図は要部の斜視図、第３図は第１図の右側面図で
ある。 図中、２……屑米分離機、４……揺動選穀部、
１３ｃ……仕上米取出口、１９……混合米移送
体、２３……混合米タンク、２５……切換移送
体、２６……玄米移送体である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高位に設けた混合米タンクと、下部に設けた屑
   米分離機との間に揺動選穀部を設け、該揺動選穀
   部の仕上米取出口に切換移送体を設けると共に、
   該切換移送体を下方に回動して屑米分離機に連通
   する状態と、上方に回動して玄米移送体に連通し
   て玄米を機外に取出す状態と、混合米移送体に連
   通して籾の混入している玄米を混合米に返流させ
   る状態とに切換可能に構成したことを特徴とする
   籾摺機。