JPH0618588Y2 - 籾摺選別機における残溜穀粒取出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本考案は、摺落物を風選する選別風格とこの選別風路で
選別された玄米と籾の混合米を取出す横送樋を具備する
風選部と、この横送樋で取出される混合米を玄米と籾に
選別するための表面を粗雑面に形成して斜め上下の揺動
により玄米と籾を偏流させて選別する揺動選別部とを上
下に配設して構成する籾摺選別機における残溜殻粒取出
装置に関するものである。

(ロ)従来の技術 上記のように、摺落物を風選する風選部と、この風選部
で風選された玄米と籾の混合米を選別する揺動選別部と
を上下に配設して構成する籾摺選別機にあっては、従来
は、その籾摺作業の終了時において風選部に残溜する殻
粒は揺動選別部と別々に取出していたのである。

したがって、残溜する殻粒の取出しが面倒な作業となて
いたのである。

(ハ)考案が解決しようとする課題 このように、従来の構成のものでは、籾摺作業の終了時
において風選部に残溜する殻粒は揺動選別部と別々に取
出していたのであるから、その取出しが面倒なので、本
考案はその取出しが簡単でしかも風選部に残溜する殻粒
を揺動選別部のものと同一箇所に排出させることができ
るようにするものである。

(ニ)課題を解決するための手段 そこで、本考案は、前記の解決しようとする課題を達成
させるために、 摺落物を風選するための選別風路とこの選別風路で選別
された玄米と籾の混合米を取出すための横送樋を具備す
る風選部と、この横送樋で取出される混合米を玄米と籾
に選別するための表面を粗雑面に形成し縦横双方に傾斜
せる選別板の横方向の斜め上下の揺動によって縦方向の
両側に玄米と籾を偏流させ縦方向の傾斜下位がわから取
出して選別する揺動選別部とを上下に配設して構成する
籾摺選別機において、前記一方の風選部における横送樋
の底部を開口するとともにこの開口部に開放閉塞自在の
排出弁を装着し、他方の揺動選別部における選別板の縦
方向の傾斜下位がわで横方向の中間部から取出される未
選別状態の混合米を受けて集合し取出す混合米受樋を、
前記選別板への還元樋と排出樋とに分岐し、その分岐部
に切替弁を設け前記排出弁の開放閉塞動作に連動して前
記切替弁を混合米受樋内の殻粒を排出樋がわと還元樋が
わとに切替作動する構成にし、かつ排出弁の開放動作時
の前記開口部から落下する殻粒を選別板上に排出せしめ
る排出案内樋を設けて構成したのである。

(ホ)作用 この構成にすれば、籾摺作業時には摺落物は選別風路で
風選されて籾殻等の塵埃は排出されるとともに玄米と籾
の混合米は横送樋に落入し、この横送樋内の混合米は選
別板の縦方向傾斜上位がわに供給されて傾斜下位がわに
流動する間に玄米と籾は選別板の両側に偏流し、傾斜下
位がわの揺上がわからは玄米が、揺下がわから籾が、ま
た中間部から未選別状態の籾がそれぞれ取出されるよう
になり、玄米は機外に、籾は再度籾摺されるようにな
り、混合米は選別板上に還元され再選別されるのであ
る。

籾摺作業の終了時には排出弁を動作させて横送樋底部の
開口部を開放すると、この開放動作に連動して切替弁は
混合受樋内が排出樋がわに連通するように切替わる。

そうなると、横送樋内に残溜する殻粒は開口部から落下
し排出案内樋によって選別板上に排出され、選別板上に
残溜しようとする殻粒とともにこの選別板を傾斜下位が
わに流下し混合米受樋に落下して切替弁で排出樋がわに
案内されて取出されるのである。

(ヘ)実施例 以下本考案による残溜殻粒取出装置に関して例示図面に
より説明する。

(A)は風選部、(B)は揺動選別部で、枠組構成された台枠
(10)上に風選部(A)が載置され台枠(10)内に揺動選別部
(B)が設けられて風選部(A)と揺動選別部(B)は上下に配
設されている。

この風選部(A)は一側に吸引排塵機(11)を他側に吸気口
(12)を開口して選別風路(1)を形成し、その選別風路(1)
の吸気口(12)がわの底部に横送樋(2)が横設されてい
て、この横送樋(2)の底部は全幅にわたって開口され、
この開口部には支軸(13)を支点にして回動し開口部を開
放閉塞自在にする排出弁(4)が装着されている。

なお、(14)は一対の脱ロール、(15)は籾タンクを示し
てある。

揺動選別部(B)は表面を凹凸の粗雑面に形成した選別板
(3)を数段に積み重ねて縦横双方に傾斜させ、これを揺
動機構によって横方向(ロ)の斜め上下に揺動させるとと
もに、縦方向(イ)の傾斜上位がわには数段に積み重ねた
各選別板(3)に混合米を配分する供給筒(16)を取着し、
傾斜下位がわにはその揺上がわから取出される玄米と揺
下がわから取出される籾と中間部から取出される混合米
をそれぞれ仕切る玄米仕切板(17)と籾仕切板(18)を立設
し、これらの玄米仕切板(17)と籾仕切板(18)は別々に横
方向に移動調節自在になっている。

また、この傾斜下位がわにはこの玄米仕切板(17)と籾仕
切板(18)および選別板(3)の下位がわ端部を囲むように
受樋(19)が装着され、その受樋(19)内下部は揺上がわか
ら玄米受樋(20)・混合米受樋(5)・籾受樋(21)に仕切ら
れて、前記の各仕切板(17)(18)によって仕切案内されて
取出されるものを各受樋(20)(5)(21)が受けて集合する
ようにしている。

そして、前記混合米受樋(5)は還元樋(6)と排出樋(7)に
分岐し、その分岐部に支軸(22)を軸にして回動する切替
弁(8)が装着されて、この切替弁(8)の還元樋(6)がわへ
の傾倒によって混合米受樋(5)内を排出樋(7)がわに連通
させ、また排出樋(7)がわへ傾倒させることによって混
合米受樋(5)内を還元樋(6)がわに連通するように構成
し、前記排出弁(4)の支軸(13)と切替弁(8)の支軸(22)の
外部に突出する端部にはそれぞれアーム(23)(24)を突設
してこのアーム(23)(24)を連杆(25)によって連動連結す
ることによって、排出弁(4)の開放閉塞動作に連動して
切替弁(8)が混合米受樋(5)内の殻粒を排出樋(7)がわと
還元樋(6)がわとに切替作動するようにしている。

(9)は排出案内樋で前記横送樋(2)の下側に上部を位置さ
せた漏斗状のもので、その下部は最上段の選別板(3)上
に開口し、排出弁(4)の開放動作によって横送樋(2)から
落下する殻粒を受けて選別板(3)上に排出させるのであ
る。

(26)は前記の玄米仕切板(17)によって仕切案内されて受
樋(19)内に落下するものを玄米受樋(20)がわと混合米受
樋(5)がわとに切替える切替板であり、(27)は籾仕切板
(18)によって仕切案内されて落下するものを籾受樋(21)
がわと混合米受樋(5)がわとに切替える切替板である。
なお、(28)は還元樋(6)内から流出するものを供給筒(1
6)に返すための移送樋、(29)は籾受樋(21)から流出する
ものを籾タンク(15)に還元する移送樋、(30)は横送樋
(2)の搬送終端がわと供給筒(16)とを連絡する連通樋で
ある。

したがって、籾摺作業を開始するときは、排出弁(4)に
よって横送樋(2)底部の開口部を閉塞することによって
切替弁(8)を排出樋(7)がわに傾倒させ各切替板(26)(27)
を仮想線(ハ)(ニ)のように倒して開始し、各選別板(3)の
縦方向(イ)傾斜下位がわから落下するものを混合米受樋
(5)内に集合させ還元樋(6)から移送樋(28)によって供給
筒(16)に返し、選別板(3)上の混合米の量が適量になっ
て安定すると各切替板(26)(27)を仮想線の状態から起立
させて選別板(3)の揺上がわから取出される玄米を玄米
受樋(20)がわに案内して取出し、揺下がわから取出され
る籾を籾受樋(21)がわに案内し、中間部から取出される
混合米は混合米受樋(5)から還元樋(6)に流下させ、籾受
樋(21)内の籾は移送樋(29)から籾タンク(15)に還元し、
還元樋(6)内を流下する混合米を移送樋(28)で供給筒(1
6)に返しながら籾摺作業は続行される。

籾摺作業の終了時には、各切替板(26)(27)を起立姿勢か
ら仮想線(ハ)(ニ)のように傾倒して切替えるとともに排出
弁(4)を支軸(13)を支点にして動作させて横送樋(2)底部
の開口部を開放すると、この開放動作に連動して切替弁
(8)は支軸(22)を支点にして仮想線(ホ)の状態に切替わっ
て混合米受樋(5)内が排出樋(7)がわに連通するようにな
り、横送樋(2)内に残溜する殻粒は開口部から落下し排
出案内樋(9)によって最上段の選別板(3)上に排出され、
選別板(3)上に残溜しようとする殻粒とともに傾斜下位
がわに流下し混合米受樋(5)に落下して切替弁(8)で排出
樋(7)がわに案内されて一緒に取出されるのである。

なお、本考案において、排出弁(4)の開放閉塞動作に連
動して切替弁(8)を切替作動するように記載したのであ
るが、切替弁(8)の切替作動に連動して前記排出弁(4)を
動作させるようにしてもよい。

(ト)考案の効果 本考案は以上説明したように、摺落物を風選するための
選別風路とこの選別風路で選別された玄米と籾の混合米
を取出すための横送樋を具備する風選部と、この横送樋
で取出される混合米を玄米と籾に選別するための表面を
粗雑面に形成し縦横双方に傾斜せる選別板の横方向の斜
め上下の揺動によって縦方向の両側に玄米と籾を偏流さ
せ縦方向の傾斜下位がわから取出して選別する揺動選別
部とを上下に配設して構成する籾摺選別機において、前
記一方の風選部における横送樋の底部を開口するととも
にこの開口部に開放閉塞自在の排出弁を装着し、他方の
揺動選別部における選別板の縦方向の傾斜下位がわで横
方向の中間部から取出される未選別状態の混合米を受け
て集合し取出す混合米受樋を、前記選別板への還元樋と
排出樋とに分岐し、その分岐部に切替弁を設け前記排出
弁の開放閉塞動作に連動して前記切替弁を混合米受樋内
の殻粒を排出樋がわと還元樋がわとに切替作動する構成
にし、かつ排出弁の開放動作時の前記開口部から落下す
る殻粒を選別板上に排出せしめる排出案内樋を設けて構
成したので、籾摺作業の終了時には排出弁を動作させて
横送樋底部の開口部を開放すると、この開放動作に連動
して切替弁は混合受樋内が排出樋がわに連通するように
切替わって、横送樋内に残溜する殻粒は開口部から落下
し排出案内樋によって選別板上に排出され、選別板上に
残溜しようとする殻粒とともにこの選別板を傾斜下位が
わに流下し混合米受樋に落下して切替弁で排出樋がわに
案内されて一緒に取出されるから、残溜する殻粒の取出
しが簡単で、かつ風選部に残溜する殻物を揺動選別部の
ものと同一箇所に排出させることができるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施態様を例示せるものにして、その
籾摺選別機の要部を断面して示したものである。 １……選別風路、２……横送樋 Ａ……風選部、３……選別板 イ……縦方向、ロ……横方向 Ｂ……揺動選別部、４……排出弁 ５……混合米受樋、６……還元樋 ７……排出樋、８……切替弁 ９……排出案内樋

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】摺落物を風選するための選別風路(1)とこ
   の選別風路(1)で選別された玄米と籾の混合米を取出す
   ための横送樋(2)を具備する風選部(A)と、この横送樋
   (2)で取出される混合米を玄米と籾に選別するための表
   面を粗雑面に形成し縦横双方に傾斜せる選別板(3)の横
   方向(ロ)の斜め上下の揺動によって縦方向(イ)の両側に玄
   米と籾を偏流させ縦方向(イ)の傾斜下位がわから取出し
   て選別する揺動選別部(B)とを上下に配設して構成する
   籾摺選別機において、前記一方の風選部(A)における横
   送樋(2)の底部を開口するとともにこの開口部に開放閉
   塞自在の排出弁(4)を装着し、他方の揺動選別部(B)にお
   ける選別板(3)の縦方向(イ)の傾斜下位がわで横方向(ロ)
   の中間部から取出される未選別状態の混合米を受けて集
   合し取出す混合米受樋(5)を、前記選別板(3)への還元樋
   (6)と排出樋(7)とに分岐し、その分岐部に切替弁(8)を
   設け前記排出弁(4)の開放閉塞動作に連動して前記切替
   弁(8)を混合米受樋(5)内の殻粒を排出樋(7)がわと還元
   樋(6)がわとに切替作動する構成にし、かつ排出弁(4)の
   開放動作時の前記開口部から落下する殻粒を選別板(3)
   上に排出せしめる排出案内樋(9)を設けて構成したこと
   を特徴とする籾摺選別機における残溜殻粒取出装置。